本資料に記載されている当社グループの業績予想、目標、計画、予想その他の将来情報については、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき作成した当該時点における当社の判断又は考えに過ぎず、実際の当社グループの業績、財政状態その他の結果は、国内外の政治、経済、金融情勢の変動や、意図する施策の状況その他の本資料の作成時点で不確実な要素等により、本資料の内容又は本資料から推測される内容と大きく異なる場合があります。
当社グループは、2006年に制定したグループの経営理念及び経営方針である「グループビジョン」と、グループのコンプライアンスに関する基本原則を定めた「西武グループ企業倫理規範」のもと、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業、不動産事業のほか、スポーツ事業など幅広い事業活動を通じて、その社会的責任を果たし、新たな行動と感動を創造することにより、お客さまに信頼され、選ばれる企業グループを目指しております。
「グループビジョン」は、グループの役割・使命及び基本姿勢を示した「グループ理念」、この理念を実現するための行動指針「グループ宣言」及びこれらをお客さまへのメッセージとして集約した「スローガン」から構成され、内容は以下のとおりであります。
<グループビジョン>
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☆グループ理念 私たち西武グループは地域・社会の発展、環境の保全に貢献し、安全で快適なサービスを提供します。また、お客さまの新たなる感動の創造に誇りと責任を持って挑戦します。
☆グループ宣言 私たちは、「お客さまの行動と感動を創りだす」サービスのプロフェッショナルをめざします。 ①誠実であること ・常に、「安全」を基本にすべての事業・サービスを推進します。 ・常に、オープンで、フェアな心を持って行動します。 ・常に、お客さまの声、地域の声を大切にします。 ②共に歩むこと ・常に、自然環境、地球環境への配慮を忘れません。 ・常に、地域社会の一員として行動します。 ・常に、グループ内外と積極的に連携を図ります。 ③挑戦すること ・常に、グローバルな視点を持って行動します。 ・常に、時代を先取りする新しいサービスを提案します。 ・常に、お客さまの生活に新しい感動を提供します。
☆スローガン でかける人を、ほほえむ人へ。
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企業価値の極大化に向け、「西武グループ長期戦略」に基づき、当社グループが保有する経営資源の有効活用をおこないながら、様々な事業・サービスを組み合わせて提供できる領域・付加価値を拡大し、あらゆる場面でお客さまの生活を応援していく企業グループとなることで、今後とも持続的かつ健全な成長を目指してまいります。
このような中、当社グループは、「「アフターコロナの社会における目指す姿」を見据え、コロナショックを乗り越え、飛躍への道筋をつける。」をテーマに、「経営改革」「デジタル経営」「サステナビリティ」の3点を骨子とし、「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」(以下、「新中期経営計画」)を策定いたしました。
新中期経営計画では、事業環境の前提として、2022年度には新型コロナウイルス感染症の流行が収束に向かい、2023年度にはインバウンドや国内景気が回復していくと想定しております。そのような中で、当社グループは、コロナ禍で進んだ価値変容、行動変容はアフターコロナの社会に定着するとの想定から、それに対応しビジネスモデルを変革いたします。また、今回のコロナショックのような危機は今後も繰り返し起こるものと想定し、いかなる事業環境下においても、企業価値、株主価値の極大化を果たしていけるように企業体質を強化してまいります。
以上を踏まえ、新中期経営計画は、当社グループの「アフターコロナの社会における目指す姿」を「最良、最強の生活応援企業グループ」とし、その実現に向けて取り組んでいく3ヵ年として策定しております。
当社グループは、これまでもこれからも「でかける人を、ほほえむ人へ。」を変わらぬスローガンとして掲げ、お客さま、地域社会とともに成長していく企業として、お客さまの行動と感動を創造し、豊かで持続可能な社会を実現してまいります。お客さま、地域社会、地球環境にとって「最良」であり、それを支えるために揺るがぬ安全・安心を守り抜き「最強」であることを目指し、
BHAG(Big Hairy Audacious Goals)をキーワードにイノベーションに挑戦し続けます。
<新中期経営計画の取り組み>
ここからは、「経営改革」「デジタル経営」「サステナビリティ」の3点を骨子とした取り組みについてご説明いたします。
Topic1:経営改革
コロナ禍で浮き彫りになった経営課題にまっすぐ挑み、以下のとおり、「アセットライトな事業運営」「損益分岐点の引き下げ」「ニューノーマルに合わせたサービス変革」という3つのテーマに対し、聖域なく「経営改革」を断行いたします。
テーマ① アセットライトな事業運営
繰り返し起こると想定される危機に対してより強固な体質を構築すべく、アセットの「保有」と「運営」の一体構造から、「アセットライト」をテーマにビジネスモデルを変革いたします。下記の方針に基づき、すべての資産・事業の内容について保有メリットや開発の余地、また、売却・流動化によるキャッシュ創出規模などを総合的に勘案し、峻別を進めてまいります。継続保有していくアセットにつきましては、株式会社プリンスホテル及び株式会社西武プロパティーズの機能・役割を刷新することで、その価値極大化を目指します。
有価証券報告書提出日現在、株式会社プリンスホテルはホテル資産を、株式会社西武プロパティーズは不動産賃貸物件の一部をそれぞれ保有し運営しております。
今回のコロナショックにより、株式会社プリンスホテルは、収益が大きく剥落したことで棄損した財務基盤の立て直し、また、目まぐるしく変化する社会にスピード感を持って対応していくことを、株式会社西武プロパティーズは、コロナ禍でリモートワーク需要などビジネス機会が拡大していく中で着実な収益力強化、また、グループの保有資産の価値極大化に資する不動産事業者としての競争力向上を課題としてそれぞれ認識いたしました。
これら経営課題の解決に向けて、株式会社プリンスホテルの持つホテル資産の保有と運営を完全に分離し、「オペレーター」と「アセットホルダー」との責任範囲を明確化し、それぞれが競争力を高めていくべく、2022年4月を目途にグループ内組織再編を実施し、株式会社プリンスホテルの資産及び資産管理機能を株式会社西武プロパティーズへ移管することといたします。この組織再編により、株式会社プリンスホテルはホテルの「オペレーター」、株式会社西武プロパティーズは「アセットホルダー」と位置付けられます。
このようなグループ内組織再編を経て、ホテル・レジャー事業は、アセットライトに事業を展開し、業界No.1クオリティのホテルチェーン構築を目指します。組織再編後の新たな株式会社プリンスホテルは、ホテル・レジャー事業を牽引するホテルオペレーターとしてホテル運営を受託し、2017年度に事業を取得したステイウェル ホールディングス Pty Ltdのノウハウを活用しながら、オーナーの期待を超えるリターンを創出できるよう、オペレーターとしてのパフォーマンス向上に取り組みます。
対して、不動産事業は、業容を拡大し、総合不動産業へ飛躍してまいります。組織再編後の新たな株式会社西武プロパティーズがグループの保有資産の価値極大化を担う総合不動産会社として、グループで継続保有する資産の現状の用途に限らない有効活用策や西武鉄道沿線の価値向上に資する取り組みについて、多様な手法により最適解を決定し実行いたします。特に都心エリアの大規模開発においてプロジェクトファイナンスなども検討し実行できるように、オフィスビルの流動化などを経て幅広いマネジメントノウハウを獲得し、その成功につなげます。
このような、資産・事業の売却・流動化やグループ内組織再編、ノウハウ獲得などの要素を組み合わせ、株式会社プリンスホテル及び株式会社西武プロパティーズがそれぞれの機能・役割を最大限発揮し、競争力向上に挑戦することにより、保有資産の価値を極大化し、グループ収益を最大化させることを目指します。
テーマ② 損益分岐点の引き下げ
都市交通・沿線事業では、需要に合わせたダイヤ・バス路線、ご案内窓口の刷新や車両買い替えの厳選、環境に優しい“グリーン”な車両の利活用などにより、年間20億円以上の固定費を恒常的に低減いたします。次期計画以降については、駅業務や運転業務のスマート化を目指して計画策定中であります。これらにより必要人員を削減し、将来的には無人オペレーションを取り入れ、新たな時代に対応したスマートな事業運営に挑戦いたします。
また、グループ各社のバックオフィス業務について集約して標準化することで、固定費削減に繋げてまいります。
テーマ③ ニューノーマルに合わせたサービス変革
Society5.0やSDGsに加え、コロナ禍で進んだ価値変容、行動変容を的確にとらえ、サービスを変革いたします。新たな時代において、西武グループのサービスをご利用いただくお客さまを広げ、満足いただくことで、多様なサービスを繰り返しご利用いただく「西武グループのファン」を増やしていきたいと考えております。
まず、働き方の多様化に合わせたサービス変革です。シェアオフィス、ワーケーション、また、鉄道・バスにおいてはピーク時間帯における需要分散施策をおこなうことなどにより、お客さまに新たなワークスタイルを提案いたします。
次にMICE2.0への取り組みです。宴会場について、これまでの会場貸しにとどまらずコンテンツを活用した自主興行といった「主体的な仕掛け」をおこなうことで、お客さまの新たな楽しみ、体験を創出いたします。
