当社グループは、以下の経営理念と企業哲学を経営の基本方針として事業に取り組んでおります。
(経営理念)
「全従業員を守り、物心の幸福を追求することを旨とし、同時に共生の心をもって人類・社会の繁栄に貢献する。」
(企業哲学)
「我々社員は仕事を通して知識・技能・人格を溢れる熱意で向上させ、不動産ストックの活用と流通に専念することにより、再生産不可能な資源の無駄遣いをおさえ、永続的な地球上の人類や動植物の繁栄に寄与する。」
当社グループは、中長期的に安定した成長を目指し、財務の安全性の観点から[自己資本比率50%以上]の水準を、また、収益性・生産性の観点から[売上高経常利益率20%以上]の水準をそれぞれ維持することを重視しております。
日本経済は緩やかな回復基調を続けており、雇用や所得環境も改善傾向にあるものの、世界的な保護主義の台頭や、金融の引き締め、さらに中東や朝鮮半島における地政学リスク等の国外要因の影響により、先行き不透明感が増しています。不動産市場においては、好調な企業業績を背景に、東京都心部では空室率の低下と緩やかな賃料上昇が続いており、足元では引き続き堅調な状況にあります。しかしながら世界経済の不確実性や、2018年以降に東京都心部で予定されているオフィスの大量供給(竣工)等の影響により、市場はピークに近づきつつあるとの懸念も台頭し始めております。
当社グループは、中核事業であるオフィスビル事業のメインフィールドを東京都心と定め、お客様である「ビルオーナー様・資産家、富裕層」の皆様に寄り添い、不動産に関するあらゆるお困りごとの解決とお客様の幸せづくりに全社一丸となって真摯に取り組むことで“世界一お客様に愛され、選んでいただける不動産会社”を目指しています。物件ではなくお客様にフォーカスし、当社独自の専門的な不動産サービスによって、小さなお困りごと解決を繰り返し、何でも相談できる「不動産のパートナー・コンサルティング会社」として、お客様との絆を深めてまいりました。
当連結会計年度の業績は、おかげさまで営業利益・経常利益が過去最高益となり、7期連続の増収・経常増益となりました。そのような中、当社グループは東京都心の不動産価値を高め、提供し、「国益に資する事業を持って立つ企業」として、お客様や地域社会の幸せづくりに貢献することを通じて、中長期な企業価値の向上を図るため、また、成長市場であるホテル事業、海外事業に計画的に投資を行うために、2019年3月期を初年度とする「中期経営計画」(以下「本中計」といいます。)を策定いたしました。
本中計の基本方針を[都心特化ビジネスと成長市場への展開]と定め、2023年3月期において、売上高1,000億円、経常利益200億円、親会社株主に帰属する当期純利益140億円を目指してまいります。また、本中計に沿った施策として、以下に掲げる3つの戦略を実行してまいります。
2023年3月期売上高1,000億円、経常利益200億円、親会社株主に帰属する当期純利益140億円
基本方針【都心特化ビジネスと成長市場への展開】
<3つの戦略>
①当社の強みであり、影響力が強い都心に尖り、差別化された付加価値づくりで、中核事業である「都心オフィスビル事業」を伸ばす。
●オフィスビル事業 2023年3月期売上高800億円(ホテルの売却売上高を含む)
・不動産再生・開発事業、不動産サービス事業の更なる深化・拡大と共に、スペースレンタル事業を急拡大させる。
②成長市場である「ホテル」と「アジア」にフォーカスし、積極果敢に展開する。
●ホテル運営事業 2023年3月期売上高140億、運営客室数5,000室
・ホテル:2023年3月期末における稼働客室数5,000室を目指し、開発・賃借・再生・M&A等の多様な方法で取り組む。
●海外事業 2023年3月期売上高60億円、総投資額200億円
・アジア:ベトナム、インドネシアの住宅事業に重点投資(投資200億円)し、高い品質と企画で良質な住宅を供給することを通じて、地元の人々に支持されるブランドを確立する。
③上記事業の成長を加速させるために「M&A」を積極的に活用する。
●今後5年間で200億円以上のM&Aを実施
・オフィスビル事業およびホテル事業の成長を牽引する手段として周辺事業(建築施工・設備・貸会議室・ホテル運営等)のM&Aを積極的に活用する。
上記3つの戦略により、中長期的に安定した成長を遂げるための「フローとストックの両足で立つ」収益構造を確立する。
東京都心オフィス市場は世界一の巨大な市場であり、まだまだ膨大な市場開拓余地があります。今後もこの東京都心オフィス市場を更に深堀し、不動産価値の最大化に務め、中核であるオフィスビル事業を伸長させてまいります。そして、その収益基盤をもとに、将来的に成長が見込まれる日本のホテル市場、および東南アジアを中心とした海外市場へ積極果敢に挑戦し、収益ベースの多様化を図ることにより、中長期的に安定した収益成長を図ってまいります。
当社グループの強みは「利他」の価値観の下で、フィロソフィをベースとした心の絆で結ばれた社員の結束力にあります。各々の専門性を持ち寄り、各々が「お客様視点」を軸に生み出す付加価値を連鎖させることにより、高い付加価値を実現してまいりました。今後、一段の成長を目指し、多くの有能な人財を迎え入れ、このフィロソフィをベースとした強い絆で結ばれた結束力を梃に、真の不動産プロフェッショナル集団を構築してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.当社グループを取り巻く事業環境及び当社事業の特性等について
