当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針・経営戦略
当社グループは、「住まい創りや不動産価値創造事業を通じて地域社会の文化と歴史の創造に貢献します」という経営理念のもと、「最大たるより最良たるべし」、「オンリーワン(なくてはならない)企業」、「地域密着型企業」及び「CS(顧客満足)・ES(従業員満足)推進企業」の4つを経営の基本路線としております。
上記の経営理念等のもと、進出地域内の顧客ニーズに対して、広く深く応えることにより、“地域社会になくてはならない存在”となり、それによる収益力の向上及び当社グループのグループ力を生かした資産効率の向上を通じて、安定的かつ継続的な成長を目指します。
さらに、将来の収益の柱として、ストック事業の強化を行い、収益基盤の拡充を目指します。
(2)目標とする経営指標
分譲マンション市場は、これまで景気の変動に大きく影響され、多くのデベロッパーが淘汰される等の経過をたどってきたことから、財務体質の健全性が事業の継続には不可欠な要素となっています。そこで、当社グループは安定した親会社株主に帰属する当期純利益の確保及びキャッシュ・フローの重視により、有利子負債比率を50%以下に圧縮し、自己資本比率を30%以上に向上していくことを重点目標とし、外部環境の変化に影響されにくい財務体質を構築していきます。
(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題
今後のわが国経済は、好調な企業業績による設備投資の拡大や、雇用環境の改善、所得の増加による堅調な個人
消費の推移など、緩やかな景気回復の動きが継続すると見込まれます。一方で、エネルギー価格の高騰や継続的な
物価上昇により家計への負担は益々増加しており、個人消費の下振れによる景気への影響が懸念されます。加え
て、政権の不安定化や金融政策の動向、海外においては、長期化する不安定な国際情勢や米国政権の関税政策等の
注意を要する環境が続いており、先行きの見通しを難しくしております。
不動産業界におきましても、引き続き国内外投資家による不動産への投資意欲は継続すると思われますが、地価
や建築コスト、人件費の上昇が継続しており、それに伴う不動産価格への影響等、注意を要する状況が続くことが
予想されます。
このような状況のなかで、当社グループの主力事業である分譲マンション事業におきましては、依然として分譲
マンション価格が高値で推移している厳しい市況化において、需給バランスを重視した厳選エリアでの新規用地選
定や、それぞれのエリア特性に合った高付加価値商品の提案、また、首都圏事業モデルの確立など、お客様の生涯
価値を豊かにするトータルハウジングサービスとして、多様な事業セグメントの経営基盤を活用した当社グループ
ならではの競争力を進化させていきます。
当社グループでは、新たな中期方針『地域密着モデルの研鑽と拡充、独創的新事業の創造と挑戦による事業ポー
トフォリオの組み替え』を策定しました。当社グループがこれまで築いてきた「地域密着」の強みを活かし、「住
まい+α」の価値提案を続けるとともに、不動産関連事業における第2第3の柱とするべく、中古マンション買取
再販事業や仲介事業など、既存事業の拡大強化を進めるとともに、霊園事業や再エネ・物流施設の開発、また、リ
ゾート開発といった新規事業の成長スピードを加速させ、中長期的な事業基盤の安定化を目指してまいります。
また、海外事業におきましては、東南アジアでの「地域密着型ビジネスモデル」の確立に加え、当期より本格進
出した米国など新たなマーケットへの進出にも挑戦してまいります。
当社グループの様々な事業基盤や顧客基盤を活用した新たな価値提供や、国内外での戦略的M&Aによる事業拡大や
新たな事業領域への取り組みにも挑戦し、これらを実行していくための組織や人的資本、財務基盤の強化も総合的
に推進してまいります。
現在及び今後の外部及び内部環境等の状況を踏まえ、下記のとおり、第63期(2026年6月期)から第65期(2028年6月期)までの3カ年を対象とする中期経営計画を策定しております。
〈中期方針〉
地域密着型ビジネスモデルの研鑽と拡充、
独創的新事業の創造と挑戦による事業ポートフォリオの組み換え
※地域密着型ビジネスモデル
地域とのネットワークとグループシナジーを最大限生かし、地域密着企業として各地域で徹底したマーケティングに基づく多様な商品・サービス・体験などグループ独自の価値を生み出すことで、各地域での競争優位性を保ち、継続的に成長していくこと。
〈重点戦略〉
1.分譲マンション事業の収益と投資効率の向上
2. 戦略的不動産関連事業の拡大による第2の柱構築
3. 海外事業の拡大
4. 新規不動産事業の事業基盤の確立と利益確保
5. 新たな収益モデルの創造と挑戦
6. 人的資本と顧客価値の最大化に向けた組織・デジタル戦略の統合的推進
7. 財務基盤の強化
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「住まい創りや不動産価値創造事業を通じて地域社会の文化と歴史の創造に貢献します」という経営理念のもと、「地域の環境、風土に結びついて人間の心が和む物を創り出す」「建物創りや事業活動を通じて、後世に影響を与えてゆく」を理念(ミッション)として掲げており、理念そのものがサステナビリティに通じていると考えております。
当社グループではこの経営理念のもと、「地域に生かされ生きる」という価値観を共有して、常に地域を見続け、地域が抱える社会的課題やニーズを、その地域の文化や歴史に対応した当社グループが展開する様々な事業セグメントで解決し、お客様の生涯価値の最大化に繋げております。
さらに、CSR憲章及びCSR行動指針等を定め、社会貢献できる人材の育成や地球環境の保護等の活動支援を行うことで、地域社会にとってなくてはならない企業をめざしております。
