文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは「私たちは、グローバルな発想を持つ心豊かなプロフェッショナル集団としてあらゆる不動産シーンにおいて新たな価値と感動を創造する。」ことを存在理念とし、常に「モノづくり」へのこだわりを持ち、不動産と金融の融合を意識した多様な不動産関連事業の推進により社会に貢献し、グループ企業価値を向上することを目指しております。
未だ新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない環境下でありますが、当社グループの主力市場である首都圏不動産投資市場は一時的に停滞を見せたものの、各国の金融緩和政策による世界的な低金利環境と金融機関による融資下支えを背景に、足元の不動産取引量は概ね前期並み水準に回復しています。特に、コロナ禍においても安定稼働している物流施設や投資用マンションに海外投資家の投資資金が流入しており、引き続き需要の増加が期待されます。また、取引価格においては、稼働率回復に時間を要するホテルを除き、投資家の不動産期待利回りに大きな変化は無く、流通価格の下落は軽微であります。ただし、低水準で推移していた首都圏オフィスで空室率上昇と賃料反落が観測されており、今後、コロナ禍を背景とした企業の業績不振や一部企業による大規模なテレワーク移行などがもたらすオフィス需要動向への影響、金融機関の融資姿勢の変化を慎重に注視する必要があります。
② 中長期的な会社の経営方針、経営戦略
当社グループは2021年11月期を初年度とする新中期経営計画「Infinite Potential 2023」(2020年12月~2023年11月)を策定致しました。不動産業界を取り巻く環境変化として、地球温暖化や企業の社会的責任対する意識の高まり、少子高齢化社会の進行、DXやITを含むテクノロジーの急速な進展による新しい働き方やライフスタイルの多様化が挙げられます。不動産は暮らしを支える社会的インフラであることを認識し、当社グループは、不動産にかかわる社会的課題に真摯に取り組むとともに、グループの無限大の成長可能性を追求し、邁進してまいります。
<大方針>
『あらゆる不動産シーンにおいて、グループの無限大の成長可能性を追求し、総合不動産会社としての新たな
ステージを目指す。』
<基本方針>
基本方針1.環境・社会的課題を意識した既存事業の拡大、営業利益増大
基本方針2.DXによる既存事業拡充と新たな収益モデルの創出
基本方針3.事業規模拡大、保有資産増加、資本効率を意識したバランスシート戦略
基本方針4.ガバナンスと効率性の両立を意識したグループ戦略、組織戦略
基本方針5.IT活用促進による業務効率・事務効率の改善、生産性向上に資する従業員満足度の向上
基本方針6.サステナビリティを意識した事業、マネジメント、ESG経営の推進
<定量計画> 資本効率 :最終年度ROE 12%以上
財務健全性:自己資本比率 35%程度
ネットDEレシオ 1.0倍程度
売買事業 :安定事業比率(営業利益ベース)50:50
株主還元 :3年間で配当性向25%から30%へ段階的に引き上げを目指す
資本効率を意識した自社株買いの実施検討
当社グループは、グループの無限大の成長可能性を具現化すべく、さらなる事業成長と、デジタル技術活用によるビジネスの変革および事業を通じたSDGsへの貢献、ESG経営の推進に取り組んでまいります。具体的には、環境・社会的課題への取組みを各事業の個別施策へ盛り込むことによりグループ一体で取り組みを進めることを目指し、不動産流動化事業では既存不動産の再生によりビルの活用年数を延ばし、快適性・安全性を意識したバリューアップによる付加価値創造で商品の差別化と収益向上を追求してまいります。不動産開発事業においては商品企画に環境への配慮や、防犯・災害への備えなどを盛り込むなど、顧客に支持される商品企画で各商品ブランド価値の向上を目指し、不動産流動化事業・不動産開発事業ともにITを活用した販売活動、投資判断力の強化、グループ連携促進により、事業規模拡大に向けて体制強化を図ります。また、安定収益事業と位置付けるストック・フィービジネスにおいては、不動産賃貸事業、不動産ファンド・コンサルティング事業、不動産管理事業、ホテル事業の各事業でESGを意識した高品質なサービスの提供と顧客満足度の向上、ITを活用した業務プロセスの見直し等により、事業規模拡大と収益性向上を目指します。また、DXと不動産の融合を新たな事業機会と認識し、クラウドファンディング事業の運用資産拡大やセキュリティトークンによる投資スキームの事業化など、新たな収益モデルの創出に向けて取り組みを進めます。
財務面につきましては、事業規模および資産残高の拡大を下支えすべく、資金調達力を強化し、健全な財務体質を維持しながら、効果的な投資を図ってまいります。また、事業規模の拡大・多様化に伴うグループ組織戦略として、組織の機能整理と再構成、内部統制のより一層の質的な充実、最適なコーポレート・ガバナンス体制を維持し、グループの連携と総合力増大を目指します。さらに、当社グループの最重要財産である人材を活かすため、グループ全体の従業員満足度の向上を図りながら、全役員・従業員の成長、生産性向上のための人材育成を推進してまいります。
③ 優先的に対処すべき事業上、財務上の課題
