第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における世界経済は、失業率が低下し、FRBが3回目の利上げを行った米国経済の堅調さが際立ちました。英国においては議会選挙で保守党が過半数の議席を獲得できず、政治の不安定さが懸念される一方で、右翼政党を中心としたポピュリズムが懸念されたフランスにおいては、中道のマクロン大統領が就任し、その後の議会選挙でも中道の共和国前進が勝利するなど保護主義への流れを食い止めたものの、EU域内の政治的混乱は続いており、また、英国がEU離脱交渉を正式に申し入れたことにより、EU域内における経済活動への影響は否めず、中国経済の減速傾向も相まって今後の世界経済はしばらく不透明な状況が続くものと思われます。
  こうしたなかで、我が国経済は、日銀による金融緩和策の継続や米国トランプ大統領就任後の円安傾向等を背景として、大手上場企業の3月決算における企業収益は最高益を記録し、有効求人倍率も平成29年5月時点で前年同期を0.14ポイント上回る1.49倍と昭和49年2月以来の高水準となるなど雇用環境の改善等が見られ、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、株価上昇を受けて消費者マインドは若干改善してきたものの、個人消費は依然として力強さに欠け、先行きの不透明感は続いているものと思われます。
 当社グループの事業領域である不動産業界におきましては、融資先・対象物件の選別など金融機関が慎重な融資姿勢を示し始めておりますが、こうした環境の下でも、東京圏における土地価格は上昇を続けております。2020年オリンピック・パラリンピックに向け、増加する訪日外国人をターゲットとするホテル業界は、ホテル用地の容積率緩和政策の下で用地取得の意欲は強く、不動産業界とホテル業界の土地取得競争は続くものと考えられることから、土地価格は依然として上昇し続けるものと思われます。
 一方、東京圏における分譲ファミリーマンション業界では、当連結会計年度における販売戸数は、36,048戸と前期に比べ837戸減少し、契約率も68.4%と前期比3.0ポイント低下いたしました。また、在庫戸数は前期末に比べて80戸増加し6,210戸となっており、インバウンド効果が影をひそめ、タワーマンションを中心とする高額物件の販売にも陰りが出てきていることから、収益環境は厳しいものと思われます。
 当社グループの基軸事業である投資用ワンルームマンションの販売は、超低金利政策による下支えと相続税の課税対象拡大に対応する節税対策としての投資用不動産購入を軸に堅調に推移してまいりました。また、東京への人口流入が依然として続いていることに加え、単身世帯の増加による物件の供給不足もあって、販売価格は高値圏で推移しております。一方、賃料についても若干の上昇は見られるものの販売価格の上昇には追い付かず、投資家の運用利回りの低下は避けられないものと思われます。
 このような事業環境におきまして、当社グループは当連結会計年度におきまして、前期からの継続物件1棟を含む自社開発物件の投資用ワンルームマンション12棟587戸(前期からの繰越1棟14戸並びに店舗1戸を含む)を売上計上し、うち4棟が国内外法人等への一括販売となりました。このほか、自社開発物件のアパート1棟12戸に加え、用地転売1物件及び買取再販物件5戸を売上計上いたしました。

この結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高17,788百万円(前期比0.5%増)、営業利益2,419百万円(前期比20.6%増)、経常利益2,158百万円(前期比25.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,465百万円(前期比28.6%増)となりました。

各事業内容別の業績は以下のとおりであります。なお、当社グループは、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載のとおり、投資用・分譲用マンションの開発・仕入及び販売を主体とする不動産事業の単一セグメントであるため、不動産事業内容別に記載しております。

 

(不動産開発販売)

前期からの繰越1棟14戸並びに店舗1戸を含む投資用ワンルームマンション12棟587戸、及び自社開発アパート1棟12戸並びに用地転売1件の売却等により、売上高は17,198百万円(前期比9.2%増)となりました。

 

(不動産仕入販売)

買取再販5戸の売却により、不動産仕入販売の売上高合計は239百万円(前期比86.5%減)となりました。

 

(その他)

