第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

今後の経営方針としましては、これまで培ってまいりました様々なビジネスモデル・スキル・ノウハウ・サービス品質を武器として、計画的な営業所の増設を実施するとともに、戸建住宅の供給数増加にも努め、持続的な業容の拡大を図ってまいります。

また、今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による世界経済の停滞が企業活動及び個人消費に与える影響を注視する必要があるものと考えております。そのようななか、当社グループは、高い成長を持続するために、資産効率並びに収益性を重視した経営戦略により、更に強固な収益基盤を構築する必要があると考えており、以下の施策を実践してまいります。

なお、以下に記載のうち将来に関する事項は、特段の記載がない限り、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

(1)主要事業領域における競争力強化

主要地域である関西圏(阪神間・北摂地域)と中部圏(名古屋市東部)において、「住まい・暮らし」をキーワードとした「人生に関わる総合サービス企業」を目指すという理念のもと、不動産事業を中心としたサービスの幅を広げていくことを基本的なスタンスとし、流通事業をはじめリフォーム事業、開発分譲事業、賃貸事業等の不動産関連事業の競争力強化を図ってまいります。具体的な戦略は以下のとおりであります。

 

① 地域密着による事業基盤の強化

当社グループは、顧客に対する「住まいのワンストップサービス」を提供するうえで、流通事業を事業戦略上の要と位置付けており、店舗を事業活動の拠点となる地域に出店することにより、地域ごとの顧客ニーズ、不動産情報、市場動向、顧客層別の志向等の把握を行うとともに、営業地域全体の情報を蓄積し、各事業へ適時適切に活用することで事業基盤の強化を図ってまいります。

また、平日のみを利用して不動産の購入をされるお客様に対し、当社通常仲介手数料の30%をキャッシュバックするサービスの浸透・拡充を図ることにより、平日の営業稼働率を高めることで、生産性を向上させてまいります。

更に、不動産の売却をされるお客様に対しても、売却期間の短縮で節約できたコストをお客様へ還元する期間報酬制度を実施し、地域における同業他社との差別化、優位性の確保等によるシェアの拡大を目指してまいります。

 

② リフォーム事業における事業基盤の安定

当社グループは、あらゆる販売窓口へ来店されたお客様に対し、「住まいのワンストップサービス」の提供を実践しており、そのなかでも、流通事業の店舗で展開しております中古住宅の購入と同時にリフォームを行うという提案は、お客様からの支持も厚く、高いシナジーを生んでおります。

また、優良な中古住宅のストックを活用した住環境の整備を目指し、中古住宅及びリフォーム市場への国策も強化されております。このような環境を背景に、今後益々流通事業との連携強化を図るとともに、営業エリアの拡大並びに取扱件数の増加に対応できる施工管理体制を構築し、中古住宅・リフォーム市場におけるリーディングカンパニーを目指してまいります。

 

③ 開発分譲事業における財務リスクの低減と物件力の強化

フィービジネス及びリフォーム事業の売上割合を高め、安定した収益基盤を構築することにより、財務体質の強化を図る前提のもと、リスクの許容範囲内において、地域ごとの需要に合わせた戸建分譲開発を推進してまいります。そのため、流通事業の店舗展開により収集・把握した地域ごとの生活スタイル及び不動産情報を、開発分譲事業における開発用地選定、並びに企画から販売計画に至るまで反映させ、顧客ニーズを的確に捉えた物件創りに徹することで、差別化を図ってまいります。

(2)人材の獲得と育成

当社はこれまで原則新卒採用により人員強化を図っており、今後についても、当社グループの事業及び経営理念に共感する新卒社員を採用することで事業基盤の安定並びに拡大を図ってまいります。近年激化する採用市場において、従来型の受動的な採用手法から脱却し、既存資産(事業・人材)を活用したダイレクトリクルーティングにより、優秀な人材へ能動的にアプローチしてまいります。

また、社員一人ひとりの営業スキル、ノウハウを向上させ、お客様からの信頼を得ることをテーマとして、研修制度の充実により人材育成を図るとともに、各事業の管理職層の強化にも努め、経営判断のスピードアップを図ってまいります。

 

