第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1)業績の状況

当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、不安定な為替動向や消費者マインドの弱含みから、企業収益の改善に足踏みがみられるものの、政府・日銀による各種経済・金融政策の効果による雇用情勢と所得環境の改善に加え、訪日外国人の増加がもたらす経済への好影響などから、緩やかな回復基調が続いております。一方で、中国をはじめとした新興国経済の下振れリスクや英国のEU離脱問題など、先行きに対する不透明感が高まっております。

当社および連結子会社(以下、あわせて「当社グループ」という。)の属する不動産業界においては、都心オフィスビル市場の空室率は4%の水準で安定的に推移しており、平均賃料は緩やかな上昇が続いております。一方で、不動産投資市場では、不透明な経済環境の中、投資家の様子見の姿勢が強まり、市場における事業用不動産の取引量に低下がみられました。

当社グループでは、こうした環境下において、東京都心部における中小型オフィスビルの活用と流通を主軸とし、市場を深く掘り込み、一極集中で専門性の高い事業を展開しております。地球環境に配慮した不動産再生と活用を通して、ビルオーナー様の不動産に関する様々な「お困りごと解決」にお客様視点で真摯に取り組んでまいりました。具体的には、お客様お一人おひとりにビルの賃貸及び売買仲介、ビル管理・メンテナンス、小修繕から大規模リニューアル、専門家とタイアップした相続や税務等の相談、賃料滞納に備えた保証の提供等に至るまで多様なサービスをご提供することを通じて、お客様の不満や不便、不快を現場で研究・解決し、多面的な収益機会の獲得に繋げてまいりました。

これら多様なサービスを提供する過程で培った知見やノウハウを連鎖させることによって、不動産再生事業を積極的に展開しています。街に活気をもたらす最適用途への変更や快適で潤いのある屋上テラスの設置、テナント募集前に内装を造り込むセットアップオフィス等、テナントの心に響くリニューアルを施すことでオフィスビルを魅力的で高品質なビルに甦らせます。さらに、地域密着による土地勘を活かしたテナント斡旋を強みに収益を最大限に高め、周辺エリアの強みや特徴、地歴も価値に載せて資産家・富裕層へ販売いたします。このようにご利用いただくテナントのニーズを汲み、たゆまぬ改善で都心5区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区)を中心にオフィスビルの再生実績を積み上げております。

また当社グループは、このようなオフィス事業を通じて培ったオペレーション力を強みとした事業モデルを、ホテルの開発・運営・再生事業に展開し、これをオフィス事業に続く2本目の柱とすべく積極的に推進しております。急増する訪日客の宿泊需要に応えることが社会利益の創出に資するものであるとの考えから、訪日客をメインターゲットとした「インバウンド向け都市型観光ホテル」の開発を進めており、昨年10月に旅行・航空事業を展開する中国春秋グループと業務提携し、その共同ブランドである「スプリングサニー」の第1号店となるホテルを、本年4月、愛知県常滑市にグランドオープンいたしました。

さらに、ベトナムの中部最大都市ダナンでは高層マンションの開発に着手するとともに、8月には当社グループ初となる海外第1号ホテルを開業しております。インドネシアの首都ジャカルタでは都市型分譲住宅の建築を進めるなど、成長が続く東南アジアへの展開も加速しております。

以上の結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高10,403百万円(前年同期比71.7%増)、営業利益3,570百万円(同150.9%増)、経常利益3,468百万円(同153.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,525百万円(同113.3%増)となりました。

 

各セグメントの業績は次のとおりであります。

 

(不動産再生事業)

当社グループは、仕入れの段階から最適用途の実現に向けた「ものづくり」を始めております。賃貸市場を日々入念に調査し知見を得て、テナント斡旋やビル管理、建設など他部署の経験、技術、知識を投入し、これらを連鎖させ、お客様視点で自由に発想し、創造的な企画を練り込んでおります。また、当社グループはテナントの満足度を高めることがビルオーナー様の満足につながるものと捉え、テナントの声を大切にしたテナント目線での快適性や利便性をどこまでも追求し、愛され選ばれるビルへと再生しております。

稼働率の低い不動産やリニューアルを要する建物を、社会のニーズに合致した仕様にリノベーションを行い、稼働率の高い不動産に再生させ、不動産が生み出す利益の極大化を図った上で、資産家・富裕層の皆様に販売しております。

また販売後においても、当社グループはスピードを重視したサービス(不動産のハード管理、ソフト管理、積極的な不具合対応、ビルオーナー様のお困りごと解決や新たな要望に応えるなど)を提供することにより、フォローアップに努めてまいりました。

リプランニング事業においては、資産としての安定性のみならず、物件のもつ固有の立地特性やその地域の歴史などを大切に、エリアに最適化したオフィスの創り込みや旧耐震物件の耐震補強、容積率超過の是正に取り組んでまいりました。購入されるお客様からみた「価値」に訴求した商品づくりを行うことが、高い利益率につながっております。

特に当第1四半期に販売した中規模物件は、物件の魅力や価値を最大限に評価していただける購入者を想定し、限定的で提案型の販売方法を取り入れるなど、時間をかけて創意工夫を積み重ねて付加価値を創出したことにより、前年同期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加し、また利益率も向上いたしました。

賃貸ビル事業においては、当社グループの賃貸仲介、プロパティマネジメント、建設ソリューション、滞納賃料保証等で培った総合的な不動産運営能力を活かし、高稼働率を維持し、安定的な賃料収入を確保しております。当第1四半期においては、前年同期比でたな卸資産の棟数及び残高は増加いたしました。一方で、複数年にわたり運用してきた高収益の中型物件を事業計画に基づくスケジュールにて販売したことなどから、賃料収入が減少し、前年同期に比べ売上高・利益ともに減少いたしました。