西武鉄道沿線では、沿線エリアでのMaaS提供によるシームレスな移動、暮らしの実現や、リニューアルしたメットライフドーム、西武園ゆうえんち、としまえん跡地への新施設誘致などによる近場のレジャー需要の取り込み、喚起に取り組みます。
また、2020年度に新設した事業セグメント「スポーツ事業」について本格的に強化いたします。保有資産やノウハウを活用し、スポーツ・エンターテインメントの分野について「手軽さ」「楽しさ」をコンセプトとした事業展開により、お客さまに心身ともに豊かな生活環境を提供するとともに、新たな行動を創出いたします。
全体を通じて、サービス変革に向けては、東日本旅客鉄道株式会社や日本航空株式会社、株式会社アルムなど、グループ外部と連携した取り組みを実施いたします。
Topic2:デジタル経営
攻めと守り双方の視点からデジタル経営を実現いたします。グループ会員組織「SEIBU PRINCE CLUB」を中心にグループ内外のデータをつなぎ利活用できる「グループマーケティング基盤」を構築中であります。その利活用により、前述のニューノーマルに合わせたサービス変革、さらには「西武グループのファン」獲得につなげます。
また、管理系基幹システムのグループ共通システム化などを進め、業務改革、働き方改革を実現し、固定費削減につなげます。
Topic3:サステナビリティ
以下のとおり、安全、環境、社会、会社文化の4領域12項目のアジェンダにおいて、持続可能な社会実現のため「サステナビリティアクション」に取り組みます。
中でも、気候変動が進む中でリスク・ビジネス機会双方の影響を適切に認識し、積極的に対応していく「グリーン経営」に重点的に取り組みます。その一環でTCFD提言に賛同し、積極的にその対応を情報発信してまいります。
<重視する経営指標>
「アフターコロナの社会における目指す姿」に向けて、「アセットライト」を意識し、下記4つの資本効率や最適資本構成を示す経営指標について「中長期的に目指す水準」を設定いたしました。
・ROE 10%以上
・ROA 3.5%以上
・自己資本比率 25~30%
・ネット有利子負債/EBITDA倍率 6倍台
今後、これらの経営指標を重視し、経営改革などコロナショックを乗り越えていく進捗を管理してまいります。
当社グループは、今後も企業価値・株主価値の極大化に向けて企業運営をおこなってまいります。
当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、次のようなものがあります。当社グループは、これらのリスクを十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をいたします。また、リスクには該当しないと思われる事項についても、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、下記事項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は原則として当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経済情勢に関するリスク
当社グループは、日本国内を主たるマーケットとして事業を展開しており、各種経済情勢の影響を受けております。当社グループでは、経済情勢・市況を常時把握し、大幅な情勢の変化の際には、迅速なグループ方針の決定と正確なグループ展開に努めるとともに、効率的な事業運営体制を構築することとしています。しかしながら、それでもなお、消費の低迷や雇用状況の悪化、企業活動の停滞、需要の減少、民間工事及び公共工事の減少、不動産市況の低迷、海外経済の下振れ、地政学的リスク等が当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(2) 法的規制等に関するリスク
当社グループの各事業においては、それぞれ法的規制を受けております。各法的規制を遵守するために、当社グループは、経済法制遵守体制を徹底し、また法令改正や各種規制に関する情報収集及び社内教育の実施をおこなうように努めております。
都市交通・沿線事業等においては鉄道事業法、道路運送法等の法的規制を受けております。鉄道業では、鉄道事業法の定めにより、経営しようとする路線及び鉄道事業の種別毎に国土交通大臣の許可を受けなければならず(鉄道事業法第3条)、また、上限運賃の設定及び変更につき、国土交通大臣の認可を受けなければなりません(同第16条)。現在、鉄道業における当社グループの運賃は上限運賃に設定されているため、運賃の引上げには国土交通大臣の認可が必要となります。そのため、営業コストが増加した場合等であっても、その影響を適切な時期や程度において運賃に転嫁できない可能性があります。
なお、当社グループが現在受けている上記鉄道業の許可及び認可については、期間の定めはありません。また、これら鉄道業の許可又は認可について、鉄道事業法、同法に基づく命令もしくはこれらに基づく処分又は許可・認可に付した条件への違反等に該当した場合には、国土交通大臣は事業の停止を命じ又は許可を取り消すことができるとされております(同第30条)。有価証券報告書提出日現在におきまして、当社が知りうる限りこれらの違反等に該当する事実は存在せず、鉄道業の継続に支障を来す要因は発生しておりません。しかしながら、これらの違反等に該当し国土交通大臣から事業の停止を命じられ、又は許可が取り消された場合には、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。バス業やタクシーにおいても、道路運送法の定めにより、一般旅客自動車運送事業の許可(道路運送法第4条)等を受けなければなりません。
また、安全、バリアフリー化、省エネルギー、環境等に関する規制の強化に対応するための投資が必要となる可能性があります。
ホテル・レジャー事業では、旅館業法や食品衛生法等の法的規制を受けております。具体的にはホテル業における旅館業法による事業経営の許可(旅館業法第3条)等があります。
不動産事業では、宅地建物取引業法、都市計画法、建築基準法、建設業法、土壌汚染対策法等の法的規制を受けております。例えば、当社グループの保有するいずれかの不動産でアスベストを含む有害・有毒物質が発見された場合、その不動産の価値が下落する可能性があり、また、有害物質の対策をおこない、関連する環境責任を果たすために多大な費用の計上が必要となる可能性があります。さらに、これらの法制が変更された場合には、新たな義務の発生、費用負担の増加、保有不動産に関する権利の制限等により、保有不動産の価値低下や事業範囲の制限、大幅な開発計画の見直し等が生じる可能性があります。
また、建設事業では建設業法、建築基準法等の法的規制を受けております。当社の連結子会社である西武建設株式会社等における、施工管理技士をはじめとする過去の資格取得時における実務経験不備の問題については、第三者調査委員会の調査を経て、2021年3月12日に、国土交通省に第三者調査委員会による「調査報告書」の内容(第三者による品質検証の結果を含みます。)及び再発防止策等を報告しております。しかしながら、今後、この問題に関し国土交通省から西武建設株式会社等に対する監督処分がおこなわれた場合や、監督処分にあわせて直轄工事等の指名が停止された場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
これら現在の規制に重要な変更がおこなわれた場合や新たな規制が設けられた場合には、規制を遵守するために必要な費用が増加する可能性があり、また、規制に対応できなかった場合は、当社グループの活動が制限される等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、新たな会計基準や税制の導入・変更により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(3) 自然災害・事故・感染症等に関するリスク
当社グループの事業においては、「安全・安心」を最重要課題と認識し、運輸安全マネジメント体制をはじめとする都市交通・沿線事業における安全性向上の取り組みやホテル・レジャー事業における食の安全確保の施策の推進、施設の安全対策の実施等安全管理には万全の注意を払っております。しかしながら、大規模な事故、地震等の自然災害、テロ行為等が発生した場合、その対策費用の発生及びビジネスモデルの転換等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、台風や冷夏、酷暑、降雪の状況等の天候不順の場合にはホテル・レジャー事業においてお客さまの減少等が見込まれるほか、新型コロナウイルス感染症等治療方法が確立されていない感染症が流行した場合、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等において休業や出控え等が懸念され、営業収益の減少や対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症に関する影響については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (6) 経営成績に重要な影響を与える要因について」に記載しております。
(4) 少子高齢化に関するリスク