当社グループの優先的に対処すべき事業上、財務上の課題は下記のとおりであります。
1.事業上の課題
2.財務上の課題
当社グループの経営成績、株価および財政状況等に影響を及ぼす可能性が考えられる事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであり、リスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避と発生した場合の対応に努力する方針であります。また、以下の記載は、当社グループの事業もしくは当社株式への投資に関するリスクを完全に網羅するものではありません。
当社グループが所有するオフィスビルや商業施設への需要は景気の動向に左右されうること、また住宅購入顧客の購買意欲は景気の動向やそれに伴う雇用環境等に影響を受けやすい傾向にあること、不動産市況の悪化による地価等の下落に影響を受けやすい傾向にあること、等から、今後、国内外の経済情勢が悪化したことにより、不動産への投資意欲の低下、不動産取引の減少、空室率の上昇や賃料の下落といった事態が生じた場合には、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、定期的に景気動向・不動産市況等のモニタリングを行うとともに、エリア・規模・用途・物件特性に応じたマーケット観の醸成、投資判断力・リーシング力の強化等により、リスクの低減を図ってまいります。
将来発生が懸念されている東京における大地震をはじめ、暴風雨、洪水等の自然災害、戦争、テロ、火災等の人災が発生した場合には当社グループが投資・運用・開発・管理を行っている不動産の価値が大きく毀損する可能性があるほか、被災による需要減少に伴うホテル稼働率の低下等が生じる可能性があり、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、グループ主要各社においてBCP(事業継続計画)を策定し、被災時でも重要な事業を継続または早期復旧できるよう準備を行っております。
当社グループの事業に係る土地、建物取得費および建築費等は、主として個別案件毎に金融機関からの借入金によって調達しているため、総資産に占める有利子負債の比率が常に一定程度あることから、将来において、金利が上昇した場合および金融機関の融資姿勢に変化が生じた場合には、資金調達コストの増加や資金手当への影響により、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、一部の借入金に財務制限条項が付されており、条項に抵触し一括返済をする場合のほか、案件の売却時期の遅延や売却金額が当社の想定を下回った場合には、当社グループの資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、定期的に金利動向や金融機関の融資姿勢についてモニタリングを行うとともに、借入における機動的な資金確保のための融資枠設定や金利固定化を行う等、安定的かつ経済的な資金調達に努めております。
① 法的規制
会社法や上場会社としての金融商品取引法の規制のほか、当社グループの事業において関連する主な法的規制は下表のとおりであります。
今後これらの法的規制が強化される場合には規制遵守に向けた対応のためのコスト増加の可能性があります。
② 免許、許認可等
当社グループの事業は、上表の法的規制に基づく以下の関連許認可等を得て行っております。当社グループは、これらの許認可等を受けるための諸条件および関係法令の遵守に努めており、現時点において当該許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりません。しかしながら、法令違反等によりこれらの許認可等が取り消される、あるいは一定期間の営業活動停止等の行政処分等がなされた場合には、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、今後これらの規制の強化、または新たな規制の導入により、事業活動が制約された場合、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、関係法令の改廃情報および監督官庁からの発信文書の内容をリスク・コンプライアンス委員会、事業法務連絡会議等において共有、協議し、課題等の早期把握や対応に努めております。また、コンプライアンスに関する継続的な啓蒙活動や研修等により法令遵守の徹底を図っております。
(当社)
(トーセイ・アセット・アドバイザーズ㈱)
(トーセイ・コミュニティ㈱)
(トーセイ・リバイバル・インベストメント㈱)
(トーセイ・アーバンホーム㈱)
(岸野商事㈱)
(㈱増田建材店)
(三起商事㈱)
(トーセイ・ホテル・マネジメント㈱)
<トーセイホテルココネ神田>
<トーセイホテルココネ上野>
<トーセイホテル&セミナー幕張>
<トーセイホテルココネ浅草蔵前>
<トーセイホテルココネ上野御徒町>
会計基準、不動産税制に関する変更があった場合、資産保有および取得・売却時のコストの増加等により当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、会計基準及び不動産税制の変更に関して適時に情報を収集することで、当社グループの経営成績、財務状況に与える影響を早期に把握するよう努めております。
