文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは「私たちは、グローバルな発想を持つ心豊かなプロフェッショナル集団としてあらゆる不動産シーンにおいて新たな価値と感動を創造する。」ことを存在理念とし、常に「モノづくり」へのこだわりを持ち、不動産と金融の融合を意識した多様な不動産関連事業の推進により社会に貢献し、グループ企業価値を向上することを目指しております。
当社グループの主力市場である首都圏不動産投資市場では、世界的に低金利環境が長期化するなかで国内外不動産投資家の旺盛な投資姿勢が継続しており、堅調に取引が行われています。テレワーク進展等によりオフィス賃貸市場で空室率上昇と賃料下落が見られている一方で、投資市場では物件供給不足を背景に不動産取引価格は高値で推移しており、なかでも安定した収益性で投資家に選好されている収益マンションは、投資家の不動産期待利回りのさらなる低下が見られました。今後も活発な取引が期待されますが、オフィス市況の更なる悪化や金融機関の融資姿勢の変化、アフターコロナを見据えた欧米の金融政策変更などにより、不動産市況に調整局面が訪れる可能性に留意する必要があると認識しています。
② 中長期的な会社の経営方針、経営戦略
当社グループは、企業価値の向上を果たすべく、3ヶ年の中期経営計画を策定し事業を推進しております。2021年11月期を初年度とする中期経営計画「Infinite Potential 2023」(2020年12月~2023年11月)では、『あらゆる不動産シーンにおいて、グループの無限大の成長可能性を追求し、総合不動産会社としての新たなステージを目指す。』ことを大方針に掲げ、グループのさらなる成長に向けて既存事業の拡大とDX推進による既存事業拡充、ESG経営の実践に取り組んでおります。なお、コロナ禍の影響が不透明であったため、中期経営計画策定当初において2年目以降の売上高及び利益計画を非公表としておりましたが、現時点における事業環境の見通し並びに初年度業績動向を鑑み計画の見直しを行っております。
中期経営計画「Infinite Potential 2023」(2020年12月~2023年11月)※下線部を追加記載もしくは修正しております。
<大方針>
『あらゆる不動産シーンにおいて、グループの無限大の成長可能性を追求し、総合不動産会社としての新たな
ステージを目指す。』
<基本方針>
基本方針1.環境・社会的課題を意識した既存事業の拡大、営業利益増大
基本方針2.DXによる既存事業拡充と新たな収益モデルの創出
基本方針3.事業規模拡大、保有資産増加、資本効率を意識したバランスシート戦略
基本方針4.ガバナンスと効率性の両立を意識したグループ戦略、組織戦略
基本方針5.IT活用促進による業務効率・事務効率の改善、生産性向上に資する従業員満足度の向上
基本方針6.サステナビリティを意識した事業マネジメント、ESG経営の推進
<定量計画>
成長性 :最終年度連結売上高 1,000億円
最終年度連結税引前利益 140億円
資本効率 :最終年度ROE 12%以上
安定性 :安定事業比率(営業利益ベース) 50%程度
財務健全性:自己資本比率 35%程度
ネットD/Eレシオ 1.3倍程度
株主還元 :3年間で配当性向25%から30%へ段階的に引き上げを目指す
資本効率を意識した自社株買いの実施検討
当社グループは、グループの無限大の成長可能性を具現化すべく、さらなる事業成長と、デジタル技術応用によるビジネスの変革及び事業を通じたSDGsへの貢献、ESG経営の推進に取り組んでまいります。具体的には、環境・社会的課題への取組みを各事業の個別施策へ盛り込むことによりグループ一体で取り組みを進めることを目指し、不動産再生事業では既存不動産の再生によりビルの活用年数を延ばし、快適性・安全性を意識したバリューアップによる付加価値創造で商品の差別化と収益向上を追求してまいります。不動産開発事業においては商品企画に環境への配慮や、防犯・災害への備えなどを盛り込むなど、顧客に支持される商品企画で各商品ブランド価値の向上を目指し、不動産再生事業・不動産開発事業ともにITを活用した販売活動、投資判断力の強化、グループ連携促進により、事業規模拡大に向けて体制強化を図ります。また、安定収益事業と位置付けるストック・フィービジネスにおいては、不動産賃貸事業、不動産ファンド・コンサルティング事業、不動産管理事業、ホテル事業の各事業でESGを意識した高品質なサービスの提供と顧客満足度の向上、ITを活用した業務プロセスの見直し等により、事業規模拡大と収益性向上を目指します。また、DXと不動産の融合を新たな事業機会と認識し、クラウドファンディング事業の運用資産拡大やセキュリティトークンによる投資スキームの事業化など、新たな収益モデルの創出に向けて取り組みを進めます。
