当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、より社会的に価値ある企業となることを目指し、次の経営の基本方針を定めて取り組んでおります。
「経営基本方針」
1. 快適で住みやすく安心して暮らせる住まいのご提供を通じて、豊かな社会の実現に貢献します。
2. 法と倫理に則り、良き企業市民として、ステークホルダーの皆様から信頼される企業を目指します。
3. より多くのお客様にご満足いただける商品づくりと不断の改革によって、事業の発展と企業価値の向上を目指します。
(2)中長期的な経営戦略
当社グループでは、2024年5月に2027年3月期を最終年度とする3か年の中期経営計画を公表し、以下に掲げる「基本方針」及び「経営戦略」に基づき経営にあたっております。
「基本方針」
1. 持続的成長に向け住宅事業の拡大強化に取り組む
2. 成長に向けた収益基盤の強化と成長投資を行う
3. 経営基盤を強化し企業価値の向上に取り組む
「経営戦略」
1.持続的成長に向け住宅事業の拡大強化に取り組む
(新築住宅事業)
・マーケット特性に合わせた開発・営業戦略を展開する
・首都圏での受注拡大を目指し支店展開を加速する
・注文住宅事業に進出し新たな顧客層の取り込みを図る
・サステナブルな商品開発で顧客満足を向上する
(ストック事業)
・ショールーム併設店舗を展開し非OB客のリフォーム受注増を目指す
・仲介業務を拡大し顧客層の拡大を目指す
2.成長に向けた収益基盤の強化と成長投資を行う
・商品開発強化による利益率改善
・在庫リスク管理強化
・DX推進による業務変革
・成長投資
3.経営基盤を強化し企業価値の向上に取り組む
・資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応
・ESG・サステナブル経営の推進
・財務体質の強化
(3)目標とする経営指標
当社グループは、「売上高」、「経常利益」及び「ROE」を重要な経営指標と位置づけて、その向上に取り組んでおりますが、近年の事業環境悪化により、「経常利益」及び「ROE」が低下している状況にあります。中期経営計画においては、事業の成長とROEの向上を図り、成長ステージへの再転換を遂げるべく、経営にあたってまいります。
中期経営計画の最終年度である2027年3月期の目標数値は以下のとおりです。
・売上高 630億円
・経常利益 30億円
・親会社株主に帰属する当期純利益 20億円
・ROE 8.0%
(4)経営環境
我が国経済の見通しは、雇用・所得環境の改善による緩やかな回復が続くことが期待されるものの、物価上昇や米国通商政策などの要因により先行きの不透明感が高まっております。住宅業界においては、資材価格の高騰や金利上昇など、顧客マインドには厳しい状況が続いており、コロナ禍において生じた特需の反動で低下した住宅需要が本格的に回復するには時間を要することが見込まれます。
その結果、当社グループにとって厳しい経営環境が当面継続することが想定され、逆風下でも成長を持続し、企業価値の向上を実現することを目指して各種施策を進めてまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
1. 持続的成長に向けた住宅事業の拡大強化
新築住宅事業においては、首都圏における事業拡大の加速、新たな顧客層と収益機会の創出、商品力の強化を重点課題として事業を進めてまいります。首都圏事業の拡大のため、開発本部並びに営業本部をそれぞれ首都圏と北関東を管轄する2本部制とすることで、市場特性に応じた開発、営業戦略を迅速に展開いたします。また、首都圏を中心に支店展開を進めてまいります。新たな顧客層と収益機会創出においては、オーダー住宅受注専門部署を新設し、注文住宅志向の顧客層の取り込みを進めてまいります。商品面においては、引き続き、「ZEH住宅」、「おひさまエコキュート」の設置促進など、付加価値の高い商品開発を進めます。
また、ストック事業(中古住宅販売及びリフォーム)においては、当社住宅を購入した顧客以外からのリフォーム工事受注を強化する目的から、ショールーム併設の営業拠点を新設し、集客力を高めてまいります。また、中古住宅の取得・再販を行う中古住宅事業において、仲介業務を強化し、サービス内容と収益源の多様化を進めてまいります。
2. 成長に向けた収益基盤の強化と成長投資
事業環境の変化に伴う業績悪化からの回復を図るため、収益基盤の強化が重要な課題となります。原価管理の徹底により新築住宅販売における利益率の改善を図ります。また、在庫管理を強化し、事業拡大と財務健全性の両立を図ってまいります。同時に、DX推進による業務効率化を進め、利益の拡大と資金創出を行ってまいります。生み出された資金は、M&Aを含む成長投資に振り向け、新たな収益機会の獲得に努めます。
3. 経営基盤の強化による企業価値の向上
当社グループが、上記1.及び2.の施策を推進し、持続的成長を遂げるためには、経営基盤の一層の強化が必要となります。経営基盤強化に向けた課題として、第一に、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を行ってまいります。ROEの回復を図り、ステークホルダーとのエンゲージメントを強化することで、PBR改善に取り組んでまいります。第二に、ESG・サステナブル経営に注力いたします。環境性能の高い商品の開発に注力し、環境関連の情報開示の強化を進めてまいります。人的資本においては、人的資本投資を強化し、ダイバーシティに対する取り組みを進めてまいります。ガバナンス領域においては、既に設置済みの報酬諮問委員会及び指名諮問委員会の効果的な運営などを通じて、取締役会の監督機能強化を図ります。このほか、役員報酬への中長期インセンティブ導入、ステークホルダーへの情報開示強化に取り組んでまいります。第三に、財務体質強化の取り組みを進めてまいります。在庫管理と有利子負債管理の強化に加え、企業価値の最大化の観点から資本政策及び配当政策を立案・遂行してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティに関する考え方・体制
当社グループは、「真摯に挑戦する」の社訓のもと、快適で住みやすく安心して暮らせる住まいのご提供を通じて、豊かな社会の実現に貢献するため、ステークホルダーの皆さまと協働して、持続可能な社会の形成及び持続的な企業価値の向上を目指すことを基本方針とし、サステナビリティ各領域(環境・社会・ガバナンス)についての対応姿勢を定めております。
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環 境 |
企業活動、事業活動を通じて、社会経済活動と環境保全の両立を図ります。 |
