文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、引き続き好調な世界経済や、政府、日銀による各種政策の効果を背景に、緩やかな回復が続いております。一方で、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。不動産業界においては、都心オフィスビル市場の平均空室率が2018年6月に2.57%となり、直近の最高値である2012年6月の9.43%から6年間で6.86%改善するとともに、平均賃料は20,108円となり、前回のボトムである2013年12月の16,207円から4年半で約24%上昇いたしました(民間調査機関調べ)。一方で、不動産投資市場は、都心のマンション価格が高止まり、ピークアウト懸念は後退しているものの、先行きには慎重な見方が続いております。
当社グループでは、こうした環境下において、東京都心部における中小型オフィスビルの「不動産再生と活用」を本業とし、ビルオーナー様のビル経営に関する様々な「お困りごと解決」にお客様視点で真摯に取り組んでまいりました。具体的には、お客様お一人おひとりにビルの賃貸仲介及び売買仲介、ビル管理・メンテナンス、小修繕から大規模リニューアル、専門家とタイアップした相続や税務等の相談、賃料滞納に備えた保証の提供等に至るまで多様なサービスをご提供することを通じて、お客様のご不満やご不便、お困りごとを現場で研究・解決し、多面的な収益機会の創出に繋げてまいりました。そして、自社で中古のオフィスビルを購入し、これらのサービスを提供する過程で培った知見やノウハウを連鎖的に活用することで、市場のニーズに沿うビルへバリューアップし、投資家に販売する不動産再生事業を展開しています。さらに、ビルのご購入後は、安心安全のビル管理、地域に根ざしたテナント仲介、プロによる資産コンサルティングなどの充実したアフターサービスにより、お客様にご安心してビル経営をお任せいただき、「不動産経営のパートナー」として末永くお客様に寄り添い、お客様からの信頼残高を積み上げてまいりました。そして、このようなお客様に寄り添う総合的な不動産サービスを戦略的に展開することによって、不動産のことならば一番にご相談いただける関係を構築し、当社独自の差別化された不動産再生事業を確立しております。
また、当社グループは、中古オフィスビルの不動産再生事業及び不動産サービス事業を通じて培ってきた当社独自の事業モデルを、ホテルの開発・再生・運営事業に展開し、これをオフィスビルの事業に続く2本目の柱とすべく注力しております。日本政府による観光立国政策の実施及びそれを受けた訪日外国人の増加を好機と捉え、訪日外国人の宿泊需要に応えること、並びに従来からの国内の観光需要及びビジネス需要に対して良質なホテルをご提供することが社会利益に資するとの考えから、「観光・ビジネスに向けた宿泊特化型ホテル」の開発を進めております。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高18,211百万円(前年同期比104.4%増)、営業利益4,839百万円(同130.4%増)、経常利益4,747百万円(同135.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益3,258百万円(同138.1%増)となりました。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
(不動産再生事業)
不動産再生事業では、リプランニング事業、ホテル開発事業、賃貸ビル事業等を行っております。
リプランニング事業においては、ビル管理、賃貸仲介、売買仲介などの不動産サービスの現場において、ビルオーナー様のあらゆる「お困りごと」の解決に全社をあげ取り組んできたことで構築された、ビルオーナー様との濃く深い信頼関係により、一番に資産の買い替えなどのご相談をいただき、当社に直接お譲りいただけるなどの、ビルオーナー様との絆をベースとした当社独自の物件仕入が増加しております。また、商品化においては、賃貸仲介やビル管理の現場において蓄積した知見をフル活用しながら、再生テーマと入居想定テナントを明確に定め、「社会とテナントニーズの変化を汲み上げ、高品質な内装を作りこむセットアップオフィス」「街に活気をもたらす最適用途へのコンバージョン」「開放的で快適、交流スペースにもなる屋上テラスの設置」など、テナントの心に響くリノベーションを施すことで、中小型ビルを魅力的で高品質なビルに蘇らせます。そして、販売においては不動産サービス部門との連携による独自の販売ルートを活用し、ビル周辺エリアの地歴や将来性・社会性も価値に載せて資産家・富裕層へ販売いたします。このように、仕入・商品化・販売、全てのプロセスにおいて、社内各部門が専門性を持ち寄り、お客様視点の付加価値増大へ創意工夫を重ね、ビルの魅力を最大化する当社独自の事業モデルが深化したことにより、継続的な高い利益率を実現し、前年同期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加いたしました。
