第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)経営の基本方針

当社グループは、鉄道事業、不動産事業、ホテル事業、流通事業を中核とする生活関連事業の幅広い展開を通じて、誠実な企業活動により暮らしの安心を支え、果敢な挑戦により新たな価値を創出し、多様な人々との協働により社会の発展、繁栄に貢献することを経営の方針としております。

 

(2)中長期的な経営戦略及び対処すべき課題

今後の当社グループを取り巻く事業環境は、テクノロジーの進化、人口減少・高齢化、グローバル化等により大きく変化することが予想されます。一方、大阪・関西万博の開催、大阪・夢洲への統合型リゾート(IR)の誘致などは、当社グループにとって大きなビジネスチャンスになります。このような状況のもと、当社グループの持続的な成長を目指すために、長期目標と今後5年間の中期計画からなる新「近鉄グループ経営計画」を策定いたしました

長期的な取組みとしては、当社グループの強みである多様な事業展開や安全・安心・信頼からなる近鉄ブランドの信用力を活かし、重点戦略として、新3大プロジェクト(万博・IR関連事業、上本町ターミナル事業、伊勢志摩地域の活性化事業)を推進するとともに、「沿線強化」「新規事業・事業分野の拡大」「事業エリアの拡大」の3つの基本戦略に基づき、成長戦略を積極的に展開してまいります。

これにより当社グループは、財務健全性を確保したうえで、将来を見据えた成長戦略の推進のため、新たに戦略投資枠を設定して、事業基盤の拡充、収益力の拡大へと舵を切ります。

中期計画としては、「成長への礎づくり」を基本方針とし、収益力と財務基盤のさらなる強化に取り組んでまいります。重点戦略である新3大プロジェクトにおきましては、万博・IRを契機に、今後増加が見込まれる国内外からのお客様に対応するための交通・観光情報拠点を目指す上本町ターミナルの再開発、沿線観光の重点地域である伊勢志摩地域の活性化、夢洲と近鉄線を結ぶ直通列車の実現などに向けた推進体制を整え、事業計画の検討を開始いたします。「沿線強化」としましては、あべのハルカス周辺の強化、インバウンド需要の継続的な取り込みなどを進めてまいります。「新規事業・事業分野の拡大」につきましては、サービスとテクノロジーが融合した新規事業の創出や、テクノロジーを活用した新たなビジネスモデルの構築を進め、既存事業においては事業分野の拡大と業務の効率化を進めてまいります。「事業エリアの拡大」につきましては、海外、首都圏、沖縄など、市場の拡大と成長が期待されるエリアにおいて、事業展開を推進してまいります。

 

各部門別の中期的な重点施策は以下のとおりであります。

 

  ① 運輸

運輸業におきましては、引き続き安全の確保を最優先に位置付け、諸施策を推進するとともに、鉄軌道事業で、訪日旅行者への情報発信や案内サービスの向上を図るほか、新型名阪特急や観光列車の投入により特急サービス網を充実させるなど、交流人口の拡大に注力いたします。また、安全性のさらなる向上に向け、テクノロジーを活用して効率的な運営体制を構築してまいります。

  ② 不動産

不動産業におきましては、不動産販売業で、マンション事業の強化を図るため、医療機関との連携サービスの導入やライフステージの変化に対応した商品開発に取り組んでまいります。また、不動産賃貸業では、首都圏エリアにおいてオフィスビル等の賃貸優良資産の取得や共同開発事業への参画を進め、事業拡大を推進いたします。さらに、ベトナムでの分譲住宅開発への参画を足掛かりに、東南アジア、北米を中心に海外事業の展開も検討してまいります。

  ③ 流通

流通業におきましては、百貨店業で、商圏のニーズに合わせて店舗開発や売場編成を図るなど、将来の発展に向けた事業モデルの構築に取り組むとともに、EC(電子商取引)ビジネスの強化や、地域の自治体、生産者等と連携した地域商社事業への進出を推進いたします。ストア・飲食業では、都市型の小型スーパーマーケットなど新たな形態による出店を進めるほか、台湾での飲食店舗開業をはじめ事業エリアの拡大に取り組みます。

  ④ ホテル・レジャー

ホテル・レジャー業におきましては、ホテル業で、現在建設を進めている博多や大阪本町に続き新規ホテル開発を推進するとともに、今後も新たなホテルブランドによる新規出店戦略により、規模拡大を目指してまいります。また、大規模リニューアル工事を実施中のウェスティン都ホテル京都では、京都を代表する高級ラグジュアリーホテルとして収益力の強化を図ります。旅行業では、ウェブ販売の強化を図るなど個人旅行事業の再構築を推進するほか、東京2020オリンピック・パラリンピックの取扱い拡大や団体顧客との関係強化により事業拡大を図ってまいります。

