(1) 経営方針・経営戦略等
当社グループは、以下の経営理念と企業哲学を経営の基本方針として事業に取り組んでおります。
(経営理念)
「全従業員を守り、物心の幸福を追求することを旨とし、同時に共生の心をもって人類・社会の繁栄に貢献する。」
(企業哲学)
「我々社員は仕事を通して知識・技能・人格を溢れる熱意で向上させ、不動産ストックの活用と流通に専念することにより、再生産不可能な資源の無駄遣いをおさえ、永続的な地球上の人類や動植物の繁栄に寄与する。」
当社グループは、中長期的に安定した成長を目指し、財務の安全性の観点から自己資本比率50%以上の水準を、また、収益性・生産性の観点から売上高経常利益率20%以上の水準をそれぞれ維持することを重視しております。
当社グループを取り巻く経済環境を見ると、世界経済においては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によりグローバルなヒトやモノの流れが急速に収縮しております。2020年の世界経済の大幅な落ち込みは避けられないとみられ、2008年のリーマン・ショックを超える規模のマイナス成長予測が相次いでおります。国内経済においても同様に経済活動が抑制され、足元の景況感は急激に悪化しております。そのため、企業業績は深刻な影響を受けており、経済全般への悪影響が長期化・深刻化する可能性もあり、先行き予断を許さない状況が続くものと思われます。
当社グループの中核事業である不動産再生事業を展開する都心オフィスビル市場においては、新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の停滞によって、オフィス需要の減退を懸念する見方も生じております。政府による緊急事態宣言が発令された4月以降、当社が保有又は管理するビルに入居している店舗系テナント等からの賃料減額要請や解約申込が増加するなど賃貸ビル市場の需給悪化の動きが見受けられます。不動産投資市場においては、低金利環境の継続から、余剰資金を抱える国内機関投資家やファンド等の投資意欲は継続しているものの、先行き不透明感が強く、慎重な姿勢にあります。
こうした状況の中、当社グループは、お客様や従業員の感染防止に最大限努めつつ、事業の維持・継続に最善を尽くすべく取り組んでおります。また同時に、リーマン・ショック以降、構築してまいりました強固な財務体質のもと、当社の本業である「不動産再生と活用」の一層の強化に努めております。コロナ禍後に向けては、基本戦略である都心オフィスビル事業を中核に据えたビジネスモデルを一層深化させ、引き続き既存事業の拡大と周辺サービスの拡充を図ってまいります。このような環境激変の時においては、働き方の変化や時代の要請を受け止めながら、オフィス市場を深掘りし、いかに新たな価値や新分野をいち早く切り拓くことができるかが鍵であると認識しております。社会が求めるニーズや変化に対し、迅速かつしなやかに自らを変化させ、応えていくことによってその先の未来を大きく拓いてまいります。当社グループはお客様のお悩みやお困りごとに直接現場で寄り添う中で市場の声を拾い、社会のニーズを分析し、オフィスに対する新しいニーズを先取りしてまいります。
以上を踏まえ、中期経営計画においては2023年3月期を最終年度とする目標(売上高1,000億円、経常利益200億円、当期純利益140億円)達成に向かい、着実に推進してまいります。
〈ご参考〉
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.当社グループを取り巻く事業環境及び当社事業の特性等について
(1) 事業環境
当社グループは、東京都心部を中心に「不動産再生と活用」に取り組み、企業としての市場競争力を高めるべく影響力のある都心部のオフィスビル及び商業ビルを中心に、仲介・管理・保証・工事・賃貸・売買等の一貫したサービスをワンストップで展開しております。しかしながら、経済情勢が悪化し、空室率の上昇や賃料の下落といったように不動産市況が低迷した場合には、当社グループの経営成績、財政状態が影響を受ける可能性があります。
(2) 新型コロナウイルス感染症への対応と事業における主な影響について
① 全社的な感染拡大防止の取り組みとして、テレワーク(非常事態宣言下では出社率10%程度に抑制)やサテライトオフィスの活用、時差通勤など、各事業現場に応じた働き方を導入。また、三密対策を徹底しながらもWeb会議やチャットツールを活用し、社員間のコミュニケーションの質と量を維持してまいりました。