(1) 事業環境
当社グループは、東京都心部を中心に「不動産再生」に取り組み、企業としての市場競争力を高めるべく影響力のある都心部のオフィスビル及び商業ビルを中心に、仲介・管理・保証・工事・賃貸・売買等の一貫したサービスをワンストップで展開しております。しかしながら、経済情勢が悪化し、空室率の上昇や賃料の下落といったように不動産市況が低迷した場合には、当社グループの経営成績、財政状態が影響を受ける可能性があります。
(2) リプランニング事業の特性
① リプランニング事業は、主に事業用不動産を対象とした再生事業であり、不稼動又は空室率が高く低収益の事業用不動産を再生することにより収益の改善を具現化する事業であります。売却先は主に不動産収入を目的とした投資を行う個人・法人等であります。
経済情勢の悪化や信用収縮等により金融市場に混乱が発生した場合、不動産の流通市場が低迷するおそれがあり、リプランニング事業で扱う物件のたな卸資産としての評価額が下がり、また、販売活動が計画通り進まず、当社グループの経営成績、財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。
② リプランニング事業は、主に金融機関からの借入により資金調達し物件を購入するため、有利子負債残高は物件購入及び売却の状況によって変動します。
資金調達に当たりましては、特定の金融機関からの借入に依存することなく、常に複数の金融機関との均衡を図りつつ、安定的、かつ適正な条件での資金調達に努めております。また、エクイティファイナンスや不動産証券化等にも取り組み、有利子負債の増加を抑えつつ不動産の取得・事業化を進めてきております。しかしながら、信用収縮等による金融市場の混乱が発生した場合には、事業の展開に必要な資金調達が進まず、当社グループの経営成績、財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。
③ リプランニング事業は、物件を購入し、リプランニング完了後に売却を行いますが、当該事業の売上原価及び売上高は物件の売却時に計上されます。また、一取引当たりの金額は、他の仲介手数料収入等に比較して高額となっております。従って、その購入及び売却の時期や金額の変動等により、当社グループの経営成績、財政状態が影響を受ける可能性があります。
(3) 競合の状況
当社グループの事業は、リプランニング事業、ホテル開発事業、賃貸ビル事業・サブリース事業、不動産証券化事業、アセットマネジメント事業、事業用不動産の売買仲介・賃貸仲介、プロパティマネジメント事業、ビルメンテナンス事業、ホテル運営事業、スペースレンタル事業、海外事業、建設ソリューション事業及び滞納賃料保証事業から構成されており、これら各事業が有機的に結合し、事業用不動産に係る一貫したサービスを提供するところにその特徴があります。
そして、各事業部門の機能を融合した総合力及び顧客との広範なネットワーク並びに潜在的優良物件の選択等、細やかな事業運営により競争力の維持・強化、競合他社との差別化を図っております。しかしながら、この優位性が保たれない場合は、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) ホテルの開発について
当社グループは、日本政府による観光立国推進政策の実施及びそれを受けた訪日外国人数の増加を好機と捉え、ホテル開発事業及びホテル運営事業の強化を図っております。ホテルの企画、開発、再生から運営に至るまでを当社グループが担いますが、所有物件に関して、一部は安定稼働後に投資家へ売却する場合もございます。ただし、物件売却後も当該物件を賃借し継続して運営することを基本的なビジネスモデルとする方針であり、開発及び再生に係る収益及びコストはホテル開発事業に計上し、保有に係る収益及びコストは賃貸ビル事業に計上し、運営に係る収益及びコストはホテル運営事業に計上いたします。
ホテルの開発においては、これまでリプランニング事業で主力としてきたオフィスビル等の再生とは異なり、自社にて土地を仕入れ、一から開発を行う場合があります。そのような場合には、竣工までに相当の期間を必要とするため、ホテルの宿泊収入等の収益を計上できない期間が長くなることや、事業期間が相対的に長くなることによって景気変動の影響を受けやすくなることで、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) ホテルの運営について
ホテル運営事業は、一般的に景気動向や個人消費の動向等の影響を受けやすい傾向にあり、景気の低迷による企業の出張需要の減少や個人のレジャー需要の減少、新規ホテルの開業による客室の供給過剰等により、客室料金や客室稼働率の低下が起こる場合等、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、ホテルの運営に関しては、為替の変動、近隣国との領土問題や反日感情の増大等の情勢変化が生じた場合、外国人観光客の減少、海外渡航の自粛または消費マインドの減退に繋がることが予想され、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)カントリーリスクについて