(3)目標とする経営指標

上記の基本方針及び基本戦略に則り、新「近鉄グループ経営計画」における中期計画(2019年度~2023年度)の最終年度である2023年度において、①営業利益730億円、②有利子負債残高9,800億円、③有利子負債/EBITDA倍率7.3倍の連結経営指標目標を設定しております。

 

(4)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針等

当社では、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を決定しております。

基本方針の内容、基本方針の実現に資する特別な取組みの内容、基本方針に照らして不適切な者によって財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの内容並びに取組みについての当社取締役会の判断及びその判断にかかる理由は、次のとおりであります。

 

  ① 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

近鉄グループ経営理念・経営計画のもと、グループの中核をなす鉄道事業における安全性や公共性の確保とさまざまなステークホルダーとの信頼関係の維持に十分に配慮して、長期的な視点に立った企業活動を行い、またコーポレートガバナンス体制のさらなる強化に努めることが企業価値向上及び株主共同の利益の確保に資すると考える。当社株式に対する大規模買付行為を行い、又は行おうとする者に対しては、当該行為を受け入れるか否かについては、かかる見地から株主自身が判断するものと考えている。しかしながら、当該買付行為が株主に十分な情報提供が行われないものであるとき、十分な検討期間もないまま行われるものであるとき、買付後の経営が鉄道事業における安全性や公共性を脅かすものであるとき、実質的に経営参加の意思もなく当社グループのシナジー効果を毀損するものであるときには、当社取締役会は、判断の客観性を担保しつつ、法令に基づき適切な措置を講じ、企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考える。

  ② 上記基本方針にかかる取組みの具体的内容

a.近鉄グループ経営計画のもと、長期的な取組みとしては、当社グループの強みである多様な事業展開や安全・安心・信頼からなる近鉄ブランドの信用力を活かし、重点戦略として、新3大プロジェクト(万博・IR関連事業、上本町ターミナル事業、伊勢志摩地域の活性化事業)を推進するとともに、「沿線強化」「新規事業・事業分野の拡大」「事業エリアの拡大」の3つの基本戦略に基づき、成長戦略を積極的に展開する。中期計画としては、「成長への礎づくり」を基本方針とし、収益力と財務基盤のさらなる強化に取り組む。重点戦略である新3大プロジェクトにおいては、万博・IRを契機に、今後増加が見込まれる国内外からのお客様に対応するための交通・観光情報拠点を目指す上本町ターミナルの再開発、沿線観光の重点地域である伊勢志摩地域の活性化、夢洲と近鉄線を結ぶ直通列車の実現などに向けた推進体制を整え、事業計画の検討を開始する。「沿線強化」としては、あべのハルカス周辺の強化、インバウンド需要の継続的な取り込みなどを進める。「新規事業・事業分野の拡大」については、サービスとテクノロジーが融合した新規事業の創出や、テクノロジーを活用した新たなビジネスモデルの構築を進め、既存事業においては事業分野の拡大と業務の効率化を進める。「事業エリアの拡大」については、海外、首都圏、沖縄など、市場の拡大と成長が期待されるエリアにおいて、事業展開を推進する。

b.当社取締役会は、当社株式に対する大規模買付行為を行い、又は行おうとする者に対し、買付けの目的や買付後の当社グループの経営方針など株主の皆様の判断に必要となる情報の提供を求め、適時適切に情報開示を行う。また、当社取締役会は、当該買付者等から提供された情報について、企業価値向上及び株主共同の利益の確保という観点から評価・検討し、必要に応じて当該買付者等と協議・交渉を行うこととする。

  ③ 上記②の取組みについての当社取締役会の判断及びその判断にかかる理由

上記②の近鉄グループ経営計画に基づく当社の企業活動は、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に沿うものであり、当社の企業価値を向上させ、株主共同の利益の確保に資するものであると考える。

また、当社株式に対する大規模買付行為を行い、又は行おうとする者に対する当社取締役会の対応方針は、企業価値向上及び株主共同の利益の確保という観点から、株主の皆様の判断に必要となる情報の提供を買付者等に求め、これを開示することを定めるものであり、特定の株主又は投資家を優遇あるいは拒絶するものではない。

従って、当社取締役会は、上記②の取組みは基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものではないとともに、役員の地位の維持を目的とするものでないと判断している。

 

2【事業等のリスク】

「第2 事業の状況」「第5 経理の状況」等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

当社グループは、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めております。

なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)原子力発電所の稼働状況による電力不足の影響

原子力発電所の稼働状況により、今後の電力供給が不十分となった場合には、列車の運行、流通店舗・ホテルの営業等、サービスの安定的な提供に支障が出るおそれがあります。また、電気料金上昇などのコスト増によって、当社グループの業績に大きな影響を及ぼすおそれがあります。

