第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(1)経営の基本方針

相鉄グループは、純粋持株会社体制のもと、運輸業・流通業・不動産業・ホテル業を中心とした企業グループとして、「快適な暮らしをサポートする事業を通じてお客様の喜びを実現し、地域社会の豊かな発展に貢献します」という相鉄グループ「基本理念」に則り、「経営姿勢」として(1)徹底したお客様視点の実践 (2)グループ連結利益の最大化 (3)活力ある企業風土の醸成 (4)よりよい社会への貢献、の4つを掲げています。

各社の自己責任に基づく自立経営及び相互の連携強化により、生活に密着したサービスやお客様のニーズを的確に捉えた各種サービスを提供し、地域社会の発展に貢献することを目指しております。

 

(2)目標とする経営指標

当社では収益性指標として営業利益、健全性指標として有利子負債/EBITDA倍率、自己資本比率、効率性指標としてROAを重視しています。

なお、2021年11月に公表した「長期ビジョン“Vision2030”」及び2025年4月に公表した中期経営計画「第7次中期経営計画(2025年度~2027年度)」では、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等を設定しております。

 

2024年度

(実績)

2027年度

(第7次中期経営計画)

2030年度

(長期ビジョン)

営業利益

378億円

380億円

370億円程度

親会社株主に帰属する当期純利益

224億円

224億円

EBITDA

625億円

670億円

620億円程度

有利子負債/EBITDA倍率

6.6倍

6.9倍

7倍未満

ROA(総資産営業利益率)

5.0%

4.5%

4.5%

ROE(自己資本利益率)

12.9%

10.2%

自己資本比率

24.0%

26.5%

20%台後半

(注)1.EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額

2.有利子負債は、借入金+社債により算出しております。

3.「-」については、未設定のため記載しておりません。

 

(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題

少子高齢化や市場の成熟、競争の激化等に加え、先行き不透明な社会情勢、エネルギー価格をはじめとした各種コストの上昇、商品・サービス価格の上昇による消費マインドへの影響等、相鉄グループを取り巻く環境は厳しさを増しています。こうした中、相鉄グループの「長期ビジョン“Vision2030”」及び新たに策定した「第7次中期経営計画(2025年度~2027年度)」では、「既存事業の構造改革と新たな稼ぐ力の強化」「不動産事業の抜本的な強化」「選ばれる沿線の創造」「新たな事業領域への拡大」等を重点戦略として取り組んでまいります。大規模投資フェーズのキャッシュアウトに備えるべく、「強固な財務基盤の整備」を意識した経営の実現を目指すとともに、事業ポートフォリオの検討とシナジーの創出により「グループ総合力の最大化」を図り、次の100年においても持続的な企業経営が維持できるよう「サステナビリティの追求」を行うことで、さらなる成長を目指してまいります。

 

長期ビジョン“Vision2030”で推進する6つの重点戦略

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2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ全般

① サステナビリティ共通

 当社グループは、「快適な暮らしをサポートする事業を通じてお客様の喜びを実現し、地域社会の豊かな発展に貢献します。」という経営理念を基に、「1.徹底したお客様視点の実践」「2.グループ連結利益の最大化」「3.活力ある企業風土の醸成」「4.よりよい社会への貢献」を経営姿勢として取り組んでまいりました。

 これからも当社グループの事業及び企業活動を通じた社会課題解決とさらなる企業価値向上を実現し続けるべく、次の100年を見据え「人生100年時代を活き活きと過ごせる沿線の創造」を目指し、マテリアリティを特定(※)、それに基づき中長期的な事業戦略とESGへの取り組みを連動させたサステナビリティ経営に取り組んでおります。

※相鉄グループのサステナビリティ経営において、「マテリアリティ」は、長期ビジョン“Vision2030”を達成するために相鉄グループが対処すべき経営上の重要課題と定義しており、財務・会計上における重要課題(業績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のある項目)とは、異なる意味で使用しています。

 

(ア)サステナビリティ方針

「お客様の喜びを実現し、地域社会の豊かな発展に貢献するために」

相鉄グループは、様々なステークホルダーとの協働のもと、事業活動を通じた何世代にも亘り、暮らし続けられるまちづくりを起点とし、相鉄グループを取り巻く環境・社会課題の解決に向けた取り組みを通じて、持続的な社会の実現に貢献できる企業を目指します。

 

 

(イ)理念体系

 相鉄グループは、経営理念とサステナビリティ方針に基づき、グループが目指す姿を示した「長期ビジョン“Vision2030”」及びグループビジョンを実現していくための具体的な「経営戦略(中期経営計画など)」を策定しています。グループが有する事業ポートフォリオを最大限に活かし、内外での相乗効果を発揮すべく、事業会社間の連携促進や、外部との連携強化に取り組みます。

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② ガバナンス

 持続可能な社会の実現への貢献と、相鉄グループの持続的成長の実現に向けた取り組みをより一層強化するため、2022年4月1日付で、相鉄ホールディングス㈱社長を委員長に、業務執行取締役全員を構成メンバーとした「相鉄グループサステナビリティ委員会」を設置しております。

 サステナビリティ委員会は、年2回以上の定例開催を基本として適宜開催し、以下の内容に関する討議などを行い、取締役会に上申しております。

 

・サステナビリティに関する経営リスク管理、事業機会の把握及び経営戦略への反映

・グループにおけるサステナビリティ活動方針の構築と実効性のモニタリング、それに基づく各事業会社による実行の総括

・マテリアリティに関する課題の掌握、目標・計画の策定、計画推進・活動状況の評価及び是正・改善

 

 取締役会は、相鉄ホールディングス㈱会長を議長に、社内取締役4名、社外取締役3名、常勤監査役2名、社外監査役3名を構成メンバーとして、当委員会で討議・決議された事項を受け、サステナビリティに関するリスク及び機会への対応方針並びに実行計画等について、審議するとともに、常勤監査役及び社外監査役による監督を行っております。

 また、サステナビリティ委員会で決定した内容をグループ全体に周知・指示する組織である「相鉄グループサステナビリティ推進会議」と、実務者レベルで個別課題を検討する「関連各分科会」を通じて、グループ全体の戦略として落し込む仕組みになっており、グループ一体でサステナビリティの取り組みを推進しております。

 

 

 

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サステナビリティ委員会の開催実績と討議内容

組織名

実施回数

討議内容

相鉄グループ

サステナビリティ委員会

第9回

2024年9月9日

・2025年度サステナビリティ取組方針

・相鉄グループ健康宣言

・2024年度TDFDシナリオ分析結果

・インターナルカーボンプライシング導入

第10回

2024年12月13日

・相鉄グループサイバーセキュリティ基本方針

第11回

2025年3月11日

・2024年度サステナビリティ取組実績

・2025年度サステナビリティ取組計画

・相鉄グループ人権方針

・マテリアリティ及び非財務指標改定

・相鉄グループ環境方針及び環境ビジョン改定

 

サステナビリティ関連 各分科会の概要

 

実施回数

メンバー

議題

環境・エネルギー分科会

3回

相鉄ホールディングス㈱経営戦略室部長、各社環境担当他

・インターナルカーボンプライシング導入

・2025年度計画

ダイバーシティ推進分科会

3回

相鉄ホールディングス㈱経営戦略室部長、各社ダイバーシティ推進責任者及び推進担当者他

・法令改正

・情報開示

・2025年度計画

サイバーセキュリティ委員会

2回

相鉄ホールディングス㈱経営戦略室部長、各社サイバーセキュリティ推進担当者他

・アセスメント結果

・ロードマップ

CS連絡部会

2回

相鉄ホールディングス㈱総務部部長、各社CS推進担当他

・満足度調査結果

・2025年度計画

 

 

③ 戦略

 事業と関係する社会課題や社会要請が多様化するなか、特に重視すべき課題に集中して適切に対応するために、「マテリアリティ」を特定し、課題解決に向けて取り組みを進めております。

