第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、㈱近鉄エクスプレスの株式を公開買付けにより取得し子会社化したことに伴い、新たな事業等のリスクの発生及び前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」の見直しによる変更点を下線で示しております。

なお、文中の将来に関する事項は、本四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)景気、個人消費動向、国際情勢等の変動

運輸業、不動産業、流通業及びホテル・レジャー業は、いずれも主に一般消費者を顧客としており、景気、個人消費動向等の経済情勢のほか、冷夏、暖冬などの異常気象や天候不順等の影響により、業績が悪化するおそれがあります。また、これらの事業は、天災・悪天候や通商問題テロ攻撃・戦争等による国際情勢の悪化により訪日外国人が減少し、業績が悪化するおそれがあります。

また、国際物流業は、国内外の経済・景気動向、顧客企業の輸送需要、政治的又は社会的要因、天災・悪天候、テロ攻撃や地域紛争、パンデミックなど様々な要因により、業績が悪化するおそれがあります。

当社グループとしては、構造改革の実施による損益分岐点の引き下げを図るとともに、BtoB事業の育成・強化による事業ポートフォリオのリスク耐性強化等を通じて、事業環境の変化、顧客の動向・ニーズに迅速かつ柔軟に対処して、業績の向上に努めてまいります。

(2)感染症の拡大

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済活動の規制、顧客の事業活動の停止、移動需要や観光需要の激減などにより、当社グループは甚大な影響を受けております。また、従業員が集団感染すると、業務の遂行が困難となるおそれがあります。アフターコロナ社会においても、感染症がもたらした社会構造や行動様式の変化による影響は、通勤・出張需要の減少、オンラインビジネスの拡大など恒常的なものになるおそれがあります。

当社グループでは、感染予防と感染拡大の防止に最優先で取り組むとともに、社会・経済環境、行動様式の変化に応じた各事業の構造改革に努めてまいります。

(3)貨物運賃・運送原価の変動

国際物流業において、航空輸送では、新型コロナウイルス感染症により減少した航空旅客便の復便が、長距離便を中心に遅れており、海上輸送では、海上コンテナ物流の混乱が継続しております。これらにより、航空・海上貨物輸送における運賃原価は大きく変動しており、不安定な状態が続いております。これに対し、航空貨物輸送においては、チャーター便による輸送スペース確保を図っておりますが、チャーター契約は固定的な仕入となるため、輸送需要が想定以上に低迷した場合は、業績に影響を与える可能性があります。他にも、物流に関わる人手不足も顕在化しており、これらの今後の情勢によっては、運送、荷役原価も大きく変動する可能性があります。これらの仕入原価が想定以上に上昇し、一方顧客から適正料金の収受が困難となった場合は、業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。これらの事業においては、航空会社、船会社、トラック会社などの実運送事業者との協力関係の強化を図るとともに、顧客からの環境変化に応じた適正料金収受に努める等、事業環境の変化に迅速かつ柔軟に対処し、業績への影響を最小限にすべく努めております。

(4)沿線人口の減少及びモータリゼーションの進展、他社との競合

(中略)

(5)大規模災害又は大規模事故の発生

(中略)

(6)為替レートの変動

国際物流業や旅行業は、グローバルに事業を展開しているため、各地域における通貨の変動が業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

これに対し、当社グループでは、外貨建債権・債務及び外貨建予定取引に係る為替の変動リスクを回避する目的で、為替予約取引や通貨スワップ取引等を利用しております。取引の運用にあたっては、社内管理規程等に則って執行と管理が行われており、投機目的及びレバレッジ効果の高い取引は行わない方針としております。

(7)気候変動

(中略)

(8)人手不足、賃金高騰

当社グループにおいては、鉄軌道事業をはじめとする多くの事業が労働集約型であり、人材の安定的な確保が不可欠であります。しかしながら、少子高齢化により生産年齢人口の減少が続いており、今後十分な人材が確保できない場合及び優秀な人材がグループ外に流出した場合は、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。また、採用競争の激化等により賃金は上昇傾向にあり、今後さらに賃金が上昇した場合、収支に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、採用区分や採用エリアの拡大により、引き続き人材の確保に努めるとともに、業務の合理化・システム化等により、効率的な運営体制の構築にも取り組んでまいります。

(9)法令による規制

鉄道事業法(昭和61年法律第92号)の定めにより旅客運賃の設定・変更は国土交通大臣の認可を受けなければならず、鉄道事業における運賃の設定・変更を制限される可能性があります。

