第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容

①事業環境と経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容

当第2四半期連結累計期間(2022年12月1日~2023年5月31日)における我が国経済は、ウィズコロナの下、経済活動の正常化が進み、緩やかに持ち直しの動きが見られます。一方、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や、世界的な金融引締め等を背景とした世界経済の減退リスク、原油高や物価上昇による景気下振れリスクが指摘されており、今後の経済動向に留意が必要です。

当社グループが属する不動産業界においては、2023年1月~3月の国内不動産投資額は1兆1,748億円(前年同期比61%増)となり、世界の都市別投資ランキングで2位(2022年通年は16位)となりました。世界的な銀行不安や金融市場の不透明感はあるものの、低金利環境や円安を背景に日本不動産が選好される傾向は継続しており、2023年度下期も取引増加が期待されています(民間調査機関調べ)。

首都圏分譲マンション市場は、用地価格の高止まりや建築コスト上昇を背景としたデベロッパーの供給調整により、2023年1月~4月の新築発売戸数は6,660戸と前年同期比20.1%減となりました。足元の2023年4月における平均価格は7,747万円(前年同月比23.1%増)と上昇を続けており、住宅選好に都心回帰の動きが見られるなか、都心高額マンションが価格を牽引しています。また、首都圏中古マンション市場においては、2023年1月~4月の成約戸数は12,217戸と前年同期比で1.5%減と微減したものの、平均価格は4,201万円(前年同期比5.0%増)と依然として高値圏にあり、活況を呈しています。分譲戸建市場においては、2023年1月~4月の新設住宅着工戸数は1.9万戸(同1.2%増)と堅調に推移しました(民間調査機関調べ)。

2023年1月~4月の建築費は、鉄骨鉄筋コンクリート造の建築費平均坪単価が1,145千円/坪(前年同期比15.7%下落)、木造の建築費平均坪単価は620千円/坪(同8.0%上昇)となりました。資材価格については、鋼材は未だ高止まりしていますが、かつてウッドショックで高騰していた木材価格は下落傾向にあります(国土交通省調べ)。

東京都心ビジネス5区のオフィスビル賃貸市場は、2023年4月時点の平均空室率は6.1%(前年同月比0.3ポイント下落)、平均賃料は19,896円/坪(同2.1%低下)となりました。空室率は下げ止まりが見られますが、賃料は下落傾向が続いています。今年半ば以降も新築大型オフィスの大量供給が予定されていることから引き続き市場動向に注視が必要です(民間調査機関調べ)。

賃貸マンション市場は引き続き堅調に推移しており、首都圏賃貸マンションにおける2023年4月時点の平均募集賃料は11,550円/坪(前年同月比3.7%上昇)、J-REITが東京圏で保有するマンションにおける2023年1月末時点の平均稼働率は96.6%(同0.1ポイント上昇)となりました。首都圏賃貸マンションの高需要が継続しており、賃料、稼働率ともに緩やかに上昇しています。また、コロナ禍で需要が減少した単身者向け賃貸住宅も回復が見られています(民間調査機関調べ)。

首都圏物流施設賃貸市場では、2023年4月時点の賃貸ストックは890万坪(前年同月比15.7%増)、空室率は5.4%(同2.5ポイント上昇)、募集賃料は4,600円/坪(同1.1%下落)となりました。新規供給の増加により足元では空室率が上昇していますが、物流施設の需要自体は底堅く推移しており、中長期的にはEC市場拡大に伴う需要増加が見込まれています(民間調査機関調べ)。

不動産ファンド市場は堅調に推移しており、引き続き市場規模は拡大しています。2023年4月のJ-REITの運用資産額は22.2兆円(前年同月比0.6兆円の増加)、私募ファンドは運用資産額29.7兆円(2022年12月末時点、前年同月比5.6兆円増加)となり、両者合わせた証券化市場規模は51.9兆円まで拡大しています(民間調査機関調べ)。

