文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは経営理念である「企業を通じてよりよい社会を建設しよう」を実現すべく、物造りにこだわったデベロッパーとして新築1棟投資用賃貸住宅『EL FARO(エルファーロ)』・『MIJAS(ミハス)』・『LOS ARCOS(ロスアルコス)』を主力商品として、他社との差別化を図り安定的な企業成長を続けていくことを経営目標としております。
当社グループの経営戦略は、東京23区内でも人気の高い城南・城西エリアに開発を集中したドミナント戦略を軸とした事業展開により、地域特性やニーズを的確に把握し、高い競争優位性を確立しております。さらに、土地取得から企画・設計、建築、販売、管理、修繕までを一貫して行う垂直統合モデルを構築し、高品質・低コストかつ高収益な不動産供給を実現しています。主力ブランドである新築1棟投資用賃貸住宅を中心に、立地・デザイン・施工品質にこだわった開発を推進し、建物の長期的な資産価値の維持と顧客満足度の向上を図ることで、持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。
(3) 目標とする経営指標
当社グループは、安定的な企業成長を目指し、収益性を重視した経営を行っております。具体的な経営指標としましては、売上高経常利益率及び自己資本比率に主眼を置き、安定的な業績の実現を目指しております。
当社は、これまでに確立した垂直統合モデルをさらに発展させ、水平展開戦略を推進しております。垂直統合モデルによる、高品質・低コストを実現した既存事業モデルにより、販売物件は高収益を確保しております。今後は、この強みを活かし、確立した事業モデルを他地域や他分野へ横展開することで、収益の安定化と持続的な成長機会の拡大を図ってまいります。
不動産開発事業では、城南・城西エリアで培った実績を基盤に、国内外の投資家ネットワークを拡大し、販路および資金調達の多様化を進めます。海外投資家や富裕層との連携を強化し、安定した長期資金を確保するとともに、プロジェクト管理や販売支援等によるフィービジネスを導入し、自己資金負担を抑えつつ役務収益の拡大を目指します。
不動産賃貸事業では、AI・ITを活用した効率的な管理サービスを国内外のオーナーに提供し、管理戸数および収益源の拡大を図ります。
建設事業においては、住宅施工に加え、オフィス・ホテル等の非住宅案件やリニューアル工事の受注拡大を進め、自社の建設ノウハウを外部案件にも展開することで、安定した収益基盤を構築してまいります。
また、人的資本面では、若手が主体となるPJチーム制のもと、グループ全社で協力し合う文化を醸成し、主体的に挑戦できる組織風土を育成しています。さらに、職種別キャリア設計や、入社2年目社員が新卒教育を担う循環型成長システムを導入することで、人材育成の継続性と組織の活性化を図り、持続的な企業成長の原動力としてまいります。
当社を取り巻く事業環境は、景気動向や金利、地価、建築費の変動など外部環境の影響を受けやすく、収益性が左右される可能性があります。当社は、短期間で資金を回収できる開発・販売サイクルを確立し、環境変化に対して柔軟に対応できるビジネスモデルを構築しております。
また、競合の増加や人員負荷等により、土地取得が計画どおり進まない場合には、成長計画に影響を及ぼすおそれがあります。このため、重点エリアにおける情報収集力の強化や、社内業務の効率化・分業体制の整備を進めることで、安定的な仕入れ体制と取得スピードの維持に努めております。
さらに、当社の事業特性上、物件販売のタイミングにより売上計上が年度をまたぐ場合があり、一時的な業績変動が生じる可能性があります。しかしながら、販売予定物件は翌期以降に反映されることから、中期的な成長に大きな影響を及ぼすものではなく、通期および中期的な安定成長の確保を図ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
明豊エンタープライズグループは、「企業を通じてよりよい社会を建設しよう」という経営理念のもと、住まいと暮らしにおける真の価値を創造し、社会や環境を巡るさまざまな課題解決へ積極的に取り組み、住環境インフラに貢献してまいりました。
「一生涯のお付き合い」という精神の基、ステークホルダーの皆様との信頼と協力を大切にし、地域社会とともに未来を切り拓くロングパートナーであり続けるべく、今後も事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
当社では、執行役員会において、当社グループのサステナビリティに関する重要課題を特定し、その解決に向けた方針や施策を決定しております。当社の取締役及び執行役員は、当社グループ各社の取締役を兼任しているため、各取締役を通じて、当社グループのサステナビリティに関する重要課題を各社の取締役会で共有し、その解決に向けた施策の実行を指示し、その進捗状況の監督を行っております。
当社は、建物で消費する年間のエネルギー量を実質ゼロにすることを目指したネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)を推進するため、「ZEHデベロッパー」の登録認定を受けており、今後の開発において、当社グループの建設会社2社をはじめとする各取引先と連携し、省エネ性能の高い建材や設備を積極的に活用するなど、環境へ配慮した1棟投資用賃貸不動産の開発を検討しております。
