当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1)経営の基本方針

(2)中期経営計画

目標とする経営指標
2023~2025年度はインバウンド需要等を取り込む、成長戦略を推進する年と位置付けております。
訪日外国人客の回復や、物価・エネルギー価格の高騰などの事業環境の変化を踏まえ、2023年5月10日に「3ヶ年間の事業計画」を公表いたしました。
有利子負債(金融機関借入金+社債+リース債務等)
株主還元
継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針として、具体的には1株14円の配当に加え、業績や連結配
当性向30%を目途に総合的に勘案し、利益成長による配当額の増加を目指します。
(3)経営環境、対処すべき課題
① 全般
当社グループを取り巻く経営環境は、地政学的リスクの高まりによる外国人旅行者の動向、異常気象や継続的な物価上昇による影響など、先行き不透明な状況が続くものと考えられます。このような状況のなか、第六次中期経営計画の最終年度となる2025年度においては、お客様の多様化するニーズや新たな価値観に応えるため、「超日常」体験の提供や更なるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、「顧客生涯価値」の最大化を目指してまいります。
② 運輸業
運輸事業につきましては、鉄道事業において、国内外からの観光需要の増加に対応するため、臨時列車の増発などにより、輸送力の更なる強化を図るとともに、システム更新による混雑緩和と業務の効率化に取り組んでまいります。また、地域社会との連携を図り、途中下車や周遊促進により、観光列車としての魅力向上と地域の活性化に努めてまいります。バス事業では、富士五湖エリアにおいて河口湖駅から主要観光スポットへの直通バスの新設や周遊バスの増回など二次交通の更なる充実を図ってまいります。また、自動運転EVバスの公道実証実験を継続し、自動運転レベル4での運行を目指した取り組みを行うとともに、EVバスの増車による環境負荷低減にも、引き続き取り組んでまいります。高速バスでは、自社開発した予約システム「SEKITORI」の対象路線を拡充し、お客様の利便性向上に取り組んでまいります。また、社会的な課題でもある運転士不足につきましては、バス路線の再編成などにより効率的な運行に努めるとともに、待遇改善などによる採用強化に取り組んでまいります。
③ 不動産業
不動産事業につきましては、山梨県との県有地に関する交渉を進め、一時的に停止している別荘販売業務(土地の転貸承認申請手続き)の正常化に努めてまいります。また、山中湖旭日丘エリアの再開発を進めるとともに、別荘オーナーへの利便性向上に取り組んでまいります。不動産賃貸事業では、遊休地の活用により収益の最大化を図ってまいります。
③ レジャー・サービス業
レジャー・サービス事業につきましては、「富士急ハイランド」において、園内にスケートボードパークを新設し、新たな需要の創出を図るとともに、人気キャラクターなど様々なコンテンツとのコラボレーションを通じ、話題の醸成を図ってまいります。また、外国人旅行者を誘致するため、SNSによるプロモーション活動の強化や付加価値の高い旅行商品の造成、シーズナリティ価格の活用などにより収益力の強化に努めてまいります。「さがみ湖MORI MORI」では、周囲の自然を経営資源としたアドベンチャーリゾート、自然環境にやさしいパークをコンセプトに、既存施設の再整備を進め、魅力向上に努めてまいります。キャンプブランド「PICAリゾート」を展開するアウトドア事業につきましては、開業30周年を記念した各種イベントの開催など話題の醸成や、リブランディングによるアウトドアレジャーの更なる魅力を提供し、他社との差別化を進めてまいります。ホテル事業では、ナイトタイムエコノミーなどの新たな余暇提案や多様なニーズに応えることで、各施設のターゲット層に応じたサービスの最適化を進めてまいります。箱根・熱海エリアでは、各施設において積極的な設備投資を行い、エリアの更なる魅力向上を図るとともに、富士五湖エリアとの相互周遊観光の実現によるシナジー効果の創出に引き続き努めてまいります。
④ 安全対策について
安全対策につきましては、グループ共通の安全方針に基づき、全ての事業において安全に対する共通認識を深めるとともに、デジタル技術の活用により、ハード・ソフトの両面でリスク発生を低減し、安全文化の醸成と啓蒙に積極的に取り組んでまいります。また、富士急ハイランド「ええじゃないか」整備点検作業中の労働災害事故を重く受け止め、全ての従業員の安全と安心についても企業活動の最優先事項と位置づけ、労働安全衛生マネジメントに取り組み、安全安心な職場づくりに努めてまいります。
⑤ サステナビリティについて
サステナビリティへの取り組みにつきましては、当社グループにおける重要課題(マテリアリティ)の達成に向けた取り組みを展開し、富士山エリアを「リゾートシティ」とする持続可能な地域社会の実現を目指してまいります。人材に関する取り組みにつきましては、人事制度の見直しや教育プログラムの拡充のほか、オフィスや社員寮の改修など様々な施策を講じ、すべての従業員がわくわく感と夢をもってチャレンジできる働きやすい環境づくりを推進し、人材育成を強化してまいります。
当社グループは、「富士を世界に拓く」という創業精神のもと、オリジナリティの高い「喜び・感動」を創造することを目指しております。また、創立100周年(2026年9月)を迎えるにあたり、次の100年へのスタートを切るため、刷新したグループロゴとタグライン「わくわくの最高峰へ」を旗印として「夢・喜び・やすらぎ・快適・感動・健やかさ」を新たなステージで提供し、世界の人々の心の豊かさに貢献することを目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