当社グループでは、省電力機器の導入等により、可能な限り節電を図り、電力不足による収支への影響を最小化するよう努めております。

(2)大規模災害又は大規模事故の発生

南海トラフ地震等とそれらに伴う津波や、主要ターミナル等における火災、テロなどが発生した場合、長大橋梁・鉄道トンネル・線路等鉄道施設の毀損、特急券オンライン発券システムのトラブルなどのほか、ホテルや百貨店、賃貸施設、レジャー施設等についても大きな被害が生じるおそれがあり、当社グループにおいて大規模な損害及び復旧費用が発生する可能性があります。また、当社グループの経営資源が大阪府、奈良県、三重県をはじめ、近鉄沿線に集中していることから、特に南海トラフ地震が発生した際は、グループ全体の業績に深刻な影響を与えるおそれがあります。

このほか、感染症が大規模に流行した場合、鉄道利用者をはじめ各事業の顧客の出控え等のほか、勤務する従業員を確保することが困難となる事態も予想され、業績に大きな影響を与えるおそれがあります。

また、万一大規模事故が発生した場合、その復旧と損害賠償に巨額の費用が必要となり、業績に深刻な影響を与えるおそれがあります。鉄道事業においては、遮断中の踏切への進入など外的要因により事故が発生し、列車の運行に支障が出るおそれもあります。

当社グループでは、公共交通機関として多数のお客様の輸送に当たる鉄軌道事業やバス事業をはじめ、その他の各事業においてもお客様の安全の確保を第一義に考えております。このため、従業員の教育・訓練はもちろんのこと、鉄軌道事業における運転保安設備の新設、増強など計画的な投資の継続をはじめ、各事業とも耐震補強など防災対策工事を推進するとともに、各種の安全対策には万全を期しております。また、大規模地震に対する事業継続計画の定期的な見直し等、大規模な災害・事故等の発生に備えた危機管理体制の整備を一層推し進めております。

(3)気候変動及びその対応

 気候変動により、物理的リスクとしては、急性リスクとして大型台風による列車の運休や、大雪や土砂災害により線路が使用できず、列車が運行不能になるおそれがあります。また、旅行やホテルのキャンセルや、買物・レジャーの出控えが発生します。慢性的なリスクとしては、猛暑等で冷房等の空調に使用する電力使用量が増加し、エネルギーコストが増加するおそれがあります。

 また、地球温暖化防止のための低炭素社会への移行に伴うリスクとして、消費者行動の変化や法律等の規制強化に対応するために、エネルギー効率の高い低炭素技術を使用した商品・サービス(省エネ車両や省エネ住宅(ZEH)等)の開発投資や、既存設備の更新に伴う設備投資が必要となるほか、対応が遅れた場合にはステークホルダーからの評判が下がるおそれがあります。

 当社グループとしては、省エネルギー等の取組みを通じ、地球温暖化防止に努めております。

(4)沿線人口の減少及びモータリゼーションの進展、他社との競合

少子高齢化及び近鉄沿線外や都心への人口移転により、沿線での人口、特に就労人口及び通学人口が減少しており、今後この傾向が続くおそれがあります。また、近鉄線と競合する高速道路網の整備等によりモータリゼーションが一層進展しているほか、一部路線では鉄道他社と競合関係にあります。これらの状況は、鉄軌道業収入、流通業収入や不動産業収入等の減少をもたらすおそれがあります。また、近鉄沿線の観光地は、他の観光地との競合関係にあるため、入込観光客が減少し、鉄道事業のほかホテル・レジャー業の収入が影響を受ける可能性があります。さらに、大阪地区での競合する他の百貨店の新規開業・増床をはじめ、異業態の新店舗開業により、流通業の収入が影響を受ける可能性があります。

当社グループとしては、輸送サービスの向上や魅力ある鉄道商品の発売に努め、優良な住宅地及びマンションの開発、グループ挙げての総合的な生活関連サービスの展開など沿線価値向上のための諸施策を積極的に進め、グループ各社の連携によりグループ事業全体の基盤強化を図ってまいります。また、営業戦略上の重要地域である伊勢志摩地区、奈良地区をはじめ、沿線観光地への旅客誘致にも一層の努力を傾けてまいります。

(5)景気、個人消費動向等の変動

当社グループの中核をなす運輸業、流通業及びホテル・レジャー業は、いずれも主に一般消費者を顧客としており、景気動向、個人消費動向等の経済情勢のほか、冷夏、暖冬などの異常気象や天候不順等の影響により、業績が悪化するおそれがあります。