また、早稲田大学との共同研究データを開発物件に活用することで、住宅における省エネ効果や利便性を高めてまいります。
当社グループが担う不動産業・建設業は、住空間の提供を通じて多くの人が関与する事業であり、今後の経営活動においても、それらは大きく変わらないものであると考えております。
このため、サステナビリティ経営の実践に際しては、特に人材が最も重要な経営資源であると考えており、人的資本を強化することで当社グループの企業価値の持続的な向上を図ってまいります。
(人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略)
① 人材育成方針
「社員一人一人の人生を明るく豊かにする」という考えのもと、社員が目標を持ち、生産性を高めながら仕事と私生活の双方を充実させることができる職場環境の実現を目指しております。充実した研修制度やPJリーダー制度の導入により若手人材の育成と組織の活性化を図るとともに、個性を尊重し、多様性を重視した柔軟な働き方を推進しています。
② 社内環境整備に関する方針
当社グループは、性別や新卒・中途採用の区別なく、雇用、昇進、異動、報酬、研修等の機会を公平に提供することで、従業員が能力を最大限に発揮し、生き生きと働ける環境づくりを推進しています。
また、個性を尊重し、多様性を重視した柔軟な働き方を推進しており、服装の自由化、資格取得制度、時短勤務制度、育児休業の取得促進により多様な働き方を実現するための制度整備を推進し、シニア人材やグローバル人材の積極的な採用にも取り組んでいます。
このような取組みを通じ、適切な労働環境の提供と公正な労働条件の実現を図り、ハラスメントのない安全に配慮した職場環境を実現しております。
当社グループにおけるリスク管理は、グループ各社の経営を統括する当社の経営企画室にて行っております。経営企画室においてリスクを特定し、その影響度や発生可能性等を分析し、重要と判断されたリスクについては各社の取締役会に報告がなされ、対応が実施されております。また、当該リスクへの対応状況は当社の執行役員会にも報告され、進捗等の監督を行っております。
当社グループでは、優秀な人材の確保と多様な人材が活躍できる機会の提供や環境づくりを目指しており、社員自身の成長を早期に実感してもらうため、教育・訓練活動に力を注いでおります。今後も従業員が長期に渡って働ける環境を整備し、知識や経験を蓄積し、深めることを通じて中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。
サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する連結会社の実績を長期的に評価し、管理し、及び監視するために用いられる情報のうち、重要なものについては、該当事項はございませんので記載を省略しております。
人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績については現時点において定めておりません。指標及び目標につきましては今後必要に応じて検討・協議してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避に努め、また万が一発生した場合には、その影響を最小限にとどめるよう対応に努めていく方針であります。また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点にご留意ください。
(1) 不動産開発事業における市況、金利動向および税制について
不動産開発事業においては、景気動向、金利動向、地価動向、新規供給動向及び不動産に係る税制等の影響を受けやすいため、景気の悪化や大幅な金利上昇、新規大量供給による販売価格の下落など経済情勢に変化があった場合には、お客様の購入意欲を減退させる可能性があり、その場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、上記経済情勢の変化は、事業用地の仕入価格の変動要因にもなり、事業用地の仕入れが計画通りに進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性もあります。
また不動産開発事業は、建設業者との間にて工事請負契約を締結し、建物の建設工事を行っております。そのため建設業者の資材・部材の調達費や労務コストにおいて、国内外の経済情勢により価格高騰などが発生した場合には、当社グループの建築費上昇という結果をもたらす可能性があり、その場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 有利子負債への依存について
当社グループは不動産開発事業における事業資金を主に金融機関からの借入金により調達しており、有利子負債への依存度が高い水準にあることから、現行の金利水準が大幅に変動した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 物件の引渡時期等による業績の変動について
不動産開発事業においては、顧客への引渡時に売上高を計上しておりますが、引渡時期につきましては、一般的に転勤や転居の多い、2月から3月に集中することが多くなっており、その結果、売上高の計上が下期に集中する傾向にあります。また天災など不測の事態により物件の引渡時期が期末を越える遅延が生じた場合や期末近くに竣工・引渡を計画している物件について、顧客への引渡が翌期にずれ込む事態が生じた場合には、当該期の当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 瑕疵担保責任について