不動産仲介及び不動産賃貸業等により、その他の売上高合計は351百万円(前期比103.1%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前期末比1,589百万円増4,103百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動により支出した資金は、1,747百万円(前期末は1,366百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を計上する一方で、新規の不動産開発用土地の取得等によるたな卸資産の増加や仕入債務の減少により資金が減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動により支出した資金は、399百万円(前期末は986百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得により資金が減少したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動により獲得した資金は、3,736百万円(前期末は2,216百万円の獲得)となりました。これは主に、不動産開発事業等に関する新規借入金の調達により資金が増加した一方で、販売用不動産の売却に伴う長期借入金の返済や配当金の支払により資金が減少したことによるものであります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当社グループは、不動産開発事業を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。

 

(2) 受注の状況

当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注状況の記載はしておりません。

 

(3) 販売実績

事業内容

内    訳

当連結会計年度
自  平成28年7月1日
至  平成29年6月30日

販売高(千円)

割合(%)

前年同期比(%)

不動産開発販売

マンション・戸建住宅の開発販売及び事業用地の仕入販売等

17,198,220

96.7

9.2

不動産仕入販売

新築残戸物件等(他社開発物件)の仕入販売及び関連業務等

239,559

1.3

△86.5

その他

不動産賃貸及び仲介業務等

351,214

2.0

103.1

合計

 

17,788,995

100.0

0.5

 

(注) 1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.不動産開発販売における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の販売高合計に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度
自  平成27年7月1日
至  平成28年6月30日

当連結会計年度
自  平成28年7月1日
至  平成29年6月30日

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

株式会社明和

5,567,712

31.4

5,390,626

30.3

合同会社MINAMI AZABU RSIC

2,408,280

13.5

個人

2,209,733

12.4

東急不動産株式会社

2,122,205

11.9

株式会社アセットリード

5,515,703

31.2

1,121,406

6.3

合同会社NISHI SHINJUKU

1,122,056

6.3

 

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

    2.上記の金額には、不動産仕入販売、その他の事業の販売高は含まれておりません。

 

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 (1) 経営方針

当社グループは、「人々の安全で快適な『くらし』の提案を行い、豊かで健全な社会の実現を目指す」ことを経営理念として、投資用ワンルームマンションの開発・1棟販売を中心とした事業活動を行い、事業を通して社会の発展に寄与するとともに、持続的な成長と企業価値の向上を図ることにより、ステークホルダーに貢献することを経営の基本方針としております。

 

 (2) 経営戦略等

当社グループは、今後も投資用ワンルームマンションの開発・1棟販売を中心とした不動産開発販売を基軸事業として、経営基盤を拡充し、安定的な収益の向上に努めてまいります。

不動産事業内容別の経営戦略は、以下のとおりであります。

 ① 不動産開発販売

投資用ワンルームマンションにつきましては、年金不安や相続税対策などへの対応策として、また、人口流入の続く東京23区におけるインフラとして、社会的役割が一層高まっていくものと考えており、今後も変化するニーズに応えた付加価値の高い商品を供給してまいります。

 ② 不動産仕入販売

仕入販売につきましては、他社開発物件の新築残戸物件並びに中古物件の買取再販事業を行っておりますが、当社グループの開発物件と同様に、安全で快適な居住空間を供給してまいります。

 ③ その他

マンション賃貸事業につきましては、安定的な収益の向上に大きく資するものと考えており、更なる業績拡大のため、収益性の高い物件の取得に積極的に取り組んでまいります。

不動産仲介業務や賃貸管理業務、マンション管理業務につきましても、顧客や入居者に満足いただけるように取り組んでまいります。

以上に加え、当社グループの経営資源に見合ったホテル事業などの新規事業にも積極的に取り組んでまいります。

 

 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、安定的な収益を確保し、持続的な成長を図り、株主への利益還元を安定的に行うことを基本方針に株主資本利益率を重視しております。当社グループを取り巻く環境の変化に対応しながら、株主資本利益率10%以上を目標に安定的な達成を目指しております。

 

 (4) 経営環境

当社グループの基軸事業である投資用ワンルームマンションの市場は、家族構成の変化や高齢化による単身世帯の増加や東京圏への人口流入の継続などにより、賃貸・実需とも堅調に推移するものと考えております。また、年金不安や相続税対策に対応できる堅実な運用商品としての社会的関心も高まっており、大手の参入もこれに拍車をかけるものと思われ、購入者層の一層の拡大が見込まれるものと考えております。