東京都のビジネスホテル市場では、2023年1月~3月の平均客室稼働率は74.4%(前年比27.3ポイント増)、東京都の全施設タイプにおける同期間の延べ宿泊者数は2,102万人(前年同期比90.4%増)となりました。国内需要はコロナ禍前と同水準で推移しており、インバウンド需要も増加していることから今後更なる市場の回復が期待されています(観光庁調べ)。

このような事業環境の中、当社グループは不動産ファンド・コンサルティング事業において、アセットマネジメント受託資産残高を伸長させるとともに、不動産再生事業や不動産開発事業において、物件販売ならびに将来の収益の源泉となる収益不動産や各種開発用地の取得を進めてまいりました。

以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は52,861百万円(前年同四半期比21.4%増)、営業利益は12,516百万円(同33.8%増)、税引前四半期利益は12,072百万円(同34.1%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は8,164百万円(同33.7%増)となりました。

 

セグメント毎の業績は次のとおりであります。

 

(不動産再生事業)

当第2四半期連結累計期間は、「大塚トーセイビルⅡ」(東京都豊島区)、「柏トーセイビル」(千葉県柏市)、「ステラコート東糀谷」(東京都大田区)等26棟のバリューアップ物件及び中古区分マンション64戸を販売いたしました。

仕入につきましては、収益オフィスビル、賃貸マンション等を合わせて31棟、土地10件及び中古区分マンション47戸を取得しております。

また、保有する収益不動産の評価を見直したことにより、棚卸資産評価損の戻入を344百万円計上しております。

以上の結果、不動産再生事業の売上高は34,017百万円(前年同四半期比17.5%増)、セグメント利益は7,165百万円(前年同四半期比18.1%増)となりました。

 

(不動産開発事業)

当第2四半期連結累計期間は、賃貸マンション「THE PALMS町田」(東京都町田市)を販売いたしました。また、戸建住宅では「THEパームスコート三鷹ヴェール」(東京都三鷹市)、「THEパームスコート綱島」(神奈川県横浜市)等において、44戸を販売いたしました。

仕入につきましては、賃貸マンション開発用地5件、賃貸アパート開発用地2件、分譲マンション開発用地1件、141戸分の戸建住宅開発用地を取得しております

以上の結果、不動産開発事業の売上高は6,396百万円(前年同四半期比26.5%増)、セグメント利益は1,296百万円(前年同四半期62.6%増)となりました。

 

(不動産賃貸事業)

当第2四半期連結累計期間は、保有する賃貸物件のリーシングに注力しました。

当第2四半期連結累計期間末の賃貸物件数は、物件取得30棟及び賃貸開始3棟、物件売却20棟及び賃貸終了2棟に伴い、前連結会計年度末の91棟より、11棟増加し102棟となりました

以上の結果、不動産賃貸事業の売上高は3,164百万円(前年同四半期比9.7%増)、セグメント利益は1,525百万円(前年同四半期比5.4%増)となりました。

 

(不動産ファンド・コンサルティング事業)

当第2四半期連結累計期間は、前連結会計年度末のアセットマネジメント受託資産残高(注)1,722,896百万円から、ファンドの物件売却により118,235百万円の残高が減少した一方で、新たにアセットマネジメント契約を受託したことにより729,567百万円の残高が増加し、当第2四半期連結会計期間末のアセットマネジメント受託資産残高は、2,334,229百万円となりました。

以上の結果、不動産ファンド・コンサルティング事業の売上高は4,185百万円(前年同四半期比54.4%増)、セグメント利益は2,978百万円(前年同四半期比69.1%増)となりました。

(注) アセットマネジメント受託資産残高には、一部コンサルティング契約等に基づく残高を含んでおります。

 

 

(不動産管理事業)

当第2四半期連結累計期間は、新規契約の獲得及び既存契約の維持に努めました。当第2四半期連結会計期間末での管理棟数は、オフィスビル、ホテル及び物流施設等で503棟、分譲マンション及び賃貸マンションで338棟、合計841棟(前年同四半期末比64棟増加)となりました。