賃貸ビル事業においては、当社グループの総合的な不動産オペレーション力を活かしながら、長期積み上げのストックビジネスを拡大し、安定した収益基盤を構築するため、戦略的に賃料収入の増加を図っております。当第1四半期連結累計期間においては、リプランニング事業の仕入が進捗し、保有ビル数が増加したことから、前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
以上の結果、不動産再生事業の売上高は16,394百万円(前年同期比124.3%増)となり、セグメント利益は5,149百万円(同122.2%増)となりました。
(不動産サービス事業)
不動産サービス事業では、プロパティマネジメント事業、ビルメンテナンス事業、売買仲介事業、賃貸仲介事業を行っております。
プロパティマネジメント事業においては、テナント満足度を高めるためのきめ細かなビル管理だけでなく、土地勘を強みとしたテナント誘致、適正賃料への条件改定による収益改善等に取り組むことで、高収益で高稼働なビル経営を実践しております。そして、お客様の不動産経営のパートナーとして、あらゆるお困りごとの解決にお客様視点で取り組み、ビルオーナー様との深い信頼関係を意志を持って築いてまいりました。その結果、これらの実績と信頼関係を背景として、管理受託物件のビルオーナー様にリプランニング物件をご購入いただいたり、新たなビルを管理受託するなど、サービス品質を向上させながら受託棟数を増加させてまいりました。これらにより、当四半期末の受託棟数は下表のとおり、前年同期末から12棟増加しました。売上高は横ばい、利益については微増となりましたが、お客様の資産背景やビル経営方針を伺うなかで、お客様の潜在的なお困りごとに対してもご提案を行うことで、工事受注や売買仲介、リプランニング物件の販売先としての事業機会を創出し、お客様基盤の拡大と、長期的で安定した収益基盤の確立に取り組んでおります。(※当社は総合・オフィス中心型のプロパティマネジメント事業者におけるクライアント数ランキング第3位(民間調査機関調べ)。)
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平成28年6月末 |
平成29年6月末 |
平成30年6月末 |
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受託棟数 |
345棟 |
369棟 |
381棟 |
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稼働率 |
95.3% |
95.9% |
95.9% |
ビルメンテナンス事業においては、ブランコによる外窓・外壁等の高所清掃、補修作業を強みに、プロパティマネジメントとの協働を推進してきたことでビルメンテナンス受託棟数が伸長し、売上高は増加したものの、利益については人件費の増加等により減少いたしました。
売買仲介事業においては、プロパティマネジメントや賃貸仲介をはじめとする他部門からの紹介案件にスピード対応で取り組み、リピートでの購入や売却、さらにはお客様からお客様をご紹介いただける機会も増加してきております。売上高、利益は前年同期に比べ減少したものの、不動産コンサルティングの一環としてリプランニング物件の仕入、販売等に注力し、グループ全体の収益に貢献しております。
賃貸仲介事業においては、都心5区を中心に拠点を展開しております。2018年7月には、それまで日比谷本社内でサービスを提供していた港区エリア担当の支店を赤坂に開設いたしました。市場における空室率が改善するなか、ビルオーナー様のお困りごとを空室という一面ではなく、老朽化や相続問題といったように多面的で長期的な視点から捉えるようにしております。前年同期に比べ売上高は増加し、利益については横ばいとなりましたが、現場の最前線でお客様との対話の中から関連するニーズをお聞きし、リプランニング事業にかかる仕入や販売、工事受注や売買仲介等の切っ掛けを創り出すなど、様々なお困りごと解決に継続して取り組んでおります。また、当社グループが運営する居抜きオフィスの仲介ウェブサイト「そのまんまオフィス!」に、リプランニング事業の内装を作り込んだ「セットアップオフィス」を掲載し、スタートアップ企業やIT企業などにご好評をいただくなど、働き方が多様化し、変化を続けるオフィスニーズにも順応したサービスの拡充を進めております。
以上の結果、不動産サービス事業の売上高は788百万円(前年同期比7.1%減)となり、セグメント利益は459百万円(同17.5%減)となりました。
