文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、引き続き好調な世界経済や、政府、日銀による各種政策の効果を背景に、緩やかな回復が続くことが期待されております。一方で、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。
不動産業界においては、都心オフィスビル市場の平均空室率が5年半にわたって改善傾向が続き、平均賃料は4年にわたって緩やかな上昇が続いております。一方で、不動産投資市場は、引き続き活況を呈しているものの、価格が高止まりし、投資利回りが低水準で推移していることから、先行きは慎重な見方が続いています。
当社グループでは、こうした環境下において、東京都心部における中小型オフィスビルの「不動産再生と活用」を本業とし、ビルオーナー様の不動産に関する様々な「お困りごと解決」にお客様視点で真摯に取り組んでまいりました。具体的には、お客様お一人おひとりにビルの賃貸仲介及び売買仲介、ビル管理・メンテナンス、小修繕から大規模リニューアル、専門家とタイアップした相続や税務等の相談、賃料滞納に備えた保証の提供等に至るまで多様なサービスをご提供することを通じて、お客様の不満や不便、お困りごとを現場で研究・解決し、多面的な収益機会の創出に繋げてまいりました。そしてこれらのサービスを提供する過程で培った知見やノウハウを連鎖的に活用することで、中小型オフィスビルの不動産再生事業を展開しています。
さらに、当社グループは、中古オフィスビルの不動産再生事業及び不動産サービス事業を通じて培ったオペレーション力を強みとした事業モデルを、ホテルの開発・再生・運営事業に展開し、これをオフィスビルの事業に続く2本目の柱とすべく注力しております。日本政府による観光立国政策の実施及びそれを受けた訪日外国人の増加を好機と捉え、訪日外国人の宿泊需要に応えること並びに従来からの国内の観光需要及びビジネス需要に対して良質なホテルをご提供することが社会利益に資するとの考えから、宿泊主体の「都市型観光ホテル」の開発を進めております。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高33,473百万円(前年同期比23.2%増)、営業利益7,507百万円(同8.7%増)、経常利益7,194百万円(同10.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益4,906百万円(同8.7%増)となりました。
当第3四半期連結累計期間は、不動産再生事業における高い利益率が引き続きグループ全体の業績を牽引し、売上高、利益ともに過去最高を更新いたしました。また、オペレーション事業(ホテル運営事業・スペースレンタル事業)が着実に伸長し、当社グループの収益基盤の拡大に貢献しております。
なお、当社グループは第1四半期連結会計期間から報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期の実績値については、変更後のセグメント区分に組み替えて比較しております。各セグメントの売上高、セグメント利益は、セグメント間の内部売上高、振替高を含みます。また、当社グループの経営管理指標を営業利益から経常利益に変更したことに伴い、事業セグメントの利益又は損失の測定方法を変更しております。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
(不動産再生事業)
不動産再生事業では、リプランニング事業、ホテル開発事業、賃貸ビル事業等を行っております。
リプランニング事業においては、ビルの商品化テーマと入居想定テナントを明確に定め、「街に活気をもたらす最適用途への変更」「テナント募集前に内装を造り込むセットアップオフィス」「快適で潤いのある屋上テラスの設置」「耐震性・遵法性にこだわる安心安全改修」など、テナントの心に響くリノベーションを施すことで、中小型ビルを魅力的で高品質なビルに蘇らせます。そして、不動産サービス事業との連携により、収益を最大限に高め、ビル周辺エリアの地歴や将来性・社会性も価値に載せて資産家・富裕層へ販売いたします。入居テナントとビルを購入されるお客様からみた「価値」を訴求した商品づくりを行うことが、継続的な高い利益率につながり、その結果、当第3四半期連結累計期間の販売件数は22件(前年同期比7件増)となりました。
