文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、平成18年に制定したグループの経営理念及び経営方針である「グループビジョン」と、グループのコンプライアンスに関する基本原則を定めた「西武グループ企業倫理規範」のもと、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業、不動産事業、建設事業、ハワイ事業のほか、伊豆・箱根エリア及び滋賀県琵琶湖エリアにおける鉄道業やバス業、プロ野球の興行など幅広い事業活動を通じて、その社会的責任を果たし、新たな行動と感動を創造することにより、お客さまに信頼され、選ばれる企業グループを目指しております。
企業価値の極大化に向け、「西武グループ長期戦略」に基づき、当社グループが保有する経営資源の有効活用をおこないながら、様々な事業・サービスを組み合わせて提供できる領域・付加価値を拡大し、あらゆる場面でお客さまの生活を応援していく企業グループとなることで、今後とも持続的かつ健全な成長を目指してまいります。
なお「グループビジョン」は、グループの役割・使命及び基本姿勢を示した「グループ理念」、この理念を実現するための行動指針「グループ宣言」及びこれらをお客さまへのメッセージとして集約した「スローガン」から構成され、内容は以下のとおりであります。
<グループビジョン>
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☆グループ理念 私たち西武グループは地域・社会の発展、環境の保全に貢献し、安全で快適なサービスを提供します。また、お客さまの新たなる感動の創造に誇りと責任を持って挑戦します。
☆グループ宣言 私たちは、「お客さまの行動と感動を創りだす」サービスのプロフェッショナルをめざします。 ①誠実であること ・常に、「安全」を基本にすべての事業・サービスを推進します。 ・常に、オープンで、フェアな心を持って行動します。 ・常に、お客さまの声、地域の声を大切にします。 ②共に歩むこと ・常に、自然環境、地球環境への配慮を忘れません。 ・常に、地域社会の一員として行動します。 ・常に、グループ内外と積極的に連携を図ります。 ③挑戦すること ・常に、グローバルな視点を持って行動します。 ・常に、時代を先取りする新しいサービスを提案します。 ・常に、お客さまの生活に新しい感動を提供します。
☆スローガン でかける人を、ほほえむ人へ。
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当社では、長期的な目標水準を目指すロードマップとして、前回計画(2017~2019年度)をベースに個別施策ならびに数値計画の見直しを実施し、3ヵ年の「西武グループ中期経営計画(2018~2020年度)」を策定いたしました。この中期経営計画では、引き続き「持続的かつ力強い成長に向けて“Sustainability & Dynamism”」をテーマとして掲げ、「新たな視点でスピード感を持って、イノベーションに挑戦」と「長期的視点での成長基盤の確立」を基本方針に、「新規事業分野の創出」と「既存事業領域の強化」を重点課題として取り組んでまいります。
具体的には、以下の5点を、計画の重点施策として推進してまいります。
① マーケティング機能の強化
訪日外国人数の増加や人口構造の変化といったパラダイムシフトに対応し、「インバウンド(訪日外国人)」、「シニア」、「こども」といったマーケットへターゲットを拡大することで、新たなビジネスモデルを育成してまいります。インバウンドの増加に対する施策としては、多様化する宿泊需要に対応するため、新たに創設した次世代型の宿泊特化型ホテルブランド「プリンス スマート イン」を展開してまいります。また、アクティブシニア層を中心とする新規顧客の取り込みのため、会員制ホテル事業に参入し、「プリンス バケーション クラブ」を展開してまいります。
また、的確な顧客ニーズを把握するため、グループの顧客データやICTによるビッグデータの分析及び利活用に加え、レピュテーションマネジメントの強化を進めてまいります。
② 保有資産の有効活用
当社グループは、高輪・品川エリア、芝公園エリア、さらには、としまえんなどの大規模な資産を、利便性の高い都心にホテルを中心とする事業用地として保有しております。これらの保有資産の持つ、潜在的な収益力を顕在化させ、グループ企業価値の極大化を目指すため、「西武グループ アセット戦略」を策定しております。
具体的には、「既存事業のバリューアップ」、「ポートフォリオの組み換え」及び「コア事業への経営資源の集中」の3つの視点から、保有資産の価値極大化を推進いたします。
既存事業のバリューアップについては、既存ホテルの客室やロビー、レストランなどバリューアップ投資を引き続き実施していくとともに、(仮称)西武鉄道池袋ビル計画、グランエミオ所沢Ⅱ期及び所沢駅西口開発計画など大規模開発を推進してまいります。
ポートフォリオの組み換えについては、東京ガーデンテラス紀尾井町をモデルケースに、高輪・品川エリア、芝公園エリアなど、複合開発を検討してまいります。
コア事業への経営資源の集中は、保有資産の収用や売却などによって創出されるキャッシュを元に、グループの経営戦略に沿った、収益向上が見込まれる資産への入れ替えをおこない、また、遊休地などの不稼働資産や高架下などを活用し、資産の効率性及び収益力の向上をはかるものであります。
今後も、大規模な資産を保有するグループの特性を活かし、資産効率化と収益性向上に努めてまいります。
③ グループ内外との連携強化
新規事業分野を創出していくために、グループ内のみならず、外部パートナーとの連携を通じて、顧客のニーズをとらえていくとともに、人材やビジネスノウハウ等の経営資源を獲得してまいります。当社内組織である「西武ラボ」が中心となり、オープンイノベーションプログラムへの参加など取り組みを推進してまいります。
④ 厳正かつ効率的な設備投資
価値を着実に創造していくために、WACC(加重平均資本コスト)を意識した投資案件の厳選をおこなってまいります。ハードルレートを定め、厳正かつ効率的な設備投資を実施するとともに、投資効果の検証についても徹底してまいります。
⑤ イノベーションを創出しやすい、組織・風土づくり
従業員一人ひとりを尊重し、多様な能力と熱意を最大限に発揮できる職場風土を醸成する「ダイバーシティマネジメント」の推進やICTの利活用による生産性の向上、本社移転や事務所建て替えなど業務改革につながる設備投資に加え、スライド勤務の実施などにより新たな働き方を推進し、イノベーションを創出しやすい環境を生み出してまいります。
それぞれのセグメントの具体的な課題や取り組みなどについては以下のとおりであります。
(都市交通・沿線事業)
「企業価値向上の源泉」として、安全・安心を基本に、環境や地域社会からの要請に応え、洗練されたサービスを提供することで西武鉄道沿線の価値向上をはかってまいります。
ホームドアの設置や西武新宿線連続立体交差化の推進、耐震補強工事等により安全を確保し、安心の提供に努めるとともに、有料座席指定列車や新型特急車両の導入、駅のリニューアルなどによりお客さま満足度の向上をはかり、「選ばれる沿線」、「選ばれる鉄道」を目指してまいります。また、ICTの利活用や省メンテナンス機器・設備の導入などによる効率的なオペレーションを追求してまいります。
(ホテル・レジャー事業)
「企業価値向上の原動力」として、日本最大級のホテルチェーンメリットを活かしながら、売上高、収益力、顧客感動度、グローバル展開力を高めてまいります。