 

 (5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループは、安定的な収益を確保し、持続的な成長を図るため、経営環境の変化に対応しつつ、以下の課題に取り組んでまいります。

 ① 利益率の維持・向上のための競争力のある事業用地の取得

日本全体としては人口減少問題を抱えるなかで、東京圏への人口流入は続くという環境の下、2020年オリンピック・パラリンピックに向け増加する訪日外国人への対応を急ぐホテル業界の土地取得意欲は強く、不動産業界との土地取得競争は続くものと思われます。

こうした状況の下で、安定的な収益を確保するためには、更なる土地の選別と開発物件の差別化が重要な課題であると認識しております。

当社グループは、優秀な仕入要員の採用を進めるほか、用地情報収集能力・用地情報チャネルの拡充、事業用地の価値を高めるプラン設計などに注力してまります。

 

 ② 販売先の多様化と不動産開発事業の多様化

当社グループの基軸事業である投資用ワンルームマンションの開発・1棟販売(卸売)は、土地価格の高騰や労務費を中心とする建築コストの上昇による売上高粗利益率の低下に直面しており、これに対応するため、従来からの卸先であるマンション販売会社だけではなく、台湾などの海外投資家や相続税対策として活用し始めた日本の富裕層、人員確保のための社宅や寮を必要とする事業法人など、多方面への販売チャネル確保に注力してまいります。

また、実績のあるコンパクトマンションや分譲マンションに加え、テラスハウスやアパートなど販売品種の多様化にも取りかかるとともに、リノベーション事業や他社との共同事業、並びに不動産の流動化等も含めた事業の多様化を図ってまいります。

 ③ コンプライアンス遵守の経営

当社グループは、コンプライアンスを遵守した経営を推進し、不正やミスを防止する内部統制システムの整備・充実を図るとともに、コーポレート・ガバナンスの強化に努め、健全で効率的な経営を行うよう努めてまいります。

 

前連結会計年度において、対処すべき課題としていた「販売力の強化」については、上記「②販売先の多様化と不動産開発事業の多様化」においてその内容を十分に記載しているものと考えていることから、対処すべき課題としての記載は行わないことといたしました。

また、「ブランドの確立」につきましても、当社が属する一般社団法人全国住宅産業協会が行った第7回優良事業表彰において、二部門で受賞するなど、既に5物件が表彰されていることから、当社ブランドが一定の評価を受けているものと判断いたしており、対処すべき課題としての記載は行わないことといたしました。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、当社グループとしては必ずしもリスクとは考えていない事項についても、投資判断の上で、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、情報開示の観点から記載しております。
  当社グループは、これらリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本稿以外の記載内容も合わせて慎重に検討した上で行う必要があります。

なお、これらの記載は当社グループの事業等及び当社株式への投資に係るリスクをすべて網羅するものではありません。また、文中の将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済情勢の変動について

当社グループの主要事業である不動産開発事業は、景気動向・金利動向・物件の需要動向・住宅税制等各種税制の影響を受けやすく、景気見通しの悪化や大幅な金利上昇、需給悪化による販売価格の下落、住宅税制の変更・改廃等によって、販売先の需要動向が変化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、金融市場の混迷並びに先行き不透明感により、ローン構築の不成立や顧客購入意欲の低下の可能性があり、販売価格を下げる必要があるなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業用地の仕入について

① 事業用地の取得について

当社グループでは、東京23区を中心とした駅から徒歩10分以内という利便性、人気とも高い事業用地を求めておりますが、他社との競合や価格の上昇等によって用地の取得が計画通りに行えない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 土壌汚染等によるリスクについて

当社グループは用地仕入れに際し、土壌汚染・地中埋設物・埋蔵文化財・産業廃棄物の地中廃棄物等によるコスト排除を明確にするため、売買契約においてこれらの費用を原則、売主負担としておりますが、想定外の土壌汚染問題等が発生した場合、処理費用が追加発生することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 特定取引先との取引集中に係るリスクについて

① アウトソーシングに係るリスクについて

当社グループは、アウトソーシングを最大活用した少数精鋭主義を経営の基本方針としており、当連結会計年度においても、株式会社合田工務店への建築工事のアウトソーシングが集中しております。当社グループとアウトソーシング先である同社との取引関係に急激な変化が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 販売先に係るリスクについて