当社グループは、海外において不動産事業等の取り組みを行っておりますが、日本国外における政治、経済や為替等の動向、商習慣の相違、投資や競争に関する法令・各種規制の制定や改正等が、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 災害等について
地震・暴風雨・洪水等の自然災害、戦争、テロ、火災等の人災が発生した場合には、当社グループが保有・管理・投資を行っている不動産の価値が大きく毀損する可能性があり、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 訴訟等のリスク
当社グループが売買・賃貸・売買又は賃貸の仲介・管理等を行う物件に関連して、取引先又は顧客等による訴訟その他の請求が発生する可能性があります。これらの訴訟等の内容・結果によっては当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2.法的規制について
当社グループの事業は、「宅地建物取引業法」「建築士法」「建設業法」「不動産の鑑定評価に関する法律」「不動産投資顧問業登録規程」「金融商品取引法」「警備業法」「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」等による法的規制を受けており、関連許認可を得ております。
当社グループの主要な業務に係る免許や許認可等の有効期限等は下記のとおりであり、現在、当該免許及び許認可等が取消となる事由は発生しておりませんが、万一、将来このような事由が発生した場合、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、今後、これらの関係法規が改廃された場合や新たな法的規制が設けられた場合にも、当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。
(1) 有効期間その他の期限が法令、契約等により定められているものは以下のとおりであります。
|
免許、許可、登録等 |
会社名 |
有効期間 |
種類 |
関連する法律 |
登録等の交付者 |
|
宅地建物取引業者免許 |
サンフロンティア不動産㈱ |
平成26年12月29日から平成31年12月28日 |
― |
宅地建物取引業法 |
国土交通大臣 |
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SFビルメンテナンス㈱ |
平成29年2月25日から |
都道府県知事 |
|||
|
特定建設業許可 |
サンフロンティア不動産㈱ |
平成29年7月20日から平成34年7月19日 |
建築工事業、屋根工事業、鋼構造物工事業、大工工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、内装仕上工事業 |
建設業法 |
都道府県知事 |
|
不動産鑑定業登録 |
サンフロンティア不動産㈱ |
平成30年2月7日から平成35年2月6日 |
― |
不動産の鑑定評価に関する法律 |
都道府県知事 |
|
一般不動産投資顧問業登録 |
サンフロンティア不動産㈱ |
平成26年11月3日から平成31年11月2日 |
― |
不動産投資顧問業登録規程 |
国土交通大臣 |
|
サンフロンティア不動産投資顧問㈱ |
平成27年12月9日から平成32年12月8日 |
||||
|
第二種金融商品取引業者登録 |
サンフロンティア不動産㈱ |
平成19年9月30日登録 |
― |
金融商品取引法 |
関東財務局長 |
|
サンフロンティア不動産投資顧問㈱ |
平成19年9月30日登録 |
||||
|
投資助言・代理業者登録 |
サンフロンティア不動産投資顧問㈱ |
平成19年9月30日登録 |
― |
金融商品取引法 |
関東財務局長 |
|
一級建築士事務所登録 |
サンフロンティア不動産㈱ |
平成27年2月1日から平成32年1月31日 |
― |
建築士法 |
一般社団法人東京都建築士事務所協会 |
|
警備業認定 |
サンフロンティア不動産㈱ |
平成28年12月26日から平成33年12月25日 |
― |
警備業法 |
都道府県公安委員会 |
|
SFビルメンテナンス㈱ |
平成26年4月5日から平成31年4月4日 |
||||
|
マンション管理業登録 |
SFビルメンテナンス㈱ |
平成29年1月8日から平成34年1月7日 |
― |
マンションの管理の適正化の推進に関する法律 |
国土交通大臣 |
|
賃貸住宅管理業登録 |
SFビルメンテナンス㈱ |
平成29年2月1日から平成34年1月31日 |
― |
賃貸住宅管理業者登録規程 |
国土交通省関東地方整備局長 |
|
建築物環境衛生総合管理業登録 |
SFビルメンテナンス㈱ |
平成27年9月18日から平成33年9月17日 |
― |
建築物における衛生的環境の確保に関する法律 |