(3)コンプライアンス体制の強化

更なる業容拡大、企業価値向上を目指すために、企業倫理・コンプライアンスについて全役職員が共通の認識を持ち、一人ひとりが的確で公正な意思決定を行う風土を醸成する仕組みを整備してまいります。特に、宅地建物取引業法、建築基準法等の関係法令については最新の動向を常に把握し遵守に努めてまいります。また、株式上場企業として、内部者取引にかかる情報管理・売買管理体制の周知・徹底を図ってまいります。

 

(4)資金調達の多様化

開発分譲事業の事業戦略並びに流通店舗の新規出店など、想定される様々な資金需要に対して、資金調達手段の多様化を図ることにより、適時適切な資金調達を実現し、今後の事業展開を円滑に進めてまいります。また、強固な収益基盤及び財務体質の向上をもとに、借入コストの低減にも同時に取り組んでまいります。

 

2【事業等のリスク】

以下において、当社の事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、以下に記載のうち将来に関する事項は、特段の記載がない限り、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

(1)外部環境について

① 法的規制について

当社グループは不動産業及び建設業に属し、「宅地建物取引業法」、「建設業法」及び関連する各種法令により規制を受けており、当社においては宅地建物取引業免許及び一般建設業許可について、子会社株式会社ウィル空間デザインにおいては宅地建物取引業免許及び特定建設業許可について、子会社株式会社リノウエストにおいては宅地建物取引業免許について、子会社株式会社遊においては宅地建物取引業免許及び特定建設業許可について、それぞれ監督官庁より許認可を受けております。現時点において、当該免許及び許認可等が取消しとなる事由は発生しておりませんが、将来、何らかの理由により、当該許認可等が取消された場合又はそれらの更新が認められない場合には、当社の事業活動に支障をきたすとともに、経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、これらの法律等の改廃又は新たな法的規制が今後生じた場合には当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(当社)

許認可等の名称

許認可等の内容

有効期限

許認可取消事由等

宅地建物取引業免許

国土交通大臣免許

(4)第6447号

2023年6月17日

(5年ごとの更新)

不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は免許の取消(宅建業法第66条)

一般建設業許可

国土交通大臣許可

(般-27)第21398号

2020年10月4日

(5年ごとの更新)

不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)

 

 

(株式会社ウィル空間デザイン)

許認可等の名称

許認可等の内容

有効期限

許認可取消事由等

宅地建物取引業免許

兵庫県知事免許

(3)第300235号

2020年10月25日

(5年ごとの更新)

不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は免許の取消(宅建業法第66条)

特定建設業許可

国土交通大臣許可

(特-1)第27549号

2024年9月11日

(5年ごとの更新)

不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)

 

(株式会社リノウエスト)

許認可等の名称

許認可等の内容

有効期限

許認可取消事由等

宅地建物取引業免許

大阪府知事免許

(3)第52054号

2021年2月1日

(5年ごとの更新)

不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は免許の取消(宅建業法第66条)

 

(株式会社遊)

許認可等の名称

許認可等の内容

有効期限

許認可取消事由等

宅地建物取引業免許

兵庫県知事免許

(2)第11674号

2024年6月18日

(5年ごとの更新)

不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は免許の取消(宅建業法第66条)

特定建設業許可

兵庫県知事許可

(特-30)第116499号

2024年2月19日

(5年ごとの更新)

不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)

 

② 住宅市況及び金利状況、経済情勢の変動について

当社グループが属する不動産業界は、景気動向、金利動向、地価動向並びに住宅税制等の影響を受けやすいため、景気見通しの悪化や大幅な金利上昇、地価の上昇並びに住宅税制等の諸情勢に変化があった場合には、住宅購入者の購入意欲を減退させる可能性があります。また、金融機関の融資姿勢に変化があった場合には、新規事業用地の取得が困難になる場合があります。これらの場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、上記経済情勢の変化は、事業用地の購入代金、材料費、施工費並びに販売期間の長期化に伴う販売促進費等の変動要因にもなり、これらが上昇した場合には、当社グループの事業利益が圧迫され、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 競合について

当社グループが事業展開する不動産業界においては、大手企業を含む事業者が多数存在し、これらの事業者との競合が生じております。当社グループは、「住まい・暮らし」をキーワードとした「人生に関わる総合サービス企業」を標榜し、不動産に関連する各事業を展開しており、今後においては、特に、地域密着型店舗展開の強化、平日会員向け仲介手数料割引サービスによる流通事業の強化と、それに伴う「住まいのワンストップサービス」の相乗効果によるリフォーム事業、不動産取引派生事業の強化、開発分譲事業の魅力的な戸建物件の創出等により、他社との差別化を進め、事業基盤の拡充を図っていく方針であります。