①ガバナンス
サステナビリティ推進体制として、サステナビリティ委員会が中心となり、本社部門及びグループ会社における計画や目標の策定並びにその進捗状況の確認を行うとともに、必要に応じ、その状況を常勤役員会、取締役会に付議・報告いたします。
②戦略
当社グループは、「いつも『喜び・感動』」を経営理念として掲げ、「富士を世界に拓く」という創業精神のもと、オリジナリティの高い「喜び・感動」を創造することにより、世界の人々の心の豊かさに貢献することを目指しております。
サステナビリティ経営を進めるにあたり、社会課題を経営課題に取り込んだ「マテリアリティ」について、従業員アンケート・役員インタビュー等を経て、様々な社会課題約400項目から絞り込み、課題の重要度評価の妥当性を検討した上で次のとおり特定いたしました。
・富士山とともに次の100年へ
「富士山への感謝」「富士山の環境保全」「自然環境に配慮した事業の推進」
・120%の安心・安全の実現へ
「安心・安全の更なる追求」「法令遵守」「災害リスク対策」
・人を育て、寄り添う
「多様な人材が活躍できる職場づくり」「モチベーションの創造」「心と身体の健康推進」
・地域とともに創り、ともに栄える
「住みやすく、訪れやすい地域に」「地域貢献活動の推進」「喜び、感動、健やかさの実現」
・もっと便利に、もっと愉しく
「イノベーションによる体験価値の創造」「ビジネスの革新」「変わり続ける未来へ」
この5つのマテリアリティは、創業精神「富士を世界に拓く」のもと、サステナビリティ経営を推進する羅針盤であると考えており、マテリアリティへの取組を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
なお、詳細については、
URL:https://www.fujikyu.co.jp/sustainability/materiality/
■当社が掲げるSDGsビジョン
富士山エリアを「リゾートシティ」とする、持続可能な地域社会の実現を目指す
マテリアリティ(重要課題)

③リスク管理
事業に係るリスクを統括するリスクマネジメント委員会(2024年度は4回開催)では、各リスク所管部署からの報告内容を評価し、全社リスクの把握と適切な対応を審議しております。
「気候変動」に係るリスクの管理は、事業部が中心となり全社的な気候変動に係るリスクへの対応を推進するとともに、取組状況をサステナビリティ委員会(2024年度は12回開催)に報告しております。また、識別した気候変動に係るリスクについて、リスクマネジメント委員会に報告しています。サステナビリティ委員会は、対応策の取組状況や目標の進捗状況を、必要に応じて常勤役員会、取締役会に付議・報告いたします。
④指標及び目標
サステナビリティ全般に関する指標及び目標については次のとおり設定しております。数値については都度見直し・更新を実施してまいります。
(a)目標
・温室効果ガス(2018年度対比) 2030年度50%削減、2050年度ニュートラル
・自社起因の運転事故、インシデント数 0(毎年度)
・自社起因の死者、重傷者の発生数 0(毎年度)
・富士山エリアにおける当社グループ利用者数 年間2,000万人(2030年度までに)
・管理職に占める女性労働者の割合 15%(2030年度)※1
・男性労働者の育児休業取得率 100%(2030年度)※1
(b)モニタリング指標
・事業エリアへの観光流入客数 約5,769万人(2022年度実績)※2
・富士山周辺の事業エリアにおける夜間人口 約107万人(2020年度実績)※3
・富士山周辺の事業エリアにおける昼間人口 約106万人(2020年度実績)※3
・山梨県(富士東部)における定住意識 71.6%(2021年度実績)※4
・静岡県(東部)における住みよさ 87.5%(2022年度実績)※5
・地域還元に資する支出額 約34億円(2023年度実績)※6
・ワークエンゲージメント 2.6(2023年度実績)※7
※1 富士急グループにおける主要会社(従業員数101名以上の会社)を対象に算出
※2 「山梨県 観光入込客統計調査(令和4年度)」・「静岡県 観光交流の動向(令和4年度)」を基に事
業エリアへの流入観光客数を算出
※3 「国勢調査(令和2年度)」を基に富士山周辺の事業エリアにおける夜間・昼間人口を算出
※4 「山梨県 県民意識調査(令和3年度)」内「定住意識」より「あなたは、山梨県にこれからも住み続け
たいと思いますか。」という問いに対して「住みたい」を選択した人の割合を算出(富士・東部地域)
※5 静岡県 県政世論調査(令和4年度)」内「静岡県の住みよさ」より「静岡県は住みやすいところだと思
うか」という問いに対して「思う」を選択した人の割合を算出(東部地域)
※6 地域還元に資する支出額を合算し算出
※7 グループ全社で行っているストレスチェックよりワークエンゲージメントの平均数値を算出
「(1)サステナビリティ全般に関する当社グループの考え方及び取組 ①ガバナンス」に記載のとおりです。
②戦略
気候変動は当社グループの事業活動に対して、さまざまな「リスク」と「機会」をもたらす可能性があり、これらに対応していくことが当社グループの長期的な存続と成長に重要であると認識しております。
TCFDの提言にあわせて、低炭素化社会への移行に伴うリスク(移行リスク・4℃シナリオと1.5℃シナリオを活用)と物理的な影響に伴うリスク(物理リスク・4℃シナリオと2℃シナリオを活用)に分類し、主に運輸業、レジャー・サービス業の重要なリスクおよび機会を析出し、対策を講じております。なお検討においてはIPCC(気候変動に関する政府間パネル)、IEA(国際エネルギー機関)等のシナリオを参照しております。