都道府県知事 |
|
建築物飲料水貯水槽清掃業登録 |
SFビルメンテナンス㈱ |
平成24年6月29日から平成30年6月28日 |
― |
建築物における衛生的環境の確保に関する法律 |
都道府県知事 |
|
貸金業登録 |
SFビルサポート㈱ |
平成29年6月30日から平成32年6月29日 |
― |
貸金業法 |
都道府県知事 |
(注)SFビルメンテナンス㈱は、平成29年10月2日付で㈱ユービより商号を変更しております。
(2) 不動産証券化事業を行うに当たりましては、資産流動化法に基づく特定目的会社、会社法に基づく株式会社・合同会社のいずれかにより設立されたSPC(特別目的会社)を利用することになります。この内、資産流動化法に基づく特定目的会社により、証券化事業を行う場合には資産流動化法の規制を受けることになります。
3.会計基準・不動産税制の変更について
会計基準、不動産税制に関する変更があった場合、物件の取得、売却のコスト増加等により当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
4.個人情報保護
当社グループは業務上、ビルオーナー様、テナント等の個人情報を保有する「個人情報取扱事業者」に該当し、今後の事業拡大につれ関連情報が増加することが予想されます。これに対しましては、情報管理体制を強化し、内部情報管理の徹底を図っておりますが、不測の事態により、顧客情報等個人情報が外部に流失した場合は当社グループの信用を毀損し、経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、引き続き好調な世界経済や、政府、日銀による各種政策の効果を背景に、緩やかな回復が続くことが期待されております。一方で、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。不動産業界においては、都心オフィスビル市場の平均空室率が5年9ヶ月にわたって改善傾向が続き、平均賃料は4年3ヶ月にわたって緩やかな上昇が続いております。一方で、不動産投資市場は、引き続き活況を呈しているものの、投資利回りは低水準で推移し、投資対象物件の品薄感が強まっていることから、先行きには慎重な見方が続いています。
当社グループでは、こうした環境下において、東京都心部における中小型オフィスビルの「不動産再生と活用」を本業とし、ビルオーナー様の不動産経営のパートナーとして、様々な「お困りごと解決」にお客様視点で真摯に取り組んでまいりました。具体的には、お客様お一人おひとりにビルの賃貸仲介及び売買仲介、ビル管理・メンテナンス、小修繕から大規模リニューアル、専門家とタイアップした相続や税務等の相談、賃料滞納に備えた保証の提供等に至るまで多様なサービスをご提供することを通じて、お客様の不満や不便、お困りごとを現場で研究・解決し、多面的な収益機会の創出に繋げてまいりました。そして、自社で中古のオフィスビルを購入し、これらのサービスを提供する過程で培った知見やノウハウを連鎖的に活用することで、市場のニーズに沿うビルへバリューアップし、投資家に販売、さらにアフターサービスを万全にした不動産再生事業を展開しています。
さらに、当社グループは、中古オフィスビルの不動産再生事業及び不動産サービス事業を通じて培ってきた当社独自の事業モデルを、ホテルの開発・再生・運営事業に展開し、これをオフィスビルの事業に続く2本目の柱とすべく注力しております。日本政府による観光立国政策の実施及びそれを受けた訪日外国人の増加を好機と捉え、訪日外国人の宿泊需要に応えること、並びに従来からの国内の観光需要及びビジネス需要に対して良質なホテルをご提供することが社会利益に資するとの考えから、「観光・ビジネスに向けた宿泊特化型ホテル」の開発を進めております。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高47,463百万円(前年同期比17.5%増)、営業利益11,239百万円(同19.8%増)、経常利益10,755百万円(同20.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7,420百万円(同15.0%増)となりました。
当連結会計年度は、利益率の高い不動産再生事業が引き続きグループ全体の業績を牽引し、7期連続で増収、経常増益を達成し、営業・経常利益は2年連続で過去最高を更新いたしました。
なお、当社グループは当連結会計年度から報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期の実績値については、変更後のセグメント区分に組み替えて比較しております。各セグメントの売上高、セグメント利益は、セグメント間の内部売上高、振替高を含みます。また、当社グループの経営管理指標を営業利益から経常利益に変更したことに伴い、事業セグメントの利益又は損失の測定方法を変更しております。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
(不動産再生事業)
不動産再生事業では、リプランニング事業、ホテル開発事業、賃貸ビル事業等を行っております。