しかしながら、同業他社においては、当社グループと比較して、資本力、営業力及びブランド力等に優れる企業が多数あり、これら企業との競合等により当社グループの想定どおりの事業拡大が図れる保証はなく、更に競合が激化した場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、開発分譲事業については、当社グループの営業地域において多数の事業者が事業を展開しております。当社グループは、地域に密着した営業所展開によって、効率的な事業用地の仕入及び販売活動を推進しておりますが、同業他社も多く、土地の仕入や販売活動において競合が発生しております。当社グループの分譲物件の販売において、近隣に他社の分譲物件等がある場合には、販売活動が想定どおり進捗しない可能性があり、販売期間の長期化や値引販売等による採算悪化等が生じ、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業展開について

① 営業地域について

当社グループは、関西圏の阪神間・北摂地域と中部圏の名古屋市を主たる営業地域として事業展開を行っており、当該地域に営業店舗を12店舗展開(2019年12月末現在)しております。当社グループは、当該店舗において収集・蓄積した地域特性・市場動向・顧客ニーズ等の情報及び集客をグループ全体で総合的に活用することにより、地域密着型店舗を基盤とした事業を展開しております。

しかしながら、これらの事業展開により、当該地域の市場動向等に強い影響を受ける可能性があり、当該地域の不動産市況の低迷や地域的な景況感悪化等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは将来においては当該地域以外への進出を計画しており、その場合には現在と同様の事業展開が図れる保証はありません。

 

② リフォーム事業及び開発分譲事業における外部委託業者の活用について

当社グループの開発分譲事業における分譲物件においては、当社グループが分譲物件のマーケティング及びコンセプト策定等を行い、設計・建築工事業務等については、設計・施工等の能力、工期、コスト及び品質等を勘案し、外部の事業者に委託しております。また、リフォーム事業においては、当社グループがリフォーム物件の設計・施工管理業務等を行い、それ以外の施工業務等については外部の事業者に委託しております。

外部委託業者の選定及び管理については十分に留意しておりますが、必ずしも当社グループのコントロールが充分である保証はなく、外部委託業者においてトラブル等が生じた場合には、当社グループの事業推進に影響が生じ、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 開発分譲事業について

当社グループにおいては、近年の市場及び地価動向を鑑み、戸建分譲開発を中心とした事業展開を図りながら、他事業における手数料収入や請負工事収入の比率を高めることで事業構造のバランス改善に努め、総資産に占めるたな卸資産並びに有利子負債を圧縮しつつ、財務リスクの軽減を図ってまいりました。そのようななか、2019年12月期におきましては、総売上高に占める開発分譲事業の売上割合は43.0%、開発分譲事業におけるたな卸資産計上額の総資産に占める比率は38.7%であります。

景気動向の影響を受けやすい不動産市況に鑑みた場合、当社グループが推進するプロジェクトの開発及び販売計画が想定どおり進捗する保証はなく、何らかの理由により当該プロジェクトの中止、延期及び販売期間の長期化等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 分譲物件等にかかる品質管理等について

住宅供給業者は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により、新築住宅の構造上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分については住宅の引渡日から10年間、その他の部分については、「宅地建物取引業法」により住宅の引渡日から最低2年間について瑕疵担保責任を負います。加えて「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」により、住宅の瑕疵担保責任履行のための資力の確保が義務付けられており、当社グループでは「住宅瑕疵担保責任保険」への加入により、その保証責任を十分履行できるような体制を整えております。

また、当社グループにおいて開発・分譲等を行う住宅については、その品質管理を重視した事業展開を推進しており、土壌汚染、アスベスト及び建材の耐火性能等のチェックについては外部委託業者等との協力体制を構築しており、現時点において過年度に供給したものも含め、問題となる物件はないものと認識しております。

しかしながら、当社グループの販売した物件に重大な瑕疵があることが判明した場合には、その直接的な原因が当社グループの責めに帰すべきものでない場合であっても、売主としての瑕疵担保責任を負わなければならない場合があり、損害賠償請求の発生並びに当社グループに対する信頼低下等により、当社グループの事業展開及び経営成績等に影響を与える可能性があります。また今後、法規制等が強化された場合には、当社グループの事業展開に影響を与える可能性があります。