既存ホテルのリニューアルなど積極的なバリューアップ投資をおこなっていくとともに、ソフト面についても顧客感動度の向上を主眼においた取り組みやレベニューマネジメントを継続的に強化していくことで、環境の変化をとらえたマーケットチェンジをはかってまいります。また、MICE市場での圧倒的なシェア確保のため、回遊型MICEやインバウンドMICE、セールス活動及び案件管理の高度化をはかってまいります。
さらに、平成29年10月に事業を取得したStayWell社のグローバルな開発力や運営ノウハウを活かし、海外ホテル事業の収益機会の拡大をはかるとともに、宿泊特化型ホテルブランド「プリンス スマート イン」や会員制ホテル事業「プリンス バケーション クラブ」を展開してまいります。
(不動産事業)
「企業価値向上の鍵」として、グループが保有する資産の有効活用により、潜在的な収益力を顕在化してまいります。
(仮称)西武鉄道池袋ビル計画、グランエミオ所沢Ⅱ期及び所沢駅西口開発計画といった大規模開発を推進してまいります。また、都心エリア(高輪・品川エリア、芝公園エリア等)の開発についても検討してまいります。そのほか、既存商業施設の改装及び駅ナカ・駅チカ商業施設「エミオ」、賃貸マンション「エミリブ」、保育所「Nicot」を積極的に展開し、西武鉄道沿線の価値向上に努めてまいります。
(建設事業・ハワイ事業・その他)
建設事業につきましては、選別受注ならびに原価管理やコストコントロールによりさらなる利益率の改善をはかるとともに、i-ConstructionやICT技術の活用による生産性の向上にも努めてまいります。
ハワイ事業につきましては、既存ホテルの大型改装などバリューアップ投資をおこなってまいります。あわせて、ホームオーナービジネスを新たに展開してまいります。
そのほか、伊豆箱根事業及び近江事業ではインバウンドの取り込み強化を引き続き推進するとともに、保有不動産の有効活用に取り組んでまいります。西武ライオンズにつきましては、チーム力の強化及びメットライフドームエリアの「ボールパーク化」による魅力向上、イベント誘致の強化に取り組んでまいります。
また、当社グループでは、経営管理体制やコンプライアンス体制を含むコーポレート・ガバナンスの強化及びCSR活動についても重要な課題としてとらえ、ESGへの取り組みをおこなっております。
コーポレート・ガバナンスの強化につきましては、コーポレートガバナンス・コードの精神に則った実効的なコーポレート・ガバナンスの実現を目指して、各原則を適切に実施しております。今後も、資本市場動向と経営戦略を連携させたIR活動を通じて、資本市場参加者(株主、投資家、証券アナリスト等)に対し、説明責任を十分に果たし、対話によって信頼関係を構築していくほか、適時適切な情報開示、すべてのステークホルダーとの適切な協働にも努めてまいります。
CSR活動につきましては、鉄道・ホテル業をはじめとする幅広い事業活動を通し、地域・社会と連携した自然環境・地球環境配慮への取り組みをおこなっております。今後も、地域・社会のみなさまとのコミュニケーションを密にし、推進してまいります。
当社グループは、今後もさらなる企業価値・株主価値の極大化に向けて企業運営をおこなってまいります。
当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、次のようなものがあります。当社グループは、これらのリスクを十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をいたします。また、リスクには該当しないと思われる事項についても、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、下記事項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は原則として当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経済情勢に関するリスク
当社グループは、日本国内を主たるマーケットとして事業を展開しており、各種経済情勢の影響を受けております。消費の低迷や雇用状況の悪化、企業活動の停滞、需要の減少、民間工事及び公共工事の減少、不動産市況の低迷、海外経済の下振れ、地政学的リスク等が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
② 法的規制等に関するリスク
当社グループの各事業においては、それぞれ法的規制を受けております。
都市交通・沿線事業等においては鉄道事業法、道路運送法等の法的規制を受けております。鉄道業では、鉄道事業法の定めにより、経営しようとする路線及び鉄道事業の種別毎に国土交通大臣の許可を受けなければならず(鉄道事業法第3条)、また、上限運賃の設定及び変更につき、 国土交通大臣の認可を受けなければなりません(同第16条)。現在、鉄道業における当社グループの運賃は上限運賃に設定されているため、運賃の引上げには国土交通大臣の認可が必要となります。そのため、営業コストが増加した場合等であっても、その影響を適切な時期や程度において運賃に転嫁できない可能性があります。
なお、当社グループが現在受けている上記鉄道業の許可及び認可については、期間の定めはありません。また、これら鉄道業の許可もしくは認可について、鉄道事業法、同法に基づく命令もしくはこれらに基づく処分又は許可・認可に付した条件への違反等に該当した場合には、国土交通大臣は事業の停止を命じ又は許可を取り消すことができるとされております(同第30条)。現時点におきまして、当社が知りうる限りこれらの違反等に該当する事実は存在せず、鉄道業の継続に支障を来す要因は発生しておりません。しかしながら、これらの違反等に該当し国土交通大臣から事業の停止を命じられ、又は許可が取り消された場合には、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。バス業やタクシー業においても、道路運送法の定めにより、一般旅客自動車運送事業の許可(道路運送法第4条)等を受けなければなりません。
また、安全、バリアフリー化、省エネルギー、環境等に関する規制の強化に対応するための投資が必要となる可能性があります。
ホテル・レジャー事業では、旅館業法や食品衛生法等の法的規制を受けております。具体的にはホテル業における旅館業法による事業経営の許可(旅館業法第3条)等があります。
不動産事業では、宅地建物取引業法、都市計画法、建築基準法、建設業法、土壌汚染対策法等の法的規制を受けております。例えば、当社グループの保有するいずれかの不動産でアスベストを含む有害・有毒物質が発見された場合、その不動産の価値が下落する可能性があり、また、有害物質の対策をおこない、関連する環境責任を果たすために多大な費用の計上が必要となる可能性があります。さらに、これらの法制が変更された場合には、新たな義務の発生、費用負担の増加、保有不動産に関する権利の制限等により、保有不動産の価値低下や事業範囲の制限、大幅な開発計画の見直し等が生じる可能性があります。
また、建設事業では建設業法、建築基準法等の法的規制を受けております。
これら現在の規制に重要な変更や新たな規制が設けられた場合には、規制を遵守するために必要な費用が増加する可能性があり、また、規制に対応できなかった場合は、当社グループの活動が制限される等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、新たな会計基準や税制の導入・変更により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
③ 自然災害・事故等に関するリスク
