第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

  当社グループは、以下の経営理念と企業哲学を経営の基本方針として事業に取り組んでおります。

 (経営理念)

  「全従業員を守り、物心の幸福を追求することを旨とし、同時に共生の心をもって人類・社会の繁栄に貢献する。」

 (企業哲学)

  「我々社員は仕事を通して知識・技能・人格を溢れる熱意で向上させ、不動産ストックの活用と流通に専念することにより、再生産不可能な資源の無駄遣いをおさえ、永続的な地球上の人類や動植物の繁栄に寄与する。」

 

(2) 目標とする経営指標

  当社グループは、中長期的に安定した成長を目指し、財務の安全性の観点から自己資本比率50%以上の水準を、また、収益性・生産性の観点から売上高経常利益率20%以上の水準をそれぞれ維持することを重視しております。

 

(3) 経営環境

 日本経済は、政府による経済政策と金融緩和政策を背景に企業業績が堅調に推移するなか、設備投資の増加基調が持続、雇用・所得環境が改善し、景気は自然災害の影響で一時的な下振れがあったものの底堅く推移しました。世界経済は、米中間の通商問題や英国のEU離脱の行方など、不確実性や先行きの不透明感の高まりから景気の減速が懸念されております。

 不動産市場においては、東京都心部で空室率の低下と緩やかな賃料上昇が続いており、足元では引き続き堅調な状況にあります。一方で、都心部にて大規模新築ビルが高稼働で竣工するなか、既存ビルの大型解約や集約などに伴う影響も出始め、市場はピークに近づきつつあるとの懸念も台頭し始めております。

 

(4) 対処すべき課題

 このような事業環境のもと、当社グループは、中長期的に安定した成長を遂げ「フローとストックの両足で立つ」収益構造を確立するべく、影響力の強い都心オフィスビル事業をさらに深化させるとともに、成長市場である「ホテルとアジア」にフォーカスし、事業を拡充してまいります。また、これらを成長加速させるM&Aも積極的に活用してまいります。そして、現在、取り組んでいる2019年3月期を初年度とする5カ年の「中期経営計画」において、2023年3月期売上高1,000億円、経常利益200億円、当期純利益140億円を目指してまいります。
 なお、中期経営計画の概要は下記のとおりです。

 

中期経営計画(2019年3月期~2023年3月期)

基本方針[都心特化ビジネスと成長市場への展開]

<3つの戦略>

①当社の強みであり、影響力が強い都心に尖り、差別化された付加価値づくりで、中核事業である「都心オフィスビル事業」を伸ばす。

 ●オフィスビル事業 2023年3月期 売上高800億円(ホテルの売却売上高を含む)

・不動産再生・開発事業、不動産サービス事業の更なる深化・拡大と共に、貸会議室事業を急拡大させる。

 

②成長市場である「ホテル」と「アジア」にフォーカスし、積極果敢に展開する。

 ●ホテル運営事業 2023年3月期売上高140億円、稼動客室数5,000

・ホテル:20233月期末における稼働客室数5,000室を目指し、開発・賃借・再生・M&A等の多様な方法で取り組む。

 

 ●海外事業 2023年3月期 売上高60億円、総投資額200億円

・アジア:ベトナム、インドネシアの住宅事業に重点投資(投資200億円)し、高い品質と企画で良質な住宅を供給することを通じて、地元の人々に支持されるブランドを確立する。

 

③上記事業の成長を加速させるためにM&Aを積極的に活用する。

 ●2023年3月期までに200億円以上のM&Aを実施

・オフィスビル事業およびホテル事業の成長を牽引する手段として周辺事業(建築施工・設備・貸会議室・ホテル運営等)のM&Aを積極的に活用する。

 

 当社の強みは、「利他」の価値観のもと、フィロソフィをベースとした社員の結束力にあり、各々が時代を取り込む感性を高め続ける社員の力で、構想力を増し、デジタル化にも積極的に取り組み、収益力を高めてまいります。「ビジネスとは、他を利すること」であり、多くの人の利益をつくることが企業の使命であるとの信念のもと、不動産の価値創造とマネジメントで、自由かつ果敢な挑戦を奨励する企業を目指してまいります。