② オフィスビル事業においては、管理を受託しているビルに入居するテナントの内、約2割のテナントから賃料の減額・減免の要請や解約の申し出がありました。特に飲食店やスポーツジム等、コロナ禍で事業に逆風が吹くテナントからの要請が多くありました。一方、BCPオフィスや、リモートワーク浸透によるオフィス面積の縮小・分散で、当社が得意とする中小型オフィスビルへのご移転のお問い合わせが増える等、新たなニーズも生まれてきております。賃貸の営業面では360度カメラを用いた室内映像配信やオンライン案内など、人と人の接触を増やせない中でも最善を尽くしながら対応しております。しかしながら、コロナウイルスの感染が今後も収束せず、空室率の上昇や賃料の下落といったように不動産市況が低迷した場合には、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ ホテル運営事業においては、ビジネスニーズの高いエリアにおけるホテルの稼働率は、一定の水準で底堅く推移したものの、一方で、訪日外国人の入国の急激な減少や、観光地(名所旧跡、テーマパーク等)の閉鎖に伴って7棟のホテルが休館を余儀なくされ、稼働を続けたホテルの稼働率も大幅に低下いたしました。コロナウイルスの感染が収束せず、ホテルの稼働率低迷が続いた場合には、当社グループの経営成績、財政状態にさらに影響を及ぼす可能性があります。
(3) リプランニング事業の特性
① リプランニング事業は、主に事業用不動産を対象とした再生事業であり、不稼動又は空室率が高く低収益の事業用不動産を再生することにより収益の改善を実現させる事業であります。売却先は主に不動産賃貸収入を目的とした投資を行う個人・法人等であります。
経済情勢の悪化や信用収縮等により金融市場に混乱が発生した場合、不動産の流通市場が低迷するおそれがあり、リプランニング事業で扱う物件のたな卸資産としての評価額が下がり、また、販売活動が計画通り進まず、当社グループの経営成績、財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。
② リプランニング事業は、主に金融機関からの借入により資金調達し物件を購入するため、有利子負債残高は物件購入及び売却の状況によって変動します。資金調達にあたりましては、特定の金融機関からの借入に依存することなく、常に複数の金融機関との均衡を図りつつ、安定的、かつ適正な条件での資金調達に努めております。また、エクイティファイナンスや不動産証券化等にも取り組み、有利子負債の増加を抑えつつ不動産の取得・事業化を進めてきております。しかしながら、信用収縮等による金融市場の混乱が発生した場合には、事業の展開に必要な資金調達が進まず、当社グループの経営成績、財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。
③ リプランニング事業は、物件を購入し、リプランニング完了後に売却を行いますが、当該事業の売上原価及び売上高は物件の売却時に計上されます。また、一取引当たりの金額は、他の仲介手数料収入等に比較して高額となっております。したがって、その売却の時期や金額の変動等により、当社グループの経営成績、財政状態が影響を受ける可能性があります。
(4) 競合の状況
当社グループの事業は、リプランニング事業、ホテル開発事業、賃貸ビル事業・サブリース事業、不動産証券化事業、アセットマネジメント事業、事業用不動産の売買仲介・賃貸仲介、プロパティマネジメント事業、ビルメンテナンス事業、ホテル運営事業、貸会議室事業、海外事業、建設事業及び滞納賃料保証事業から構成されており、これら各事業が有機的に結合し、事業用不動産に係る一貫したサービスを提供するところにその特徴があります。
そして、各事業部門の機能を連鎖させることにより発揮する総合力、及び顧客の広範なネットワークから潜在的な優良物件を購入する等、各部門が連動した事業運営を行なうことにより競争力の維持・強化、競合他社との差別化を図っております。しかしながら、この優位性が保たれない場合は、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) ホテルの開発について
当社グループは、ホテル開発事業及びホテル運営事業の強化を図っております。ホテルの企画、開発、再生から運営に至るまでを当社グループが担いますが、所有物件に関して、一部は安定稼働後に投資家へ売却する場合もございます。ただし、物件売却後も当該物件を賃借し継続して運営することを基本的なビジネスモデルとする方針であり、開発及び再生に係る収益及びコストはホテル開発事業に計上し、保有に係る収益及びコストは賃貸ビル事業に計上し、運営に係る収益及びコストはホテル運営事業に計上しております。
ホテルの開発においては、これまでリプランニング事業で主力としてきたオフィスビルの再生とは異なり、自社にて土地を仕入れ、一から開発を行う場合があります。そのような場合には、竣工までに相当の期間を必要とするため、ホテルの宿泊収入等の収益を計上できない期間が長くなることや、事業期間が相対的に長くなることによって景気変動の影響を受けやすくなることで、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) ホテルの運営について