当社グループでは、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等お客さまの生活に密着した事業を展開しております。具体的には、当社グループは、都市交通・沿線事業における定住人口増加策やインバウンド(訪日外国人)等へのパラダイムシフト施策を展開しております。しかしながら、少子高齢化による就業・就学人口の減少や現在又は将来における人口の減少により鉄道業やバス業等における輸送人員の減少、レジャー施設の利用人員の減少等が懸念されます。特に鉄道業においては西武鉄道沿線地域に経営資源が集中しており、同地域の人口の減少等による影響が懸念されます。また、当社グループは、鉄道業の営業収益の相当部分を通勤・通学で利用されるお客さまから得ており、東京の昼間人口の減少は当社グループの都市交通・沿線事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業及び建設事業では特に多くの労働力を必要としております。当社グループでは、採用手法の多様化、若手社員の離職回避策等をおこなっているものの、今後、若年層の人材確保がさらに困難になることが懸念されます。これらの場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(5) 観光客の減少に関するリスク
当社グループはホテル・レジャー事業を中心に、海外からの観光客の増減を含む日本の観光市場の動向により大きな影響を受けます。日本の観光市場は、日本の経済状況、為替相場の状況、諸外国における対日感情、自然災害、事故、疫病等の影響を受ける可能性があります。
また、当社グループでは、海外においては主として米国ハワイ州においてホテル・レジャー事業を運営しております。これらは、上記の要因による影響を受けるほか、米国景気をはじめとして国際情勢に変動が生じた場合には、ハワイ州への渡航者数が減少することにより、営業収益が減少する可能性があります。
これらのリスクへの対応策として、当社グループでは、単一市場に依存しないマーケティングや旅客誘致プロモーション活動の強化、国内施設・海外施設間の相互送客、リスクを機とした新たな商品開発等に取り組んでおりますが、それでもなお、日本又はハワイにおける観光客の急激な減少は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(6) 「西武グループ中期経営計画」等に関するリスク
当社グループは、「「アフターコロナの社会における目指す姿」を見据え、コロナショックを乗り越え、飛躍への道筋をつける。」をテーマとした、「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」を3ヵ年フィックス方式で策定しておりますが、当社グループがこの計画に基づく経営戦略及び経営目標又はその他の開発計画等を達成できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(7) 重要な訴訟に関するリスク
当社グループは、契約締結時におけるリーガルチェックの徹底や、講習会の実施等による法務知識の向上、顧問弁護士と連携した適切な対応に努めているものの、通常の業務過程において、契約を巡る紛争、損害賠償、労働紛争、環境汚染等に関連して第三者から訴訟その他の法的手段を提起されたり、政府から調査を受けたりする可能性があります。法的手続対応の負担に加え、仮に当社グループに不利に判決、決定等が下された場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(8) 有利子負債に関するリスク
当社グループは、鉄道業、ホテル業等継続して多額の設備投資を必要とする事業をおこなっており、有利子負債についてはその削減に努めておりますが、有利子負債から現預金を差し引いたネット有利子負債残高は当連結会計年度末現在9,083億40百万円となっております。
資金調達にあたっては、長期かつ固定金利での借入を主とすることによる短期的な金利上昇リスクへの対応や調達条件の改善・維持、調達手法の多様化等の対応をはかっております。また、アセットライトな事業運営を実現すべく、資産・事業の売却及び流動化の検討ならびに設備投資の厳選等BSマネジメントの強化をはかっておりますが、今後の金利の上昇や金融市場の変化又は当社グループの財務状況等の悪化にともなう格付けの引下げ等によっては支払利息が増加したり、返済期限を迎える有利子負債の借換えに必要な資金を含む追加的な資金を望ましい条件で調達することが困難になる可能性があります。これらの事情により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、借入の返済に充てるため、充分な資金を設備投資等に使用することができなくなる可能性もあります。
(9) 保有資産の価値に関するリスク
鉄道業やホテル業等の事業を展開する当社グループは、その事業の性質上、多くの不動産等の固定資産を保有しております。当社グループでは、事業別ハードルレートの運用による投資の厳選や、既存資産の稼働向上に向けた、資産ポートフォリオの見直し(ノンコア資産の整理)等各種取り組みをおこなっているものの、当社グループが保有している不動産、有価証券等の資産には、価格変動リスクが存在するため、経済情勢又は景気の動向、保有資産のキャッシュ・フロー創出能力の低下等によって保有資産の価値が毀損し、減損損失の発生、又は売却により売却損が発生する等当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(10) 競争激化に関するリスク
当社グループは、多くの事業で厳しい競争に直面しております。
当社グループのホテル・レジャー事業におけるホテル業においては、新型コロナウイルス感染症の影響にともない、宴会や飲食需要が減少している一方、オンライン会議や食事宅配サービス等のステイホームに対応した企業の進出が相次ぐ中で、多様化する消費者のニーズに対応すべくサービスの差別化をおこなう必要があり、異業種との競争が激化しております。
また、従来の外資系や宿泊特化型ホテルの進出、及び民泊等については、新型コロナウイルス感染症の影響によりマーケットが縮小しているため、業界として一層競争が激化いたします。
また、当社グループの不動産事業は、不動産賃貸業における商業施設等の運営において、競合他社との価格、立地等での厳しい競争に直面しております。さらに、当社グループの建設事業は、一般に競争入札に基づいて受注がおこなわれており、多くの競合他社との間で競争がおこなわれております。
これらのリスクへの対応策として、当社グループでは、婚礼やMICE、野球といったイベント開催時に、お客さまへPCR検査の機会を提供するサービスや、多数保有する宴会場にて、グループ内外のコンテンツを活用した自主興行などをおこなうMICE2.0へ向けた取り組み、ワーケーションの推進のほか、日本最大級のネットワークを活かしたチェーンオペレーション、当社グループのブランドマネジメントによる競合他社との差別化や、必要に応じた事業提携・買収の活用検討、サステナビリティアクション推進等による競争力の維持及び強化に努めております。しかしながら、それでもなお、これらの競争に関し、優位性を確保できなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(11) 情報システム・情報管理に関するリスク
当社グループでは、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業等様々な事業分野で、多くのⅠTシステムを使用しております。当社グループは、障害(攻撃)対応・復旧への訓練の実施、高可用なシステム導入を実現するプロジェクト管理、及び権限棚卸、協力企業の安全性確認等の対策をおこなっているものの、これらのシステムについて事故・災害、人為的ミス等によりその機能に重大な障害が発生した場合、当社グループの業務運営に影響を与え、営業収益の減少又は対策費用の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、他の鉄道事業者、鉄道関連サービス提供業者等他社のシステム障害による影響を受ける可能性があります。さらに、当社グループでは、ホテル・レジャー事業における宿泊者名簿や会員制サービス、都市交通・沿線事業における定期乗車券やIC乗車券の販売、不動産事業やグループポイントカード運営等における顧客データ等個人情報を含むデータベースを管理しております。当社グループでは、eラーニング、サイバー攻撃対応訓練等を活用したセキュリティ関連教育をおこない、個人情報の管理に十分留意しておりますが、万一、個人情報の流出等の問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や当社グループの信用の低下により当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(12) 燃料費・電気料金・原材料価格の高騰に関するリスク
都市交通・沿線事業においては、原油価格の高騰によりバス業やタクシー等において燃料費が増加する場合があります。鉄道業においては、特に東京電力エナジーパートナー株式会社から供給される電力に依存しており、今後、基本料金の引き上げや再生可能エネルギーの普及にともなう促進賦課金の増加により、電気動力費が上昇する場合があります。
建設事業においては、受注・着工から竣工までの工事期間が長期間となるものが多くあり、工事期間中に原材料の価格や労務費が高騰すると工事原価が上昇する場合があります。また、建築原材料が高騰すると、不動産事業及び建設事業においてこれら原材料の価格変動を販売価格及び請負価格に反映することが困難な場合、想定した利益を確保できない可能性があります。また、設備投資においても投資額が増加し、減価償却費及び資金調達コストが増加したり、必要な設備投資の延期を余儀なくされる可能性があります。
これらのリスクへの対応策として、当社グループは、燃料費、電気動力費、原材料等の価格変動の常時把握、省エネ機器や車両の導入検討、グループメリットを活かした取引先との価格交渉をおこない、効率的な事業運営をはかってまいりますが、原油価格や電気料金、原材料の価格が高騰した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(13) 収益構造に関するリスク