|
社 会 |
すべてのステークホルダーとの間で良好な関係を構築し、適切な協働に努めます。 |
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ガバナンス |
公正かつ透明性の高い経営を実現させるとともに、情報の開示に積極的に取り組みます。 |
① ガバナンス
当社は、サステナブル経営をグループ全社横断的に推進するため、取締役会の下に代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置しております。サステナビリティ委員会は、原則として年2回以上開催され、「環境」「社会」「ガバナンス」に関する方針の策定、重要課題の特定、指標・目標の設定、各種施策の立案・進捗管理などを行い、委員会で審議した事項は取締役会に付議・報告する体制としております。また、サステナビリティ委員会には事務局を設置し、各委員の活動を補佐し、グループ各部門との連携を推進することで、取り組み等の実効性を高める機能を担っております。
② リスク管理
サステナビリティ関連のリスク及び機会は、サステナビリティ委員会における協議を通じて識別、評価及び管理されております。サステナビリティ委員会では、サステナビリティに関連する社内外の状況に照らしたリスクと機会の識別、評価、更新を行い、対応方針の立案と進捗の確認を行っております。また、重要な課題については、管理指標を設定し、対応の進捗を管理しております。
(2)気候変動に対する取組
当社グループは、気候変動が社会や当社の持続的成長へ影響を及ぼすリスクと、事業機会の創出、競争力向上の機会であることを認識し、全社的な取り組みを進めております。
① ガバナンス
当社は気候変動を重要な経営課題に位置づけ、解決に向けた取り組みを推進するため、サステナビリティ委員会が全社横断的に幅広く課題の抽出、検討する体制としており、脱炭素社会の実現に向けた実行計画を立案・実施しております。サステナビリティ委員会は、取り組みと進捗等について、定期的に取締役会に報告することとしており、取締役会は、報告に基づき経営課題として議論を深化させるとともに、実行計画の進捗確認と監督を行っております。
② 戦略
当社はサステナビリティ委員会を主体に気候変動に関わるリスクの特定と収益の機会を検討しております。著しく地球温暖化が進み気温上昇が続いた場合の当社事業への影響等を次表のとおりまとめております。これらのリスクの中でも、「建物等の省エネ規制が強化」された場合は、コスト増と購入層への影響により収益を圧迫すると予想され、また同様に「異常気象の激甚化」により住まいの安全性を確保する対策費用などで収益が圧迫されるものと予想されます。当社では、これらの規制やニーズの発生を収益拡大の機会と捉え、取り組みを行ってまいります。
気候変動に関連して、当社が識別したリスクは以下のとおりです。
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分類 |
事業への影響 |
評価 |
|
|
移行リスク |
政策 |
建物等の省エネ規制が強化 |
省エネルギー基準の引き上げにより、住宅の建築コストが増加する。 |
大 |
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政策 |
炭素価格の上昇 |
炭素税の導入など、CO2排出による建築・販売コストが上がる。 |
大 |
|
|
政策 |
森林保護 |
温暖化により森林保護のための政策等により、木材調達コストが増加する可能性がある。 |
大 |
|
|
市場 |
顧客の評判・行動の変化 |
脱炭素、防災や認証木材などに関心が高まり、対応する費用等で建築コストが上がる。 |
中 |
|
|
物理リスク |
慢性 |
異常気象の激甚化 |
開発ルールの徹底で、分譲地等の被害は小さいと予想されるが、工期の遅れやオフィスなど自社施設の復旧活動等により損害が発生する可能性がある。 |
大 |
|
慢性 |
気温上昇による猛暑日の増加 |
猛暑日が増加し、屋外作業の効率が低下することで、工期の遅れや職人の熱中症対策などで建築コスト等が上がる可能性がある。 |
中 |
|
また、気候変動に関連して、以下の機会を識別いたしました。
a) ZEH、創エネ・省エネニーズの高まり
法規制の強化や顧客ニーズの高まりにより、ZEHや創エネ・省エネ住宅に需要が高まる可能性があります。既存のZEHや創エネ・省エネ住宅に関する自社技術の維持・向上を図りつつ、価格重視傾向にある住宅一次取得者層のニーズの変化を、機敏に取り込むことで、収益機会の拡大に繋がるものと考えています。
b) 防災・レジリエンスニーズの高まり
地球温暖化にともない、災害が激甚化する傾向に有り、国内各地で大きな被害をもたらす可能性が高いと考えられます。宅地開発から住宅建設までを一気通貫で行うデベロッパー型の分譲住宅は、当社の強みであり、災害に強い家づくりで評価を高めることができると考えています。加えて、自社によるアフターメンテナンス体制と災害時のレジリエンス力(復旧力)を合わせ、需要拡大の可能性があると考えています。
③ リスクマネジメント
当社は、気候変動に関わるリスクの洗い出し、影響分析、リスクの回避・軽減等及び機会に対する対応を適切に管理するために、次のマネジメントプロセスを設定しております。
a) 気候関連リスク及び機会の識別・評価プロセス
サステナビリティ委員会の事務局が、気候変動に起因する移行・物理的リスク及び機会の特定、評価を実施します。評価にあたっては、各リスクの発生可能性とリスクが顕在化した場合の影響度をそれぞれ検討し、中程度以上のリスクと判定されたものに対して対応を検討します。また、機会への対応方針について検討を行います。
b) 気候関連リスクの管理プロセス
サステナビリティ委員会で、経営インパクトの分析・評価等を審議し、取締役会に報告します。
c) 気候関連リスクの全体的リスク管理との統合
報告された結果をもとに、取締役会が経営インパクトに繋がるリスクを総合的に判断して、対応策等を決定します。
④ 指標と目標
当社グループは、CO2排出量(Scope1及びScope2)を2031年3月期までに2021年3月期から約25%削減となる2,500t-CO2/年を目標に設定しております。この目標を達成するために、空調設備の更新などの自社で消費する電力量の削減への取り組みや、グリーン電力への切り替え、太陽光発電設備の導入、車両のHV化などを計画的に行っております。また、Scope3(サプライチェーンのCO2排出量)については、当社グループが分譲する住宅等から排出するCO2の削減対策として、ZEH住宅(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の販売など、省エネ・創エネに取り組んでおり、CO2排出量の可視化を順次進める予定であります。