○リスクと機会
※1 時間軸 中期:~2030年、長期:~2050年を想定しています。
※2 重要度 リスク・機会の「発生の可能性」とリスク・機会が顕在化した場合の「事業インパクトの大きさ」とを軸に重要度を評価し、特に重要度が高いと考えられるものを大で示しています。
〇リスクと機会への対応策
③リスク管理
④指標及び目標
「(1)サステナビリティ全般に関する当社グループの考え方及び取組 ④指標及び目標」に記載のとおりです。
(3)人的資本経営の取り組み
①人材に関する基本方針
世界中から訪れる全てのお客様に「安心・安全」で「快適」な質の高いサービス・商品を提供するため、社員一人ひとりが常に「チャレンジ」し、「イノベーション」を追求できる機会を整備するとともに、多様な人材が融合し「健康」で活き活きと活躍できる環境づくりを推進してまいります。
(人材育成方針)
・グループ会社を統率する経営幹部の育成
・個性を活かし、自ら考え、行動する人材の育成
・新たな価値を創造するイノベーション人材の育成
②Human Resource Vision(人的資本経営に関するマテリアリティ)
(a)社員の能力高度化(アップスキリング・リスキリング)の推進
社員の個々の能力を更に伸ばし、成長するために、アップスキリングを推進し、高い専門性を持ったDX やイノベーション人材を育成してまいります。
(2024年度の主な取り組み)
■DX人材の育成に向けたDX研修の実施
選抜型高度DX研修として、グループ選抜のDX推進選抜人材40名を対象にデジタルマーケティング・デ
ータドリブンワークショップを実施、戦略的DX研修として生成AIワークショップを実施し選抜41名が
参加
■キャリア形成プログラム「フジQアカデミー」の創設
富士急行及び富士急グループの業務執行に求められる「重要スキル」を5分類に整理し、「重要スキル」
を体系的に習得できる育成プログラム「フジQアカデミー」を開講。2024年度には5講座を開講し、のべ
231名が参加。
・重要スキル(初年度は基礎編を中心に実施)
(1)人事・労務 (2)総務・法務・監査 (3)経理・財務・管理会計
(4)営業・マーケティング (5)企画・技術 各3講義/全15回
■実践的な研修の実施
プライシング研修、採用面接官研修など業務に即した実践的な研修を実施
(今後の取り組み方針)
■DX推進体制の高度化
全社横断的なDX推進体制を構築するため、グループ各社のDX推進を担う「DX推進リーダー」を中心
に高度なDX教育を継続して実施するとともに、事業革新・事業効率化に必須となっている生成AIの利
活用を積極的に推進する。
①生成AIの実践的活用促進
・生成AIワークショップ・研修を実施し、生成AI利用率を向上させる
・社員の創造性と課題解決能力の向上や水平展開を進めるため、生成AI活用事例コンテストの開催や
生成AIパスポートの受講促進を行う
②ボトムアップ研修の内製化
年に1度新規採用者(新卒・キャリア含む)に向けてDX知識の底上げを目的としたグループ合同研修
を実施、講師は社内講師で実施し内製化する
③eラーニングの実施
DXに特化したeラーニングを実施し、各人のスキル向上を図る
④異業種交流型DXチャレンジプログラムの実施
選抜者に対して専門的なスキルを習得するため外部セミナーへ派遣
■「スキルマトリックス」による能力の可視化
人事評価「コンピテンシー」や業務経験、知識(資格など)から個々の「スキルマトリックス」を可視化
する
■「フジQアカデミー」(専門スキル教育)の継続開講
・重要スキル
(1)人事・労務 (2)総務・法務・監査 (3)経理・財務・管理会計
(4)営業・マーケティング (5)企画・技術 (6)異文化理解・グローバル
(6)異文化理解・グローバルは6月から開講、各講座の基礎コースは継続して実施し、発展コースを
新たに実施する。
知識の定着、業務への活用を促進するため、研修実施後の効果測定(テスト・アンケート)を実施。
■コンセプチュアルスキル教育の実施
将来の経営幹部を育成するため、管理職に求められる「コンセプチュアルスキル」(論理的思考や水平思
考、多面的思考など)を体系立てて育成するプログラムを新たに導入する。2024年度に実施したSPIの
結果を基に、テーマから選択し受講を促す
■キャリアデザインチャレンジ制度の要件拡大・活性化
現在運用している制度の適応範囲を拡大し、語学専門学校やオンラインスクールなども対象とし、従業員
の自発的な学習の場を広げる、また内容に応じて単位、奨励金を支給する
■公的資格範囲の拡大と資格手当の拡充及び試験対策講座の実施
■視察支援制度の導入
■業務に即した専門スキル研修の追加
(達成目標)目標達成年度 2030年度まで
■DX人材育成
〈目標〉DX研修を受講した社員のうちDXプロジェクトに参画した人数 100名
〈実績〉24名
■アップスキリング支援
研修教育費(一人当たり) 〈目標〉2023年度比 120%以上 (実績)2023年度比 140%
(b)DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進
性別や国籍、年齢などにかかわらず、多様な人材が公平・公正に個々の能力を最大限に発揮できる取り組みを進めてまいります。
(2024年度の主な取り組み)
■女性活躍の推進
・女性のキャリア採用を強化し、2024年度実績2名採用
■外国人人材の採用を強化
・総合職1名の採用(キャリア採用)
・グループ会社にて外国人技能実習生の採用強化し、2024年度実績24名採用
■キャリア採用の強化(多様性を持った人材)
・2024年度実績5名採用
■男性労働者の育児休業の義務化