当社グループの事業のうち、特に都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業及び不動産事業においては、営業コストの相当部分が、人件費、減価償却費等の固定費で構成されているため、営業収益の比較的小幅な減少であっても、営業利益に大きな影響を及ぼすことになります。このようなリスクへの対応策として、当社グループでは、上記「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」に掲げる「経営改革」を聖域なく進めており、事業ポートフォリオの見直しによるアセットライトな事業運営、固定費削減等による損益分岐点低下、事業別ハードルレートの定着、浸透による効率的な設備投資実現のほか、働き方改革によるコスト削減に努めているものの、このような収益構造が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、上記「経営改革」を進めているものの、特に、ホテル・レジャー事業については、営業収益の変動が比較的大きいことから、より大きな経済変動や感染症の新たなパンデミックが発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を受ける可能性があります。
(14) 風評に関するリスク
当社グループの事業の多くは「西武」と「プリンス」等のブランドでサービスと製品をお客さまに直接提供しております。当社グループでは、ブランドマネジメントの実行、適切な情報管理、開示体制の整備、CS・ES向上施策をおこなっているものの、「事業等のリスク」に記載のいずれかのリスクが現実となった場合を含め、当社グループのブランドイメージが損なわれた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。さらに、これらのブランドと同一又は類似のブランドを使用する第三者も存在するため、これらのブランドイメージを損なうような第三者の行為・言動等が間接的に当社グループの評判を損なう可能性があります。
(15) 食中毒や食品管理に関するリスク
当社グループにおいてはホテルやレストラン、店舗等において食事の提供や食品の販売をおこなっております。当社グループでは、食品安全管理体制の整備、食品安全監査、食品安全教育をおこない、品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、食中毒事故が発生した場合は営業停止の処分を受けるほか、当社グループの信用やブランドを毀損し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
そのほか、ノロウイルスによる食中毒や家畜の伝染病の発生等食品衛生や食の安全、安心に関する問題が発生した場合、営業収益の減少や在庫の廃棄ロス等の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(16) 与信管理に関するリスク
当社グループでは、取引先の財務状況の把握、債権残高の把握、与信チェックにより与信管理体制の強化に努めておりますが、特に建設事業においては工事期間が長期にわたり、かつ債権額が大きいことから、取引先の資金繰りの悪化等により請負代金の回収に支障を来した場合等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(17) 協力業者・取引先に関するリスク
当社グループの建設事業では、建設プロジェクトの施工管理業務を除くすべてを協力業者に依拠しておりますが、当社グループがお客さまに対する一義的な責任を負っております。当社グループは、協力会社への管理・監督、業務委託管理体制の整備をおこない、協力業者のサービスが確実に高い基準を満たすように努めておりますが、協力業者の工事がそうした基準を満たすことができなかった場合や協力業者が工事を完成できなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(18) 退職給付費用・退職給付債務に関するリスク
当社グループの従業員の退職給付費用及び債務は、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の数理計算で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と相違した場合又は前提条件が変更された場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(19) 為替変動に関するリスク
当社グループは、在外子会社に対する資金モニタリングにより、事業収支の推移及び設備投資予定等を随時確認することや、為替や国内外の金利動向を踏まえた在外子会社による効率的な資金調達方法の検討を進めているものの、為替の変動により営業利益が減少し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、当社は、連結財務諸表を円表示で作成しているため、外貨表示で作成されている在外子会社の財務諸表の日本円表示への換算に際して、為替相場の状況により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(20) 気候変動に関するリスク
年々影響が大きくなる気候変動について、当社グループは、激甚災害に備えた訓練の実施、避難計画の策定等をおこない、危機管理体制を整えるなど災害対策を実施するとともに、影響低減のためのビジネスモデルの転換等を検討していくものの、世界的に気候変動を免れることができなかった場合、気温上昇による出控え、豪雨・土砂災害の発生増加による各事業への影響に加え、ホテル・レジャー事業における降雪量の減少によるスキー客の減少等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、気候変動に対して、当社グループでは、2030年度までにCO2排出量原単位(営業収益当たりCO2排出量)を2018年度比で25%削減することを目標に、省エネルギー車両・設備の導入や、太陽光発電等の自然エネルギー、次世代バイオディーゼル燃料等の再生可能エネルギーの活用など地球温暖化防止に一層努めております。加えて、2021年5月にTCFD提言に賛同を表明し、今後はシナリオ分析によるリスク評価を進めてまいります。また、上記CO2排出量削減を含む、サステナビリティアクションを今後も持続的・積極的かつ体系的に進めるため、当社社長執行役員を委員長・議長とする「西武グループサステナビリティ委員会」を設置し、国際要請の確認や、当社グループにおけるCO2排出量削減状況の確認及び削減に向けた取り組みの検討をおこなうほか、情報開示事項の共有等を実施して気候変動リスクの未然防止に努める体制を整備しております。しかしながら、脱炭素社会への想定外かつ急速な移行に対応できなかった場合、当社グループの信用・ブランドの毀損にともなう売上の減少や、対策費用、設備更新の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(21) 技術革新に関するリスク
当社グループの多くの事業分野で、新技術の進化及びその進化がもたらすビジネス変革のスピードは加速度的に増しております。
当社グループでは、DX(デジタル・トランスフォーメーション)戦略の浸透活動や、DX戦略について専門的かつ具体的な助言を求めるため、エグゼクティブアドバイザーとして庄司哲也氏(NTT コミュニケーションズ株式会社相談役)の招聘、デジタル人材の確保・育成、グループ顧客情報の統合とグループマーケティング基盤の構築、新技術活用による業務効率化、5G等新技術に関するパートナーとの協業を推進しているものの、先進技術の利活用に関する理解不足及び導入の遅れは、競合他社と比べてのサービス品質の低下による顧客離れを招く恐れがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響が長期化しており、個人消費などに一部持ち直しの動きがみられるものの依然として厳しい状況にあります。また、雇用情勢は感染症の影響により弱い動きとなっており、景気の先行きについては、感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを引き上げていく中で各種政策の効果や海外経済の改善などにより持ち直しの動きが続くことが期待されますが、感染症の再拡大による下振れリスクや、金融資本市場の変動の影響等、当面極めて厳しく不透明な状況が続くものと見込まれております。
このような状況の中、当社グループにおいても、2020年3月期末から2021年3月期第1四半期連結会計期間にかけて、外出自粛や緊急事態宣言発出にともなう施設の臨時休業などにより需要が激減するなど大きな影響を受けました。このような事業環境の変化を受け、2020年5月26日には、2020年度を初年度とする3ヵ年の新中期経営計画の策定見送り及び2019年度を初年度とする中期経営計画の取り下げ、また、この難局を乗り越えるための「2020年度における事業上の重要事項」を決定いたしました。加えて、2020年9月24日には、一進一退する感染状況や新たな生活様式の広がりにより需要の回復ペースは鈍く、今年度のみならず来年度以降も厳しい状況が続く可能性があることから、この厳しい環境に向き合い乗り越えていくための当社グループの経営の構えとして、上記「2020年度における事業上の重要事項」についてより踏み込み、「経営改革」を断行していくことを決定いたしました。
<2020年度における事業上の重要事項>