当社グループにおける、Scope1及びScope2のCO2排出量の実績と目標は次表のとおりであります。
(単位:t-CO2)
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|
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
2031年3月期 |
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Scope1 |
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(注)2. |
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Scope2 (注1) |
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(注)2. |
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合計 |
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2,500.00 |
(注)1.当社の保有するテナントビルにおける賃借人専有部分から生じた排出量を含めて表示しております。
2.Scope1及びScope2の合計に対して目標値を設定しております。
(3)人的資本・多様性に関する取組
① 推進体制とマネジメント
当社グループの人材戦略については、サステナビリティ委員会が主体となり、社長直轄の「女性活躍推進委員会」、「ワーク・ライフ・バランス推進委員会」と連携して、課題の抽出や取り組みを検討し、取締役会に報告する体制としております。
取り組みの推進にあたっては、人事部門、女性活躍推進委員会、ワーク・ライフ・バランス推進委員会等の関係部署が連携し、施策の実施と管理目標の進捗を確認しており、サステナビリティ委員会等で検討し、各部門と課題と進捗状況を共有しています。
② 戦略
当社グループは、「真摯に挑戦する」の社訓のもと、「快適で住みやすく安心して暮らせる住まいのご提供を通じて豊かな社会の実現に貢献する」ことを経営の基本方針としており、この方針を実現するために、社員と会社が持続的に成長し、企業価値を高めるための人材を育成し、人材価値を高めてまいります。
(人材の育成に関する方針)
経営の基本方針の下、持てる能力を発揮し企業価値の向上を牽引する人財を育成する方針として、次の資質を持つ人材を育成してまいります。
・誠実でまじめに取り組む姿勢を身につけること
・知識と経験を高め融合することで企業価値の向上を図ること
・社員一人一人が豊かな社会生活を営むこと
(社内環境整備に関する方針)
持てる能力を発揮し企業価値の向上を牽引する人財を育成するために、「ダイバーシティの推進」、「働き方改革」、「人材育成」を三つの柱として、社員一人一人の個性と能力が発揮できる職場づくりを目指して、社内環境の整備を実施してまいります。
(取り組み)
イ.ダイバーシティの推進
ダイバーシティについては、女性活躍推進、シニア人材及び社会人経験者の活用を推進の柱として、社員が互いに各人の多様性を尊重し、社員個々の能力が最大限に発揮できる環境づくりに努めております。
a) 女性活躍推進
全社的に女性が活躍できる環境づくりを推進する一環として、2015年に「女性活躍推進委員会」を設け、社員の意識向上と課題の抽出、改善等に取り組んだことで、2019年には厚生労働省が選定する「えるぼし」に認定されております。女性活躍推進の目標として、社員に占める女性比率と女性管理職比率の向上に取り組んでおります。
b) シニア人材の活用
シニア人材が長年培った経験や人脈等を活用し、技術・技能を伝承することを重要なテーマとして取り組んでおります。定年再雇用制度では、意欲と能力のある社員は、70歳まで継続して働ける制度としており、シニア人材の持続的なモチベーションの維持、向上を図り、後進の育成と企業価値の向上に活かしてまいります。
c) 社会人経験者の活用
社会人経験者の活用は、多様性を確保する上で重要な手段として位置づけており、業界内外のノウハウや経験等を取り入れ、成長に向けた人材の確保を目的に中途(社会人)採用を積極的に推進してまいります。
ロ.働き方改革
働き方改革では、社員が持てる能力を最大限に発揮できるように、それぞれの事情に応じた多様で柔軟な働き方を「選択」できるような仕事と家庭の両立支援と、健康で安全な職場づくりに対する取り組みを実施しております。
a) 仕事と家庭の両立支援
仕事と家庭の両立のために、時間外労働の削減に取り組むとともに、育児・介護等に関する支援制度の充実と制度の周知や情報の提供を実施しています。また、私傷病等の休職からの復帰支援や、やむなく退職した社員の再雇用制度の整備など、社員一人一人が持続的に活躍できる施策を推進しております。2020年には、厚生労働省から「子育てサポート企業」に認定され次世代認定マーク「くるみん」を取得し、2023年7月には「プラチナくるみん」、2024年7月には「プラチナくるみんプラス」をそれぞれ取得しております。
b) 健康経営の推進
社員が持てる能力を発揮して豊かで幸せな生活を送れることを基本方針として健康経営を推進しております。健康診断の充実とフォロー、早期のメンタル不調者へのサポートや私傷病等による休職から復帰支援など、産業医等と連携して健康に関する方針や具体的な施策を実施し、社員の健康の維持・増進に取り組んでおります。
ハ.人材育成
当社グループの人材づくりは、「真摯に挑戦する」の社訓のもとで、誠実に取り組む姿勢を身につけるとともに、ビジネスルールやスキルの向上を図り、自ら学び成長し続ける人材づくりに重点を置いております。
a) 採用と多様性の確保
経営ニーズに基づき、必要な専門性・スキルを有する人員の確保を優先しつつ、多様性を確保するために、中途採用者と新卒採用者の比率を概ね同率となるようにしています。また、女性採用者の比率は3割以上を目標としています。
b) 教育制度等
社会的使命の認識と、顧客満足及び社員の安全・健康を目的に、新人研修、営業技術研修、安全教育など研修制度の充実を目指しております。キャリア形成の支援制度として、資格取得支援、技能・技術認定制度などインセンティブプランを導入しております。
③ リスク管理
人的資本に関するリスクと機会については、人事部門、女性活躍推進委員会、ワーク・ライフ・バランス推進委員会等において、リスクと機会の分析、対応策などを検討しており、サステナビリティ委員会事務局が取りまとめた上、部署間の連携を図っています。
