(1) 経営方針・経営戦略等
当社グループは、以下の経営理念と企業哲学を経営の基本方針として事業に取り組んでおります。
(経営理念)
「全従業員を守り、物心の幸福を追求することを旨とし、同時に共生の心をもって人類・社会の繁栄に貢献する。」
(企業哲学)
「我々社員は仕事を通して知識・技能・人格を溢れる熱意で向上させ、不動産ストックの活用と流通に専念することにより、再生産不可能な資源の無駄遣いをおさえ、永続的な地球上の人類や動植物の繁栄に寄与する。」
当社グループは、中長期的に安定した成長を目指し、収益性・生産性の観点から売上高経常利益率20%以上を、また、財務の安全性の観点から自己資本比率50%水準を、株主資本をいかに効率的に運用できたか表すROE10%以上の水準をそれぞれ維持することを重視しております。
我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、停滞が長期化しております。ワクチン接種の普及により今後の経済正常化が期待されるものの、2021年4月には緊急事態宣言が再発出されており、今後の見通しは不透明なことから引き続き動向を注視する必要があります。また世界経済については、各国で大規模な財政支援や金融緩和等が継続されていることに加え、ワクチン接種が大幅に普及している国もあり、今後の回復が期待されるものの、今後の見通しは新型コロナウイルス感染症等の影響により依然として不透明な状況と言えます。
当社グループ事業における環境認識は以下のとおりであります。
当社グループは、2019年3月期から2023年3月期までを対象とする5ヵ年の中期経営計画を推進しております。中期経営計画の初年度となる2019年3月期、続く2020年3月期は、計画を上回る進捗で順調に業績を伸ばしておりましたが、2020年初頭からの新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響で、当社を取り巻く事業環境が大きく変わりました。そのような中、当社グループは「感染拡大防止の徹底と事業の継続」、「財務の安定性」、「本業である『不動産の再生と活用』への資源の集中」という3つの経営方針のもと、現場の動向やお客様の声をいち早く掴み、お客様のお困りごと解決力を磨き、事業を展開してまいりました。
新型コロナウイルスの感染拡大は、未だ収束の見通しは立っていないものの、今後、ワクチンが普及するとともに、各国の大型財政出動や金融緩和の継続によって、世界経済は底を打ち、来年には回復軌道に戻ることが想定されております。こうした事業環境の変化および「アフターコロナ」の新常態を考慮し、コロナ禍の影響をうけた2021年3月期を起点に、持続的な成長軌道を再設定するため、中期経営計画の達成時期の見直しが必要との判断にいたりました。
中期経営計画で掲げる財務目標(売上高1,000億円、経常利益200億円、親会社株主に帰属する当期純利益140億円)は、当社グループの持続的な成長過程における一通過点として変えることなく、「フローとストックの両足で立つ」収益構造の確立に向けて、中期経営計画の最終年度を2025年3月期へ2年間延長させていただきます。
新型コロナウイルスの影響を大きく受けた今、基本方針に定めた「人が集まり、心を通わせ、社会の発展と人々の幸せを創出していく場」を提供することを、オフィス事業、ホテル事業、海外事業それぞれで叶えてまいります。そして、ESG、デジタル、キャッシュフローを重視し、変化・挑戦することで各事業を進化させ、新たな高い付加価値の創出に努めてまいります。
当社グループの強みは、社是である「利他」の価値観であり、当社グループのフィロソフィをベースとした心の絆で結ばれた社員の結束力です。これまで各々は、お客様視点で高い専門性により生み出す付加価値を部門を越えたチームワークで高めることによって、お客様のお困りごとを解決してまいりました。これからの新常態下、人財や働き方が多様化する中においても、当社グループのフィロソフィをベースとしてお客様の期待以上で応える事業方針を継続してまいります。
〈ご参考〉
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.当社グループを取り巻く事業環境及び当社事業の特性等について
(1) 事業環境
当社グループは、東京都心部を中心に「不動産再生と活用」に取り組み、企業としての市場競争力を高めるべく影響力のある都心部のオフィスビル及び商業ビルを中心に、仲介・管理・保証・工事・賃貸・売買等の一貫した不動産サービスをワンストップで展開しております。しかしながら、経済情勢が悪化し、空室率の上昇や賃料の下落といったように不動産市況が低迷した場合には、当社グループの経営成績、財政状態が影響を受ける可能性があります。
(2) 新型コロナウイルス感染症への対応と事業における主な影響について
①全社的な感染拡大防止の取り組みとして、モバイルワークやサテライトオフィスの活用、時差通勤など、各事業現場に応じた働き方を導入。また、三密回避を徹底しながらもWeb会議やチャットツールを活用し、社員間のコミュニケーションの質と量を維持してまいりました。