 マテリアリティの特定にあたっては、相鉄グループの経営理念、サステナビリティに対する考え方、経営課題などを踏まえつつ、国際的なガイドラインなどを参照して、課題を抽出・整理いたしました。

 その後、外部有識者やお客様、パートナー、社員、地域社会、株主等、当社グループを取り巻く様々なステークホルダーへのヒアリングを通じて、「ステークホルダーにとっての重要度」及び「相鉄グループにとっての重要度」という2軸に基づき課題の整理・評価検証を行い、さらに常務会での議論、取締役会における決議を経て、マテリアリティを特定・決定いたしました。

 2021年11月のマテリアリティ特定以降も、相鉄グループのサステナビリティ経営に影響を及ぼす社会課題の多様化や外部環境の変化が起きており、こうした変化に対応するため、2024年4月よりマテリアリティの見直しに着手しました。ステークホルダーの意見も取り入れながら、2025年3月のサステナビリティ委員会にて4つのマテリアリティを再特定しました。

 今後も、時代や外部環境の変化に応えながら、長期ビジョンや中期経営計画の策定及びそれに伴う経済・環境・社会へのインパクトの変化をグループのサステナビリティ経営に取り込んでいくため、定期的に見直しを行います。

 

マテリアリティ特定プロセス

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重要課題項目のマッピング

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マテリアリティ

目指す姿

取り組む

社会課題

主なリスク

主な機会

取組の方向性

次世代へつなぐ地球環境づくり

豊かな自然と持続可能な環境を未来につなぐため、地域と共に、「脱炭素社会」・「循環型社会」・「自然共生社会」の実現を目指します。

気候変動の緩和と適応

・自然災害、感染症等

・規制強化によるコスト増

・再生可能エネルギーの調達や創エネルギーに関する新規事業の創出

・省エネ技術開発によるコスト削減

・生活様式や事業環境の変化による新たな商品やサービスの提供機会増加

・エネルギーの地産地消による地域経済の活性化

・COなどの温室効果ガス排出量の削減

・エネルギー効率の改善

・太陽光など再生可能エネルギーの活用

資源循環の促進

・資源不足による事業活動への影響

・エネルギー価格の高騰による原材料の調達コスト増

・資源を効率的に利用するビジネスへの需要拡大

・消費者嗜好の変化による新たな商品やサービスの需要拡大

・廃棄物発生の抑制及びリサイクルの推進

生物多様性の保全・回復

・規制対応によるコスト増

・資源不足による原材料の調達コスト増

・自然環境毀損や生物種の減少による住環境の質の低下

・暮らしやすく、自然豊かな住環境の提供

・生活様式の変化や環境課題解決を通じた新たな商品やサービスの提供機会増加

・地域との体験価値やコミュニティ形成への連携拡大

・事業活動における環境負荷低減

・持続可能性が担保された商品の調達

 

 

マテリアリティ

目指す姿

取り組む

社会課題

主なリスク

主な機会

取組の方向性

魅力ある地域の発展と共創

多様なお客様に寄り添い、安全で豊かな暮らしを実現する商品・サービスを提供することで人生100年時代を活き活きと暮らすことができるまちづくりを目指します。

地域経済の活性化

・少子高齢化、人口減少やそれに伴う利用者数の減少

・ターミナル集中による沿線における人口減少や顧客流出

・既存ビジネスモデルの陳腐化

・雇用流動化に伴う人材獲得競争激化

・国際園芸博覧会開催以後も見据えた国内観光・インバウンド需要拡大

・沿線地域の抱える社会・環境課題の解決を通じた事業機会創出

・鉄道の都心乗り入れや沿線開発を契機とした顧客獲得機会増加

・鉄道の都心乗り入れ

・エネルギーの地産地消による地域経済の活性化

・生活様式や事業環境の変化による新たな商品やサービスの提供

・横浜駅西口大改造構想の具現化

・沿線まちづくり戦略に基づく取り組みの継続

・良質な住環境の整備

・奨学金や寄付米を始めとした地域課題解決に資する活動の推進

地域コミュニティの開発

・少子高齢化、人口減少やそれに伴う利用者数の減少

・生活様式の変化による地域交流機会の減少

・体験価値やコミュニティ形成への需要拡大

・沿線地域の抱える社会課題、環境課題の解決を通じた事業機会増加

・大学や研究機関・地域コミュニティ等との協業・連携強化

商品・サービスの質と安全性の向上

・人為事故による損害・信用低下

・食品の安全性の低下

・都市インフラの老朽化

・価格競争の激化による収益低下

・ステークホルダーからの信頼獲得

・当社ブランドの価値向上による収益機会獲得

・より安全で強靭性のある交通・都市インフラの整備による沿線価値向上

・設備やサービスの省人化による労働生産性向上

・管轄する公共交通機関や施設等における安全性の更なる向上

・防災・減災に向けた取組の推進と災害発生時の迅速かつ適切な対応

多様な価値観・ライフスタイルに応じたサービス提供

・業界、業種をまたぐ新規参入激化

・行動様式・ニーズの変化への適応遅れによる競争力低下や既存ビジネスモデルの陳腐化

・消費者嗜好の変化への対応の遅れによる評価低下

・消費の多様化に伴うサービスの深化

・ポイント&ID統合による消費者の利便性向上

・デジタル技術を活用した人・物・金の移動円滑化による事業機会増加

・デジタルを入り口とした顧客とのタッチポイント増加やリアル体験の機会創出

・省人化による労働生産性向上

・デジタル技術を活用した既存サービスの向上と新規ビジネスの創出

 

 

マテリアリティ

目指す姿

取り組む

社会課題

主なリスク

主な機会

取組の方向性

働きがいと働きやすさのある職場環境づくり

市場価値の高い人財が育成され、働きがいと働きやすさでその人財に選ばれる相鉄グループであり続けます。

持続可能な経営を実現できる人財の育成

・従業員の高齢化

・人材確保競争の激化

・従業員の採用難による事業継続危機

・適切な人材の配置ができないことによるサービスの品質や安全性の低下

・従業員エンゲージメントの高まりによるイノベーション機運醸成

・人材の活躍を通じた経済及び社会価値提供の拡大

・人財戦略に沿った人材確保による競争力強化

・人的資本経営の強化

・次世代を育成する機会の提供

人権の尊重とダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進

・人権侵害による社会的信頼の毀損

・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン浸透の遅れによる競争力の低下

・人材確保競争の激化

・就業に対する価値観変容によるビジネスモデルへの影響

・多様な人材が集まることによる業務品質と生産性向上

・働き方や暮らし方の多様化に伴う新規事業創出

・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを意識した人材獲得による競争力増大

・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進

・サプライチェーン含む人権DDの推進

従業員の健康と安全

・従業員の高齢化

・人材確保競争の激化

・人材不足によるサービスの質や安全性低下

・健康と安全への意識の高まりに応えられないことによる社会的信頼の喪失

・働き方改革への対応による人財活用の推進

・従業員エンゲージメントの高まりによるイノベーション機運の醸成

・健康経営の推進

・デジタル技術活用による労働環境の改善

盤石なガバナンス体制の構築

すべてのステークホルダーの皆様の信頼に応え、よりよい社会の創造へ貢献するために、誠実かつ公正なガバナンス基盤を構築します。

コンプライアンス教育とコーポレート・ガバナンス管理体制の構築

・法的規制

・不祥事の発生

・コンプライアンス違反の発覚による社会的信頼の喪失

・業務生産性向上

・社会的信頼の獲得

・企業統治の実効性

・透明性の向上

個人情報保護とデータセキュリティの強化

・法的規制

・不祥事の発生

・個人情報漏洩の発覚による社会的信頼の喪失

・サイバー攻撃やセキュリティリスクの拡大

・運用するシステムの障害発生

・社会的信頼の獲得

・サイバーセキュリティを含めたリスクマネジメントの強化

持続可能なサプライチェーン構築

・法的規制

・不祥事の発生

・サプライチェーンリスクによる事業継続の停止や信用低下

・持続可能な経営体制及びサプライチェーンマネジメント体制構築

・業務生産性向上

・社会的信頼の獲得

・各ステークホルダーの意見を踏まえた事業遂行

 

