第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

 当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、4月7日に緊急事態宣言が発令されるなど経済活動が大きく停滞し、急速に景気が悪化しました。こうしたなか、5月25日の緊急事態宣言の全面解除後は、政府による大規模な緊急経済対策と日本銀行による資金繰り支援制度や金融緩和政策継続の下支えによって、経済活動は段階的に再開へと向かっているものの、依然予断を許さない状況です。世界経済については、各国でのコロナ感染者数の増加により経済活動が停滞し、また米中の対立が激しさを増すなか、先行きを見通すことが極めて難しい状況となっており、第2波の影響も含めて今後の動向を注視する必要があります。

 不動産市場においては、6月時点の都心オフィスビル市場(都心5区:千代田・中央・港・新宿・渋谷区)の平均賃料は22,880 円(坪単価)と78カ月連続で上昇しましたが、平均空室率が1.97%(前月比0.33ポイント上昇)となり4カ月連続で上昇(民間調査機関調べ)し、オフィス市況にピークアウトの兆しが見られます。足元ではコロナ禍を背景に、一部企業によるリモートワークの促進に伴うオフィス縮小の動きも見られますが、社員が一ヶ所に集中したオフィスを分散させる動きや、BCPの観点によるサテライトオフィス設置等、中小型オフィスに対する実需は堅調です。また不動産投資市場においては、低金利環境の長期化期待から国内機関投資家やJ-REIT等による投資意欲は強いものの、先行き不透明感から慎重な姿勢が見られ、市場センチメントの強弱感が交錯しています。

 当社グループではお客様や従業員のコロナウイルス感染防止に最大限努めております。そうした営業面で制約される事業環境においても、360度カメラを活用してオンラインで非対面の物件案内を可能とするなど、現場発の市場動向・変化をいち早く掴み取り、お客様視点でお困りごとの解決力を日々磨き高め、柔軟に自らが変化することで事業を向上させております。引き続き、当社の中核事業である東京都心部における中小型オフィスビルの再生と活用に経営資源を投入してまいります。

 

 以上の結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高13,672百万円(前年同期比58.1%減)、営業利益2,095百万円(同78.8%減)、経常利益1,952百万円(同80.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,238百万円(同81.5%減)となりました。

 

各セグメントの業績は次のとおりであります。

 (不動産再生事業)

 不動産再生事業では、①リプランニング事業、②賃貸ビル事業、③ホテル開発事業等を行っております。

 ①リプランニング事業では、仕入・商品化・販売という全てのプロセスにおいて、ビル管理や賃貸仲介、売買仲介等の不動産サービス部門や建設部門の現場で培った知見やノウハウを持ち寄り、付加価値を連鎖的に作り上げ、ビルの魅力を最大化する事業モデルを深化・発展させております。

仕入では、コロナ禍によって手控えムードが強まった市場の方向感を見定めながら、慎重に物件を選別しております。また商品化では、日々寄せられるテナント様からの声などの市場の動きに対する感度を高め、オフィスや街、働き方の変化をしっかり捉え、新しい価値観に基づく新常態の中でも選ばれるオフィスづくりを目指しております。更に販売においては、賃貸仲介部門や不動産管理部門と緊密に連動して不動産価値を差別化し、内外の幅広い顧客からの多様なニーズに応えております。特に不動産特定共同事業法に基づく不動産小口化商品は、前期に完売した第1号案件に続いて第2号案件(11.5億円)の組成を進めた結果、当社グループの顧客基盤を拡充させております。

コロナ禍のなか5棟(セグメント平均利益率27.7%)を販売したものの、複数の大型案件を含む19棟(同34.8%)を販売した前年同期からの反動減により、業績は前年同期に比べ売上高、利益ともに大幅な減少となりました。

 ②賃貸ビル事業においては、ストック事業として安定した収益基盤を構築することを目的に、不動産サービス部門で培ったオペレーション力を活かしながらリプランニング事業の賃貸ビルを拡充し、中長期的に賃料収入の増加を図っております。しかしながら、コロナ禍によりホテル業績が悪化し、一部ホテルの休館による賃料免除の影響もあり、前年同期に比べ売上高は横ばいだったものの、利益は減少いたしました。

 ③ホテル開発事業においては、沖縄県恩納村にて進めている当社初の分譲型コンドミニアムホテル「日和オーシャンリゾート沖縄(204区画)」の開発プロジェクトが順調に進捗しており、第一期販売から第四期販売まで合計140区画について、登録完売となりました。また、7月より第五期販売(8区画)を開始いたしました。一方、コロナ禍によって観光事業の今後の見通しが厳しいことに鑑み、ホテル新規開発案件への取り組みは見合わせております。

 

以上の結果、不動産再生事業全体の売上高は10,354百万円(前年同期比66.0%減)となり、セグメント利益は2,819百万円(同73.6%減)となりました。

 

(不動産サービス事業)

 不動産サービス事業では、①プロパティマネジメント事業、②ビルメンテナンス事業、③売買仲介事業、④賃貸仲介事業を行っております。そして、これら各事業部門がそれぞれ現場で培った専門性を持ち寄り協力し、創意工夫を重ねることにより付加価値を連鎖的に生み出し、リプランニング事業における高い収益性を創出する基盤となっております。

 ①プロパティマネジメント事業においては、きめ細やかなビル管理・メンテナンスによってテナント満足度を高めるとともに、土地勘を強みとしたテナント誘致、適正賃料への条件改定や電力需給契約の見直しによる収益改善等に取り組むことで、高収益・高稼働なビル経営を実現させております。コロナ禍の影響を受けているテナント様や不安を抱えているビルオーナー様に誠実に寄り添い、正確かつ迅速な情報提供を行い、コロナウイルスの影響から生じる新たなご要望やお困りごとにも、今まで培ってきた経験と組織力を活かして解決に尽力しております。お客様視点で付加価値の高いサービスの提供を継続してきたことにより、受託棟数、稼働率ともに伸長し、業績は、前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。