(オペレーション事業)
オペレーション事業では、ホテル運営事業、スペースレンタル事業を行っております。
ホテル運営事業においては、2016年12月にM&Aにより当社グループに加わった「ホテルスカイコート」4拠点(成田・川崎・小岩・博多)の業績がホテル運営事業全体の業績を牽引いたしました。また、自社ホテルブランドの第1号店「日和(ひより)ホテル舞浜」が昨年7月に開業し、ホテル事業のテーマである「心温かいホテル」を実現するべく、日々お客様視点の改良改善を続け、常に進化発展をしていくホテルを目指しています。当ホテルは大手宿泊予約サイトの口コミ評価で、ソフト面、ハード面での総合的な快適性から、舞浜・浦安・船橋・幕張エリアにおいてトップクラスを継続するなど、お客様視点のサービスが高評価に繋がっています。その結果、前年同期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加いたしました。
さらに、自社ホテルブランド「日和ホテルズ&リゾーツ」のカジュアルブランドである「たびのホテル」の第一弾として本年5月2日に、岐阜県の飛騨高山において地元の木材を多用した木づくりホテル「たびのホテル飛騨高山」を、第二弾として本年7月20日に、新潟県の佐渡島において伝統工芸である竹細工をモチーフにした「たびのホテル佐渡」を開業いたしました。
その他にも、銀座東、大阪本町、大阪なんば、京都四条河原町エリアのプロジェクトに着工しており、加えて、M&Aや、当社グループが自ら開発し、所有、運営する方式、また外部の地権者様が開発するホテルを当社グループが長期賃借する方式等、多様な方法を活用した運営ホテル数の拡大を計画しております。
スペースレンタル事業においては、貸会議室、レンタルオフィス、コワーキングスペースの運営を行っております。本年5月には、当社が強みを持つ東京都心オフィスにおけるコワーキングスペースの需要増加を見込み、日比谷・有楽町エリアに「Vision Works 有楽町」をグランドオープンいたしました。その結果、貸会議室「ビジョンセンター」は東京、田町、永田町、浜松町、横浜の駅前に8拠点、レンタルオフィス「ビジョンオフィス」は神田、新宿の駅前に3拠点、コワーキングスペース「ビジョンワークス」は東京、日比谷駅前に2拠点となり、スペースレンタル事業合計で13拠点に展開しております。ご利用者様の目線でサービス品質を磨いてきたことで、リピーターやご紹介によるご利用が着実に増加し、前年同期に比べ売上高は増加したものの、新規施設の開業に伴う設備投資や人件費の負担増により、利益は減少いたしました。
以上の結果、オペレーション事業の売上高は903百万円(前年同期比37.4%増)となり、セグメント利益は133百万円(同32.7%増)となりました。
(その他)
その他では、滞納賃料保証事業、海外事業、建設ソリューション事業等を行っております。
滞納賃料保証事業においては、賃貸仲介をはじめとする当社グループ内の関連部門との連携強化に加え、ビルオーナー様、協力会社様へのセミナーを継続的に開催するなどの情報発信により、当社グループの保証システムの浸透と認知度向上に努めてまいりました。テナントの保証審査においては現地調査を徹底し、厳格に行いながらも、審査結果の迅速な回答にこだわり、また、賃料滞納時には、賃料保証のみならず、訴訟や明け渡し、賃料の回収までを誠実にサポートすることで、ビルオーナー様に寄り添った実績を積み上げ、新規保証、再保証ともに取り扱い件数が堅調に推移し、前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
海外事業においては、成長が続く東南アジアへ進出し、高品質な日本の施工技術とお客様視点のおもてなしサービスをアジアの方々に体感していただくことにこだわった、マンション・住宅等を中心とした不動産開発ならびにホテル運営を行っております。ベトナムの中部最大都市ダナンで海外第1号ホテル「The Blossom City」を所有、運営するとともに、昨年6月には28階建の分譲マンション「HIYORI Garden Tower」を着工いたしました。インドネシアの首都ジャカルタでは、都市型分譲住宅の建築を推進、またサービスアパートメント「京 Serviced Apartment」の所有、賃貸を行っております。
以上の結果、その他の売上高は303百万円(前年同期比34.5%増)となり、セグメント利益は192百万円(同12.0%増)となりました。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
該当事項はありません。
(4)生産、受注及び販売の実績
当第1四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績について著しい変動はありません。