具体的には、障がい者の就業支援、文化芸術活動支援、清掃及びリサイクル運動の実施等、様々な活動を実施しております。その中でも、2014年6月より開始している、未来を担う子どもたちの健全な育成を目的とした地域貢献活動「あなぶキッズプロジェクト」を重点的に実施しており、キンボールスポーツ親子大会、子ども相撲教室、学校訪問コンサート及びキッズサッカー大会等をこれまで継続して開催しております。
また、ネーミングライツスポンサーとして香川県より選定され、2025年2月に開館した中四国最大の収容人数となる「あなぶきアリーナ香川(香川県立アリーナ)」(香川県高松市)を通じて、地域のスポーツ振興並びに交流人口の拡大等、地域振興に寄与していきたいと考えております。
(1)ガバナンス
当社グループでは、当社グループの経営理念に立脚した上で、上記の考え方に基づき、サステナビリティに関連するリスク及び機会を監視・管理するために、「
当社では、サステナビリティに関連するリスク及び機会について、サステナビリティ委員会等の専門組織を設置しておりませんが、今後の当社事業規模や事業内容等に応じて、体制強化や部署横断の組織設置を検討していく予定としております。
(2)戦略
①気候変動に関する戦略
当社グループでは、気候変動に対する取り組みについては、当社グループの事業形態において行える取り組みは限定されますが、その中でも環境省による「令和4年度気候変動アクション環境大臣表彰(先進導入・積極実践部門 緩和分野)」を受賞した、当社が所有する既築テナントビルにおける、設備改修工事による四国初の『ZEB Ready』を満たした取り組みを代表例として、国土交通省の補助事業「既存建築物省エネ化推進事業」の採択を受け実施した、当社所有建物における空調、照明及び躯体断熱の省エネルギー改修工事による建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の認定取得など、今後も当社グループが所有する建物の適切な更新のタイミングにおいて、省エネ化に向けた設備改修工事等を順次進めていく予定としております。
また、2024年6月期より本格稼働した再エネ開発推進事業において、クリーンエネルギーの普及及び持続可能な社会の実現に向けた取り組みとして、2025年にオフサイトコーポレートPPA(電力購入契約)事業に参入しました。当社が発電事業者として太陽光発電設備を設置し、企業様と長期契約を結び、遠隔地に電力を供給する契約となりますが、当社本社ビルの使用電力も、本契約により供給される電力で全て賄うこととなりました。なお、今回の取り組みによる二酸化炭素排出量の削減効果は年間約1,180トンになる見通しで、一般的な家庭で使用される電力に換算すると約630世帯分の排出量に相当します。今後も脱炭素化と持続可能な社会の実現に向けて、本スキームを用いた取り組みを拡大し、再生可能エネルギーの活用を積極的に進めてまいります。
②人的資本に関する戦略
当社グループでは、お客様の生涯価値の最大化を目指しておりますが、そのためにはお客様を支える従業員一人一人が活躍できる社内環境を整備すること、また、心身ともに健康で活き活きと働けることが重要であると考えます。そのためには、性別や年齢、国籍、人種等に関係なく、従業員一人ひとりの個性を多様性として活かし働きやすい職場環境整備に努め、従業員の成長・活躍の機会を提供する等の人的資本への投資についての重要性を認識しております。それらの実現のために、「経営理念・企業価値観の浸透」を基本として、次世代において多様な人材が活躍できる組織を目指し、海外事業を含めた採用の強化、教育研修の充実、ES経営によるエンゲージメント向上、健康経営及び将来に対応できる人事諸制度の設計等の各施策を実施しております。
また、外部機関による調査をこれまで2年毎に継続して実施してきており、従業員のエンゲージメント(「総合エンゲージメント」とそれを構成する「職務への満足」、「仕事への熱意」及び「組織への愛着」)を数値化しております。前回実施した2023年調査では、当社の「総合エンゲージメント」の数値は「とても良好」なレベルとなっており、約1%ではありますが、2021年調査の数値からも上回った結果となりました。
(「総合エンゲージメント」の数値:2021年調査時3.56/5.00 → 2023年調査時3.59/5.00)
ただ、相対的に「組織への愛着」の数値が低かったことや一部の会社におけるワークライフバランスへの課題等を踏まえ、2023年調査以降、従業員のエンゲージメントのさらなる向上による2025年調査における数値向上や、従業員の「ありたい姿」を実現させることを目標として、経営層自らが推し進めることによるワークライフバランスの実現や、自らの言葉で未来を繰り返し語ることによる「経営層への信頼」や当社グループの「理念やビジョンの浸透」に繋げることに取り組んでまいりました。
現在、2025年調査を実施中であり、その調査結果の検証や分析によってさらなるエンゲージメント向上策を実施し、さらに次の2年後の調査において数値を上回ることを目標とする予定です。
(3)リスク管理
代表取締役社長を議長とし、取締役、監査役、及び執行役員が出席する週1回の経営会議において、当社グループの経営上の重大な影響を及ぼす恐れのあるリスクに対する、的確な分析及び対策の検討を行っており、サステナビリティに関連するリスク及び機会に対する管理につきましても、あわせて行っております。
また、リスクに対する基本的な管理や対応を定めた社内規程や、災害や新感染症等への対応を定めた危機管理マニュアルの整備や見直しを適宜行っております。
緊急時や事業活動上の重大な損害の発生が予測される場合には、代表取締役社長を本部長とする対策本部を設置して損害の未然防止のための迅速な対応を行います。
