第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容

①事業環境と経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容

当第3四半期連結累計期間(2020年12月1日~2021年8月31日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい状況にあります。2021年4月~6月期の実質国内総生産(GDP)が年率換算で前期比1.3%増となるなど、国内経済は持ち直しの動きも見られますが、今年7月から見られる国内での感染再拡大による経済下振れリスクや、世界金融市場の変動等に注視する必要があります。

当社グループが属する不動産業界においては、2021年1月~6月の国内不動産投資額は1.8兆円と前年同期比で29%の減少となりました。国内外投資家の不動産への投資需要は引き続き旺盛であるものの、市場での販売物件不足により特に大型取引が発生しなかったなど、投資機会が減ったことが低調の理由と見られています。世界の都市別ランキングでも東京は2021年1月~6月のランキングで4位(前年同期では1位)に後退しましたが、下半期は取引回復が期待されており、2021年度の投資額は前年度並みの4.3兆円程度になると予測されています(民間調査機関調べ)。

首都圏分譲マンション市場では、2021年1月~7月の新築発売戸数は15,229戸と、昨年の緊急事態宣言下での大幅な販売減からの反動で前年同期比59.1%増となりました。結果、2019年並み(同期発売戸数15,368戸)の発売戸数まで伸長しています。初月契約率も、好不調の目安となる70%前後で推移しており、好調な市況が見られています。また、首都圏中古マンション市場においても、2021年1月~7月の成約戸数は24,284戸と前年同期比で23.6%増となっています。一方、分譲戸建市場においては、分譲マンションのような大幅な販売減が昨年に見られなかったことから、2021年1月~7月の新設住宅着工戸数は3.2万戸(前年同期比1.6%の減少)と前年同期並みとなりました(民間調査機関調べ)。

2021年1月~7月の建築費は、鉄筋コンクリート造の建築費平均坪単価が955千円/坪(前年同期比5.0%増)、木造は平均567千円/坪(前年同期比0.1%減)となりました。足元ではコロナワクチン普及を経た世界経済の復調により鋼材系資材価格が上昇していることや、ウッドショックと呼ばれる世界の木材需要の急拡大による木材価格高騰が見られることから、今後の建築費への影響が懸念されます(国土交通省調べ)。

東京都心ビジネス5区のオフィスビル賃貸市場では、オフィスの拡張鈍化やテレワーク文化の一部浸透によるオフィス縮小の動きを背景に、2021年7月時点の平均空室率は6.28%(前年同月比3.51ポイントの上昇)となりました。平均賃料は、21,045円/坪(前年同月比1,969円の減少)と都心部オフィス賃貸マーケットは下降局面に入っており、引き続き需給動向の注視が必要です(民間調査機関調べ)。

首都圏物流施設賃貸市場では、2021年7月の賃貸ストックは686万坪(前年同期比11.7%増)となりました。空室率は1.3%と2021年4月の0.5%から上昇し1%台となりましたが、依然としてひっ迫した需給環境が続いています。コロナ禍での特需は一旦落ち着いたものの、賃貸需要は当面堅調であると見られています(民間調査機関調べ)。

不動産ファンド市場は、引き続き市場規模の拡大が続いています。2021年7月のJ-REITの運用資産額は 20.9兆円(前年同月比 1.1兆円の増加)となり、私募ファンドは運用資産額 22.5兆円(2020年12月時点、前年同月比 2.3兆円の増加)となりました。両者を合わせた証券化市場の規模は 43.4兆円まで拡大しました(民間調査機関調べ)。

東京都のビジネスホテル市場では、2021年1月~5月の平均客室稼働率は34.5%(2019年同期は84.2%)となり、新型コロナウイルス感染症の影響を引き続き受けています。また、東京都の全施設タイプにおける2021年1月~5月の延べ宿泊者数は1,205万人(2019年同期は3,174万人)となりました。国内のワクチン接種は日々進捗するものの、ホテル市場については依然として厳しい状況が続くと予想されます(観光庁調べ)。