・2024年度実績 7名中7名取得、取得率100%
■育児・介護に関する取り組み
育児・介護と仕事を両立し働きやすい環境づくりの実施
・2025年度より育児介護リモート勤務を開始
・育児休業を取りやすい環境づくりとして休業分の給料補償を2025年4月から実施
育児休業を取得した社員(性別問わず)を対象に給与減少日額×10日分を上限に支給
(今後の取り組み方針)
■「富士急キッズガーデン」(企業主導型保育事業)の拡大
・多様な働き方の提供や安心して就業できる機会を確保するため、「富士急キッズガーデン」を増築する
とともに、園児の情操教育を支援する育成プログラムを強化いたします
■女性活躍の推進
・女性のキャリアアップに関するセミナー、オンライン講義の実施
■外国人人材の採用強化
・総合職の採用
・技能実習生、特定技能の採用強化
・外国人労働者の日本語能力向上支援(日本語能力テストの補助)
■キャリア採用の強化(多様性を持った人材)
・エリア採用(山梨県限定)の開始
■男性労働者の育児休業の義務化
・育児休業を取りやすい環境づくりとして休業分の給料補償を2025年4月度から実施
育児休業を取得した社員(性別問わず)を対象に給与減少日額×10日分を上限に支給
■介護と仕事の両立支援の促進
・介護と仕事の両立に関する管理職研修の実施
■育児・介護に関する取り組み
・休業明け職員に向けた職場復帰プログラムの整備
(達成目標)目標達成年度2030年度まで
(c)ウェルビーイングの推進
社員の心身の健康が、お客様への「安心・安全」や質の高いサービスにつながることを常に意識し、社員一人ひとりとその家族に寄り添った取り組みを実施してまいります。
(2024年度の主な取り組み)
■安全・健康への取り組み推進
・健康経営の取り組みや社内への浸透を強化し、健康経営優良法人(大規模法人)を2年連続で認定取得
・健康や働き方に関する認定制度へ新たに申請を実施、えるぼし認定・スポーツエールカンパニー2025の
取得
・健康診断有所見への二次検診費用補助制度を導入
・子宮頚がん健診の受診補助を導入
・管理職向けに女性の健康課題に関する研修の実施
■メンタルヘルス対策の実施
・管理職登用者を対象にメンタルヘルス・ライン研修の定期的な実施
■治療(がん・脳卒中など)と仕事の両立支援制度の導入
・ストック有給の利用条件の拡充を行い、傷病によるストック有給休暇の使用は、4日以上の休業に限定
していたが、定期的かつ長期にわたり治療や通院が必要な傷病については、医師の診断書を提出するこ
とにより、4日以上の休業に限定しないこととした
■ワークライフバランスの推進
・山梨本社、東京本社の2拠点勤務の開始
・ファミリーサンクスキャンペーンの家族向けイベントを「かぞく参観日」に変更し、社員の家族向けに
職場見学を実施
(今後の取り組み方針)
■安全・健康への取り組み推進
従業員の安全・健康確保のため、安全衛生管理体制の整備・運用に向けた取り組みを行う
・生活習慣、ストレスチェック、健康診断データの一元管理
・健康診断結果数値の改善(血圧・脂質等)
・健康管理やウェルビーイングに関するセミナーの実施(動画配信・ウェビナー)
■メンタルヘルス対策の実施
・外部EAP(従業員支援プログラム)の導入
・プレゼンティーイズム測定開始によるメンタル不調者の早期発見、対応
・ストレスチェック集団分析の効果的な活用
■ストック有給の利用拡大
・アニバーサリー休暇、資格取得、自己啓発、ボランティア活動などでも利用可能とする
■ワークライフバランスの推進
・社員の家族向けファミリーデーの定期的な開催
・多拠点勤務の開始(甲府など)
■従業員間のコミュニケーション強化
・部活動や同好会の設立による社員間のコミュニケーション強化を図る
(達成目標)目標達成年度 2030年度まで
■安全・健康への取り組み推進
健康経営優良法人ホワイト500を目指す
■喫煙率の減少
〈目標〉10%未満〈実績〉18.6%
■適正体重維持者率
〈目標〉70%以上〈実績〉62.4%
(d)エンゲージメントの向上
全ての社員がワクワク感と夢をもって「チャレンジ」できる職場環境と、当社ならではの働きやすい人事施策に取り組んでまいります。
(2024年度の主な取り組み)
■職場環境の改善(働きやすい環境整備)
・本社社屋(山梨本社2階)は2025年5月上旬完成
・社員寮は2024年3月からリノベーション検討開始、2027年1月完成予定
■自己申告書のフォーム見直しによる心理的安全性の確保
・自身のキャリアを振り返り、自身の強みやスキル・価値観について理解を深めるキャリアビジョンシー
トを回収
・自己申告書は2025年度からタレントマネジメントシステムにて回収開始(リアルタイムでの情報更新を
可能とする)
■労働環境の改善(働き方改革)
・バス会社を中心に休日数の増加
■表彰制度の拡充
・表彰制度の見直しを行い2025年4月度から表彰制度の拡充を実施
・コミュニティバス運転士・タクシー運転士専用の表彰基準を新設
・富士急行による表彰対象の拡大
(今後の取り組み方針)
■職場環境の改善(働きやすい環境整備)
・本社社屋及び社員寮のリノベーションを継続実施
■「エンゲージメントサーベイ」の強化(測定方法の見直し)
・「エンゲージメントサーベイ」の精度を高め、正確に可視化することで、課題に向けた適切な施策を実
行し、生産性向上による企業価値の増大と離職防止を図る
・部署や世代間の現状数値を可視化
・部署への結果フィードバック
・改善に向けた具体的な取り組み、検証
(例)リンクアンドモチベーション社「モチベーションクラウド」
■プレゼンティーイズム(健康問題による出勤時の生産性低下)の調査を毎月1回開始
■自己申告書のフォーム見直しによる心理的安全性の確保
■労働環境の改善(働き方改革)
・有給取得率の増加