②オフィスビル事業においては、管理を受託しているビルに入居するテナントから賃料の減額・減免の要請や解約の申し出がありました。特に飲食店やスポーツジム等、コロナ禍で事業に逆風が吹くテナントからの要請が多くありました。一方、BCPオフィスや、リモートワーク浸透によるオフィス面積の縮小・分散で、当社が得意とする中小型オフィスビルへのご移転のお問い合わせが増えたほか、IT関連企業などコロナ禍においても事業を伸ばす企業の増床や拡張移転もみられ新たなニーズも生まれてきております。しかしながら、コロナウイルス感染症の影響が今後も長引き、空室率の上昇や賃料の下落といったように不動産市況が低迷した場合には、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ホテル運営事業においては、ビジネスニーズの高いエリアにおけるホテルの稼働率は、一定の水準で底堅く推移した一方で、訪日外国人の入国の急激な減少や、観光地(名所旧跡、テーマパーク等)の入場制限等に伴って休館を余儀なくされたホテルや、特に都市部のホテルの稼働率は大幅に低下いたしました。コロナウイルスの感染が収束せず、ホテルの稼働率低迷が続いた場合には、当社グループの経営成績、財政状態にさらに影響を及ぼす可能性があります。
(3) リプランニング事業の特性
①リプランニング事業は、主に事業用不動産を対象とした再生事業であり、不稼動又は空室率が高く低収益の事業用不動産を再生することにより収益の改善を実現させる事業であります。売却先は主に不動産賃貸収入を目的とした投資を行う個人・法人等であります。
経済情勢の悪化や信用収縮等により金融市場に混乱が発生した場合、不動産の流通市場が低迷するおそれがあり、リプランニング事業で扱う物件のたな卸資産としての評価額が下がり、また、販売活動が計画通り進まず、当社グループの経営成績、財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。
②リプランニング事業は、主に金融機関からの借入により資金調達し物件を購入するため、有利子負債残高は物件購入及び売却の状況によって変動します。資金調達にあたりましては、特定の金融機関からの借入に依存することなく、常に複数の金融機関との均衡を図りつつ、安定的、かつ適正な条件での資金調達に努めております。また、不動産証券化等にも取り組み、有利子負債の増加を抑えつつ不動産の取得・事業化を進めてきております。しかしながら、信用収縮等による金融市場の混乱が発生した場合には、事業の展開に必要な資金調達が進まず、当社グループの経営成績、財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。
③リプランニング事業は、物件を購入し、リプランニング完了後に売却を行いますが、当該事業の売上原価及び売上高は物件の売却時に計上されます。また、一取引当たりの金額は、他の不動産サービスやオペレーション事業の収入等に比較して高額となっております。したがって、その売却の時期や金額の変動等により、当社グループの経営成績、財政状態が影響を受ける可能性があります。
(4) 競合の状況
当社グループの事業は、リプランニング事業、ホテル開発事業、賃貸ビル事業・サブリース事業、不動産証券化事業、アセットマネジメント事業、事業用不動産の売買仲介・賃貸仲介、プロパティマネジメント事業、ビルメンテナンス事業、ホテル運営事業、貸会議室事業、海外事業、建設事業及び滞納賃料保証事業から構成されており、これら各事業が有機的に結合し、事業用不動産に係る一貫したサービスを提供するところにその特徴があります。
そして、各事業部門の機能を連鎖させることにより発揮する総合力、及び顧客の広範なネットワークから潜在的な優良物件を購入する等、各部門が連動した事業運営を行なうことにより競争力の維持・強化、競合他社との差別化を図っております。しかしながら、この優位性が保たれない場合は、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) ホテルの開発について
ホテルの企画、開発、再生から運営に至るまでを当社グループが担いますが、所有物件に関して、一部は安定稼働後に投資家へ販売する場合もございます。ただし、物件販売後も当該物件を賃借し継続して運営することを基本的なビジネスモデルとする方針であり、開発及び再生に係る収益及びコストはホテル開発事業に計上し、保有に係る収益及びコストは賃貸ビル事業に計上し、運営に係る収益及びコストはホテル運営事業に計上しております。
ホテル開発においては、これまでリプランニング事業で主力としてきたオフィスビルの再生とは異なり、自社にて土地を仕入れ、一から開発を行う場合があります。そのような場合には、竣工までに相当の期間を必要とするため、ホテルの宿泊収入等の収益を計上できない期間が長くなることや、事業期間が相対的に長くなることによって景気変動の影響を受けやすくなることで、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) ホテルの運営について