当社グループの事業においては、「安全・安心」を最重要課題と認識し、運輸安全マネジメント体制をはじめとする都市交通・沿線事業における安全性向上の取り組みやホテル・レジャー事業における食の安全確保の施策の推進、施設の安全対策の実施等安全管理には万全の注意を払っております。しかしながら、大規模な事故、地震や台風等の自然災害、テロ行為等が発生した場合、その対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、台風や冷夏、降雪の状況等天候不順によりホテル・レジャー事業においてお客さまの減少等が見込まれるほか、新型インフルエンザ等治療方法が確立されていない感染症が流行した場合、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等において休業や出控え等が懸念され、営業収益の減少や対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
④ 少子高齢化に関するリスク
当社グループでは、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等お客さまの生活に密着した事業を展開しております。そのため、少子高齢化による就業・就学人口の減少や現在又は将来における人口の減少により鉄道業やバス業等における輸送人員の減少、レジャー施設の利用人員の減少等が懸念されます。特に鉄道業においては西武鉄道沿線地域に経営資源が集中しており、同地域の人口の減少等による影響が懸念されます。また、当社グループは、鉄道業の営業収益の相当部分を通勤・通学で利用されるお客さまから得ており、東京の昼間人口の減少は当社グループの都市交通・沿線事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業及び建設事業では特に多くの労働力を必要としており、今後、若年層の人材確保がさらに困難になることが懸念されます。これらの場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑤ 観光客の減少に関するリスク
当社グループはホテル・レジャー事業を中心に、海外からの観光客の増減を含む日本の観光市場の動向により大きな影響を受けます。日本の観光市場は、日本の経済状況、為替相場の状況、諸外国における対日感情、自然災害、事故、疫病等の影響を受ける可能性があります。
また、当社グループでは、海外においては主として米国ハワイ州においてハワイ事業を運営しております。ハワイ事業は、上記の要因による影響を受けるほか、米国景気をはじめとして国際情勢に変動が生じた場合には、ハワイ州への渡航者数が減少することにより、営業収益が減少する可能性があります。
日本又はハワイにおける観光客の減少は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑥ 「西武グループ中期経営計画」等に関するリスク
当社グループは、長期的な目標水準を目指すロードマップとして、前回計画(2017~2019年度)をベースに個別施策ならびに数値計画の見直しを実施し、3ヵ年の「西武グループ中期経営計画(2018~2020年度)」を策定いたしました。当社グループがこの計画に基づく経営戦略及び経営目標又はその他の開発計画等を達成できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。「西武グループ中期経営計画」の内容については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
⑦ 重要な訴訟に関するリスク
当社グループは、通常の業務過程において、契約を巡る紛争、損害賠償、労働紛争、環境汚染等に関連して第三者から訴訟その他の法的手段を提起されたり、政府から調査を受けたりする可能性があります。法的手続対応の負担に加え、仮に当社グループに不利に判決、決定等が下された場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑧ 有利子負債に関するリスク
当社グループは、鉄道業、ホテル業等継続して多額の設備投資を必要とする事業をおこなっており、有利子負債についてはその削減に努めておりますが、有利子負債から現預金を差し引いたネット有利子負債残高は当連結会計年度末現在8,751億47百万円となっております。資金調達にあたっては、長期かつ固定金利での借入を主とすることにより、短期的な金利上昇リスクへの対応をはかっておりますが、今後の金利の上昇や金融市場の変化又は当社グループの財務状況等の悪化にともなう格付けの引下げ等によっては支払利息が増加したり、返済期限を迎える有利子負債の借換えに必要な資金を含む追加的な資金を望ましい条件で調達することが困難になる可能性があります。これらの事情により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、借入の返済に充てるため、充分な資金を設備投資等に使用することができなくなる可能性もあります。
⑨ 保有資産の価値に関するリスク
鉄道業やホテル業等の事業を展開する当社グループは、その事業の性質上、多くの不動産等の固定資産を保有しております。当社グループが保有している不動産、有価証券等の資産には、価格変動リスクが存在するため、経済情勢又は景気の動向、保有資産のキャッシュ・フロー創出能力の低下等によって保有資産の価値が毀損し、減損損失の発生、又は売却により売却損が発生する等当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑩ 競争激化に関するリスク
当社グループは、多くの事業で厳しい競争に直面しております。
当社グループのホテル・レジャー事業におけるホテル業においては、外資系や宿泊特化型ホテルの進出が相次ぐなかで、多様化する消費者のニーズに対応すべくサービスの差別化をおこなう必要があり、業界として競争が激化しております。
当社グループでは、MICEビジネスの推進や日本最大級のネットワークを活かしたチェーンオペレーション等により、競争力の維持及び強化に努めておりますが、競合他社が新築又は改築・改装したホテルに対して競争力を維持及び強化するためには、改築・改装を含む多額の設備投資等の負担が必要となります。また、こうした施策が有効に機能しない場合、価格引下げ等により営業収益が減少し、ひいてはホテルの閉鎖又は売却により売却損が発生する等当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、当社グループの不動産事業は、不動産賃貸業における商業施設等の運営において、競合他社との価格、立地等での厳しい競争に直面しております。さらに、当社グループの建設事業は、一般に競争入札に基づいて受注がおこなわれており、多くの競合他社との間で競争がおこなわれております。
当社グループの各種事業における競争力を維持・強化するための値下げ、設備投資及び資産の処分は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑪ 情報システム・情報管理に関するリスク
当社グループでは、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業等様々な事業分野で、多くのⅠTシステムを使用しております。これらのシステムについて事故・災害、人為的ミス等によりその機能に重大な障害が発生した場合、当社グループの業務運営に影響を与え、営業収益の減少又は対策費用の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、他の鉄道事業者、鉄道関連サービス提供業者等他社のシステム障害による影響を受ける可能性があります。さらに、当社グループでは、ホテル・レジャー事業における宿泊者名簿や会員制サービス、都市交通・沿線事業における定期乗車券やIC乗車券の販売、不動産事業やグループポイントカード運営等における顧客データ等個人情報を含むデータベースを管理しております。当社グループでは個人情報の管理に十分留意しておりますが、万一、個人情報の流出等の問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や当社グループの信用の低下により当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑫ 燃料費・電気料金・原材料価格の高騰に関するリスク