当社グループは独自に「標準仕様書」「品質管理基準」「アフターサービス基準」を定め、設計段階から建設工事・竣工に至る各過程での重要なポイントを各現場で検査・確認し、高品質な住宅づくりに努めております。
しかしながら、建物竣工後、ある一定期間内において、設計・施工上の問題等に起因する瑕疵など、不具合が生じた場合には、間接的な損害を含め、不具合が原因で生じた損害に対する責任として、損害賠償等による費用が発生する可能性があります。その場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 棚卸資産の評価に関する会計基準の適用による業績への影響について
「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準委員会 2019年7月4日 企業会計基準第9号)を適用しておりますが、この会計基準は、期末に保有している棚卸資産について、時価(正味売却価格)が取得原価よりも下落している場合には、その差額について売上原価に費用処理するものであります。今後、景気変動及び不動産市況の悪化等により、時価(正味売却価額)が取得原価よりも下落する棚卸資産が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 法的規制について
不動産取引については、「宅地建物取引業法」、「国土利用計画法」、「建築基準法」、「都市計画法」、「不動産特定事業法」などの法的規制があります。当社グループは宅地建物取引業者としてこれらの規制を受けており、「宅地建物取引業法」に基づく免許を受け、事業を展開しております。
今後、これらの法的規制の改廃や新たな法的規制が設けられる場合等においては、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 災害の発生及び地域偏在について
地震、暴風雨、洪水等の自然災害、戦争、暴動、テロ、火災等の人災が発生した場合、当社グループが所有する不動産の価値が著しく下落する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが保有する不動産は、経済規模や顧客のニーズを考慮に入れ、東京を中心とする首都圏エリアが中心であり、当該地域における地震その他の災害、首都圏経済の悪化等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 新型コロナウイルス感染症について
新型コロナウィルス感染症による各種規制の緩和・解除に伴い、イベント等の開催や国内旅行需要の回復、訪日観光客の増加によるインバウンド需要などにより、社会全体の経済活動は回復基調で推移しております。当社グループは、新型コロナウイルス感染症に係る対応方針を策定し、感染防止に努めております。しかしながら、感染者発生による事業所の閉鎖、在宅勤務等により、当社従業員の出勤が制限された場合、事業を継続するために必要な人員を確保できなくなるなど、事業及び販売活動への支障や生産性の低下が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 特定役員への依存について
当社の代表取締役である矢吹満は、経営責任者として経営方針や経営戦略の決定等、当社の事業活動上の重要な役割を果たしております。また本書提出日現在において矢吹満は筆頭株主であり、持株比率は44.82%となっております。取締役会等において役員及び従業員への情報共有や権限移譲を進めるなど組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、同氏による株式の売却について、当社の定款上特に制限が設けられておらず、これを制限する合意を当社との間で行っているものでもないことから、その保有する株式の売却状況等により、株式の需給関係及び市場価格等に重大な影響を与える可能性があります。また、現時点において、同氏が何らかの理由により経営者として業務を遂行できなくなった場合には、当社の業務推進及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度(2024年8月1日~2025年7月31日)における我が国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の回復等を背景に緩やかな景気回復の動きが見られました。一方で、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢に伴う原材料・エネルギー価格の高止まり、米国の関税措置の今後の成り行き等、経済環境に与える影響が引き続き懸念される状況です。
当社グループが属する不動産業界においては、住居系不動産を中心とした投資用不動産につきましては、継続する低金利環境や円安等を背景に、海外投資家の国内不動産に対する注目度は高く、供給・需要とも継続して堅調に推移しているものの、土地価格及び建設工事費等の原価高騰による不動産価格の高額化等、引き続き注意を要する状況であります。
このような事業環境下、当社グループは、各事業セグメントにおいて、以下のような取り組みを行いました。