 

(3)組織体制について

① 組織体制について

当社グループは2019年12月31日現在、従業員が152名(臨時雇用者等除く)となっており、内部管理体制も現在の組織規模に応じたものとなっております。今後、事業の拡大に伴って、内部管理体制の整備、充実を含め、計画的な人員増強に努める方針ではありますが、当社グループが事業規模の拡大に対して、適切かつ充分な人員の増強ができなかった場合には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 人材確保について

不動産業界においては、専門的知識が必要なため、一般に業界経験のある人員を中途採用する企業が多いなか、当社グループは、企業方針にかかる認識の徹底を図るため、創業当初より新卒採用を主体とした人材採用を実践しており、自社において研修制度の充実を図り従業員の教育・育成を行っております。当社グループは、当該方針の徹底及び実践の成果により、現時点において当社グループが求める人材について育成が進み、これが他社との差別化要素の一つとなっているものと認識しております。

しかしながら、当該人材の育成には相応の期間を要することから、人材育成のスピードが事業規模に見合わない場合には事業拡大の制約要因となる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4)財政状態及び経営成績の変動について

① 物件の引渡し時期等による経営成績の変動について

不動産業界においては、一般に転勤及び学期末の時期であること等から、3月頃に不動産物件の引渡し等が集中し売上高が増加する傾向にありますが、当社グループにおいては、当該季節要因とは別の営業戦略上の理由により、開発分譲事業における個別物件の引渡し時期が第4四半期に集中する傾向があり、これによる業績偏重が生じる可能性があります。

開発分譲事業における売上高は、会計上、物件の売買契約締結時(営業活動の完了時)には計上されず、引渡時(役務提供の完了時)において計上されます。このことから、天災地変、事故、その他予期し得ない要因による工期遅延等の不測の事態により開発分譲物件の引渡時期について、四半期末並びに年度末を越える遅延が生じた場合、また、市況の影響による販売期間の長期化が余儀なくされた場合には、当社グループの経営成績は著しく変動する可能性があります。

なお、経営成績に占める第4四半期の売上高及び営業利益の割合は以下のとおりであります。

 

2018年12月期(第4四半期)

2019年12月期(第4四半期)

売上高

39.9%

32.9%

営業利益

66.3%

42.1%

 

② 有利子負債への依存度

当社グループは、開発分譲事業に係る用地取得費及び土地造成費等のプロジェクト資金、並びに賃貸事業の物件取得資金について主として金融機関からの借入金によって調達しております。

前述のとおり、2019年12月期における開発分譲事業の売上割合は43.0%、総資産額に占める有利子負債の比率についても、2017年12月期39.2%、2018年12月期52.0%、2019年12月期57.7%と適正な水準を維持しております。今後においては、資金調達手段の多様化に積極的に取り組むことにより自己資本の充実に注力する方針でありますが、積極的な開発分譲事業への取り組みにより、再び有利子負債依存度が増加した場合や市場金利が上昇する局面においては支払利息等の増加により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、資金調達に際しては、当社グループでは特定の金融機関に依存することなく個別案件ごとに金融機関に融資を打診しております。また、プロジェクト開発を目的とした資金調達につきましては、弁済期日に関わらずプロジェクト物件1戸引渡しごとに弁済金額が定められておりますので、プロジェクト物件の販売状況に連動し、販売代金により返済されるものであるため、現時点において借入金返済に支障が生じる状況にはないものと認識しております。しかしながら、何らかの理由により資金調達が不十分あるいは不調に終わった場合には、プロジェクトの中止、延期等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)個人情報保護について

当社グループでは、営業活動に伴い様々な個人情報を入手しております。当社グループとしては、内部の情報管理体制の徹底により個人情報の保護に注力しておりますが、不測の事態により、個人情報が流出した場合等には、損害賠償並びに当社グループの信用低下等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(6)訴訟等の可能性について

当社グループは、事業展開において宅地建物取引業法並びにその他関連法令を遵守した営業活動を推進しておりますが、顧客との認識の齟齬その他に起因して販売又は仲介物件等に起因したクレーム・トラブル等が発生する場合があります。当社グループにおいては、弁護士等の関与のもと必要と考えられる相手先との協議・対応を行っており、現在、重大な訴訟事件等は生じておりません。