当社グループは、近年参入したホテル事業、物流施設開発事業等を含む既存事業の拡大などを目的とした企業買収、子会社の設立等に加えて、新たにクラウドファンディングを活用した事業を推進しております。これら事業の業績には様々な不確実性を伴うため、想定しうるリスクに対する内部管理体制の構築、人材の充実、保険の付保等を行っておりますが、想定を超えるリスクの発生、法令や諸規制の変更によっては、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、可能な限りリスクを想定した内部管理体制の構築、人材の充実、保険の付保等を行うとともに、事業戦略の進捗状況や事業環境の変化等について定期的にモニタリングを行い、環境変化に応じた戦略の見直しを適時に行っております。
新型コロナウイルスの感染拡大により、当社グループが属する不動産業界においても、ホテル宿泊需要の大幅な減少や商業施設におけるテナントの業況悪化が散見されております。このような環境下において、当社グループにおいては、特に流通価格低下が懸念されるホテル施設や商業施設を中心に評価損を計上しております。今後、感染拡大に伴う経済活動の停滞が長期化した場合、ホテル事業における業績低迷や更なる評価損の計上が生じ、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、従業員に感染者が出た場合は、営業所の閉鎖等により事業活動が滞る可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、政府等の方針や各業界のガイドラインに従い、顧客や従業員の安全確保を最優先とし、感染予防対策の徹底に努めてまいります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容
① 事業環境と経営成績等の状況に関する認識
当連結会計年度(2019年12月1日~2020年11月30日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい状況が続いております。各種政策の効果や海外経済の改善もあり持ち直しの動きが見られていましたが、足元では、国内外で新型コロナウイルス感染症が再拡大しており、動向を注視する必要があります。
当社グループが属する不動産業界では、2020年1月~9月の国内不動産投資額は一時落ち込みを見せたものの、物流施設とレジデンスを中心に回復し、累計期間では3.4兆円と前年同期比2%の減少にとどまりました。投資市場の先行きに不透明感はありますが、相対的に新型コロナウイルス感染症の影響が軽微な日本市場は海外投資家から人気が高く、インバウンド投資の増加により、世界の都市別投資額では東京が1位となりました(民間調査機関調べ)。
首都圏分譲マンション市場では、2020年1月~10月の新規供給戸数は、1万7千戸と前年同期比20.7%減となりました。緊急事態宣言下での販売自粛の影響で4、5月は大きく落ち込みましたが、9、10月は2カ月連続で前年実績を上回り、また、初月契約率も好不調の目安となる70%を上回って推移するなど、持ち直しの動きが見られます。分譲戸建市場では、2020年1月~9月の住宅着工戸数は4万戸と前年同期比で14.2%減少しました(民間調査機関調べ)。
2020年4月~10月の建設工事受注高(大手50社)は、6兆4,449億円となりました(前年同期比7.8%減)。公共工事は1兆7,148億円(前年同期比28.1%増)となり9ヶ月連続で増加していますが、新型コロナウイルス感染症の影響による工事遅延等により、民間工事が4兆3,616億円(前年同期比14.6%減)と前年を大きく下回って推移しています。一方、2020年1月~10月の建築費は、鉄筋コンクリート造の建築費坪単価が908千円/坪と前年同期からは下落しましたが(前年同期935千円、2.9%減)、依然として高い水準で推移しています。木造は569千円/坪(前年同期562千円、1.2%増)と緩やかに上昇を続けています(国土交通省調べ)。
東京都心ビジネス5区のオフィスビル賃貸市場では、2020年3月から空室率が上昇に転じ、2020年10月時点の平均空室率は3.93%(前年同期比2.30ポイントの上昇)となりました。平均賃料は、前年同月では424円上回っているものの、2020年8月から3ヶ月連続で下落し22,434円/坪となりました。経済の先行き懸念から、拡張の鈍化と、オフィス集約や縮小の動きによる解約が見られており、今後の需給動向が注視されます(民間調査機関調べ)。
首都圏物流施設賃貸市場では、2020年10月の賃貸ストックは632万坪(前年同期比10.8%の増加)となりました。空室率は0.4%と2008年の調査開始以降で最も低い水準を維持しており、需給が逼迫する状況が続いています。今後も、Eコマースの利用拡大継続などにより、空室率は低い水準で推移すると見られています(民間調査機関調べ)。
不動産ファンド市場は、緩やかに市場規模が拡大しています。J-REITでは物流施設を中心に取得が進み、2020年10月のJ-REIT運用資産額は20.1兆円(前年同期比1.1兆円の増加)となりました。2020年6月時点の私募ファンドの運用資産額21.1兆円と合わせると、不動産証券化市場の規模は41.2兆円となりました(民間調査機関調べ)。
