第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

当社グループは、より社会的に価値ある企業となることを目指し、次の経営の基本方針を定めて取り組んでおります。

「経営基本方針」

1. 快適で住みやすく安心して暮らせる住まいのご提供を通じて、豊かな社会の実現に貢献します。

2. 法と倫理に則り、良き企業市民として、ステークホルダーの皆様から信頼される企業を目指します。

3. より多くのお客様にご満足いただける商品づくりと不断の改革によって、事業の発展と企業価値の向上を目指します。

 

(2)中長期的な経営戦略

当社グループでは、令和3年3月期までの3か年を対象とする第二次中期経営計画の進捗を踏まえ、令和3年8月に令和6年3月期を最終年度とする3か年の第三次中期経営計画を公表いたしました。第三次中期経営計画においては、次の基本方針及び経営戦略を掲げて、経営目標の達成に取り組んでおります。

 

「基本方針」

1. 新築住宅販売事業の持続的な成長に向けた事業基盤の強化と事業エリアの拡大

2. 住宅ストック事業の規模拡大、新築住宅販売事業との相乗効果の最大化

3. 中長期的な企業価値向上のためのサステナビリティ(ESG)課題への対応強化

 

「経営戦略」

1. 新築住宅販売事業の更なる成長、事業基盤強化に向けて以下の重点戦略を設定しております。

・ 成長性の高い東京・埼玉・千葉・神奈川エリアの事業拡大に向けた経営資源の重点的配分

・ グループ一貫体制を含むサプライチェーン強化による、調達の安定性、生産性の向上

・ 新たな生活様式や環境課題に対応した、より付加価値の高い住環境の開発

・ グループの成長を加速させるための、M&Aを含む戦略的投資の実行

2. 住宅ストック事業の規模拡大、相乗効果の最大化のため以下の重点戦略を実行してまいります。

・ 中古住宅販売事業における新規エリアへの事業拡大

・ 築年数を重ねたOB顧客の増加や住宅ストック市場の活性化に対応するエネルギー性能の向上や災害へのレジリエンス強化等、住宅価値向上型リフォームの強化

3. サステナビリティ(ESG)課題への対応強化のため、以下の重点戦略に基づき取り組みを強化してまいります。

・ 環境負荷軽減に向けたサプライチェーンのトレーサビリティ向上

・ 循環型社会の実現に向けた、住宅ストック事業の規模拡大とサービスの強化

・ 持続的な事業拡大のための人的資本への投資拡大と多様性の強化

・ プライム市場において求められる高い水準でのガバナンス体制の構築

 

(3)目標とする経営指標

当社グループは、「売上高」及び「経常利益」をグループの成長を示す重要な経営指標と位置づけて、その向上を目指しております。また、資本効率と株主利益の確保を示す指標として、「ROE」8%以上の確保を目標としております。

第三次中期経営計画においては、最終年度となる令和6年3月期の売上高600億円、経常利益40億円を目標として設定いたしました。

 

(4)経営環境

 経済見通しは、新型コロナウイルス感染症の長期化やロシアのウクライナ侵攻に対する各国の経済制裁等による資源の不足と価格高騰、電力不足や株価の低迷などが、国内需要に与える影響が懸念され、景気は先行き不透明な状況が継続すると予想されます。

 このような中、住宅市場はコロナ禍での生活様式の変化や政府等の住宅取得支援策と当面は低金利の継続が見込まれ、首都圏を中心に住宅取得意欲が高い状態が継続するものと見通しています。一方で足下では、諸外国と我が国の金利差拡大に伴う円安が進展し、国内物価水準、長期金利水準への上昇圧力が高まっており、今後さらに経営環境は厳しさを増す可能性があります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

1. 新規事業エリアの強化

 当社グループのコア事業(新築住宅販売)は、栃木県・茨城県・群馬県・千葉県を中心に事業を展開しておりましたが、営業エリア拡大の方針の下、令和2年3月期より埼玉県及び神奈川県、令和4年3月期より東京都での販売を開始しております。