主要な課題については、サステナビリティ委員会において検討した後に、取締役会等に報告し、人材戦略の立案に繋げています。
④ 指標と目標
当社グループは、人的資本に関する戦略の進捗管理を可能とするために、次の指標と目標を設定しております。
|
指標 |
目標 |
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
2025年 3月期 |
目標時期 |
||
|
|
( |
|
以上 |
24.8 |
25.3 |
|
|
|
|
( |
|
以上 |
35.3 |
30.0 |
|
|
|
|
( |
|
以上 |
2.5 |
2.4 |
|
|
|
|
( |
|
|
7.7 |
8.2 |
|
|
|
|
( |
|
|
7.2 |
7.8 |
|
|
|
|
( |
|
|
71.9 |
73.3 |
|
|
|
|
( |
|
|
68.8 |
48.3 |
|
|
|
|
( |
|
|
100.0 |
100.0 |
|
|
|
|
( |
|
|
100.0 |
87.5 |
|
|
|
|
( |
|
以上 |
40.0 |
84.6 |
|
|
|
|
( |
|
|
12.0 |
13.0 |
|
|
|
|
( |
|
以上 |
79.6 |
80.9 |
|
|
|
|
( |
|
|
100.0 |
100.0 |
|
|
|
|
( |
|
|
95.5 |
96.1 |
|
|
|
|
( |
|
|
0.0 |
0.0 |
|
|
(注)1.目標、目標時期の「-」は、設定の無いことを示しております。
2.定年退職者再雇用比率は、再雇用を希望する従業員の再雇用比率を記載しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 住宅需要の変動について
当社グループの事業は、新築住宅販売を中心とする不動産販売が連結売上高の大半を占めておりますが、住宅及び住宅用土地の需要は、人口動態及び世帯数の推移のほか、景気動向、物価水準、雇用・所得環境、金利、住宅税制、助成制度及び地価動向並びにこれらの将来予測の影響を受けやすいことから、その動向が顧客の住宅購入意欲に影響し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、常に市場の動向をモニタリングし、開発・建築計画や在庫棟数・価格を調整することにより、リスクの軽減を図っております。
(2) 他社競合について
新築住宅販売では、当社が基盤とする栃木県においては新規参入事業者との、また事業拡大に取り組んでいる他県においては既存の事業者との競合が発生します。当社の商品は低価格を戦略とするローコストビルダーとは一線を画しておりますが、競合の激化により当社商品の優位性が確保できない場合には、販売数の減少や販売価格の低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの事業の中心である北関東は戸建住宅の優位性が高いエリアですが、市街地再開発等に伴い分譲マンションが市場に大量に供給された場合には、直接・間接の競合が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、主に商品やサービスの品質面において他社との差別化を図ることにより、競争優位性を確保するとともに過度な価格競争に陥らないよう努めております。
(3) 自然災害等について
大規模な地震や台風等の自然災害が発生した場合、事業用資産の損害や販売用商品への損害等の発生、人的損害やライフライン・社会インフラの障害による事業拠点における業務の停止や遅滞、工事や材料納入の遅延等による商品の完成時期や引渡時期の遅延などにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、自然災害により広域にわたって住宅の被害が発生した場合は、住宅購入に対する顧客マインドが低下・慎重化し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、自然災害リスクを十分に評価・検討した住宅用地の仕入・造成、自然災害に対する十分な基本性能を確保した住宅の提供、災害発生時における事業活動の早期正常化に向けた体制整備などにより、リスクの低減に努めております。
(4) 感染症の流行について
今後、新型インフルエンザなどの感染症が世界的に流行した場合、社会活動の制限により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、新型コロナウイルス対策で実施した、衛生管理、ITの活用や柔軟な勤務体系などの社員の感染対策、商談や内覧時のお客様の感染防止対策における経験を活用し、感染症が流行した場合においても、事業活動に与える影響が最小限となるよう努めてまいります。
(5) M&Aについて
当社グループは、成長戦略実現のための手法として、M&Aについても継続的に検討・実施する方針です。M&Aにあたっては、対象企業の調査のほか相乗効果の評価及び統合後の事業展開の検討を行い、取得後は相乗効果の最大化に向けた統合作業を行っておりますが、市場環境が著しく変化するなど、当初想定した計画と実績とに乖離が生じた場合には、関連資産の減損などを通じて当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 分譲用地の確保について
新築住宅販売は戸建住宅分譲を中心としており、分譲用地を確保することが事業の前提となります。そのため立地条件に恵まれた用地の仕入が困難になる場合、仕入のエリアバランスが確保できなかった場合、土地の仕入価格高騰等により計画通りの用地調達が行えない場合などには、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、不動産仲介会社との連携強化のほか、用地仕入におけるエリア専任体制の構築など、優良な分譲用地の確保に取り組んでおります。
(7) 生産方式・生産期間について
新築住宅販売の戸建住宅分譲は、需要を予測しての見込生産となり、また、用地仕入から建物が完成するまでの生産期間は通常8ヶ月程度(大規模な開発行為が伴う案件はさらに長期間)を要し、大幅な短縮や商品の代替が困難という特性があります。そのため用地仕入後に販売計画に影響を及ぼす経済情勢の変動や競合物件の発生がある場合、天災その他不測の事態による完成時期の大幅な遅延が生じた場合などには過剰在庫や商品不足が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、ヒット商品の発生や景気動向その他の要因により計画に比し販売が大きく進んだ場合においても、その後の商品供給に端境が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、常に市場の需給バランスをモニタリングし、建築時期や在庫棟数を可能な限り柔軟に調整できる生産体制を採ることにより、リスクの軽減を図っております。