ホテル運営事業は、一般的に景気動向や個人消費の動向等の影響を受けやすい傾向にあり、景気の低迷による企業の出張需要の減少や個人のレジャー需要の減少、新規ホテルの開業による客室の供給過剰、あるいは感染症の流行等により、客室料金や客室稼働率の低下が起こる場合等、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、為替の変動、近隣国との領土問題や反日感情の増大等の情勢変化が生じた場合、外国人観光客の減少、海外渡航の自粛または消費マインドの減退に繋がることが予想され、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) カントリーリスクについて
当社グループは、海外事業の拡大を戦略の一つとしていますが、海外では為替動向、宗教や文化及び商習慣の相違、経済情勢の不確実性、紛争・内乱・テロ・暴動等政情不安、現地における労使関係のトラブル等のリスクに直面する可能性があります。また、投資規制、送金に関する規制、税率変更を含む税制改正等、政治的、経済的、法的あるいはその他の障害に伴うリスクがあります。海外事業の拡大においては、投資利益の実現までに長い期間を要することがあり、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 災害等について
地震・暴風雨・洪水等の自然災害、戦争、テロ、火災等の人災が発生した場合には、当社グループが保有・管理・投資を行っている不動産の価値が大きく毀損する可能性があり、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 訴訟等のリスク
当社グループが売買・賃貸・売買又は賃貸の仲介・管理等を行う物件に関連して、取引先又は顧客等による訴訟その他の請求が発生する可能性があります。これらの訴訟等の内容・結果によっては当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2.法的規制について
当社グループの事業は、宅地建物取引業法、建設業法、不動産の鑑定評価に関する法律、不動産投資顧問業登録規程、金融商品取引法、建築士法、警備業法、マンションの管理の適正化の推進に関する法律、賃貸住宅管理業者登録規程、建築物における衛生的環境の確保に関する法律等による法的規制を受けており、関連許認可を得ております。
当社グループの主要な業務に係る免許や許認可等の有効期限等は下記のとおりであり、現在、当該免許及び許認可等が取消となる事由は発生しておりませんが、万一、将来このような事由が発生した場合、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、今後、これらの関係法規が改廃された場合や新たな法的規制が設けられた場合にも、当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。
(1) 有効期間その他の期限が法令、契約等により定められている主なものは以下のとおりであります。
(2) 不動産証券化事業を行うに当たりましては、資産流動化法に基づく特定目的会社、会社法に基づく株式会社・合同会社のいずれかにより設立されたSPC(特別目的会社)を利用することになります。この内、資産流動化法に基づく特定目的会社により、証券化事業を行う場合には資産流動化法の規制を受けることになります。
3.会計基準・不動産税制の変更について
会計基準、不動産税制に関する変更があった場合、物件の取得、売却のコスト増加等により当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
4.個人情報保護
当社グループは業務上、ビルオーナー様、テナント様等の個人情報を保有する「個人情報取扱事業者」に該当し、今後の事業拡大につれ関連情報が増加することが予想されます。これに対しましては、情報管理体制を強化し、内部情報管理の徹底を図っておりますが、不測の事態により、顧客情報等個人情報が外部に流失した場合は当社グループの信用を毀損し、経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による各種政策と日本銀行による金融緩和政策の継続もあって景気は緩やかな回復基調で推移したものの、2020年2月頃より新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響によって経済活動が抑制され、足元では急速に悪化しております。同様に世界経済においても、グローバルなヒトやモノの流れが急速に収縮し、先行きの見通せない極めて不透明な状況となっております。こうした経済全般への悪影響が長期化・深刻化する可能性もあり、今後の動向を注視する必要があります。