都市交通・沿線事業においては、原油価格の高騰によりバス業やタクシー業等において燃料費が増加する場合があります。鉄道業においては、特に東京電力エナジーパートナー株式会社から供給される電力に依存しており、今後、基本料金の引き上げや再生可能エネルギーの普及にともなう促進賦課金の増加により、電気動力費が上昇する場合があります。
建設事業においては、受注・着工から竣工までの工事期間が長期間となるものが多くあり、工事期間中に原材料の価格や労務費が高騰すると工事原価が上昇する場合があります。また、建築原材料が高騰すると、不動産事業及び建設事業においてこれら原材料の価格変動を販売価格及び請負価格に反映することが困難な場合、想定した利益を確保できない場合があります。また、設備投資においても投資額が増加し、減価償却費及び資金調達コストが増加したり、必要な設備投資の延期を余儀なくされる可能性があります。
従って、効率的な事業運営をはかってまいりますが、原油価格や電気料金、原材料の価格が高騰した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑬ 収益構造に関するリスク
当社グループの事業のうち、特に都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業及び不動産事業においては、営業コストの相当部分が、人件費、減価償却費等の固定費で構成されているため、営業収益の比較的小幅な減少であっても、営業利益に大きな影響を及ぼすことになります。このような収益構造が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があり、特に、ホテル・レジャー事業については、営業収益の変動が比較的大きいことから、より大きな影響を受ける可能性があります。
⑭ 風評に関するリスク
当社グループの事業の多くは「西武」と「プリンス」等のブランドでサービスと製品をお客さまに直接提供しております。「事業等のリスク」に記載のいずれかのリスクが現実となった場合を含め、当社グループのブランドイメージが損なわれた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。さらに、これらのブランドと同一又は類似のブランドを使用する第三者も存在するため、これらのブランドイメージを損なうような第三者の行為・言動等が間接的に当社グループの評判を損なう可能性があります。
⑮ 食中毒や食品管理に関するリスク
当社グループにおいてはホテルやレストラン、店舗等において食事の提供や食品の販売をおこなっております。品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、食中毒事故が発生した場合は営業停止の処分を受けるほか、当社グループの信用やブランドを毀損し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
その他、ノロウイルスによる食中毒や家畜の伝染病の発生等食品衛生や食の安全、安心に関する問題が発生した場合、営業収益の減少や在庫の廃棄ロス等の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑯ 与信管理に関するリスク
当社グループでは、与信管理体制の強化に努めておりますが、特に建設事業においては工事期間が長期にわたり、かつ債権額が大きいことから、取引先の資金繰りの悪化等により請負代金の回収に支障を来した場合等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑰ 協力業者・取引先に関するリスク
当社グループの建設事業では、建設プロジェクトの施工管理業務を除くすべてを協力業者に依拠しておりますが、当社グループがお客さまに対する一義的な責任を負っております。当社グループは協力業者のサービスが確実に高い基準を満たすように努めておりますが、協力業者の工事がそうした基準を満たすことができなかった場合や協力業者が工事を完成できなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑱ 退職給付費用・退職給付債務に関するリスク
当社グループの従業員の退職給付費用及び債務は、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の数理計算で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と相違した場合又は前提条件が変更された場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑲ 為替変動に関するリスク
為替の変動により営業利益が減少し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、当社は、連結財務諸表を円表示で作成しているため、外貨表示で作成されている在外子会社の財務諸表の日本円表示への換算に際して、為替相場の状況により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで緩やかに回復しております。しかしながら、先行きについては、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響が懸念されるなど不透明な状況であります。
このような状況のなか、当連結会計年度においては、長期的な目標水準である「Challenge Target」に向けて持続的かつ力強い成長を達成するためのロードマップとして、3ヵ年の「西武グループ中期経営計画(2017~2019年度)」を策定し、「新たな視点でスピード感をもって、イノベーションに挑戦」と「長期的視点での成長基盤の確立」を基本方針として、「新規事業分野の創出」と「既存事業領域の強化」の2点を重点課題に取り組んでまいりました。
このうち、新規事業分野の創出については、自由な発想で新たな施策を推進する専門部署として当社内に設置した「西武ラボ」を中心として取り組んでまいりました。
また、株式会社プリンスホテルが、オーストラリアを中心にホテルを展開するStayWell Hospitality Group Pty Ltdの事業の取得をいたしました。これにより、今後ホテル・レジャー事業のグローバル展開を拡大してまいります。
当連結会計年度における経営成績の概況は、営業収益は、5,306億31百万円と前期に比べ186億22百万円の増加(前期比3.6%増)となりました。営業利益は、増収による増益に加え、前期に東京ガーデンテラス紀尾井町開業にかかる一時的な経費の計上があったことなどにより、642億59百万円と前期に比べ18億3百万円の増加(同2.9%増)となり、償却前営業利益は、1,155億80百万円と前期に比べ74億65百万円の増加(同6.9%増)となりました。しかしながら、経常利益は、前期に株式会社NWコーポレーションにかかる持分法による投資利益の計上があったことなどにより、554億90百万円と前期に比べ19億82百万円の減少(同3.4%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に土地の売却を実施したことなどにより、429億8百万円と前期に比べ46億56百万円の減少(同9.8%減)となりました。
