当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1)経営の基本方針

(2)中期経営計画

目標とする経営指標
2023~2025年度はインバウンド需要等を取り込む、成長戦略を推進する年と位置付けております。
訪日外国人客の回復や、物価・エネルギー価格の高騰などの事業環境の変化を踏まえ、2023年5月10日に「3ヶ年間の事業計画」を公表いたしました。
株主還元
継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針として、具体的には1株14円の配当に加え、業績や連結配
当性向30%を目途に総合的に勘案し、利益成長による配当額の増加を目指します。
(3)経営環境、対処すべき課題
① 全般
当社グループを取り巻く経営環境は、高騰している原材料・資材・エネルギー価格等の影響や、海外の政治・経済情勢の動向などにより、今後も不透明な状況が続くものと考えられます。このような状況のなか、当社グループは、富士山を中心に首都圏までを事業エリアとする「Greater Mt.Fujiエリア」において、当社グループの強みであるレジャー・サービス業・運輸業を組み合わせたオリジナリティの高いコンテンツを提供するとともに、お客様の利便性向上に繋がる新たなシステムの導入や更なるDXの推進により、企業価値の向上に取り組んでまいります。
② 運輸業
運輸業につきましては、鉄道事業において、需要回復に合わせた輸送力の向上や地域社会との連携強化により、沿線の魅力向上に努めるとともに、老朽化した設備の更新や職員のマルチタスク対応の徹底による生産性の向上を一層進めてまいります。バス事業では、自社開発の予約システムの対象路線拡大や機能拡張を行うとともに、事業エリアでの自動運転やデマンド交通の計画策定及び実施など、利便性の向上を図ってまいります。
③ レジャー・サービス業
レジャー・サービス業につきましては、「富士急ハイランド」において、今夏にバイクライド型の新大型コースターを開業するとともに、園内中央に新設した「セントラルパーク」を中心に、様々な催事を開催することで、富士山エリアにおける観光のゲートウェイ機能を強化し、リゾートシティとしての社会的価値と経済的価値の両立に努めてまいります。「さがみ湖リゾート プレジャーフォレスト」では、健康や環境に対する意識の高まりなど多様なニーズを背景に、自然豊かな広大な敷地を活かした「アクティビティパーク」として、施設の拡充や積極的なイベントの開催に取り組んでまいります。また、当社グループとして営業を開始した「箱根 芦ノ湖遊覧船」に十国峠、初島、熱海地区の各施設を加えた箱根・熱海エリアと富士五湖エリアの相互周遊観光の実現や経営資源の相互利用などによるシナジー効果の創出に努めてまいります。
④ 安全対策について
安全対策につきましては、グループ共通の安全方針策定により、安全に対する共通認識を深めることで、「安全マネジメント」の更なる醸成に取り組んでまいります。また、グループ全体の安全管理体制の平準化や高次化を進め、安全管理体制の強化を目指してまいります。
⑤ その他
サステナビリティへの取り組みにつきましては、SDGsビジョン『富士山エリアを「リゾートシティ」とする持続可能な地域社会の実現』に向けて、2021年12月に発足したサステナビリティ委員会を中心に、地域の課題や役職員へのアンケートなども参考にし、当社グループにおける重要課題(マテリアリティ)を特定し、取り組みをさらに推進してまいります。
人的資本への投資につきましては、社員一人ひとりが常にチャレンジし、イノベーションを追求できる学びの機会を提供するとともに、それぞれの多様な価値観や能力を融合・発揮し、健康で活き活きと活躍できる職場環境や人事制度づくりに取り組んでまいります。
当社グループは、「富士を世界に拓く」という創業精神のもと、オリジナリティの高い「喜び・感動」 を創造することを目指しております。また、創立100周年(2026年9月)に向け、新たな当社グループのブランドを確立し、「夢・喜び・やすらぎ・快適・感動・健やかさ」を提供することにより、世界の人々の心の豊かさに貢献することを目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
①ガバナンス
当社グループは、「いつも『喜び・感動』」を経営理念として掲げ、「富士を世界に拓く」という創業精神のもと、オリジナリティの高い「喜び・感動」を創造することにより、世界の人々の心の豊かさに貢献することを目指しております。
サステナビリティ経営を進めるにあたり、社会課題を経営課題に取り込む「マテリアリティ」を従業員アンケート・役員インタビュー等を経て、様々な社会課題約400項目から絞り込み、当社のマテリアリティを次のとおり特定いたしました。
・富士山とともに次の100年へ
「富士山の環境保全」「自然環境に配慮した事業の推進」「富士山への感謝」
・120%の安心・安全の実現へ