なお、適法かつ効率的な業務執行体制の確立をはかるための「内部統制システムの整備の状況及びリスク管理体制の整備の状況」につきましては、「
(4)指標及び目標
①気候変動に関する指標及び目標
当社は気候関連指標の算出を行っていないため、指標及び目標の開示をしておりません。上記「
②人的資本に関する指標及び目標
人的資本について、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく指標・数値に関しては、「
ただし、上記女性管理職の登用だけでなく、外国人の管理職への登用等について、当社グループの各社において原則積極的に取り組みを行っているものの、その事業等の特性や規模等により、その推進に各事業や各子会社において差があり、取り組み状況も外部環境等により大きく変動し、具体的な設定が困難なことから、当社グループにおける具体的な目標設定は行っておりません。
また、従業員が心身ともに健康で、活き活きと働ける環境づくりの一環として、健康経営を掲げ、その目標及び指標と進捗状況を当社コーポレートサイトにおいて開示しております。
なお、当社は健康経営に取り組む特に優良な法人として、経済産業省より「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」の認定を受けており、客観的な指標として同制度の継続的な認定を目標としております。
さらに、上記「
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当社グループの経営成績等への影響について
① 不動産市況、金利動向等について
当社グループの不動産関連事業においては、「アルファ」シリーズのマンション分譲、戸建て分譲、注文住宅の受注等を行っております。
これらの住宅の販売及び受注は、政府の経済政策による影響を受けやすく、不動産市況、住宅ローン控除や住宅贈与等の住宅促進税制の改正、公的及び民間金融機関の住宅ローン金利の動向によって消費者の購買心理の動向に変化が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、国内外の要因による資源価格の高騰等に伴い、建築資材・住宅設備の高騰や供給不足が生じた場合には、事業の収益性が低下し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 有利子負債について
当社グループの不動産関連事業における分譲マンション事業においては、土地の仕入れ及び建設資金の一部を民間金融機関からの借入れという形で資金調達を行っており、有利子負債依存度が高くなっております。従って、経済不安及び金融引締め等による金融機関の融資抑制、または消費とは相反する金利の上昇等で、資金調達が困難になるような場合において、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
直近3期における連結での有利子負債依存度は、次のとおりであります。
|
|
2023年6月期 |
2024年6月期 |
2025年6月期 |
|
有利子負債残高(百万円) (A) |
65,861 |
71,067 |
75,346 |
|
総資産額(百万円) (B) |
126,609 |
136,303 |
148,139 |
|
有利子負債依存度(%)(A/B) |
52.0 |
52.1 |
50.9 |
③ 引渡時期による経営成績の変動について
当社グループの主要事業であります分譲マンション事業においては、マンションの売買契約成立時ではなく、顧客への引渡時に売上が計上されるため、その引渡時期により上半期と下半期では経営成績に偏りが生じております。また、天災その他予想し得ない事態による建築工期の遅延等、不測の事態により引渡時期が事業年度末を越えて遅延した場合には、当社グループの経営成績に大きく影響を及ぼす可能性があります。
直近3期における単体での上半期、下半期の経営成績は、次のとおりであります。
|
項目 |
2023年6月期 |
2024年6月期 |
2025年6月期 |
||||||
|
上半期 |
下半期 |
通期 |
上半期 |
下半期 |
通期 |
上半期 |
下半期 |
通期 |
|
|
売上高 |
40,433 |
27,092 |
67,525 |
31,720 |
53,298 |
85,019 |
53,116 |
35,886 |
89,003 |
|
(構成比率) |
(59.9) |
(40.1) |
(100.0) |
(37.3) |
(62.7) |
(100.0) |
(59.7) |
(40.3) |
(100.0) |
|
営業利益 |
3,965 |
1,125 |
5,091 |
2,020 |
2,098 |
4,119 |
5,045 |
346 |
5,391 |
|
経常利益又は 経常損失(△) |
4,052 |
653 |
4,706 |
2,635 |
2,535 |
5,171 |
5,191 |
△286 |
4,904 |
(注)構成比率は通期に占める上半期及び下半期の割合を示しております。
(2) 大京グループの㈱穴吹工務店との関係及び競業について
当社は、1964年5月に穴吹工務店グループにおける不動産部門として、当社代表取締役社長 穴吹忠嗣の実父 穴吹夏次(故人)及び実母 穴吹キヌヱ(故人)によって設立されました。穴吹工務店グループとは、当社代表取締役社長 穴吹忠嗣の実父 穴吹夏次(故人)が1961年1月に設立した㈱穴吹工務店を中心とする企業グループであり、当社代表取締役 穴吹忠嗣の実兄 穴吹英隆が、1994年4月、㈱穴吹工務店代表取締役に就任し、穴吹工務店グループの事業推進、運営を行っておりました。しかしながら、2009年11月に㈱穴吹工務店他3社において、会社更生法を申請し(2013年3月31日に更生手続きは終結)、2013年4月1日より分譲マンション事業を行う㈱大京が㈱穴吹工務店の親会社となったことにより、現在、㈱穴吹工務店は大京グループに属しております。