各セグメントにおける業績は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
セグメントの名称 |
営業収益 |
営業利益 |
償却前営業利益 |
||||||
|
当連結 |
前期比 増減 |
前期比 増減率 (%) |
当連結 |
前期比 増減 |
前期比 増減率 (%) |
当連結 |
前期比 増減 |
前期比 増減率 (%) |
|
|
都市交通・沿線事業 |
162,056 |
5,562 |
3.6 |
27,254 |
450 |
1.7 |
49,062 |
1,572 |
3.3 |
|
ホテル・レジャー事業 |
204,854 |
16,309 |
8.7 |
17,299 |
3,207 |
22.8 |
32,739 |
5,770 |
21.4 |
|
不動産事業 |
62,292 |
8,521 |
15.8 |
15,818 |
7,929 |
100.5 |
25,077 |
8,876 |
54.8 |
|
建設事業 |
100,002 |
△14,993 |
△13.0 |
4,752 |
△5,073 |
△51.6 |
5,152 |
△5,054 |
△49.5 |
|
ハワイ事業 |
15,375 |
△7,792 |
△33.6 |
△2,002 |
△6,252 |
- |
97 |
△5,947 |
△98.4 |
|
その他 |
39,427 |
2,198 |
5.9 |
1,048 |
327 |
45.4 |
3,960 |
593 |
17.6 |
|
合計 |
584,007 |
9,806 |
1.7 |
64,171 |
588 |
0.9 |
116,089 |
5,812 |
5.3 |
|
調整額 |
△53,376 |
8,816 |
- |
88 |
1,214 |
- |
△509 |
1,652 |
- |
|
連結数値 |
530,631 |
18,622 |
3.6 |
64,259 |
1,803 |
2.9 |
115,580 |
7,465 |
6.9 |
(注)1 調整額については、主に連結会社間取引消去等であります。
2 償却前営業利益は、営業利益に減価償却費及びのれん償却額を加えて算定しております。
①都市交通・沿線事業
都市交通・沿線事業の内訳は鉄道業、バス業、沿線レジャー業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
|
|
平成29年3月期 |
平成30年3月期 |
増減額 |
|
|
|
営業収益 |
156,494 |
162,056 |
5,562 |
|
|
|
鉄道業 |
105,123 |
106,354 |
1,231 |
|
|
|
バス業 |
25,531 |
25,937 |
406 |
|
|
|
沿線レジャー業 |
20,798 |
22,095 |
1,296 |
|
|
|
その他 |
5,041 |
7,668 |
2,627 |
|
鉄道業で、雇用情勢の堅調な推移や、メットライフドームでのイベント開催、「西武秩父駅前温泉 祭の湯」の開業及び秩父エリアのプロモーション強化などにより、旅客輸送人員は前期比1.6%増(うち定期1.8%増、定期外1.3%増)、旅客運輸収入は平成28年7月の特急料金見直しや平成29年3月の有料座席指定列車「S-TRAIN」の導入などもあり、前期比1.7%増(うち定期1.8%増、定期外1.6%増)となりました。
そのほか、平成29年3月に連結子会社化した株式会社横浜アリーナが増収に寄与いたしました。
これらの結果、都市交通・沿線事業の営業収益は、1,620億56百万円と前期に比べ55億62百万円の増加(同3.6%増)となり、営業利益は、272億54百万円と前期に比べ4億50百万円の増加(同1.7%増)となり、償却前営業利益は、490億62百万円と前期に比べ15億72百万円の増加(同3.3%増)となりました。
都市交通・沿線事業の主要な会社である西武鉄道株式会社の鉄道業の運輸成績は以下のとおりであります。
(西武鉄道株式会社の鉄道業の運輸成績)
|
種別 |
単位 |
平成29年3月期 |
平成30年3月期 |
|
|
営業日数 |
日 |
365 |
365 |
|
|
営業キロ |
キロ |
179.8 |
176.6 |
|
|
客車走行キロ |
千キロ |
173,314 |
174,298 |
|
|
輸送人員 |
定期 |
千人 |
405,526 |
412,680 |
|
定期外 |
千人 |
242,893 |
245,969 |
|
|
計 |
千人 |
648,420 |
658,650 |
|
|
旅客運輸収入 |
定期 |
百万円 |
44,333 |
45,137 |
|
定期外 |
百万円 |
53,356 |
54,211 |
|
|
計 |
百万円 |
97,690 |
99,348 |
|
|
運輸雑収 |
百万円 |
4,021 |
4,097 |
|
|
収入合計 |
百万円 |
101,711 |
103,445 |
|
|
一日平均収入 |
百万円 |
267 |
272 |
|
|
乗車効率 |
% |
38.7 |
39.8 |
|
(注)1 乗車効率は 延人キロ/(客車走行キロ×平均定員)×100 により、算出しております。
2 千キロ未満、千人未満及び百万円未満を切り捨てて表示しております。
3 運輸雑収は鉄道業以外の収入を含んでおります。
②ホテル・レジャー事業
ホテル・レジャー事業の内訳はホテル業(シティ)、ホテル業(リゾート)、ゴルフ場業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
|
|
平成29年3月期 |
平成30年3月期 |
増減額 |
|
|
|
営業収益 |
188,544 |
204,854 |
16,309 |
|
|
|
ホテル業(シティ) |
105,319 |
119,776 |
14,456 |
|
|
|
ホテル業(リゾート) |
38,826 |
40,677 |
1,850 |
|
|
|
ゴルフ場業 |
12,266 |
12,575 |
309 |
|
|
|
その他 |
32,132 |
31,825 |
△306 |
|
(注)1 ホテル業(シティ)には主に大都市圏の中心商業地域やターミナル及びその周辺地域に立地するホテルを含んでおります。ホテル業(リゾート)には主に観光地や避暑地に立地するホテルを含んでおります。
2 以降の項目において、ホテル業(シティ)に属するホテルを「シティ」、ホテル業(リゾート)に属するホテルを「リゾート」と称する場合があります。
ホテル業で、平成28年7月にザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町が開業したほか、前期に営業を休止していた東京プリンスホテルなどがリニューアルオープンいたしました。また、宿泊部門では、より高単価な客層へのマーケットチェンジをはかるとともに、レベニューマネジメント(注1)を継続して実施したことにより、シティ・リゾートともにRevPAR(注2)が前期比で上昇いたしました。宴会部門では、MICE(注3)が好調に推移いたしました。
(注)1 レベニューマネジメントとは、需要予測に基づき、適切な時期に適切な価格にてお客さまにサービスを提供し、利益を最大化する手法であります。
2 RevPARとは、Revenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を客室総数で除したものであります。