財務面につきましては、事業規模及び資産残高の拡大を下支えすべく、資金調達力を強化し、健全な財務体質を維持しながら、効果的な投資を図ってまいります。また、事業規模の拡大・多様化に伴うグループ組織戦略として、組織の機能整理と再構成、内部統制のより一層の質的な充実、最適なコーポレート・ガバナンス体制を維持し、グループの連携と総合力増大を目指します。さらに、当社グループの最重要財産である人材を活かすため、グループ全体の従業員満足度の向上を図りながら、全役員・従業員の成長、生産性向上のための人材育成を推進してまいります。
③ 優先的に対処すべき事業上、財務上の課題
当社グループの優先的に対処すべき事業上、財務上の課題は下記のとおりであります。
1.事業上の課題
2.財務上の課題
当社グループの経営成績、株価および財政状況等に影響を及ぼす可能性が考えられる事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであり、リスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避と発生した場合の対応に努力する方針であります。また、以下の記載は、当社グループの事業もしくは当社株式への投資に関するリスクを完全に網羅するものではありません。
当社グループが所有するオフィスビルや商業施設への需要は景気の動向に左右されうること、また住宅購入顧客の購買意欲は景気の動向やそれに伴う雇用環境等に影響を受けやすい傾向にあること、不動産市況の悪化による地価等の下落に影響を受けやすい傾向にあること、等から、今後、国内外の経済情勢が悪化したことにより、不動産への投資意欲の低下、不動産取引の減少、空室率の上昇や賃料の下落といった事態が生じた場合には、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、定期的に景気動向・不動産市況等のモニタリングを行うとともに、エリア・規模・用途・物件特性に応じたマーケット観の醸成、投資判断力・リーシング力の強化等により、リスクの低減を図ってまいります。
将来発生が懸念されている東京における大地震をはじめ、暴風雨、洪水等の自然災害、戦争、テロ、火災等の人災が発生した場合には当社グループが投資・運用・開発・管理を行っている不動産の価値が大きく毀損する可能性があるほか、被災による需要減少に伴うホテル稼働率の低下等が生じる可能性があり、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、グループ主要各社においてBCP(事業継続計画)を策定し、被災時でも重要な事業を継続または早期復旧できるよう準備を行っております。
当社グループの事業に係る土地、建物取得費および建築費等は、主として個別案件毎に金融機関からの借入金によって調達しているため、総資産に占める有利子負債の比率が常に一定程度あることから、将来において、金利が上昇した場合および金融機関の融資姿勢に変化が生じた場合には、資金調達コストの増加や資金手当への影響により、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、一部の借入金に財務制限条項が付されており、条項に抵触し一括返済をする場合のほか、案件の売却時期の遅延や売却金額が当社の想定を下回った場合には、当社グループの資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、定期的に金利動向や金融機関の融資姿勢についてモニタリングを行うとともに、借入における機動的な資金確保のための融資枠設定や金利固定化を行う等、安定的かつ経済的な資金調達に努めております。
① 法的規制
会社法や上場会社としての金融商品取引法の規制のほか、当社グループの事業において関連する主な法的規制は下表のとおりであります。
今後これらの法的規制が強化される場合には規制遵守に向けた対応のためのコスト増加の可能性があります。
② 免許、許認可等