 

 

④ リスク管理

 相鉄グループでは、サステナビリティ関連を含む事業運営に関するリスクを適切に把握・管理するようグループ全体でリスクマネジメントに取り組んでおります。さまざまなリスクを予見・分析評価するとともに、損失を予防・軽減するための対策、損害が発生した場合の対応、事後処理対策を講じております。

 サステナビリティに関連するリスクは、サステナビリティ委員会において相鉄グループを取り巻く環境を踏まえた課題が報告され、幅広く特定しています。特定されたサステナビリティ関連のリスクについては、同委員会において目標の設定や進捗管理を行い、半期に一度、取締役会へ報告することで定期的なリスクのモニタリングを実施し、対応状況の評価や重要リスクの見直しにつなげています。

 事業活動に伴い想定されるリスクは相鉄グループ各社で異なることから、全社において事業活動に伴う重要リスクと重要法令の洗い出し・抽出を定期的に行っております。抽出された重要リスクは外部専門家から、重要法令は顧問弁護士からそれぞれ評価を受け、各社にフィードバックを行うことで、その後の各社の取り組みに反映させております。

 

⑤ 指標及び目標

 当社グループにおけるマテリアリティを特定後、その達成のために事業活動との連動を意識し、長期ビジョン”Vision2030”及び中期経営計画を踏まえた非財務指標のKGI・KPI及び中長期目標を以下のとおり設定しました。今後も中長期の経営計画と連動し指標を改定する予定です。

マテリアリティ

取り組む社会課題

主なKGI・KPI

中期:

2027年度目標

長期:

2030年度目標

次世代へつなぐ地球環境づくり

・気候変動の緩和と適応

・資源循環の促進

・生物多様性の保全・回復

CO排出削減度(Scope1・2)

国内連結(2020年度対比)

△29%

△42%

鉄道業(2013年度対比、低圧電力は除く)

△46%

CO排出削減度(Scope3)

(モニタリング)

(モニタリング)

魅力ある地域の発展と共創

・地域経済の活性化

・地域コミュニティの開発

・商品・サービスの質と安全性の向上

・多様な価値観・ライフスタイルに応じたサービス提供

沿線人口

(モニタリング)

(モニタリング)

沿線住民幸福度

※検討中

※検討中

お客様満足度

85点以上

(モニタリング)

安全性の向上(重大事故件数)

0件

0件

働きがいと働きやすさのある職場環境づくり

・持続可能な経営を実現できる人財の育成

・人権の尊重とダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進

・従業員の健康と安全

女性管理職比率

9%

10%

新規採用時の女性比率

32%

35%

男性育児休業取得日数

90日

120日

年次有給休暇取得率

85%

90%

盤石なガバナンス体制の構築

・コンプライアンス教育とコーポレート・ガバナンス管理体制の構築

・個人情報保護とデータセキュリティの強化

・持続可能なサプライチェーン構築

独立社外取締役の比率

CGコード以上の水準を維持

CGコード以上の水準を維持

取締役人数

(モニタリング)

(モニタリング)

コーポレート・ガバナンス管理体制の構築

(モニタリング)

(モニタリング)

重大な法令違反等件数

0件

0件

重大なサイバーセキュリティ(インシデント件数)

0件

0件

(注)1.「CO₂排出量」は、自社(拠点)で購入した電力・熱について、契約や電力会社の選択により排出係数を把握し、その係数に基づきCO₂排出量を算定する「マーケット基準」を採用しております。

2.各指標の詳細な目標・実績は2025年9月末開示予定の統合報告書にて開示する予定ですので、そちらをご参照ください。

https://www.sotetsu.co.jp/sustainability/integrated-report/

 

(2) 気候変動

① 気候変動に関するガバナンス

 当社グループは、気候変動に係る対応を経営上の重要課題の一つと位置づけ、環境・エネルギー分科会において、気候変動対応を含む環境負荷の低減に向けた対応方針及び実行計画などの審議を行っております。

 これらの内容は、相鉄ホールディングス㈱社長を委員長とする相鉄グループサステナビリティ委員会にて実績の総括・評価をしております。また、サステナビリティ委員会で決定した内容は「相鉄グループサステナビリティ推進会議」を通じて周知・指示されております。

 環境・エネルギー分科会及び相鉄グループサステナビリティ委員会での審議、総括・評価の結果は、取締役会へ報告し、取締役会の監視・監督を受けております。

 

② 戦略

 事業特性上、環境への影響が大きいと想定される運輸業(鉄道・バス)、不動産賃貸業及び流通業を対象としてシナリオ分析を行い、気候変動によるリスクと機会を特定し、財務インパクト評価を実施いたしました。

 シナリオ分析は、低炭素経済へ移行し、「移行リスク」が強まる1.5℃シナリオと、脱炭素に無対応な4.0℃シナリオを中心に実施いたしました。

 

(ア)重要なリスク

分類

当社への影響

影響度(注)1

顕在

時期

(注)2

鉄道業

バス業

不動産

賃貸業

流通業

移行リスク

(主に1.5℃シナリオ)

政策・法規制リスク

●温室効果ガス排出価格の上昇による運営コストの増加

(費用増:4事業合計20億円程度)

中期

長期

技術リスク

●既存製品やサービスが排出量の少ないものへの置き換えが必要になることによるコストの増加

中期

長期

市場リスク

●お客様の嗜好の変化や気温上昇による輸送人員の増減

中期

長期

●原材料(電力、軽油、資材、食料品など)調達コストの増加

短期

中期

長期

評判リスク

●対応遅れによる評価低下によるお客様の流出

中期

長期

物理的リスク

(主に4.0℃シナリオ)

急性的

●災害発生による運行乱れ、運休増加によるお客様の減少

●復旧コストの増加

●営業停止による賃料収入の減少

短期

中期

長期

慢性的

●防災・減災対策コストの増加

短期

中期

長期

●気温上昇による空調コストの増加

長期

●猛暑による来店数の減少

短期

中期

長期

 

(注)1.対象事業ごとに2030年度営業利益を100とし各項目の財務影響の比率を、絶対値で0%以上~5%未満を小、5%~10%未満を中、10%以上を大と分類しております。

「-」:事業特性上、検討の対象外としたものを示しております。

「※」:影響は考えられるが、現時点での情報では定量化が難しく、今後も継続検討していくものを示しております。

2.短期:3年以内、中期:3年超~10年以内、長期:10年超

 

(イ)重要な機会(主に1.5℃シナリオ)

分類

当社への影響

影響度(注)1

顕在

時期

(注)2

鉄道業

バス業

不動産

賃貸業

流通業

エネルギー源

温室効果ガス低排出のエネルギー源の使用

●電力調達コストの削減

●省エネ機器などの技術開発が進むことによるコストの削減

短期

中期

●新型車両導入による化石燃料使用量の削減

●走行距離の見直しや運転技術の向上

 

製品とサービス

温室効果ガス低排出商品及びサービスの開発・事業領域拡張/消費者動向

●環境優位性が高い移動手段としてお客様の増加

中期

長期

●気温上昇の影響により徒歩からバスへの移動手段の切り替え

●環境性能の高い物件のお客様需要及び賃料の増加

●暑さ対策商品の購入機会の増加

短期

中期

長期

市場

新しい市場へのアクセス

●新型車両の導入により当社の車体整備・点検技術の向上が図られることによるコストの削減

中期

長期

●ESG対応及びBCP対策による資金調達コストの低下

レジリエンス

レジリエンスの向上

●災害対策の強化やBCPの見直しによる市場価値の向上

 