リプランニング事業においては、管理受託物件や、賃貸仲介・売買仲介などの不動産サービス部門でお付き合いのあるビルオーナー様より、資産の買い替えなどのご相談をいただき、当社に直接お譲りいただける信頼関係をベースとした物件仕入が増加しております。また、商品化においては、賃貸仲介やビル管理の現場において蓄積した知見をフル活用しながら、再生テーマと入居想定テナントを明確に定め、「テナントニーズの変化を汲み上げ、高品質な内装を作りこむセットアップオフィス」「街に活気をもたらす最適用途へのコンバージョン」「開放的で快適な屋上テラスの設置」など、テナントの心に響くリノベーションを施すことで、中小型ビルを魅力的で高品質なビルに蘇らせます。そして、販売においては不動産サービス部門との連携による独自の販売ルートを活用し、ビル周辺エリアの地歴や将来性・社会性も価値に載せて資産家・富裕層へ販売いたします。このように、仕入・商品化・販売、全てのプロセスにおいて、社内各部門が専門性を持ち寄り、お客様視点の付加価値増大へ創意工夫を重ね、ビルの魅力を最大化する当社独自の事業モデルが深化したことにより、継続的な高い利益率につながり、前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
ホテル開発事業においては、ホテルを2件販売したことにより、売上高、利益の増加に貢献いたしました。
賃貸ビル事業においては、当社グループの総合的な不動産オペレーション力を活かし、高稼働で安定的な賃料収入を確保しております。当連結会計年度においては、保有ビル数が増加したことなどにより前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
以上の結果、不動産再生事業の売上高は40,997百万円(前年同期比15.0%増)となり、セグメント利益は12,493百万円(同21.5%増)となりました。
(不動産サービス事業)
不動産サービス事業では、プロパティマネジメント事業、ビルメンテナンス事業、売買仲介事業、賃貸仲介事業を行っております。
プロパティマネジメント事業においては、テナント満足度を高めるためのきめ細やかなビル管理だけでなく、土地勘を強みとしたテナント誘致、適正賃料への条件改定による収益改善等に取り組むことで、高収益で高稼働なビル経営を実践しております。この実績を背景に、アフターサービスが充実していることを差別化ポイントとして、リプランニング物件をご購入いただいたり、ビル管理をお任せいただいているビルオーナー様から新たなビルを管理受託するなど、サービス品質を向上させながら受託棟数を増加させてまいりました。これらにより、当連結会計年度末の受託棟数は下表のとおり、前年同期末から10棟増加しました。また、お客様の資産背景やビル経営方針を伺うなかで、お客様の潜在的なお困りごとに対してもご提案を行うことで、工事受注や売買仲介等の事業機会を創出し、当社グループの総合力でお困りごとの解決に導いております。その結果、前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
|
|
平成28年3月末 |
平成29年3月末 |
平成30年3月末 |
|
受託棟数 |
333棟 |
362棟 |
372棟 |
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稼働率 |
95.5% |
96.6% |
95.7% |
ビルメンテナンス事業においては、ブランコによる外窓・外壁等の高所清掃、補修作業を強みに、プロパティマネジメントとの協働を推進してきたことでビルメンテナンス受託棟数が伸長し、売上高は微増したものの、利益についてはほぼ横ばいとなりました。
売買仲介事業においては、プロパティマネジメントや賃貸仲介をはじめとする他部門からの紹介案件にスピード対応で取り組み、リピートでの購入や売却、さらにはお客様からお客様をご紹介いただける機会も増加してきております。売上高、利益は前年同期に比べやや減少したものの、不動産コンサルティングの一環としてリプランニング物件の仕入、販売等に注力し、グループ全体の収益に貢献しております。
賃貸仲介事業においては、都心5区を中心に拠点を展開しております。昨年4月には、新たに五反田に拠点を開設いたしました。市場における空室率が改善するなか、ビルオーナー様のお困りごとを空室という一面ではなく、老朽化や相続問題といったように多面的で長期的な視点から捉えるようにしております。当連結会計年度においては、前年同期に比べ売上高、利益ともにやや減少いたしましたが、現場の最前線でお客様との対話の中から関連するニーズをお聞きし、リプランニング事業にかかる仕入や販売、工事受注や売買仲介等の切っ掛けを創り出すなど、様々なお困りごと解決に継続して取り組んでおります。また、当社グループが運営する居抜きオフィスの仲介ウェブサイト「そのまんまオフィス!」に、リプランニング事業の内装を作り込んだ「セットアップオフィス」を掲載し、スタートアップ企業やIT企業などにご好評をいただくなど、働き方が多様化し、変化を続けるオフィスニーズにも順応したサービスの拡充を進めております。