 当社グループの成長に向けて、市場規模の大きい首都圏エリアでの事業拡大は必須の課題であり、そのための人材確保と営業体制の強化を進めるとともに、当該エリアでの当社ブランドの認知度の向上、分譲用地の仕入拡大に重点を置き、シェア拡大に向けた事業基盤の強化を図ってまいります。

 

2. サステナビリティ課題への取り組み強化

 当社グループは、快適で住みやすく安心して暮らせる住まいのご提供を通じて、豊かな社会の実現に貢献することを経営方針の一つとして掲げております。

 当社グループは、環境負荷に配慮した住宅を供給、循環型社会実現への寄与を通じて社会的課題の解決に貢献することに中長期的に取り組んでまいります。

 

3. 新型コロナウイルス感染症への対応

 新型コロナウイルス感染症については、ワクチン追加接種が進展し、重症化率の低下がみられるものの、依然として経済活動への影響が継続しています。

 当社グループでは、顧客と社員の感染防止対策を徹底し、ITを活用した営業体制を進化させるとともに、3密回避やテレワーク拡大等の影響による需要の変化に対応した生産体制を構築し、感染拡大の長期化に対応した経営基盤の構築を進め、新しい生活様式の定着など経営環境の変化を更なる成長につなげるべく取り組みを進めてまいります。

 

4. 財務体質の強化と資本の効率化

 当社グループでは、不動産販売のプロジェクト資金のほか運転資金の一部やM&A資金についても、主に金融機関からの借入により調達しており、営業エリアの拡大、大型プロジェクトの増加やM&Aの実施により、有利子負債比率が高まっております。

 このため、土地仕入の厳選と在庫管理の強化、販売用不動産の早期販売を徹底し、在庫回転率を向上させることにより資本効率の改善を図るとともに、将来の不確実性に備えて余裕を持った融資枠の維持・確保に努めてまいります。

 

5. 人材の確保と育成

 当社グループが継続的に事業を拡大していくためには、そのために必要な人材を確保・育成することが最重要課題の一つであります。1.項に記載の通り、中長期的な事業拡大に必要な人材については先行投資としての採用を継続するとともに、新規エリアの開拓や優れた商品・サービス開発の核となりうる人材の育成に取り組んでまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 住宅需要の変動について

 当社グループの事業は、新築住宅販売を中心とする不動産販売が連結売上高の大半を占めておりますが、住宅及び住宅用土地の需要は、景気のほか、雇用・所得環境、金利、住宅税制、助成制度及び地価動向並びにこれらの将来予測の影響を受けやすいことから、その動向が顧客の住宅購入意欲に影響し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、常に市場の動向をモニタリングし、開発・建築計画や在庫棟数・価格を調整することにより、リスクの軽減を図っております。

 

(2) 他社競合について

 新築住宅販売では、当社が基盤とする栃木県においては新規参入事業者との、また事業拡大に取り組んでいる他県においては既存の事業者との競合が発生します。当社の商品は低価格を戦略とするローコストビルダーとは一線を画しておりますが、競合の激化により当社商品の優位性が確保できない場合には、販売数の減少や販売価格の低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループの事業の中心である北関東は戸建住宅の優位性が高いエリアですが、市街地再開発等に伴い分譲マンションが市場に大量に供給された場合には、直接・間接の競合が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、主に商品やサービスの品質面において他社との差別化を図ることにより、競争優位性を確保するとともに過度な価格競争に陥らないよう努めております。

 

(3) 自然災害等について

 大規模な地震や台風等の自然災害が発生した場合、営業拠点等の事業用資産の損害や戸建住宅等の商品の損害等の発生、人的・物的損害やライフライン・社会インフラの障害による営業拠点又はサイトにおける事業の停止や遅滞、商品の補修や工事・材料の納入遅延等による商品の完成時期や引渡時期の遅延などにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、自然災害により広域にわたって住宅の被害が発生した場合は、住宅購入に対する顧客マインドが低下・慎重化し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、自然災害リスクを十分に評価・検討した住宅用地の仕入・造成、自然災害に対する十分な基本性能を確保した住宅の提供、災害発生時における事業活動の早期正常化に向けた体制整備により、リスクの低減に努めております。

