当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状況及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による停滞が長期化しており、今後の動向を引き続き注視する必要があります。また世界経済については、コロナウイルス感染拡大に加え、米中間の多方面にわたる対立の激化の継続等により、今後の見通しが極めて難しい状況と言えます。しかしながら、各国で大規模な財政支援や金融緩和等が継続されていることに加え、ワクチン接種が徐々に始まっていることもあり、今後の回復が期待されます。
わが国の不動産市場は、12月時点の都心オフィスビル市場(都心5区:千代田・中央・港・新宿・渋谷区)の平均賃料は21,999円(坪単価)と5カ月連続の下落(1,015円)、平均空室率は4.49%と10カ月連続の悪化(3.00%pt上昇)となり(民間調査機関調べ)、市況は厳しさを増しております。足元では好業績企業の増床や大規模オフィスを分散させる動き等によって中小型オフィスに対する実需は堅調なものの、コロナ禍を背景に、一部企業によるリモートワーク定着に伴うオフィス縮小の動きも見られます。また、不動産投資市場においては、低金利環境の長期化期待から国内機関投資家やJ-REIT等による投資意欲は強いものの、先行き不透明感から慎重な姿勢が見られ、市場センチメントの強弱感が交錯しています。こうした中、当社は現場動向やお客様の声をいち早く掴み、自らを柔軟に変化させることで、お客様のお困りごと解決力を日々磨き高め、事業を展開しております。当面は、「新型コロナウイルス感染拡大防止の徹底と事業の継続」、「財務の安定性を保つこと」、「本業である『不動産の再生と活用』に資源を集中していくこと」の3つを経営方針として取り組んでおります。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高46,442百万円(前年同期比15.0%減)、営業利益7,032百万円(同48.1%減)、経常利益6,562百万円(同50.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益4,059百万円(同54.8%減)となりました。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
(不動産再生事業)
不動産再生事業では、①リプランニング事業、②賃貸ビル事業、③ホテル開発事業等を行っております。
①リプランニング事業では、ビルの仕入から企画・開発、テナント入居、そして販売とその後のサポートに至るまで、全てのプロセスを自社で内製化しています。ビル管理、賃貸仲介売買仲介等の不動産サービス部門や建設部門等各部門がそれぞれの現場で培った知見やノウハウを持ち寄り、お客様の意向を細かく把握した改良改善を重ね、付加価値の高い商品を創り上げ、ビル経営における様々なサービスを提供しています。このお客様視点の付加価値創出力が当社の強みとなっています。仕入では、市場の方向感を見定めながら、慎重に物件を選別しております。また商品化では、日々寄せられるテナント様からの声などの市場の動きに対する感度を高め、オフィスや街、働き方の変化をしっかり捉え、新しい価値観に基づき、新常態の中でも選ばれるオフィスづくりを目指しております。その表れとして、7月からご提供を開始した日本初、曜日単位でご利用いただける曜日オフィス「WEEK」、ブルックリンをテーマに壁面アートを施したArt Office「A YOTSUYA」(11月)、オフィス内のソーシャルディスタンス設計と最新鋭の機器を導入したウイルス対策オフィス「銀座クイント」(12月)等、次世代型セットアップオフィスを続々とオープンいたしました。また、ESGの観点では、当社リプランニング物件における再生可能エネルギー「RE100」への切替や、森林由来の環境クレジット「森のでんき」を導入した100%カーボンニュートラル等、脱炭素社会の実現に向けた新たな取組を加速させています。販売においては、賃貸仲介部門やビル管理部門と緊密に連動して、安定的な不動産収益を保つこと等により、ビルの価値を増大させ、国内外の幅広いお客様からのニーズにお応えしております。更に不動産特定共同事業法に基づく不動産小口化商品は、第2号案件(11.5億円)を組成し、当社グループの顧客基盤を拡充させております。これらの結果、リプランニング事業の販売棟数は、コロナ禍の中にあっても18棟(セグメント利益率25.2%)となったものの、前年同期の大型案件を含む33棟(同率33.2%)の販売と比較し、売上高、利益ともに大幅に減少となりました。
②賃貸ビル事業においては、ストック事業として安定した収益基盤を構築することを目的に、不動産サービス部門で培ったオペレーション力を活かしながらリプランニング事業の賃貸ビル物件数を拡大し、中長期的に賃料収入の増加を図っております。ホテル事業からの賃料収入減少、サブリース事業の拡大に伴う支払賃料の先行により、前年同期に比べ売上高、利益ともに減少いたしました。
③ホテル開発事業においては、沖縄県恩納村にて進めている当社初の分譲型コンドミニアムホテル「HIYORIオーシャンリゾート沖縄(204区画)」の開発が順調に進捗し、合計126区画について、引き渡しが完了した結果、大幅に増収、増益となりました。1月においても14区画販売しており、計140区画の引き渡しを完了しております。また、現在建築中のホテルについては、コロナ対策に万全の注意を払いつつ、開業準備を進めております。
以上の結果、不動産再生事業全体の売上高は37,957百万円(前年同期比15.9%減)となり、セグメント利益は9,271百万円(同38.4%減)となりました。
(不動産サービス事業)
不動産サービス事業では、①プロパティマネジメント事業、②ビルメンテナンス事業、③売買仲介事業、④賃貸仲介事業を行っております。これら各事業部門がそれぞれ現場で培った専門性を持ち寄って協力し、創意工夫を重ねることにより付加価値を連鎖的に生み出し、リプランニング事業における高い収益性を創出する基盤となっております。