(8) 人材の確保及び育成について
当社グループが今後も継続的に事業を拡大するためには、必要な人材を確保できることが重要な条件の1つとなりますが、求人倍率の上昇や競争力の低下等により予定した人材が確保できない場合、定着率の低下から多くの人材又は優秀な人材が流出した場合、確保した人材の教育・育成が十分でない場合などには、事業計画の達成が困難となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、中長期的な事業拡大計画に先行して必要人材の獲得に努めるとともに、働き方改革や女性活躍推進などを通じた就労環境の改善を行うことにより、労働市場における競争力と定着率の向上に努めております。なお、人材の確保及び育成に関するリスクへの対応については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
(9) 借入金への依存について
当社グループでは、不動産販売の用地取得・造成・建物建築等に必要な資金、不動産賃貸の賃貸物件の購入・建設資金、事業拠点の購入・建設資金等について、主に借入金により調達しております。このため、経済情勢の変化等により市場金利が上昇又は高止まりした場合、金融危機や当社グループの信用力の低下により借入額等に制約を受けた場合などには、支払利息の負担増加や事業計画の変更等が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、金融機関との良好な関係の維持・強化に努めるとともに、常に手元流動性の確保や資本効率の向上等の観点から検討を行い財務基盤の強化に取り組んでおります。
(10) 不動産価値の下落について
当社グループは、不動産の取得、開発、販売及び賃貸等の事業を行っており、不動産市況が悪化した場合には、販売用不動産の評価損や固定資産の減損損失等の計上によって、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 資材の調達について
当社グループが扱う新築住宅は、木材や石油関連の資材を使用していることから、市況や為替変動による資材価格の高騰に対し、コストダウンや価格転嫁等が難しい場合、資材の調達不足により生産計画の大幅な見直しが必要となる場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、建築材料販売事業を主な事業の1つとしており、当社グループ及び外部顧客との取引をバランスさせることで、長期的に安定した仕入数量を確保しております。
(12) 許認可等の法規制等について
当社グループは、宅地建物取引業法、建設業法、建築士法等の許認可等を受け事業を行っているほか、宅地開発や建物建築に関連する各種法令や条例等の規制を受けております。これらの法令・条例の改廃及び新たな法令が制定された場合は、新たな対応費用の発生や所管官庁の審査期間の長期化等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、業法の許認可等には有効期間及び取消事由等が定められております。当社グループでは法令遵守に努めておりますが、何らかの理由により、当該許認可が取消され又はこれらの更新が認められない場合には、当社グループの主要な事業活動に支障をきたすとともに、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(13) 情報セキュリティと個人情報保護について
当社グループは、不動産販売事業を行っていることから、不動産の仕入先等の特定個人情報を含む個人情報を取り扱っております。情報管理においては、システム対応等セキュリティ対策に万全を期しておりますが、万一、サイバー攻撃や従業員の情報持ち出しにより個人情報が外部に漏洩した場合は、信用の失墜や損害賠償等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクについて、当社グループでは、個人情報管理規程、情報セキュリティポリシーに基づき、個人情報を含む情報管理の徹底を図るとともに、情報システムのセキュリティ強化を行っています。
(14) 住宅品質保証について
当社グループは、快適で住みやすく、安心して暮らせる住まいのご提供を通じて、豊かな社会の実現に貢献することを経営基本方針の一つに掲げ、徹底した品質管理のもと住宅を供給しています。
しかしながら、万一、当社グループの販売した物件に重大な欠陥があることが判明し、売主として契約不適合責任の履行が余儀なくされた場合、完成工事補償引当金の増額や、当社グループの信用力低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクについて、当社グループでは、コンピューターによる構造計算、構造用集成材・構造用耐力面材の使用、グループ工場でのプレカット製材による高精度の部材供給、防錆処理を施した専用金物による接合、性能評価基準で定められた自社性能評価の実施、宅地造成時の徹底した調査と地盤安全対策工事など、徹底した品質管理を行っております。
(15) 気候変動について
当社グループは、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動に対する取組」に記載したとおり、気候変動に伴う移行リスク及び物理リスクを特定しており、これらリスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対する取り組みについては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動に対する取組」をご覧ください。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、総じて雇用・所得環境の改善による緩やかな回復が続きました。一方で、物価上昇の進展による消費者マインドへの影響、米国の通商政策による影響など、我が国経済の下押しリスク要因も見られました。
住宅業界においては、資材価格や人件費の上昇により住宅価格が高止まりし、住宅ローン金利が上昇するなど、顧客マインドには厳しい状況が続きました。分譲戸建住宅の着工件数は、2022年11月以来、本年2月まで28ヶ月連続で前年同月割れとなりました。3月には増加に転じたものの当連結会計年度においては前期比8.5%の減少となり、年度を通じて厳しい市場環境が継続しました。