当社グループとしては、各種営業施策の展開とコスト削減等によってその影響を最小化するよう、努めてまいります。

(6)新「近鉄グループ経営計画」の推進

「近鉄グループ経営計画」に基づき、重点戦略として、新3大プロジェクト(万博・IR関連事業、上本町ターミナル事業、伊勢志摩地域の活性化事業)を推進するとともに、「沿線強化」「新規事業・事業分野の拡大」「事業エリアの拡大」を3つの基本戦略として各種施策を推進してまいります。これは、当社グループが将来を見据えた成長戦略を積極的に進め、企業価値を高めてさらに飛躍するために必要な施策でありますが、計画通りに進捗しない場合、事業及び財務に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、激変する事業環境や社会構造の変化に柔軟かつ迅速に対処することによって、計画の目標達成に格段の努力を払ってまいります。

(7)鉄道事業法による規

 鉄道事業者は、鉄道事業法(昭和61年法律第92号)の定めにより経営しようとする路線及び鉄道事業の種類毎に国土交通大臣の許可を受けなければならず、さらに旅客運賃の設定・変更は、国土交通大臣の認可を受けなければならないとされております。なお、認可される運賃は上限運賃とされ、その範囲内で運賃を設定又は変更しようとするときは、あらかじめ国土交通大臣に届け出なければならないとされております。このため、鉄道事業における運賃の設定・変更については制限される可能性があります。

(8)商品の品質並びに食品の安全性及び表示に対する信用毀損

主として一般消費者を顧客としている流通業及びホテル・レジャー業において、当社グループが販売する商品の品質や食品の安全性・表示について信用毀損が生じた場合、減収等により業績が悪化するおそれがあります。

当社グループでは、関係法令の遵守状況の確認や品質・衛生管理・食品表示のチェックなどを実施し、商品の品質・食品の安全性の確保、適切な食品表示に努めております。

(9)地価の下落等

不動産市況の低迷や地価の下落に伴う販売用土地及びマンションの販売不振、不動産賃料収入の減少、販売土地建物及び固定資産についての評価損失の計上などにより、業績が悪化するおそれがあります。

当社グループとしては、地価変動の影響を極力避けるため保有資産の入替えを進め、付加価値の高い新規物件の開発を促進するとともに、低利用地の更なる有効利用によって、不動産業の業績向上に努めております。

(10)原油等の資源価格の高騰

原油等の資源価格の上昇は、当社グループのバス事業、タクシー事業、物流業などに大きな影響を与えます。また、不動産業におけるマンション建築工事費やホテル業、飲食店業におけるエネルギーコストの上昇は、利益減の要因となります。各事業において原価の抑制に努めているものの、原油等の資源価格が想定以上の水準にまで高騰した場合には、業績が悪化するおそれがあります。

(11)テロリズム・戦争等の国際情勢不安の発生

テロや戦争の発生など国際情勢不安により、当社グループの旅行業やホテル業、物流業が影響を受け、業績が悪化するおそれがあります。

当社グループとしては、正確な情報を収集し風評被害の拡大防止に向けて適切に対処するとともに、安全性の高い代替企画や商品を開発するなど損害を最小限に食い止めるよう努めております。

(12)調達金利の変動

景気の急激な変動や金融市場の混乱等により、今後市場金利が上昇又は乱高下した場合や、信用格付業者による格付の変更が行われた場合には、業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、「近鉄グループ経営計画」に従い、有利子負債残高を平成22年度末をピークに順次削減を進め、連結有利子負債比率は平成30年度末には55.6%と前年度末から1.7ポイント改善してきており、また、金利変動による影響を軽減するため、金利の長期固定化を図っております。

(13)情報の漏洩等

当社グループは、定期乗車券の発売やカード会員の募集、ホテル、百貨店、旅行業等の営業を通じ、お客様の個人情報その他の機密情報を大量に保有しております。万一これらの情報への不正なアクセス、情報の紛失、改ざん、漏洩、消失等が発生した場合、損害賠償等による費用が発生するほか、信用失墜などにより、業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、情報の漏洩等を防ぐため、法令、「近鉄グループ情報セキュリティ基本方針」並びに各社が制定する規程等に基づき、各社がその責任において情報セキュリティを確保し、情報を厳重に管理しております。

(14)企業買収等

当社グループ各社は、今後の成長に向けた競争力強化のため企業買収等を行っており、また、将来行うことがあります。しかしながら、買収先企業の業績が買収時の想定を下回る場合、又は事業環境の変化や競合状況等により期待する成果が得られないと判断された場合には、企業買収等を行ったグループ各社においてのれん等の減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度(以下、「当期」という。)における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

  ① 財政状態及び経営成績の状況

当期のわが国経済は、雇用情勢が着実に改善し緩やかな景気回復基調のうちに推移しましたが、地震や台風などの自然災害が国内経済に大きな影響を与えたほか、期末にかけては、米中間の通商問題等に起因する世界経済の減速が企業収益にも影響を及ぼすなど、景気の先行きに対する不透明感が次第に強まりました。