以上の結果、売上高は9,357百万円(前年同期比81.2%増)となり、セグメント利益は3,869百万円(同156.8%増)となりました。

 

(仲介事業)

売買仲介事業においては、プロパティマネジメントや賃貸仲介をはじめとする他部署からの紹介案件に注力し、手間を惜しまず、付加価値を積み重ねていくことで、リピートでの購入や売却、さらにはお客様からお客様をご紹介いただける機会創出につなげております。また、不動産コンサルティングによるソリューション力の向上や台湾をはじめとする海外顧客への言語対応などにより顧客層の拡大に努めております。

株式会社都市未来総合研究所の「不動産売買実態調査」によると、上場企業やJ-REIT等が2015年4月から2016年3月に公表した国内不動産の取引件数は1,014件(前年度比19%減)、取引額は4兆897億円(前年度比23%減)と、件数・取引額とも大幅減となっております。中国の景気減速や英国のEU離脱決定などに伴うリスクオフの流れが強まり、不透明な経済環境のもと、当社グループの売買仲介事業も前年同期に比べ売上高・利益ともに減少いたしました。しかし、足元では、お客様からのいただく案件は増えており、このニーズを的確にとらえ、各案件の成約化を図ってまいります。

賃貸仲介事業においては、都心5区を中心にエリアを限定した拠点を細かく展開しております。拠点ごとに担当エリアを深堀りし、土地勘を活かした地域密着型のテナント斡旋を行ってきたことにより、前年同期に比べ、売上高・利益ともに増加いたしました。さらに、市場における空室率が改善する中、ビルオーナー様のお困りごとを空室という一面ではなく、多面的で長期的な視点から捉えることで、リプランニング物件の購入や販売、ビル管理受託の切っ掛けを創り出しております。

以上の結果、仲介事業の売上高は226百万円(前年同期比44.1%減)となり、セグメント利益は182百万円(同50.3%減)となりました。

 

(プロパティマネジメント事業)

プロパティマネジメント事業においては、毎月のテナント訪問によるテナント満足度の向上やビルオーナーである国内外のお客様の言語に合わせた精緻な書類づくりをはじめとしたきめ細やかなビル運営と管理体制を構築し、かたや土地勘を強みとしたテナント誘致、正確なアカウンティング等により、安定的で高稼働なビル経営を実践してまいりました。この実績を背景に、同じお客様から新たなビル管理の受託やリプランニング物件や売買仲介にて不動産をご購入いただいたお客様から、ご購入後の管理業務を一任されるなど、サービス品質を向上させながら受託棟数の増加に取り組んでまいりました。これらにより、当四半期末の受託棟数は下表のとおり、前年同四半期末から53棟増加(18.2%増)しました。

また、お客様の資産背景を把握し、ビル経営方針を理解していく中でお客様のことを深く知り、潜在的なお困りごとに対してもお客様視点のご提案を行うことで、売買仲介や工事受注などの事業機会を創出し、当社グループの総合力でお困りごとの解決に導いております。さらに、市場の動向を捉えた適正賃料への条件改定等による管理受託ビルの収益改善を重ねていくことで高付加価値のサービスをご提供してまいりました。その結果、前年同期に比べ売上高・利益ともに増加いたしました。

 

 

平成26年6月末

平成27年6月末

平成28年6月末

受託棟数

242棟

 292棟

345棟

稼働率

97.3%

 96.1%

95.3%

 

 

ビルメンテナンス事業においては、外壁等の高所清掃・ 補修作業を強みに、主にプロパティマネジメント事業との協働を推進してきたことでビルメンテナンス受託棟数の増加につながったことにより、前年同期に比べ売上高・利益ともに増加いたしました。

以上の結果、売上高は430百万円(前年同期比20.2%増)となり、セグメント利益は202百万円(同21.4%増)となりました。

 

(その他)

滞納賃料保証事業においては、賃貸仲介をはじめとする当社内の関連部署との連携強化に加え、ビルオーナー様、協力会社様へのセミナーを積極的に開催しております。当社グループの保証システムの認知度向上に努め、新規取引先の開拓にも注力したことなどから、取り扱い件数が堅調に推移し、前年同期に比べ売上高・利益ともに増加いたしました。

建設ソリューション事業においては、リプランニング物件の商品化に特化したことなどから、前年同期に比べ売上高・利益ともに大幅に減少いたしました。

スペースレンタル事業においては、事業開始から1年が経過し、リピーターや紹介による貸会議室のご利用者様が着実に増加していることなどから、前年同期に比べ売上高は大幅に増加し、利益もプラスに転じました。さらに、賃貸仲介の部署との協業でレンタルオフィス・貸会議室の新規拠点の開拓・運営を積極的に行い、事業の拡大を図っております。

ホテル事業においては、旅行・航空事業を展開する中国春秋グループとの共同ブランド「スプリングサニー」の1号店を愛知県常滑市に本年4月にグランドオープンし、当社グループの運営開始以降、「心温かいホテル」を目指してオペレーションに努めた結果、稼働率及び客室単価が著しく向上しております。また、自社ブランドによるアッパーミドルクラスのインバウンド向け都市型観光ホテルの開発・運営に向けた取り組みも進捗しております。

以上の結果、売上高は388百万円(前年同期比191.4%増)となり、セグメント利益は195百万円(同211.8%増)となりました。

 

(2)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(3)研究開発活動

該当事項はありません。

 

(4)生産、受注及び販売の実績

当第1四半期連結累計期間において、不動産再生事業の販売実績が著しく増加しました。これは、リプランニング事業における販売物件の価額が増加したことによるものであります。