このような事業環境の中、当社グループは不動産流動化事業において収益オフィスビルや賃貸マンション等の一棟販売を進捗させるとともに、不動産開発事業においては、戸建住宅や物流施設の販売を推進しました。また、仕入活動においては、将来の収益の源泉となる収益不動産や各種開発用地の取得を進めてまいりました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は52,311百万円(前年同四半期比7.1%減)、営業利益は10,965百万円(同136.1%増)、税引前四半期利益は10,489百万円(同152.3%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は7,076百万円(同186.7%増)となりました。

 

セグメント毎の業績は次のとおりであります。

 

(不動産流動化事業)

当第3四半期連結累計期間は、「関内トーセイビルⅢ」(神奈川県横浜市)、「T's garden清瀬」(東京都清瀬市)、「市川島村ビル」(千葉県市川市)等41棟のバリューアップ物件の販売を行ったことに加え、Restyling事業において「伊皿子プレース」(東京都港区)、「ルネ鎌倉植木」(神奈川県鎌倉市)等3戸の販売を行いました。

当第3四半期連結累計期間の仕入につきましては、バリューアップ販売物件として、収益オフィスビル、賃貸マンション、物流施設等を合わせて25棟、土地2件を取得しております。

また、保有する収益不動産の評価の見直しにより、棚卸資産評価損の戻入を563百万円計上しております

以上の結果、不動産流動化事業の売上高は30,060百万円(前年同四半期比0.9%減)、セグメント利益は7,239百万円(前年同四半期比25.4%増)となりました。

 

(不動産開発事業)

新設物流施設「T's Logi蓮田」(埼玉県蓮田市)、新設商業施設「THEパームス相模原パークブライティア(店舗部分)」(神奈川県相模原市)を販売いたしました。また、需要が堅調な戸建住宅の販売にも注力し、「THEパームスコート鎌倉城廻」(神奈川県鎌倉市)、「THEパームスコートひばりヶ丘」(東京都西東京市)等において、66戸を販売いたしました。

仕入につきましては、物流施設開発用地2件、賃貸マンション開発用地1件、商業施設開発用地1件、収益オフィスビル開発用地3件、58戸分の戸建住宅開発用地を取得しております。

また、保有する収益不動産の評価の見直しにより、棚卸資産評価損の戻入を268百万円計上しております。

以上の結果、不動産開発事業の売上高は10,487百万円(前年同四半期比26.6%減)、セグメント利益は1,280百万円(前年同四半期はセグメント損失3,855百万円)となりました。

 

(不動産賃貸事業)

当第3四半期連結累計期間は、保有する賃貸用棚卸資産22棟を売却した一方、新たに収益オフィスビル、賃貸マンション等17棟を取得し、また取得後の空室のリーシングに努めたことに加え、保有する固定資産及び棚卸資産のリーシング活動にも注力いたしました。

以上の結果、不動産賃貸事業の売上高は3,992百万円(前年同四半期比6.0%減)、セグメント利益は2,016百万円(前年同四半期比20.2%増)となりました。

 

(不動産ファンド・コンサルティング事業)

当第3四半期連結累計期間は、前連結会計年度末のアセットマネジメント受託資産残高(注)1,123,406百万円から、新たにアセットマネジメント契約を受託したことにより257,891百万円の残高が増加した一方で、ファンドの物件売却により66,561百万円の残高が減少したこと等により、当第3四半期連結会計期間末のアセットマネジメント受託資産残高は、1,314,736百万円となりました。

以上の結果、不動産ファンド・コンサルティング事業の売上高は3,624百万円(前年同四半期比2.0%減)、セグメント利益は2,456百万円(前年同四半期比8.2%減)となりました。

(注) アセットマネジメント受託資産残高には、一部コンサルティング契約等に基づく残高を含んでおります。

 

(不動産管理事業)

当第3四半期連結累計期間は、新規契約の獲得および既存契約の維持に努めました。当第3四半期連結会計期間末での管理棟数は、オフィスビル、ホテル及び物流施設等で456棟、分譲マンション及び賃貸マンションで252棟、合計708棟(前年同四半期末比16棟増加)となりました。