不動産業界においては、都心オフィスビル市場(都心5 区:千代田・中央・港・新宿・渋谷区)の平均空室率が、バブル期の1991 年以来の2%を下回り、3月時点では1.50%と、歴史的な低水準で推移しております。また3月時点の平均賃料は22,594 円(坪単価)となり、75 カ月連続で上昇しました(民間調査機関調べ)。足元のオフィス市況については、既に悪影響が色濃く出ているホテルや商業施設ほどには明確に影響は出ていないものの、新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の縮小・停滞はオフィス賃貸需要の先行きに減少懸念を生じさせています。不動産投資市場においては、低金利環境の継続から、国内機関投資家やJ-REIT 等の投資意欲は継続しているものの、足元では慎重な姿勢に転じています。
このような環境下、当社グループでは、東京都心部における中小型オフィスビルに特化し、不動産再生と活用を軸としたオフィスビル事業を展開しております。「お客様に一番近い不動産会社」を目指し、現場でいち早く市場の動向を感じ、掴み、変化に挑戦することで、お客様視点で真のお困りごと解決力を日々磨き、柔軟でしなやかに事業を伸ばしてまいります。中核事業である不動産再生事業では、不動産サービス部門が現場で培った知見や経験を商品化に反映し、ビルの魅力を最大化させる当社独自の部門連鎖型事業モデルが深化してきております。再生商品をお客様から高くご評価いただいた結果、販売棟数が43 棟と大幅に伸長(前年度比+12 棟)したことで売上高は過去最高、また利益率の向上により利益額も過去最高を更新し、グループ全体の業績を牽引しました。不動産サービス事業では、ビルオーナー様に寄り添い、お客様視点での豊富かつ高度なサービスを提供しています。お客様からの信頼を積み上げ、ビルオーナー様や資産家・富裕層といった顧客基盤を伸ばすとともに、リプランニング事業における仕入・商品化・販売の各プロセスにおいて高い付加価値創出の原動力になることで、グループ全体の収益に貢献しました。
一方で、オフィスビル事業に続く事業の柱とすべく、ホテルの開発・再生・運営事業を積極的に展開しております。「心温かいホテル」をテーマに、当期は4ホテルを開業しましたが、開業費用(4月に開業した「たびのホテル鹿島」を含む)の増大等により損失となりました。貸会議室事業では順調に拠点を拡大、合計21拠点となり、売上・利益ともに堅調に拡大しました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高73,218百万円(前期比37.4%増)、営業利益16,571百万円(同24.6%増)、経常利益16,127百万円(同25.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益10,666百万円(同21.4%増)となりました。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
(不動産再生事業)
不動産再生事業では、①リプランニング事業、②賃貸ビル事業、③ホテル開発事業等を行っております。
①リプランニング事業では、仕入・商品化・販売という全てのプロセスにおいて、ビル管理や賃貸仲介、売買仲介等の不動産サービス部門や建設部門の現場で培った知見やノウハウを持ち寄り、付加価値を連鎖的に作り上げ、ビルの魅力を最大化する事業モデルを深化させています。仕入れでは、不動産サービスにおいてビルオーナー様と築いてきた信頼関係をベースに、相続や資産の買い替えの際、優先的に当社へご相談いただき直接お譲りいただける等、他社を介さないルートからの物件仕入が増加しております。また、商品化では、オフィスや街、働き方の進化をしっかり捉え、少し先の未来における働き方のスタイルやシーンをデザインする「ものづくり&サービス」を志向し、テナント様の潜在的なニーズを先取りした、オフィスに対する新たな価値を感じられる商品を提供しております。不動産サービスにおいて蓄積している市場やお客様の声を反映し、建設部門の力で競争力のある仕様にリノベーションし、高稼働かつ高収益なビルに生まれ変わらせています。そして販売においては、地域に根ざし、資産家や富裕層に寄り添う不動産サービス部門との連携により多様な販売ルートを開拓するとともに、街やビル周辺エリアの地歴や社会性も含めて語り、ビルや街が潜在的に持っている価値や目には見えない魅力、将来性をお伝えしながら、資産家・富裕層や事業会社、機関投資家等へ販売しております。また、販売先拡充を図るべく、不動産特定共同事業法に基づく不動産小口化商品の販売を始めています。本商品はビルを所有する際に課題となるビル経営面の煩わしさを省くとともに、相続等の際に分割や譲渡を行いやすいという特長があります。そして、数億円単位の東京都心不動産を一口100 万円(最低購入単位5口)からご購入いただけることにより、販売先の拡充に繋がっており、リプランニング物件の販売における強みのひとつとなっております。お陰様でお客様よりご好評いただき、2019 年9月には第1号案件(800 口、8億円)が完売となり、現在第2号案件の組成を進めております。このように、今後もお客様の多様化するニーズにお応えする差別化した商品づくりと仕入れ・販売面における工夫を図ってまいります。業績は、販売棟数が大幅に伸長したことで売上高が過去最高となったことに加えて、利益率が向上し利益も過去最高を更新しました。