 

〈ご参考〉

 

 

2023年3月期〈定量目標〉

売上高

1,000億円

経常利益

200億円

当期純利益

140億円

自己資本比率

50%以上

経常利益率

20%以上

 

 


 

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.当社グループを取り巻く事業環境及び当社事業の特性等について

(1) 事業環境

当社グループは、東京都心部を中心に「不動産再生と活用」に取り組み、企業としての市場競争力を高めるべく影響力のある都心部のオフィスビル及び商業ビルを中心に、仲介・管理・保証・工事・賃貸・売買等の一貫したサービスをワンストップで展開しております。しかしながら、経済情勢が悪化し、空室率の上昇や賃料の下落といったように不動産市況が低迷した場合には、当社グループの経営成績、財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(2) リプランニング事業の特性

①  リプランニング事業は、主に事業用不動産を対象とした再生事業であり、不稼動又は空室率が高く低収益の事業用不動産を再生することにより収益の改善を具現化する事業であります。売却先は主に不動産収入を目的とした投資を行う個人・法人等であります。

経済情勢の悪化や信用収縮等により金融市場に混乱が発生した場合、不動産の流通市場が低迷するおそれがあり、リプランニング事業で扱う物件のたな卸資産としての評価額が下がり、また、販売活動が計画通り進まず、当社グループの経営成績、財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。

 

② リプランニング事業は、主に金融機関からの借入により資金調達し物件を購入するため、有利子負債残高は物件購入及び売却の状況によって変動します。

資金調達に当たりましては、特定の金融機関からの借入に依存することなく、常に複数の金融機関との均衡を図りつつ、安定的、かつ適正な条件での資金調達に努めております。また、エクイティファイナンスや不動産証券化等にも取り組み、有利子負債の増加を抑えつつ不動産の取得・事業化を進めてきております。しかしながら、信用収縮等による金融市場の混乱が発生した場合には、事業の展開に必要な資金調達が進まず、当社グループの経営成績、財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。

 

③  リプランニング事業は、物件を購入し、リプランニング完了後に売却を行いますが、当該事業の売上原価及び売上高は物件の売却時に計上されます。また、一取引当たりの金額は、他の仲介手数料収入等に比較して高額となっております。従って、その購入及び売却の時期や金額の変動等により、当社グループの経営成績、財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(3) 競合の状況

当社グループの事業は、リプランニング事業、ホテル開発事業、賃貸ビル事業・サブリース事業、不動産証券化事業、アセットマネジメント事業、事業用不動産の売買仲介・賃貸仲介、プロパティマネジメント事業、ビルメンテナンス事業、ホテル運営事業、貸会議室事業、海外事業、建設ソリューション事業及び滞納賃料保証事業から構成されており、これら各事業が有機的に結合し、事業用不動産に係る一貫したサービスを提供するところにその特徴があります。

そして、各事業部門の機能を融合した総合力及び顧客との広範なネットワーク並びに潜在的優良物件の選択等、細やかな事業運営により競争力の維持・強化、競合他社との差別化を図っております。しかしながら、この優位性が保たれない場合は、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4) ホテルの開発について

当社グループは、日本政府による観光立国推進政策の実施及びそれを受けた訪日外国人数の増加を好機と捉え、ホテル開発事業及びホテル運営事業の強化を図っております。ホテルの企画、開発、再生から運営に至るまでを当社グループが担いますが、所有物件に関して、一部は安定稼働後に投資家へ売却する場合もございます。ただし、物件売却後も当該物件を賃借し継続して運営することを基本的なビジネスモデルとする方針であり、開発及び再生に係る収益及びコストはホテル開発事業に計上し、保有に係る収益及びコストは賃貸ビル事業に計上し、運営に係る収益及びコストはホテル運営事業に計上いたします。