当社グループの事業活動においては各種法令の規制を受けており、法令改正の内容によっては、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは法令遵守を最優先に事業に取り組んでおりますが、万が一、法的規制への不適切な対応や重大な違反があった場合は、営業活動の制限や課徴金の発生等、グループの業績や信用に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、国内外の法令に関する情報を収集することで、当社グループの業績への影響を最小限とするよう努めております。

(10)商品の品質並びに食品の安全性及び表示に対する信用毀損

(中略)

(11)地価の下落等

(中略)

(12)原油等の資源価格の高騰

原油等の資源価格の上昇は、当社グループの鉄道事業、バス事業、タクシー事業、国際物流業などに大きな影響を与えます。また、不動産業におけるマンション建築工事費や飲食店業、ホテル業、百貨店業等におけるエネルギーコストの上昇は、利益減の要因となります。

当社グループとしては、各事業において原価の抑制に努めているほか、各社及びグループ共同で資源の供給会社に対する価格交渉を随時行っております。

(13)調達金利の変動

(中略)

(14)株式相場の変動

(中略)

(15)デジタル情報技術の進化による生活様式の変化

ITの進化により在宅勤務やオンライン会議の環境が整備されつつある中、新型コロナウイルス感染症の拡大によりこれらが急速に普及し、公共交通機関を利用した通勤や遠距離の出張が減少しております。今後この動きがさらに進んだ場合は、鉄道・バスなどの運輸収入やオフィスビルなどの不動産賃貸収入が減少するおそれがあります。

当社グループとしては、乗ること自体を目的とした鉄道車両の開発、伊勢志摩や奈良など沿線観光地の一層の魅力向上等により観光旅客の増加を図るとともに、競争力のあるエリアでの不動産賃貸事業の展開に加え、施設のリニューアル等により資産価値の維持・向上を図ってまいります。

これらの施策により、近鉄沿線の交流人口の増加を目指すとともに、新しい生活様式の定着を見据えたサービスの提供に努めてまいります。

(16)情報の漏洩等

当社グループは、定期乗車券の発売やカード会員の募集、ホテル、百貨店、旅行業等の営業を通じ、お客様の個人情報その他の機密情報を保有しております。万一これらの情報への不正なアクセス、情報の紛失、改ざん、漏洩、消失等が発生した場合、損害賠償等による費用が発生するほか、信用失墜などにより、業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、想定を超えるコンピュータシステム障害、通信障害、近年巧妙化しているコンピュータウイルスやサイバーテロ等により、システムが長時間にわたり機能しなくなる等の不測の事態が発生した場合にも、業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、情報の漏洩等を防ぐため、法令、「近鉄グループ情報セキュリティ基本方針」並びに各社が制定する規程等に基づき、各社がその責任において情報セキュリティを確保し、情報を厳重に管理しているほか、不正アクセスやコンピュータウイルスに対しては、ハード・ソフトの両面からセキュリティ体制の強化に取り組んでおります。

(17)企業買収等

当社グループ各社は、今後の成長に向けた競争力強化のため企業買収等を行っており、また、将来行うことがあります。

当社グループとしては、個々の案件の規模等に応じて、取締役会及び各社における各種の会議体での審議並びに投資先に対するデューデリジェンスを十分に実施することにより、企業買収等の検討を進めるとともに、買収先の資産効率の向上及び利益の最大化に努めてまいります。

なお、買収先企業の業績が買収時の想定を下回る場合、又は事業環境の変化や競合状況等により期待する成果が得られないと判断された場合には、企業買収等を行ったグループ各社においてのれん等の減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

平成27年5月には、持分法適用関連会社であった㈱近鉄エクスプレスがグローバルにロジスティクス事業を展開するAPL Logistics Ltdの買収を行ったほか、令和4年7月には、当社が㈱近鉄エクスプレスの発行済株式を対象とする公開買付けにより、同社を連結子会社化しております。

令和4年9月末時点において、当社の連結財務諸表で上記の買収に関連する固定資産2,636億93百万円(のれん1,091億14百万円を含む)が計上されております。

なお、のれんの金額は取得原価の配分が完了していないため、暫定的に算定された金額であります。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