当社グループは、当連結会計年度におけるマンション等の開発販売物件の30%以上を株式会社明和に販売しております。当社グループと両社は安定的な取引関係にあり、今後もその取引関係に急激な変化はないと考えておりますが、当社グループの主たる販売先である両社に不測の事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4) 販売について

① 販売用不動産の販売可能性について

当社グループの開発プロジェクトのうち、投資用ワンルームマンションにおいて、販売先の確定に時間がかかった場合に、不動産市況の悪化等により販売可能性に問題が生じ、評価損の計上ひいては販売用不動産が滞留する可能性があります。

また、販売物件の多様化により開発しております分譲マンションにおいては、最終実需顧客(エンドユーザー)向けの販売となるため、景気の変動等により販売可能性に問題が生じ、評価損の計上ひいては販売用不動産が滞留する可能性があります。

 

② 営業エリアについて

当社グループでは、営業エリアを東京23区を中心とした首都圏とすることで、不動産需要の減少に対して相対的に影響を受けにくい地域で事業を行っておりますが、首都圏において自然災害やテロなどの不測の事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 賃貸用不動産について

当社グループは、金融環境の悪化時における担保物件並びに賃貸収益の獲得を目的として、当社グループ開発エリアで当社グループ開発物件と同様の賃貸用不動産を保有しております。景気変動により、当該資産の時価の変動に伴う評価の下落が生じた場合、並びに賃貸物件の空室率の極度の増加が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 借入金への依存について

① 金利の上昇リスクについて

当社グループは、事業資金を金融機関からの借入により調達しており、総資産額に占める有利子負債の割合は、当連結会計年度末63.3%と高水準であります。したがいまして、金融情勢の変化により金利水準が上昇した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 調達のリスクについて

資金調達に際して、特定の金融機関に依存することなく、多数の金融機関と良好な関係を構築する一方で、新たな金融機関との新規取引、社債や新株予約権並びにエクイティ等、直接金融での資金調達を実施し資金調達の円滑化と多様化に努めております。しかしながら、急速な経済変動により、これらの資金調達に支障が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 設計・建築工事について

当社グループは、設計並びに建築工事等を設計事務所並びに建設会社等に発注しております。設計会社並びに建設会社の選定から工程の進捗に至るまで、入念にアウトソーシング先の管理をしておりますが、アウトソーシング先の倒産や工事中の事故などが発生した場合に、工事の遅延・中止・建築費用の上昇などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 物件の引渡し時期について

当社グループの不動産開発事業において、売上の計上は物件の引渡しによって行われます。このため、天候不順や自然災害並びに建設会社の人手不足などによる工期遅延により、引渡し時期が決算期を超えて遅延する場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、販売会社との売買契約につきましても、竣工引渡後4ヶ月後決済(ただし戸別決済に応じる)となっておりますことから、決算期に跨る売買契約における計上戸数については当社グループでのコントロール下にありませんので、販売会社の販売状況によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(9) 人材確保について

当社グループは、事業用地の仕入・設計・施工監理・自治体との調整及び近隣との調整や竣工マンションの1棟売却など、専門的な知識・経験及び資格が要求されることから、人材の獲得、育成が重要であると認識しております。しかしながら、優秀な人材の確保、育成が計画通りに進行しない場合、もしくは保有人材の流出が大規模に発生した場合は、当社グループの今後の事業運営及び事業計画に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 特定の人物への依存について

当社の代表取締役社長である服部信治は、当社創業以前より不動産開発の業務に長い経験を持ち、創業以来、最高責任者として経営戦略・事業戦略の決定を始め、事業化の意思決定及び事業の推進に至るまで重要な役割を果たしております。当社グループでは、コーポレートガバナンスに基づき、経営体制を整備し、各分野で人材育成、強化を行うことにより、同人に対する依存による経営リスクの軽減に努めておりますが、今後何らかの要因により同人の業務執行が困難となった場合には、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 法的規制について

当社グループの事業は、「建築士法」、「宅地建物取引業法」、「金融商品取引法」、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」等により、法的規制を受けております。