3 MICEとは、企業などの会議(Meeting)、企業などがおこなう報奨・研修旅行(インセンティブ旅行)(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会などがおこなう国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字であり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称であります。
これらの結果、ホテル・レジャー事業の営業収益は、2,048億54百万円と前期に比べ163億9百万円の増加(同8.7%増)となり、営業利益は、172億99百万円と前期に比べ32億7百万円の増加(同22.8%増)となり、償却前営業利益は、327億39百万円と前期に比べ57億70百万円の増加(同21.4%増)となりました。
ホテル・レジャー事業の主要な会社である株式会社プリンスホテルのホテル業(シティ)及びホテル業(リゾート)の定量的な指標は以下のとおりであります。
(ホテル施設概要)
|
|
施設数 (か所) |
客室数 (室) |
宴会場数 (室) |
宴会場面積 (㎡) |
|
シティ |
15 |
10,636 |
215 |
51,312 |
|
高輪・品川エリア |
4 |
5,136 |
108 |
20,711 |
|
リゾート |
28 |
6,758 |
89 |
22,354 |
|
軽井沢エリア |
3 |
712 |
11 |
3,670 |
(注)1 面積1,000㎡以上の宴会場は20室であります。
2 シティの代表例として高輪・品川エリア、リゾートの代表例として軽井沢エリアを記載しております。
3 高輪・品川エリアに含まれるホテルはザ・プリンス さくらタワー東京、グランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪、品川プリンスホテルであります。
4 軽井沢エリアに含まれるホテルはザ・プリンス 軽井沢、ザ・プリンス ヴィラ軽井沢、軽井沢プリンスホテルであります。
(ホテル業の営業指標)
|
|
平成29年3月期 |
平成30年3月期 |
|
|
RevPAR(円) |
シティ |
11,911 |
12,732 |
|
高輪・品川エリア |
12,873 |
13,354 |
|
|
リゾート |
9,243 |
9,889 |
|
|
軽井沢エリア |
19,376 |
20,980 |
|
|
宿泊部門全体 |
10,980 |
11,786 |
|
|
平均販売室料(円) |
シティ |
14,873 |
15,196 |
|
高輪・品川エリア |
14,808 |
14,830 |
|
|
リゾート |
16,198 |
16,208 |
|
|
軽井沢エリア |
30,894 |
31,713 |
|
|
宿泊部門全体 |
15,239 |
15,466 |
|
客室稼働率(%) |
シティ |
80.1 |
83.8 |
|
高輪・品川エリア |
86.9 |
90.0 |
|
|
リゾート |
57.1 |
61.0 |
|
|
軽井沢エリア |
62.7 |
66.2 |
|
|
宿泊部門全体 |
72.1 |
76.2 |
(注)1 シティの代表例として高輪・品川エリア、リゾートの代表例として軽井沢エリアを記載しております。
2 高輪・品川エリアに含まれるホテルはザ・プリンス さくらタワー東京、グランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪、品川プリンスホテルであります。
3 軽井沢エリアに含まれるホテルはザ・プリンス 軽井沢、ザ・プリンス ヴィラ軽井沢、軽井沢プリンスホテルであります。
4 RevPARとは、Revenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を客室総数で除したものであります。
5 ホテル業の営業指標については、工事等により営業休止中の施設・客室を含んでおりません。
(宿泊客の内訳)
(単位:名、%)
|
|
平成29年3月期 |
比率 |
平成30年3月期 |
比率 |
|
宿泊客 |
4,457,671 |
100.0 |
4,839,187 |
100.0 |
|
邦人客 |
3,401,013 |
76.3 |
3,652,410 |
75.5 |
|
外国人客 |
1,056,658 |
23.7 |
1,186,777 |
24.5 |
③不動産事業
不動産事業の内訳は不動産賃貸業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
|
|
平成29年3月期 |
平成30年3月期 |
増減額 |
|
|
|
営業収益 |
53,771 |
62,292 |
8,521 |
|
|
|
不動産賃貸業 |
35,447 |
42,506 |
7,059 |
|
|
|
その他 |
18,323 |
19,785 |
1,462 |
|
不動産賃貸業で、平成28年7月にグランドオープンした東京ガーデンテラス紀尾井町において、オフィス・住宅、商業施設の賃料収入が増加いたしました。
そのほか、西武立川駅前において、住宅の販売を実施いたしました。
これらの結果、不動産事業の営業収益は、622億92百万円と前期に比べ85億21百万円の増加(同15.8%増)となりました。営業利益は、増収による増益に加え、前期に東京ガーデンテラス紀尾井町の開業にともなう一時的な経費の計上があったことなどにより、158億18百万円と前期に比べ79億29百万円の増加(同100.5%増)となり、償却前営業利益は、250億77百万円と前期に比べ88億76百万円の増加(同54.8%増)となりました。
不動産事業の定量的な指標は以下のとおりであります。
(建物賃貸物件の営業状況)
|
|
期末貸付面積 (千㎡) |
期末空室率 (%) |
||
|
|
平成29年3月期 |
平成30年3月期 |
平成29年3月期 |
平成30年3月期 |
|
商業施設 |
239 |
244 |
0.7 |
1.1 |
|
オフィス・住宅 |
166 |
172 |
3.1 |
1.9 |
(注)土地の賃貸は含んでおりません。
④建設事業
建設事業の内訳は建設業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
|
|
平成29年3月期 |
平成30年3月期 |
増減額 |
|
|
|
営業収益 |
114,996 |
100,002 |
△14,993 |
|
|
|
建設業 |
88,578 |
74,054 |
△14,524 |
|
|
|
その他 |
26,417 |
25,947 |
△469 |
|
(注)建設業には西武建設株式会社による兼業事業売上高を含んでおります。西武建設株式会社は、保有不
動産の一部を賃貸しており、当該売上高を建設業の営業収益に計上しております。
建設業で、鉄道工事や分譲住宅の建設、公共工事の施工を進めたほか、厳正な受注管理や継続的な与信管理に加え、原価管理についても強化に努めてまいりました。
しかしながら、建設事業の営業収益は、建設業で前期に大型工事があったことなどにより、1,000億2百万円と前期に比べ149億93百万円の減少(同13.0%減)となり、営業利益は、47億52百万円と前期に比べ50億73百万円の減少(同51.6%減)となり、償却前営業利益は、51億52百万円と前期に比べ50億54百万円の減少(同49.5%減)となりました。
建設事業の定量的な指標は以下のとおりであります。
(建設業の受注高の状況)
(単位:百万円)
|
|
|
平成29年3月期 |