このような情勢のもと、当社グループでは、当期を最終年度とする「近鉄グループ経営計画」に基づき、阿部野橋ターミナルビル「あべのハルカス」の収益基盤強化、インバウンドをはじめとする観光需要の取り込みのための諸施策の実施、不動産業の強化を引き続き推し進めました。「あべのハルカス」におきましては、近鉄百貨店「あべのハルカス近鉄本店」で積極的に売場改善を行ったほか、「大阪マリオット都ホテル」、「あべのハルカス美術館」など各施設へのお客様の誘致にも鋭意努めた結果、年間の来館者数は開業初年に迫る約4,200万人となり、累計来館者数が2億人に達しました。インバウンド・観光につきましては、鉄道、百貨店、ホテル、旅行、レジャーなど各事業において、訪日旅行者のさらなる誘致と受入れ態勢の整備を図り、自然災害の影響により関西での需要が一時的に落ち込んだものの堅調に推移しました。また、新型名阪特急の車両新造や、さらなる高級ラグジュアリーホテルを目指したウェスティン都ホテル京都の大規模リニューアルに着手するなど、観光需要の創出、獲得に向けた取組みを推し進めました。不動産業においては、首都圏エリアでオフィスビルを相次いで取得したほか、保有地を活用した賃貸レジデンス事業を推進するなど、事業エリアの拡大とアセット事業の強化に注力しました。さらに、当社グループの経営資源とベンチャー企業のテクノロジーや斬新なアイデアとの融合による事業の創出や領域拡大を図るため、「近鉄ベンチャーパートナーズ株式会社」を設立し、ベンチャー企業との協業に取り組みました。以上のとおり、グループ全般にわたって、事業基盤の整備、強化を図り、収益の確保と業績の向上に努力を傾けてまいりました。

この結果、連結営業収益は、前期に比較して1.2%増の1兆2,369億5百万円となり、営業利益は4.9%増の677億79百万円、経常利益は9.5%増の671億29百万円となりました。これに特別利益および特別損失を加減し、法人税等を控除した後の親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比較して21.4%増の359億62百万円となりました。

 

各報告セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

 

a.運 輸

運輸業におきましては、鉄軌道部門で、南大阪線列車運行管理システム更新等の諸工事を推進したほか、大阪阿部野橋駅の一部ホームに昇降ロープ式ホームドアを設置するなど、安全・安心のためのさらなる施策強化を図りました。また、駅業務の省人化を進めつつお客様の利便性の維持・向上を図るため、お客様案内業務を一括して行う総合案内センターを開設するとともに、モニター画面を通じて同センターのオペレーターによる案内や遠隔操作ができるリモートサポート付き定期券・特急券自動発売機の運用を開始しました。訪日旅行者への取組みとしては、駅の無料Wi-Fiサービスを拡充したほか、案内サインや案内放送の多言語化等を進め、受入れ態勢整備に努めました。しかしながら、大阪北部地震や相次いで上陸した台風などの自然災害の影響が大きく、減収となりました。

この結果、営業収益は前期に比較して0.6%減の2,267億54百万円、営業利益は退職給付費用の減少もあり、12.8%増の329億43百万円となりました。

 

 

業   種

単 位

当   期

(平成30年4月~平成31年3月)

前期比(%)

鉄軌道事業

百万円

156,444

△1.0

バス事業

百万円

34,636

△0.1

タクシー業

百万円

11,537

0.3

鉄道施設整備業

百万円

28,347

2.5

その他運輸関連業

百万円

21,426

△2.7

調整

百万円

△25,637

営業収益計

百万円

226,754

△0.6

 

(近畿日本鉄道㈱ 運輸成績表)

区   分

単 位

当   期

(平成30年4月~平成31年3月)

前期比(%)

営業日数

365

0.0

営業キロ程

キロ

501.1

0.0

客車走行キロ

千キロ

286,014

△0.3

旅客人員

定期

千人

342,481

0.2

定期外

千人

235,556

△0.4

千人

578,037

△0.1

旅客運輸収入

旅客収入

定期

百万円

47,605

0.1

定期外

百万円

101,687

△0.7

百万円

149,292

△0.4

荷物収入

百万円

33

△9.3

合計

百万円

149,326

△0.4

線路使用料

百万円

△100.0

運輸雑収

百万円

7,118

3.9

営業収益計

百万円

156,444

△0.6

乗車効率

29.3

(注)乗車効率の算出は、延人キロ/(車両走行キロ×平均定員)によります。

 

b.不動産

不動産業におきましては、不動産販売部門で、需要の多い都心部を中心にマンション分譲を進めるとともに、近鉄沿線の学研奈良登美ヶ丘等で戸建分譲を推進しました。不動産賃貸部門では、主要賃貸物件が堅調に推移したほか、首都圏エリアでのオフィスビル取得や、京都駅高架下商業施設「みやこみち」のリニューアル等を実施し、賃貸事業の強化を図りました。