ホテル開発事業においては、当社初の自社開発ホテル1件を第2四半期連結会計期間に販売したことにより、売上高、利益の増加に貢献いたしました。
賃貸ビル事業においては、当社グループの総合的な不動産オペレーション力を活かし、高稼働で安定的な賃料収入を確保しております。当第3四半期連結累計期間においては、在庫件数増に伴い、賃料収入は増加したものの、在庫件数にはリプランニング事業の商品化に適する空室の多いビルの割合が高く、原価率が高くなったことから、売上高の伸びを売上原価の伸びが上回ったことで、前年同期に比べ売上高は増加、利益は減少いたしました。
以上の結果、不動産再生事業の売上高は28,741百万円(前年同期比20.3%増)となり、セグメント利益は8,445百万円(同9.1%増)となりました。
(不動産サービス事業)
不動産サービス事業では、売買仲介事業、賃貸仲介事業、プロパティマネジメント事業、ビルメンテナンス事業を行っております。
売買仲介事業においては、プロパティマネジメントや賃貸仲介をはじめとする他部門からの紹介案件にスピード対応で取り組み、リピートでの購入や売却、さらにはお客様からお客様をご紹介いただける機会も増加してきております。売上高、利益は前年同期に比べやや減少したものの、不動産コンサルティングの一環としてリプランニング物件の仕入、販売等に注力し、グループ全体の収益に貢献しております。
賃貸仲介事業においては、都心5区を中心に拠点を展開しております。昨年4月には、新たに五反田に拠点を開設いたしました。市場における空室率が改善するなか、ビルオーナー様のお困りごとを空室という一面ではなく、老朽化や相続問題といったように多面的で長期的な視点から捉えるようにしております。リプランニング物件のテナント誘致に注力したことで、外部案件の仲介件数が減少し、前年同期に比べ売上高、利益ともに減少いたしましたが、現場の最前線でお客様との会話の中から関連するニーズをお聞きし、リプランニング事業にかかる仕入や販売、工事受注や売買仲介等の切っ掛けを創り出すなど、様々なお困りごと解決に継続して取り組んでおります。
プロパティマネジメント事業においては、テナント満足度を高めるためのきめ細やかなビル管理だけでなく、土地勘を強みとしたテナント誘致、適正賃料への条件改定による収益改善等に取り組むことで、高収益で高稼働なビル経営を実践しております。この実績を背景に、ビル管理をお任せいただいているビルオーナー様から新たなビル管理を受託したり、リプランニング物件をご購入いただいたお客様から、ご購入後の管理業務を一任されたりするなど、サービス品質を向上させながら受託棟数を増加させてまいりました。これらにより、当四半期末の受託棟数は下表のとおり、前年同期末から13棟増加しました。
また、お客様の資産背景やビル経営方針を伺うなかで、お客様の潜在的なお困りごとに対してもご提案を行うことで、工事受注や売買仲介等の事業機会を創出し、当社グループの総合力でお困りごとの解決に導いております。その結果、前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
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平成27年12月末 |
平成28年12月末 |
平成29年12月末 |
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受託棟数 |
315棟 |
356棟 |
369棟 |
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稼働率 |
96.3% |
96.5% |
95.5% |
ビルメンテナンス事業においては、外壁等の高所清掃、補修作業を強みに、プロパティマネジメントとの協働を推進してきたことでビルメンテナンス受託棟数が伸長し、スポット案件も増加したことから、前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
なお、ビルメンテナンス事業を手掛ける当社子会社の株式会社ユービは、昨年10月2日付でSFビルメンテナンス株式会社に商号変更いたしております。
以上の結果、不動産サービス事業の売上高は2,345百万円(前年同期比0.6%増)となり、セグメント利益は1,424百万円(同3.6%増)となりました。
(オペレーション事業)
オペレーション事業では、ホテル運営事業、スペースレンタル事業を行っております。