当社グループの事業は、上表の法的規制に基づく以下の関連許認可等を得て行っております。当社グループは、これらの許認可等を受けるための諸条件および関係法令の遵守に努めており、現時点において当該許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりません。しかしながら、法令違反等によりこれらの許認可等が取り消される、あるいは一定期間の営業活動停止等の行政処分等がなされた場合には、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、今後これらの規制の強化、または新たな規制の導入により、事業活動が制約された場合、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、関係法令の改廃情報および監督官庁からの発信文書の内容をリスク・コンプライアンス委員会、事業法務連絡会議等において共有、協議し、課題等の早期把握や対応に努めております。また、コンプライアンスに関する継続的な啓蒙活動や研修等により法令遵守の徹底を図っております。
(当社)
(トーセイ・アセット・アドバイザーズ㈱)
(トーセイ・コミュニティ㈱)
(トーセイ・リバイバル・インベストメント㈱)
(岸野商事㈱)
(㈱増田建材店)
(トーセイ・ホテル・マネジメント㈱)
<トーセイホテルココネ神田>
<トーセイホテルココネ上野>
<トーセイホテル&セミナー幕張>
<トーセイホテルココネ浅草蔵前>
<トーセイホテルココネ上野御徒町>
<トーセイホテルココネ浅草>
<トーセイホテルココネ鎌倉)
(㈱プリンセススクゥエアー)
(㈱ジー・ピー・アセット)
(㈱レッツクリエイション)
会計基準、不動産税制に関する変更があった場合、資産保有および取得・売却時のコストの増加等により当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、会計基準及び不動産税制の変更に関して適時に情報を収集することで、当社グループの経営成績、財務状況に与える影響を早期に把握するよう努めております。
当社グループは、近年参入したホテル事業を含む既存事業の拡大などを目的とした企業買収、子会社の設立等に加えて、新たにクラウドファンディングやセキュリティ・トークンを活用した不動産事業を推進しております。これら事業の業績には様々な不確実性を伴うため、想定しうるリスクに対する内部管理体制の構築、人材の充実、保険の付保等を行っておりますが、想定を超えるリスクの発生、法令や諸規制の変更によっては、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、可能な限りリスクを想定した内部管理体制の構築、人材の充実、保険の付保等を行うとともに、事業戦略の進捗状況や事業環境の変化等について定期的にモニタリングを行い、環境変化に応じた戦略の見直しを適時に行っております。
新型コロナウイルスの感染状況については、政府等による感染防止策やワクチン接種の普及等を受け、落ち着きを取り戻しておりますが、今後、感染拡大が再燃し、経済活動の停滞が生じた場合、ホテル事業をはじめとする当社グループの行う事業に業績低迷が生じ、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、従業員に感染者が出た場合は、営業所の閉鎖等により事業活動が滞る可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、政府等の方針や各業界のガイドラインに従い、顧客や従業員の安全確保を最優先とし、感染予防対策の徹底に努めております。
環境・社会・ガバナンスへの企業の取組みの重要性は、今後益々高まると考えられます。当社グループの取組みが適切に行われず対応に遅れや不備が発生した場合、地域社会や顧客、取引先、従業員、投資家、市場からの信頼を損ない、当社グループの事業戦略や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、世界的に気候変動の深刻度が増していることから、気候変動に伴う物理的な被害や気候関連の規制強化、脱炭素・低炭素社会への移行について適切な緩和策と適応策が取られなかった場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、「ESG推進委員会の設置」「トーセイグループESG方針・ESG行動指針の制定」など推進体制を整備するとともに、中期経営計画における経営基盤の強化の一つとして「サステナビリティを意識した事業マネジメント、ESG経営の推進」を掲げ、ESG経営の実践および地球環境の負荷軽減への取り組みの推進、サステナビリティ課題のリスク低減に努めております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 事業環境と経営成績等の状況に関する認識
当連結会計年度(2020年12月1日~2021年11月30日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が緩和されつつあるものの、持ち直しの動きは弱い状況にあります。昨年、新たに発足した岸田政権による大型経済政策の効果も今後期待されますが、世界的な各種資源の原材料価格動向や世界金融市場の変動等に注視する必要があります。