また、当社グループの事業においては、事業活動に際して、以下の免許、許認可等を受けております。当社グループは、これまでにこれら法的規制によって重大な影響を受けたことはありませんが、今後新たな規制の制定や改廃が行われた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、今後何らかの理由により免許等の取消・更新・欠格による失効等の事象が発生した場合には、当社グループの事業活動に支障をきたすとともに、業績に影響を及ぼす可能性があります。

許認可等の名称

会社名

許認可番号等
有効期間

規制法令

免許取消
条項等

一級建築士事務所登録

株式会社アーバネットコーポレーション

東京都知事登録 第42424号
平成29年9月10日
~平成34年9月9日

建築士法

第26条等

宅地建物取引業者免許

株式会社アーバネットコーポレーション
 

東京都知事(4)第75706号
平成24年10月18日
~平成29年10月17日

宅地建物取引業法

第66条等

株式会社アーバネットリビング

東京都知事(1)第97760号
平成27年4月25日
~平成32年4月24日

第二種金融商品取引業登録

株式会社アーバネットコーポレーション

関東財務局長(金商)第1178号

金融商品取引法

第52条等

マンション管理業者登録

株式会社アーバネットリビング

国土交通大臣(1)第034154号
平成27年3月19日
~平成32年3月18日

マンションの管理の適正化の推進に関する法律

第83条等

 

また、近年、東京特別区を中心に、25㎡以上等への最低住戸面積の引き上げ、一定面積以上の住戸の設置の義務付け、狭小住戸集合住宅税の導入等のワンルームマンションの建設を規制する条例等が制定されております。
 当社グループでは、これらの条例等に沿った商品開発を行っているため、現時点において、こうした規制が当社グループの事業に影響を及ぼす可能性は少ないものと認識しておりますが、今後更に各自治体による規制強化が進められた場合においては、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 個人情報の漏洩について

当社グループの基軸事業である投資用ワンルームマンションの開発・1棟販売は卸売業であることから、従来より個人情報については多くを保有しておりませんでしたが、子会社設立を機にマンション管理や賃貸管理並びに買取再販による戸別販売の拡大を見込んでおります。既に、個人情報については紙ベースからシステム上の磁気記憶に移行し、アクセス権等により厳重に保管しており、取引先との名刺についても現在すべてをデータ化しております。しかしながら、何らかの事由により当社グループ保管の個人情報が漏洩した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(13) 潜在株式について

当社グループは、業績向上への意欲と士気を一層高めること及び経営への参加意識を高めることを目的として、当社並びに子会社取締役及び従業員を対象として新株予約権(以下「ストック・オプション」という)を付与しており、今後も原則として2年に1度の予定でストック・オプション制度を継続する方針であります。
 当社が付与するストック・オプションは、1回につき発行済株式総数の1%以下としておりますが、現在付与しているストック・オプションに加えて、今後付与されるストック・オプションが行使された場合には、当社の1株当たりの株式の価値は希薄化する可能性があります。
 また、ストック・オプションの行使によって発行された当社株式の売却によって、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度末現在の発行済株式総数25,091,900株に対してストック・オプションによります潜在株式数は291,500株となっております。

 

(14) 訴訟等の可能性について

当社グループは、コンプライアンス委員会の設置並びに従業員への啓蒙活動等により、訴訟等の発生を回避する企業努力を行っております。しかしながら、今後当社グループが販売した物件における瑕疵の発生や建築に際しての騒音・電波障害・日照問題・景観変化等の近隣住民等からのクレームに起因する訴訟及びその他の請求が発生する可能性があります。
 これらの訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) その他について

当社グループは事業展開上様々なリスクがあることを認識し、それらをできるだけ回避しあるいはそのリスクへの対策を十分に行うよう努めております。しかしながら、事業を遂行をするに当たり、予期できぬ事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、会計方針の選択・適用、決算日における資産・負債の報告金額及び報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性のため、実際の結果と異なる場合があります。

当社グループは、特に次の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に重要な影響を及ぼす事項であると考えております。 

たな卸資産の評価基準及び評価方法

主なたな卸資産であります、販売用不動産、仕掛販売用不動産及び仕掛品の評価基準及び評価方法につきましては、個別法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