 

(4) 新型コロナウイルス感染症について

 新型コロナウイルス感染症が再拡大した場合、顧客の外出自粛等により受注活動の制約を受けることとなります。また、感染症が収束せず社会活動の制限が長期化し、景気が著しく悪化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の対策本部を設置し、衛生管理の徹底、柔軟な勤務体系の運用など社員の感染対策と、商談・内覧時のお客様の感染防止策を徹底するとともに、ITを活用した非接触型の営業活動を拡充するなど、感染症が事業活動に与える影響が最小限となるよう努めております。

 

(5) M&Aについて

 当社グループは、成長戦略実現のための手法として、M&Aについても継続的に検討・実施する方針です。M&Aにあたっては、対象企業の調査のほか相乗効果の評価および統合後の事業展開の検討を行い、取得後は相乗効果の最大化に向けた統合作業を行っておりますが、市場環境が著しく変化した場合など、当初想定した計画と実績とに乖離が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 分譲用地の確保について

 新築住宅販売は戸建住宅分譲を中心としており、分譲用地を確保することが事業の前提となります。そのため立地条件に恵まれた用地の仕入が困難になる場合、仕入のエリアバランスが確保できなかった場合、土地の仕入価格高騰等により計画通りの用地調達が行えない場合などには、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、不動産仲介会社との連携強化のほか、用地仕入におけるエリア専任体制の構築など、優良な分譲用地の早期確保に取り組んでおります。

 

(7) 生産方式・生産期間について

 新築住宅販売の戸建住宅分譲は、需要を予測しての見込生産となり、また、用地仕入から建物が完成するまでの生産期間は通常8ヶ月程度(大規模な開発行為が伴う案件はさらに長期間)を要し、大幅な短縮や商品の代替が困難という特性があります。そのため用地仕入後に販売計画に影響を及ぼす経済情勢の変動や競合物件の発生がある場合、天災その他不測の事態による完成時期の大幅な遅延が生じた場合などには過剰在庫や商品不足が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、ヒット商品の発生や景気動向その他の要因により計画に比し販売が大きく進んだ場合においても、その後の商品供給に端境が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、常に市場の需給バランスをモニタリングし、建築時期や在庫棟数を可能な限り柔軟に調整できる生産体制を採ることにより、リスクの軽減を図っております。

 

(8) 人材の確保について

 当社グループが今後も継続的に事業を拡大するためには、必要な人材を確保できることが重要な条件の1つとなりますが、求人倍率の上昇や競争力の低下等により予定した人材が確保できない場合、定着率の低下から多くの人材又は優秀な人材が流出した場合、確保した人材の教育・育成が十分でない場合などには、事業計画の達成が困難となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、中長期的な事業拡大計画に先行して必要人材の獲得に努めるとともに、働き方改革や女性活躍推進などを通じた就労環境の改善を行うことにより、労働市場における競争力と定着率の向上に努めております。

 

(9) 借入金への依存について

 当社グループでは、不動産販売の用地取得・造成・建物建築等に必要な資金、不動産賃貸の賃貸物件の購入・建設資金、事業拠点の購入・建設資金等について、主に借入金により調達しております。このため、経済情勢の変化等により市場金利が上昇又は高止まりした場合、金融危機や当社グループの信用力の低下により借入額等に制約を受けた場合などには、支払利息の負担増加や事業計画の変更等が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、金融機関との良好な関係の維持・強化に努めるとともに、常に手元流動性の確保や資本効率の向上等の観点から検討を行い財務基盤の強化に取り組んでおります。

 

(10) 不動産価値の下落について

 当社グループは、不動産の取得、開発、販売及び賃貸等の事業を行っており、不動産市況が悪化した場合には、保有している固定資産の減損や販売用不動産の評価損等の計上によって、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 資材の調達について

 当社グループが扱う新築住宅は、木材や石油関連の資材を使用していることから、市況や為替変動による資材価格の高騰に対し、コストダウンや価格転嫁等が難しい場合、資材の調達不足により生産計画の大幅な見直しが必要となる場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、建築材料販売事業を主な事業の1つとしており、当社グループ及び外部顧客との取引をバランスさせることで、長期的に安定した仕入数量を確保しております。