以上の結果、不動産管理事業の売上高は3,831百万円(前年同四半期比11.9%増)、セグメント利益は616百万円(前年同四半期比10.3%増)となりました。

 

(ホテル事業)

当第3四半期連結累計期間において、2021年7月に「トーセイホテルココネ浅草」を開業しました。また、既存ホテルの稼働率の改善等に向けて取り組みましたが、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴い、一部のホテルを休館する等、厳しい状況が続きました。

以上の結果、ホテル事業の売上高は314百万円(前年同四半期比2.9%減)、セグメント損失は622百万円(前年同四半期はセグメント損失733百万円)となりました。

 

②経営成績等に関する分析、検討内容

当社グループは、2021年7月5日に通期業績予想の利益上方修正を発表しております。

第3四半期に入り、引き続き、事業は順調に推移しております。特に、第3四半期は翌連結会計年度以降の収益の源泉となる仕入活動や不動産再生、アセットマネジメントの新規受託等に注力した結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は52,311百万円(前年同期比7.1%減、修正後通期計画比84.8%)、営業利益は10,965百万円(前年同期比136.1%増、修正後通期計画比99.4%)、税引前四半期利益は10,489百万円(前年同期比152.3%増、修正後通期計画比101.1%)となりました。ホテル事業はコロナ禍の影響により宿泊売上が回復しておりませんが、不動産流動化事業ならびに不動産開発事業の物件販売は計画通りに進捗しており、アセットマネジメント受託残高も1.3兆円を超過するなど、その他の各事業は順調に推移しました。

なお、当社グループは、2021年8月25日に中古区分所有マンションの買取リノベ再販事業を中核事業とする株式会社アイ・カンパニー並びにその子会社4社(以下合わせて「プリンセスグループ」という。)の全株式を取得することを決議し、2021年9月30日付で子会社化いたしました。当社では、収益マンションを棟単位で取得しバリューアップして分譲販売する「Restyling事業」については実績がありましたが、プリンセスグループが取り扱う「区分単位での中古マンション買取リノベ再販」は当社グループにとって新事業領域であり、事業領域の拡大と既存事業の拡充が見込めます。また、少子高齢化の進展や空き家問題、老朽化マンション等の様々な構造要因により、「既存住宅ストックの再生と有効活用」は不動産に関わる社会的課題の解決に繋がる事業でもあることから、当社グループの不動産再生力の更なる強化を目指してまいります。

 

(2) 財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ13,299百万円増加し、174,984百万円となりました。負債は6,878百万円増加し、109,593百万円となりました。

総資産が増加した主な要因は、現金及び現金同等物が減少したものの、棚卸資産及び投資不動産が増加したことによるものであります。負債が増加した主な要因は、営業債務及びその他の債務が減少したものの、借入金や未払法人所得税等の増加によるものであります。

また資本は6,421百万円増加し、65,391百万円となりました。これは主に利益剰余金の積み上げと配当金の支払、自己株式の取得によるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,666百万円減少し、32,372百万円となりました。

当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は、4,177百万円(前年同四半期比61.5%減)となりました。これは主に、税引前四半期利益10,489百万円、棚卸資産の増加4,802百万円、法人所得税の支払額2,499百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、13,074百万円(前年同四半期比207.0%増)となりました。これは主に、投資不動産の取得による支出12,176百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により獲得した資金は、4,229百万円(前年同四半期は2,771百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出32,107百万円及び配当金の支払額896百万円等があったものの、長期借入れによる収入37,248百万円等があったことによるものであります。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めておりますが、前事業年度の有価証券報告書提出日後、当四半期累計期間において重要な変更ありません。

  

(5) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、当社は、株式会社アイ・カンパニーの株主及びその子会社である株式会社プリンセスホールディングスの株主と株式譲渡契約を締結し、2021年9月30日にすべての株式を取得しました。

詳細については、「第4 経理の状況 1.要約四半期連結財務諸表 (5)要約四半期連結財務諸表注記 11.重要な後発事象」に記載のとおりです。