ホテルの開発においては、これまでリプランニング事業で主力としてきたオフィスビル等の再生とは異なり、自社にて土地を仕入れ、一から開発を行う場合があります。そのような場合には、竣工までに相当の期間を必要とするため、ホテルの宿泊収入等の収益を計上できない期間が長くなることや、事業期間が相対的に長くなることによって景気変動の影響を受けやすくなることで、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) ホテルの運営について

ホテル運営事業は、一般的に景気動向や個人消費の動向等の影響を受けやすい傾向にあり、景気の低迷による企業の出張需要の減少や個人のレジャー需要の減少、新規ホテルの開業による客室の供給過剰等により、客室料金や客室稼働率の低下が起こる場合等、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、ホテルの運営に関しては、為替の変動、近隣国との領土問題や反日感情の増大等の情勢変化が生じた場合、外国人観光客の減少、海外渡航の自粛または消費マインドの減退に繋がることが予想され、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) カントリーリスクについて

 当社グループは、海外事業の拡大を戦略の一つとしていますが、海外では為替動向、宗教や文化及び商習慣の相違、経済情勢の不確実性、紛争・内乱・テロ・暴動等政情不安、現地における労使関係のトラブル等のリスクに直面する可能性があります。また、投資規制、送金に関する規制、税率変更を含む税制改正等、政治的、経済的、法的あるいはその他の障害に伴うリスクがあります。海外事業の拡大においては、投資利益の実現までに長い期間を要することがあり、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 災害等について

地震・暴風雨・洪水等の自然災害、戦争、テロ、火災等の人災が発生した場合には、当社グループが保有・管理・投資を行っている不動産の価値が大きく毀損する可能性があり、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 訴訟等のリスク

当社グループが売買・賃貸・売買又は賃貸の仲介・管理等を行う物件に関連して、取引先又は顧客等による訴訟その他の請求が発生する可能性があります。これらの訴訟等の内容・結果によっては当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

2.法的規制について

当社グループの事業は、宅地建物取引業法、建設業法、不動産の鑑定評価に関する法律、不動産投資顧問業登録規程、金融商品取引法、建築士法、警備業法、マンションの管理の適正化の推進に関する法律、賃貸住宅管理業者登録規程、建築物における衛生的環境の確保に関する法律等による法的規制を受けており、関連許認可を得ております。

当社グループの主要な業務に係る免許や許認可等の有効期限等は下記のとおりであり、現在、当該免許及び許認可等が取消となる事由は発生しておりませんが、万一、将来このような事由が発生した場合、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、今後、これらの関係法規が改廃された場合や新たな法的規制が設けられた場合にも、当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。

 

(1) 有効期間その他の期限が法令、契約等により定められている主なものは以下のとおりであります。

 

免許、許可、登録等
の別

会社名

有効期間、登録日

種類

関連する法律

登録等の交付者

宅地建物取引業者免許

サンフロンティア不動産㈱

2014年12月29日から

2019年12月28日

宅地建物取引業法

国土交通大臣

SFビルメンテナンス㈱

2017年2月25日から

2022年2月24日

東京都知事

サンフロンティア沖縄㈱

2019年1月9日から

2024年1月8日

沖縄県知事

特定建設業許可

サンフロンティア不動産㈱

2017年7月20日から

2022年7月19日

建築工事業、屋根工事業、鋼構造物工事業、大工工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、内装仕上工事業