このような状況の中、当社グループは、新経営体制のもと、2024年5月に新中期経営計画を公表し、「持続的成長に向けた住宅事業の拡大強化」、「成長に向けた収益基盤の強化と成長投資の実行」及び「経営基盤の強化と企業価値の向上」の基本方針に沿い、成長ステージへの再転換を果たすべく経営に取り組んでまいりました。
主力の新築住宅事業を含む不動産販売セグメントにおいて、特に首都圏エリアでの事業活動の機動性向上を図るため、開発本部並びに営業本部を、それぞれ北関東エリア及び首都圏エリアを主管する2本部体制に再編しました。また、需要の低迷が続く中、商品供給計画を柔軟に見直すことにより、販売数量と利益額のバランスを確保することに注力して事業を進めてまいりました。これらの取り組みの結果、新築住宅販売棟数は前連結会計年度に比べ減少したものの、首都圏エリアでの販売棟数が増加し、不動産販売セグメントは増収増益となりました。
建築材料販売セグメントにおいては、住宅市場冷え込みの影響に加え、製造設備の更新投資に伴う工場稼働率低下の影響により、減収減益となりました。不動産賃貸セグメントは堅調に推移し、概ね前年並みの結果となりましたが、不動産販売セグメントの改善や全社的な経費削減が寄与し、連結ベースでは増収増益を達成することができました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高539億60百万円(前期比4.7%増)、営業利益12億12百万円(前期比3.2%増)、経常利益9億18百万円(前期比4.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4億86百万円(前期比16.6%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
不動産販売
新築住宅販売では、当期首より開発本部と営業本部を、マーケット特性の異なるエリア別に首都圏と北関東の2本部体制とし、意思決定の機動性向上を図りました。また、住宅需要が弱含む中、柔軟な生産計画を立案し、販売棟数確保と1棟あたりの利益額のバランスをとることに注力しました。
商品面においては、引き続き、長期優良住宅やZEH住宅など、サステナブル、かつ子育て世代にメリットの大きい商品づくりに注力し、全棟長期優良住宅認定の『ソラタウン柏の葉キャンパス97′Liwie(柏市、全57区画)』など、各エリアで環境性能に優れた商品供給を行いました。さらに、環境省が推進する「GX志向型住宅」のモデル棟として「断熱等級6」基準の住宅を建築し、ZEH水準を超える住み心地を体感する宿泊体験を開始しました。また、土地の仕入から住宅の供給、アフターメンテナンスまでの自社一貫体制による商品・サービス品質とサステナブルな家づくりが評価され、2025年オリコン顧客満足度調査の建売住宅ビルダー北関東部門第1位(6年連続)を獲得しました。
しかし、資材価格の上昇に加え、住宅ローン金利や物価上昇などによる顧客の住宅取得意欲低迷により、当連結会計年度における新築住宅累計販売棟数は、前期比5棟減の1,273棟となりました。販売棟数は前期比で減少したものの、売上高は、首都圏での販売が伸長したことにより増収となりました。また、利益面においては、過剰在庫の発生を抑制する取り組みや商品の付加価値向上、経費削減の進展により増益となりました。
中古住宅販売では、新築住宅の価格上昇の影響により流通価格が上昇し、新築ローコスト住宅との競合が生じるなど厳しい状況が続きました。このような状況の中、仕入物件の厳選と物件に応じた柔軟な販売戦略により販売促進を図りましたが、当連結会計年度の販売棟数は、122棟(前期比2棟減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における不動産販売セグメントの売上高は507億99百万円(前期比5.4%増)、セグメント利益は5億83百万円(前期比72.8%増)となりました。
建築材料販売
建築材料販売では、新設住宅(木造)着工戸数が2022年4月から前期末まで続いた前年同月割れの状況に下げ止まりの兆しが見られるものの、依然として受注環境は厳しい状況が続きました。
このような状況の中、既存顧客との関係強化と集合住宅等の戸建以外の物件の受注獲得に努めましたが、需要の低迷による競合激化や生産設備の更新に伴う設備稼働休止の影響により、前年同期に比べ減収減益となりました。
以上の結果、当連結会計年度における建築材料販売セグメントの売上高は27億12百万円(前期比6.5%減)、セグメント利益は62百万円(前期比75.8%減)となりました。
不動産賃貸
不動産賃貸セグメントでは、オフィス用及び居住用建物の賃貸事業と時間貸駐車場を主体とするパーキング事業を展開しています。建物賃貸事業においては、物件稼働率は通期で安定して推移しましたが、一部物件において改修工事が発生し、利益面では若干の減益となりました。
パーキング事業では、2024年8月に新規駐車場(30車室)の供用を開始しました。既存物件の稼働率は概ね前期並みで推移しました。
以上の結果、当連結会計年度における不動産賃貸セグメントの売上高は4億47百万円(前期比0.7%増)、セグメント利益は2億37百万円(前期比0.9%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動において増加し、投資活動及び財務活動により減少した結果、前連結会計年度末に比べ6億63百万円増加し、108億43百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、86億37百万円(前期は22億23百万円の減少)となりました。これは主に、在庫販売の進捗により棚卸資産が減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、3億16百万円(前期は4億63百万円の減少)となりました。これは主に、建築材料販売セグメントにおける設備更新投資に関係する固定資産取得が生じたことや、賃貸駐車場の新規取得が生じたことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、76億57百万円(前期は20億41百万円の増加)となりました。これは主に、在庫販売の進捗により借入金の返済が進んだことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメント の名称 |
項 目 |
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|||
|
件 数 |