この結果、営業収益は前期に比較して9.8%増の1,642億45百万円、営業利益は14.7%増の186億98百万円となりました。

 

業   種

単 位

当   期

(平成30年4月~平成31年3月)

前期比(%)

不動産販売業

百万円

77,725

13.8

不動産賃貸業

百万円

47,374

3.3

不動産管理業

百万円

43,408

6.0

調整

百万円

△4,262

営業収益計

百万円

164,245

9.8

 

c.流 通

流通業におきましては、百貨店部門で、旗艦店である「あべのハルカス近鉄本店」の収益力のさらなる強化を図るとともに、郊外店では地域のお客様や取引先と連携した「地域共創型百貨店」を目指し、それぞれの地域の特性に合わせたリニューアルに取り組みました。ストア・飲食部門では、企画戦略機能の強化のため、事業会社を統括する「近鉄リテールホールディングス株式会社」を設立し、駅ナカショッピングモールやスーパーマーケットの改装を推進するとともに、新規事業の開発や既存事業の統廃合に取り組みました。しかしながら、不採算のスーパーマーケットを閉鎖したことにより、流通業全体としては減収となりました。

この結果、営業収益は前期に比較して0.5%減の3,936億70百万円となりましたが、営業利益は9.9%増の77億83百万円となりました。

 

業   種

単 位

当   期

(平成30年4月~平成31年3月)

前期比(%)

百貨店業

百万円

282,220

0.1

ストア・飲食業

百万円

112,647

△2.3

調整

百万円

△1,198

営業収益計

百万円

393,670

△0.5

 

d.ホテル・レジャー

ホテル・レジャー業におきましては、ホテル部門で、「都ホテル」「都シティ」「都リゾート」の3つのカテゴリーでホテルブランドを新たに構築したほか、宿泊主体型ホテルの「都シティ 東京高輪」を開業し、市場環境の変化への対応と新規顧客の獲得に努めましたが、既存ホテルの改装工事に伴う販売客室数の減少もあり減収となりました。旅行部門では、地域旅行会社と訪日旅行・団体旅行等の専門会社を基軸とする新しい営業体制に移行し、商品造成力・販売力の強化とウェブ販売の拡大に注力した結果、増収となりました。

この結果、営業収益は前期に比較して0.7%増の4,818億18百万円となりましたが、営業利益は35.8%減の61億85百万円となりました。

 

業   種

単 位

当   期

(平成30年4月~平成31年3月)

前期比(%)

ホテル業

百万円

57,389

△6.2

旅行業

百万円

411,821

1.6

映画業

百万円

3,618

2.1

水族館業

百万円

9,175

1.8

調整

百万円

△186

営業収益計

百万円

481,818

0.7

 

e.その他

その他の事業におきましては、営業収益は前期に比較して10.9%増の181億74百万円、営業利益は7.5%減の14億91百万円となりました。

 

資産合計は、前期末に比較して219億37百万円増加し、1兆9,364億17百万円となりました。これは、団体旅行前払金の支出等により流動資産が増加し、また、固定資産で、事業用固定資産が減価償却や減損損失計上による減があったものの、設備投資により増加したことによるものであります。

負債合計は、前期末に比較して31億25百万円増加し、1兆5,233億67百万円となりました。これは、借入金の返済を進めたものの、未払金等が増加したことによるものであります。

純資産合計は、前期末に比較して188億12百万円増加し、4,130億50百万円となりました。これは、その他の包括利益累計額で退職給付に係る調整額が減少しましたが、利益剰余金が純利益の計上から配当を差し引き増加したことによるものであります。

 

  ② キャッシュ・フローの状況

当期末における現金及び現金同等物は520億89百万円で、前期末に比較して6億74百万円減少いたしました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得た資金は、1,023億19百万円で、マンション販売の進捗等で販売土地及び建物の資金回収が進んだほか、法人税等の支払が減少しましたため、前期に比較して135億21百万円収入額が増加しました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は641億48百万円で、固定資産の取得による支出の増加等により、前期に比較して133億51百万円支出額が増加しました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により支出した資金は389億5百万円で、社債による調達が収入に転じましたが、借入金の純返済額が増加しましたため、前期に比較して20億13百万円支出額が増加しました。

 

  ③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループは、受注生産形態をとらない事業が多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

このため、生産、受注及び販売の状況については、「① 財政状態及び経営成績の状況」における各報告セグメントの経営成績に関連付けて記載しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

  ① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しておりますが、この作成にあたり、当期末の資産及び負債並びに当期に係る収益及び費用の報告金額に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況等に応じた合理的な判断に基づき見積りを行っております。これらのうち主なものは以下のとおりでありますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。

a.固定資産の減損

当社グループは、事業の特性上、多額の固定資産を保有しており、固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しております。従って、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施する可能性があります。

b.繰延税金資産の回収可能性

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を判断するに際して将来の課税所得や税務計画を合理的に見積っております。従って、将来の課税所得の見積額や税務計画が変更された場合には、繰延税金資産が増額又は減額される可能性があります。

c.退職給付債務及び費用の計算

当社グループは、退職給付債務及び費用の計算について、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の前提条件に基づき行っており、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合には、その影響額は累積され、将来にわたって規則的に認識されます。従って、これらの前提条件や退職給付制度が変更された場合、退職給付債務及び費用の計算に影響を及ぼす可能性があります。

 

  ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(経営成績に重要な影響を与える要因)

a.沿線人口の変動

少子高齢化や人口移転等による近鉄沿線の就労人口や通学人口の変動等は、運輸業、流通業や不動産業の収益に影響を及ぼす要因となります。

当連結会計年度は、少子高齢化により鉄軌道部門の通学定期は引き続き減少傾向にありますが、雇用環境の改善による就業者数の増が通勤定期の増加に寄与したため、定期旅客収入は増収となりました。

b.景気・個人消費動向等の変動

運輸業、流通業及びホテル・レジャー業は、一般消費者を顧客としており、景気動向、個人消費動向等の経済情勢のほか、冷夏、暖冬などの異常気象、天候不順、大規模災害や国際情勢不安等の影響により、収益が変動する可能性があります。

当連結会計年度は、昨年6月の大阪北部地震やその後の度重なる台風などの自然災害及びこれに起因する関西国際空港の閉鎖などが国内や訪日旅行客の動向に大きく影響を及ぼし、鉄軌道部門、百貨店部門やホテル部門など各部門において減収要因となりましたが、雇用情勢の着実な改善などもあり、全体として景気は緩やかな回復基調のもと推移したため、小幅な減収にとどまりました。

c.不動産市況や地価の変動

不動産市況や地価の変動に伴うマンション等の販売や不動産賃料収入の変動等により、不動産業の業績が影響を受ける可能性があります。

当連結会計年度は、前期に引き続き土地の仕入価格や建築コストが上昇基調にあったものの、都市部を中心にマンション販売は概ね堅調であったことに加え、大阪地区のオフィス空室率が低水準で推移するなど、当社グループを取り巻く賃貸市況も良好に推移しました。

d.労働需給等による人材確保の状況

少子高齢化や労働需給等により、事業運営に必要な人材確保の状況に変化が生じた場合、運輸業、流通業及びホテル・レジャー業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

当連結会計年度は、雇用環境の改善等に伴う労働需要のひっ迫により、競合他社や業界間での人材獲得競争が激化し、人件費の増加等が各事業の収支に影響を与えました。

 

e.原油等の資源価格の変動

原油等の資源価格の変動に伴う電気料金や燃料油脂費の動向は、当社グループ各事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

当連結会計年度は、電力料金の引き下げにより鉄軌道部門の動力費が減少したものの、原油価格が引き続き高水準にあったことから、バス部門等で燃料油脂費が増加しました。

f.市場金利の変動や格付の変更

景気の急激な変動や金融市場の混乱等により、市場金利が変動した場合や、信用格付業者による格付の変更が行われた場合には、調達金利の変動により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当連結会計年度は、前期に引き続き金利が低水準で推移するなど、概ね良好な調達環境が持続しました。

 

(経営成績の状況に関する分析)

経営成績に重要な影響を与える各要因を踏まえた当連結会計年度の経営成績の状況に関する分析は、次のとおりであります。

a.営業収益及び営業利益

営業収益は、運輸業で、大阪北部地震や台風等の自然災害の影響により鉄軌道部門が減収となりましたが、不動産業で、マンション販売戸数が増加したことや、主要賃貸物件が堅調に推移し賃貸料が増加した等により増収となったほか、ホテル・レジャー業において、旅行業が海外旅行の販売が好調であったため増収となりましたため、前期に比較して1.2%増の1兆2,369億5百万円となり、営業利益は、不動産業の増収に加え、鉄軌道部門における費用の減少もあり、ホテル部門での改装に伴う客室の一部売り止めや費用の増加を吸収し、前期に比較して4.9%増の677億79百万円となりました。

運輸業では、鉄軌道部門において、昨年6月の大阪北部地震や、7月から9月にかけて相次いで上陸した台風など自然災害の影響が大きく、一昨年10月の台風接近の反動増はあったものの、運輸業全体の営業収益は、前年に比較して0.6%減の2,267億54百万円となりました。営業利益は、鉄軌道部門における退職給付費用、修繕費や動力費等が減少したこともあり、前期に比較して12.8%増の329億43百万円となりました。