先述のとおり、当社は設立当時、穴吹工務店グループに属し、不動産の売買・賃貸・仲介事業を行っておりましたが、駐車場経営、ホテル事業等へと事業展開し、1985年6月に現在の主要事業であるファミリーマンションの分譲事業へ参入したことにより、1978年12月から既にファミリーマンションの分譲事業へ事業進出していた㈱穴吹工務店と競業するに至ったため、穴吹工務店グループより独立して新たな企業グループを形成し、独自の事業推進、運営を行うようになりました。
以上のような経緯から、当社の営業地域において㈱穴吹工務店は分譲マンション事業を行っており、現在においても当社と㈱穴吹工務店との競業関係は継続しております。
また、㈱穴吹工務店が2009年11月に会社更生法を申請した際において、それによって当社は経営に影響を及ぼすような風評被害等を受けることはなく、さらに、現在においては、当社グループと大京グループに属する㈱穴吹工務店とは、当然ながらそれぞれ独立した企業グループとして独自の経営がなされており、これらにより当社グループの事業推進、運営に影響を受けることはありません。
なお、顧客に対してのコーポレートブランドの差別化をはかるべく、当社は2002年10月1日に従前まで同一であった「穴吹」の商標を「あなぶき」に変更するとともに、CIマークも一新し、当社グループと㈱穴吹工務店等との違いを明確にしております。
(3) 法的規制について
当社グループの不動産関連事業においては、「宅地建物取引業法」をはじめとして、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」、「国土利用計画法」、「都市計画法」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「不動産の表示に関する公正競争規約」、「金融商品取引法」、「不動産特定共同事業法」、その他多数の法令により規制を受けております。
また、不動産関連事業以外の当社グループの多様な事業セグメントにおきましても、様々な法的規制を受けているなかで事業展開を行っております。
今後、これらの法的規制の改廃や新たな法的規制が設けられる場合には、当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。
(4) 個人情報の管理について
当社グループが行う不動産関連事業をはじめとして、各事業において取得した個人情報につきましては、その管理に万全を期しております。また、2006年12月よりISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の国際規格「ISO/IEC27001:2013(JIS Q 27001:2014)」の認証を取得・維持しており(2024年12月に改訂規格「ISO/IEC27001:2022(JIS Q 27001:2023)」の認証を取得)、情報資産の管理全般に関する体制の構築を図っております。
今後も個人情報の取扱いには十分留意しますが、不測の事態等により、万一、個人情報が外部へ漏洩する事態が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 訴訟などの可能性について
当社グループは分譲マンション事業を中心とした不動産関連事業をはじめ、様々な事業活動を行っております。個人・法人含め取引関係先も多岐にわたっており、多種多様な契約等を締結しております。契約内容の不備や、取引関係先とのトラブル等から訴訟に発展する可能性もあり、重要な訴訟が提起された場合には、訴訟費用の発生や損害賠償金の支払いによる損失が生じる可能性があります。
(6) 新感染症等の影響について
長期化していた新型コロナウイルス感染症の影響が沈静化し、社会経済活動の正常化が進み、ホテル事業及び施設運営受託事業を主力とした施設運営事業やトラベル事業を主力とした観光事業につきましても顕著に収益の回復が見られておりますが、新たな変異株や未知の感染症等により感染が再拡大した場合は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な企業収益による設備投資の拡大や、持続的な賃上げ傾向による雇用や所得環境の改善など、社会経済活動の正常化による緩やかな景気回復の動きが続き、業況感は良好な水準で推移しました。一方、長期化する不安定な国際情勢などを背景とした資源・エネルギー価格の高騰や物価の上昇により、家計への負担が増加して個人消費の足踏みが見られたうえに、政権の不安定化や米国政権による関税政策の影響など、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況のなかで、当社グループは主力事業である分譲マンション事業において、依然として分譲マンション価格が高値で推移していることから、需給バランスを重視した厳選エリアでの新規用地選定や、価格転嫁可能な高付加価値商品の企画、また、販売活動においては、適正価格を探るためのプレセールス活動の充実に引き続き取り組むとともに、新築分譲マンションの購入申込から契約手続きの全工程について、24時間365日、場所を選ばず行うことができるオンラインサービスを開始し、当社グループが販売する新築分譲マンションは2025年春より順次、従来のモデルルームにおけるオフライン(対面)形式の販売に加えて、非対面のオンライン形式の販売が併存するハイブリッド販売方式を開始いたしました。 その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ、11,835百万円増加し、148,139百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ、8,650百万円増加し、104,485百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ、3,185百万円増加し、43,653百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高130,973百万円(前期比2.6%減)、営業利益5,690百万円(同0.5%減)、経常利益5,618百万円(同21.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益3,722百万円(同23.1%減)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