しかしながら、今後においてこれらクレーム・トラブル等に起因して重大な訴訟等が提起された場合には、当社グループにおける顧客からの信頼低下並びに損害賠償請求等により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、消費増税の影響が懸念されたものの、経済対策による下支えがあり、雇用・所得環境の改善が継続するなど、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、米国・中国の通商政策の動向や英国のEU離脱に関する協議など、海外経済の不確実性が景気の先行きを不透明な状況にし、各種経済活動に懸念が残りました。

 不動産関連業界におきましては、投機を目的とした不動産に対する不正融資や施工不良問題などが発生した一方で、住宅ローン金利は引き続き低位で推移しており、実需の住宅取引は安定的に推移いたしました。なお、公益社団法人近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)によりますと、当社グループの主要な営業エリアである兵庫県・大阪府における中古住宅の取扱件数は前期比2.5%増加いたしました。

 このような経営環境のなかで当社グループにおきましては、フィービジネスとリフォームの連携強化(収益面)と開発分譲事業の推進(事業規模の拡大)など、ワンストップ体制のシナジー最大化戦略に注力することで、持続的成長と高収益な事業基盤の実現を目指してまいりました。

 まず、2019年1月に藤が丘営業所を開設したことや自社サイトをはじめとしたインターネット媒体からの集客力の強化などが奏功し、住宅を購入されるお客様の来店件数が前期比8.8%増加(関西圏:同2.8%増、中部圏:81.6%増)いたしました。また、来店されたお客様へ最適なお住まいをご紹介するために、売却物件の獲得にも注力した結果、売却依頼が同24.5%増加(関西圏:15.9%増、中部圏:140.9%増)いたしました。これにより、ワンストップサービスの販売機会が増加するなど、「中古住宅×リフォーム×FP」の取扱件数も増加いたしました。また、流通店舗に集まる売却情報を活用するなど、開発物件を積極的に仕入れた結果、開発分譲事業のたな卸資産が前期末と比べて39.2%増加いたしました。

 これらの結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高6,260百万円(前期比3.4%増)、営業利益658百万円(同29.7%増)、経常利益633百万円(同29.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益439百万円(同33.4%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。

 流通事業におきましては、事業間シナジーの基軸として各種連携に取り組んだ結果、中古住宅の取扱件数が前期比18.6%増加したことに伴い、「中古住宅×リフォーム」の請負契約件数も同4.5%増加いたしました。また、来店成約率が同0.7ポイント改善したことや取扱単価の上昇などにより、営業利益率が同2.5ポイント向上いたしました。この結果、売上高は1,384百万円(前期比20.7%増)、営業利益は429百万円(同31.6%増)となり、売上高と営業利益の過去最高を更新いたしました。

 リフォーム事業におきましては、流通店舗に来店されたお客様に対して、住宅購入の検討段階から積極的にリフォームを提案する営業戦術が奏功するなど、引渡件数が前期比14.7%増加いたしました。また、営業から設計・積算、施工までの一元管理体制の強化により、営業利益率が同1.1ポイント向上いたしました。この結果、売上高は1,850百万円(前期比15.4%増)、営業利益は386百万円(同21.6%増)となり、売上高と営業利益の過去最高を更新いたしました。

 開発分譲事業におきましては、兵庫県宝塚市(3,943.48㎡)の戸建プロジェクトなどの物件企画や販促戦略の立案、当期計画戸数の販売・引渡しに取り組みました。また、流通店舗に集まる売却情報を活かした相対取引により、適正価格での仕入れを実現し、営業利益率が前期比0.8ポイント向上いたしました。この結果、売上高は2,773百万円(前期比14.5%減)、営業利益は162百万円(同0.8%減)となりました。

 賃貸事業におきましては、兵庫県宝塚市にある本社ビルに近接した駅前複合施設と立体駐車場を取得し、地域交流イベントの開催を通じて、地域社会との関係強化を図るなど、新たな土地情報の取得ルートの構築に努めました。また、老舗の料理旅館をシェアハウスにリノベーションした「ダイバーシティ甲陽園」の入居者募集に取り組みました。この結果、売上高は135百万円(前期比452.1%増)、営業利益は5百万円(同57.4%減)となりました。