当社グループが属する不動産業界においては、2021年1月~9月の国内不動産投資額は3.1兆円(前年同期比9%減)となりました。市場への物件の供給不足により投資額は減少したものの、東京都心5区の大型ビル取引をはじめとしてオフィスビルへの投資も回復傾向であり、依然として投資家の積極的な投資姿勢が見られています。2021年1月~9月の世界の都市別ランキングで東京は4位(前年同期では1位)に後退しましたが、不動産投資市場は引き続き活発であると予測されています(民間調査機関調べ)。
首都圏分譲マンション市場は2019年並みに回復しており、2021年1月~10月の新築発売戸数は21,535戸と、前年同期比26.1%増となりました。その背景は、前期の緊急事態宣言下での大幅な販売減からの反動とみられます。初月契約率も、好不調の目安となる70%前後で推移しており、好調な市況が見られています。また、中古マンションにおいても、2021年1月~10月の成約戸数は33,515戸と前年同期比で13.0%増となっています。一方、分譲戸建市場においては、分譲マンションのような大幅な販売減が2020年には見られなかったことから、2021年1月~9月の新設住宅着工戸数は4.1万戸(前年同期比1.8%増)と前年同期並みとなりました(民間調査機関調べ)。
2021年1月~10月の建築費は、鉄筋コンクリート造の建築費平均坪単価が963千円/坪(前年同期比6.0%増)、木造は平均569千円/坪(前年同期と変わらず)となりました。足元では米国、中国の需要拡大をはじめとした世界経済の復調による鋼材系資材や木材の価格高騰が見られ、一部建築費への影響も出てきております(国土交通省調べ)。
東京都心ビジネス5区のオフィスビル賃貸市場では、オフィスの拡張鈍化やテレワーク文化の一部浸透によるオフィス縮小の動きを背景に、2021年10月時点の平均空室率は6.4%(前年同月比2.5ポイントの上昇)となりました。平均賃料は、20,804円/坪(前年同月比1,630円の減少)と都心部オフィス賃貸マーケットは下降局面に入っており、引き続き需給動向の注視が必要です。一方、マンション賃貸市場は堅調に推移しており、首都圏マンションにおける2021年10月時点の平均募集賃料は10,935円/坪(前年同月比 4.6%の上昇)、J-REITが東京圏で保有するマンションにおける2021年8月末時点の平均稼働率は96.6%(前年同月比 0.1ポイントの減少)となりました(民間調査機関調べ)。
首都圏物流施設賃貸市場では、2021年10月の賃貸ストックは723万坪(前年同期比14.4%増)となりました。空室率は1.7%と2021年7月の1.3%から僅かに上昇しましたが、賃料は緩やかに上昇を続けており、依然としてひっ迫した需給環境が続いています。コロナ禍による特需は一旦落ち着いたものの、賃貸需要は当面堅調であると見られています(民間調査機関調べ)。
不動産ファンド市場は、引き続き市場規模の拡大が続いています。2021年10月のJ-REITの運用資産額は 21.2兆円(前年同月比 1.1兆円の増加)となり、私募ファンドは運用資産額 23.4兆円(2021年6月時点、前年同月比 2.3兆円の増加)となりました。両者を合わせた証券化市場の規模は 44.6兆円まで拡大しました(民間調査機関調べ)。
東京都のビジネスホテル市場では、2021年1月~9月の平均客室稼働率は38.2%(コロナ禍前の2019年同期は83.6%)となりました。また、東京都の全施設タイプにおける2021年1月~9月の延べ宿泊者数は2,434万人(2019年同期は5,832万人)となりました。2021年10月から緊急事態宣言が解除されるなど、国内の新型コロナウイルス感染状況が収束に向かう中で、インバウンドを含めた今後のホテル市場復調が期待されます(観光庁調べ)。
このような事業環境の中、当社グループは不動産流動化事業において収益オフィスビルや賃貸マンション等の一棟販売を進捗させるとともに、不動産開発事業においては、戸建住宅や物流施設の販売を推進しました。また、仕入活動においては、将来の収益の源泉となる収益不動産や各種開発用地の取得を進めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度は、売上高61,726百万円(前連結会計年度比3.5%減)、営業利益10,965百万円(同70.6%増)、税引前利益10,302百万円(同74.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益6,721百万円(同86.6%増)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