《不動産関連事業》
不動産関連事業におきましては、好調なインバウンド需要の継続や円安を背景に、国内外投資家の投資意欲が高い状態が続き、投資用不動産への需要は引き続き順調に推移しました。一方、政府による各種支援制度の継続や低金利環境により、実需層の不動産に対する需要も堅調に推移しているものの、不動産価格の高止まりや金利の動向、消費者物価の上昇等、引き続き注意を要する環境であると認識しております。
このような状況のなかで、主力である新築分譲マンションの販売について、契約戸数につき1,648戸(同5.3%減)、売上戸数につき1,848戸(同8.9%減)、これに加えて、首都圏を中心に展開する「グローリオ」シリーズの新築一棟収益マンションの販売については、10棟の引渡しとなりました。また、当連結会計年度末時点において、翌期(2026年6月期)以降の売上計上予定マンションの内、既に契約済みの戸数は1,613戸を確保し、未契約完成在庫は15期連続で0戸と堅調な状況を続けることができました。
また、賃貸中の区分所有マンションを買取り、賃借人が退去するまでの賃貸収益と退去後の売却利益を得るビジネスモデルである中古マンション買取再販事業につきましては、当連結会計年度末時点において中古マンションの保有戸数につき1,135戸(同5.0%減)となりました。なお、保有戸数には、穴吹不動産流通株式会社の保有戸数22戸を含んでおります。
この結果、不動産関連事業の売上高は92,363百万円(同6.6%減)、営業利益は5,453百万円(同0.9%減)となりました。
なお、分譲マンションにおける他社との共同事業における戸数については、当社事業割合で計算しております。
《人材サービス関連事業》
人材サービス関連事業におきましては、堅調な人材需要に対して労働力不足が顕著になっているなか、派遣スタッフの募集力強化のために「月給制」を導入し、人材確保及び安定稼働の拡大に取り組みました。また、BPO事業では高松市朝日新町に「せとうちBPOセンター」を開設するなど、都市圏からの業務誘致の拡大に取り組みました。
この結果、人材サービス関連事業の売上高は5,932百万円(同5.3%増)、営業利益は271百万円(同18.6%増)となりました。
《施設運営事業》
施設運営事業におきましては、インバウンド需要が継続しており、主力であるホテル事業を中心に好調に推移いたしました。また、公民連携(PPP)事業においては、2025年2月に「あなぶきアリーナ香川」が開館し、3月にはこけら落とし公演としてサザンオールスターズのコンサートが開催され、香川県内外より多くの方の来館がありました。
この結果、施設運営事業の売上高は7,725百万円(同10.8%増)、営業利益は96百万円(同581.1%増)となりました。
《介護医療関連事業》
介護医療関連事業におきましては、新たに兵庫県宝塚市、神戸市、また、京都市で住宅型有料老人ホームを開設するなど、需要拡大が見込め、且つ顧客単価の高い関西圏中心部における開発に取り組みました。また、施設における接遇の向上や終末期ケアに重点を置いた運営体制の構築に取り組むとともに、介護福祉士の手当拡充のほか、新たに外国人技能実習生の採用を推進し、多様な人材活用を可能にする基盤整備に注力し、顧客価値の向上と安定的な人材確保の両立を目指しました。なお、当連結会計年度末時点において、有料老人ホーム(介護付き・住宅型)及びサービス付き高齢者向け住宅について、39施設1,783室の運営を行っております。
この結果、介護医療関連事業の売上高は6,982百万円(同11.0%増)、営業利益は192百万円(同15.4%減)となりました。
《小売流通関連事業》
小売流通関連事業におきましては、長崎県にて事業展開を行っているスーパーマーケット事業(10店舗※2024年9月に1店舗閉鎖)において、引き続き各店舗の安定運営の確立や新商品・新規事業の開発強化、さらには無人店舗やネットスーパー事業の拡充を推進し、収益体制の確立を目指しました。
この結果、小売流通関連事業の売上高は7,596百万円(同6.4%減)、営業損失は193百万円(前期は営業損失179百万円)となりました。
なお、営業損失の主な要因は、近隣他社との競争激化や一部店舗地域の人口減による売上減少と、店舗閉鎖に伴う一時的な経費増加によるものであります。
また、2025年7月1日付で、スーパーマーケット事業を行う当社の連結子会社であった株式会社ジョイフルサンアルファの全株式を、イオン九州株式会社に譲渡いたしましたので、株式会社ジョイフルサンアルファは当社の連結の範囲から除外されることとなります。
《エネルギー関連事業》
エネルギー関連事業におきましては、高圧一括受電により分譲マンション等へ割安な電力提供を行う電力提供事業において、引き続きサービス提供戸数の拡大と収益の安定化に注力いたしました。天候要因により電力使用量が計画を大きく上回り、電力売上が堅調に推移するとともに、燃料費調整額や卸市場価格も安定して推移し、電力調達価格の引き下げが進んだことから、電力提供事業の収益が顕著に回復しました。なお、当事業のマンションに対する高圧一括受電による電力提供は、当連結会計年度末時点において、945棟61,088戸(前期末時点の実績は905棟57,650戸)に対してサービス提供を行っております。