建設業法

東京都知事

一般建設業許可

㈱光和工業

2016年9月17日から

2021年9月16日

大工工事業、塗装工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、 建具工事業

国土交通大臣

SFビルメンテナンス㈱

2018年12月25日から

2023年12月24日

防水工事、内装仕上工事

東京都知事

不動産鑑定業登録

サンフロンティア不動産㈱

2018年2月7日から

2023年2月6日

不動産の鑑定評価に関する法律

東京都知事

一般不動産投資顧問業登録

サンフロンティア不動産㈱

2014年11月3日から

2019年11月2日

不動産投資顧問業登録規程

国土交通大臣

サンフロンティア不動産投資顧問㈱

2015年12月9日から

2020年12月8日

第二種金融商品取引業者登録

サンフロンティア不動産㈱

2007年9月30日登録

金融商品取引法

関東財務局長

サンフロンティア不動産投資顧問㈱

2007年9月30日登録

投資助言・代理業者登録

サンフロンティア不動産投資顧問㈱

2007年9月30日登録

金融商品取引法

関東財務局長

不動産特定共同事業登録

サンフロンティア不動産㈱

2018年10月29日登録

金融商品取引法

国土交通大臣

一級建築士事務所登録

サンフロンティア不動産㈱

2015年2月1日から

2020年1月31日

建築士法

東京都知事

警備業認定

サンフロンティア不動産㈱

2016年12月26日から

2021年12月25日

警備業法

東京都公安委員会

SFビルメンテナンス㈱

2014年4月5日から

2019年4月4日

マンション管理業登録

SFビルメンテナンス㈱

2017年1月8日から

2022年1月7日

マンションの管理の適正化の推進に関する法律

国土交通大臣

 

 

免許、許可、登録等

の別

会社名

有効期間、登録日

種類

関連する法律

登録等の交付者

賃貸住宅管理業登録

SFビルメンテナンス㈱

2017年2月1日から

2022年1月31日

賃貸住宅管理業者登録規程

関東地方整備局長

建築物環境衛生総合管理業登録

SFビルメンテナンス㈱

2015年9月18日から

2021年9月17日

建築物における衛生的環境の確保に関する法律

東京都知事

建築物飲料水貯水槽清掃業登録

SFビルメンテナンス㈱

2018年6月29日から

2024年6月28日

建築物における衛生的環境の確保に関する法律

東京都知事

消防設備業登録

SFビルメンテナンス㈱

2018年7月3日登録

消防法

本所消防署長

屋外広告業許可

SFビルメンテナンス㈱

2018年12月6日から

2023年12月5日

屋外広告物法

東京都知事

貸金業許可

SFビルサポート㈱

2017年6月30日から

2020年6月29日

貸金業法

東京都知事

一般貸切旅客自動車運送事業

おけさ観光タクシー㈱

1999年1月19日登録

道路運送法

北陸信越運輸局長

一般乗用旅客自動車運送事業

おけさ観光タクシー㈱

1955年5月6日登録

道路運送法

北陸信越運輸局長

 

 

(2) 不動産証券化事業を行うに当たりましては、資産流動化法に基づく特定目的会社、会社法に基づく株式会社・合同会社のいずれかにより設立されたSPC(特別目的会社)を利用することになります。この内、資産流動化法に基づく特定目的会社により、証券化事業を行う場合には資産流動化法の規制を受けることになります。

 

3.会計基準・不動産税制の変更について

会計基準、不動産税制に関する変更があった場合、物件の取得、売却のコスト増加等により当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

4.個人情報保護

当社グループは業務上、ビルオーナー様、テナント様等の個人情報を保有する「個人情報取扱事業者」に該当し、今後の事業拡大につれ関連情報が増加することが予想されます。これに対しましては、情報管理体制を強化し、内部情報管理の徹底を図っておりますが、不測の事態により、顧客情報等個人情報が外部に流失した場合は当社グループの信用を毀損し、経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済政策と金融緩和政策を背景に企業業績が堅調に推移するなか、設備投資の増加基調が持続、雇用・所得環境が改善し、景気は自然災害の影響で一時的な下振れがあったものの底堅く推移しました。一方、世界経済は、米中間の通商問題や英国のEU離脱の行方など、不確実性や先行きの不透明感の高まりから景気の減速が懸念されております。

 不動産業界においては、都心オフィスビル市場(都心5区:千代田・中央・港・新宿・渋谷区)の平均空室率がバブル期の1991年以来27年ぶりに2%を下回り、2019年3月末には1.78%と低下傾向が続いております。一方、2019年3月末の平均賃料は21,134円(坪単価)となり、63カ月連続で上昇し、2018年4月からは1,238円上昇(6.2%増)しました(民間調査機関調べ)。また、不動産価格の高騰を背景に一部金融機関の融資姿勢が慎重になっているものの、不動産投資市場は、堅調な企業収益による底堅い需要が続いております。