ホテル運営事業は、一般的に景気動向や個人消費の動向等の影響を受けやすい傾向にあり、景気の低迷による企業の出張需要の減少や個人のレジャー需要の減少、新規ホテルの開業による客室の供給過剰、あるいは感染症の流行等により、客室料金や客室稼働率の低下が起こる場合等、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、為替の変動、近隣国との領土問題や反日感情の増大等の情勢変化が生じた場合、外国人観光客の減少、海外渡航の自粛または消費マインドの減退に繋がることが予想され、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) カントリーリスクについて
当社グループは、海外事業の拡大を戦略の一つとしていますが、海外では為替動向、宗教や文化及び商習慣の相違、経済情勢の不確実性、紛争・内乱・テロ・暴動等政情不安、現地における労使関係のトラブル等のリスクに直面する可能性があります。また、投資規制、送金に関する規制、税率変更を含む税制改正等、政治的、経済的、法的あるいはその他の障害に伴うリスクがあります。海外事業の拡大においては、投資利益の実現までに長い期間を要することがあり、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 災害等について
地震・暴風雨・洪水等の自然災害、戦争、テロ、火災等の人災が発生した場合には、当社グループが保有・管理・投資を行っている不動産の価値が大きく毀損する可能性があり、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 訴訟等のリスク
当社グループが売買・賃貸・売買又は賃貸の仲介・管理等を行う物件に関連して、取引先又は顧客等による訴訟その他の請求が発生する可能性があります。これらの訴訟等の内容・結果によっては当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2.資産評価について
(1) 販売用不動産(仕掛販売用不動産を含む)の評価に関するリスク
当社グループは、販売用不動産及び仕掛販売用不動産(オフィスビル、ホテル資産等)の棚卸資産を多く保有しております。これらの棚卸資産の評価については、正味売却価額により評価が行われており、正味売却価額は販売見込額から工事原価の今後発生見込額及び販売経費等見込額を控除した額であり、販売見込額は主として、当社が策定した事業計画に基づき見積もった収益還元価額であります。また、これらの棚卸資産については、新型コロナウイルスの影響を含む商品化の遅延等による所有期間の長期化やテナントリーシングの状況、ホテル稼働率等運営状況による収益性、不動産の投資利回りの変動、市場金利の上昇等のリスクに晒されており、正味売却価額が下落し、評価損の認識等を行う可能性があります。この結果、当社グループの経営成績、財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。
(2) ホテル事業に係る固定資産の減損損失に関するリスク
当社グループは、不動産再生事業セグメントのホテル開発事業及びオペレーション事業セグメントのホテル運営事業において、固定資産(建物、建物附属設備、土地、ソフトウェア等)を保有しております。これらの固定資産については、将来における不動産市況の変化、ホテル客室の稼働率の低下等のリスクに晒されており、新型コロナウイルスの影響により、ホテル客室の稼働率が低下して収益性が低下しているため、経営環境の著しい悪化に該当するとして、減損の兆候が生じております。減損の兆候が生じた固定資産の減損損失の認識の判定は、ホテルの事業計画を基礎として、ホテルに係る主要な資産の経済的残存使用年数に亘って得られる割引前将来キャッシュ・フローの見積総額と、ホテルの資産グループの帳簿価額の比較によって行われ、一部の固定資産については減損損失を認識しております。今後、上記のリスクの拡大に伴い割引前将来キャッシュ・フローの見積総額が減少した場合には、固定資産の減損損失が発生する可能性があります。この結果、当社グループの経営成績、財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。
3.法的規制について
当社グループの事業は、宅地建物取引業法、建設業法、不動産の鑑定評価に関する法律、不動産投資顧問業登録規程、金融商品取引法、建築士法、警備業法、マンションの管理の適正化の推進に関する法律、賃貸住宅管理業者登録規程、建築物における衛生的環境の確保に関する法律等による法的規制を受けており、関連許認可を得ております。