「安心・安全の更なる追及」「法令遵守」「災害リスク対策」
・人を育て、寄り添う
「多様な人材が活躍できる職場づくり」「モチベーションの創造」「心と身体の健康推進」
・地域とともに創り、ともに栄える
「住みやすく、訪れやすい地域に」「地域貢献活動の推進」「喜び、感動、健やかさの実現」
・もっと便利に、もっと愉しく
「イノベーションによる体験価値の創造」「ビジネスの革新」「変わり続ける未来へ」
この5つのマテリアリティは、創業精神「富士を世界に拓く」のもと、サステナビリティ経営を推進する羅針盤であると考えており、マテリアリティへの取組を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
当社が掲げるSDGsビジョン(ESG・SDGsの取り組み)

気候変動は当社グループの事業活動に対して、さまざまな「リスク」と「機会」をもたらす可能性があり、これらに対応していくことが当社グループの長期的な存続と成長に重要であると認識しております。
TCFD提言では、気候関連リスクを低炭素経済への「移行」に関するリスクと、気候変動による「物理的」変化に関するリスクに大別しており、当社グループは、このTCFD提言を踏まえ、運輸、不動産、レジャー・サービス、その他の各事業において想定されるリスクと機会を次のとおり抽出しました。
○リスク
A.低炭素社会への移行に伴うリスク
コスト増 ・電力等のエネルギーコストの増加
市 場 ・電気自動車の普及による鉄道の環境優位性の低下
設備投資 ・環境配慮型のバスやタクシーの導入コストの増加
・炭素税導入等によるコストの増加
B.気候変動の物理的影響に関連するリスク
コスト増 ・自然災害の頻発による当社グループ施設への被害の発生、損害保険料の増加
市 場 ・気温上昇や降水量の増加による屋外遊戯施設、アウトドア施設利用者の減少
気 候 ・別荘地の気温上昇による避暑地としての機能低下
・台風や豪雨の頻発による鉄道、バス運休
・熱中症などの労働災害の増加
○機 会
市 場 ・クリーンエネルギーである電力を動力とするバスや鉄道への利用者のシフト
・寒冷期の短縮による利用者の増加
・都市部から郊外(当社事業エリア)への人口流入
評 判 ・低炭素、環境配慮にいち早く対応することによる投資家や顧客からの信頼向上
コスト減 ・自家発電や省エネ化の推進によるランニングコストの減少
③リスク管理
事業に係るリスクを統括するリスクマネジメント委員会(2022年度は4回開催)では、各リスク所管部署からの報告内容を評価し、全社リスクの把握と適切な対応を審議しています。
「気候変動」に係るリスクの管理は、事業部技術・環境・CS推進課が全社的な気候変動に係るリスクへの対応を推進するとともに、取組状況をサステナビリティ委員会(2022年度は12回開催)に報告しています。また、識別した気候変動に係るリスクについて、リスクマネジメント委員会に報告しています。サステナビリティ委員会は、対応策の取組状況や目標の進捗状況を、必要に応じ、常勤役員会、取締役会に付議・報告します。
④指標及び目標
当社グループは、2030年までに環境目標を「負荷ネットゼロ&貢献※」とし、富士山エリアを「リゾートシティ」とする、持続可能な地域社会の実現を目指します。
(※技術的、経済的等、当社が可能と考える範囲で取り組みます)
(2)人的資本経営の取り組み
①人材に関する基本方針
世界中から訪れる全てのお客様に「安心・安全」で「快適」な質の高いサービス・商品を提供するため、社員一人ひとりが常に「チャレンジ」し、「イノベーション」を追求できる機会を整備するとともに、多様な人材が融合し「健康」で活き活きと活躍できる環境づくりを推進してまいります。
②Human Resource Vision(人的資本経営に関するマテリアリティ)
(a)アップスキリングの推進
社員の個々の能力を更に伸ばし、成長するために、アップスキリングを推進し、高い専門性を持ったDXやイノベーション人材を育成してまいります。
(主な取り組み)
■スキルマトリックスに基づく教育プログラムの導入
・人事評価「コンピテンシー」や業務経験、知識(資格など)から個々の「スキルマトリックス」を作成し、
これに基づく「育成プログラム」を計画
・「スキルマトリックス」の可視化
■キャリア形成プログラム「フジQアカデミー」の創設
・DX研修の実施(全社員へのDXリテラシー研修、DX人材選抜研修)
・事業運営に必要な専門スキル研修の実施(将来の経営者育成)
■アップスキリング支援
・キャリアチャレンジ制度(留学・社会人大学院への通学支援)
■手挙げ制研修の充実(選抜型教育)
■資格取得支援制度の強化(プロフェッショナルの育成)
・対象資格の拡充、資格取得報奨金の増額
(b)DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進
性別や国籍、年齢などにかかわらず、多様な人材が公平・公正に個々の能力を最大限に発揮できる取り組みを進めてまいります。
