第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

 当第2四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
   また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
 

2 【経営上の重要な契約等】

 当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定、締結等はありません。
 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の分析

 当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、弱さも見られるものの、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな景気回復基調が続きました。一方で、海外景気の下振れ等が我が国の景気を下押しするリスクとなっています。

 このような状況下で、当社グループは、中期経営計画「東京メトロプラン2018 ~「安心の提供」と「成長への挑戦」~」に基づき、各種施策を積極的に展開しました。

 当第2四半期連結累計期間の業績は、沿線のオフィスビル需要の堅調さや再開発、訪日外国人のご利用増加による旅客運輸収入の増加等により、営業収益が2,081億5千5百万円(前年同期比2.0%増)となりました。しかしながら、当社の諸経費が増加したこと等により、営業利益が581億6千2百万円(前年同期比0.2%減)となりました。経常利益は517億4千1百万円(前年同期比0.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は355億9千2百万円(前年同期比5.3%増)となりました。

 

セグメントの業績は、以下のとおりです。
 なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当第2四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいています。

[運輸業]

運輸業においては、安全の確保、安全性向上のための施策に取り組むとともに、お客様視点に立ったサービスの充実を図り、新たな需要の創出に向け、各種取組を実施しました。

 安全の確保・安全性向上のための取組については、4月に発生した半蔵門線九段下駅におけるベビーカー引き摺り事故や8月の銀座線青山一丁目駅における盲導犬をお連れのお客様の転落事故を踏まえ、お客様に安心してご利用いただけるよう、さらなるホームの安全性向上策を積極的に推進しています。

ベビーカー引き摺り事故の対策としては、事故直後より取組を開始した再発防止策に加え、「ベビーカー引き摺り事故再発防止対策推進委員会」を設置し、外部有識者を交えたヒューマンファクターの分析による事故の背後要因の究明及び抜本的な対策の検討結果を踏まえ、ハード・ソフト両面から再発防止策を積極的に推進しています。

 また、お客様の線路内への転落や乗降時の踏み外しを防ぐため、全ての路線へのホームドア早期設置を目指し、設置工程の前倒しを精査するとともに、お身体の不自由なお客様のご利用が多い駅等に優先的に設置していきます。同時に、車両のドア位置及びドア幅が異なる列車にも対応可能な大開口ホームドアの実証実験を東西線九段下駅において実施しています。ホームドア未整備駅においては、混雑箇所や曲線箇所、目の不自由なお客様が多く利用される箇所等に警備員を増配置するなど、お客様の転落防止対策を実施しています。

 これらの施策とともに、引き続き、震災や大規模浸水などの自然災害対策にも取り組んでおり、震災対策としては、施設等の耐震性向上に向け、東日本大震災を踏まえ、阪神・淡路大震災後の耐震補強において対象ではなかった高架橋柱とともに、地上部の石積み擁壁の耐震補強工事を進めています。

 大規模浸水対策としては、駅出入口において、想定浸水の高さに応じた改良や、防水扉・止水板の設置等を進めており、南北線四ツ谷駅に防水扉を設置し、日比谷線・東西線茅場町駅においても防水扉を増設しました。また、丸ノ内線大手町駅出入口に止水板を増設し、同駅ビル接続口においても止水板を設置しました。さらに、坑口(トンネルの入口部分)等においても浸水対策工事を進めています。

 このほか、新型車両の導入・既存車両のリニューアルを進めており、銀座線において、1000系車両を新たに36両(6編成)導入し、合計222両(37編成)となりました。千代田線においては、16000系車両を新たに80両(8編成)導入し、合計310両(31編成)となりました。また、東西線において、05系車両1編成、南北線において、9000系車両1編成のリニューアル工事が完了しました。加えて、トンネルの長寿命化への取組として、全路線を対象に、トンネル内面の近接目視及び打音検査を順次実施しています。本検査は1路線あたり1年をかけて行うものであり、今年度は千代田線の検査を進めています。

 お客様視点に立ったサービスの充実に向けた取組については、輸送サービスの改善、バリアフリー設備整備、銀座線のリニューアルなどを進めました。

 輸送サービス改善の取組としては、東西線において、飯田橋駅~九段下駅間の折返し線整備、茅場町駅のホーム延伸工事、南砂町駅のホーム及び線路増設工事、木場駅のホーム及びコンコース拡幅、昇降設備増設等の改良工事を進めています。その他路線については、丸ノ内線において、池袋駅~方南町駅間の6両編成列車の直通運行開始を目指し、方南町駅のホーム延伸工事を進めています。また、千代田線において、代々木上原駅~北綾瀬駅間の10両編成列車の直通運行開始を目指し、北綾瀬駅のホーム延伸工事を進めています。

 バリアフリー設備整備としては、日比谷線広尾駅にエレベーターを1基、エスカレーターを1基設置しました。また、お身体の不自由なお客様にご利用いただけるよう、オストメイト対応設備等を備えた多機能トイレを丸ノ内線淡路町駅に1箇所増設しました。さらに、新型車両の導入や既存車両のリニューアル工事に合わせて、車椅子スペースと同様にご利用いただける車両内フリースペースを銀座線、千代田線及び南北線の各車両に導入を進めました。