当社グループの主要な業務に係る免許や許認可等の有効期限等は下記のとおりであり、現在、当該免許及び許認可等が取消となる事由は発生しておりませんが、万一、将来このような事由が発生した場合、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、今後、これらの関係法規が改廃された場合や新たな法的規制が設けられた場合にも、当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。
(1) 有効期間その他の期限が法令、契約等により定められている主なものは以下のとおりであります。
(2) 不動産証券化事業を行うに当たりましては、資産流動化法に基づく特定目的会社、会社法に基づく株式会社・合同会社のいずれかにより設立されたSPC(特別目的会社)を利用することになります。この内、資産流動化法に基づく特定目的会社により、証券化事業を行う場合には資産流動化法の規制を受けることになります。
4.会計基準・不動産税制の変更について
会計基準、不動産税制に関する変更があった場合、物件の取得、売却のコスト増加等により当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
5.個人情報保護
当社グループは業務上、ビルオーナー様、テナント様、ホテル宿泊者等の個人情報を保有する「個人情報取扱事業者」に該当し、今後の事業拡大につれ関連情報が増加することが予想されます。これに対しては、情報管理体制を強化し、内部情報管理の徹底を図っておりますが、不測の事態により、顧客情報等個人情報が外部に流失した場合は当社グループの信用を毀損し、経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、停滞が長期化しております。ワクチンの普及により今後の経済正常化は期待されるものの、2021年4月には緊急事態宣言が再発出されており、今後の見通しは不透明なことから引き続き動向を注視する必要があります。また世界経済については、各国で大規模な財政支援や金融緩和等が継続されていることに加え、ワクチン接種が大幅に普及している国もあり、今後の回復が期待されるものの、今後の見通しは新型コロナウイルス感染症等の影響により依然として不透明な状況と言えます。
わが国の不動産市場は、3月時点の都心オフィスビル市場(都心5区:千代田・中央・港・新宿・渋谷区)の平均賃料は21,541円(坪単価)と8カ月連続の下落(計1,473円)、平均空室率は5.42%と13カ月連続の悪化(計3.93%pt上昇)となり(民間調査機関調べ)、市況は厳しさを増しております。コロナ禍を背景に、一部企業によるリモートワーク定着に伴うオフィス縮小の動きは見られるものの、当社が得意領域とする中小型オフィスにおいては、この環境下においても業績を伸ばした企業の増床や、大規模オフィスを複数の中小型オフィスに分散させる動き等により実需は底堅く推移しております。一方、不動産投資市場は、東京のオフィス市場の先行きに一定程度の底入れの見通しが立ってきたこと、また低金利環境が継続していることから、機関投資家やJ-REIT等による投資意欲は強いものがあります。
こうした中、当社においては、昨年から掲げている「新型コロナウイルス感染拡大防止の徹底と事業の継続」、「財務の安定性を保つこと」、「本業である『不動産の再生と活用』に資源を集中」という3つの経営方針を継続し、現場の動向やお客様の声をいち早く掴み、取り組みを柔軟に変化させることでお客様のお困りごと解決力を磨き高めながら、事業を展開しております。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高59,632百万円(前期比18.6%減)、営業利益7,912百万円(同52.3%減)、経常利益7,524百万円(同53.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益4,274百万円(同59.9%減)となりました。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
(不動産再生事業)
不動産再生事業では、①リプランニング事業、②賃貸ビル事業、③ホテル開発事業等を行っております。
①リプランニング事業では、ビルの仕入から企画・開発、テナント入居、そして販売とその後のサポートに至るまで、全てのプロセスを内製化しています。仕入は、コロナ禍においても市場の方向感を見定めながら慎重に物件を選別しております。商品化では、日々寄せられるテナント様の声などの現場の動きに対する感度を高め、街やオフィス、さらには働き方の変化をしっかり捉えながら、新しい価値観に基づいた新常態でも選ばれるオフィスづくりを目指しております。当期は、曜日単位でオフィスを利用して新しい働き方を追求する日本初となる曜日オフィス『WEEK』や、オフィスの壁面等にアートを施したArt Office『A YOTSUYA』、さらにはソーシャルディスタンス設計と最新鋭の機器によりウイルス感染対策を本格導入した『空気をデザインする』オフィス、『暮らしに近いワークスタイル』オフィス等、時代の変化に合わせてオフィスの在り方を社会に提案してまいりました。そのような当社の強みである再生企画力とテナント入居促進力をもって高収益かつ高付加価値の商品に仕上げることで、国内外の幅広いお客様の需要にお応えしております。販売面においてはさらに、当期は不動産小口所有商品の第2号案件(11.5億円)を完売させ、4月には第3号案件である新築認可保育園を運用対象とした商品の募集を開始しております。小口所有商品をきっかけにオフィスビルや分譲ホテルの販売につながるなど、本商品は当社グループ全体の顧客層拡充にも寄与しております。これらの結果、コロナ禍にあってもリプランニング事業の販売棟数は23件と一定の水準を確保したものの、前年同期の大型案件を含む43件の販売と比較し、売上高、利益ともに大幅に減少となりました。