不動産業では、不動産販売部門で、都市部を中心にマンション販売戸数が増加したほか、不動産賃貸部門で、主要賃貸物件が堅調を維持し賃貸料が増加したことに加え、保有資産の売却もありましたため、不動産業全体の営業収益は、前期に比較して9.8%増の1,642億45百万円となり、営業利益は、前期に比較して14.7%増の186億98百万円となりました。

流通業では、ストア・飲食部門でのコンビニエンスストアやスーパーマーケットの店舗の閉鎖や改装に伴う休業により、流通業全体の営業収益は、前期に比較して0.5%減の3,936億70百万円となりましたが、営業利益は、百貨店部門で、インバウンドに訴求力のあるショップの拡充や特選ブランドの低層階への集積等の施策により「あべのハルカス近鉄本店」が堅調に推移しましたため、前期に比較して9.9%増の77億83百万円となりました。

ホテル・レジャー業では、ホテル部門で、昨年1月に「沖縄都ホテル」を売却したほか、「ウェスティン都ホテル京都」の大規模リニューアル工事による客室の一部売り止め等により減収となりましたが、旅行部門で、海外旅行の販売が好調に推移しましたため、ホテル・レジャー業全体の営業収益は、前期に比較して0.7%増の4,818億18百万円となりました。営業利益は、ホテル部門での減収や改装費用等の増加に加え、旅行部門での商品販売の競争激化により個人旅行部門の利益率が低下したこともあり、前期に比較して35.8%減の61億85百万円となりました。

b.経常利益

当連結会計年度における経常利益は、営業外収益で、持分法による投資利益が増加したほか、営業外費用で、借入金・社債の削減や金利の低下により支払利息が減少しましたため、前期に比較して9.5%増の671億29百万円となりました。

c.親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失で固定資産除却損の計上額が増加しましたが、子会社の事業再編に伴い税負担が減少したこと等もあり、前期に比較して21.4%増の359億62百万円となりました。

 

(経営判断のために採用している経営指標とその達成状況及びその理由)

当社は、平成27年度から平成30年度までの4か年を計画期間とする「近鉄グループ経営計画(2015~2018年度)」に基づき、財務健全性を確保しながら、グループの業績向上を図ってまいりました。

本経営計画において、当社グループとしては、「営業利益」、「経常利益」、「有利子負債/EBITDA倍率」、「ROE」、「D/Eレシオ」を重要な指標として位置付けております。

計画期間の最終年度となる当連結会計年度は、度重なる自然災害の影響はあったものの、経営計画の重点テーマである「あべのハルカス」の収益基盤強化、インバウンド・観光による収益増大、不動産事業の強化の取り組みを着実に推進し、すべての経営指標目標を達成いたしました。

 

 

当連結会計年度実績

(平成31年3月期)

経営指標目標

(平成31年3月期)

営業利益

677億円

600億円

経常利益

671億円

550億円

有利子負債/EBITDA倍率

8.8倍

9倍程度

自己資本利益率(ROE)

9.6%

8%台

D/Eレシオ

2.8倍

3倍未満

 

なお、令和元年度よりスタートする5ヶ年の中期計画における連結経営指標につきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」に記載しております。

 

  資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループでは、令和5年度を最終年度とする「中期計画(2019~2023年度)」において、「成長への礎づくり」を基本方針とし、収益力と財務基盤のさらなる強化に取り組むこととしております。グループの持続的な成長のために必要な投資をその効果を見極めて厳選して行うとともに、原則としてグループ各社の事業活動に必要な資金を当社が一元的に調達することで、資金調達の安定と最適な財務バランスの実現を図ってまいります。また、将来を見据えて、万博・IR関連事業等の新3大プロジェクトを推進するため、今回新たに戦略投資枠を設定いたしましたが、これは各事業が生み出すキャッシュ・フロー等を財源といたします。

資金需要の主なものは、各事業の運転資金、販売用不動産など棚卸資産の取得に加え、既存設備の維持更新、安全関連投資、鉄道車両の新造、不動産賃貸物件の取得及び所有不動産の建替や改装といった設備投資に関するものであります。

これらの資金需要に対応すべく、短期資金については、各事業が生み出す営業キャッシュ・フローに加え、当座貸越やコミットメントラインなどによる金融機関からの借入れ、コマーシャル・ペーパーの発行などにより資金の流動性を確保しております。また、長期資金については、金融機関からの借入れ、シンジケート・ローンの組成、社債の発行及びリースなどの多様な選択肢の中から最適な調達手法を採用しております。さらに、返済年限の長期化を図り、固定金利で調達することで金利上昇リスクに対応するとともに、年度別返済額を平準化することで将来の借り換えリスクの低減にも努めております。

 

4【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

5【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。