(主な取り組み)
■女性活躍の推進
・女性管理職率の向上
・企業内保育所の拡充
■キャリア採用の強化
・多様性を確保するためのキャリア採用強化
・女性のキャリア採用を強化
・リファラル/ジョブリターン制度の導入
■育児休暇取得率の向上
・男性労働者の育児休暇取得率のための研修実施
・ストック有給休暇制度の導入(育児介護休暇取得支援)
■外国人比率の向上
・外国人技能実習生の受け入れ
(指標と目標)
当社では上記において記載したDE&Iの推進について、次の指標を用いております。当社においては関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、提出会社のものを記載しております。
(c)ウェルビーイングの推進
社員の心身の健康が、お客様への「安心・安全」や質の高いサービスにつながることを常に意識し、社員一人ひとりとその家族に寄り添った取り組みを実施してまいります。
(主な取り組み)
■安全・健康への取り組み推進
・健康診断有所見者への二次検診費用補助
・生活習慣、ストレスチェック、健康診断データの一元管理
・スポーツ活動、社内部活動への支援
・フィットネスジムの利用補助
・健康社食「OFFICE de YASAI」の導入
・健康ウォーキングアプリ「あるくと」の導入
・非喫煙者率の向上活動(禁煙外来への費用補助等)
■メンタルヘルス対策
・産業医のカウンセリングサービス導入
・メンタルヘルス・ラインケア研修の実施
■ワークライフバランスの推進
・ハイブリッド型人事制度の導入
・山梨本社、東京本社の2拠点勤務推進
(d)エンゲージメントの向上
全ての社員がワクワク感と夢をもって「チャレンジ」できる職場環境と、当社ならではの働きやすい人事施策に取り組んでまいります。
(主な取り組み)
■人事評価制度の見直し
・「目標管理」のみの評価から「目標管理」に加え、その「プロセス」や「行動能力」「地域
社会との関わり(ESG)」など、期中の取り組みを全て評価する人事評価制度へ見直し
■職場環境の改善(働きやすい環境整備)
・本社社屋及び社員寮のリノベーション
■表彰制度の拡充
・運転無事故表彰に「期間表彰」を新設
・観光事業の安全表彰を新設
■福利厚生の拡充
・共済組合の機能強化/出産手当の増額
・グループ施設利用補助の増額
■地域エンゲージメント
・地域移住者への就業支援
・地域ボランティア休暇の導入
当社グループが目指す人的資本経営に関する関係図

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。当社グループ(当社及び連結会社)は、これらのリスクを認識したうえで、事態の発生の回避に努め、発生した場合には事業への影響を最小限にとどめるべく対策を講じる所存です。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)法的規制
当社グループが展開している事業においては、監督官庁の認可やさまざまな法令、規則、施策等による規制を受けております。これらの法令、規則、施策等が変更された場合には、当社グループの事業活動が制限されるほか、法令、規則、施策等を遵守するための費用が発生するなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)自然災害・事故等
当社グループは、「120%の安全と最高のホスピタリティの提供」を経営ビジョンに掲げ、安全を最優先に事業活動を行っておりますが、事業エリアでの地震や富士山噴火等の自然災害、台風・長雨・大雪・低温等の悪天候や異常気象等外部環境に異常事態が発生した場合や、各施設で万一事故が発生した場合には、事業運営に支障をきたすとともに、当社グループの信頼の低下、施設の復旧費用等の発生など当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3)気候変動への対応
当社グループは、温室効果ガスの削減をはじめとする気候変動対策を重要な社会課題と認識し、これに取り組んでおりますが、気候変動に伴う気温上昇や自然災害の激甚化、発生頻度上昇により、各施設の運営に支障をきたすおそれがあるほか、当社グループの取り組みがステークホルダーから不十分と評価された場合には、当社グループの社会的信用が毀損し、経営成績及び財政状況に影響を与える可能性があります。
(4)エネルギー供給の動向
運輸業、レジャー・サービス業は、鉄道、バス、タクシー、船舶の運行や遊戯・宿泊施設等の運営にさまざまなエネルギーを使用しております。エネルギーの供給不足が発生した場合、車両の運行や施設の稼動が制限を受けるとともに、軽油単価、電気料金等のエネルギー価格の動向が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(5)金利変動