 不動産取引派生事業におきましては、流通事業等の成約件数増加に伴い、住宅ローン事務代行の取扱件数が前期比24.0%増加したことや損害保険の代理店手数料が同22.4%増加するなど、FP業務の営業利益が同25.5%増加いたしました。また、生命保険をはじめとした各種紹介業務の注力により、顧客単価が向上し、営業利益率が同8.8ポイント向上いたしました。一方で、受託販売事業の縮小に伴い、広告制作業務の売上高が同50.1%減少いたしました。この結果、売上高は143百万円(前期比2.4%減)、営業利益は84百万円(同17.0%増)となりました。

 その他の事業におきましては、中古住宅・リフォーム市場の拡大を目的に、不動産業界のミドルマーケットに対して、事業戦略や人材戦略などのソリューションを提供するなど、コンサルティング業務等の売上高が前期比33.8%増加いたしました。また、大阪大学・神戸大学合格専門塾「志信館」においては、新規入塾生の募集と受験本番に向けた取り組みに注力いたしました。この結果、売上高は164百万円(前期比28.1%増)、営業利益は26百万円(同270.9%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ381百万円減少し、1,306百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、税金等調整前当期純利益633百万円に対し、開発分譲物件の新規仕入等によりたな卸資産(販売用不動産及び未成工事支出金等)の増加993百万円、法人税等の支払額177百万円及び売上債権の増加67百万円によりそれぞれ資金が減少した一方で、減価償却費81百万円並びに未払費用の増加59百万円によりそれぞれ資金が増加したことを主な要因として、426百万円の資金減少(前期は1,042百万円の資金減少)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、駅前複合施設と立体駐車場の取得(信託受益権)等に伴う有形固定資産の取得による支出1,379百万円を主な要因として、1,406百万円の資金減少(前期は311百万円の資金減少)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、駅前複合施設と立体駐車場の取得(信託受益権)等に伴い長期借入れによる収入1,580百万円並びに開発物件の仕入資金等として短期借入金402百万円の資金がそれぞれ増加した一方で、長期借入金の返済による支出(1年内返済予定の長期借入金を含む)374百万円、配当金の支払額156百万円の資金がそれぞれ減少したことを主な要因として、1,452百万円の資金増加(前期は1,511百万円の資金増加)となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループの事業形態におきましては、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。

 

b.契約実績

当社グループが行っている事業のうち、流通事業及び不動産取引派生事業は、契約締結から売上計上までの期間が短く、また賃貸事業は、事業の性質上契約実績の表示がなじまないため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度におけるリフォーム事業の契約実績は次のとおりであります。

前連結会計年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

期中契約高

期末契約残高

期中契約高

期末契約残高

数量

(戸)

金額

(百万円)

数量

(戸)

金額

(百万円)

数量

(戸)

金額

(百万円)

数量

(戸)

金額

(百万円)

673

1,719

81

459

724

1,709

75

318

(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間の内部売上高又は振替高を含めております。

 

 

当連結会計年度における開発分譲事業の契約実績は次のとおりであります。

前連結会計年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

期中契約高

期末契約残高

期中契約高

期末契約残高

数量

(戸)

金額

(百万円)

数量

(戸)

金額

(百万円)

数量

(戸)

金額

(百万円)

数量

(戸)

金額

(百万円)

126

3,425

12

406

99

2,843

17

476

(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間の内部売上高又は振替高を含めております。

3.上記の数量欄及び金額欄には、建築条件付にて土地の売買契約を締結した場合においては、戸数及び契約金額を含めて記載しておりますが、当該契約に付随する建物の建築請負契約につきましては、契約金額のみ金額欄に含めております。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

  至 2019年12月31日)

構成比(%)

前年同期比(%)

流通事業

(百万円)

1,384

21.4

20.7

リフォーム事業

(百万円)

1,850

28.7

15.4

開発分譲事業

(百万円)

2,773

43.0

△14.5

賃貸事業

(百万円)

135

2.1

452.1

不動産取引派生事業

(百万円)

143

2.2

△2.4

報告セグメント計

(百万円)

6,287

97.4

2.0

その他

(百万円)

164

2.6

28.1

合計

(百万円)

6,452

100.0

2.5

 (注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間の内部売上高又は振替高を含めております。

.当連結会計年度よりセグメントの区分を変更しております。

4.当連結会計年度の開発分譲事業の販売実績の内訳は次のとおりであります。

区分

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

  至 2019年12月31日)