●企業輸送の需要が増えることによる収益増加

中期

長期

(注)1.対象事業ごとに2030年度営業利益を100とし各項目の財務影響の比率を、絶対値で0%以上~5%未満を小、5%~10%未満を中、10%以上を大と分類しております。

「-」:事業特性上、検討の対象外としたものを示しております。

「※」:影響は考えられるが、現時点での情報では定量化が難しく、今後も継続検討していくものを示しております。

2.短期:3年以内、中期:3年超~10年以内、長期:10年超

 

(ウ)当社グループにおける移行プラン(トランジションプラン)の概要

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(エ)2024年度の取り組み

・当社グループ施設等における太陽光発電設備や省エネ設備の導入、再生可能エネルギー由来電力の購入等、様々な取り組みを進めています。

・国内連結のScope3に関するデータ集計及び開示を開始しました。

・グループのGX事業を担う会社として、相鉄クリーンエナジー㈱を創立(2024年10月)いたしました。グループ内資産の活用による太陽光発電や第三者の資産を活用した営農型太陽光発電の設置など再生可能エネルギー事業を中心に事業展開を行いながら、地域発電や地域マイクログリット、地域エネルギーマネジメントなどの周辺事業への進出も検討し、グループ全体のカーボンニュートラル実現に貢献します。

 

③ リスク管理

 当社グループでは気候変動による影響を重大なリスクとして認識し、環境負荷の低減に向けた様々な対応策の検討を「相鉄グループサステナビリティ委員会」と「環境・エネルギー分科会」が中心となり各事業会社と協働して行っております。

 TCFD提言に基づく検討結果についても、グループ全体のサステナビリティの取り組みの基本方針その他重要事項の決議、業務執行の最終決定を行う取締役会に報告され、その内容について議論・検討を行っております。

 

④ 指標及び目標

 温室効果ガス排出削減

 当社グループでは、2025年3月に相鉄グループ「環境方針」及び「環境ビジョン」を改定いたしました。

 環境ビジョンにおいて、「カーボンニュートラルチャレンジ」として、2050年度におけるグループ連結(国内・海外)でのカーボンニュートラルの達成を目指します。

 また、2027年度に向けては、CO排出量をグループ連結(国内)で29%削減(2020年度対比)することを目指し、2030年度に向けては、CO排出量をグループ連結(国内)で42%削減(2020年度対比)、鉄道業で使用する電力によるものを46%削減(2013年度対比、低圧を除く)することを目指します。

 その進捗については、継続的に評価・管理を行うこととし、今後は、TCFDのリスク分析に基づく対応実績の開示を行ってまいります。

 

(相鉄グループ連結目標)

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■Scope1・2の実績(相鉄ホールディングス㈱及び国内・海外連結子会社)(単位:t-CO)

 

2020年度

(基準年度)

2022年度

2023年度

2024年度

Scope1

37,135

37,087

40,882

当社ホームページ及び統合報告書2025にて開示準備中

Scope2

118,324

119,379

109,676

合計

155,459

156,468

150,559

 

■Scope3の実績(相鉄ホールディングス㈱及び国内連結子会社)(単位:t-CO₂)

カテゴリ/項目

2023年度

2024年度

Scope3合計

462,533

当社ホームページ及び統合報告書2025にて開示準備中

カテゴリ1

購入した製品・サービス

180,366

カテゴリ2

資本財

126,295

カテゴリ3

Scope1・2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動

24,522

カテゴリ4

輸送、配送(上流)

Scope1で計上

Scope1で計上

カテゴリ5

事業から出る廃棄物

14,631

当社ホームページ及び統合報告書2025にて開示準備中

カテゴリ6

出張

1,591

カテゴリ7

雇用者の通勤

3,681

カテゴリ8

リース資産(上流)

Scope1・2で計上

Scope1・2で計上

カテゴリ9

輸送、配送(下流)

算定対象外

算定対象外

カテゴリ10

販売した製品の加工

算定対象外

算定対象外

カテゴリ11

販売した製品の使用

59,335

当社ホームページ及び統合報告書2025にて開示準備中

カテゴリ12

販売した製品の廃棄

1,048

カテゴリ13

リース資産(下流)

51,063

カテゴリ14

フランチャイズ

算定対象外

算定対象外

カテゴリ15

投資

算定対象外

算定対象外

 

■第三者保証について

 2023年度(相鉄ホールディングス㈱及び国内・海外連結子会社)Scope1・2の実績については、排出量データの信頼性向上を目的として、ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社に第三者検証を依頼し、検証報告書を取得しています。

※相鉄グループの算定データ及び算定方法について、ISO14064-3に準拠した検証となります。

 

(3) 人的資本

① 人財戦略

 相鉄グループの「長期ビジョン”Vision2030”」、「中期経営計画」実現に向け、「事業構造改革の実行」と「新たな成長に向けた基盤整備・拡充」を推進するため、人財面においては、従業員一人ひとりの能力が最大限に発揮できる環境・組織風土づくりに注力するとともに、以下のような人財を戦略的に確保・育成していくことが重要と考え、取り組んでおります。

 

 A)多様な思考を持ち、自ら課題設定し改革できる人財

 B)専門性の追求とグループ横断的視点を持ち、価値創造できる人財

 C)新たな領域に積極的にチャレンジできる人財

 

② 主要な方針(上記A~Cを実現するための活動及び取組み)

(ア)適正人財の確保

 多様な業種・業態を保有し、また多様なお客様に対してサービスを提供する当社グループが持続的な成長発展を遂げていくためには、多様な人財の確保が重要と考えております。そのため、各事業会社においては事業の競争力向上に向けた高い専門性を持った人財の採用・育成に取り組むとともに、これと並行して、グループ横断的な視点を持ちグループの総合力・相乗効果を高めることができる人財を積極的に育成してまいります。

 

(イ)積極的なジョブローテーション

 グループ横断的な幅広い視野の獲得や能力開発を促進させるとともに、組織の活性化につなげるため、積極的なジョブローテーションを実施しております。若手社員に対しては、本人の適性の発見や活躍の機会を通じて成長を促す育成ローテーションを行うほか、管理職以上には、経営人財への成長を意図した戦略的な配置等も実施しております。

 

(ウ)Off-JTの充実

 各事業会社においては専門教育を実施するとともに、「階層別研修」「スキル研修」「選択型研修」等のグループ合同研修も実施し、グループの横連携やネットワーク構築を促進しております。また将来のグループ経営幹部を積極的に育成するため、相鉄グループの管理職層に対して経営管理に必要な知識・ノウハウに関する体系的な教育を施し、マネジメントのコアスキルを修得させることを目的に外部機関を用いた研修を実施しております。

 提出会社の主要な研修体系は下図のとおりであります。

0102010_008.png

 

 2024年度の公募型研修(グループ横断で実施)は以下のとおりであります。

研修名

研修のねらい/内容

働く人の法律研修Ⅲ

印紙税、課税文書、電子契約及び外国の契約書等の解説

財務研修(入門クラス)

財務に関する基本知識を身に付け、計数感覚を高める

ハラスメント防止研修(管理監督者編)

管理監督者や窓口担当者に求められる対応策・予防策を学ぶ

デザイン思考研修

デザイン思考の考え方・プロセスを体験的に学ぶ

労働法セミナー(基礎クラス)

労働法に関する基礎知識を学び、自己管理の意識を高める

労働法セミナー(管理監督者クラス)

労働管理上必要な知識・注意点を学び、判例を通じ理解を深める

提案力向上研修

双方向コミュニケーションスキルである「提案力」を体験的に学ぶ

Excel研修(基礎クラス)

業務に役立つ機能を学び、実践的なExcelスキルを身に付ける

PowerPoint研修

効果的なPowerPoint資料を作成するためのスキル習得

 