②賃貸ビル事業においては、ストック事業として安定した収益基盤を構築することを目的に、不動産再生、不動産サービス部門で培った不動産オペレーション力を活かしながら、戦略的に賃料収入の増加を図っております。業績は、リプランニング事業の仕入の進捗に伴う保有ビル数の増加等により売上高、利益ともに増加いたしました。
③ホテル開発事業においては、沖縄県恩納村にて進めている当社初の分譲型コンドミニアムホテル「日和オーシャンリゾート沖縄(204 区画)」の開発プロジェクトが順調に進捗しており、第一期販売から第四期販売(合計140 区画)までいずれも登録完売いたしました。
以上の結果、不動産再生事業全体の売上高は60,061百万円(前年同期比32.0%増)となり、セグメント利益は18,855百万円(同26.0%増)となりました。
(不動産サービス事業)
不動産サービス事業では、①プロパティマネジメント事業、②ビルメンテナンス事業、③売買仲介事業、④賃貸仲介事業を行っております。そして、これら各事業部門がそれぞれ現場で培った専門性を持ち寄り協力し、創意工夫を重ねることにより付加価値を連鎖的に生み出し、リプランニング事業における高い収益性を創出する基盤となっております。
①プロパティマネジメント事業においては、きめ細やかなビル管理・メンテナンスによってテナント満足度を高めるとともに、土地勘を強みとしたテナント誘致、適正賃料への条件改定や電力需給契約の見直し等によって収益改善等に取り組むことで、高収益・高稼働なビル経営を実現させております。足元の環境下では、新型コロナウイルスの影響を受けているテナント様や不安を抱えているビルオーナー様に誠実に寄り添い、正確な情報提供と現場を熟知した対応力で、調和の取れたビル経営を推進し、世の中の安定にも資することでお客様からの信頼を積み重ねてまいります。また、ビルオーナー様の資産内容やビル経営の潜在的なお困りごとに対してもご提案を行い、設備改修や省電力化等の工事受注や売買仲介、リプランニング物件の販売機会を創出することで、長期的で安定的な当社グループの顧客基盤と収益基盤の拡充に貢献しております。業績は、これらお客様視点で付加価値の高いサービスを提供してきたことにより、受託棟数、稼働率ともに伸長し、前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
②ビルメンテナンス事業においては、外窓・外壁等のブランコによる高所清掃、補修作業を強みに、プロパティマネジメント部門との協働を推進しております。業績は、防水工事、外壁改修工事が伸長したことにより、前年同期に比べ売上高は横ばいだったものの、利益は増加いたしました。
③売買仲介事業においては、不動産コンサルティングの一環としてプロパティマネジメントや賃貸仲介をはじめとする他部門からの紹介案件にスピード対応で取り組むと共に、リプランニング物件の仕入、販売等に貢献することでグループ全体の業績に貢献しております。業績は、社内からご紹介いただいたビルオーナー様の案件で成約実績を積み上げたこと等により、前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
④賃貸仲介事業においては、2019 年7月に浜松町店を開設し、都心5区を中心とした12拠点のサービス網を展開しております。地域のビルオーナー様に寄り添う身近な相談窓口として機能し、ビルオーナー様のお困りごとを空室という一面のみではなく、高齢化で苦慮する管理や相続、建物の老朽化といった多面的で長期的な視点で捉え、ご提案を行なっております。このようなお客様との日々の細やかなコミュニケーションが、リプランニング事業における仕入や販売、改修工事受注や売買仲介等、お客様視点に立った高い付加価値創出の原動力となり、当社グループの収益に貢献しております。業績は、前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
以上の結果、不動産サービス事業全体の売上高は3,476百万円(前年同期比9.3%増)となり、セグメント利益は2,253百万円(同18.7%増)となりました。
(オペレーション事業)
オペレーション事業では、①ホテル運営事業、②貸会議室事業を行なっております。