(不動産流動化事業)
当連結会計年度は、「関内トーセイビルⅢ」(神奈川県横浜市)、「T's garden清瀬」(東京都清瀬市)、「市川島村ビル」(千葉県市川市)等46棟のバリューアップ物件の販売を行ったことに加え、Restyling事業において「伊皿子プレース」(東京都港区)、「ルネ鎌倉植木」(神奈川県鎌倉市)等で4戸の販売を行いました。また、当連結会計年度より連結の範囲に含めております㈱アイ・カンパニー並びにその子会社4社(以下「プリンセスグループ」という。)において、中古区分マンション19戸を販売いたしました。
当連結会計年度の仕入につきましては、バリューアップ販売物件として、収益オフィスビル、賃貸マンション等31棟、土地2件を取得いたしました。加えて、プリンセスグループを連結子会社化したことに伴い、当連結会計年度末において、収益オフィスビル、賃貸マンション等25棟、中古区分マンション127戸等の棚卸資産が増加しております。
また、保有する収益不動産の評価を見直したことにより、棚卸資産評価損の戻入を1,408百万円計上しております。
以上の結果、不動産流動化事業の売上高は33,587百万円(前連結会計年度比7.8%増)、セグメント利益は7,203百万円(前連結会計年度比28.7%増)となりました。
(注)2022年11月期より不動産流動化事業の名称を「不動産再生事業」に改めております。当社グループの不動産再生事業は、資産価値の劣化した不動産を取得し、デザイン性向上・利便性向上・セキュリティの向上・環境配慮仕様導入などの「バリューアッププラン」についてエリアの特性やテナントニーズを取り込んで検討したうえで、最適と判断したバリューアップを施し、「再生不動産」として様々な投資家の皆様に販売する事業です。様々な不動産再生を通じ建物の長期活用に繋げ、環境負荷軽減を推進してまいります。
(不動産開発事業)
当連結会計年度は、新設物流施設「T's Logi蓮田」(埼玉県蓮田市)、新設商業施設「THEパームス相模原パークブライティア(店舗部分)」(神奈川県相模原市)を販売いたしました。また、需要が堅調な戸建住宅の販売にも注力し、「THEパームスコート鎌倉城廻」(神奈川県鎌倉市)、「THEパームスコートひばりヶ丘」(東京都西東京市)等において、84戸を販売いたしました。
当連結会計年度の仕入につきましては、賃貸マンション開発用地3件、商業施設開発用地1件、収益オフィスビル開発用地3件、物流施設開発用地2件及び67戸分の戸建住宅開発用地を取得しております。
また、保有する収益不動産の評価を見直したことにより、棚卸資産評価損156百万円及び棚卸資産評価損の戻入283百万円を計上しております。
以上の結果、不動産開発事業の売上高は11,962百万円(前連結会計年度比26.0%減)、セグメント利益は1,060百万円(前連結会計年度はセグメント損失3,743百万円)となりました。
(不動産賃貸事業)
当連結会計年度は、保有する賃貸用棚卸資産24棟を売却したものの、新たに収益オフィスビル、賃貸マンション等40棟を取得し、また取得後の空室のリーシングに努めたことに加え、保有する固定資産及び棚卸資産のリーシング活動にも注力いたしました。
以上の結果、不動産賃貸事業の売上高は5,466百万円(前連結会計年度比5.9%減)、セグメント利益は2,700百万円(前連結会計年度比16.4%増)となりました。
(不動産ファンド・コンサルティング事業)
当連結会計年度は、前連結会計年度末のアセットマネジメント受託資産残高(注)1,123,406百万円から、ファンドの物件売却等により121,111百万円の残高が減少したものの、新たに大型案件のアセットマネジメント業務を受託したこと等により、418,571百万円の残高が増加し、当連結会計年度末のアセットマネジメント受託資産残高は1,420,867百万円となりました。
以上の結果、不動産ファンド・コンサルティング事業の売上高は4,934百万円(前連結会計年度比13.1%減)、セグメント利益は3,137百万円(前連結会計年度比25.2%減)となりました。
前連結会計年度と比較して減収減益となった主な要因は、前連結会計年度に大型案件の売買に係る仲介手数料収入等が当セグメントに計上されていたためであります。
(注) アセットマネジメント受託資産残高には、一部コンサルティング契約等に基づく残高を含んでおります。
(不動産管理事業)
当連結会計年度は、新規契約の獲得及び既存契約の維持に努め、当連結会計年度末での管理棟数は、オフィスビル、ホテル及び物流施設等で470棟、分譲マンション及び賃貸マンションで288棟、合計758棟(前連結会計年度末比63棟増加)となりました。