運輸業、レジャー・サービス業は、大型の設備投資を要する装置産業であり、これらの資金は主に金融機関からの借入により調達しております。各金融機関からの借入は固定金利での調達を基本としておりますが、変動金利の借入金や借換及び新たな調達資金については、金利情勢の影響を受け、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(6)消費者マインドの動向
不動産業、レジャー・サービス業は、景況悪化による個人消費の落ち込みや市場環境の変化に影響を受けやすい事業であり、レジャー・サービス業においてはさらに天候や休日の日並びの良否、ガソリン価格の動向が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(7)訪日観光客の動向
富士山が世界文化遺産に登録され、多くの訪日観光客が当社グループの事業エリアにも訪れており、当社グループの鉄道、バス、遊戯施設、宿泊施設等をご利用いただいておりますが、外部環境の変化(テロや戦争の発生、外交関係の悪化等)により訪日観光客が大幅に減少した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(8)少子高齢化を伴う人口の減少と人手不足
日本は少子高齢化を伴う人口減少傾向にあり、これが運輸業、レジャー・サービス業の利用客減少に繋がるおそれがあります。また、生産年齢人口の減少によって職員確保が困難となり、人材採用コストや人件費の増加に加え、運輸業やレジャー・サービス業でのサービスレベル低下、運輸業での車両稼働減少等、事業運営の制限に繋がるおそれがあります。さらに、他社における人手不足を背景に、当社発注の事業用施設建設等の発注価額上昇や工期の遅れが発生するなど、長期的には人口減少に起因する問題が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(9)感染症の発生・流行
感染症が拡大した場合には、利用客の減少や営業休止など事業運営に支障をきたし、また対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(10)テロ・戦争の脅威
当社グループでは、訪日外国人の利用が高まっており、不特定多数のお客様が集まる施設で事業活動を行っておりますが、日本国内外でもテロ・戦争の脅威が高まっており、当社施設でのテロが発生した場合の人的、物的被害や、国内外でテロ・戦争が発生した場合の消費者マインドの冷え込みや外国人利用客の減少が予想されるなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(11)世界経済の情勢及び地政学的リスク
当社グループは、間接的なものを含めて国内外の数多くの企業と取引を行っており、特に国外との関わりは年々重要性を増しております。世界的な経済の動向及び為替の状況のほか、世界各地での自然災害、テロや紛争の発生、外交不安等の地政学的情勢により、当社グループまたは取引先が影響を受け、原材料や資材の調達遅延、調達価格の高騰や、取引に関する制限が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(12)情報セキュリティ
当社グループでは、各事業においてシステムを使用しており、十分な情報セキュリティ体制の確保に努めているものの、不正侵入、情報の改ざん・漏洩・破壊、システム利用妨害行為等により、重大な障害が発生した場合や、当社グループが保有する顧客・取引先関係者・職員等の個人情報が外部に漏洩した場合には、当社グループの社会的信頼や経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(13)コンプライアンス
当社グループでは、役職員の職務の執行が法令及び定款に適合し、かつ社会的責任を果たすため、富士急グループ「企業行動規範」、「職員倫理規程」をグループ全役職員に周知徹底させるとともに、「コンプライアンス管理規程」に基づき、コンプライアンス体制の強化に努めておりますが、役職員等による重大な不正・不法行為や不祥事等が発生した場合は、当社グループの信頼の低下および社会的制裁等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(14)株価等の価値下落
当社グループは、株式等の投資有価証券や退職給付信託における株式を保有しておりますが、市況の低迷や投資先の自己資本の悪化等が生じた場合には、評価損や売却損等の計上により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(15)土地建物等の価値下落
当社グループは、事業用及び販売用土地建物等の不動産を保有しておりますが、市況の低迷等により不動産価値が下落した場合や収益性が低下した場合には、評価損や売却損、減損損失の計上により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(16)風評