 銀座線リニューアルとしては、東京メトロ銀座線・駅デザインコンペ第5弾を開催し、「トレンドエリア」として区分した青山一丁目駅、外苑前駅及び表参道駅の3駅のデザインをお客様から広く公募しました。また、「商業エリア」として区分した三越前駅、日本橋駅及び京橋駅の3駅の駅デザインコンペにおいて、入賞作品を選定しました。加えて、「下町エリア」として区分した、浅草駅~神田駅までの7駅において、リニューアル工事を進めるとともに、渋谷駅街区基盤整備の一環である銀座線渋谷駅の移設・改良工事を進めています。

 このほか、地下鉄をわかりやすく快適にご利用いただくための取組として、4月に、お客様のご案内に特化したスタッフ「サービスマネージャー」を外国人旅行者に人気のエリアを考慮した駅への配置変更及び拡大を行い、6月からは訪日外国人のお客様向け無料 W i - F i サービスの提供エリアを全駅(一部を除きます。)に拡大しました。7月には、銀座駅、新宿駅及び表参道駅の各旅客案内所において、中国語でのご案内が可能なスタッフを配置する等、増加する訪日外国人のお客様への情報提供・ご案内を強化しました。また、日比谷線、千代田線及び半蔵門線の各駅において、新型行先案内表示器の導入を進めており、8月には日比谷線霞ケ関駅で運用を開始しました。新型行先案内表示器は、液晶ディスプレイにより視認性を向上させるとともに、列車の現在位置や停車駅、運行情報等、より多くの情報を表示することが可能となりました。また、表示言語に、現行の日本語及び英語の2か国語に加え、中国語(簡体字)、韓国語を追加しました。加えて、東西線東陽町駅など25駅においてホームベンチの増設やリニューアルを実施しました。

 東京の地下鉄サービスの一体化に向けた取組としては、浅草駅や大手町駅等乗換駅における乗継ルートのエレベーター整備工事を進めています。また、都営地下鉄と共同で使い勝手の良い次世代券売機の開発を進めており、丸ノ内線池袋駅等6駅において試行運用を行っています。

 新たな需要の創出に向けた取組については、お客様ニーズをとらえたサービス・商品の提供、沿線地域や東京の魅力の発掘・発信などに努めました。

 お客様ニーズをとらえたサービス・商品の提供への取組としては、関東の私鉄等の発駅から当社接続駅までの往復と東京メトロ一日乗車券がセットになった「東京メトロパス」シリーズを値下げしました。また、東海旅客鉄道株式会社と提携し、小田原駅・熱海駅から東京駅間の新幹線(普通車自由席)の往復利用と当社全線の1日乗り放題がセットになった「新幹線&メトロ 東京日帰りきっぷ」の発売を開始しました。さらに、お客様の利用促進施策の一環として、上記の「東京メトロパス」シリーズなど、対象となる乗車券を提示すると沿線のスポットで特典が得られる「ちかとく」のサービスに、外国人旅行者のお客様にもご利用いただけるよう、英語版を追加しました。加えて、夏休み企画として、「劇場版『仮面ライダーゴースト100の眼魂とゴースト運命の瞬間』公開記念東京メトロスタンプラリー2016」や、「『映画魔法つかいプリキュア!奇跡の変身!キュアモフルン!』公開記念スタンプラリー」を実施しました。

 このほか、訪日外国人のお客様への情報発信の取組として、お祭りや展示会、各種イベントをご案内する「TOKYO EVENT NEWS」の英語、中国語(繁体字・簡体字)版を7月から発行しました。

 沿線地域や東京の魅力の発掘・発信への取組としては、三陸鉄道株式会社と共同で「福幸(ふっこう)スタンプラリー(東京ステージ・三陸ステージ)」を実施しました。また、沿線の街の魅力を発信する散策型スタンプラリー「新発見!駅から始めるさんぽ道」を実施する等、各種イベントを開催し、お客様の誘致に努めました。

 このほか、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向け、「東京メトロ“魅力発信”プロジェクト」の各種施策に取り組み、その着実な実行のため国や東京都、沿線地域の皆様、他の交通事業者などの関係者とも連携・協調していきます。また、6月に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の「オフィシャルパートナー(旅客鉄道輸送サービス)」に決定し、交通の面から大会の成功に貢献していきます。

  環境保全活動への取組としては、環境負荷の低減につながる様々な施策を長期的かつ戦略的に実施するため、平成32年度に向けた長期環境戦略「みんなでECO.」に基づき、各種施策に取り組んでいます。その一環として、1年を通じて温度がほぼ一定である地中熱を冷暖房の熱源として利用することで省エネルギー化を図る地中熱利用空調システムを、新たに総合研修訓練センターに導入しました。このほか、電車がブレーキをかけたときに発生する回生電力を駅施設に供給する駅補助電源装置の導入、車内照明、駅構内照明及び駅出入口のシンボルマーク(ハートM)サインのLED化を進めています。