〈1〉事態収束までは必要最低限の事業運営に特化
①必要運転資金の確保
②コロナ禍における西武グループ事業運営方針
〈2〉①②を優先したうえで事態収束後に向けた取り組みを推進
③策定を見送った2020年度を初年度とする中期経営計画で想定していた重点施策
④この事態収束後の人々の価値観を見据えた構造改革
「〈1〉事態収束までは必要最低限の事業運営に特化」については、主力金融機関からの借入やコミットメントラインの拡大などにより、当連結会計年度中に2,500億円超の流動性資金を確保することで、現預金と合わせて手元流動性の充実をはかりました。また、役員報酬や従業員賞与の削減、不要不急のコストや設備投資を抑制するとともに、施設・事業の休業や営業形態の見直しによる水道光熱費・動力費削減や雇用調整助成金の活用を視野に入れた休業の実施など、キャッシュ流出抑制に努めてまいりました。
また、「安全・安心」「お客さま目線」「“きれいな利益”を生み出すこと」をコロナ禍における行動指針として全従業員に徹底し、グループ一丸となって事業運営に取り組んでまいりました。2020年4月7日に緊急事態宣言発出を受け、ホテル、ゴルフ場、レジャー施設、商業施設など多くの施設で臨時休業を余儀なくされましたが、営業を継続した鉄道、バスなどの社会インフラにおいては、換気、消毒などにより従業員ならびにお客さまの感染予防策を徹底して運行を継続してまいりました。2020年5月25日の緊急事態宣言解除後は、臨時休業としていた施設において、行政の段階的緩和に対する方針に基づき、順次営業を再開させてまいりました。その中では、株式会社プリンスホテルにおける、安全・安心な空間を提供するためのサービススタンダード「プリンス セーフティー コミットメント」の導入など全事業における感染予防策徹底による従業員ならびにお客さまの安全・安心の確保や政府の「Go To キャンペーン事業」への取り組みなどを中心にしたお客さま目線によるスピード感を持ったサービス展開に取り組むとともに、需要の動向に応じて営業形態を見直すなど固定費の削減をはかることで、早期の収益回復に努めてまいりました。
さらに、グループの財務基盤強化を目的に、2020年11月26日に当社連結子会社において優先株式を発行いたしました。また、2021年3月26日には、横浜市金沢区において保有・運営していた杉田ゴルフ場(ゴルフ練習場・テニスコート)を売却いたしました。
「〈2〉①②を優先したうえで事態収束後に向けた取り組みを推進」については、上記のとおり事業継続を最優先としながらも、事態収束後の成長につながるような取り組みも可能な限りおこなってまいりました。たとえば、当社グループのロイヤルカスタマー醸成につながる取り組みとして、当社グループの会員サービス「SEIBU PRINCE CLUB」「SEIBU PRINCE CLUB emi」のスマートフォン向け公式アプリサービスを開始いたしました。また、持続可能な社会の実現に向けた取り組み「サステナビリティアクション」として、あらゆる「ロス」を「価値」に変えるプロジェクト「LOSS TO VALUE」を始動いたしました。さらには、東日本旅客鉄道株式会社との<新たなライフスタイルの創造×地方創生>に向けての包括的連携や株式会社アルムとのニューノーマルに対応したより高度な安全・安心対策の実施に向けた提携などグループ内外との連携を強化し、コロナ禍による人々の価値変容、行動変容に対するビジネスモデルの変革に取り組んでまいりました。
2021年5月13日に開示いたしました「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」(以下、「新中期経営計画」)では、「「アフターコロナの社会における目指す姿」を見据え、コロナショックを乗り越え、飛躍への道筋をつける。」をテーマとしております。当社グループが直面している厳しい事業環境に対峙し、「経営改革」「デジタル経営」「サステナビリティ」の3点を骨子とした取り組みを進めることで、「最良、最強の生活応援企業グループ」の実現に挑戦してまいります。新中期経営計画の詳細につきましては、2021年5月13日に開示いたしました「「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」策定に関するお知らせ」をご参照ください。
当連結会計年度における経営成績の概況は、秋口においては外出需要の回復や政府の「Go To キャンペーン事業」への取り組みなどによる持ち直しがあったものの、新型コロナウイルス感染症流行による利用客の減少や一部施設の臨時休業、新たな生活様式の広がりなどにより、営業収益は、3,370億61百万円と前期に比べ2,175億29百万円の減少(前期比39.2%減)となりました。不要不急のコスト削減に加え、休業期間中の一部施設の固定費の特別損失への振替計上はあるものの、減収により、営業損失は、515億87百万円(前期は、営業利益568億23百万円)となり、償却前営業利益は、18億82百万円と前期に比べ1,126億52百万円の減少(前期比98.4%減)となりました。
経常損失は、587億85百万円(前期は、経常利益487億70百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、固定資産売却益や雇用調整助成金の特別利益への計上はあるものの、経常損失の計上に加え、減損損失の計上や新型コロナウイルス感染症対応に起因する費用等を特別損失に計上したことなどにより、723億1百万円(前期は、親会社株主に帰属する当期純利益46億70百万円)となりました。
各セグメントにおける業績は以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度よりセグメントの区分を変更しております。詳細は、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載されているとおりであります。
(単位:百万円)
|
|
|
営業収益 |
|
|
営業利益 |
|
償却前営業利益 |
||
|
セグメントの名称 |
当連結 会計年度 |
前期比 増減 |
前期比 増減率 (%) |
当連結 会計年度 |
前期比 増減 |
前期比 増減率 (%) |
当連結 会計年度 |
前期比 増減 |
前期比 増減率 (%) |
|
都市交通・沿線事業 |
122,597 |
△45,965 |
△27.3 |
△9,817 |
△32,646 |
- |
12,392 |
△32,216 |
△72.2 |
|
ホテル・レジャー事業 |
84,050 |
△143,402 |
△63.0 |
△53,413 |
△61,946 |
- |
△38,145 |
△66,832 |
- |
|
不動産事業 |
55,395 |
△5,068 |
△8.4 |
15,422 |
△2,024 |
△11.6 |
27,442 |
△1,750 |
△6.0 |
|
建設事業 |
96,134 |
△15,636 |
△14.0 |
4,058 |
△1,578 |
△28.0 |
4,552 |
△1,535 |
△25.2 |
|
その他 |
26,760 |
△17,455 |
△39.5 |
△7,562 |
△9,437 |
- |
△3,499 |
△9,141 |
- |
|
合計 |
384,939 |
△227,529 |
△37.1 |
△51,311 |
△107,633 |
- |
2,743 |
△111,476 |
△97.6 |
|
調整額 |
△47,878 |
10,000 |
- |
△275 |
△777 |
- |
△860 |
△1,176 |
- |
|
連結数値 |
337,061 |
△217,529 |
△39.2 |
△51,587 |
△108,410 |
- |
1,882 |
△112,652 |
△98.4 |
(注)1 調整額については、主に連結会社間取引消去等であります。
2 償却前営業利益は、営業利益に減価償却費及びのれん償却額を加えて算定しております。
①都市交通・沿線事業
都市交通・沿線事業の内訳は鉄道業、バス業、沿線生活サービス業、スポーツ業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
|
|
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
増減額 |
|
|
営業収益 |
168,563 |
122,597 |
△45,965 |
|
|
|
鉄道業 |
106,488 |
77,330 |
△29,158 |
|
|
|
バス業 |
25,847 |
18,081 |
△7,765 |
|
|
|
沿線生活サービス業 |
28,100 |
21,516 |
△6,583 |
|
|
|
スポーツ業 |
3,553 |
2,556 |
△997 |
|
|
|
その他 |
4,573 |
3,112 |
△1,460 |
|
(注)セグメント区分新設、変更にともない、事業の内訳についても新設、変更をおこなっており、前期比較について、前期の数値を変更後の内訳に組み替えて比較しております。
・これまで「沿線レジャー業」に含んでいた西武園ゆうえんちなどのレジャー施設に、不動産事業より移管した駅ナカコンビニ「トモニー」及び駅チカ保育所「Nicot」を加え、「沿線生活サービス業」を新設。
・これまで「沿線レジャー業」に含んでいた狭山スキー場やフィットネスクラブなどスポーツ施設を切り出し、「スポーツ業」を新設。
鉄道業、バス業では、緊急事態宣言期間中を中心に、特急電車や有料座席指定列車、高速バスなどの減便、運休などもおこないましたが、新型コロナウイルスに関連する感染予防のため、駅設備及び電車内の消毒、車両の換気の強化をしながら、基本的な営業を継続することにより、社会インフラとしての役割を果たしてまいりました。また、MaaSアプリ「SeMo」をサービスインし、川越エリアにおいて実証実験を開始するなど、事態収束後の成長につながる施策にも取り組んでまいりました。