 

(12) 許認可等の法規制等について

 当社グループは、宅地建物取引業法、建設業法、建築士法等の許認可等を受け事業を行っているほか、宅地開発や建物建築に関連する各種法令や条例等の規制を受けております。これらの法令・条例の改廃及び新たな法令が制定された場合は、新たな対応費用の発生や所管官庁の審査期間の長期化等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、業法の許認可等には有効期間及び取消事由等が定められております。当社グループでは法令遵守に努めておりますが、何らかの理由により、当該許認可が取消され又はこれらの更新が認められない場合には、当社グループの主要な事業活動に支障をきたすとともに、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 個人情報保護について

 当社グループは、不動産販売事業を行っていることから、不動産の仕入先等の特定個人情報を含む個人情報を取り扱っております。情報管理においては、システム対応等セキュリティ対策に万全を期しておりますが、万一、個人情報が外部に漏洩した場合は、信用の失墜や損害賠償等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 令和2年3月31日)等を適用しており、当連結会計年度の経営成績及び財政状態に関する説明における前連結会計年度との比較分析については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で行っております。

 ①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大によって2度にわたる緊急事態宣言が発出されるなど厳しい状況が続きました。国内景気は、令和3年10-12月期の実質GDPが2四半期ぶりのプラス成長となるなど、景気の持ち直しも期待される状況となりましたが、本年2月からのロシアによるウクライナ侵攻を受けて、各国のロシアに対する経済制裁の影響が懸念されることとなり、先行き不透明な状況が続きました。

住宅業界においては、コロナ禍における生活様式の変化を背景とする住宅取得意欲の高まりや住宅取得支援策、低金利の継続等により、新設住宅着工戸数は感染症拡大前の水準に向けて、緩やかな持ち直し基調が続きました。

このような状況の中、当社グループにおいては昨年8月公表の第三次中期経営計画(令和4年3月期~令和6年3月期)において、「新築住宅販売事業の持続的な成長に向けた事業基盤の強化と事業エリアの拡大」、「住宅ストック事業の規模拡大、新築住宅販売事業との相乗効果の最大化」及び「サステナビリティ(ESG)課題への対応強化」との基本方針を掲げ、さらなる企業価値の向上と事業の拡大に取り組んでまいりました。

コア事業の新築住宅販売では、創業30周年記念キャンペーンなどの販売促進策を実施し、本年2月には累計販売棟数が2万棟を超えることとなりました。重点エリアの埼玉県エリアにおいては、埼玉支社の新社屋(さいたま市緑区)が竣工となり、生産販売体制の基盤強化に取り組みました。また、ふじみ野支店(富士見市)において東京都内では初めてとなる練馬区西大泉での分譲を開始しました。神奈川県エリアでは株式会社プラザハウスにおいて、当社ブランドの下で事業拡大を加速すべく商号変更を実施しました。

一方、住宅ストック事業の中古住宅販売では、販売棟数の拡大に向けて、仲介業者との連携の強化や、積極的に競売物件の入札に参加するなど、商品在庫の充実に努めてまいりました。

以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高、利益とも過去最高となり、売上高は548億84百万円(前期比16.4%増)、営業利益は40億22百万円(前期比74.9%増)、経常利益は38億10百万円(前期比81.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は25億83百万円(前期比49.8%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

不動産販売

新築住宅販売では、引き続きお客様と社員の安心と安全を第一に、感染防止対策の徹底や非接触型の営業活動に注力するとともに、事業エリアの拡大と既存エリアの深耕に取り組みました。この間、本年2月に当社グループの新築住宅の累計販売棟数は2万棟を達成しました。

事業拡大の重点エリアである埼玉県と神奈川県の状況は次のとおりです。

埼玉県においては、昨年10月にショールーム機能を併設する埼玉支社の新社屋(さいたま市緑区)が竣工し、4月に開設したふじみ野支店(富士見市)と合わせ、県中央から西部エリアにおける生産・販売体制の強化を図ってまいりました。12月には、ふじみ野支店の所管で、東京都内では初めての分譲プロジェクトとなる練馬区西大泉(全21区画予定)の第1期販売「~桜~大泉学園」(全4区画)の分譲を開始したことで、関東全都県での販売がスタートしました。