①プロパティマネジメント事業においては、きめ細やかなビル管理・メンテナンスによってテナント様の満足度を高めるとともに、地域に密着した強みを活かしたテナント様誘致、適正賃料への条件改定や電力需給契約の見直しによる収益改善等に取り組むことで、高収益・高稼働なビル経営を実現させております。コロナ禍の影響を受けているテナント様や不安を抱えているビルオーナー様に誠実に寄り添い、正確かつ迅速な情報提供を行い、コロナウイルスの影響から生じる新たなご要望やお困りごとにも、これまで培ってきた経験と組織力を活かして解決しております。お客様視点で付加価値の高いサービスのご提供を継続してきたことにより、コロナ禍においても高い稼働率水準を維持しつつ、受託棟数は400棟を超え、業績は前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
②ビルメンテナンス事業においては、外窓・外壁等のブランコによる高所清掃、防水工事、外壁改修工事を強みに、プロパティマネジメント部門との協働を推進しております。新たにコロナウイルス除染消毒作業の需要の取込みがあったものの、緊急事態宣言下で休業を強いられたお客様からの受注が減少した影響もあり、業績は、前年同期に比べ売上高、利益ともに微減となりました。
③売買仲介事業においては、不動産コンサルティングの一環としてプロパティマネジメント事業や賃貸仲介事業をはじめとする他部門からの紹介案件にスピード対応で取り組むとともに、リプランニング物件の仕入、販売等、グループ全体の事業推進に貢献しております。業績は、前年同期に比べ売上高、利益ともに大きく増加いたしました。
④賃貸仲介事業においては、都心5区を中心とした12拠点のサービス網を展開しております。現場におけるお客様との対話から、地域のビルオーナー様に寄り添う身近な相談窓口として機能しています。お客様のお困りごとを空室という現象の一面のみではなく、高齢化で苦慮する管理や相続、建物の老朽化といった不動産に関する様々な事象を掴み、多面的で長期的な視点でその解決に取り組むことで、リプランニング事業の仕入や販売、工事受注や売買仲介等の機会を創出するなど、当社の事業全体の強化・充実につなげております。また、テナントリーシングの現場において借り手のニーズをこと細かく把握し、共に考えたり研究や提案を繰り返す中で、いち早く変化を先取りし、中小型ビル市場のユーザーインの視点に立ち、ニーズの創出を行なっております。業績は、コロナ禍の影響を受け、前年同期に比べ売上高、利益ともに減少いたしました。
以上の結果、不動産サービス事業全体の売上高は2,562百万円(前年同期比0.2%減)となり、セグメント利益は1,664百万円(同1.1%増)となりました。
(オペレーション事業)
オペレーション事業では、①ホテル運営事業、②貸会議室事業を行なっております。
①ホテル運営事業においては、15ホテル(2,092室)を運営しております。コロナ禍におけるインバウンド客の急激な減少、集客施設の閉鎖やイベントの中止、観光のみならず出張の自粛等の影響もあり、稼働率は著しく低下いたしました。このため、経費削減に努めたものの、業績は前年同期に比べ売上高の減少が大きく、損失を計上いたしました。
②貸会議室事業においては、お客様視点をもってサービス品質を磨き続けてきており、リピーターや紹介によるお客様の獲得、感染症対策、オンライン設備の配置、オーダーメイドオフィス、定額制会議室の新サービスの開始等、お客様からの需要に素早くお応えするとともに徹底したコスト削減を行っております。業績は、コロナ禍の影響を受け、前年同期に比べ売上高、利益ともに減少いたしました。
以上の結果、オペレーション事業全体の売上高は2,383百万円(前年同期比45.0%減)となり、セグメント損失は797百万円(前年同期はセグメント利益178百万円)となりました。
(その他)
その他では、①滞納賃料保証事業、②海外事業、③建設事業等を行っております。
①滞納賃料保証事業においては、保証契約実行に際し、テナントの保証審査における実態調査を徹底、厳格化し、賃料滞納時には賃料保証のみならず、明け渡しまでを誠実にサポートすることでビルオーナー様に寄り添ったサービスを提供しております。コロナ禍にあって、空室の増加、テナント様の信用懸念、また、個人保証からの切り替え等によるビルオーナー様からのご相談が増加した背景から、業績は、新規保証、再保証ともに取り扱い件数が堅調に推移し、前年同期に比べ売上高、利益ともに増加しました。
②海外事業においては、成長が期待できる東南アジアへ進出し、日本の高度な施工技術によるマンション・住宅等を中心とした不動産開発を行い、アジアの方々に日本品質を体感いただくことに拘って事業を展開しております。業績は、ベトナム・ダナンにおいて高層分譲マンション「HIYORI Garden Tower」(306戸)が2019年12月に竣工、2020年9月に引渡しが完了いたしました。2020年1月から9月までの引き渡し分は、当第3四半期連結累計期間に会計上計上されたことから、前年同期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加しました。
③建設事業においては、事業用ビルのリニューアル企画や修繕・改修工事、および内装仕上工事業等を行っております。業績は、前年同期の大型工事引き渡しの反動減により、売上高、利益ともに減少いたしました。
以上の結果、その他全体の売上高は4,208百万円(前年同期比17.7%増)となり、セグメント利益は1,272百万円(同44.2%増)となりました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間において、該当事項はありません。
(4) 生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績について著しい変動はありません。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。