しかしながら、鉄道業の旅客輸送人員は、前期比28.7%減(うち定期27.7%減、定期外30.4%減)、旅客運輸収入は、前期比28.8%減(うち定期24.3%減、定期外32.7%減)となりました。一進一退する感染状況の中で、お客さまのご利用状況の変化を踏まえ、鉄道業、バス業において路線・ダイヤを見直すなど、需要に見合ったオペレーション体制の構築に努めてまいりました。
沿線生活サービス業では、緊急事態宣言期間中を中心に、レジャー施設や駅ナカコンビニ「トモニー」の臨時休業などをおこなっておりましたが、緊急事態宣言解除後は、行政の段階的緩和に対する方針に基づき、三密回避やソーシャルディスタンスを意識し、一部で入場制限をおこなうなど感染予防策を講じながら、営業を再開することで、収益の回復に努めてまいりました。
さらに、西武園ゆうえんちにおいては、2021年のリニューアルを見据え工事を推進するなど、事態収束後の成長につながる施策に取り組んでまいりました。また、としまえんにつきましては、東京都の公園整備により2020年8月31日をもって閉園となりましたが、その跡地の一部敷地への「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 -メイキング・オブ ハリー・ポッター」施設の開発に関する契約を締結いたしました。
都市交通・沿線事業の営業収益は、新型コロナウイルス感染症流行による鉄道、バスの利用客減少に加え、レジャー施設などの臨時休業や入場制限などにより、1,225億97百万円と前期に比べ459億65百万円の減少(同27.3%減)となりました。不要不急のコスト削減に加え、需要動向を踏まえた営業形態の見直しによる固定費削減に努めるとともに、休業期間中の一部施設の固定費の特別損失への振替計上もありましたが、減収により、営業損失は、98億17百万円(前期は、営業利益228億29百万円)となり、償却前営業利益は、123億92百万円と前期に比べ322億16百万円の減少(同72.2%減)となりました。
都市交通・沿線事業の主要な会社である西武鉄道株式会社の鉄道業の運輸成績は以下のとおりであります。
(西武鉄道株式会社の鉄道業の運輸成績)
|
種別 |
単位 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
|
|
営業日数 |
日 |
366 |
365 |
|
|
営業キロ |
キロ |
176.6 |
176.6 |
|
|
客車走行キロ |
千キロ |
177,016 |
176,087 |
|
|
輸送人員 |
定期 |
千人 |
419,719 |
303,513 |
|
定期外 |
千人 |
242,268 |
168,709 |
|
|
計 |
千人 |
661,988 |
472,222 |
|
|
旅客運輸収入 |
定期 |
百万円 |
45,912 |
34,755 |
|
定期外 |
百万円 |
53,668 |
36,107 |
|
|
計 |
百万円 |
99,580 |
70,863 |
|
|
運輸雑収 |
百万円 |
4,070 |
3,641 |
|
|
収入合計 |
百万円 |
103,651 |
74,504 |
|
|
一日平均収入 |
百万円 |
272 |
194 |
|
|
乗車効率 |
% |
39.4 |
27.0 |
|
(注)1 乗車効率は 延人キロ/(客車走行キロ×平均定員)×100 により、算出しております。
2 千キロ未満、千人未満及び百万円未満を切り捨てて表示しております。
3 運輸雑収は鉄道業以外の収入を含んでおります。
②ホテル・レジャー事業
ホテル・レジャー事業の内訳はホテル業(シティ)、ホテル業(リゾート)、海外ホテル業、スポーツ業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
|
|
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
増減額 |
|
|
営業収益 |
227,452 |
84,050 |
△143,402 |
|
|
|
ホテル業(シティ) |
118,461 |
32,119 |
△86,342 |
|
|
|
ホテル業(リゾート) |
40,141 |
16,647 |
△23,494 |
|
|
|
海外ホテル業 |
27,064 |
9,587 |
△17,477 |
|
|
|
スポーツ業 |
22,069 |
12,760 |
△9,308 |
|
|
|
その他 |
19,715 |
12,934 |
△6,780 |
|
(注)1 ホテル業(シティ)には主に大都市圏の中心商業地域やターミナル及びその周辺地域に立地するホテルを含んでおります。ホテル業(リゾート)には主に観光地や避暑地に立地するホテルを含んでおります。
2 以降の項目において、ホテル業(シティ)に属するホテルを「シティ」、ホテル業(リゾート)に属するホテルを「リゾート」と称する場合があります。
3 セグメント区分新設、変更にともない、事業の内訳についても新設、変更をおこなっており、前期比較について、前期の数値を変更後の内訳に組み替えて比較しております。
・これまで「その他」に含んでいたステイウェル ホールディングス Pty Ltdなどが展開する海外のホテルに、従来ハワイ事業として報告していたハワイで展開するホテルを加え、「海外ホテル業」を新設。
・「ゴルフ場業」にこれまで「ホテル業(シティ)」「ホテル業(リゾート)」に含んでいたボウリング場など、「その他」に含んでいたスキー場などを加え、「スポーツ業」を新設。
ホテル業、スポーツ業では、緊急事態宣言期間中を中心に、一部を除き臨時休業を余儀なくされておりましたが、そのような中でも、品川プリンスホテルにおいて新型コロナウイルス感染症の軽症者の受入をおこなうなど、社会全体の感染拡大防止にも貢献してまいりました。緊急事態宣言解除後は、行政の段階的緩和に対する方針に基づき順次営業を再開してまいりましたが、その中では、前述のように、安全・安心な環境を提供するためのサービススタンダード「プリンス セーフティー コミットメント」を導入するとともに、政府の「Go To キャンペーン事業」への取り組みや「東京都民応援キャンペーン」~I LOVE TOKYO~といった宿泊プランを打ち出すなど、感染予防策徹底による従業員ならびにお客さまの安全・安心の確保、お客さま目線によるスピード感を持ったサービス展開に取り組み、早期の収益回復に努めてまいりました。また、リモートウエディングプランや東日本旅客鉄道株式会社と連携したワーケーション普及への取り組み、株式会社アルムと連携したPCR検査をオプションとした宴会場利用プランなど、コロナ禍の価値変容に対応した新たな商品造成に取り組んでまいりました。しかしながら、ホテル業のRevPAR(注)については、臨時休業及び営業再開後においても利用客が伸び悩んだことにより、3,029円と前期に比べ8,607円減と大きく落ち込みました。一進一退する感染状況の中で、従業員の配置の見直しや業務の内製化など、需要に合わせたオペレーション体制の構築に取り組んでまいりました。
海外ホテル業でも、各地域の感染状況に鑑み、ハワイで展開するホテルや2019年9月に英国・ロンドンでリブランドオープンした「The Prince Akatoki London」を含め、臨時休業などの対応をおこないました。営業可能なホテルにおいては、各国の基準に応じた感染防止策を実施することでお客さまに安全・安心な環境を提供してまいりました。
(注)RevPARとは、Revenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を客室総数で除したものであります。
そのほか、横浜・八景島シーパラダイスなどのレジャー施設において、緊急事態宣言期間中を中心に、臨時休業を余儀なくされましたが、緊急事態宣言解除後は、行政の段階的緩和に対する方針に基づき、三密回避やソーシャルディスタンスを意識し、一部で入場制限をおこなうなど感染予防策を講じながら、営業を再開することで、収益の回復に努めてまいりました。また、2020年9月1日には運営受託方式(MC)により「東京ベイ潮見プリンスホテル」を開業、2020年10月8日には次世代型ホテルブランド1号店「プリンス スマート イン 恵比寿」を開業するとともに、2021年4月21日に開業した「プリンス スマート イン 熱海」についてもその開業準備を着実に進めるなど、事態収束後の成長につながる施策にも取り組んでまいりました。
ホテル・レジャー事業の営業収益は、ホテル、ゴルフ場、レジャー施設などの臨時休業や、営業再開後における利用客の減少などにより、840億50百万円と前期に比べ1,434億2百万円の減少(同63.0%減)となりました。不要不急のコスト削減に加え、需要の動向に応じて営業形態を見直すなど固定費の削減に努めるとともに、休業期間中の一部施設の固定費の特別損失への振替計上もありましたが、減収により、営業損失は、534億13百万円(前期は、営業利益85億33百万円)となり、償却前営業損失は、381億45百万円(前期は、償却前営業利益286億87百万円)となりました。
ホテル・レジャー事業のホテル業(シティ)、ホテル業(リゾート)及び海外ホテル業の定量的な指標は以下のとおりであります。
(ホテル業の施設概要)
|
|
施設数 (か所) |
客室数 (室) |
宴会場数 (室) |
宴会場面積 (㎡) |
|
シティ |
15 |
10,619 |
210 |
51,047 |
|
高輪・品川エリア |
4 |
5,138 |
103 |
20,322 |