また、神奈川県においては、M&Aにより子会社化(令和元年7月)した株式会社プラザハウスにおいて、事業拡大に向けた人材の増強と自社施工物件の生産・販売体制の強化を進めたほか、PMI(M&A後の統合)の最終段階として、当社のグループ企業であることを明確化しブランド力の向上と業容の拡大を加速すべく、本年3月、「神奈川グランディハウス株式会社」への商号変更を実施しました。

商品面では、コロナ禍による住環境に求めるニーズの変化に対し、新生活様式に対応した商品の開発や子育て世代に配慮した付加価値の高い商品づくりに努めてまいりました。また、サステナビリティへの意識の高まりに対して、全棟ZEH採用の大型分譲地「ソラタウンつくば松代」(全96区画 茨城県つくば市)等の販売を開始するなどの取り組みを行ってまいりました。本年2月に公表された「2022年オリコン顧客満足度調査建売住宅ビルダー北関東部門」において、「住宅構造・設計」「住宅設備」「デザイン」などの全調査項目で1位となり、3年連続で総合1位を獲得しました。

これらの取り組みにより、当連結会計年度の販売棟数は、過去最高の1,510棟(前期比124棟増)となりました。

中古住宅販売では、コロナ禍において中古住宅への需要は高く販売価格は上昇傾向で推移しました。一方で、仕入面では競合が激化しており、この中で仲介業者との連携の強化や、積極的に競売物件の入札に参加するなど、商品在庫の充実に努めてまいりました。これらの取り組みにより、当連結会計年度の販売棟数は、148棟(前期比11棟増)となりました。

 以上の結果、当連結会計年度における不動産販売の売上高は510億24百万円(前期比15.3%増)、セグメント利益は32億72百万円(前期比88.7%増)となりました。

 

 

建築材料販売

建築材料販売では、「ウッドショック」と呼ばれる輸入木材の流通不足と価格高騰が落ち着きつつあるものの、一方で合板など国産材での品不足や最高値の更新など厳しい状況が続く中、令和4年3月期(自令和3年4月至令和4年3月)の新設木造住宅着工戸数は、本年2月を除く各月において前年同月比で増加となるなど好調に推移しました。一方で、原材料の調達においては「ウッドショック」による世界的な木材価格の上昇が落ちつきつつあったところに、2月から始まったロシアによるウクライナ侵攻に対し、各国の経済制裁にロシア材が加わったことで、先行き不透明な状況が続くこととなりました。

このような状況の中で、サプライチェーンの強化による量的確保と、受注価格の適正化に取り組んだことなどにより、前期と比べ増収増益となり、当連結会計年度における建築材料販売の売上高は35億77百万円(前期比35.4%増)、セグメント利益は4億5百万円(前期比80.7%増)となりました。

 

不動産賃貸

不動産賃貸では、主要の宇都宮エリアにおける賃貸オフィス市場は、新規需要や立地改善等の動きで空室が消化される傾向があるものの、立地が劣る物件や設備更新が遅れている物件は空室が長期化するなど二極化が進んでいます。パーキング市場では、新型コロナウイルスの影響が薄らいできているものの、飲食店関連の需要の高いエリアなどは依然として厳しい状況が続いております。

このような状況の中、賃貸資産の増加や既存資産の稼働率向上に取り組んだことで、前期と比べ増収となりましたが、利益は定期修繕の前倒しなどで管理費用が増加したことで減益となりました。当連結会計年度における不動産賃貸の売上高は2億82百万円(前期比6.0%増)、セグメント利益は1億18百万円(前期比23.1%減)となりました。

 

 ②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動、投資活動、及び財務活動により資金が減少したことで、前連結会計年度末に比べ22億65百万円減少し、110億83百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの変動要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金の減少は、4億44百万円(前期は34億81百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の獲得があったものの、棚卸資産の増加や法人税等の支払があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金の減少は、4億81百万円(前期は4億10百万円の減少)となりました。これは主に、支店建物の新築や、賃貸用物件の取得等があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の減少は、13億39百万円(前期は58百万円の減少)となりました。これは主に、株主配当金の支払や、自己株式の取得等があったことによるものです。