 以上に加え、沿線のオフィスビル需要の堅調さや再開発、訪日外国人のご利用増加に伴い、当社の旅客運輸収入が堅調に推移したこと等により、運輸業の当第2四半期連結累計期間の業績は、営業収益が1,861億9千8百万円(前年同期比2.1%増)となった一方、当社の諸経費が増加したこと等により、営業利益が525億2千2百万円(前年同期比0.2%減)となりました。

 

(運輸成績表)

 

種別

単位

前第2四半期連結累計期間

(自 平成27年4月1日

至 平成27年9月30日)

当第2四半期連結累計期間

(自 平成28年4月1日

至 平成28年9月30日)

 

営業日数

183

183

 

旅客営業キロ

キロ

195.1

195.1

 

輸送人員

定期

千人

748,595

764,994

 

 

定期外

554,651

565,446

 

 

 計

1,303,246

1,330,441

 

旅客運輸収入

定期

百万円

71,932

73,515

 

 

定期外

92,330

93,892

 

 

 計

164,263

167,408

 

     (注)記載数値は、千人未満、百万円未満を切り捨てて表示しています。

 

[不動産事業]

不動産事業においては、鉄道事業とのシナジー効果の発揮を基本としたうえで、収益力向上を図り、各種開発を推進しました。

渋谷駅街区開発については、東京急行電鉄株式会社、東日本旅客鉄道株式会社及び当社の3社にて、渋谷駅街区開発計画Ⅰ期(東棟)工事を進めています。

 このほか、駅直結のエレベーター・エスカレーターと一体となった建物を整備していくことを目指し、丸ノ内線新宿御苑前駅、日比谷線六本木駅及び半蔵門線半蔵門駅における不動産開発を進めています。

不動産事業の当第2四半期連結累計期間の業績は、不動産賃料の増加等により、営業収益が61億2千8百万円(前年同期比2.4%増)となった一方、中央銀座ビルに係る撤去費を計上したこと等により、営業利益が21億8千4百万円(前年同期比2.1%減)となりました。

 

[流通・広告事業]

流通・広告事業においては、より一層の収益拡大を図るとともに、駅をご利用されるお客様の利便性を高めるため、グループ各社との連携を図りながら各種施策を実施しました。

 流通事業については、駅ナカ売店型コンビニとして「ローソンメトロス」を新たに8駅10売店オープンし、合計19駅22売店で営業をしています。加えて、「Esola(エソラ)池袋」をはじめとした商業ビルや「Metro pia(メトロピア)」などの駅構内店舗において、セール等各種フェアや店舗の入替えを実施し、収益性の向上を図りました。

提携クレジットカード「Tokyo Metro To Me CARD」については、「ANA To Me CARD PASMO JCB(愛称:ソラチカカード)」及び「Tokyo Metro To Me CARD Prime」の新規入会キャンペーンをはじめとした各種キャンペーンを実施し、新規会員の獲得とカード利用の促進に努めました。

 広告事業については、車内デジタル広告「Tokyo Metro Vision」を新たに17編成に導入し、合計182編成で販売し、駅コンコースデジタル広告「Metro Concourse Vision」等と合わせて、一層の収益拡大に努めました。

 情報通信事業については、4月に、株式会社ぐるなび、東京急行電鉄株式会社及び当社の3社共同で、訪日外国人向け観光情報サービス「LIVE JAPAN PERFECT GUIDE TOKYO」として、訪日外国人のお客様の視点で厳選した観光情報を提供するウェブサイトを開設しました。

 この結果、流通・広告事業の当第2四半期連結累計期間の業績は、営業収益が186億4千2百万円(前年同期比0.5%増)となった一方、駅構内売店売上の減少等により、営業利益は33億1千9百万円(前年同期比2.4%減)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ4億3百万円減の1兆3,706億6千1百万円、負債合計は215億8千3百万円減の8,096億7千8百万円、純資産合計は211億8千万円増の5,609億8千3百万円となりました。

資産の部の減少については、有価証券(譲渡性預金)が減少したこと等によるものです。

負債の部の減少については、主に前連結会計年度末に計上した工事代等の未払金の支払等によるものです。

純資産の部の増加については、主に親会社株主に帰属する四半期純利益の計上によるものです。

この結果、当第2四半期連結会計期間末における自己資本比率は40.9%となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ243億9千7百万円減少し、当第2四半期連結会計期間末には164億1千万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間における営業活動による資金の増加は、563億3千5百万円(前年同期比14億6千6百万円収入増)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益516億9千3百万円や非資金項目である減価償却費335億4千2百万円を計上したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  当第2四半期連結累計期間における投資活動による資金の減少は、690億8千3百万円(前年同期比39億7千4百万円支出増)となりました。これは主に、設備投資等を中心に有形及び無形固定資産の取得による支出が727億7百万円あったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  当第2四半期連結累計期間における財務活動による資金の減少は、116億4千9百万円(前年同期比135億3千1百万円支出減)となりました。これは主に、長期借入による収入が100億円、社債の発行による収入が198億7千3百万円あった一方で、長期借入金の返済による支出が110億2百万円、社債の償還による支出が200億円、配当金の支払額が139億4千4百万円あったことによるものです。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

特記すべき事項はありません。