(エ)ダイバーシティ&インクルージョン(以下「D&I」)の推進

当社グループの持続的な成長には、変化を続ける事業環境や多様なニーズに対応したイノベーションを常に生み出していくことが必要であり、これを担う人財の育成とそのための環境整備が重要と考えております。多様な価値創造に向け、女性、外国人、様々な職歴を持つキャリア採用者など多様な人財の採用・育成を推進すると同時に、様々な社員が働きやすく、活躍できる制度を整備してまいります。

当社グループでは、サステナビリティ推進体制のもと2022年度に設置した「ダイバーシティ推進分科会」において、グループ一体となってD&Iを推進するために活動しております。2024年度は「育休」をテーマに各社推進員の理解を深めるため、ダイバーシティ推進分科会においてグループ会社の取組み事例として、男性育休取得率100%を達成した相鉄バス㈱による育休取得の風土定着のための取り組みを共有しました。また、先進的な取組みをしている他企業の社員を招き、グループ外の視点から育休をテーマにご講演をいただきました。さらに、企業内両親学級開催や相鉄グループにおいて育休を取得した男性社員による育児参画の大切さをテーマとした講演を行う等の活動を実施しました。

さらに、外部講師を招き、グループ全社の管理職を対象に、多様な人財が活躍できる組織風土創りの第一歩として、心理的安全性をテーマにした講演会を実施しました。また、女性社員向けに「あなたの価値再発見研修」と題し、自己理解を深め新たなチャレンジへの一歩を後押しする研修を行い、全従業員向け講演会として、外部講師を招き「チャレンジする風土」をテーマに、夢や目標に挑戦することの重要性についてご講演いただきました。

今後、多様な人財が活躍できる組織風土やチャレンジする風土の実感をエンゲージメント調査にて測定し、定量的に変化を捉えてまいります。

 

相鉄グループダイバーシティ推進分科会取り扱いテーマ

年 度

テーマ

目 的

2022年度

D&I基礎知識

グループ全社員対象、基礎研修

2023年度

LGBTQ

多様性を受け入れる風土の構築

2024年度

育 休

2030年度男性育休取得率100%のための風土づくり

 

 

(オ)健康経営の強化

当社グループでは、人財は企業の貴重な経営資源であると考え、採用や育成の戦略とあわせて、社員が心も体も健康であり、安心・やりがいをもって働ける環境構築をすることが企業のサステナビリティを支える重要な要素と捉え取り組みを進めております。

相模鉄道㈱など一部のグループ会社では既に健康宣言を策定していますが、2024年9月相鉄グループとして初めて「健康宣言」を策定いたしました。会社発展の根幹となる従業員の健康を第一に考え、会社が率先して従業員の健康意識を向上させる取り組みを重ね、グループ間における連携を図っていくことで、従業員を含めた「相鉄沿線の豊かさの創造」を目指してまいります。

0102010_009.png

 

<事例>

・相模鉄道㈱では、経済産業省と日本健康会議が共同で実施している「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に認定(健康経営優良法人の認定取得は5年連続)。

・㈱相鉄アーバンクリエイツ、㈱相鉄ビルマネジメント及び、相鉄ステーションリテール㈱は、横浜市より「横浜健康経営認証クラスAA」に認証。

・相鉄ホールディングス㈱では、健康経営施策として主に以下を実施。

・従業員専用の健康アプリの導入

・部署対抗ウォーキングイベントの開催

・体力測定会の開催

・睡眠をテーマとした健康セミナーの開催

・就業中禁煙デーの実施

・産業保健スタッフによる二次健診受診奨励の強化

・マインドフルネス・ストレッチセミナーの開催

 

(カ)社内環境整備

当社グループでは、多様な人財の活躍やワークライフバランス、育児と仕事の両立等を実現する環境整備をすすめており、場所・時間にとらわれない多様な働き方を可能とするテレワークやフレックスタイム制を導入するグループ会社が増えているほか、一度離職した社員が再入社できる「カムバック制度」を導入している会社もあります。

 

<事例>

・相鉄バス㈱では、綾瀬営業所において、乗務員の働き方に合わせた仕業時間を選択できる短時間仕業を創設。また、社員が働きやすい環境を整備するため、テレワーク対象者の拡大、乗務員の通年脱帽及び通年略装の導入、並びに本社勤務者を対象にオフィスカジュアルを導入。

・相鉄ホテル㈱では、多様な働き方へ対応するため、短時間勤務制度の対象を「小4の始期まで」から「中1の始期まで」に拡大するとともに、勤務時間についても5時間、6時間、7時間と選択肢を増加。

・第一相美㈱では、高齢者等の多様な人財の活用を促進するため、余分な力を必要としない清掃資機材を導入。

・相鉄ビジネスサービス㈱では、働きやすい職場環境実現に向けて社員公募によるオフィス改装プロジェクトを実施。

・相鉄ホールディングス㈱では、オフィスカジュアルを導入し、社員が働きやすい環境を整備。

 

③ 指標及び目標

(提出会社)

指標

2022年度実績

2023年度実績

2024年度実績

指標関連項目

中途採用割合

100.0

100.0

100.0

(ア)(エ)

管理職複数事業経験率

74.4

74.0

73.2

(イ)

若手社員(30代以下)出向経験率

94.7

100.0

100.0

(イ)

研修数

(講座)

集合研修(オンライン含む)

34

38

30

(ウ)

動画配信

8

7

7

(ウ)

通信教育

159

156

160

(ウ)

労働者の男女の賃金の差異

すべての労働者

78.1

71.0

68.5

(エ)

正規労働者

78.1

71.0

68.5

(エ)

非正規労働者

(注) 労働者の男女の賃金の差異は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

差異の要因は、管理職に占める女性労働者の割合が現状低いことによるものです。

現在管理職に占める女性労働者の割合向上を推進しております。

 

(連結会社)

指標

2022年度

実績

2023年度

実績

2024年度

実績

(注)5

グループ非財務目標

指標

関連項目

2027年度

2030年度

管理職に占める女性労働者の割合)(注)1

5.4

6.8

7.4

9.0

10.0

(エ)

新規採用時の女性労働者の割合

23.2

23.4

29.5

32.0

35.0

(ア)(エ)

男性労働者の育児休業取得率)(注)2

79.5

88.3

80.0

90.0

100.0

(エ)(カ)

 

育児目的休暇を除く(注)3

68.7

76.7

70.0

(エ)(カ)

男性労働者の1名あたり育児休業取得日数(育児目的休暇を除く)(日)(注)3、4

60

90

120

(エ)(カ)

年次有給休暇取得率

86.3

81.7

78.9

85.0

90.0

(オ)(カ)

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

現在管理職に占める女性労働者の割合向上を推進しております。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児休業目的休暇の取得割合を算出したものであります。

3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

4.2024年度に育児休業を終了し、復職した労働者について計算したものであります。

5.開示対象となるグループ会社の指標(実績)は「第1 企業の概況 5 従業員の状況」に記載しております。

 

④ 今後の方針

 この度、相鉄グループでは、相鉄グループの成長戦略を支えるための長期的な人的資本経営の方針である価値創造プロセス及び経営戦略実現に向けた動的な人財ポートフォリオを第7次中期経営計画の策定に合わせ、改めて明文化し策定いたしました。

 従業員エンゲージメント調査結果や人事データの数値を適宜計測しながら、ありたい姿に向かって人的資本投資を推進し、経営戦略を実現してまいります。

 

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※2025年4月25日発表「相鉄グループ中期経営計画(2025年度~2027年度)」より抜粋

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 また、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 なお、下記は当社グループの事業その他について、予想される主なリスクを可能な限り具体的に例示したものであり、ここに記載されたものが当社グループの全てのリスクではありません。

 