②賃貸ビル事業においては、ストック事業として安定した収益基盤を構築することを目的に、不動産サービス部門で培ったオペレーション力を活かしながら、リプランニング事業の賃貸ビル物件数を拡大しつつ、中長期的に賃料収入の増加を図っております。ホテル事業への賃料減免による収入減少等により、前年同期に比べ売上高、利益ともに減少いたしました。
③ホテル開発事業においては、沖縄県恩納村で開発を進め2020年12月に竣工した、分譲型コンドミニアムホテル「HIYORIオーシャンリゾート沖縄(203区画)」の販売が順調に進捗し、合計159区画の引き渡しが完了。また3月には、自社ブランド第1号ホテルとして2017年に開業した日和ホテル舞浜の売却が完了し、キャッシュフロー改善を図りつつ、結果、前年同期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加いたしました。
以上の結果、不動産再生事業全体の売上高は48,398百万円(前年同期比19.4%減)となり、セグメント利益は11,261百万円(同40.3%減)となりました。
(不動産サービス事業)
不動産サービス事業では、①プロパティマネジメント事業、②ビルメンテナンス事業、③売買仲介事業、④賃貸仲介事業を行っております。これら各事業部門は、それぞれの現場で創意工夫を重ね培った専門性を持ち寄って協働し、連鎖的に付加価値を生み出すことで、リプランニング事業における高い収益性を創出する基盤にもなっております。
①プロパティマネジメント事業においては、きめ細やかなビル管理・メンテナンスによってテナント様の満足度を高めるとともに、地域に密着する当社の強みを活かしたテナント誘致、適正賃料への条件改定や、電力需給契約の見直しによる収益改善等に取り組むことで、高稼働・高収益なビル経営を実現させております。コロナ禍の影響を受けるテナント様や不安を抱えるビルオーナー様に誠実に寄り添って正確かつ迅速な情報提供を行い、コロナウイルスの影響から生じる新たなご要望やお困りごとにも、これまで培ってきた経験と組織力を活かして解決しております。コロナ禍においても管理棟数は順調に伸長し、業績は前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
②ビルメンテナンス事業においては、ブランコによる外窓・外壁等の高所清掃、防水工事、外壁改修工事を強みに、プロパティマネジメント部門との協働を推進しております。さらに、当期においては同業の株式会社日本システムサービスの株式を100%取得し、これまで比較的手薄であった都心西側エリア(港区・渋谷区・新宿区)でのサービスを強化し、都心における清掃事業の基盤底上げを図っております。当期の業績は、RP事業に付随する収入が減少したものの、コロナウイルス除染消毒作業の需要を取り込めた結果、前年同期に比べ売上高、利益はともに増加いたしました。
③売買仲介事業においては、不動産コンサルティングの一環としてプロパティマネジメント事業や賃貸仲介事業をはじめとする他部門のお客様からの相談案件に対してスピード対応で取り組んでおります。また、海外個人富裕層のお客様がコロナ禍の影響で来日が難しい中、保有されている日本の投資不動産の価値向上に努め、積み上げてきた信任により、当期においてリプランニング物件を複数棟ご購入いただき、グループ全体の業績に大きく貢献しております。業績は、前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
④賃貸仲介事業においては、都心5区を中心とした12拠点のサービス網を展開しております。現場におけるお客様との対話から、地域のビルオーナー様に寄り添う身近な相談窓口として機能しています。お客様のお困りごとを空室という現象の一面のみではなく、高齢化で苦慮する管理、建物の老朽化、相続といった不動産に関する様々な問題を掴み、多面的で長期的な視点をもってその解決に取り組んだ結果、リプランニング事業における仕入や販売、また工事受注や売買仲介等の機会を創出するなど、当社の事業全体の強化・伸張につなげております。また、テナントリーシングの現場においてテナント様のニーズをこと細かく把握、いち早く変化を先取りし、オフィス空間の最適活用を共に考え、研究や提案を繰り返すことで、お客様視点の新たな価値観の創出につなげております。業績は、コロナ禍の影響を受け、前年同期に比べ売上高、利益ともに減少いたしました。