東京都ビジネスホテル市場では、2020年8月の客室稼働率は23.6%(前年同期は84.4%)となりました。2020年7月よりGoToトラベルキャンペーンが開始されましたが、対象地域から東京都が除外されたこと等の影響により回復は限定的となりました。また、2020年1月~8月の東京都の全施設タイプにおける延べ宿泊者数は1,948万人泊(前年比62.3%減)となりました。渡航制限継続による訪日外国人の大幅な減少や感染者数再増加の影響を受け、当面は厳しい状況が続くと予想されます(観光庁調べ)。
このような事業環境の中、当社グループは不動産流動化事業で収益オフィスビルや賃貸マンション等の一棟販売を進捗させるとともに、不動産開発事業においては、分譲マンションや戸建住宅、物流施設の販売を推進しました。
以上の結果、当連結会計年度は、売上高63,939百万円(前連結会計年度比5.3%増)、営業利益6,427百万円(同49.4%減)、税引前利益5,901百万円(同51.2%減)、当期利益3,602百万円(同57.4%減)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
(不動産流動化事業)
当連結会計年度は、「神楽坂プラザビル」(東京都新宿区)、「T's garden北柏」(千葉県柏市)、「駒込3丁目ビル」(東京都豊島区)等43棟のバリューアップ物件の販売を行ったことに加え、Restyling事業において「エコロジー落合レジデンス」(東京都新宿区)、「ヒルトップ横浜東寺尾」(神奈川県横浜市)等で4戸の販売を行いました。
当連結会計年度の仕入につきましては、バリューアップ販売物件として、収益オフィスビル、賃貸マンション合わせて25棟、土地7件を取得しております。
また、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、保有する収益不動産の評価を見直したことにより、一部の物件についてIAS第2号「棚卸資産」の規定に基づき正味実現可能価額で評価を行っております。これにより売上原価に1,531百万円の評価損を計上しております。
以上の結果、不動産流動化事業の売上高は31,154百万円(前連結会計年度比0.5%増)、セグメント利益は5,596百万円(前連結会計年度比27.8%減)となりました。
(不動産開発事業)
当連結会計年度は、需要が堅調な新築分譲マンションや戸建住宅の販売に注力いたしました。新築分譲マンションでは、「THEパームス相模原パークブライティア」(神奈川県相模原市)において243戸を販売いたしました。戸建住宅では、「THEパームスコート三ツ池公園Ⅱ」(神奈川県横浜市)、「THEパームスコート国分寺恋ヶ窪」(東京都国分寺市)等において、80戸を販売いたしました。その他、物流施設1件、商業施設1件、土地6件を販売いたしました。
当連結会計年度の仕入につきましては、賃貸マンション開発用地1件、商業施設開発用地1件、40戸分の戸建住宅開発用地を取得しております。
また、不動産開発事業においても、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、保有する収益不動産の評価を見直したことにより、一部の物件についてIAS第2号「棚卸資産」の規定に基づき正味実現可能価額で評価を行っております。これにより売上原価に6,252百万円の評価損を計上しております。
以上の結果、不動産開発事業の売上高は16,171百万円(前連結会計年度比12.7%増)、セグメント損失は3,743百万円(前連結会計年度は1,528百万円の利益)となりました。
(不動産賃貸事業)
当連結会計年度は、保有する賃貸用棚卸資産21棟を売却したものの、新たに収益オフィスビル、賃貸マンション等17棟を取得し、また取得後の空室のリーシングに努めたことに加え、保有する固定資産及び棚卸資産のリーシング活動にも注力いたしました。
以上の結果、不動産賃貸事業の売上高は5,810百万円(前連結会計年度比2.2%減)、セグメント利益は2,319百万円(前連結会計年度比2.0%減)となりました。
(不動産ファンド・コンサルティング事業)
当連結会計年度は、前連結会計年度末のアセットマネジメント受託資産残高(注)846,478百万円から、ファンドの物件売却等により69,998百万円の残高が減少したものの、新たに大型案件のアセットマネジメント業務を受託したこと等により、346,926百万円の残高が増加し、当連結会計年度末のアセットマネジメント受託資産残高は1,123,406百万円となりました。
以上の結果、不動産ファンド・コンサルティング事業の売上高は5,676百万円(前連結会計年度比51.2%増)、セグメント利益は4,193百万円(前連結会計年度比77.3%増)となりました。
(注) アセットマネジメント受託資産残高には、一部コンサルティング契約等に基づく残高を含んでおります。
(不動産管理事業)
当連結会計年度は、新規契約の獲得及び既存契約の維持に努め、当連結会計年度末での管理棟数は、オフィスビル、ホテル及び物流施設等で449棟、分譲マンション及び賃貸マンションで246棟、合計695棟(前連結会計年度末比36棟増加)となりました。