 このような環境下、当社グループでは、東京都心部における中小型オフィスビルに特化した「不動産再生と活用」をコアビジネスとし、ビルオーナー様の不動産に関する様々な不満や不便、「お困りごと解決」にスピード感を持って期待以上で応えるべく、お客様視点で真摯かつ誠実に取り組んでまいりました。また、お客様お一人おひとりに対し、ビルの賃貸仲介及び売買仲介、ビル管理・メンテナンス、小規模・大規模リニューアル、相続や税務相談、賃料滞納に備えた保証の提供等に至るまで、親切で丁寧に寄り添い、また、高度な専門知識と豊富な不動産サービスを提供することを通してお客様からの信頼を積み上げてまいりました。このように当社グループは、既存ビルを市場ニーズに即した高付加価値ビルに再生させる差別化戦略を図りつつ、同時にお客様に対しては、安全安心のビル管理、地域に根ざしたテナントの仲介、専門家による資産コンサルティング等のきめ細かな包括サービスをワンストップで提供し、お客様に選んでいただける「不動産経営のパートナー」として、圧倒的な信頼関係を構築しております。

 また、当社グループは、「心温かいホテル」をテーマに、ホテルの開発・再生・運営事業を展開しております。お客様からいただいた声を大切にする心温かい従業員のおもてなしによって、お客様に上質で快適にお過ごしいただけるホテル運営を目指し、オフィスビル事業に続くコアビジネスとすべく注力しております。訪日外国人が2018年には初めて年間3,000万人を超え、今後もラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピック、大阪万博の開催等の追い風があるなか、観光・ビジネスの宿泊需要に応える良質なホテルを提供することで国益に貢献してまいります。

 

 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高53,291百万円(前期比12.3%増)、営業利益13,305百万円(同18.4%増)、経常利益12,813百万円(同19.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8,783百万円(同18.4%増)となりました。

 当連結会計年度は、不動産再生事業が高い利益水準で引き続きグループ全体の業績を牽引し、8期連続で増収、増益を達成し、利益、配当金は過去最高を更新いたしました。

 

 

各セグメントの業績は次のとおりであります。

 

   (不動産再生事業)

不動産再生事業では、リプランニング事業、ホテル開発事業、賃貸ビル事業等を行っております。
 リプランニング事業においては、ビル管理、賃貸仲介、売買仲介等の不動産サービスの現場でビルオーナー様と深い信頼関係を築いており、資産の買い替え等を検討される場合には一番に当社へ相談いただき、当社に直接お譲りいただける等、ビルオーナー様との信頼関係をベースとした当社独自の物件仕入が増加しております。また、商品化においては、遵法かつ安全性を基本として、再生テーマとテナントニーズとして働きやすくコミュニケーションが取りやすい等オフィス環境に対する意識の高まりをしっかり捉え「入居コストを抑えられ、すぐに始業できる内装を作りこむセットアップオフィス」「ご自身では実現が難しい洗練されたデザイン」「開放的で快適、交流スペースにもなる水辺テラスや屋上テラスの設置」「IoTを活用した働き手の視点で進化するオフィス」「街に活気をもたらす最適用途へのコンバージョン」等、テナント様の心に響くリノベーションを施すことで、機能性と快適性を兼ね備えた、高品質で魅力的なビルに蘇らせます。そして、販売においては不動産サービス部門との連携による独自の販売ルートを活用し、ビル周辺エリアの地歴や将来性・社会性も価値に乗せて資産家・富裕層へ販売いたします。このように、仕入・商品化・販売、全てのプロセスにおいて、社内各部門が専門性を持ち寄り、お客様視点の付加価値増大へ創意工夫を重ね、ビルの魅力を最大化する当社独自の事業モデルが深化したことにより、継続的な高い利益率を実現し、前期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加いたしました。