平成30年3月期 |
|
|
|
期首繰越高 |
99,069 |
89,755 |
|
|
|
期中受注高 |
79,080 |
84,599 |
|
|
|
期末繰越高 |
89,755 |
100,542 |
|
⑤ハワイ事業
ハワイ事業では、ハワイ島2ホテルが、良好な市場環境を背景として、宿泊部門を中心に好調に推移したほか、ハワイプリンスホテルワイキキがプリンスワイキキとしてリニューアルオープンをいたしました。
ハワイ事業の営業収益は、前期にハプナビーチプリンスホテルの不動産の一部を売却したことにより、153億75百万円と前期に比べ77億92百万円の減少(同33.6%減)となりました。営業損失は、前期の不動産売却の反動による減益に加え、リニューアルにともなう経費の増加などもあり、20億2百万円(前期は、営業利益42億50百万円)となり、償却前営業利益は、97百万円と前期に比べ59億47百万円の減少(同98.4%減)となりました。
ハワイ事業の定量的な指標は以下のとおりであります。
(ホテルの営業指標)
|
|
平成29年3月期 |
平成30年3月期 |
|
RevPAR (円) |
19,247 |
18,465 |
|
RevPAR (米ドル) |
174.97 |
175.86 |
|
平均販売室料 (円) |
27,815 |
30,539 |
|
平均販売室料 (米ドル) |
252.86 |
290.85 |
|
客室稼働率 (%) |
69.2 |
60.5 |
(注)RevPARとは、Revenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を客室総数で除したもの
であります。
⑥その他
伊豆箱根事業では、伊豆・三津シーパラダイスや介護施設が増収に寄与いたしました。近江事業では、守山駅前近江鉄道ビル「cocotto MORIYAMA」が開業したことや土山サービスエリアが好調に推移したことが増収に寄与いたしました。西武ライオンズでは、各種営業施策の実施やクライマックスシリーズへの進出などにより、観客動員数が前期比で増加いたしました。
これらの結果、営業収益は、394億27百万円と前期に比べ21億98百万円の増加(同5.9%増)となり、営業利益は、10億48百万円と前期に比べ3億27百万円の増加(同45.4%増)となり、償却前営業利益は、39億60百万円と前期に比べ5億93百万円の増加(同17.6%増)となりました。
(2) 生産、受注及び販売の実績
当社グループは役務提供を中心とした事業展開をおこなっており、生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため生産、受注及び販売の実績については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
(3) 財政状態、経営成績の分析
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
当社グループは、退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産、税効果会計、貸倒引当金、棚卸資産の評価、投資その他の資産の評価などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断をおこない、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 財政状態の分析
1 資産
流動資産は、1,197億9百万円と前連結会計年度末に比べ69億92百万円減少いたしました。その主たる要因は、受取手形及び売掛金の減少(46億59百万円)であります。
固定資産は、1兆5,522億67百万円と前連結会計年度末に比べ511億1百万円増加いたしました。その主たる要因は、有形固定資産及び無形固定資産の増加(415億77百万円)であります。
以上の結果、総資産は1兆6,719億77百万円と前連結会計年度末に比べ441億8百万円増加いたしました。
2 負債
流動負債は、3,287億82百万円と前連結会計年度末に比べ378億7百万円減少いたしました。その主たる要因は、短期借入金の減少(471億7百万円)であります。
固定負債は、9,482億46百万円と前連結会計年度末に比べ471億1百万円増加いたしました。その主たる要因は、長期借入金の増加(404億9百万円)であります。
以上の結果、負債合計は1兆2,770億29百万円と前連結会計年度末に比べ92億93百万円増加いたしました。
3 純資産
純資産は、3,949億47百万円と前連結会計年度末に比べ348億14百万円増加いたしました。その主たる要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上(429億8百万円)であります。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.5ポイント上昇し23.3%となっております。
③ 経営成績の分析
1 営業収益及び営業利益
営業収益は、ホテル・レジャー事業において東京プリンスホテル、グランドプリンスホテル高輪の営業再開があったこと、不動産事業において東京ガーデンテラス紀尾井町における賃料収入の増加があったこと、都市交通・沿線事業において運輸収入の増加があったことなどにより、5,306億31百万円(前期比3.6%増)となり、営業利益は増収による増益に加え、前期に東京ガーデンテラス紀尾井町開業にともなう一時的な経費の計上があったことなどにより、642億59百万円(同2.9%増)となりました。
なお、各セグメントにおける業績につきましては、「(1) 業績」をご覧ください。
2 営業外損益及び経常利益
前期に計上した持分法による投資利益(37億29百万円)がなくなったことなどにより、営業外収益は32億90百万円(同52.1%減)となり、営業外費用は120億60百万円(同1.7%増)となりました。
以上の結果、経常利益は554億90百万円(同3.4%減)となりました。
3 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益
固定資産売却益の減少(34億19百万円)などにより、特別利益は21億56百万円(同76.2%減)となりました。
工事負担金等圧縮額の減少(20億60百万円)などにより、特別損失は66億95百万円(同16.4%減)となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は509億51百万円(同13.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は429億8百万円(同9.8%減)となりました。
(4) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ20億76百万円増加し、当連結会計年度末には296億28百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益509億51百万円に、減価償却費や法人税等の支払額などを調整した結果、1,037億72百万円の資金収入となりました。前連結会計年度に比べ113億54百万円の資金収入の増加となりましたが、その主たる要因は、40億10百万円の未収入金の減少(前連結会計年度は、42億4百万円の増加)であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、880億83百万円の資金支出となり、前連結会計年度に比べ458億48百万円の資金支出の減少となりました。その主たる要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出の減少(437億93百万円)であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、財務体質の改善のため有利子負債の圧縮を進めた結果、135億49百万円の資金支出(前連結会計年度は、481億62百万円の資金収入)となりました。
