第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)財政状況及び経営成績の状況

 

 当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響による第1四半期連結累計期間における大幅なGDP実質成長率の落ち込みから、政府による大規模な緊急経済対策と日本銀行による資金繰り支援制度や金融緩和政策継続の下支え等で回復の兆しがみられました。しかし、コロナ感染の再拡大による経済への影響等、今後の動向を注視する必要があります。また世界経済についても、各国で大規模な財政支援や金融緩和等が実施されているものの、米国、インド、ブラジル等での継続的なコロナウイルス感染拡大、欧州での感染再流行、米中間の多方面にわたる対立の激化、発展途上国における大規模なコロナ対策に伴う財政悪化等、今後の見通しが極めて難しい状況となっています。

 わが国の不動産市場においては、9月時点の都心オフィスビル市場(都心5区:千代田・中央・港・新宿・渋谷区)の平均賃料は22,773円(坪単価)と2カ月連続で下落、平均空室率は3.43%となり7カ月連続で計1.94ポイント上昇(民間調査機関調べ)し、オフィス市況は悪化に転じていると見られます。足元ではコロナ禍を背景に、一部企業によるリモートワークの促進に伴うオフィス縮小の動きも見られますが、好業績企業の増床や社員が一ヶ所に集中したオフィスを分散させるBCPの動き等中小型オフィスに対する実需は堅調です。一方、不動産投資市場においては、低金利環境の長期化期待から国内機関投資家やJ-REIT等による投資意欲は強いものの、先行き不透明感から慎重な姿勢が見られ、市場センチメントの強弱感が交錯しています。

 こうした中、当社グループではお客様や従業員のコロナウイルス感染防止に最大限努めております。そうした営業面で制約される事業環境においても、現場からの市場動向・変化をいち早く掴み取り、お客様視点でお困りごとの解決力を日々磨き高め、柔軟に自らが変化することで事業を展開させております。引き続き、当社の中核事業である東京都心部における中小型オフィスビルの再生と活用に経営資源を集中してまいります。

 

 以上の結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高32,164百万円(前年同期比20.8%減)、営業利益5,667百万円(同49.4%減)、経常利益5,384百万円(同51.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益3,459百万円(同54.1%減)となりました。

 

各セグメントの業績は次のとおりであります。

(不動産再生事業)

 不動産再生事業では、①リプランニング事業、②賃貸ビル事業、③ホテル開発事業等を行っております。
 ①リプランニング事業では、ビルの仕入から企画・開発、テナント入居、そして販売とその後のサポートに至るまで、全てのプロセスを自社で内製化しています。ビル管理、賃貸仲介、売買仲介等の不動産サービス部門や建設部門等各部門がそれぞれの現場で培った知見やノウハウを持ち寄り、お客様の意向を細かく把握した改良改善を重ね、付加価値の高い商品を創り上げ、ビル経営における様々なサービスを提供しています。このお客様視点の付加価値創出力が当社の強みとなっています。仕入では、市場の方向感を見定めながら、慎重に物件を選別しております。また商品化では、日々寄せられるテナント様からの声などの市場の動きに対する感度を高め、オフィスや街、働き方の変化をしっかり捉え、新しい価値観に基づき、新常態の中でも選ばれるオフィスづくりを目指しております。その具体的な表れとして、当社のセットアップオフィスを曜日単位でご契約いただける「WEEK」のご提供を7月より開始し、また11月には、当社として初となる1棟シェアオフィス「Creative Art Office『A Yotsuya(エーヨツヤ)』」(壁画のアートをテーマとした全22室)を新宿区四谷にグランドオープンしました。更に販売においては、賃貸仲介部門やビル管理部門と緊密に連動して、安定的な不動産収益を保つこと等により、ビルの価値を維持、拡大し、国内外の幅広いお客様からのニーズにお応えしております。更に不動産特定共同事業法に基づく不動産小口化商品は、前期に完売した第1号案件に続いて第2号案件(11.5億円)を組成した結果、当社グループの顧客基盤を拡充させております。これらの結果、リプランニング事業の販売棟数は、コロナ禍の中にあっても15棟(セグメント利益率27.6%)を販売したものの、前年同期の大型案件を含む24棟(同率34.6%)の販売と比較し、売上高、利益ともに大幅に減少となりました。

 ②賃貸ビル事業においては、ストック事業として安定した収益基盤を構築することを目的に、不動産サービス部門で培ったオペレーション力を活かしながらリプランニング事業の賃貸ビル物件数を拡大し、中長期的に賃料収入の増加を図っております。しかしながら、ホテル事業からの賃料収入減少、サブリース事業の拡大に伴う支払賃料の先行により、前年同期に比べ売上高は微増だったものの、利益は減少いたしました。