以上の結果、不動産サービス事業の売上高は3,225百万円(前年同期比2.7%増)となり、セグメント利益は1,993百万円(同4.9%増)となりました。
なお、ビルメンテナンス事業を手掛ける当社子会社の株式会社ユービは、昨年10月2日付でSFビルメンテナンス株式会社に商号変更いたしております。
(オペレーション事業)
オペレーション事業では、ホテル運営事業、スペースレンタル事業を行っております。
ホテル運営事業においては、2016年12月にM&Aにより当社グループに加わった「ホテルスカイコート」4拠点(成田・川崎・小岩・博多)の業績が通年寄与いたしました。また、自社ホテルブランドの第1号店「日和(ひより)ホテル舞浜」が昨年7月に開業し、ホテル事業のテーマである「心温かいホテル」を実現するべく、日々お客様視点の改良改善を続け、常に進化発展をしていくホテルを目指しています。当ホテルは大手宿泊予約サイトの口コミ評価で、ソフト面、ハード面での総合的な快適性から、舞浜・浦安・船橋・幕張エリアにおいてトップクラスとなるなど、お客様視点のサービスが高評価に繋がっています。その結果、前年同期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加いたしました。
さらに、自社ホテルブランド「日和ホテルズ&リゾーツ」におけるカジュアルなブランドとして「たびのホテル(TABINOHOTEL)」を新たに開発いたしました。「たびのホテル」は日本が秘める文化や歴史、自然の魅力を持つ地方に目を向け、その地域ならではの魅力や特長を掘り起こす、地域創生型ホテルブランドです。第一弾として本年5月2日に、岐阜県の飛騨高山において地元の木材を多用した木づくりホテル「たびのホテル飛騨高山」を開業し、第二弾として本年7月に、新潟県の佐渡島において伝統工芸である竹細工をモチーフにした「たびのホテル佐渡」を開業する予定です。
その他にも、銀座東、大阪本町、大阪なんばエリアのプロジェクトに着工しており、加えて、京都四条河原町等のエリアで、当社グループが開発し、所有、運営する方式や、外部の地権者様が当社の意向を汲み上げて開発するホテルを当社グループが長期賃借する方式等でのホテルの運営計画が進捗しております。
スペースレンタル事業においては、貸会議室、レンタルオフィス、コワーキングスペースの運営を行っております。本年3月に東京駅周辺で新たに2拠点の貸会議室「ビジョンセンター東京有楽町」と「ビジョンセンター東京日本橋」を開業いたしました。その結果、貸会議室「ビジョンセンター」は東京、田町、永田町、浜松町、横浜の駅前に8拠点、レンタルオフィス「ビジョンオフィス」は神田、新宿の駅前に3拠点、コワーキングスペース「ビジョンワークス」は東京駅前に1拠点となり、スペースレンタル事業合計で12拠点に展開しております。ご利用者様の目線でサービス品質を磨いてきたことで、リピーターやご紹介によるご利用が着実に増加していることから、前年同期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加いたしました。
今後は貸会議室の更なる拠点拡大に向け、当社が影響力を持つ都心において、賃貸仲介部門の拠点網を活用した仕入活動に注力すると共に、東京都心部におけるコワーキングスペースの需要増加を見込み、本年5月に有楽町にて新たなコワーキングスペースを開設する予定です。
以上の結果、オペレーション事業の売上高は2,898百万円(前年同期比117.8%増)となり、セグメント利益は326百万円(同72.9%増)となりました。
(その他)
その他では、滞納賃料保証事業、海外事業、建設ソリューション事業等を行っております。
滞納賃料保証事業においては、賃貸仲介をはじめとする当社グループ内の関連部門との連携強化に加え、ビルオーナー様、協力会社様へのセミナーを継続的に開催するなどの情報発信により、当社グループの保証システムの浸透と認知度向上に努めてまいりました。テナントの保証審査においては現地調査を徹底し、厳格に行いながらも、審査結果の迅速な回答にこだわり、また、賃料滞納時には、賃料保証のみならず、訴訟や明け渡し、賃料の回収までを誠実にサポートすることで、ビルオーナー様に寄り添った実績を積み上げ、新規保証、再保証ともに取り扱い件数が堅調に推移し、前年同期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加いたしました。
海外事業においては、成長が続く東南アジアへ進出し、高品質な日本の施工技術とお客様視点のおもてなしサービスをアジアの方々に体感していただくことにこだわった不動産開発、ホテル運営を行っております。ベトナムの中部最大都市ダナンで海外第1号ホテル「The Blossom City」を所有、運営するとともに、昨年6月には28階建の分譲マンション「HIYORI Garden Tower」を着工いたしました。インドネシアの首都ジャカルタでは、都市型分譲住宅の建築を推進、またサービスアパートメント「京 Serviced Apartment」の所有、運営を行っております。
建設ソリューション事業においては、リプランニング事業の商品化に特に注力いたしました。
以上の結果、その他の売上高は931百万円(前年同期比35.1%増)となり、セグメント利益は566百万円(同6.3%増)となりました。