・時間単位有給を取得可能とする
・ノー残業デー(本社)への取り組み強化
・フレックスのコアタイムの短縮(11:00~15:00) 等
■福利厚生の拡充
・グループ施設利用補助の増額、福利厚生サービスの見直し
(達成目標)目標達成年度 2030年度まで
■職場環境の改善(働きやすい環境整備)
・ワークエンゲージメント指標数値の改善 〈目標〉2.0 〈実績〉2.48
※ストレスチェック結果を基に、ワークエンゲージメントに関する項目から算出
(1~4点で評価、ストレスが高い方を4点、低い方を1点とする)
■労働環境の改善(働き方改革)
・有給取得率の向上 〈目標〉80% 〈実績〉58.2%
当社グループが目指す人的資本経営に関する関係図

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。当社グループ(当社及び連結会社)は、これらのリスクを認識したうえで、事態の発生の回避に努め、発生した場合には事業への影響を最小限にとどめるべく対策を講じる所存です。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。
(1)自然災害・事故等
当社グループは、「120%の安全と最高のホスピタリティの提供」を経営ビジョンに掲げ、安全を最優先に事業活動を行っておりますが、事業エリアでの地震や富士山噴火等の自然災害、台風・長雨・大雪・低温等の悪天候や異常気象等外部環境に異常事態が発生した場合や、人為的なミス、設備や情報システムの故障、食品品質問題、その他の理由により、各事業や各施設で万一労働災害を含む事故等が発生した場合には、事業運営に支障をきたすとともに、当社グループの信頼性の低下、施設の復旧費用等の発生など当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)消費者マインドの動向
不動産業、レジャー・サービス業は、景況悪化による個人消費の落ち込みや市場環境の変化に影響を受けやすい事業であり、レジャー・サービス業においてはさらに悪天候や猛暑、休日の日並びの良否、ガソリン価格の動向が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3)世界経済の情勢及び地政学的リスク
当社グループは、間接的なものを含めて国内外の数多くの企業と取引を行っており、特に国外との関わりは年々重要性を増しております。世界的な為替状況、世界各地での自然災害のほか、テロや戦争、経済制裁、外交不安などの地政学的情勢により、当社グループまたは取引先が影響を受け、原材料や資材の調達遅延、調達価格の高騰や、取引に関する制限が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
特に運輸業、レジャー・サービス業は、鉄道、バス、タクシー、船舶の運行や遊戯・宿泊施設等の運営にさまざまなエネルギーを使用しております。エネルギーの供給不足が発生した場合、車両の運行や施設の稼動が制限を受けるとともに、軽油単価、電気料金等のエネルギー価格の動向が、当社グループの経営成績及び財政状態に著しく影響を与える可能性があります。
(4)気候変動への対応
当社グループは、温室効果ガスの削減をはじめとする気候変動対策を重要な社会課題と認識し、これに取り組んでおりますが、気候変動に伴う気温上昇や自然災害の激甚化、発生頻度上昇により、各施設の運営に支障をきたすおそれがあるほか、当社グループの取り組みがステークホルダーから不十分と評価された場合には、当社グループの社会的信用が毀損し、経営成績及び財政状況に影響を与える可能性があります。
(5)法的規制・訴訟
当社グループが展開している事業においては、監督官庁の認可やさまざまな法令、規則、施策等による規制を受けております。これらの法令、規則、施策等が変更された場合、また、事業活動においての取引の相手方との認識の相違により訴訟が起きた場合には、当社グループの事業活動が制限されるほか、法令、規則、施策等を遵守するための費用が発生するなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(6)外部環境の変化(テロ・犯罪行為など)による観光客の動向
世界文化遺産「富士山」を主要な事業エリアとする当社グループには、国内外問わず多くの観光客が訪れており、当社グループの鉄道、バス、遊戯施設、宿泊施設等をご利用いただいております。このため、当社施設内又は近隣施設でテロや犯罪行為が発生した場合には、人的被害や物的被害のほか、当社事業エリアの観光地としての魅力が減退し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、国外でのテロや戦争の発生、外交関係の悪化等によっても外国人旅行者が大幅に減少し、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(7)風評
当社グループ及び事業に対する風評が、第三者からの報道やインターネット上の書き込み等により発生・拡散した場合や、従業員や関係者による故意または人為的ミス等により不適切な情報発信がされた場合には、それが事実に基づくものであるか否かにかかわらず、当社グループの社会的信用が毀損し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(8)少子高齢化を伴う人口の減少と人手不足