以上の結果、不動産管理事業の売上高は3,276百万円(前年同四半期比4.8%増)、セグメント利益は518百万円(前年同四半期比5.0%減)となりました。

 

(ホテル事業)

当第2四半期連結累計期間は、行動制限の緩和や全国旅行支援の実施による国内需要の回復、入国制限や水際対策の緩和によるインバウンド需要の回復が見られました。これに伴い、客室単価、客室稼働率がほぼコロナ禍前の水準まで改善し、売上高、セグメント損益ともに前年同期を上回りました。

以上の結果、ホテル事業の売上高は1,821百万円(前年同四半期比121.7%増)、セグメント利益は475百万円(前年同四半期はセグメント損失259百万円)となりました。

 

②経営成績等に関する分析、検討内容

当社グループの主力市場である国内不動産投資市場は、世界的なインフレ傾向に伴う金利上昇を背景に欧米や韓国の投資家の旺盛な投資姿勢が弱まった一方で、国内およびアジア投資家の強い需要は継続しており、取引は堅調に継続しています。また、新型コロナウイルスの5類移行に伴い人流が増加し、オフィス回帰の動きや宿泊需要の回復が進んでいます。

このような事業環境のなか、当第2四半期連結累計期間の当社グループの業績は売上高528億円(前年同期比21.4%増)、営業利益125億円(同33.8%増)、税引前利益120億円(同34.1%増)となりました。通期計画に対する進捗率は売上高で62.2%、税引前利益で86.2%と、大きく進捗しています

事業セグメント別では、不動産再生事業の1棟物件や中古区分マンションの販売が好調に推移したほか、不動産開発事業も賃貸マンションの売買利益が上振れ、これらの売買事業がグループ全体の収益を牽引しました。そして、当社が安定収益事業と位置付けるストック・フィービジネスでは、不動産賃貸事業や不動産管理事業は計画通りに進捗しています。また、回復基調が強まるホテル事業においては、客室単価、客室稼働率がともに想定を上回り、期初計画を大きく上振れて進捗しました。また、不動産ファンド・コンサルティング事業は、受託ファンドの物件売却に係るディスポジション報酬やアクイジション報酬の獲得により収益を伸ばし、受託資産残高も総額2.3兆円(前期末比6,113億円増)となりました。

なお、当社は、DX推進によるグループのビジネスの変革と、業務効率改善に取り組んでおり、このたび、グループの不動産DX部門を担う新会社「トーセイ・プロップテック株式会社」の設立を決定いたしました。

新会社では、実証実験を続けていた不動産を裏付けとしたセキュリティ・トークン発行事業及び不動産クラウドファンディング事業の拡大、デジタルテクノロジーを用いた区分マンションの直販事業の立ち上げなど、DXを活用した取り組みを加速してまいります

 

 

 

(2) 財政状態の分析

当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ13,597百万円増加し、224,553百万円となりました。負債は6,309百万円増加し、144,974百万円となりました。

総資産が増加した主な要因は、営業債権及びその他の債権が減少したものの、現金及び現金同等物及び棚卸資産が増加したことによるものであります。負債が増加した主な要因は、営業債務及びその他の債務及び有利子負債の増加によるものであります。

また資本は7,288百万円増加し、79,578百万円となりました。これは主に利益剰余金の積み上げと配当金の支払、自己株式の取得及び処分によるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ12,277百万円増加44,044百万円となりました。

当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は、14,498百万円(前年同四半期比82.2%増)となりました。これは主に、税引前四半期利益12,072百万円、営業債権及びその他の債権の減少5,159百万円、法人所得税の支払額2,817百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、4,305百万円(前年同四半期比30.4%減)となりました。これは主に、子会社の取得による支出2,453百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により獲得した資金は、2,083百万円(前年同四半期は1,027百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出23,988百万円及び配当金の支払額2,407百万円等があったものの、長期借入れによる収入29,869百万円等があったことによるものであります。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めておりますが、前事業年度の有価証券報告書提出日後、当四半期累計期間において重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。