①ホテル運営事業においては、2020 年2月に「たびのホテル倉敷水島」(155 室)が開業し、3月末時点で国内16 ホテル(2,108 室)を運営しております(2020 年4月には「たびのホテル鹿島」(194 室)が開業し、17 ホテル(2,302 室)となりました)。今後については、当社グループが自ら開発、所有、運営する方式、外部のオーナー様が所有するホテルを当社グループがオペレーターとして長期賃借する方式、加えてM&A等、多様な方法を活用して運営ホテル数の拡大を図ってまいります。業績は、当連結会計年度で4ホテルを新規開業したことに伴い、売上高は堅調に推移したものの、開業準備費用等の増大および新型コロナウイルス感染拡大による一部ホテルにおける稼働率の著しい低下により、前年同期に比べ売上高は増加しましたが、損失を計上いたしました。
②貸会議室事業においては、2020 年3月にビジョンルーム銀座一丁目別館(198 席)、ビジョンルーム四ツ谷(45 席)をオープンし、3月末時点で貸会議室「ビジョンセンター」11拠点・「ビジョンルーム」6拠点、レンタルオフィス「ビジョンオフィス」3拠点、コワーキングスペース「ビジョンワークス」1拠点の合計21 拠点(約7,300 席)を運営しております。このように拠点網を拡大し、ご利用者様視点でサービス品質を磨いてきたことで、リピーターや紹介によるご利用が着実に増加し、また、大型案件等を中心に稼働率向上に貢献しました。業績は、2020 年2月以降、新型コロナウイルス感染拡大による影響によりキャンセルが相次いだものの、感染症対策(換気、消毒、間隔等)を施した会議室やBCP対策によるサテライトオフィス利用という新しいニーズを取り込めたことによりその影響は限定的に留まり、前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
以上の結果、オペレーション事業全体の売上高は5,405百万円(前年同期比38.7%増)となり、セグメント損失は192百万円となりました。
(その他)
その他では、①滞納賃料保証事業、②海外事業、③建設事業等を行っております。
①滞納賃料保証事業においては、2020 年4月施行の民法改正による機関保証へのニーズの高まりを好機と捉え、ビルオーナー様、協力会社様向けのセミナーを精力的に開催する等、保証システムの浸透と認知度向上に努め、多くの反響とご好評をいただいております。業績は、テナントの保証審査における実態調査を徹底、厳格化し、賃料滞納時には賃料保証のみならず、明け渡しまでを誠実にサポートすることで、ビルオーナー様に寄り添った実績を積み上げた結果、新規保証、再保証ともに取り扱い件数が堅調に推移し、前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
②海外事業においては、成長が期待できる東南アジアへ進出し、日本の高度な施工技術によるマンション・住宅等を中心とした不動産開発を行い、アジアの方々に日本品質を体感いただくことに拘って事業を展開しております。業績は、ベトナム・ダナンにおいて高層分譲マンション「HIYORI Garden Tower(28階建、306戸)」が2019 年12 月に竣工、順次引渡しを開始したことと、同じくダナンにおいて全ての許認可を取得した段階の開発用地を売却したことにより前年同期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加しました。
③建設事業においては、事業用ビルのリニューアル企画や修繕・改修工事、および2019年1月にM&Aによりグループ会社化した株式会社光和工業(2020 年4月1日にSF エンジニアリング株式会社に商号を変更)が内装仕上工事業等を行っております。業績は、受注した工事が順調に進捗し引き渡しとなったこと等により、前年同期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加いたしました。
以上の結果、その他全体の売上高は5,659百万円(前年同期比275.2%増)となり、セグメント利益は1,419百万円(同80.9%増)となりました。
(新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響について)
当連結会計年度における感染症拡大に伴う当社グループ事業の影響は、オペレーション事業(ホテル運営事業、貸会議室事業)において予約キャンセルが相次いだことによる稼働率の著しい低下等の影響があったものの、不動産再生事業、不動産サービス事業ともにほとんど影響が無く、当社グループ全体の経営成績に与える影響は軽微であります。
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)は、生産業務を定義することが困難であるため、生産実績の記載は省略しております。