① 売上高・売上総利益

当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高は、17,788百万円(前期比0.5%増)となりました。事業別の売上高では、不動産開発販売は、投資用ワンルームマンション12棟587戸(前期からの繰越1棟14戸並びに店舗1戸を含む)、及び自社開発アパート1棟12戸並びに事業用地1件の売却等により、売上高は17,198百万円(前期比9.2%増)となりました。

不動産仕入販売は、買取再販5戸の販売により、239百万円(前期比86.5%減)となりました。

その他売上高は、不動産仲介及び不動産賃貸業等により、351百万円(前期比103.1%増)となりました。

売上原価は、13,961百万円となり、この結果、売上総利益は、3,827百万円(前期比15.5%増)となりました。

 

② 販売費及び一般管理費・営業利益

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、人件費574百万円の計上などにより、1,407百万円(前期比7.6%増)となりました。
  この結果、営業利益は、2,419百万円(前期比20.6%増)となりました。

 

③ 営業外損益・経常利益

当連結会計年度における営業外収益及び営業外費用は、開発用土地取得のための金融機関からの新規借入金の増加により、支払利息が175百万円(前期比9.3%減)となりました。この結果、経常利益は2,158百万円(前期比25.5%増)となりました。

 

④ 特別損益・法人税等(法人税等調整額含む)・親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度における特別損益の計上はありません。法人税等は、712百万円(前期比23.1%増)となりました。また、今後の業績見通しなどを踏まえて繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産を79百万円計上することにいたしました。
  この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,465百万円(前期比28.6%増)となりました。                                  

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因といたしましては、経済情勢の変動、建築工事外注先の経営状態、販売会社(卸先)の経営状態、借入金への依存、物件引渡し時期の遅延、法的規制、訴訟の発生など様々な要因が考えられますが、詳細につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」をご参照ください。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① 流動資産

当連結会計年度における流動資産は、前期末に比べ3,826百万円増加し、19,709百万円となりました。これは主として現金及び預金が1,565百万円、仕掛販売用不動産が4,111百万円それぞれ増加した一方、販売用不動産が1,909百万円減少したことによるものであります。

 

② 固定資産

当連結会計年度における固定資産は、前期末に比べ781百万円増加し、3,850百万円となりました。これは主として建物及び構築物が532百万円、土地が369百万円それぞれ増加したことによるものであります。

 

③ 流動負債

当連結会計年度における流動負債は、前期末に比べ835百万円増加し、9,195百万円となりました。これは主として1年内返済予定の長期借入金が1,432百万円増加した一方、買掛金が458百万円減少したことによるものであります。

 

④ 固定負債

当連結会計年度における固定負債は、前期末に比べ2,721百万円増加し、7,443百万円となりました。これは主として長期借入金が2,811百万円増加したことによるものであります。

 

⑤ 純資産

当連結会計年度における純資産は、前期末に比べ1,051百万円増加し、6,921百万円となりました。これは主として利益剰余金が1,015百万円増加したことによるものであります。

 

⑥ キャッシュ・フローの分析

「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

⑦ 資金需要及び資金調達

当社グループの資金需要の主なものは、不動産開発事業における投資用ワンルームマンション並びに分譲用ファミリーマンション及びコンパクトマンション用地の取得、建築工事代金のプロジェクト資金及び中古物件の購入資金であります。資金調達につきましては、各プロジェクトや物件ごとに調達しており、調達コストの低減に留意しつつ、取引金融機関からの借入金を主体に調達しております。

 

(5) 経営戦略の現状と見通し

日銀による超低金利政策が継続される見通しの下で、若年層の年金不安や単独所帯数の増加、都心部への人口流入といった社会情勢と相続税対策への対応策や資産運用商品として比較的リスクが小さいことなどが認知されてきたことから、投資用ワンルームマンションの市場につきましては、今後も堅調に推移するものと考えております。

こうしたことから、当社グループの基軸事業である投資用ワンルームマンションの開発・1棟販売につきましては、顧客ニーズに対応した付加価値の高い商品を供給することにより、収益性の維持・向上に努め、更なる事業規模の拡大に努めてまいります。 

マンション賃貸事業等につきましては、今後も事業規模の拡大を図り、安定的な収益の向上に努めてまいります。

ホテル事業等の新規事業につきましては、既存ホテルを取得するなど、取り組みを開始いたしましたが、今後は当社グループ独自の展開についても検討してまいります。