 なお、自己株式の取得は、本年2月に当社が「信託型従業員持株インセンティブ・プラン」を導入したことに伴い、当該信託が取得した当社株式を自己株式としております。

 

③生産、受注及び販売の実績

  a. 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメント

の名称

項 目

当連結会計年度(自 令和3年4月1日 至 令和4年3月31日)

件 数

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

不動産販売

戸建住宅

1,502

115.4

45,364,761

122.0

注文住宅

46

115.0

898,948

120.7

土  地

38

131.0

701,685

104.6

小計

1,586

115.8

46,965,396

121.7

建築材料販売

プレカット製品

4,813,828

155.6

合計

1,586

115.8

51,779,224

124.2

 (注)1.金額は販売価額によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.完成物件のみを記載しております。

3.不動産賃貸については、生産活動を伴わないため記載しておりません。

 

  b. 受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

項 目

当連結会計年度(自 令和3年4月1日 至 令和4年3月31日)

受注高

受注残高

件数

前年同

期比
(%)

金額(千円)

前年同

期比

(%)

件数

前年同

期比
(%)

金額(千円)

前年同

期比

(%)

不動産販売

戸建住宅

1,480

105.7

45,110,367

113.4

128

114.3

4,424,030

123.8

注文住宅

43

102.4

880,198

109.7

17

85.0

300,976

94.1

土  地

29

72.5

701,887

59.2

2

25.0

69,717

25.2

他の不動産

2,434,075

98.6

100,427

76.1

その他

2,259,482

125.0

176,002

126.1

小計

1,552

104.7

51,386,011

111.6

147

105.0

5,071,154

114.2

建築材料販売

建築材料

7,439,461

128.5

599,998

71.8

合計

1,552

104.7

58,825,473

113.5

147

105.0

5,671,152

107.4

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.不動産賃貸については、受注を行っていないため記載しておりません。

3.不動産販売の他の不動産は、中古住宅等の販売であります。

4.不動産販売のその他は、外構工事等の追加工事等であります。

 

  c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメント

の名称

項 目

当連結会計年度(自 令和3年4月1日 至 令和4年3月31日)

件 数

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

不動産販売

戸建住宅

1,464

108.8

44,260,549

116.2

注文住宅

46

115.0

898,948

120.7

土  地

35

97.2

909,156

93.3

他の不動産

2,465,545

100.9

その他

2,490,538

125.8

小計

1,545

108.6

51,024,739

115.3

建築材料販売

建築材料

3,577,749

135.4

不動産賃貸

賃貸収入

282,366

106.0

合計

54,884,855

116.4

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.件数欄については、土地は区画数、注文住宅及び戸建住宅は棟数を表示しております。

3.不動産販売の他の不動産は、中古住宅等の販売であります。

4.不動産販売のその他は、外構工事等の追加工事等であります。

 

地域別販売実績

セグメント

地域

項目

令和3年3月期

令和4年3月期

件数

売上高

件数

売上高

金額(千円)

構成比

(%)

金額(千円)

構成比

(%)