リスク分類

影響のある事業等

リスクの具体的イメージ

主な取り組み

金利変動リスク

主に鉄道業・不動産賃貸業・ホテル業

当社グループは、多額の設備投資を要する事業を営んでおり、必要資金の多くを社債や金融機関からの借入により調達しており、2025年3月末の有利子負債残高は総資産の54.9%に相当する4,154億6千8百万円となっております。当社グループとしては可能な限り有利子負債の固定金利化を進め、金利の変動リスクの抑制に努めておりますが、今後、市場金利が上昇した場合や、格付機関が当社の格付けを引き下げた場合には、相対的に金利負担が重くなったり、資金調達の条件が悪化することにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・リスク状況の適切なモニタリングとヘッジの実施

法的規制

鉄道業

鉄道事業者は、鉄道事業法(昭和61年法律第92号)の定めに従い、営業する路線及び鉄道事業の種別ごとに国土交通大臣の許可を受けなければならない(第3条)とともに、鉄道事業を休廃止しようとするときは、事前に国土交通大臣に届け出なければならないこととされています(第28条、第28条の2)。また、旅客の運賃及び料金の設定・変更については、原則としてその上限額について国土交通大臣の認可を受けなければならないとされています(第16条)。このため、沿線人口減少、物価の高騰等の事業環境の変化に対して、運賃変更等の対応を素早く行うことは困難であります。よってこれらの事象が発生した場合、事業環境変化に応じた収益の改善が遅れるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・関係法規類の教育

・法律変更等の情報収集の徹底

・内部監査の確実な実施

その他各事業

当社グループが展開する各種事業においても様々な法令・規則等の規制を受けており、これら法的規制が強化されるなどの変更があった場合、当社グループの事業活動が制限されるほか、法令・規則・開示制度等を遵守するための費用が発生するなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・関係法規類の教育

・法律変更等の情報収集の徹底

 

 

 

リスク分類

影響のある事業等

リスクの具体的イメージ

主な取り組み

少子高齢化

主に運輸業

わが国は少子高齢化が進展しており、安全対策、バリアフリー化などの設備投資の増加が見込まれるほか、生産年齢人口減少に伴う就学・就業人口減少によって、運輸業の旅客輸送需要を減衰させ、収益の減少及び経営コストの増加によって、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・相鉄線沿線居住者と来街者の拡大につながる施策展開

・相互直通運転とのシナジー効果を視野に入れた東京都心での収益不動産投資

・沿線顧客に対する新たな付加価値(新サービス)の提供

自然災害等

全事業

運輸業をはじめ、多岐にわたる事業を展開している当社グループは、事業運営のため駅施設や商業ビルをはじめとする多くの設備・コンピュータシステム等を保有・運営しているとともに、多数の従業員が業務に従事しております。また当社グループが展開する各事業では、不特定多数のお客様を対象顧客としております。地震・台風等の自然災害や事故あるいはテロ等の不法行為、さらにそれらに付随する諸事象が発生した場合、当社グループの事業運営に支障をきたし、営業休止やお客様の減少等により売上が減少するほか、施設等の復旧にかかる費用増加が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・事業継続計画(BCP)の策定

・災害・大地震発生時における訓練の実施

・異常気象等の災害による輸送障害への対応力強化

・情報連絡・復旧体制の確立

 

感染症等リスク

全事業

感染症等の流行により、運輸業の輸送人員の減少、ホテル業の客室稼働率低下、不動産業において運営するショッピングセンターの臨時休業や営業時間短縮等の対応などによる売上減少など、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・感染拡大防止に向けた取り組みの徹底

食品の安全性

主に流通業

当社グループは流通業などで食品の販売等を行っており、食品の安全性確保に十分留意しておりますが、当社グループ固有の品質問題のみならず、社会全般にわたる一般的な品質問題が発生した場合、消費者の食料品に対する不安感が高まり、著しく売上が減少するなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・品質管理の徹底

・保健所等との平時からの連携、情報収集

個人情報管理

全事業

当社グループでは、各種事業において顧客管理情報等の個人情報を保有しております。個人情報については「相鉄グループ個人情報保護方針」に基づき厳正に管理しておりますが、万が一何らかの理由で情報の漏洩などの事態が生じた場合は、損害賠償請求や信用失墜による売上減少など、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・情報漏洩防止に資する周知及び情報漏洩リスク防止のための訓練を継続的に実施

 

 

リスク分類

影響のある事業等

リスクの具体的イメージ

主な取り組み

不動産市況悪化のリスク

不動産に関連する各事業

当社グループが保有する棚卸資産、有形・無形固定資産について、時価の下落や不動産市況の停滞あるいは悪化が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・アセットマネジメント戦略を策定し、資産価値の維持向上及び保有資産のコスト削減

保有資産及び商品等の瑕疵・欠陥

当社グループが保有する不動産等の資産に、瑕疵や欠陥が生じた場合又は健康や周辺環境に影響を与える可能性等が認められた場合、改善、原状復帰及び補償等にかかる費用が発生する可能性があります。また、当社グループにおいて販売した商品等について瑕疵や欠陥が生じた場合についても、商品等の回収、改善及び補償等に伴う費用の発生や信用低下等に伴い当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・社内・協力会社に対して、周辺環境への配慮の徹底、品質向上に対する施策を実施

海外情勢

主に不動産業・ホテル業

海外における政治経済情勢の大幅な変動、テロや紛争の発生、各国の法的規制の変更等により、海外事業活動の縮小・停止が発生する可能性があります。また市場や為替相場の動向により、原材料価格の高騰、調達遅延、為替差損が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・定期的な海外情勢及び為替相場のモニタリング

・外部専門家の活用

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

相鉄グループは、激変する環境に対応した経営体制の構築を図るため、「構造改革の断行」と「稼ぐ力の強化」を推進してまいりました。当期は、「THE YOKOHAMA FRONT」や「ゆめが丘ソラトス」等の全面開業により、沿線開発6大プロジェクトが完成したほか、鉄道業において、改良工事中の海老名駅を除く全駅のホームドア設置が完了いたしました。また、沿線外及び海外における取り組みとして、物流施設の竣工や収益物件の取得、オーストラリア及びイギリスにおける現地資産運用ファンドへの出資のほか、タイにおける新規ホテルの開業等、「事業領域の拡大」に努めてまいりました。さらに、将来の横浜駅西口周辺の大規模な再開発に向けて「横浜駅西口大改造構想」を公表し、本格検討に着手する等、「選ばれる沿線の創造」に取り組んでおります。このほか、脱炭素化に向けた取り組み強化のため、相鉄クリーンエナジー㈱(TBエネルギー株式会社から商号変更)を子会社化したほか、「ゆめが丘ソラトス」をはじめとする保有施設において太陽光パネルを設置いたしました。

以上のように鋭意業績の向上に努めました結果、当連結会計年度における営業収益は2,921億7千8百万円(前年同期比8.2%増)となり、営業利益は378億2千万円(前年同期比30.6%増)、経常利益は348億1千2百万円(前年同期比29.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は224億7百万円(前年同期比39.3%増)となりました。

 

各セグメント別の状況は以下のとおりであります。

 

(運輸業)

鉄道業におきましては、輸送面では、ダイヤ改正を実施し、利便性及び快適性の向上に努めました。施設面では、「ゆめが丘ソラトス」の開業に合わせて、ゆめが丘駅に「ソラトス改札口」を開設し、利便性の向上を図るとともに、引き続き海老名駅改良工事を実施いたしました。安全面では、和田町駅及び上星川駅にホームドアを設置するとともに、鶴ヶ峰駅付近連続立体交差工事を推進いたしました。営業面では、「YOKOHAMAどっちも定期」のサービス対象を相鉄・JR直通線のIC通勤定期券にも拡大したほか、春と秋の定期券買い替えシーズンに合わせて「相鉄新横浜線 通勤定期券 新規購入・区間変更キャンペーン」を実施し、相鉄新横浜線の認知度向上と利用者拡大を図りました。