不動産開発事業においては、情報分析力、事業企画力などの強みを最大限に生かし、立地を厳選し、仕入れコストを低減することによる市況変動リスクへの耐性強化を図りながら物件調達力の強化を推進しております。また国内での販売活動に加え、海外セミナーを実施しインバウンド販売の強化に努めております。その結果、主要ブランド『EL FARO(エルファーロ)』『MIJAS(ミハス)』事業の販売活動においては、31棟(前年では24棟)の引渡し、その他、開発事業用地14物件(前年では2物件)の引渡しを行いました。
不動産賃貸事業においては、既存オーナー様の利益を最大化していくため、エリアマーケティングに加え、AI査定システム及び成約事例に基づいたベストな賃料設定、首都圏仲介会社とのネットワークを活かしたリーシング戦略の提案によって空室解消を目指し、当社グループの管理物件における高稼働率を実現しております。また、オーナー様との情報共有専用アプリの本格導入に加え、メーカー保証期間外の設備不具合に対して最長20年保証可能な住宅設備保証サービスを導入し、資産価値の維持保全に貢献することで更なる顧客満足度向上を図っております。さらに、主要ブランドである『EL FARO(エルファーロ)』『MIJAS(ミハス)』シリーズにつきましては、商品造りから管理まで当社グループにて一貫した「ワンストップサービス」をご提供することにより、高品質、高稼働率の維持に努め、収益性の高い投資用不動産商品として高評価を得ており、投資用不動産シリーズのリピート購入に繋がるなど、グループ内の相乗効果を発揮しております。
不動産仲介事業においては、不動産開発事業など他事業を含めた独自の情報網を活用し、顧客ニーズに合わせた物件紹介を行うことで、収益拡大に努めております。
建設事業においては、当社グループによる『EL FARO(エルファーロ)』『MIJAS(ミハス)』シリーズ16棟の竣工・引渡し、16棟の施工、その他管理物件の特性に合わせたリフォーム・リノベーションを行い収益獲得に努めました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度における売上高は、新築1棟投資用賃貸住宅シリーズの販売が当初予想を上回る高い利益率・利益額を確保することができ、売上高は、297億96百万円(前連結会計年度比44.9%増)となり、各段階利益はそれぞれ、営業利益は33億73百万円(前連結会計年度比44.1%増)、経常利益は26億83百万円(前連結会計年度比41.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は18億93百万円(前連結会計年度比37.7%増)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
[不動産開発事業]
不動産開発事業においては、新築1棟投資用賃貸マンション『EL FARO(エルファーロ)』シリーズを29棟、新築1棟投資用賃貸アパート『MIJAS(ミハス)』シリーズを2棟売却、その他、開発事業用地を14物件の売却を行いました。その結果、売上高は243億74百万円(前連結会計年度比53.1%増)、セグメント利益は35億78百万円(前連結会計年度比21.7%増)となりました。
[不動産賃貸事業]
不動産賃貸事業においては、グループ会社である不動産管理会社の管理事業におけるプロパティーマネージメント報酬等により、売上高は16億31百万円(前連結会計年度比17.9%減)、セグメント利益は1百万円(前連結会計年度比96.2%減)となりました。
[不動産仲介事業]
不動産仲介事業においては、不動産媒介報酬等により、売上高は55百万円(前連結会計年度比2,704.3%増)、セグメント利益は52百万円(前連結会計年度比2,599.6%増)となりました。
[建設事業]
建設事業につきましては、工事請負の施工及びリフォーム工事等により、売上高は36億67百万円(前連結会計年度比39.6%増)、セグメント損失は82百万円(前連結会計年度は4億40百万円のセグメント損失)となりました。
[その他]
その他につきましては、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、主に保険代理業等により、売上高は1億2百万円(前連結会計年度比98.8%増)、セグメント利益は97百万円(前連結会計年度比91.1%増)となりました。
当連結会計年度末の総資産残高は、前連結会計年度末と比較して9億94百万円増加し、290億99百万円となりました。これは、新規開発事業用地の取得、建築中の投資用不動産等により仕掛販売用不動産が12億36百万円増加、販売用不動産が17億77百万円減少したこと等によるものです。
負債においては、前連結会計年度末に比べ5億41百万円減少し、195億72百万円となりました。これは、新規開発事業用地等の取得資金の調達に起因して、長期借入金が23億18百万円減少、1年内返済予定の長期借入金が6億77百万円増加、短期借入金が6億56百万円増加したこと等によるものです。
純資産においては、前連結会計年度末に比べ15億36百万円増加し、95億26百万円となり、自己資本比率においては4.3ポイント増加し、32.7%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ18億36百万円増加し、47億88百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動により得られた資金は28億94百万円(前連結会計年度は45億55百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益により27億59百万円増加、棚卸資産の販売により3億73百万円増加