この結果、エネルギー関連事業の売上高は8,165百万円(前期比27.8%増)、営業損失は70百万円(前期は営業損失205百万円)となりました。
《観光事業》
観光事業におきましては、景気回復やインバウンド需要を背景に、日本人向け企画募集ツアーや一般団体旅行を中心に堅調に推移しましたが、バス代金や宿泊代金などの原価高騰により、収益の低下が見られました。このような状況のなかで、新たな顧客や売上の獲得に向けて、高松空港チャーター機で行く国内旅行や海外直行便企画に取り組むとともに、2025年4月より開催した「瀬戸内国際芸術祭2025」における公式ツアーの販売にも注力いたしました。
この結果、観光事業の売上高は2,106百万円(前期比4.7%減)、営業利益は39百万円(同68.0%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの「現金及び現金同等物」(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,583百万円減少し、当連結会計年度末には6,972百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果獲得した資金は、55百万円(前年同期は1,136百万円の使用)となりました。
これは主に税金等調整前当期純利益によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は、6,543百万円(前年同期は2,228百万円の使用)となりました。
これは主に有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果獲得した資金は、3,576百万円(前年同期は4,620百万円の獲得)となりました。
これは主に長期借入れによるものであります。
③生産、受注状況及び販売の実績
a.生産及び受注実績
当社グループは受注生産を行っていないため、該当事項はありません。
b.販売の実績
当連結会計年度の販売(売上)実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
前年同期比(%) |
|
不動産関連事業(千円) |
92,363,328 |
93.4 |
|
人材サービス関連事業(千円) |
5,932,297 |
105.3 |
|
施設運営事業(千円) |
7,725,082 |
110.8 |
|
介護医療関連事業(千円) |
6,982,812 |
111.0 |
|
小売流通関連事業(千円) |
7,596,044 |
93.6 |
|
エネルギー関連事業(千円) |
8,165,332 |
127.8 |
|
観光事業(千円) |
2,106,567 |
95.3 |
|
その他(千円) |
101,634 |
- |
|
合計(千円) |
130,973,099 |
97.4 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
《不動産関連事業》
分譲マンション事業の地域別契約戸数の推移は、次のとおりであります。
|
地域 |
前連結会計年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
||
|
契約戸数(戸) |
割合(%) |
契約戸数(戸) |
割合(%) |
|
|
四国 |
272 |
15.6 |
305 |
18.5 |
|
中国 |
450 |
25.9 |
366 |
22.2 |
|
近畿 |
243 |
14.0 |
188 |
11.4 |
|
九州 |
436 |
25.0 |
422 |
25.6 |
|
その他 |
339 |
19.5 |
367 |
22.3 |
|
合計 |
1,740 |
100.0 |
1,648 |
100.0 |
(注)1.他社との共同事業における戸数については、当社事業割合で計算しております。
2.本表の契約戸数には、あなぶきホームライフ株式会社(2024年1月1日付で当社に吸収合併)は、含まれておりません。前連結対象期間においての契約戸数は101戸です。
《人材サービス関連事業》
人材サービス事業の種類別売上高の推移は、次のとおりであります。
|
事業の種類 |
前連結会計年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
||
|
売上高(千円) |
割合(%) |
売上高(千円) |
割合(%) |
|
|
人材派遣事業 |
3,539,002 |
62.8 |
3,640,215 |
61.4 |
|
アウトソーシング事業 |
1,672,141 |
29.7 |
1,833,612 |
30.9 |
|
人材紹介事業 |
212,816 |
3.8 |
199,167 |
3.4 |
|
採用支援事業 |
128,895 |
2.3 |
140,298 |
2.3 |
|
その他 |
82,234 |
1.4 |
119,004 |
2.0 |
|
合計 |
5,635,089 |
100.0 |
5,932,297 |
100.0 |
《施設運営事業》
施設運営事業の種類別売上高の推移は、次のとおりであります。
|
事業の種類 |
前連結会計年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
||
|
売上高(千円) |
割合(%) |
売上高(千円) |
割合(%) |
|
|
ホテル事業 |
3,394,561 |
48.7 |
3,588,988 |
46.5 |