(5) 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、サービス提供及び安全・安心の維持に係る費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含むネット有利子負債の残高は8,751億47百万円となっております。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。本項目においては、そのうち当社グループ全体の事業基盤に直ちに影響を及ぼす可能性のある重要なものに関して、その影響と可能な対策を記載いたします。
① 経済情勢
当社グループは、日本国内を主たるマーケットとして事業を展開しており、各種経済情勢の影響を受けております。消費の低迷や雇用状況の悪化、企業活動の停滞、需要の減少、民間工事及び公共工事の減少、不動産市況の低迷、海外経済の下振れ、地政学的リスク等が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。そのため、グループの大きな強みである保有資産を有効活用して、「既存事業領域の強化」に取り組むとともに、既存事業領域を超えたダイナミズムをともなう成長のため、「新規事業分野の創出」にも取り組んでまいります。合わせて、効率的な経営を実現するため、ICTの利活用や省メンテナンス機器の導入、コスト管理の強化などローコストオペレーション体制を確立し、さらなる企業体質の強化をはかってまいります。
また、グループ内外との連携を積極的にはかることでお客さまの満足度向上に常に取り組み、収益力の強化を目指してまいります。
② 法的規制等
当社グループの各事業においては、それぞれ法的規制を受けております。
例えば、都市交通・沿線事業等においては鉄道事業法、道路運送法等の法的規制を受けております。具体的には鉄道業では国土交通大臣による事業経営の許可、上限運賃等の認可等、また、バス業やタクシー業においても事業経営の許可等があります。ホテル・レジャー事業では、旅館業法や食品衛生法等の法的規制を受けております。具体的にはホテル業における旅館業法による事業経営の許可等があります。不動産事業では、宅地建物取引業法、都市計画法、建築基準法、建設業法、土壌汚染対策法等の法的規制を受けております。
これら現在の規制に重要な変更や新たな規制が設けられた場合には、規制を遵守するために必要な費用が増加する可能性があり、また、規制に対応できなかった場合は、当社グループの活動が制限される等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があるため、規制の変更・新設に関する情報やその影響等を事前に当社において調査・把握し、当社グループへの影響を最小限にとどめるよう努めております。
③ 自然災害・事故等
大規模な事故、地震や台風等の自然災害、テロ行為等が発生した場合、その対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。この点、当社グループは、「安全・安心」を最重要課題と認識し、グループ事業運営に取り組んでまいりました。具体的には、運輸安全マネジメント体制をはじめとする都市交通・沿線事業における安全性向上の取り組みや、ホテル・レジャー事業における施設の安全対策等、グループ事業運営にあたり安全管理には万全の注意を払っております。
④ 少子高齢化
当社グループでは、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等お客さまの生活に密着した事業を展開しております。そのため、少子高齢化による就業・就学人口の減少や将来的な人口の減少により鉄道業やバス業等における輸送人員の減少、レジャー施設の利用人員の減少等が懸念され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、人口構造の変化といったパラダイムシフトに対応すべく、「インバウンド(訪日外国人)」、「シニア」、「こども」といったマーケットへターゲットを拡大するなど、新たなビジネスモデルを育成しております。
(7) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、当社設立以降、「峻別と集中」と「企業価値の極大化」をコンセプトに資産の売却や経営基盤の整備などをおこない、グループ各社が主たる事業に集中できる事業運営体制を構築するなど、経営改革を着実に実行してまいりました。その後、平成26年の東京証券取引所市場第一部上場を契機として、基盤整備の時期から、東京ガーデンテラス紀尾井町をはじめとした、バリューアップ投資の増加による企業価値の極大化を企図した経営へとシフトチェンジをおこなっております。今後とも企業価値の極大化に向け、「グループビジョン」を実現していくための基本構想として当社グループが概ね10年間で目指していく方向性を示した「西武グループ長期戦略」に基づき、当社が保有する経営資源の有効活用をおこないながら、様々な事業・サービスを組み合わせて提供できる領域・付加価値を拡大し、あらゆる場面でお客さまの生活を応援していく企業グループとなることで、より一層の持続的かつ力強い成長を目指してまいります。
足もとの事業環境は、雇用・所得環境の改善が続くなかで緩やかに回復しておりますが、先行きについては、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響が懸念されるなど不透明な状況であります。このような事業環境下において、長期的な目標水準を目指すロードマップとして、前回計画(2017~2019年度)をベースに個別施策ならびに数値計画の見直しを実施し、3ヵ年の「西武グループ中期経営計画(2018~2020年度)」を策定いたしました。そのなかでは、持続的かつ力強い成長を実現していくために、引き続き「既存事業領域の強化」と「新規事業分野の創出」を重点的に対応すべき課題として掲げております。
「既存事業領域の強化」については、「西武グループ アセット戦略」に基づき、(仮称)西武鉄道池袋ビル計画やグランエミオ所沢Ⅱ期・所沢駅西口開発計画といった大規模開発を推進するとともに、都心エリア(高輪・品川エリア、芝公園エリア等)の開発についても検討してまいります。また、有料座席指定列車や新型特急車両の導入などによりお客さま満足度の向上をはかり、「選ばれる沿線」「選ばれる鉄道」を目指してまいります。「新規事業分野の創出」については、増加するインバウンドや多様化する宿泊需要に対応するため、新たに創設した次世代型の宿泊特化型ホテルブランド「プリンス スマート イン」を展開するとともに、アクティブシニア層を中心とする新規顧客の取り込みのため、会員制ホテル事業に参入し、「プリンス バケーション クラブ」を展開してまいります。
これらを実現し、グループ企業価値の極大化をはかるため、多様な能力と熱意を最大限に発揮できる職場風土を醸成する「ダイバーシティマネジメント」の推進やICTの利活用による生産性の向上、本社移転や事務所建て替えなど業務改革につながる設備投資に加え、スライド勤務の実施などにより新たな働き方を推進し、イノベーションを創出しやすい環境を生み出してまいります。
該当事項はありません。
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