不動産販売の契約手付金の受領により前受金3億3百万円増加した一方、法人税等の支払により8億21百万円減少したこと等によるものであります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動により得られた資金は2億86百万円(前連結会計年度は4億74百万円の収入)となりました。これは主に、有形固定資産の売却により5億10百万円増加した一方、その他預金の預け入れにより2億33百万円減少したこと等によるものであります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動により使用した資金は13億44百万円(前連結会計年度は35億95百万円の収入)となりました。これは主に、開発事業用地等取得のための資金として、短期借入金の収入により6億56百万円増加したこと、長期借入金の収入により95億61百万円増加した一方で、物件売却による返済等で112億3百万円減少したこと、配当金支払いにより3億51百万円減少したこと等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
当社グループは、主として不動産開発事業、不動産賃貸事業、不動産仲介事業及び建設事業を行っており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。
当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績の記載はしておりません。
当連結会計年度に販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.不動産開発事業における共同事業物件の売上高は各物件の総売上高に対し、当社グループ事業シェアに
応じた当社グループの売上高であります。
3.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
販売実績が総販売実績に対して10%以下である相手先については、「金額」「割合」の記載を省略しております。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用並びに過去の実績や合理的な方法に基づく見積りが行われ、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。なお、これらの見積りについては継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積り特有の不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
1)財政状態の分析
(資産合計)
当連結会計年度末の総資産残高は、前連結会計年度末と比較して9億94百万円増加し、290億99百万円となりました。これは、現金及び預金が19億83百万円増加、新規開発事業用地の取得、建築中の投資用不動産等により仕掛販売用不動産が12億36百万円増加した一方、販売用不動産の販売により17億77百万円減少したこと等によるものです。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、266億39百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億37百万円増加いたしました。これは、現金及び預金が19億83百万円増加、賃貸マンションブランド(EL FARO)及び賃貸アパートメントブランド(MIJAS)の新規事業用地購入により仕掛販売用不動産が12億36百万円増加した一方、販売用不動産の販売により17億77百万円減少したこと等によるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、24億60百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億43百万円減少いたしました。これは、所有物件の売却に伴い、建物及び構築物が3億6百万円減少したこと等によるものです。
(負債合計)
負債においては、前連結会計年度末に比べ5億41百万円減少し、195億72百万円となりました。これは、新規開発事業用地等の取得資金の調達に起因して、1年内返済予定の長期借入金が6億77百万円増加、短期借入金が6億56百万円増加した一方、返済により長期借入金が23億18百万円減少したこと等によるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、124億74百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億41百万円増加いたしました。これは、新規開発事業用地等の取得資金の調達に起因して、一年内返済予定の長期借入金が6億77百万円増加、短期借入金が6億56百万円増加したこと等によるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、70億98百万円となり、前連結会計年度末に比べ23億82百万円減少いたしました。これは、新規開発事業用地等の取得資金の調達に起因して、長期借入金が23億18百万円減少したこと等によるものです。
(純資産合計)
純資産においては、前連結会計年度末に比べ15億36百万円増加し、95億26百万円となり、自己資本比率においては4.3ポイント増加し、32.7%となりました。