以上の結果、不動産管理事業の売上高は5,219百万円(前連結会計年度比11.3%増)、セグメント利益は672百万円(前連結会計年度比0.8%増)となりました。
(ホテル事業)
当連結会計年度は、2021年7月に「トーセイホテルココネ浅草」、2021年10月に「トーセイホテルココネ鎌倉」を開業しました。また、既存ホテルの稼働率の改善等に向けて取り組みましたが、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴い、一部のホテルを休館する等、厳しい状況が続きました。
以上の結果、ホテル事業の売上高は555百万円(前連結会計年度比27.1%増)、セグメント損失は838百万円(前連結会計年度はセグメント損失673百万円)となりました。
② 経営成績等に関する分析・検討内容
当連結会計年度は、コロナ禍の影響が続いているホテル事業を除いて、各事業は順調に推移しました。投資家の不動産に対する旺盛な需要を取り込んだ不動産流動化事業の利益率上振れがグループ全体の利益を牽引したほか、不動産ファンド・コンサルティング事業の受託資産残高1.4兆円への伸長による、アセットマネジメント報酬等の増加が利益に貢献しました。不動産流動化事業の一部販売予定物件の販売時期を翌期以降に変更したことから、売上高は617億円(期初計画比11.2%減)となったものの、利益率向上により税引前利益は103億円(期初計画比28.8%増)となり、期初計画を大幅に上回る利益を達成いたしました。当社グループの中期経営計画「Infinite Potential 2023」の初年度として、順調なスタートとなりました。
中期経営計画に掲げる「既存事業の拡大」の施策においては、賃貸収益拡大に向けた大型優良不動産の取得や、不動産流動化事業における事業領域拡大を目途として、中古区分マンション買取リノベ再販事業を営むプリンセスグループを連結子会社に加えるなどの取り組みを進めました。
また、中期経営計画の「新たな収益モデルの創出」の施策においては、さらなる競争力強化に向けて、多様な不動産ファンドスキームの構築ならびに、不動産流動化事業、不動産ファンド・コンサルティング事業とデジタルトランスフォーメーション(DX)を融合させる施策を推進しました。前連結会計年度にクラウドファンディング事業「トーセイ不動産クラウドTREC FUNDING」を立ちあげ、当連結会計年度は、国内不動産を裏付けとしたセキュリティ・トークンをシンガポールのデジタル証券プラットフォームである「ADDX※」に上場いたしました。これらはまだ小さな取り組みながら、当社グループのDX推進ならびに、日本の不動産に対する投資機会の多様化やグローバル化への寄与も将来期待されることから、当社グループの企業価値を高める取り組みとして今後も推進してまいる所存です。
※ADDXは、シンガポール金融管理局が認可したセキュリティ・トークンのプラットフォームです。
(2) 生産、受注及び販売の状況
当社グループは、不動産流動化事業、不動産開発事業、不動産賃貸事業、不動産ファンド・コンサルティング事業、不動産管理事業及びホテル事業を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。
当社グループのうち連結子会社において受注生産を行っておりますが、グループ事業全体における重要性が低いため、受注実績の記載はしておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度末における財政状態は、総資産195,010百万円(前連結会計年度末比20.6%増)、負債129,052百万円(同25.6%増)、資本65,958百万円(同11.9%増)となりました。また、親会社所有者帰属持分比率は33.8%(前連結会計年度末は36.5%)となっております。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、122,839百万円となり、前連結会計年度末に比べ17,175百万円増加しております。これは主に、当社グループの主力事業であります不動産流動化事業及び不動産開発事業において、物件の仕入が売却を上回ったことによる棚卸資産の増加(前連結会計年度末比19,793百万円増)等によるものであります。
(非流動資産)
当連結会計年度末における非流動資産の残高は、72,171百万円となり、前連結会計年度末に比べ16,150百万円増加しております。これは主に、投資不動産12,824百万円の増加等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、19,822百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,036百万円増加しております。これは主に、未払法人所得税等1,699百万円の増加等によるものであります。
