文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間(平成27年12月1日~平成28年8月31日)におけるわが国の経済は、輸出や生産に弱さが見られるものの、穏やかな回復を続けています。英国のEU離脱問題をめぐる金融市場の変動や新興国経済の減速による景気下振れが懸念されますが、企業収益の回復を背景とした設備投資の増加や雇用・所得環境の改善による底堅い個人消費に支えられ、今後も穏やかな拡大が期待されています。
当社グループが属する不動産業界において、平成28年上半期の日本国内の商業用不動産投資額は1兆9,000億円(前年同期比18%低下)でした。市場への大型物件の供給が限定的であったことに加え、不透明な経済環境から一部投資家の投資姿勢が慎重となり、市場取引が減少しました。しかし、マイナス金利導入による借入金利の低下や積極的な金融機関の貸出姿勢が不動産取引を後押しし、今後の取引拡大が期待されています。民間調査機関の予測では下半期の投資額は前年同期を上回り、年間の投資額は3兆9,000億円程度(前年比5%低下)と見込まれています。
首都圏分譲マンション市場では、人件費などの建設コストの上昇を受けたマンション価格の高止まりから消費者の購入意欲が低下しています。平成28年7月の新築マンション販売戸数は3,317戸(前年同月比30.7%低下)と8ヶ月連続で減少し、契約率も63.3%(前年同月比20.4ポイント低下)と好不調の目安となる70%を2ヶ月連続で割り込みました。民間調査機関の予測では、年間の販売戸数が4万3,000戸から平成21年以来の3万戸台となる3万7,000戸前後に下方修正されました。
一方、首都圏分譲戸建市場において、平成28年上半期の住宅着工戸数は29,075戸(前年同期比5.9%上昇)となりました。高止まりしているマンション価格にくらべ比較的割安な戸建の需要は高く、今後も底堅く推移するものと期待されています(国土交通省調べ)。
東京ビジネス5区のオフィスビル賃貸市場では、企業の業容拡大による移転や業務効率化を目的とした拠点集約の需要が依然として高く、平成28年7月の空室率は3.9%と7年11ヶ月ぶりに4%を下回る低水準となりました。平均募集賃料は18,271円/坪(前年同月比4.6%アップ)となり、31ヶ月連続で上昇しました(民間調査機関調べ)。
また、不動産証券化市場ではJ-REIT市場が拡大を続け、平成28年7月末の運用資産額(取得金額ベース)は約14兆8,000億円と前年同月から約1兆1,000億円増加しました。今後も良好な資金調達環境を背景に、J-REITによる積極的な物件取得が期待されています(民間調査機関調べ)。
このような事業環境の中、当社グループは不動産流動化事業で収益オフィスビルや賃貸マンションなどの一棟販売を順調に進捗させるとともに、不動産開発事業においては、商業施設および戸建住宅の販売・開発を推進いたしました。また、将来の収益の源泉となる収益不動産や開発用地の取得を積極的に進めてまいりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は39,139百万円(前年同四半期比41.7%増)、営業利益は8,823百万円(前年同四半期比65.8%増)、税引前四半期利益は8,203百万円(前年同四半期比72.9%増)、四半期利益は5,379百万円(前年同四半期比76.4%増)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(不動産流動化事業)
当第3四半期連結累計期間は、「錦糸町トーセイビル」(東京都墨田区)、「STABLE NAKANO」(東京都中野区)、「シティフォーラム上本郷」(千葉県松戸市)、「シャトーエスポワール国分寺」(東京都国分寺市)、「ミニモール・ヨコハマ・アオバ」(神奈川県横浜市)、「高井戸トーセイスタジオ」(東京都杉並区)、「グレイス平和台」(東京都練馬区)等26棟のバリューアップ物件の販売を行ったことに加え、Restyling事業において「ヒルトップ横濱根岸」(神奈川県横浜市)、「ヒルトップ横浜東寺尾」(神奈川県横浜市)、「ルネ鎌倉植木」(神奈川県鎌倉市)等で48戸の販売を行いました。
当第3四半期連結累計期間の仕入につきましては、バリューアップ販売物件として、収益オフィスビル、賃貸マンション等を合わせて39棟、土地7件を取得しております。
なお、仕入活動の一環として、第2四半期連結会計期間に、主に東京都豊島区に収益不動産を保有する岸野商事株式会社及び岸野不動産株式会社を、当第3四半期連結会計期間に、主に東京都中野区に収益不動産を保有する株式会社フォー・ビックをM&Aにより取得し、連結子会社としております。
以上の結果、不動産流動化事業の売上高は19,946百万円(前年同四半期比34.2%増)、セグメント利益は3,963百万円(前年同四半期比17.7%増)となりました。
(不動産開発事業)
当第3四半期連結累計期間は、新築商業施設「T'S BRIGHTIA南青山」(東京都港区)、「T'S BRIGHTIA綱島」(神奈川県横浜市)を販売いたしました。また、需要が堅調な戸建住宅の販売にも注力し、「THEパームスコート柏初石」(千葉県柏市)、「THEパームスコート越谷レイクタウン」(埼玉県越谷市)、「THEパームスコート三鷹大沢」(東京都三鷹市)、「THEパームスコート橋本」(神奈川県相模原市)等において、74戸を販売いたしました。
当第3四半期連結累計期間の仕入につきましては、戸建住宅開発用地2件、商業施設開発用地2件を取得しております。
なお、第1四半期連結累計期間より、東京都町田市を拠点として戸建分譲・注文住宅業を営む株式会社アーバンホームを連結子会社としたことにより、東京都下及び神奈川県エリアの仕入・販売網の強化を図っております。
以上の結果、不動産開発事業の売上高は11,211百万円(前年同四半期比99.1%増)、セグメント利益は3,703百万円(前年同四半期比480.5%増)となりました。
(不動産賃貸事業)
当第3四半期連結累計期間は、保有する賃貸用棚卸資産16棟を売却したものの、新たに収益オフィスビル、賃貸マンション等39棟を取得し、また取得後の空室のリーシングに努めたことに加え、保有する固定資産及び棚卸資産のリーシング活動にも注力いたしました。
以上の結果、不動産賃貸事業の売上高は3,825百万円(前年同四半期比27.4%増)、セグメント利益は1,741百万円(前年同四半期比24.1%増)となりました。