賃貸ビル事業においては、安定した収益基盤を構築することを目的に、当社グループの総合的な不動産オペレーション力を活かしながら、ストックビジネスを拡大し、戦略的に賃料収入の増加を図っております。当連結会計年度においては、リプランニング事業の仕入が進捗し、保有ビル数が増加したことから、前期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。

ホテル開発事業においては、沖縄県恩納村にて当社初の分譲型コンドミニアムホテル「日和オーシャンリゾート沖縄(204区画)」の開発プロジェクトが2018年11月に着工し、2019年2月から開始した第一期販売(54区画)が登録完売いたしました。

 

以上の結果、不動産再生事業の売上高は45,490百万円(前期比11.0%増)となり、セグメント利益は14,962百万円(同19.8%増)となりました。

 

(不動産サービス事業)

 不動産サービス事業では、プロパティマネジメント事業、ビルメンテナンス事業、売買仲介事業、賃貸仲介事業を行っております。

 プロパティマネジメント事業においては、テナント満足度を高めるためのきめ細かなビル管理・メンテナンスや都心の土地勘を強みとしたテナント誘致、適正賃料への条件改定による収益改善等に取り組むことで、高収益・高稼働なビル経営を実践しております(※1)。そして、お客様の不動産経営のパートナーとして、ビルオーナー様の資産内容やビル経営の課題を伺うなかで、潜在的なお困りごとに対してもご提案を行い、快適性や省力化等の工事受注や売買仲介、リプランニング物件の販売強化を図り、引き続き都心のオフィスビルへの集中、更なるサービス品質の向上に取り組んでまいります。売上高・利益はともに前期に比べ増加いたしました。

 

(※1)当社は総合・オフィス中心型のプロパティマネジメント事業者におけるクライアント数ランキング第3位(民間調査機関調べ)。

 

 

2017年3月末

2018年3月末

2019年3月末

受託棟数

362棟

372棟

  373棟

稼働率

96.6%

95.7%

  97.5%

 

 

 

 ビルメンテナンス事業においては、外窓・外壁等のブランコによる高所清掃、補修作業を強みに、プロパティマネジメント部門との協働を推進してきたことでビルメンテナンス受託棟数が伸長し、売上高、利益は前期に比べ共に増加いたしました。

 売買仲介事業においては、不動産コンサルティングの一環としてプロパティマネジメントや賃貸仲介をはじめとする他部門からの紹介案件にスピード対応で取り組むと共に、リプランニング物件の仕入、販売等に注力してまいりました。売上高、利益は前期に比べ減少したものの、グループ全体の収益に貢献しております。

賃貸仲介事業においては、都心5区を中心に拠点を展開しております。地域のビルオーナー様に更に寄り添い、身近なサービスの窓口となるために、2018年7月の港区赤坂店開設に続き、2019年1月に中央区小伝馬町店を開設し、今後も引き続き都心部に出店を進める予定です。市場における空室率が低下するなか、ビルオーナー様のお困りごとを空室という一面のみではなく、高齢化で苦慮する管理や相続問題、建物の老朽化といった多面的で長期的な視点から捉えるようにしており、現場の最前線でお客様との対話のなかから関連するニーズを伺い、リプランニング事業にかかる仕入や販売、工事受注や売買仲介等の機会を創出するなど、様々なお困りごと解決に継続して取り組んでまいります。また、当社グループが運営する居抜きオフィスの仲介ウェブサイト「そのまんまオフィス!」に、リプランニング事業の内装を作り込んだ「セットアップオフィス」を掲載し、IT企業やスタートアップ企業様等にご好評をいただき、働き方が多様化し、変化を続けるオフィスニーズにも順応したサービスの拡充を進めており、売上高、利益は前期に比べ共に増加いたしました。

 

以上の結果、不動産サービス事業の売上高は3,179百万円(前期比1.4%減)となり、セグメント利益は1,898百万円(同4.8%減)となりました。

 

   (オペレーション事業)