2)経営成績の分析
(売上高)
詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要、①経営成績の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要、④生産、受注及び販売の状況」をご参照ください。
なお、当連結会計年度におきましては売上高が297億96百万円と前連結会計年度と比較して44.9%の増加となり、売上原価240億99百万円(前連結会計年度比50.5%増)を差し引き、売上総利益は、56億97百万円(前連結会計年度比25.2%増)となり増収・増益となりました。
これは、当社グループ全体の売上高の約8割を占める不動産開発事業セグメントにおきまして、情報分析力、事業企画力などの強みを最大限に生かし、立地を厳選し、仕入れコストを低減することによる市況変動リスクへの耐性強化を図りながら物件調達力の強化を推進したこと、販売案件はいずれも安定した利益率・利益額を確保できたこと、販売費・管理費の削減に積極的に取り組んだことが増収増益の要因となりました。当連結会計年度において主要ブランド『EL FARO(エルファーロ)』『MIJAS(ミハス)』シリーズ31棟の引渡し、その他、開発事業用地14物件の引渡しなど、多様な顧客ニーズに対応した商品開発に取り組み、主力事業の基盤は変わらず堅調に推移しております。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、240億99百万円(前連結会計年度比50.5%増)となりました。この結果、売上総利益は、56億97百万円(前連結会計年度比25.2%増)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、23億23百万円(前連結会計年度比5.1%増)となりました。主な増加要因は、新規社員の採用に伴う人件費の増加等によるものであります。
この結果、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益は、33億73百万円(前連結会計年度比44.1%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外損益について、営業外収益が81百万円(前連結会計年度比18.7%減)、営業外費用が7億70百万円(前連結会計年度比41.3%増)となりました。当連結会計年度の主な内容は、営業外収益が営業補償金収入、営業外費用が支払利息であります。
この結果、営業利益に営業外損益を加味した経常利益は、26億83百万円(前連結会計年度比41.6%増)、売上高経常利益率は、0.2ポイント減少し、9.0%となりました。
(税金等調整前当期純利益)
税金等調整前当期純利益は、27億59百万円(前連結会計年度比45.6%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額等を計上したことにより、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、18億93百万円(前連結会計年度比37.7%増)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
4)資本の財源および資金の流動性
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、不動産開発事業における事業用地等の購入費用であり、その調達手段は主として金融機関からの借入れによっております。事業用地等の購入費用以外の運転資金につきましては、自己資金で対応することを原則とし、借入れに係る費用を低減するよう努めております。金融機関による借入れにつきましては、現状は比較的低コストで調達できているものの、将来の金融環境によっては、コストを含む調達環境が大きく変動するリスクがあります。
5)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
6)経営者の問題意識と今後の方針について
当社の賃貸アパートメントブランド『MIJAS(ミハス)』事業を中心とする投資用賃貸不動産市場においては、地方都市を中心として空家数の増加が続いており、将来的にも高い入居率が見込める都心エリアへの重点的な物件供給、また付加価値サービスの提供による差別化戦略が求められております。
このような事業課題に対して、当社は企業理念である一生涯のお付き合いをいただける様、「物造りにこだわった、デベロッパー」として、新築1棟投資用賃貸不動産ブランド『EL FARO(エルファーロ)』『MIJAS(ミハス)』シリーズ(2025年7月期31棟供給済)を、年間約37棟前後の供給を計画目標としております。これら主力事業の開発地域を、東京23区内でも特に立地の良い城南・城西地区を中心に、情報分析力、事業企画力などの強みを最大限に生かし、事業の用地仕入れ活動および販売活動を積極的に展開してまいります。
当社グループの主力事業の市場を含む事業基盤は変わらず堅調でありますが、今後の事業展開として、グループ各社が、独自に成長戦略を描き、各社の体制構築、権限と責任の明確化、意思決定の迅速化により、経営のスピードをさらに引き上げることで、グループ全体の成長を促進し、事業基盤を強化・拡大していき、更なる収益拡大に向け当社グループ一丸となって事業活動を推進してまいります。
該当事項はありません。
該当する開発活動等はありません。