|
リゾート |
31 |
6,739 |
83 |
21,824 |
|
軽井沢エリア |
3 |
687 |
11 |
3,670 |
(注)1 面積1,000㎡以上の宴会場は20室であります。
2 シティの代表例として高輪・品川エリア、リゾートの代表例として軽井沢エリアを記載しております。
3 高輪・品川エリアに含まれるホテルはザ・プリンス さくらタワー東京、グランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪、品川プリンスホテルであります。
4 軽井沢エリアに含まれるホテルはザ・プリンス 軽井沢、ザ・プリンス ヴィラ軽井沢、軽井沢プリンスホテルであります。
5 リゾートの施設数、客室数に会員制ホテル事業「プリンス バケーション クラブ」の3施設71部屋を含んでおります。
(海外ホテル業の施設概要)
|
|
施設数 |
|
客室数 |
|
|
うち直営・リース |
うち直営・リース |
|||
|
海外ホテル業 |
35 |
6 |
5,678 |
1,611 |
|
ハワイエリア |
3 |
3 |
1,064 |
1,064 |
|
The Prince Akatoki |
1 |
1 |
82 |
82 |
(注)1 海外ホテル業の代表例としてハワイエリア、ラグジュアリーブランドであるThe Prince Akatokiを記載しております。
2 ハワイエリアに含まれるホテルとはプリンス ワイキキ、マウナ ケア ビーチ ホテル、ウェスティン ハプナ ビーチ リゾートの3ホテルを指します。
(ホテル業の営業指標)
|
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
|
|
RevPAR(円) |
シティ |
12,566 |
2,540 |
|
高輪・品川エリア |
12,474 |
1,622 |
|
|
リゾート |
9,757 |
4,021 |
|
|
軽井沢エリア |
20,585 |
10,674 |
|
|
宿泊部門全体 |
11,636 |
3,029 |
|
|
平均販売室料(円) |
シティ |
16,089 |
15,267 |
|
高輪・品川エリア |
15,487 |
14,031 |
|
|
リゾート |
16,401 |
18,980 |
|
|
軽井沢エリア |
29,811 |
33,095 |
|
|
宿泊部門全体 |
16,174 |
16,699 |
|
客室稼働率(%) |
シティ |
78.1 |
16.6 |
|
高輪・品川エリア |
80.5 |
11.6 |
|
|
リゾート |
59.5 |
21.2 |
|
|
軽井沢エリア |
69.1 |
32.3 |
|
|
宿泊部門全体 |
71.9 |
18.1 |
(注)1 シティの代表例として高輪・品川エリア、リゾートの代表例として軽井沢エリアを記載しております。
2 高輪・品川エリアに含まれるホテルはザ・プリンス さくらタワー東京、グランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪、品川プリンスホテルであります。
3 軽井沢エリアに含まれるホテルはザ・プリンス 軽井沢、ザ・プリンス ヴィラ軽井沢、軽井沢プリンスホテルであります。
4 RevPARとは、Revenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を客室総数で除したものであります。
5 ホテル業の営業指標については、工事等により営業休止中の施設・客室を含んでおりません。
なお、当連結会計年度における営業指標には、新型コロナウイルス感染症流行による臨時休業中の施設・客室を含んでおります。
6 会員制ホテル事業「プリンス バケーション クラブ」はリゾートに含んでおります。
(海外ホテル業の営業指標)
・ハワイエリアの営業指標
|
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
|
RevPAR (円) |
32,123 |
9,184 |
|
RevPAR (米ドル) |
279.33 |
86.64 |
|
平均販売室料 (円) |
38,782 |
36,368 |
|
平均販売室料 (米ドル) |
337.23 |
343.10 |
|
客室稼働率 (%) |
82.8 |
25.3 |
・The Prince Akatoki Londonの営業指標
|
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
|
RevPAR (円) |
35,260 |
6,143 |
|
RevPAR (ポンド) |
219.45 |
45.51 |
|
平均販売室料 (円) |
41,440 |
29,772 |
|
平均販売室料 (ポンド) |
257.91 |
220.57 |
|
客室稼働率 (%) |
85.1 |
20.6 |
(注)1 海外ホテル業の代表例としてハワイエリア、ラグジュアリーブランドであるThe Prince Akatokiのうち、2019年9月にリブランドオープンした直営のThe Prince Akatoki Londonを記載しております。
2 ハワイエリアに含まれるホテルとはプリンス ワイキキ、マウナ ケア ビーチ ホテル、ウェスティン ハプナ ビーチ リゾートの3ホテルを指します。
3 RevPARとはRevenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を客室総数で除したものであります。
(ホテル業における宿泊客の内訳)
(単位:名、%)
|
|
2020年3月期 |
比率 |
2021年3月期 |
比率 |
|
宿泊客 |
4,649,850 |
100.0 |
1,510,082 |
100.0 |
|
邦人客 |
3,481,011 |
74.9 |
1,506,310 |
99.8 |
|
外国人客 |
1,168,839 |
25.1 |
3,772 |
0.2 |
③不動産事業
不動産事業の内訳は不動産賃貸業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
|
|
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
増減額 |
|
|
営業収益 |
60,464 |
55,395 |
△5,068 |
|
|
|
不動産賃貸業 |
48,398 |
46,527 |
△1,870 |
|
|
|
その他 |
12,065 |
8,867 |
△3,197 |
|
(注)ホテル・レジャー事業より移管した株式会社西武SCCATについては、2021年3月期、2020年3月期ともに「その他」に含めております。
不動産賃貸業では、緊急事態宣言期間中を中心に、軽井沢・プリンスショッピングプラザなどの商業施設を、一部を除き臨時休業としておりましたが、緊急事態宣言解除後は行政の段階的緩和に対する方針に基づき、三密回避やソーシャルディスタンスを意識し、一部で入場制限をおこなうなど感染予防策を講じながら、営業を再開してまいりました。また、賃貸施設における賃料減免など、取引先とともにこの難局を乗り越えていけるように対応してまいりました。さらに、所沢駅東口駅ビル計画「グランエミオ所沢」第Ⅱ期について、2020年9月2日に開業するとともに、コロナ禍で進む価値変容・行動変容に対応した賃貸ユニットハウスの展開やシェアオフィスの拡大など、事態収束後の成長を見据えた施策にも取り組んでまいりました。
不動産事業の営業収益は、2019年4月に開業したダイヤゲート池袋の賃料増があったものの、前期におこなったマンション引渡しの反動減に加え、商業施設の臨時休業や利用客の減少などにより、553億95百万円と前期に比べ50億68百万円の減少(同8.4%減)となりました。営業利益は、不要不急のコスト削減に加え、休業期間中の一部施設の固定費を特別損失として振替計上したこともありましたが、減収により、154億22百万円と前期に比べ20億24百万円の減少(同11.6%減)となりました。償却前営業利益は、274億42百万円と前期に比べ17億50百万円の減少(同6.0%減)となりました。
不動産事業の定量的な指標は以下のとおりであります。
(建物賃貸物件の営業状況)
|
|
期末貸付面積 (千㎡) |
期末空室率 (%) |
||
|
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
|
商業施設 |
246 |
246 |
1.0 |
2.7 |
|
オフィス・住宅 |
208 |
205 |
2.0 |
3.5 |
(注)土地の賃貸は含んでおりません。
④建設事業
建設事業の内訳は建設業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
|
|
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
増減額 |
|
|
営業収益 |
111,771 |
96,134 |
△15,636 |
|
|
|
建設業 |
80,252 |
68,644 |
△11,607 |
|
|
|
その他 |
31,519 |
27,489 |
△4,029 |
|
(注)1 建設業には西武建設株式会社による兼業事業売上高を含んでおります。西武建設株式会社は、保有不動産の一部を賃貸しており、当該売上高を建設業の営業収益に計上しております。
2 2020年4月1日に設立した西武アグリ株式会社は「その他」に含んでおります。
建設業では、新型コロナウイルス感染症対策として各工事現場で休工などの対応もおこないましたが、感染予防策を徹底しながら、公共工事や民間住宅工事などの施工を進めるとともに、グループ外工事の受注強化や原価管理の徹底などに取り組みました。