 オペレーション事業では、ホテル運営事業、貸会議室事業等を行っております。
 ホテル運営事業においては、2018年にオープンした自社ホテルブランド「日和(ひより)ホテルズ&リゾーツ」のカジュアルブランド「たびのホテル」シリーズの「たびのホテル飛彈高山」(5月)・「たびのホテル佐渡」(7月)の業績が加わるとともに、2018年10月にスカイコートからリブランドした「スカイハートホテル」ブランドのホテル5拠点の業績も堅調に推移しホテル運営事業全体の収益が拡大しております。また、当社ホテル運営事業のテーマである「心温かいホテル」の実現に向けた心温かい社員がご提供するサービスをご評価いただき、自社ブランド「日和ホテル舞浜」が女性向けWebサイト「OZmall(オズモール)」発表のカジュアルホテル部門における2018年の口コミ年間ランキングにおいて全国第1位を獲得いたしました。当社グループが国内で運営するホテルは2019年3月31日現在10箇所1,191室となっており、今後の展開として、2019年には大阪なんば(5月)、大阪本町(10月)、東銀座(12月)、2020年には倉敷水島(2月)、鹿島(3月)の計5箇所897室の新規オープンを予定いたしております。加えて、M&Aや、当社グループが自ら開発し、所有、運営する方式、また外部のオーナー様が開発・所有するホテルを当社グループが長期賃借する方式等、多様な方法を活用して運営ホテル数の拡大を図っております。日々お客様の声を大切にお客様視点の改良改善を続け、常に進化発展をしていくホテル運営を目指しており、前年同期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加いたしました。
 貸会議室事業においては、貸会議室、レンタルオフィス、コワーキングスペースの運営を行っております。2018年には、当社が強みを持つ東京都心におけるコワーキングスペースの需要増加を見込み、日比谷・有楽町エリアに「ビジョンワークス有楽町」(5月)を、東京駅八重洲地下街直結の貸会議室「ビジョンセンター東京駅前」(10月)をオープンし、2019年にはさらに6拠点のオープンを予定しております。貸会議室は東京駅前、東京八重洲中央口、東京八重洲南口、有楽町、日本橋、永田町、田町、浜松町、横浜の9拠点、レンタルオフィスは神田駅前の2拠点と新宿駅前の計3拠点、コワーキングスペースは日比谷駅前に1拠点となり、貸会議室事業合計で13拠点、座席数4,700席を展開しております。ご利用者様視点でサービス品質を磨いてきたことで、リピーターや紹介によるご利用が着実に増加し、前期に比べ売上高は増加したものの、新規施設の開業コストの増加により、利益は若干の減少となりました。今後の展開として、2019年4月には、より一層の事業拡大を目的に、サンフロンティアスペースマネジメント株式会社として会社分割し、子会社を設立いたしました。

 

 以上の結果、オペレーション事業の売上高は3,898百万円(前期比34.5%増)となり、セグメント利益は412百万円(同26.3%増)となりました。

 

(その他)

 その他では、滞納賃料保証事業、海外事業、建設ソリューション事業等を行っております。
 滞納賃料保証事業においては、賃貸仲介をはじめとする当社グループ内の関連部門との連携強化に加え、ビルオーナー様、協力会社様へのセミナーを継続的に開催する等、民法改正による機関保証ニーズの高まりを見据え、保証システムの浸透と認知度向上に努めてまいりました。また、テナントの保証審査においては実態調査を徹底し、厳格に行いながらも、審査結果の迅速な回答にこだわり、賃料滞納時には賃料保証のみならず、明け渡しまでを誠実にサポートすることで、ビルオーナー様に寄り添った実績を積み上げ、新規保証、再保証ともに取り扱い件数が堅調に推移し、前期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。