種類

物件名

戸数

(戸)

販売高(百万円)

戸建分譲プロジェクト

宝塚市仁川清風台

8

376

箕面市新稲

4

207

川西市久代

3

109

小計

15

693

その他

79

2,080

合計

94

2,773

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態

(資産)

当連結会計年度における資産合計は、前連結会計年度末より2,112百万円増加し、8,962百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末より685百万円増加し、5,467百万円となりました。主な要因といたしましては、販売用物件の取得等によりたな卸資産(販売用不動産及び未成工事支出金等)が942百万円、受取手形及び売掛金が67百万円並びにその他(流動資産)が57百万円それぞれ増加した一方で、仕入債務の支払い等により現金及び預金が381百万円減少したことによるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末より1,427百万円増加し、3,494百万円となりました。主な要因といたしましては、駅前複合施設と立体駐車場の取得(信託受益権)及び中部圏における出店用地の取得等により有形固定資産が1,352百万円、投資その他の資産が70百万円それぞれ増加したことによるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度における負債合計は、前連結会計年度末より1,826百万円増加し、6,039百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末より638百万円増加し、3,859百万円となりました。主な要因といたしましては、販売用物件の仕入資金等として短期借入金が402百万円並びに1年内返済予定の長期借入金が107百万円、その他(流動負債)が68百万円及び未払法人税等が41百万円それぞれ増加したことによるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末より1,188百万円増加し、2,180百万円となりました。主な要因といたしましては、駅前複合施設と立体駐車場の取得(信託受益権)資金及び中部圏における出店用地の取得資金等として長期借入金が増加したことによるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度における純資産合計は、前連結会計年度末より286百万円増加し、2,923百万円となりました。主な要因といたしましては、親会社株主に帰属する当期純利益を439百万円計上した一方で、2018年12月期の期末配当金を153百万円実施したことによるものであります。

 

b.経営成績

当連結会計年度における売上高は6,260百万円、売上総利益は1,213百万円、営業利益は658百万円、経常利益は633百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は439百万円となりました。

 

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、前期と比べて206百万円増加し、6,260百万円(前期比3.4%増)となりました。主な要因といたしましては、ワンストップサービスの強化戦略が奏功し、流通事業及びリフォーム事業の経営成績が堅調に推移したこと、並びに賃貸事業が増収になった結果であります。

なお、詳細につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

(売上総損益)

当連結会計年度における売上総利益は、前期と比べて200百万円増加し、1,213百万円(前期比19.8%増)となりました。主な要因といたしましては、流通事業及びリフォーム事業の売上高増加に連動したものであります。

(営業損益)

当連結会計年度における営業利益は、前期と比べて150百万円増加し、658百万円(前期比29.7%増)となりました。主な要因といたしましては、更なる活動エリア拡大を見据えた人員の獲得を主な要因として、販売費及び一般管理費が前期と比べて49百万円増加し、555百万円(前期比9.8%増)となった一方で、売上部門の生産性が向上し、営業利益率が前期と比べて2.1ポイント向上したことによるものであります。

 

(経常損益)

当連結会計年度の営業外収益は、受取家賃及び受取保険金等の計上により14百万円となりました。また、営業外費用は、支払利息等の計上により40百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度における経常利益は、前期と比べて144百万円増加し、633百万円(前期比29.7%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純損益)

当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前期と比べて110百万円増加し、439百万円(前期比33.4%増)となりました。

 

c.キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

d.資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資金需要のうち主なものは、開発分譲事業に係る用地取得費及び土地造成費等のプロジェクト資金、賃貸事業の物件取得資金、並びに流通事業の店舗用地取得資金等であります。これらの財源は、案件ごとの状況に応じて、内部留保資金及び金融機関からの借入金等で補っております。

また、当社グループは、収益性が高い事業群「フィービジネスとリフォーム」の強化戦略を推進し、安定的かつ持続的な成長に必要な内部留保資金の充実に努めることを基本方針としております。

なお、重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源等については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

当社は、2019年11月25日開催の取締役会において、子会社(株式会社部活のみかた)を設立し、当該子会社において株式会社G-assist人事コンサルティング事業を譲受けることを決議し、2019年12月12日付で事業譲渡契約を締結いたしました。なお、事業譲受日は2020年8月1日付を予定しております。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。