 

 

2018年6月

2019年6月

2020年6月

受託棟数

381棟

374棟

      397棟

稼働率

95.9%

97.6%

      97.9%

 

 

 ②ビルメンテナンス事業においては、外窓・外壁等のブランコによる高所清掃、防水工事、外壁改修工事を強みに、プロパティマネジメント部門との協働を推進しております。新たにコロナウイルス除染消毒作業の需要の取込みがあったものの、緊急事態宣言下で休業を強いられたお客様からの受注が減少した影響もあり、業績は、前年同期に比べ売上高は微減、利益は減少しました。

 ③売買仲介事業においては、不動産コンサルティングの一環としてプロパティマネジメントや賃貸仲介をはじめとする他部門からの紹介案件にスピード対応で取り組むと共に、リプランニング物件の仕入、販売等、グループ全体の事業推進に貢献しております。業績は、前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。

 ④賃貸仲介事業においては、都心5区を中心とした12拠点のサービス網を展開しております。地域のビルオーナー様に寄り添う身近な相談窓口として機能し、ビルオーナー様のお困りごとを空室という一面のみではなく、高齢化で苦慮する管理や相続、建物の老朽化といった多面的で長期的な視点で捉えております。現場においてお客様との対話から不動産に関して抱える様々な「お困りごと」を掴み、その解決に取り組むことで、仕入や販売、工事受注や売買仲介等の機会を創出するなど、不動産サービスのご提供に取り組んでおります。コロナ禍の影響を受け、業績は、前年同期に比べ売上高、利益はともに減少いたしました。

 

 以上の結果、不動産サービス事業全体の売上高は820百万円(前年同期比2.8%減)となり、セグメント利益は552百万円(同1.6%増)となりました。

 

(オペレーション事業)

 オペレーション事業では、①ホテル運営事業、②貸会議室事業を行なっております。

 ①ホテル運営事業においては、2020年4月に「たびのホテル鹿島」(194室)が開業し、16ホテル(2,302室)となりました。ビジネスニーズの高いエリアにおけるホテルの稼働率が一定水準で底堅く推移したものの、インバウンド客の急激な減少や観光施設(名所旧跡、テーマパーク等)の閉鎖の影響もあり、7ホテルの一時休館を余儀なくされ、営業を継続していたホテルにおいても稼働率は著しく低下いたしました。このため経費削減に努めたものの、業績は、前年同期に比べ売上高の減少が大きく、損失を計上いたしました。

 ②貸会議室事業においては、6月末時点で貸会議室「ビジョンセンター」11拠点・「ビジョンルーム」6拠点、レンタルオフィス「ビジョンオフィス」3拠点、コワーキングスペース「ビジョンワークス」1拠点の合計21拠点(約7,300席)を運営しております。これまでご利用者様からの視点をもってサービス品質を磨いてきたことにより、リピーターや紹介による潜在的なお客様が増加しております。コロナ禍の影響により、4月~5月はキャンセルが相次いだものの、緊急事態宣言解除後においては、回復基調にある需要を一定程度取り込むことができました。また、感染症対策、オンライン設備の配置等、新しいニーズに素早くお応えするとともに、徹底したコスト削減を行ったものの、業績は前年同期に比べ売上高は横ばい、利益は減少いたしました。

 

以上の結果、オペレーション事業全体の売上高は589百万円(前年同期比53.9%減)となり、セグメント損失は357百万円(前年同期はセグメント利益108百万円)となりました。

 

(その他)

 その他では、①滞納賃料保証事業、②海外事業、③建設事業等を行っております。

 ①滞納賃料保証事業においては、2020年4月施行の民法改正による機関保証へのニーズの高まりを好機と捉え、ビルオーナー様、協力会社様向けのセミナーを精力的に開催する等、保証システムの浸透と認知度向上に努め、多くの反響とご好評をいただいております。また、保証契約は、テナントの保証審査における実態調査を徹底、厳格化し、賃料滞納時には賃料保証のみならず、明け渡しまでを誠実にサポートすることでビルオーナー様に寄り添ったサービスを提供しております。業績は、新規保証、再保証ともに取り扱い件数が堅調に推移し、前年同期に比べ売上高が増加したものの、コロナ禍の影響を受けて賃料の滞納も生じてきており、保証履行引当金等の増加により利益は減少いたしました。

 ②海外事業においては、成長が期待できる東南アジアへ進出し、日本の高度な施工技術によるマンション・住宅等を中心とした不動産開発を行い、アジアの方々に日本品質を体感いただくことに拘って事業を展開しております。業績は、ベトナム・ダナンにおいて高層分譲マンション「HIYORI Garden Tower」が2019年12月に竣工、順次引渡しが進んでおります。今年1月から3月の引き渡し完了分は、当第1四半期連結累計期間に計上されたことから、前年同期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加しました。

 ③建設事業においては、事業用ビルのリニューアル企画や修繕・改修工事、および内装仕上工事業等を行っております。業績は、前年同期には大型工事の引き渡しがあったことにより前年同期に比べ売上高、利益ともに減少いたしました。

 

 以上の結果、その他全体の売上高は2,206百万円(前年同期比558.5%増)となり、セグメント利益は635百万円(同1440.7%増)となりました。

 

(2)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(3)研究開発活動

該当事項はありません。

 

(4)生産、受注及び販売の実績

当第1四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績について著しい変動はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。