当社グループ及び事業に対する風評が、報道やインターネット上の書き込み等により発生・拡散した場合は、それが事実に基づくものであるか否かにかかわらず、当社グループの社会的信用が毀損し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は下記のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a 財政状態
当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度末に比べ2,410,715千円増加し、100,746,975千円となりました。これは主に減価償却等により、有形固定資産が705,788千円減少したことによるものです。
負債は、主に買掛金や未払法人税等の増加により、前連結会計年度末に比べ209,625千円増加し、73,962,943千円となりました。なお、短期長期の借入金合計額と社債を合わせた額は、前連結会計年度末に比べ368,598千円減少しております。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加により、前連結会計年度末に比べ2,201,090千円増加し、26,784,031千円となりました。
b 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響からの持ち直しが見られ、経済活動の正常化が進む一方、緊迫する海外情勢の長期化、急激な円安の進行、物価・エネルギー価格の高騰など、先行き不透明な状況で推移しました。
このような状況のなか、当社グループは、国内外の旅行需要の回復や地域イベントの再開などによる運輸、レジャー・サービス業の利用者の大幅な回復を背景に、各事業において積極的な営業活動と経営の効率化による利益の改善に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における営業収益は42,924,509千円(前期比22.3%増)、営業利益は4,243,375千円(前期比457.2%増)、経常利益は4,007,452千円(前期比718.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,318,698千円(前期比516.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
鉄道事業につきましては、4月1日より様々な経営環境の変化に即応する機動性を確保しつつ、より地域に密着した営業体制とすることを目的に、「富士急行線」の運営を「富士山麓電気鉄道株式会社」へ承継しました。5月には、「持続可能な鉄道・地域づくり、地域人材の育成などによる地域活性化の実現」を目的に、都留市及び公立大学法人都留文科大学と持続可能な地域づくりの推進に関する連携協定を締結しました。また、地域の魅力発信を目的に、大月市協力のもと人気ゲームとのタイアップイベントを開催したほか、富士五湖エリアでの音楽イベントなどに合わせた特別車両を運行し集客に努めるとともに、期後半は、増加する外国人観光客へのサービス向上と改善に努めました。
バス事業につきましては、乗合バス営業において、富士五湖エリアを中心に国内外の観光客の利用回復に応じた積極的な復便や増便を行い、輸送力の強化に努めました。また、バスロケーションシステムのGoogleとの連携やVisaタッチ決済サービスの導入など、デジタル技術の活用による利便性向上を図りました。
高速バス営業につきましては、人流の回復に沿った復便を行うとともに、各方面からの富士五湖発着路線において、増便の運行や時間帯割引、富士急ハイランドと連携した学生向け割引キャンペーンを実施するなど、集客に努めました。
安全対策につきましては、「運輸安全マネジメント」に基づき、安全目標、重点施策を設定するとともに、鉄道事業及びバス事業で不審者侵入を想定した警察署との合同訓練を実施したほか、船舶事業では、初島航路において、海上保安庁及び警察署立会いのもと、海難事故を想定した救命ボート投下訓練などを行いました。また、レジャー・サービス事業も含めたグループ全体で、「5S活動」を展開し、安全意識の基本の再徹底にも努めました。
以上の結果、運輸業の営業収益は13,764,403千円(前期比29.9%増)、営業利益は983,828千円(前期は営業損失1,201,839千円)となりました。
鉄道営業成績表(富士山麓電気鉄道㈱)
(注) 乗車効率算出方法
延人粁=駅間通過人員×駅間粁程
乗車効率=延人粁÷(客車走行粁×客車平均定員)×100
業種別営業成績
不動産販売事業につきましては、山中湖畔別荘地において、「FUJIYAMA hill’s 山中湖」を新規分譲販売するとともに、新築オーダーメイドプラン「サウナランド山中湖」を展開するなど、多様化するお客様のニーズに応えた販売施策を実施し、顧客獲得に努めました。