バス業におきましては、環境に配慮したハイブリッドバス及びドライバー異常時対応システムを装備した車両等23両を導入したほか、安全性を高めたASV(先進安全自動車)仕様の高速バス1両を導入いたしました。また、安全・安心な輸送サービス提供のために、一般路線バスにおいて運賃改定を実施したほか、収益力向上の取り組みとして横浜市交通局から一部路線の移管を受け、運行を開始いたしました。なお、適正な輸送体制確保のため、一部系統のダイヤ改定を実施いたしました。そのほか、将来に向けた取り組みとして行政と連携し、横浜市旭区旭北地区でのオンデマンド交通実証実験や神奈川県央地区初となる自動運転EVバスの実証実験(海老名駅東口~海老名市役所間)等を実施いたしました。

以上の結果、運輸業全体の営業収益は435億4千万円(前年同期比3.7%増)、営業利益は49億1千2百万円(前年同期比36.8%増)となりました。

 種別

 単位

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

 増減率

 (%)

鉄道業営業収益

百万円

35,518

36,769

3.5

バス業営業収益

百万円

6,518

6,823

4.7

合計

百万円

42,037

43,592

3.7

消去

百万円

△47

△52

営業収益

百万円

41,989

43,540

3.7

 

(鉄道業)

 種別

 単位

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

営業日数

366

365

営業キロ

44.4

44.4

客車走行キロ

千㎞

53,157

53,707

1日平均延人キロ

人キロ

6,280,443

6,487,937

輸送

人員

定期

千人

131,532

134,870

定期外

千人

83,287

86,598

合計

千人

214,819

221,469

旅客

運輸

収入

定期

百万円

14,542

15,127

定期外

百万円

17,737

18,517

小計

百万円

32,279

33,644

運輸雑収

百万円

3,238

3,124

収入合計

百万円

35,518

36,769

乗車効率

30.9

31.5

 (注) 乗車効率=延人キロ÷(客車走行キロ×平均定員)

 

(バス業)

 種別

 単位

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

乗合業

営業日数

366

365

免許キロ

1,031

1,061

走行キロ

千㎞

9,644

9,612

輸送

人員

定期

千人

13,345

14,028

定期外

千人

17,293

17,635

合計

千人

30,639

31,663

旅客

運送

収入

定期

百万円

2,464

2,609

定期外

百万円

3,806

3,983

小計

百万円

6,271

6,592

運輸雑収

百万円

80

85

収入小計

百万円

6,351

6,678

貸切業収入

百万円

129

106

運行管理収入

百万円

37

38

収入合計

百万円

6,518

6,823

 

 

(流通業)

スーパーマーケット業におきましては、横浜市泉区の「そうてつローゼンゆめが丘ソラトス店」を開業したほか、港南台店をはじめとする13店舗において改装を実施し、店舗の活性化と収益力の向上を図りました。また、横浜市との連携協定の取り組みとして、栄養バランスに配慮した「ハマの元気ごはん弁当」を販売したほか、インストアベーカリー「葉山ボンジュール」ではフェリス女学院大学とのコラボレーションにより地産地消の推進とフードロス削減を意識したパンを開発・販売いたしました。

その他流通業におきましても、コンビニエンスストアの改装リニューアルや都内地下鉄駅構内への新規出店を行うなど、積極的な営業活動に努めました。

以上の結果、流通業全体の営業収益は948億5千4百万円(前年同期比0.1%減)、営業損失は2億2千9百万円(前年同期は営業利益4億8千6百万円)となりました。

 種別

 単位

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

 増減率

 (%)

スーパーマーケット業

営業収益

百万円

86,158

85,926

△0.3

その他流通業営業収益

百万円

8,815

8,928

1.3

合計

百万円

94,974

94,854

△0.1

消去

百万円

営業収益

百万円

94,974

94,854

△0.1

 

(不動産業)

不動産分譲業におきましては、横浜市神奈川区の「THE YOKOHAMA FRONT TOWER」、埼玉県川口市の「グレーシア川口 碧の杜」及び横浜市金沢区の「プライムパークス横浜並木 ザ・レジデンス」等の集合住宅並びに横浜市瀬谷区の「グレーシアライフ横浜瀬谷スクエア」、横浜市青葉区の「グレーシアライフ青葉市が尾」及び横浜市泉区の「グレーシアライフ横浜ゆめが丘」等の戸建住宅を中心に、集合住宅及び戸建住宅251戸を分譲いたしました。また、分譲マンションや新築一戸建てのブランド「Gracia(グレーシア)」をマスターブランドに位置づけ、賃貸マンションのブランド名称も「Gracia Fit(グレーシアフィット)」に改め、「グレーシアフィット三ツ境」及び「グレーシアフィット天王町」の入居を開始しました。

不動産賃貸業におきましては、横浜駅きた西口鶴屋地区における市街地再開発事業の施設建築物「THE YOKOHAMA FRONT」の商業エリア及び事業共創のための複合施設「Vlag yokohama(フラグヨコハマ)」を開業するとともに、ゆめが丘駅直結の大規模複合施設「ゆめが丘ソラトス」を開業し、事業基盤の拡充を図りました。また、星川駅~天王町駅間の高架下空間を活用した「星天qlay(ホシテンクレイ)」を全面開業し、集客力及び収益力の向上に努めました。さらに、相鉄グループとして初の物流施設である東京都羽村市に「相鉄羽村ビル」を竣工したほか、東京都大田区の「相鉄平和島ビル」を取得する等、多様なアセットへの投資を行い、不動産ポートフォリオの拡張を図りました。これらの取り組みに加え、不動産ファンド事業への参入を目的に相鉄不動産投資顧問㈱を設立したほか、新たな海外事業展開としてオーストラリア・シドニー及びイギリス・ロンドンにおける現地資産運用ファンドの出資持分を取得いたしました。このほか、将来の横浜駅西口周辺の大規模な再開発に向けて「横浜駅西口大改造構想」を公表し、本格検討に着手しました。なお、循環型社会への取り組みとして、「ゆめが丘ソラトス」及び「相鉄羽村ビル」において太陽光パネルを設置したほか、一部の施設において飲食店から排出される廃油のSAF(持続可能な航空燃料)への再生利用や、衣服の再資源化等に積極的に取り組みました。

以上の結果、不動産業全体の営業収益は712億1千8百万円(前年同期比11.9%増)、営業利益は190億3千2百万円(前年同期比21.7%増)となりました。

 種別

 単位

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

 増減率

 (%)

分譲業営業収益

百万円

28,883

30,456

5.4

賃貸業営業収益

百万円

35,421

41,121

16.1

合計

百万円

64,305

71,578

11.3

消去

百万円

△679

△359

営業収益

百万円

63,625

71,218

11.9

 

(ホテル業)

ホテル業におきましては、インバウンド需要の増加に伴う平均客室単価等の上昇により、過去最高の売上を達成いたしました。

「横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ」においては、5階宴会場、ペストリーショップ「ドーレ」及びオールデイダイニング「コンパス」等の改装を行い、競争力の強化と集客力の向上を図りました。また、最上級メンバーシッププログラム「Vamos CLUB」を新設し、優良顧客の誘引に努めたほか、宿泊部門では世界有数のホテルチェーンであるマリオット・インターナショナルの顧客誘致戦略を積極的に活用することで、集客力及び収益力が向上いたしました。宿泊特化型ホテルにおいては、相鉄ホテルズ ザ・スプラジールブランドとして国内初となる「ザ・スプラジール 横浜」のほか、タイ1号店としてバンコク都に「相鉄グランドフレッサ バンコク」を開業し、事業基盤を拡充・拡大いたしました。また、日本国内の直営ホテル合計51店舗において、最大32言語の通訳・翻訳や音声筆談ができる多言語通訳システムを導入し、インバウンド需要の増大に対応したサービスレベルの向上と利便性の向上に努めました。