 海外事業においては、成長が続く東南アジアへ進出し、ホテル運営ならびに高品質な日本の施工技術とお客様視点のおもてなしサービスをアジアの方々に体感していただくことにこだわった、マンション・住宅等を中心とした不動産開発を行っております。ベトナムの中部最大都市ダナンで当社グループが所有、運営する海外第1号ホテル「TABINO HOTEL DA NANG(たびのホテルダナン)」(※2)を海外でも展開しております。また、2019年1月に上棟した28階建(306区画)の分譲マンション「HIYORI Garden Tower」(2018年8月に完売)は、2019年9月の竣工に向け順調に建築工事が進捗しております。

 建設ソリューション事業においては、事業用ビル等のリニューアル企画並びに修繕・改修工事等を行っております。2019年1月にM&Aにて建設工事業・内装仕上工事業を行う株式会社光和工業を取得したことにより前期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。

 

 以上の結果、その他の売上高は1,508百万円(前期比61.9%増)となり、セグメント利益は784百万円(同38.5%増)となりました。

(※2) 2019年2月に「The Blossom City」から自社ブランド名に変更

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)は、生産業務を定義することが困難であるため、生産実績の記載は省略しております。

 

② 受注実績

当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績の記載は省略しております。

 

③ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

不動産再生事業

45,490,502

11.0

不動産サービス事業

3,179,826

△1.4

オペレーション事業

3,898,155

34.5

その他

1,508,325

61.9

調整額

△784,878

合計

53,291,931

12.3

 

(注) 1 調整額はセグメント間の取引消去であります。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

合同会社パシフィックスリー

7,200,000

13.5

株式会社ボルテックス

5,712,082

12.0

 

3 前連結会計年度の合同会社パシフィックスリー及び当連結会計年度の株式会社ボルテックスに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。

4 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末における総資産は110,898百万円(前期比20.9%増)、負債は55,038百万円(同28.3%増)、純資産は55,860百万円(同14.4%増)となりました。
 総資産の増加の主な要因は、流動資産のたな卸資産の増加19,736百万円、その他に含まれる前渡金の増加523百万円、有形固定資産の増加773百万円、投資その他の資産のその他に含まれる差入保証金の増加647百万円等があったものの、一方で現金及び預金の減少3,635百万円等があったことによるものであります。
 負債の増加の主な要因は、買掛金の増加669百万円、長期借入金の増加8,885百万円、流動負債のその他に含まれる前受金2,491百万円等があったものの、一方で未払法人税等の減少516百万円等があったことによるものであります。
 純資産の増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上8,783百万円等の増加があったものの、期末配当金の支払い1,633百万円等があったことによるものであります。
 なお、自己資本比率は50.3%(同2.9ポイント減)となりました。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動による資金が5,988百万円減少、投資活動による資金が4,258百万円減少、財務活動による資金が6,599百万円増加した結果、期首残高に比べ3,748百万円減少し、当連結会計年度末残高は18,933百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動においては、5,988百万円(前期は6,989百万円の支出超過)の支出超過となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益12,813百万円及び減価償却費1,052百万円、売上債権の減少による収入1,764百万円等があったものの、一方でたな卸資産の増加による支出17,324百万円及び法人税の支払額5,030百万円等があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動においては、4,258百万円(前期は2,443百万円の支出超過)の支出超過となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入2,108百万円等があったものの、一方で定期預金の預入による支出2,221百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2,593百万円、有形固定資産の取得による支出881百万円、差入保証金の差入による支出658百万円等があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動においては、6,599百万円(前期は17,235百万円の収入超過)の収入超過となりました。これは主に、長期借入れによる収入24,270百万円等があったものの、一方で長期借入金の返済による支出15,791百万円及び配当金の支払額1,633百万円等があったことによるものであります。

 

(資本の財源及び資金の流動性について)

当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、不動産再生事業に係るたな卸資産の仕入れであります。たな卸資産の仕入れは、個別のたな卸資産を担保とした金融機関からの借入金及び営業活動で獲得した資金によって行っております。当該たな卸資産は一年以内を目途に販売することとし、借入金は、月例約定返済を織り込みつつ、たな卸資産の販売時に一括返済することを基本方針としており、資金の流動性は十分に確保されております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。