以上の結果、不動産管理事業の売上高は4,690百万円(前連結会計年度比2.3%増)、セグメント利益は667百万円(前連結会計年度比32.5%増)となりました。
(ホテル事業)
当連結会計年度は、「トーセイホテルココネ浅草蔵前」、「トーセイホテルココネ上野御徒町」を開業しました。お客様の安全、安心を第一に考え、営業活動にあたりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は大きく、売上高・セグメント損益とも想定を大きく下回りました。
以上の結果、ホテル事業の売上高は437百万円(前連結会計年度比59.8%減)、セグメント損失は673百万円(前連結会計年度は99百万円の利益)となりました。
② 経営成績等に関する分析、検討内容
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴うパンデミックにより先行き不透明感が増していくなか、不動産市場の動向を慎重に注視しながらの仕入販売活動となりました。成長ドライバーである売買事業のうち、不動産開発事業は、ほぼ計画通りに販売を進捗させましたが、中古再生不動産を取り扱う不動産流動化事業は、流動性の低下と流通価格下落が懸念されたことから、第2四半期以降、戦略的に物件販売時期の見直しを行いつつ商品力の弱いストックを優先して販売いたしました。また、第2四半期末には、両事業の棚卸資産評価においてコロナ禍の影響を大きく受ける開発ホテル施設及び開発商業施設を中心に7,680百万円の評価損を計上いたしました。この評価損の計上は、当社の将来リスク軽減に資するものと判断しておりますが、当連結会計年度においては両事業の利益率低下の要因となりました。
一方、当社グループが安定収益事業と位置付けるストック・フィービジネスでは、不動産賃貸事業における当社保有物件の稼働率低下は見られず、賃料軽減要請等も含め感染症の影響は軽微であります。また、不動産ファンド・コンサルティング事業は、不動産取得意欲の強い国内外機関投資家需要を取込み、受託資産残高は過去最高の1.1兆円へと成長しました。さらなる事業拡大に向けて、当連結会計年度はクラウドファンディング事業「トーセイ不動産クラウドTREC FUNDING」を立ち上げたほか、セキュリティトークン市場の将来性を踏まえトーセイ・トークン発行に向けた実証実験を始めるなど、積極的に事業を推進いたしました。ホテル事業は、既存3店舗を一時休業し、7月から新規開業の2店舗を加えた6店舗の営業を開始したものの、インバウンド客の消失により稼働は低迷が続いております。2021年秋頃迄には新型コロナウイルス感染症が収束することを期待し稼働回復に努めています。
これらの事業活動の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は前連結会計年度比5.3%増の63,939百万円、税引前利益は同51.2%減の5,901百万円、当期利益は同57.4%減の3,602百万円となりました。未だ新型コロナウイルス感染症の終息時期が見通せない事業環境でありますが、当社グループは引き続き、手元流動性・財務健全性を確保しながら、将来の成長に向けた仕入活動を拡大し、売買事業の回復を図ってまいります。
(2) 生産、受注及び販売の状況
当社グループは、不動産流動化事業、不動産開発事業、不動産賃貸事業、不動産ファンド・コンサルティング事業、不動産管理事業及びホテル事業を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。
当社グループのうち連結子会社において受注生産を行っておりますが、グループ事業全体における重要性が低いため、受注実績の記載はしておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度末における財政状態は、総資産161,684百万円(前連結会計年度末比0.1%減)、負債102,714百万円(同0.8%減)、資本58,969百万円(同1.1%増)となりました。また、親会社所有者帰属持分比率は36.5%(前連結会計年度末は36.0%)となっております。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、105,664百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,669百万円減少しております。これは主に、現金及び現金同等物5,040百万円の増加、当社グループの主力事業であります不動産流動化事業及び不動産開発事業において、物件の売却が仕入を上回ったこと及び棚卸資産評価損による棚卸資産8,156百万円の減少等によるものであります。
(非流動資産)
当連結会計年度末における非流動資産の残高は、56,020百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,459百万円増加しております。これは主に、有形固定資産14,823百万円の増加、投資不動産10,880百万円の減少等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、18,786百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,267百万円減少しております。これは主に、借入金4,496百万円の減少等によるものであります。