日本は少子高齢化を伴う人口減少傾向にあり、これが運輸業、レジャー・サービス業の利用客減少に繋がるおそれがあります。また、生産年齢人口の減少によって職員確保が困難となり、人材採用コストや人件費の増加に加え、運輸業やレジャー・サービス業でのサービスレベル低下、運輸業での車両稼働減少等、事業運営の制限に繋がるおそれがあります。さらに、他社における人手不足を背景に、当社発注の事業用施設建設等の発注価額上昇や工期の遅れが発生するなど、長期的には人口減少に起因する問題が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(9)金利変動
運輸業、レジャー・サービス業は、大型の設備投資を要する装置産業であり、これらの資金は主に金融機関からの借入により調達しております。各金融機関からの借入は固定金利での調達を基本としておりますが、変動金利の借入金や借換及び新たな調達資金については、金利情勢の影響を受け、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(10)感染症等の発生・流行
感染症等の外的要因によって、長期的な人流阻害が発生した場合には、利用客の減少や営業休止など事業運営に支障をきたし、また対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(11)コンプライアンス
当社グループでは、役職員の職務の執行が法令及び定款に適合し、かつ社会的責任を果たすため、富士急グループ「企業行動規範」、「職員倫理規程」、「人権方針」をグループ全役職員に周知徹底させるとともに、「コンプライアンス管理規程」に基づき、コンプライアンス体制の強化に努めておりますが、役職員等による重大な不正・不法行為や不祥事等が発生した場合は、当社グループの信頼の低下および社会的制裁等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(12)情報セキュリティ
当社グループは、各事業においてシステムを使用しており、十分な情報セキュリティ体制の確保に努めているものの、サイバー攻撃の脅威が急速に高まっており、不正侵入、情報の改ざん・漏洩・破壊、システム利用妨害行為等により、重大な障害が発生した場合や、当社グループが保有する顧客・取引先関係者・職員等の個人情報が外部に漏洩した場合には、当社グループの社会的信頼や経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(13)資産の価値下落
当社グループは、株式等の投資有価証券、退職給付信託における株式及び事業用や販売用土地建物等の不動産を保有しておりますが、市況の低迷等による投資先の自己資本の悪化や、不動産価値が低下した場合には、評価損や売却損、減損損失等の計上により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は下記のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a 財政状態
当連結会計年度における総資産は、主に建設仮勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べ564,037千円増加し、101,101,839千円となりました。
負債は、主に借入金の減少により、前連結会計年度末に比べ3,870,968千円減少し、64,315,216千円となりました。なお、短期長期の借入金合計額と社債を合わせた額は、前連結会計年度末に比べ4,008,428千円減少しております。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加により、前連結会計年度末に比べ4,435,006千円増加し、36,786,623千円となりました。
b 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、緊迫する海外情勢の長期化や自然災害等による原材料・エネルギー価格の高止まり、物価の上昇などの影響を受けたものの、外国人旅行者による国内消費の大幅な増加のほか、雇用・所得環境の安定を背景に個人消費は堅調に推移し、緩やかな回復基調で推移しました。
このような状況のなか、当社グループは、運輸、不動産、レジャー・サービス、その他の各事業にわたり積極的な営業活動と経営の効率化に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における営業収益は52,230,503千円(前期比3.0%増)、営業利益は8,313,679千円(前期比2.0%増)、経常利益は8,125,889千円(前期比2.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,107,705千円(前期比11.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
鉄道事業につきましては、外国人旅行者をはじめとする観光需要の増加を受け、JR中央線直通特急「富士回遊」の運行本数の増便や人気観光スポットの最寄り駅である下吉田駅と河口湖駅を結ぶ臨時列車を運行するなど、利便性向上と輸送力強化に努めました。また、都留文科大学前駅の開業20周年を記念したセレモニーや引退する車両の記念イベントなど多様なイベントを開催し、話題の醸成を図りました。
バス事業につきましては、高速バス営業において、外国人旅行者の増加に合わせ、都内と富士五湖を結ぶ路線のほか、関西・中京圏へのアクセス向上を目的とした河口湖駅と東海道新幹線三島駅を結ぶ路線の運行台数を増加し、利便性向上に努めました。乗合バス営業では、サステナビリティの取り組みとして、電気バス(EVバス)の導入を更に拡大したほか、前年度に引き続き、運転士不足やオーバーツーリズム対策、脱炭素化などの中長期的な課題解決を目的に富士吉田市と共同で市内の公道を循環するルートと、新たに富士山の麓と五合目を結ぶ「富士スバルライン」の一部を走行する2つのルートで自動運転EVバスの実証実験を行いました。