ホテル運営事業においては、自社ホテルブランドの第1号店「日和(ひより)ホテル舞浜」が昨年7月にグランドオープンいたしました。ブランド方針である「心温かいホテル」を実現するべく、日々お客様視点の改良改善を続け、常に進化発展をしていくホテルを目指しています。当ホテルは大手宿泊予約サイトの口コミ評価で、ソフト面、ハード面での総合的な快適性から、舞浜・浦安・船橋・幕張エリアで第2位となるなど、お客様視点のサービスが高評価に繋がっています。
また、自社ホテルブランド「日和ホテルズ&リゾーツ」におけるカジュアルなブランドとして「たびのホテル(TABINO HOTEL)」を新たに開発いたしました。「たびのホテル」は日本が秘める文化や歴史、自然の魅力を持つ地方に目を向け、その地域ならではの魅力や特長を掘り起こす、地域創生型ホテルブランドです。第一弾として本年4月に、岐阜県の飛騨高山において地元の木材を多用した木づくりホテル「たびのホテル飛騨高山」を開業し、第二弾として本年7月に、新潟県の佐渡島において伝統工芸である竹細工をモチーフにした「たびのホテル佐渡」を開業する予定です。
その他にも、銀座東、大阪本町エリアのプロジェクトに着工しており、加えて、大阪なんば、京都四条河原町等のエリアで、当社グループが開発し、所有、運営する方式や、外部の地権者様が当社の意向を汲み上げて開発するホテルを当社グループが長期賃借する方式等でのホテルの運営計画が進捗しております。
スペースレンタル事業においては、貸会議室、レンタルオフィス、コワーキングスペースの運営を行っております。貸会議室「ビジョンセンター」は東京、田町、永田町、浜松町、横浜の駅前に5拠点、レンタルオフィス「ビジョンオフィス」は神田に2拠点、新宿に1拠点の計3拠点、コワーキングスペース「ビジョンワークス」は東京駅前に1拠点を展開しております。昨年6月に開設した「ビジョンセンター東京別館」は、11月に館内増床を行い、名称を「ビジョンセンター東京」に改めました。ご利用者様の目線でサービス品質を磨いてきたことで、リピーターやご紹介によるご利用が着実に増加していることから、前年同期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加いたしました。
今後は貸会議室の更なる拠点拡大に向け、賃貸仲介部門と連携した仕入活動に注力すると共に、東京都心部におけるコワーキングスペースの需要増加を見込み、本年5月に有楽町にて新たな拠点を開設する予定です。
以上の結果、オペレーション事業の売上高は2,170百万円(前年同期比176.0%増)となり、セグメント利益は264百万円(同96.2%増)となりました。
(その他)
その他では、滞納賃料保証事業、海外事業、建設ソリューション事業等を行っております。
滞納賃料保証事業においては、賃貸仲介をはじめとする当社グループ内の関連部門との連携強化に加え、ビルオーナー様、協力会社様へのセミナーを継続的に開催するなどの情報発信により、当社グループの保証システムの浸透と認知度向上に努めてまいりました。テナントの保証審査は現地調査を徹底し、厳格に行いながらも、審査結果の迅速な回答にこだわり、ビルオーナー様に寄り添っていくことで、新規保証、再保証ともに取り扱い件数が堅調に推移し、前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
海外事業においては、成長が続く東南アジアへ進出し、高品質な日本の不動産技術とお客様視点のおもてなしサービスをアジアの方々に体感していただくことにこだわった不動産開発、ホテル運営を行っております。ベトナムの中部最大都市ダナンで海外第1号ホテル「The Blossom City」を所有、運営するとともに、昨年6月には28階建の分譲マンション「HIYORI Garden Tower」を着工いたしました。インドネシアの首都ジャカルタでは、都市型分譲住宅の建築を推進、またサービスアパートメント「京 Serviced Apartment」の所有、運営を行っております。
建設ソリューション事業においては、リプランニング事業の商品化に特に注力いたしました。
以上の結果、その他の売上高は707百万円(前年同期比35.5%増)となり、セグメント利益は486百万円(同16.0%増)となりました。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
該当事項はありません。
当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績について著しい変動はありません。