(非流動負債)
当連結会計年度末における非流動負債の残高は、109,229百万円となり、前連結会計年度末に比べ25,301百万円増加しております。これは主に、有利子負債24,329百万円の増加等によるものであります。
(資本)
当連結会計年度末における資本の残高は、65,958百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,989百万円増加しております。これは主に、利益剰余金5,807百万円の増加等によるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,478百万円減少し、33,560百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、974百万円(前連結会計年度比92.2%減)となりました。これは主に、税引前利益10,302百万円、棚卸資産の増加7,118百万円、法人所得税の支払額2,532百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、15,448百万円(前連結会計年度比281.1%増)となりました。これは主に、投資不動産の取得による支出12,251百万円、子会社の取得による支出1,610百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、10,994百万円(前連結会計年度は、3,414百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出37,419百万円及び配当金の支払額896百万円があったものの、長期借入れによる収入49,831百万円があったことによるものであります。
キャッシュ・フロー指標のトレンド
親会社所有者帰属持分比率 :親会社所有者帰属持分/資産合計
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー/利払い
(注1) いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2) 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
(注3) キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
(注4) 有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利息を支払っている全ての負債を対象としております。
(注5) 2019年11月期は、連結キャッシュ・フロー計算書の営業キャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについて記載しておりません。
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり重要となる会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針、4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載されているとおりであります。
(6) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標について
中期経営計画「Infinite Potential 2023」(2020年12月~2023年11月) の計画数値に対する当連結会計年度の実績については以下の通りとなっております。
当連結会計年度の経営成績の分析につきましては前述の「(1)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」をご参照ください。
<中期経営計画「Infinite Potential 2023」定量計画(連結)>※下線部を追加記載もしくは修正しております。
<当連結会計年度までの実績>
当社グループの事業活動における資金需要は、主に事業用建物および土地の仕入に関するものであります。当社グループはこれらの需要について、自己資金に加え、銀行借入を中心に機動性と長期安定性を重視した資金調達を実施しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。