|
施設運営受託事業 |
3,357,912 |
48.2 |
3,919,616 |
50.7 |
|
ゴルフ事業 |
218,835 |
3.1 |
216,476 |
2.8 |
|
合計 |
6,971,309 |
100.0 |
7,725,082 |
100.0 |
《介護医療関連事業》
介護医療事業の地域別売上高の推移は、次のとおりであります。
|
地域 |
前連結会計年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
||
|
売上高(千円) |
割合(%) |
売上高(千円) |
割合(%) |
|
|
四国 |
1,769,956 |
28.1 |
1,793,526 |
25.7 |
|
中国 |
2,224,273 |
35.3 |
2,273,747 |
32.6 |
|
近畿 |
811,375 |
12.9 |
1,361,813 |
19.5 |
|
九州 |
1,488,015 |
23.7 |
1,553,725 |
22.2 |
|
合計 |
6,293,619 |
100.0 |
6,982,812 |
100.0 |
《小売流通関連事業》
小売流通関連事業は、長崎県においてスーパーマーケット事業を行っておりますので、小売流通関連事業における地域別売上高の推移等の記載は省略いたします。
《エネルギー関連事業》
エネルギー関連事業の地域別売上高の推移は、次のとおりであります。
|
地域 |
前連結会計年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
||
|
売上高(千円) |
割合(%) |
売上高(千円) |
割合(%) |
|
|
四国 |
1,604,179 |
25.1 |
2,036,708 |
24.9 |
|
中国 |
1,759,529 |
27.6 |
2,164,465 |
26.5 |
|
近畿 |
608,528 |
9.5 |
767,620 |
9.4 |
|
九州 |
1,148,908 |
18.0 |
1,465,890 |
18.0 |
|
その他 |
1,266,298 |
19.8 |
1,730,648 |
21.2 |
|
合計 |
6,387,444 |
100.0 |
8,165,332 |
100.0 |
《観光事業》
観光事業は、香川県においてトラベル事業を行っておりますので、観光事業における地域別売上高の推移等の記
載は省略いたします。
《その他》
その他は、香川県においてシェアードサービス事業や霊園事業等を行っておりますので、その他の事業における地域別売上高の推移等の記載は省略いたします。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。連結財務諸表の作成にあたっては会計上の見積りを行う必要があり、重要なものは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営上の目標の達成状況について
当社グループの経営上の目標は、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)目標とする経営指標」に記載のとおり、有利子負債比率を50%以下に圧縮し、自己資本比率を30%以上に向上していくこととしております。当連結会計年度末における有利子負債比率は50.9%、自己資本比率は29.4%となりました。
b.財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の資産合計につきましては、前連結会計年度末と比べ、11,835百万円増加(前期比8.7%増)し、148,139百万円となっております。
資産合計の主な増加要因は、販売用不動産の増加によるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債合計につきましては、前連結会計年度末と比べ、8,650百万円増加(前期比9.0%増)し、104,485百万円となっております。
負債合計の主な増加要因は、支払手形及び買掛金の増加によるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計につきましては、前連結会計年度末と比べ、3,185百万円増加(前期比7.9%増)し、43,653百万円となっております。
純資産合計の主な増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益3,722百万円(同23.1%減)によるものであります。
c.経営成績の分析
(売上高、売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と比べ、3,526百万円減少(前期比2.6%減)し、130,973百万円となっております。
売上原価は、売上高の減少に伴い前連結会計年度と比べ、3,039百万円減少(同2.8%減)し、104,741百万円となっております。売上高に対する売上原価の比率は前連結会計年度と比べ、0.1ポイント減少し、80.0%となっております。
この結果、売上総利益は前連結会計年度と比べ、487百万円減少(同1.8%減)し、26,232百万円となっております。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ、458百万円減少(前期比2.2%減)し、20,541百万円となっております。
この結果、営業利益は前連結会計年度と比べ、28百万円減少(同0.5%減)し、5,690百万円となっております。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は、前連結会計年度と比べ、1,322百万円減少(前期比53.6%減)し、1,146百万円となっております。