不動産賃貸事業につきましては、2023年2月に沼津駅南口に商業店舗施設「Plaza Fontana -Numazu Station-」をオープンするなど遊休地の活用を進め、安定的な収益の確保に努めました。
以上の結果、不動産業の営業収益は3,353,689千円(前期比2.5%増)、営業利益は923,089千円(前期比12.5%減)となりました。
業種別営業成績
(ⅲ) レジャー・サービス業
遊園地事業につきましては、「富士急ハイランド」において、7月に富士山を一望できる「FUJIYAMAタワー」の展望デッキから一気に滑り降りる絶叫アクティビティ「FUJIYAMAスライダー」の営業を開始し、好評を博したほか、園内中央に多目的広場「セントラルパーク」を整備し、飲食フェアやステージイベント、フリーマーケットを開催するなど、従来の遊園地の枠を超えた様々な楽しみ方を提供しました。開業50周年を迎えた「さがみ湖リゾートプレジャーフォレスト」では、7月にテレビ番組とタイアップしたアスレチックアトラクション「SASUKEキッズアドベンチャー」をオープンし、集客に努めました。また、関東三大イルミネーションに認定された「さがみ湖イルミリオン」では、人気キャラクター「すみっコぐらし」をテーマにしたエリアを展開し、ファミリー層を中心に多くのお客様にご利用いただきました。富士南麓の遊園地「Grinpa」では、7月に「キッズフジQ」をリニューアルした複合型アクティビティ施設「アソビウム」内に、空中ネットアスレチック「ふわんぽん」をオープンし、魅力向上に努めました。スノーパーク「Yeti」は、10月に屋外スキー場として24年連続で日本一早くオープンするとともに、人気アニメやゲームとのタイアップイベントを開催し、集客に努めました。
ホテル事業につきましては、「ハイランドリゾート ホテル&スパ」において、7月にトーマスルームを2部屋リニューアルオープンし、話題喚起に努めたほか、積極的なセールス展開により、婚礼や宴会などのコンベンション需要が回復しました。また、静岡地区の「熱海シーサイド スパ&リゾート」や「富士宮富士急ホテル」においても、人流の回復により宿泊客が増加しました。
その他のレジャー・サービス事業につきましては、春の風物詩として長年親しまれている「富士芝桜まつり」の開催に続いて、夏期には多彩な花々と富士山の共演を楽しむことができる「虹の花まつり」を初開催するとともに、首都圏最大級の英国式庭園「ピーターラビット™ イングリッシュ ガーデン」をオープンし、集客に努めました。また、十国峠では、富士山や駿河湾を見渡すことのできる山頂エリアを改修し、カフェや展望デッキを整備するなど、魅力向上に努めるとともに、2023年3月には「THE GLAMPING 箱根十国峠」をオープンし、ラグジュアリーなアウトドアスタイルの提案とキャンプ需要の取り込みを図りました。また、2023年3月に、船上から箱根関所や富士山、四季折々の絶景を鑑賞することができ、国内外の観光客から人気を博している「箱根 芦ノ湖遊覧船」事業を当社グループとして譲り受け、事業領域の拡大を図りました。
以上の結果、レジャー・サービス業の営業収益は21,888,182千円(前期比20.0%増)、営業利益は2,172,227千円(前期比100.3%増)となりました。
業種別営業成績
富士ミネラルウォーター株式会社では、SDGsへの取り組みとして、紙パック製品の販売強化に加えて、更なる環境負荷低減を図るため、新たに再生ペットボトル製品の販売を開始しました。
株式会社レゾナント・システムズでは、国土交通省のガイドラインに適合した幼児の車内置き去り防止をサポートするシステム「かくにん君」の販売を開始し、多くの受注を獲得しました。
以上の結果、その他の事業の営業収益は7,425,617千円(前期比36.7%増)、営業利益は258,637千円(前期は営業損失113,637千円)となりました。
業種別営業成績
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ、1,942,157千円増加し、18,985,825千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益に対し、減価償却費等を加減した結果、8,974,957千円の資金収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得等により、4,826,046千円の資金支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少やリース債務の返済による支出等により、2,206,753千円の資金支出となりました。
当社グループは、運輸業、不動産業、レジャー・サービス業等、広範囲かつ多種多様な事業を営んでおり、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の状況については、「(1)経営成績等の状況の概要」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