以上の結果、不動産サービス事業全体の売上高は3,656百万円(前年同期比5.2%増)となり、セグメント利益は2,345百万円(同4.0%増)となりました。
(オペレーション事業)
オペレーション事業では、①ホテル運営事業、②貸会議室事業を行なっております。
①ホテル運営事業においては、HIYORIオーシャンリゾート沖縄(203室)を2月に開業し、16ホテル(2,295室)を運営しております。コロナ禍におけるインバウンド客の急激な減少、集客施設の閉鎖やイベントの中止、観光のみならず出張の自粛等の影響もあり、都市部ホテルを中心に稼働率は著しく低下いたしました。このため、経費削減に努めたものの、業績は前年同期に比べ売上高の減少が大きいため、損失を計上いたしました。
②貸会議室事業においては、コロナ禍により研修やセミナー、各種イベントのニーズが減少し、既存のビジネス・サービスでは成り立たない環境下に置かれたものの、オーダーメイドスペース等の時代の変化を捉えた新サービスの開発を進めることでお客様からのご要望に素早くお応えしてまいりました。同時に徹底したコスト削減を行なってきたものの、業績は前年同期に比べ売上高、利益ともに減少いたしました。
以上の結果、オペレーション事業全体の売上高は3,069百万円(前年同期比43.2%減)となり、セグメント損失は1,266百万円(前年同期はセグメント損失192百万円)となりました。
(その他)
その他では、①滞納賃料保証事業、②海外事業、③建設事業等を行っております。
①滞納賃料保証事業においては、保証契約時のテナント与信審査における実態調査を徹底し、またテナントの賃料滞納時には賃料保証のみならず、明け渡しまでを誠実にサポートしビル経営における負担感を和らげるなど、ビルオーナー様に寄り添ったサービスを提供しております。コロナ禍にあって、空室の増加やテナント様の信用懸念、また、民法改正による個人保証から機関保証への切り替え等によるビルオーナー様のご相談が増加した結果、新規保証・再保証ともに取り扱い件数が堅調に推移し、業績は前年同期に比べ売上高、利益ともに増加しました。
②海外事業においては、成長が期待できる東南アジアへ進出し、日本の高度な施工技術によるマンション・住宅等を中心とした不動産開発を行い、アジアの方々に日本品質を体感いただくことに拘って事業を展開しております。ベトナム・ダナンにおいて高層分譲マンション「HIYORI Garden Tower」(306戸)が2019年12月に竣工、2020年9月までに引渡しが完了いたしました。業績は、2020年1月から9月までの引き渡し分は当期に会計上計上されたことから、前年同期に比べ売上高は減少したものの、利益は増加しました。
③建設事業においては、事業用ビルのリニューアル企画や修繕・改修工事、内装仕上工事および電気通信工事等を行っております。当期において、業績は、前年同期の大型工事引き渡しの反動減により、売上高、利益ともに減少いたしました。
以上の結果、その他全体の売上高は5,294百万円(前年同期比6.4%減)となり、セグメント利益は1,489百万円(同4.9%増)となりました。
(新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響について)
当連結会計年度における感染症拡大に伴う当社グループ事業への影響は、コアビジネスである不動産再生事業において、景気停滞によるオフィス市況の悪化と投資家の投資マインドの後退が一部みられました。また、ホテル運営事業においては、インバウンド観光需要の消失や国内観光需要の低迷により稼働率が著しく低下し、休業を余儀なくされ、さらに貸会議室事業においては、研修やセミナー等各種イベントニーズの減少等の影響がありました。
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)は、生産業務を定義することが困難であるため、生産実績の記載は省略しております。
当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績の記載は省略しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 調整額はセグメント間の取引消去であります。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
3 前連結会計年度のSSTウエスト特定目的会社及び当連結会計年度の合同会社パシフィックファイブに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
4 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度末における総資産は127,485百万円(前期比2.2%減)、負債は57,712百万円(同11.9%減)、純資産は69,773百万円(同7.7%増)となりました。