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)は、生産業務を定義することが困難であるため、生産実績の記載は省略しております。
当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績の記載は省略しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
不動産再生事業 |
40,997,837 |
15.0 |
|
不動産サービス事業 |
3,225,515 |
2.7 |
|
オペレーション事業 |
2,898,565 |
117.8 |
|
その他 |
931,678 |
35.1 |
|
調整額 |
△589,931 |
― |
|
合計 |
47,463,665 |
17.5 |
(注) 1 調整額はセグメント間の取引消去であります。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
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株式会社ボルテックス |
― |
― |
5,712,082 |
12.0 |
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Green Garden特定目的会社 |
5,508,682 |
13.6 |
― |
― |
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合同会社El Toro |
4,380,000 |
10.8 |
― |
― |
3 前連結会計年度の株式会社ボルテックス及び当連結会計年度のGreen Garden特定目的会社、合同会社El Toroに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
4 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度末における総資産は91,761百万円(前連結会計年度末比44.2%増)、負債は42,912百万円(同53.4%増)、純資産は48,849百万円(同36.9%増)となりました。
総資産の増加の主な要因は、流動資産のその他に含まれる前渡金の減少992百万円等があったものの、たな卸資産の増加18,407百万円、現金及び預金の増加7,646百万円等があったことによるものであります。
負債の増加の主な要因は、社債の減少1,413百万円等があったものの、長期借入金の増加12,754百万円、未払法人税等の増加2,375百万円等があったことによるものであります。
純資産の増加の主な要因は、期末配当金の支払い1,282百万円等があったものの、増資による資本金及び資本剰余金の増加がそれぞれ3,578百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上7,420百万円等の増加があったことによるものであります。
なお、自己資本比率は53.2%(同2.8ポイント減)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動により6,989百万円減少、投資活動により2,443百万円減少、財務活動により17,235百万円増加した結果、期首残高に比べ7,810百万円増加し、当連結会計年度末残高は22,682百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フロー及びそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては6,989百万円(前期は4,353百万円の収入超過)の支出超過となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益10,755百万円等があったものの、たな卸資産の増加額19,126百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては2,443百万円(前期は4,764百万円の支出超過)の支出超過となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入1,784百万円等があったものの、定期預金の預入による支出1,620百万円及び有形固定資産の取得による支出1,406百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては17,235百万円(前期は1,984百万円の収入超過)の収入超過となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出12,755百万円及び配当金の支払額1,279百万円等があったものの、長期借入れによる収入25,522百万円及び株式の発行による収入7,110百万円等があったことによるものであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。