不動産

販売

栃木県

戸建住宅

653

17,098,933

38.6

673

17,959,785

35.2

その他

2,050,474

4.6

2,507,339

4.9

小計

653

19,149,407

43.2

673

20,467,124

40.1

茨城県

戸建住宅

364

9,910,357

22.4

351

9,933,811

19.5

その他

1,088,445

2.5

1,230,621

2.4

小計

364

10,998,803

24.9

351

11,164,433

21.9

群馬県

戸建住宅

162

4,258,351

9.6

178

4,710,632

9.2

その他

238,146

0.6

301,175

0.6

小計

162

4,496,497

10.2

178

5,011,808

9.8

千葉県

戸建住宅

108

3,837,907

8.7

138

5,608,806

11.0

その他

420,495

0.9

279,680

0.5

小計

108

4,258,402

9.6

138

5,888,487

11.5

埼玉県

戸建住宅

57

2,310,572

5.2

114

4,556,642

8.9

その他

500,223

1.2

514,467

1.0

小計

57

2,810,796

6.4

114

5,071,110

9.9

神奈川県

戸建住宅

42

1,861,208

4.2

53

2,686,185

5.3

その他

494,526

1.1

390,516

0.8

小計

42

2,355,735

5.3

53

3,076,702

6.1

その他

戸建住宅

3

169,046

0.3

その他

175,265

0.4

176,026

0.4

小計

175,265

0.4

3

345,073

0.7

不動産販売合計

1,386

44,244,908

100.0

1,510

51,024,739

100.0

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度の経営成績は、売上高は548億84百万円(前期比16.4%増)となり過去最高を記録しました。不動産販売セグメントでは、首都圏を中心としたエリア拡大戦略が奏功し、新築住宅の販売棟数は1,510棟(前期比124棟増)を記録しました。その結果、不動産販売セグメントの売上高は510億24百万円(前期比15.3%増)となりました。また、建築材料販売セグメントにおいては、輸入木材の流通不足と価格高騰が落ち着きつつある一方で2月にはロシアによるウクライナ侵攻による各国の経済制裁にロシア材が加わったことにより不透明な状況が継続しています。このような経済環境下において、サプライチェーンの強化による量的確保と受注価格の適正化に取り組んだことなどにより、売上高は35億77百万円(前期比35.4%増)となりました。不動産賃貸セグメントの売上高は、賃貸資産の増加から2億82百万円(前期比6.0%増)となりました。

 利益面では、事業拡大の重点エリアである埼玉県、神奈川県をはじめとした販売棟数が伸長し、また、コロナ禍の住環境に求めるニーズの変化に対応した商品企画等により、営業利益は40億22百万円(前期比74.9%増)、経常利益は38億10百万円(前期比81.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は25億83百万円(前期比49.8%増)となり、いずれも過去最高益を更新しました。

 当連結会計年度末の財政状態は、総資産は前連結会計年度末に比べ28億31百万円増加し、609億1百万円となりました。主な要因は、短期借入金の返済等により現金及び預金が減少する一方で、不動産販売事業のエリア拡大に伴う分譲用地の取得等により、棚卸資産が増加したことによるものです。

 負債は、前連結会計年度末に比べ13億31百万円増加し、362億41百万円となりました。コロナ禍において手元流動性を高める目的で借り入れていた資金を返済する一方で、分譲用地の取得が進んだことなどで工事代金の未払等が増加したことによるものです。

 純資産は、前連結会計年度末に比べ14億99百万円増加し、246億60百万円となりました。これは、株主配当金の支払いがあった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の獲得があったことによるものです。

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因及びその対応策については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売用不動産の用地取得・造成・建築等の製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用の支払であります。投資資金需要のうち主なものは、事業拠点への設備投資、賃貸用不動産の取得資金であります。

 運転資金については、主に自己資金、金融機関からの短期借入金により調達し、投資資金については、主に社債及び金融機関からの長期借入金により調達しており、当連結会計年度末における有利子負債残高は289億9百万円となっております。また、流動性リスクに備えるために金融機関とは十分な融資枠を設定しております。

 

 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 なお、また、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載しております。

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

  当社グループにおける研究開発活動については、「不動産販売」に関わる分野についてのみ行っております。

  不動産販売における研究開発は、競争が激化する住宅業界において顧客の幅広いニーズに対応するため、個々の優れた工法・構造等を相互に、かつ有機的に結びつけることにより、全体として高品質でありながら適正価格で住宅を提供することにより、他社との差別化を図り受注の拡大を目指すことを目的としております。

  研究開発の主要課題は、時代の流れに対応した先進性を取り入れ顧客ニーズに応えること、品質の向上とともにコストダウンを図ること、及び、分譲地の街並みを含めたデザイン性を高めること、等であります。

  これらの研究体制につきましては、建築本部設計部が研究開発活動を進めております。

  なお、当連結会計年度においては研究開発費として特に計上すべき金額はありません。