当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績の記載は省略しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 調整額はセグメント間の取引消去であります。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
3 前連結会計年度の合同会社パシフィックファイブ及び当連結会計年度の合同会社パシフィックスリーに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
4 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度末における総資産は130,293百万円(前期比17.5%増)、負債は65,483百万円(同19.0%増)、純資産は64,809百万円(同16.0%増)となりました。
総資産の増加の主な要因は、流動資産の仕掛販売用不動産の増加18,122百万円、その他に含まれる未収消費税等の増加839百万円、有形固定資産の増加1,074百万円、投資その他の資産に含まれる長期差入保証金の増加1,513百万円等があったものの、一方で現金及び預金の減少1,629百万円、販売用不動産の減少839百万円等があったことによるものであります。
負債の増加の主な要因は、買掛金の増加1,455百万円、1年以内返済予定の長期借入金の増加1,736百万円、未払法人税等の増加904百万円、長期借入金の増加5,155百万円等があったことによるものであります。
純資産の増加の主な要因は、親会社株主に帰属する純利益の計上10,666百万円等の増加があったものの、期末配当金の支払い1,877百万円等があったことによるものであります。
なお、自己資本比率は49.6%(同0.7ポイント減)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動による資金が2,697百万円減少、投資活動による資金が4,441百万円減少、財務活動による資金が5,535百万円増加した結果、期首残高に比べ1,539百万円減少し、当連結会計年度末残高は17,394百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フロー及びそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、2,697百万円(前期は5,988百万円の支出超過)の支出超過となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益16,086百万円及び減価償却1,301百万円、仕入債務の増加による収入1,644百万円等があったものの、一方でたな卸資産の増加による支出16,962百万円及び法人税等の支払額4,735百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、4,441百万円(前期は4,258百万円の支出超過)の支出超過となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,859百万円、差入保証金の差入による支出1,614百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、5,535百万円(前期は6,599百万円の収入超過)の収入超過となりました。これは主に、長期借入れによる収入27,800百万円等があったものの、一方で長期借入金の返済による支出20,895百万円及び配当金の支払額1,875百万円等があったことによるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性について)
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、不動産再生事業に関するたな卸資産の仕入れであります。たな卸資産の仕入れは、個別のたな卸資産を担保とした金融機関からの長期借入金及び営業活動で獲得した資金によって行っております。当該たな卸資産は一年以内を目途に販売することとし、借入金は、月例約定返済を織り込みつつ、たな卸資産の販売時に一括返済することを基本方針としており、資金の流動性は十分に確保されております。
(財務施策について)
当社グループにおける財政施策については、有利子負債に占める短期借入金の比率を下げ、長期借入金の比率を上げることによって加重平均借入期間を伸長させる負債構造としております。加えて、現金及び預金を手厚く確保することを基本方針としており、強固な財務基盤の構築に取り組んでおります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は、実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。