前年同期比(%) |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
||
|
不動産販売 |
戸建住宅 |
1,167 |
89.5 |
41,791,106 |
94.5 |
|
注文住宅 |
28 |
133.3 |
559,310 |
127.1 |
|
|
土 地 |
93 |
344.4 |
1,939,714 |
268.0 |
|
|
小計 |
1,288 |
95.3 |
44,290,132 |
97.6 |
|
|
建築材料販売 |
プレカット製品 |
- |
- |
3,252,798 |
92.4 |
|
合計 |
1,288 |
95.3 |
47,542,930 |
97.2 |
|
(注)1.金額は販売価額によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.完成物件のみを記載しております。
3.不動産賃貸については、生産活動を伴わないため記載しておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
項 目 |
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|||||||
|
受注高 |
受注残高 |
||||||||
|
件数 |
前年同 期比 |
金額(千円) |
前年同 期比 (%) |
件数 |
前年同 期比 |
金額(千円) |
前年同 期比 (%) |
||
|
不動産販売 |
戸建住宅 |
1,240 |
96.6 |
43,852,705 |
101.1 |
85 |
94.4 |
3,646,244 |
100.1 |
|
注文住宅 |
37 |
160.9 |
736,097 |
140.1 |
22 |
169.2 |
389,903 |
183.0 |
|
|
土 地 |
41 |
315.4 |
1,646,077 |
271.5 |
9 |
- |
427,021 |
- |
|
|
他の不動産 |
- |
- |
2,486,104 |
103.8 |
- |
- |
105,269 |
138.9 |
|
|
その他 |
- |
- |
2,420,557 |
102.6 |
- |
- |
277,127 |
102.8 |
|
|
小計 |
1,318 |
99.9 |
51,141,542 |
103.8 |
116 |
111.5 |
4,845,565 |
115.1 |
|
|
建築材料販売 |
建築材料 |
- |
- |
6,071,974 |
92.3 |
- |
- |
990,939 |
114.4 |
|
合計 |
1,318 |
99.9 |
57,213,517 |
102.5 |
116 |
111.5 |
5,836,504 |
114.9 |
|
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.不動産賃貸については、受注を行っていないため記載しておりません。
3.不動産販売の他の不動産は、中古住宅等の販売であります。
4.不動産販売のその他は、外構工事等の追加工事等であります。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメント の名称 |
項 目 |
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|||
|
件 数 |
前年同期比(%) |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
||
|
不動産販売 |
戸建住宅 |
1,245 |
99.0 |
43,847,345 |
104.1 |
|
注文住宅 |
28 |
133.3 |
559,310 |
127.1 |
|
|
土 地 |
33 |
275.0 |
1,231,046 |
207.1 |
|
|
他の不動産 |
- |
- |
2,456,608 |
100.8 |
|
|
その他 |
- |
- |
2,705,634 |
104.4 |
|
|
小計 |
1,306 |
101.2 |
50,799,946 |
105.4 |
|
|
建築材料販売 |
建築材料 |
- |
- |
2,712,794 |
93.5 |
|
不動産賃貸 |
賃貸収入 |
447,389 |
100.7 |
||
|
合計 |
53,960,131 |
104.7 |
|||
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.件数欄については、土地は区画数、注文住宅及び戸建住宅は棟数を表示しております。
3.不動産販売の他の不動産は、中古住宅等の販売であります。
4.不動産販売のその他は、外構工事等の追加工事等であります。
地域別販売実績
|
セグメント |
地域 |
項目 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
||||
|
件数 |
売上高 |
件数 |
売上高 |
|||||
|
金額(千円) |
構成比 (%) |
金額(千円) |
構成比 (%) |
|||||
|
不動産 販売 |
栃木県 |
戸建住宅 |
484 |
13,795,991 |
28.6 |
473 |
13,930,839 |
27.4 |
|
その他 |
- |
2,588,884 |
5.4 |
- |
2,842,076 |
5.6 |
||
|
小計 |
484 |
16,384,876 |
34.0 |
473 |
16,772,915 |
33.0 |
||
|
茨城県 |
戸建住宅 |
356 |
11,159,778 |
23.2 |
301 |
9,651,807 |
19.0 |
|
|
その他 |
- |
1,108,768 |
2.3 |
- |
1,151,954 |
2.3 |
||
|
小計 |
356 |
12,268,546 |
25.5 |
301 |
10,803,762 |
21.3 |
||
|
群馬県 |
戸建住宅 |
140 |
4,018,214 |
8.4 |
179 |
5,381,557 |
10.6 |
|
|
その他 |
- |
354,354 |
0.7 |
- |
338,963 |
0.7 |
||
|
小計 |
140 |
4,372,569 |
9.1 |
179 |
5,720,520 |
11.3 |
||
|
千葉県 |
戸建住宅 |
150 |
6,272,804 |
13.0 |
142 |
6,496,945 |
12.8 |
|
|