営業外費用は、前連結会計年度と比べ、185百万円増加(同17.9%増)し、1,217百万円となっております。
この結果、経常利益は前連結会計年度と比べ、1,536百万円減少(同21.5%減)し、5,618百万円となっております。
(特別損益、税金等調整前当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益は、前連結会計年度と比べ、326百万円減少(前期比90.4%減)し、34百万円となっております。
特別損失は、前連結会計年度と比べ、167百万円減少(同66.2%減)し、85百万円となっております。
この結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度と比べ、1,695百万円減少(同23.3%減)し、5,567百万円となっております。
親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比べ、1,120百万円減少(同23.1%減)し、3,722百万円となっております。
d.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題」及び「3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
e.資本の財源及び資金の流動性についての分析
(キャッシュ・フローの分析)
当社グループのキャッシュ・フローの分析については、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの資金需要のうち主なものは、不動産(棚卸資産、固定資産)の取得・開発をはじめとする事業への資金等であり、内部資金、借入金または私募債により資金調達を行い、事業運営上必要な流動性と資金を安定的に確保することを基本方針としております。
当連結会計年度末現在における借入金残高は60,692百万円、私募債残高は14,530百万円であります。また、複数の金融機関との間で合計36,010百万円のコミットメントライン設定契約を締結しております。(借入金実行残高16,190百万円、借入未実行残高19,820百万円)
(企業結合等関係)
当社は、2025年4月14日開催の取締役会において、当社の100%子会社であるあなぶきメモリアル株式会社が、株式会社エムジープランニングの発行済株式の全て、株式会社MG石材の発行済株式の60.0%(間接保有分をあわせると100%)、及び、さんわい石材有限責任事業組合他全7有限責任事業組合の組合員たる地位及びこれに付随する権利の一切を取得し、各社を子会社化(当社の孫会社化)することを決議し、同日付であなぶきメモリアル株式会社は株式譲渡契約を締結し、2025年6月3日付で当該株式と組合員たる地位及びこれに付随する権利の一切を取得しました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
(子会社株式の譲渡)
当社は、2025年5月23日開催の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社ジョイフルサンアルファの全株式を、イオン九州株式会社に譲渡することを決議し、2025年7月1日に全株式の譲渡を実施しました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
(財務制限条項が付された借入金契約)
当社が締結している財務制限条項が付された借入金契約の契約に関する内容等は、以下のとおりです。なお、財務上の特約の内容につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係) ※6 財務制限条項」に記載しております。
|
契約締結日 |
弁済期限 |
相手方の属性 |
契約形態 |
極度額 (千円) |
期末残高 (千円) |
担保 |
|
2021年11月26日 |
2026年11月30日 |
地方銀行 |
シンジケートローン |
5,000,000 |
3,417,100 |
当社所有の販売用不動産 |
|
2023年3月31日 |
2026年4月1日 |
地方銀行 |
- |
1,680,000 |
||
|
2024年3月29日 |
2029年3月30日 |
都市銀行 地方銀行 |
- |
3,000,000 |
なし |
|
|
2025年3月31日 |
2030年4月3日 |
都市銀行 |
証書借入 |
- |
2,000,000 |
なし |
|
2025年2月17日 |
2030年1月31日 |
都市銀行 |
- |
475,000 |
||
|
2024年11月29日 |
2029年11月30日 |
地方銀行 |
- |
270,000 |
||
|
2024年7月31日 |
2029年7月31日 |
地方銀行 |
- |
500,000 |
||
|
2024年12月13日 |
2029年12月27日 |
地方銀行 |
- |
400,000 |
||
|
2025年1月14日 |
2029年12月31日 |
地方銀行 |
- |
450,000 |
||
|
2023年3月31日 |
2025年9月30日 |
地方銀行 |
コミットメントライン |
620,000 |
620,000 |
当社所有の販売用不動産 |
|
2023年6月27日 |
2028年6月30日 |
地方銀行 |
8,500,000 |
8,500,000 |
なし |
|
|
2024年11月30日 |
2025年11月30日 |
地方銀行 |
500,000 |
500,000 |
||
|
2024年12月1日 |
2025年11月30日 |
地方銀行 |
500,000 |
500,000 |
特記事項はありません。