 ③ホテル開発事業においては、沖縄県恩納村にて進めている当社初の分譲型コンドミニアムホテル「日和オーシャンリゾート沖縄(203区画)」の開発が順調に進捗しており、第一期販売から第五期販売まで合計135区画について、登録完売となりました。また、11月より第六期販売(5区画)を開始いたしました。一方、コロナ禍の影響によって観光事業の今後の見通しが不透明であることを鑑み、現在建築中のホテルを除き、新規案件への取り組みは見合わせております。

 

以上の結果、不動産再生事業全体の売上高は26,138百万円(前年同期比26.6%減)となり、セグメント利益は7,136百万円(同41.9%減)となりました。

 

 (不動産サービス事業)

 不動産サービス事業では、①プロパティマネジメント事業、②ビルメンテナンス事業、③売買仲介事業、④賃貸仲介事業を行っております。そして、これら各事業部門がそれぞれ現場で培った専門性を持ち寄って協力し、創意工夫を重ねることにより付加価値を連鎖的に生み出し、リプランニング事業における高い収益性を創出する基盤にもなっております。

 ①プロパティマネジメント事業においては、きめ細やかなビル管理・メンテナンスによってテナント様の満足度を高めるとともに、地域に密着した強みを活かしたテナント様誘致、適正賃料への条件改定や電力需給契約の見直しによる収益改善等に取り組むことで、高収益・高稼働なビル経営を実現させております。コロナ禍の影響を受けているテナント様や不安を抱えているビルオーナー様に誠実に寄り添い、正確かつ迅速な情報提供を行い、コロナウイルスの影響から生じる新たなご要望やお困りごとにも、これまで培ってきた経験と組織力を活かして解決しております。お客様視点で付加価値の高いサービスのご提供を継続してきたことにより、コロナ禍においても高稼働率水準を維持しつつ、受託棟数は400棟を超え、業績は前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。

 

 

2018年9月

2019年9月

2020年9月

受託棟数

378棟

381棟

403棟

稼働率

97.2%

98.9%

96.8%

 

 

 ②ビルメンテナンス事業においては、外窓・外壁等のブランコによる高所清掃、防水工事、外壁改修工事を強みに、プロパティマネジメント部門との協働を推進しております。新たにコロナウイルス除染消毒作業の需要の取込みがあったものの、緊急事態宣言下で休業を強いられたお客様からの受注が減少した影響もあり、業績は、前年同期に比べ売上高、利益とも微減となりました。

 ③売買仲介事業においては、不動産コンサルティングの一環としてプロパティマネジメント事業や賃貸仲介事業をはじめとする他部門からの紹介案件にスピード対応で取り組むと共に、リプランニング物件の仕入、販売等、グループ全体の事業推進に貢献しております。業績は、前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。

 ④賃貸仲介事業においては、都心5区を中心とした12拠点のサービス網を展開しております。地域のビルオーナー様に寄り添う身近な相談窓口として機能し、お困りごとを空室という現象の一面のみではなく、現場におけるお客様との対話から高齢化で苦慮する管理や相続、建物の老朽化といった不動産に関する様々な根源的なお困りごとを掴み、多面的で長期的な視点でその解決に取り組むことで、リプランニング事業の仕入や販売、工事受注や売買仲介等の機会を創出するなど、再生事業全体の強化・充実につながっております。また、テナントリーシングの現場において借り手のニーズをこと細かく把握し、共に考えたり研究や提案を繰り返したりする中で、いち早く変化を先取りし、中小型ビル市場のユーザーインの視点に立ち、ニーズの創出を行なっております。コロナ禍の影響を受け、業績は、前年同期に比べ売上高、利益ともに減少いたしました。

 

以上の結果、不動産サービス事業全体の売上高は1,707百万円(前年同期比0.5%減)となり、セグメント利益は1,141百万円(同3.3%増)となりました。

 

 (オペレーション事業)

 オペレーション事業では、①ホテル運営事業、②貸会議室事業を行なっております。

 ①ホテル運営事業においては、2020年4月に「たびのホテル鹿島」(194室)が開業し、15ホテル(2,092室)となりました。ビジネスニーズの高いエリアにおけるホテルの稼働率が一定水準で底堅く推移したものの、インバウンド客の急激な減少や観光施設の閉鎖の影響もあり、7ホテルの一時休館を余儀なくされ、稼働率も著しく低下いたしました。このため経費削減に努めたものの、業績は、前年同期に比べ売上高の減少が大きく、損失を計上いたしました。当第2四半期連結累計期間に開始されたGo To トラベルの浸透、拡大(東京発着の開始)や、各種イベントの復活もあり、今後の回復が期待されます。