(非流動負債)
当連結会計年度末における非流動負債の残高は、83,928百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,394百万円増加しております。これは主に、借入金5,640百万円の増加等によるものであります。
(資本)
当連結会計年度末における資本の残高は、58,969百万円となり、前連結会計年度末に比べ663百万円増加しております。これは主に、利益剰余金1,602百万円の増加、自己株式500百万円の取得等によるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5,040百万円増加し、37,039百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、12,509百万円(前連結会計年度は、3,799百万円の使用)となりました。これは主に、税引前利益5,901百万円、棚卸資産の減少8,154百万円、法人所得税の支払額3,139百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、4,054百万円(前連結会計年度比90.1%増)となりました。これは主に、投資不動産の取得による支出3,377百万円、その他の金融資産の取得による支出972百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、3,414百万円(前連結会計年度は、11,412百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入による収入33,963百万円があったものの、長期借入金の返済による支出31,925百万円及び配当金の支払額1,977百万円、自己株式の取得による支出500百万円等があったことによるものであります。
キャッシュ・フロー指標のトレンド
親会社所有者帰属持分比率 :親会社所有者帰属持分/資産合計
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー/利払い
(注1) いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2) 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
(注3) キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
(注4) 有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利息を支払っている全ての負債を対象としております。
(注5) 2019年11月期は、連結キャッシュ・フロー計算書の営業キャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについて記載しておりません。
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり重要となる会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載されているとおりであります。
(6) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標について
2020年11月期を最終年度とする前中期経営計画「Seamless Growth 2020」(2017年12月~2020年11月)の計画数値に対する当連結会計年度の実績については以下のとおりとなっております。
当連結会計年度の経営成績の分析につきましては前述の「(1)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容」をご参照ください。
(中期経営計画「Seamless Growth 2020」(2017年12月~2020年11月))
<計画>
(注)「当初計画」は、2017年11月期に策定し、2018年1月に公表した中期経営計画「Seamless Growth 2020」の数値となります。2018年11月期及び2019年11月期については連結売上高及び連結税引前利益のみ開示しております。
<実績>
(注)2018年11月期及び2019年11月期の利益成長率及びROEについては、それぞれ、単年度の実績数値で算出しております。2020年11月期のROEについては、3年平均の実績数値で算出しております。
(当連結会計年度の計画比)
当連結会計年度の計画と実績は次のとおりであります。
(注) 「2020年11月期(当初計画)」及び「2020年11月期(修正後)」は、それぞれ2018年1月に公表した中期経営計画「Seamless Growth 2020」及び2020年1月に公表した連結業績予想の数値となります。
当社グループの事業活動における資金需要は、主に事業用建物および土地の仕入に関するものであります。当社グループはこれらの需要について、自己資金に加え、銀行借入を中心に機動性と長期安定性を重視した資金調達を実施しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。