索道事業につきましては、「~河口湖~富士山パノラマロープウェイ」において、オペレーションの効率化とお客様の利便性向上を目的に、駅舎のリニューアルを行い、多くのお客様にご利用いただきました
船舶事業につきましては、箱根芦ノ湖遊覧船事業において、「湖尻ターミナル」までの運航を再開し、新たな魅力付けと利便性向上を図りました。また、「箱根遊船 SORAKAZE」は、デザインやエンターテインメント性の高さを評価され、「グッドデザイン賞」を受賞するなど好評を博しました。
安全対策につきましては、「運輸安全マネジメント」の安全目標、重点施策に基づき、安全会議や集合研修を通じ、安全意識の更なる向上に努めるとともに、新たな安全対策装置や設備の導入を推進しました。また、鉄道・バス・船舶において、地域の消防署や警察署などと連携し、自然災害や緊急時を想定した合同訓練を行いました。
以上の結果、運輸業の営業収益は19,756,056千円(前期比10.2%増)、営業利益は4,697,563千円(前期比24.8%増)となりました。
鉄道営業成績表(富士山麓電気鉄道㈱)
(注) 乗車効率算出方法
延人粁=駅間通過人員×駅間粁程
乗車効率=延人粁÷(客車走行粁×客車平均定員)×100
業種別営業成績
売買・仲介斡旋事業につきましては、山中湖畔別荘地において、高級街区のプライベート性を重視した新規プロジェクト開発を計画していました。しかしながら、山梨県より、別荘取得希望者への土地の転貸承認申請に対して、従前とは異なる対応をされたことにより、承認が得られない状態が継続しているため、別荘地の販売・仲介などの取引を一時的に停止せざるを得ない状況となり、別荘地の販売区画数は減少しました。
賃貸事業につきましては、既存賃貸施設の改修などを行い、安定的な収益の確保に努めました。
以上の結果、不動産業の営業収益は2,539,472千円(前期比19.5%減)、営業利益は469,958千円(前期比37.8%減)となりました。
業種別営業成績
(ⅲ) レジャー・サービス業
遊園地事業につきましては、「富士急ハイランド」において、お客様や地域の皆様に感謝の気持ちを込めた「ドローン&花火ショー」の開催など「富士急60th記念プロジェクト」を実施するとともに、富士吉田市と共同でふるさと納税寄附者と市民との交流イベントを開催し、好評を博しました。また、「トーマスランド」でアトラクションやレストランを日本初のNewルックデザインに変更したほか、「NARUTO×BORUTO 富士 木ノ葉隠れの里」で開業5周年を記念したトークショーによる集客や、フォトスポットの拡充などエリアの魅力向上に努めました。「さがみ湖MORI MORI」は、相模湖の森の中で、より楽しめるレジャーパークへの進化を目指し、7月に「さがみ湖リゾート プレジャーフォレスト」から名称変更し、リニューアルオープンしました。リニューアルに合わせ、ドッグランフィールドの開設、新たな岩盤浴やリラクゼーションラウンジのある「ゆめうるり」をオープンし、魅力向上に努めました。関東最大級のイルミネーションイベント「さがみ湖イルミリオン」では、人気キャラクター「リラックマ」や「すみっコぐらし」などの「サンエックスキャラクターズイルミネーション」を開催し、好評を博しました。スノーパーク「Yeti」では、屋外スキー場として26年連続で日本一早くオープンし、話題喚起に努めたほか、雪遊び広場では、多くの外国人旅行者にご利用いただきました。
ホテル事業につきましては、「ハイランドリゾート ホテル&スパ」において、OTA(オンライントラベルエージェント)を活用し、外国人旅行者の積極的な誘致に努めました。また、多様化するお客様のニーズに応えるため、2階フロアの客室改修を行うとともに、季節に合わせた料飲フェアや体験イベントなどを開催し、多くのお客様にご利用いただきました。「ホテルマウント富士」では、サウナ「富嶽蒸景」を新設するとともにサウナイベントを開催し、好評を博しました。
以上の結果、レジャー・サービス業の営業収益は24,839,040千円(前期比0.3%減)、営業利益は2,584,989千円(前期比17.6%減)となりました。
業種別営業成績
株式会社富士急百貨店では、富士吉田富士急ターミナルビル「Q-STA」において、飲食、物品販売、音楽などの地域と連携したイベントを積極的に開催し、来館者数が大幅に増加しました。富士ミネラルウォーター株式会社では、紙パック製品の受注が拡大したほか、新たにアルミ缶ボトル製品の販売を開始し、更なる環境負荷低減に努めました。また、物品販売業では、「GateWay Fujiyama河口湖駅店」において、店舗のリニューアルを行い、外国人旅行者を中心に多くのお客様にご利用いただきました。
以上の結果、その他の事業の営業収益は8,017,310千円(前期比3.3%増)、営業利益は599,389千円(前期比9.8%減)となりました。
業種別営業成績
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ、1,137,736千円減少し、16,702,522千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益に対し、減価償却費等を加減した結果、10,843,484千円の資金収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得等により、5,857,358千円の資金支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出等により、6,123,862千円の資金支出となりました。