総資産の減少の主な要因は、流動資産の販売用不動産の増加4,174百万円、現金及び預金の増加2,880百万円、受取手形及び売掛金の増加641百万円があったものの、一方で仕掛販売用不動産の減少9,421百万円、その他に含まれる未収消費税等の減少658百万円、仕掛工事の減少444百万円等があったことによるものであります。
負債の減少の主な要因は、1年以内返済予定の長期借入金の増加1,545百万円があったものの、一方で固定負債の長期借入金の減少2,915百万円、流動負債の未払法人税等の減少2,665百万円、その他に含まれる前受金の減少1,864百万円、買掛金の減少1,498百万円等があったことによるものであります。
純資産の増加の主な要因は、期末配当金の支払い2,047百万円等があったものの、一方で親会社株主に帰属する当期純利益の計上4,274百万円等の増加、非支配株主持分の増加2,952百万円等があったことによるものであります。なお、非支配株主持分の増加は、子会社での優先株式発行によるものであります。
この結果、自己資本比率は52.3%(同2.7ポイント増)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動による資金が4,733百万円増加、投資活動による資金が451百万円増加、財務活動による資金が1,150百万円減少した結果、期首残高に比べ3,924百万円増加し、当連結会計年度末残高は21,319百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フロー及びそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、4,733百万円(前期は2,697百万円の支出超過)の収入超過となりました。これは主に、法人税等の支払額5,964百万円、売上債権の増加による支出2,688百万円、仕入債務の減少による支出1,509百万円等があったものの、一方で税金等調整前当期純利益7,462百万円及び減価償却1,346百万円、棚卸資産の減少による収入4,377百万円等あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、451百万円(前期は4,441百万円の支出超過)の収入超過となりました。これは主に、定期預金の預入による支出530百万円、有形固定資産の取得による支出319百万円、差入保証金の差入による支出221百万円等があったものの、一方で定期預金の払戻による収入1,574百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、1,150百万円(前期は5,535百万円の収入超過)の支出超過となりました。これは主に、長期借入れによる収入19,990百万円、非支配株主持分の増加3,000百万円等があったものの、一方で長期借入金の返済による支出21,461百万円及び配当金の支払額2,046百万円等があったことによるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性について)
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、不動産再生事業に関するたな卸資産の仕入れであります。たな卸資産の仕入れは、個別のたな卸資産を担保とした金融機関からの長期借入金及び営業活動で獲得した資金によって行っております。当該たな卸資産は一年以内を目途に販売することとし、借入金は、月例約定返済を織り込みつつ、たな卸資産の販売時に一括返済することを基本方針としており、資金の流動性は十分に確保されております。
(財務施策について)
当社グループにおける財政施策については、有利子負債に占める短期借入金の比率を下げ、長期借入金の比率を上げることによって加重平均借入期間を伸長させる負債構造を目指しております。加えて、現金及び預金を手厚く確保することを基本方針としており、強固な財務基盤の構築に取り組んでおります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は、実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社は、2020年9月15日及び2020年10月27日開催の取締役会において、当社のホテル開発事業を完全子会社であるサンフロンティアホテルマネジメント株式会社へ会社分割(簡易吸収分割)すること等を決議し、2020年9月16日に吸収分割契約を、2020年10月27日に吸収分割契約変更覚書(承継資産等の変更)を当社とサンフロンティアホテルマネジメント株式会社との間で締結いたしました。
当該契約に基づく会社分割(簡易吸収分割)は、2020年11月1日に完了いたしました。
なお、詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (企業統合等関係)」に記載しております。
該当事項はありません。