当社グループの第2四半期連結累計期間の経営成績につきましては、本年3月にまん延防止等重点措置が解除され、国内の消費需要は徐々に回復しておりますが、7月から8月にかけて新たな変異株により感染が急拡大するなど、依然として新型コロナウイルス感染症が流行する前の水準には戻っておりません。

こうした状況のもと、前年同期に一部の自治体で緊急事態宣言が発出されていたことに伴う外出の自粛や店舗休業等の反動増に加えて、不動産業でマンション分譲戸数が増加したことにより、運輸業をはじめとして各事業で増収となりました。さらに、本年7月に持分法適用関連会社であった近鉄エクスプレスを株式公開買付けにより連結子会社としたことで、営業収益は前年同期に比較して113.6%増収の6,230億66百万円となり、営業利益は136億79百万円(前年同期は営業損失190億45百万円)となりました。

営業外損益では、近鉄エクスプレスで為替差益の計上等がありましたが、株式公開買付けに伴う費用が増加したため、経常利益は252億93百万円(前年同期は経常損失73億91百万円)となりました。

特別損益で、近鉄エクスプレスの連結子会社化に伴い段階取得に係る差益を計上したこともあり、法人税等、非支配株主に帰属する四半期純利益を控除した親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期に比較して436.0%増益の643億31百万円となりました。

 

各報告セグメントの業績は、次のとおりであります。

なお、当第2四半期連結会計期間より、報告セグメントを追加しております。詳細は「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。

 

①運 輸

前年同期の二度にわたる緊急事態宣言発出に伴う出控えの反動増で、鉄軌道部門をはじめ各部門で増収となったため、運輸業全体の営業収益は前年同期に比較して25.3%増収の909億6百万円となり、営業利益は33億98百万円(前年同期は営業損失54億45百万円)となりました。

 

②不動産

不動産販売部門でマンション分譲戸数が増加したため、不動産賃貸部門で前期に実施した一部のオフィスビル等の証券化やホテル資産の売却等により賃貸収入が減少したものの、不動産業全体の営業収益は前年同期に比較して21.9%増収の762億89百万円となり、営業利益は前年同期に比較して2.3%増益の75億66百万円となりました。

 

③国際物流

従来、持分法適用関連会社であった近鉄エクスプレスを株式公開買付けにより本年7月より連結子会社としたことに伴い、国際物流セグメントを新設しました。営業収益は2,339億65百万円となり、営業利益はチャーター契約による仕入れコストの負担増に加え、連結子会社化に伴うのれんの償却もあり、20億45百万円となりました。

 

④流 通

百貨店部門で、前年同期の緊急事態宣言下における休業の反動増に加え、外出機会が増加し消費マインドの改善がみられたほか、ストア・飲食部門のうち駅ナカ店舗やレストランでも利用客が増加したため、流通業全体の営業収益は前年同期に比較して6.5%増収の978億17百万円となり、営業損失は11百万円(前年同期は営業損失19億85百万円)となりました。

 

⑤ホテル・レジャー

ホテル部門で、前年10月より一部のホテル資産を売却して受託事業へ移行しましたが、前年同期に比し行動制限が緩和され宿泊や食堂等の需要が増加したため増収となりました。また、旅行部門においても、依然として厳しい状況が続くなかで、コロナ禍でも需要のある旅行販売だけでなく、引き続き旅行業以外の業務受託に注力したこと等により、ホテル・レジャー業全体の営業収益は前年同期に比較して78.4%増収の1,240億55百万円となり、営業損失は4億34百万円(前年同期は営業損失178億60百万円)となりました。

 

⑥その他

その他の事業全体の営業収益は前年同期に比較して48.6%増収の179億87百万円となり、営業利益は前年同期に比較して161.5%増益の20億80百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の期末残高は2,203億24百万円で、前期末に比較して1,445億59百万円増加しました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益の計上に加え、売上債権及び契約資産が減少したことなどにより、前年同期に比較して757億60百万円収入が増加し、775億86百万円の収入となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が増加したことなどにより、前年同期に比較して297億39百万円支出が増加し、304億14百万円の支出となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金による資金調達などにより、959億38百万円の収入(前年同期は74億2百万円の支出)となりました。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第2四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに発生した課題はありません。

 

(4)研究開発活動

特記すべき事項はありません。

 

(5)従業員数

当第2四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数は前連結会計年度末より17,999人増加しております。これは主に、国際物流業において、㈱近鉄エクスプレスほか129社を連結の範囲に含めたことによるものであります。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。