その他 |
- |
667,715 |
1.5 |
- |
390,977 |
0.7 |
||
|
小計 |
150 |
6,940,519 |
14.4 |
142 |
6,887,923 |
13.5 |
||
|
埼玉県 |
戸建住宅 |
90 |
3,787,023 |
7.9 |
99 |
4,246,717 |
8.4 |
|
|
その他 |
- |
448,773 |
0.8 |
- |
909,393 |
1.7 |
||
|
小計 |
90 |
4,235,796 |
8.8 |
99 |
5,156,111 |
10.1 |
||
|
神奈川県 |
戸建住宅 |
47 |
2,900,893 |
6.0 |
53 |
3,241,743 |
6.4 |
|
|
その他 |
- |
198,628 |
0.4 |
- |
244,420 |
0.5 |
||
|
小計 |
47 |
3,099,521 |
6.4 |
53 |
3,486,163 |
6.9 |
||
|
その他 |
戸建住宅 |
11 |
691,093 |
1.4 |
26 |
1,640,290 |
3.2 |
|
|
その他 |
- |
183,771 |
0.4 |
- |
332,260 |
0.7 |
||
|
小計 |
11 |
874,865 |
1.8 |
26 |
1,972,550 |
3.9 |
||
|
不動産販売合計 |
1,278 |
48,176,695 |
100.0 |
1,273 |
50,799,946 |
100.0 |
||
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績は、売上高は539億60百万円(前期比4.7%増)となりました。不動産販売セグメントにおいては、住宅価格の高止まりや金利上昇による購入層の住宅取得意欲の低下が続き、事業拡大を進める首都圏での新築住宅販売実績は前期を上回ったものの、北関東における販売棟数が減少し、グループ全体での販売棟数は1,273棟(前期比5棟、0.3%減)となりました。中古住宅販売においても、新築住宅価格の上昇の影響から流通価格が上昇し、ローコスト新築住宅を含めた競合の激化に見舞われた結果、販売棟数は122棟(前期比2棟減)となりました。販売棟数は減少したものの、新築住宅の首都圏での販売比率が高まったことや販売価格の上昇によって売上高は前期比5.4%増の507億99百万円となりました。建築材料販売セグメントにおいては、住宅市場の冷え込みによるプレカット材などの建築材料の需要減により厳しい受注環境が続き、販売数量、受注価格ともに低調に推移したことにより前期比6.5%の減収となりました。不動産賃貸セグメントにおいては、保有資産の稼働率が引き続き堅調に推移したことにより前期並みの売上となりました。その結果、連結売上高は、不動産販売セグメントの増収が牽引し、前期比4.7%の増収となりました。
利益面では、不動産販売セグメントにおいて、上昇した原価を販売価格へ転嫁することが難しい販売環境が続き、利益率は低調に推移したものの、生産計画の調整など在庫管理に注力したことから、年度を通じて徐々に回復する傾向を維持することができました。建築材料販売セグメントにおいては、受注環境の厳しさから売上が低調だったことに加え、プレカット設備更新時の稼働停止期間中に加工作業の外注を行ったことにより原価率が上昇したことにより、大幅な減益となりました。不動産賃貸セグメントは、前期並みの結果となりました。その結果、営業利益は12億12百万円(前期比3.2%増)、経常利益は9億18百万円(前期比4.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億86百万円(前期比16.6%増)となりました。
当連結会計年度末の財政状態は、総資産が前連結会計年度末に比べ56億98百万円減少し、687億70百万円となりました。主な要因は、不動産販売事業における在庫販売の進捗により棚卸資産が減少したことによるものです。在庫管理強化は、当社グループの重要な経営課題のひとつであり、完成在庫の販売促進、需要に応じた柔軟な生産計画の調整、事業性の観点から厳選した分譲用地の仕入れを徹底することにより、完成在庫の滞留を防止することに取り組んでおります。
負債は、前連結会計年度末に比べ55億10百万円減少し、439億4百万円となりました。主な要因は、棚卸資産の減少に対応して借入金が減少したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ1億87百万円減少して248億66百万円となりました。主な要因は、自己株式の処分及び親会社株主に帰属する当期純利益の計上により増加したものの、配当金の支払いにより減少したことによるものです。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因及びその対応策については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売用不動産の用地取得・造成・建築等の製造原価、販売費及び一般管理費等の営業費用の支払であります。投資資金需要のうち主なものは、事業拠点への設備投資、賃貸用不動産の取得資金であります。
短期運転資金については、主に自己資金、金融機関からの短期借入金により調達し、長期運転資金及び投資資金については、主に社債及び金融機関からの長期借入金により調達しております。当連結会計年度においては、販売用不動産が減少したことにより有利子負債残高は366億21百万円となり、前連結会計年度に比べ68億52百万円減少しました。当社は、流動性リスクに備えるために金融機関とは十分な融資枠を設定しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループにおける研究開発活動については、「不動産販売」に関わる分野についてのみ行っております。
不動産販売における研究開発は、競争が激化する住宅業界において顧客の幅広いニーズに対応するため、個々の優れた工法・構造等を相互に、かつ有機的に結びつけ、全体として高品質でありながら適正価格で住宅を提供することにより、他社との差別化を図り受注の拡大を目指すことを目的としております。
研究開発の主要課題は、時代の流れに対応した先進性を取り入れ顧客ニーズに応えること、品質の向上とともにコストダウンを図ること、及び、分譲地の街並みを含めたデザイン性を高めること、等であります。
これらの研究開発につきましては、建築本部設計部が主管しております。
なお、上記研究に要した支出は、通常の経費と区分把握はしていないため、当連結会計年度においては研究開発費として計上した金額はありません。