(不動産ファンド・コンサルティング事業)
当第3四半期連結累計期間は、前連結会計年度末のアセットマネジメント受託資産残高(注)421,792百万円から、ファンドの物件売却等により38,913百万円の残高が減少したものの、新たに大型案件のアセットマネジメント業務を受託したこと等により、91,117百万円の残高が増加し、当第3四半期連結会計期間末のアセットマネジメント受託資産残高は473,996百万円となりました。当該大型案件の獲得により、アセットマネジメントフィーが増加し、売上に貢献いたしました。
以上の結果、不動産ファンド・コンサルティング事業の売上高は1,711百万円(前年同四半期比24.4%増)、セグメント利益は742百万円(前年同四半期比10.0%増)となりました。
(注) アセットマネジメント受託資産残高には、一部コンサルティング契約等に基づく残高を含んでおります。
(不動産管理事業)
当第3四半期連結累計期間は、新規契約の獲得および既存契約の維持に努め、ファンド物件の管理棟数が増加しました。当第3四半期連結会計期間末での管理棟数は、オフィスビル、ホテルおよび学校等で361棟、分譲マンション及び賃貸マンションで218棟、合計579棟(前年同四半期末比37棟増加)となりました。
以上の結果、不動産管理事業の売上高は2,174百万円(前年同四半期比2.7%減)、セグメント利益は98百万円(前年同四半期比3.9%減)となりました。
(その他)
当第3四半期連結累計期間の売上高は270百万円(前年同四半期比48.0%減)、セグメント損失は22百万円(前年同四半期は155百万円のセグメント利益)となりました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ18,197百万円増加し、111,393百万円となりました。負債は13,604百万円増加し、70,571百万円となりました。
これは主に不動産流動化事業及び不動産開発事業における物件仕入が売却を上回ったことに伴う棚卸資産の増加及び金融機関からの借入金の増加によるものであります。
また資本は4,593百万円増加し、40,822百万円となりました。これは主に利益剰余金の積み上げ及び配当金の支払によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,306百万円増加し22,097百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は、1百万円(前年同四半期は10,901百万円の使用)となりました。これは主に、税引前四半期利益8,203百万円、不動産流動化事業及び不動産開発事業の物件仕入による棚卸資産の増加6,562百万円、法人所得税の支払額2,186百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、6,274百万円(前年同四半期は172百万円の使用)となりました。これは主に、投資不動産の取得による支出1,695百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出3,286百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、9,589百万円(前年同四半期比1.2%減)となりました。これは主に、長期借入れによる収入29,048百万円等があったものの、長期借入金の返済による支出17,982百万円及び配当金の支払額771百万円等があったことによるものであります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
① 基本方針の内容
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務および事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。
当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には当社の株主全体の意思に基づいて行われるべきものと考えております。また、当社は、当社株式の大量買付であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値や株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社の財務及び事業の方針を決定する者たる資質としては、特に、当社グループの能力の最大化につながる「不動産と金融の融合」を可能とする6つの事業領域(注)を自社でカバーする体制、およびそれを支える不動産と金融の専門的な知識・経験をもった従業員、多彩な価値創造技術を支える能力や情報ネットワークの構築に基づき時間をかけて醸成してきた不動産業界における信用および総合的事業を可能とするノウハウへの理解が必要不可欠です。当社株式の大量買付を行う者が、当社の財務および事業の内容を理解するのは勿論のこと、こうした当社の企業価値の源泉を理解した上で、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。
当社としては、このような当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
② 基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
当社グループは、新中期経営計画『Advancing Together 2017』(2014年12月~2017年11月)において、既存6事業(注)のさらなる拡大・発展及び周辺事業領域への進出検討により、経営基盤の一層の強化を図り、事業拡大に伴ったグループ拡大・人員増に向けて最適なガバナンスを構築するとともに効率的な組織運営体制の構築に取り組みます。さらに当社グループの最重要財産である人材育成に注力し、グループ社員の従業員満足度を高めてまいります。一方で、さらなる企業成長のために、顧客満足度の高い商品や、高品質のサービスを提供することにより、オリジナリティーあふれる“トーセイブランド”を確立していくことを新中期経営計画の基本方針しております。これらの方針の基に、「グローバルな発想を持つ心豊かなプロフェッショナルとして、新たな価値と感動を創造」していくグループであるために、ベンチャー精神を持って既成の概念を打破し、リスクテークする企業集団として、さらに邁進してまいります。