以上の結果、ホテル業全体の営業収益は669億1千万円(前年同期比22.2%増)、営業利益は126億4千6百万円(前年同期比62.7%増)となりました。

 種別

 単位

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

 増減率

 (%)

ホテル業営業収益

百万円

54,737

66,910

22.2

 

 種別

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

 増減

 増減率

 (%)

客室稼働率(%)

 

 

 

 

 

国内 宿泊特化型

81.5

84.9

3.4pt

 

横浜ベイシェラトン

83.9

85.2

1.3pt

平均客室単価(円)

 

 

 

 

 

国内 宿泊特化型

11,415

13,069

1,654

14.5

 

横浜ベイシェラトン

23,791

25,895

2,104

8.8

 

(その他)

ビルメンテナンス業におきましては、新たにAI建物管理クラウドシステムを導入するとともに、自動清掃ロボットを使用する等、ICTの積極的な活用による業務の効率化を推進いたしました。また、積極的な営業活動により新規物件及び既存物件における周辺業務の受注拡大を図るとともに、良質かつ安定したサービスの提供に努めました。

その他の各社におきましても、業績の向上を図るべく、積極的な営業活動に努めました。

以上の結果、その他全体の営業収益は280億3千9百万円(前年同期比8.1%増)、営業利益は16億7千9百万円(前年同期比11.3%増)となりました。

 種別

 単位

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

 増減率

 (%)

ビルメンテナンス業

営業収益

百万円

19,180

20,700

7.9

その他の営業収益

百万円

7,568

8,271

9.3

合計

百万円

26,748

28,971

8.3

消去

百万円

△820

△932

営業収益

百万円

25,928

28,039

8.1

 

財政状態については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 (財政状態)」に記載しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

 増減額

営業活動によるキャッシュ・フロー

20,555

36,678

16,122

(百万円)

投資活動によるキャッシュ・フロー

△58,037

△43,777

14,260

(百万円)

財務活動によるキャッシュ・フロー

34,922

5,242

△29,680

(百万円)

現金及び現金同等物の期末残高

17,664

16,008

△1,656

(百万円)

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ16億5千6百万円減少し、160億8百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、366億7千8百万円の収入(前年同期は205億5千5百万円の収入)となり、売上債権の回収が大きくなったことや、税金等調整前当期純利益が増加したこと等により、前年同期に比べ161億2千2百万円収入が増加いたしました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、437億7千7百万円の支出(前年同期は580億3千7百万円の支出)となり、有形固定資産の取得による支出が減少したこと等により、前年同期に比べ142億6千万円支出が減少いたしました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、52億4千2百万円の収入(前年同期は349億2千2百万円の収入)となり、社債の償還による支出があったことや、借入れの返済による支出が増加したこと等により、前年同期に比べ296億8千万円収入が減少いたしました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループは、運輸業、不動産賃貸業などのいわゆる「役務提供」を営業収益の中心としているため、ほとんどが受注生産形態をとっておりません。このため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことは適切でないと判断し、生産、受注及び販売の状況は「① 財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて記載しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(経営成績)

(ア)営業収益及び営業利益

当連結会計年度の営業収益は2,921億7千8百万円(前年同期比8.2%増)となり、営業利益は378億2千万円(前年同期比30.6%増)となりました。

各セグメントの営業収益、営業利益及び営業損失の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要」にも記載がありますが、次のとおりであります。

運輸業は、定期外利用者の増加や相鉄新横浜線の定期利用者の定着が進んだことなどにより、15億5千1百万円の増収、13億2千万円の増益となりました。

流通業は、スーパーマーケット業の減益により1億1千9百万円の減収、7億1千6百万円の減益となりました。

 

不動産業は、大型物件の販売があったことや、賃貸業でゆめが丘ソラトスなど沿線収益物件の開業があったことなどにより、75億9千2百万円の増収、33億8千8百万円の増益となりました。

ホテル業は、宿泊需要の増加により稼働率・平均客室単価が上昇し、121億7千3百万円の増収、48億7千2百万円の増益となりました。

その他の事業は、設備工事業及びビルメンテナンス業の臨時工事の増加により21億1千万円の増収、1億7千万円の増益となりました。

 

(イ)営業外収益及び経常利益

当連結会計年度の営業外収益は10億1百万円で、為替差益の減少等により6億4千9百万円の減少(前年同期比39.3%減)となりました。営業外費用は40億8百万円で、支払利息の増加等により3億8千7百万円の増加(前年同期比10.7%増)となりました。

この結果、経常利益は348億1千2百万円(前年同期比29.0%増)となりました。

 

(ウ)特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の特別利益は、固定資産売却益12億2千6百万円を主なものとして、総額22億5千5百万円となり、特別損失は減損損失23億2千7百万円を主なものとして、総額65億4千4百万円となりました。

以上から税金等調整前当期純利益は305億2千3百万円(前年同期比23.0%増)となり、ここから法人税等及び非支配株主に帰属する当期純損失を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は224億7百万円(前年同期比39.3%増)となりました。

 

(財政状態)

総資産は、有形固定資産の取得による増加があったこと等により、前連結会計年度末に比べて418億8千1百万円増加し、7,572億6千4百万円となりました。

負債は、有利子負債の増加等により245億3千4百万円増加し、5,751億8千4百万円となりました。なお、有利子負債の残高は、借入金・社債合わせまして4,154億6千8百万円となり、175億9千3百万円増加いたしました。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により173億4千7百万円増加し、1,820億7千9百万円となりました。なお、自己資本比率は24.0%、1株当たり純資産は1,870円68銭となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(ア)資金調達

当社グループは、財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針とし、生保・銀行等からの長期借入金や社債の発行等により長期資金を中心とした資金調達を行っております。また、主要な事業である鉄道業の設備投資の調達に当たっては、㈱日本政策投資銀行からの借入を活用しております。社債及び民間金融機関からの借入金など、市場環境や金利動向等を総合的に勘案しながら資金調達を行っております。

 

(イ)資金の流動性

当社グループは、鉄道業や流通業を中心に日々の収入金があることから、必要な流動性資金は十分に確保しており、グループ会社については、銀行などの外部からの資金の調達は行わず、相鉄ビジネスサービス㈱を通じたキャッシュマネジメントシステム(CMS)の活用により資金の集中管理と資金効率化、流動性の確保を図っております。

 

(ウ)設備投資による資本の投下

各セグメントの設備投資等の概要については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載のとおりであります。当連結会計年度においては、総額421億7千7百万円の設備投資を実施しました。

引き続きさらなる事業基盤の拡大、将来の収益確保につながる投資を進めてまいります。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

自己資本比率(%)

22.5

22.4

22.5

23.0

24.0

時価ベースの

自己資本比率(%)

39.2

36.0

34.3

37.6

28.1

キャッシュ・フロー

対有利子負債比率(年)

29.1

14.9

9.8

19.4

11.3

インタレスト

・カバレッジ・レシオ(倍)

4.2

8.9

13.0

7.0

10.9

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利息の支払額

 

1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

3.営業活動によるキャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は借入金+社債により算出しております。また、利息の支払額については、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用されている重要な会計方針は、以下のとおりです。また、前提とした主要な仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照ください。

 

固定資産の減損

固定資産の減損の兆候の有無の検討、減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報に基づき、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画などを考慮し見積っております。

当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※10 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(23億2千7百万円)を計上いたしました。

回収可能価額は、正味売却価額及び使用価値により測定しており、正味売却価額の算定にあたっては、不動産鑑定評価基準に基づく鑑定評価額もしくは固定資産税評価額等に合理的な調整を行って算定した金額を使用しております。また、使用価値の算定の用いられる税引前の割引率は、借入資本コストと自己資本コストを加重平均した資本コストによっております。

当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。

 

5【重要な契約等】

該当事項はありません。

ただし、2024年4月1日前に締結された重要な契約等については、「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」附則第3条第4項により記載を省略しております。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。