a 資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における総資産は、主に減価償却等により有形固定資産が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて2,410,715千円増加し、100,746,975千円となりました。
負債は、主に買掛金や未払法人税等の増加により、前連結会計年度末に比べて209,625千円増加し、73,962,943千円となりました。
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加により、前連結会計年度末に比べて2,201,090千円増加し、26,784,031千円となりました。
b 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループにおきましては、国内外の旅行需要の回復や地域イベントの再開などによる運輸、レジャー・サービス業の利用者の大幅な回復を背景に、各事業において、積極的な営業活動と経営の効率化による利益の改善に努めた結果、当連結会計年度における営業収益は42,924,509千円(前期比22.3%増)、営業利益は4,243,375千円(前期比457.2%増)となりました。なお、セグメントごとの営業収益及び営業利益の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
経常利益は4,007,452千円(前期比718.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益に投資有価証券売却益80,555千円、特別損失に固定資産除却損523,091千円等を計上し、2,318,698千円(前期比516.0%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは以下を財務戦略の基本方針とし、財務基盤の健全性・安定性の向上、及び資産効率の向上による連結ROA(総資産経常利益率)の向上に努めております。
・円滑な事業活動の推進及び経営環境の変化などの事業リスクへの備えとして、長期・安定資金の調達を図り、十分な水準の手元流動性を確保する。
・営業活動によるキャッシュ・フローの水準を勘案のうえ、減価償却費の範囲内を目途とし、企業価値の向上に資する設備投資を厳選して行う。
・株主に対する利益還元は経営の最重要課題の一つとして認識し、継続的かつ安定的な剰余金の配当を行う。
a 資金調達、及び手元流動性について
資金調達については、取引金融機関から長期借入金を中心に所要資金の借入を行うほか、社債の発行、リースの活用など市場環境や調達手段のバランスを考慮したうえで、最適な方法を選択して調達を行っております。なお、当社は取引金融機関との間に総額4,000,000千円のコミットメントラインを設定しており、緊急時の流動性についても確保しております。また、CMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)の活用による資金の一元管理により資金効率の向上を図っております。
当連結会計年度は、取引金融機関より6,301,000千円の長期資金の借入を行うなど安定資金の確保に努めました。なお、当連結会計年度末の有利子負債残高(連結)は金融機関借入・社債・リース債務等の合計で61,191,683千円となり、前連結会計年度末に比べ1,740,016千円減少いたしました。また現金及び現金同等物は、18,985,825千円となり、1,942,157千円増加いたしました。
b 設備投資について
設備投資については、企業価値の向上に資する安全・成長投資を行っております。
当連結会計年度の設備投資額(資金支出ベース)は、営業活動によるキャッシュ・フロー8,974,957千円の資金収入に対し、5,143,901千円の資金支出となり、前連結会計年度に比べ610,584千円の支出の増加となりました。
c 剰余金の配当について
2023年3月期の配当金につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。
以上により、当連結会計年度末の総資産は100,746,975千円となり、前連結会計年度末に比べ2,410,715千円増加いたしました。また、連結ROA(総資産経常利益率)は前期より3.5ポイント改善し4.0%となりました。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち重要なものについて、新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定を含め、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。