 ②貸会議室事業においては、9月末時点で貸会議室「ビジョンセンター」11拠点・「ビジョンルーム」6拠点、レンタルオフィス「ビジョンオフィス」3拠点、コワーキングスペース「ビジョンワークス」1拠点の合計21拠点(約7,300席)を運営しております。お客様視点をもってサービス品質を磨き続けてきており、リピーターや紹介によるお客様が増加しております。感染症対策、オンライン設備の配置、オーダーメイドオフィス、定額制会議室の新サービスの開始等、新しいお客様ニーズに素早くお応えするとともに徹底したコスト削減を行ったものの、業績は前年同期に比べ売上高、利益とも減少いたしました。

 

以上の結果、オペレーション事業全体の売上高は1,378百万円(前年同期比49.2%減)となり、セグメント損失は621百万円(前年同期はセグメント利益207百万円)となりました。

 

 (その他)

 その他では、①滞納賃料保証事業、②海外事業、③建設事業等を行っております。

 ①滞納賃料保証事業においては、保証契約実行に際し、テナントの保証審査における実態調査を徹底、厳格化し、賃料滞納時には賃料保証のみならず、明け渡しまでを誠実にサポートすることでビルオーナー様に寄り添ったサービスを提供しており、コロナ禍に当たって、空室の増加、テナント様の信用懸念、個人保証からの切り替え等によるビルオーナー様からのご相談が増加しました。こうした背景から業績は、新規保証、再保証ともに取り扱い件数が堅調に推移し、前年同期に比べ売上高が増加したものの、コロナ禍の影響を受けて賃料の滞納増を背景とした保証履行引当金の積み増し等により利益は減少いたしました。

 ②海外事業においては、成長が期待できる東南アジアへ進出し、日本の高度な施工技術によるマンション・住宅等を中心とした不動産開発を行い、アジアの方々に日本品質を体感いただくことに拘って事業を展開しております。業績は、ベトナム・ダナンにおいて高層分譲マンション「HIYORI Garden Tower」(306戸)が2019年12月に竣工、今年9月に引渡しが完了しました。今年1月から6月の引き渡し分は、当第2四半期連結累計期間に会計上計上されたことから、前年同期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加しました。

 ③建設事業においては、事業用ビルのリニューアル企画や修繕・改修工事、および内装仕上工事業等を行っております。業績は、前年同期の大型工事引き渡しの反動減により、売上高、利益ともに減少いたしました。

 

 以上の結果、その他全体の売上高は3,498百万円(前年同期比206.5%増)となり、セグメント利益は964百万円(同178.7%増)となりました。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動による資金が7,622百万円増加、投資活動による資金が406百万円増加、財務活動による資金が96百万円減少した結果、期首残高に比べ7,900百万円増加し、当第2四半期連結累計期間末残高は25,294百万円となりました。

当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フロー及びそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動においては、7,622百万円(前年同期は951百万円の支出超過)の収入超過となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益5,378百万円及びたな卸資産の減少による収入4,531百万円、減価償却費の計上額727百万円、未収消費税等の減少による収入を含むその他の増加720百万円等、法人税等の支払額3,395百万円及び売上債権の増加による支出619百万円等があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動においては、406百万円(前年同期は4,351百万円の支出超過)の収入超過となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入1,232百万円、定期預金の預入による支出464百万円及び有形固定資産の取得による支出237百万円等があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動においては、96百万円(前年同期は3,474百万円の収入超過)の支出超過となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出10,366百万円及び配当金の支払額2,045百万円、短期借入金の返済による支出478百万円等、長期借入れによる収入9,816百万円及び非支配株主からの払込みによる収入3,000百万円等があったことによるものであります。なお、非支配株主からの払込みによる収入は、子会社での優先株式発行によるものであります。

 

(資本の財源及び資金の流動性について)

当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、不動産再生事業に係るたな卸資産の仕入れであります。たな卸資産の仕入れは、個別のたな卸資産を担保とした金融機関からの借入金及び営業活動で獲得した資金によって行っております。当該たな卸資産は一年以内を目途に販売することとし、借入金は、月例約定返済を織り込みつつ、たな卸資産の販売時に一括返済することを基本方針としており、資金の流動性は十分に確保されております。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

該当事項はありません。

 

(5)生産、受注及び販売の実績

当第2四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績について著しい変動はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。