当社グループでは、これまでにも、複数の社外取締役(2名)の選任、全監査役(5名)の社外招聘、及び社外役員7名全員を東京証券取引所の「上場会社コーポレートガバナンス原則」に従った「独立役員」として届出を行っております。また、執行役員制の導入による業務執行機能強化、コーポレート・ガバナンス会議の設置などに取り組んでまいりましたが、今後とも、コーポレート・ガバナンスのより一層の強化に取り組んでまいります。具体的には、当社のコンプライアンス規範に則り、模範的行動レベルから理想的行動レベルへ高次なコンプライアンス意識に基づく行動を実践すること、企業活動に伴うリスクを的確に把握・分析し、リスク・マネジメントを徹底すること、フェアディスクローズの精神に基づき、正確な会社情報を迅速に公表し、投資家を含むあらゆるステークホルダーへの説明責任を継続して果たすことなどに注力してまいります。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み(以下、本プラン)の概要
本プランは、上記基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みであり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、または向上させることを目的とするものです。
本プランは、当社株券等に対する買付等(①当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付その他の取得、もしくは②当社が発行者である株券等について、公開買付けを行う者の株券等所有割合およびその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けに該当する当社株券等の買付その他の取得またはこれらに類似する行為等)を行おうとする者(以下「買付者等」といいます。)が従うべき手続等について定めております。
具体的には、買付者等には、買付等に先立ち、意向表明書および必要情報等を記載した買付説明書等を当社に対して提出していただきます。
これを受け、独立委員会において、独立した専門家の助言を得ながら、買付等の内容の検討、買付者等と当社取締役会の経営計画・事業計画等に関する情報収集・比較検討、当社取締役会の提示する代替案の検討等、買付者等との協議・交渉等を行うとともに、当社においては、適時に情報開示を行います。
独立委員会は、本プランに定められた手続に従わなかった買付等や当社の企業価値および株主共同の利益の確保・向上に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付等であって、かつ、本新株予約権の無償割当てを実施することが相当である場合等には、当社取締役会に対し、新株予約権の無償割当てを実施すべき旨の勧告を行います。また、株主意思確認総会が開催された場合には、これに従うものとします。この新株予約権には、買付者等による権利行使は原則として認められない旨の行使条件および原則として当該買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得する旨の取得条項等が付されております。当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重して、本新株予約権の無償割当ての実施または不実施等に関する会社法上の機関としての決議を行うものとし、また、株主意思確認総会が開催された場合には、これに従うものとします。買付者等は、本プランに係る手続が開始された場合には、当社取締役会において本プランの発動をしない旨の決議がなされるまでの間、買付等を行ってはならないものとします。本プランの有効期間は、第65回定時株主総会終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとします。但し、有効期間の満了前であっても、当社取締役会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されるものとします。
④ 具体的取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由
当社取締役会は、当社の中期経営計画をはじめとする企業価値向上のための取組みやコーポレート・ガバナンスの強化といった各施策は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに基本方針に沿うものであり、当社の株主共同の利益を損なうものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでもないと判断しております。
また、当社取締役会は、本プランについては、その更新について株主総会の承認を得ていること、その有効期間が最長約3年間と定められた上、当社取締役会の決議によりいつでも廃止できるとされていること、当社経営陣から独立した者によって構成される独立委員会が設置され、本プランにおける対抗措置の発動に際しては必ず独立委員会の判断を経ることが必要とされていること、発動の内容として合理的な客観的要件が設定されていること、経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を全て充足していることなどから、基本方針に沿うものであり、当社の株主共同の利益を損なうものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでもないと判断しております。
(注) 第67期第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 (5)要約四半期連結財務諸表注記 5.セグメント情報」をご参照ください。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)従業員数
当第3四半期連結累計期間において、不動産開発事業および不動産ファンド・コンサルティング事業を営む株式会社アーバンホームおよび株式会社アーバンネクストをM&Aにより取得したこと等により、前連結会計年度末に比べ従業員数が53名増加しております。