当社グループは、運輸業、不動産業、レジャー・サービス業等、広範囲かつ多種多様な事業を営んでおり、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の状況については、「(1)経営成績等の状況の概要」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
a 資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度における総資産は、主に建設仮勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べて564,037千円増加し、101,101,839千円となりました。
負債は、主に借入金の減少により、前連結会計年度末に比べて3,870,968千円減少し、64,315,216千円となりました。
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加により、前連結会計年度末に比べて4,435,006千円増加し、36,786,623千円となりました。
b 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度におけるわが国経済は、緊迫する海外情勢の長期化や自然災害等による原材料・エネルギー価格の高止まり、物価の上昇などの影響を受けたものの、外国人旅行者による国内消費の大幅な増加のほか、雇用・所得環境の安定を背景に個人消費は堅調に推移し、緩やかな回復基調で推移しました。
このような状況のなか、当社グループは、運輸、不動産、レジャー・サービス、その他の各事業にわたり積極的な営業活動と経営の効率化に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度における営業収益は52,230,503千円(前期比3.0%増)、営業利益は8,313,679千円(前期比2.0%増)となりました。なお、セグメントごとの営業収益及び営業利益の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
経常利益は8,125,889千円(前期比2.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益に補助金705,312千円等、特別損失に固定資産圧縮損588,851千円、減損損失430,527千円等を計上し、5,107,705千円(前期比11.7%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは以下を財務戦略の基本方針とし、財務基盤の健全性・安定性の向上、及び資産効率の向上による連結ROA(総資産経常利益率)の向上に努めております。
・円滑な事業活動の推進及び経営環境の変化などの事業リスクへの備えとして、長期・安定資金の調達を図り、十分な水準の手元流動性を確保する。
・営業活動によるキャッシュ・フローの水準を勘案のうえ、減価償却費の範囲内を目途とし、企業価値の向上に資する設備投資を厳選して行う。
・株主に対する利益還元は経営の最重要課題の一つとして認識し、継続的かつ安定的な剰余金の配当を行う。
a 資金調達、及び手元流動性について
資金調達については、取引金融機関から長期借入金を中心に所要資金の借入を行うほか、社債の発行、リースの活用など市場環境や調達手段のバランスを考慮したうえで、最適な方法を選択して調達を行っております。なお、当社は取引金融機関との間に総額4,000,000千円のコミットメントラインを設定しており、緊急時の流動性についても確保しております。また、CMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)の活用による資金の一元管理により資金効率の向上を図っております。
当連結会計年度は、取引金融機関より4,680,000千円の長期資金の借入を行うなど安定資金の確保に努めました。なお、当連結会計年度末の有利子負債残高(連結)は金融機関借入・社債・リース債務等の合計で49,384,165千円となり、前連結会計年度末に比べ4,117,439千円減少いたしました。また現金及び現金同等物は、16,702,522千円となり、1,137,736千円減少いたしました。
b 設備投資について
設備投資については、企業価値の向上に資する安全・成長投資を行っております。
当連結会計年度の設備投資額(資金支出ベース)は、営業活動によるキャッシュ・フロー10,843,484千円の資金収入に対し、6,715,149千円の資金支出となり、前連結会計年度に比べ615,999千円の支出の増加となりました。
c 剰余金の配当について
2025年3月期の配当金につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。
以上により、当連結会計年度末の総資産は101,101,839千円となり、前連結会計年度末に比べ564,037千円増加
いたしました。また、連結ROA(総資産経常利益率)は前期より0.2ポイント改善し8.1%となりました。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち重要なものについて、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
財務制限条項が付された借入金契約
※財務制限条項が付されており、その内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸
表 注記事項(連結貸借対照表関係)※7 財務制限条項」に記載しております。
該当事項はありません。