建設事業の営業収益は、新型コロナウイルス感染症流行にともなう工事進捗の減少などにより、961億34百万円と前期に比べ156億36百万円の減少(同14.0%減)となり、営業利益は、40億58百万円と前期に比べ15億78百万円の減少(同28.0%減)となり、償却前営業利益は、45億52百万円と前期に比べ15億35百万円の減少(同25.2%減)となりました。
建設事業の定量的な指標は以下のとおりであります。
(建設業の受注高の状況)
(単位:百万円)
|
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
|
期首繰越高 |
88,975 |
77,871 |
|
期中受注高 |
68,793 |
58,890 |
|
期末繰越高 |
77,871 |
68,454 |
⑤その他
伊豆箱根事業や近江事業においては、鉄道、バスについて基本的な営業を継続することで社会インフラとしての役割を果たすなど、地域社会とともにこの事態を乗り越えていけるように取り組んでまいりました。
今般新設したスポーツ事業においては、埼玉西武ライオンズではシーズン開幕が延期となる中で、選手や球団関係者の感染防止策を徹底しながらチーム強化に努めるとともに、ステイホームを応援すべく積極的な情報発信に努めてまいりました。シーズンは2020年6月19日に無観客試合で開幕いたしましたが、行政の方針に基づき、入場制限を段階的に緩和して開催してまいりました。また、メットライフドームエリアの改修について、2021年3月26日にリニューアルオープンを迎えるなど、将来の成長につながる施策にも取り組んでまいりました。株式会社横浜アリーナではイベントの延期や無観客でのライブ開催受け入れ、また行政の方針に基づき、入場制限が緩和される中で、徐々に観客を入れたイベント開催を受け入れるなど、主催者側と一体となってこの難局を乗り越えていけるように対応してまいりました。
そのほか、事態収束後を見据え、新規事業分野創出に向けた取り組みとして、2020年5月1日に新規事業分野への投資及び管理をおこなう株式会社ブルーインキュベーションを、さらに2020年6月1日に事業運営会社として株式会社ブルーミューズを設立いたしました。
営業収益は、埼玉西武ライオンズのシーズン開幕延期や開幕後の入場制限、横浜アリーナでのイベント中止などに加え、伊豆箱根事業及び近江事業で外出自粛などの影響を受けたことにより、267億60百万円と前期に比べ174億55百万円の減少(同39.5%減)となりました。不要不急のコスト削減に加え、休業期間中の一部施設の固定費の特別損失への振替計上もありましたが、減収により、営業損失は、75億62百万円(前期は、営業利益18億74百万円)となり、償却前営業損失は、34億99百万円(前期は、償却前営業利益56億42百万円)となりました。
なお、都市交通・沿線事業及びホテル・レジャー事業におけるスポーツ業、ならびにその他に含まれるスポーツ事業の営業収益の合計は、266億59百万円であり、前期に比べ183億82百万円の減少(同40.8%減)となりました。
(2) 生産、受注及び販売の実績
当社グループは役務提供を中心とした事業展開をおこなっており、生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため生産、受注及び販売の実績については、「(1)業績」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
(3) 財政状態、経営成績の分析
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載されているとおりであります。
② 財政状態の分析
1 資産
流動資産は、1,240億86百万円と前連結会計年度末に比べ21億18百万円増加いたしました。その主たる要因は、株式会社プリンスホテル等の未収還付消費税が増加したことなどによる流動資産「その他」の増加(87億49百万円)であります。
固定資産は、1兆5,744億10百万円と前連結会計年度末に比べ114億5百万円減少いたしました。その主たる要因は、有形固定資産及び無形固定資産の減少(145億80百万円)であります。
以上の結果、総資産は1兆6,984億97百万円と前連結会計年度末に比べ92億87百万円減少いたしました。
2 負債
流動負債は、3,788億83百万円と前連結会計年度末に比べ174億52百万円減少いたしました。その主たる要因は、株式会社プリンスホテル等の工事未払金が減少したことなどによる流動負債「その他」の減少(115億57百万円)であります。
固定負債は、9,339億26百万円と前連結会計年度末に比べ40億94百万円減少いたしました。その主たる要因は、退職給付に係る負債の減少(79億84百万円)であります。
以上の結果、負債合計は1兆3,128億9百万円と前連結会計年度末に比べ215億47百万円減少いたしました。
3 純資産
純資産は、3,856億87百万円と前連結会計年度末に比べ122億59百万円増加いたしました。その主たる要因は、当社連結子会社の優先株式発行などによる非支配株主持分の増加(798億55百万円)であります。
なお、総資産の減少(92億87百万円)及び利益剰余金の減少(755億15百万円)などにより、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ3.9ポイント低下し17.6%となっております。
③ 経営成績の分析
1 営業収益及び営業利益
営業収益は、新型コロナウイルス感染症の流行及び新たな生活様式の広がりを受けた需要減少、施設の営業休止などにより、3,370億61百万円(前期比39.2%減)となり、減収により、営業損失は515億87百万円(前期は、営業利益568億23百万円)となりました。
なお、各セグメントにおける業績につきましては、「(1) 業績」をご覧ください。
2 営業外損益及び経常利益
営業外収益は、受取保険金の増加(8億29百万円)などにより、54億70百万円(前期比61.7%増)となり、営業外費用は、株式交付費(14億8百万円)などにより、126億68百万円(前期比10.8%増)となりました。
以上の結果、経常損失は587億85百万円(前期は、経常利益487億70百万円)となりました。
3 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は、固定資産売却益の増加(152億81百万円)、雇用調整助成金等受入額(114億89百万円)などにより、334億47百万円(前期は、特別利益19億40百万円)となりました。
特別損失は、臨時休業等による損失(189億4百万円)などにより、466億32百万円(前期比46.0%増)となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純損失は719億70百万円(前期は、税金等調整前当期純利益187億73百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は723億1百万円(前期は、親会社株主に帰属する当期純利益46億70百万円)となりました。
(4) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4億82百万円増加し、当連結会計年度末には285億38百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失719億70百万円に、減価償却費や法人税等の支払額などを調整した結果、242億64百万円の資金支出(前連結会計年度は、1,014億58百万円の資金収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、475億37百万円の資金支出となり、前連結会計年度に比べ491億18百万円の資金支出の減少となりました。その主たる要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出の減少(290億64百万円)であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、当社連結子会社の優先株式発行などにより、723億94百万円の資金収入(前連結会計年度は、30億25百万円の資金支出)となりました。
(5) 資本の財源及び資金の流動性について
「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおり、「西武グループ長期戦略」における財務戦略では、ステークホルダーへの還元と、成長に資する投資の実施を最適なバランスでおこなっていくことを方針として定めております。また、当社グループの資金調達は、金融機関からの借入や社債の発行など、市場環境や金利動向などを総合的に勘案しながら決定しており、鉄道業・ホテル業を中心とした日々の収入金により必要な流動性資金を確保するとともに、キャッシュマネジメントシステム(CMS)などによりグループ内余剰資金の有効活用に努めております。
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中、当連結会計年度は、主力金融機関からの借入やコミットメントラインの拡大などにより、2,500億円超の資金手当てをおこなうことで、営業収益の減少に対して充分な備えをいたしました。また、役員報酬や従業員賞与の削減、不要不急のコストや設備投資を抑制するとともに、施設・事業の休業や営業形態の見直しによる水道光熱費・動力費削減や雇用調整助成金の活用を視野に入れた休業の実施など、キャッシュ流出抑制に努めてまいりました。さらには、財務基盤の強化を企図し、連結子会社による優先株式発行や杉田ゴルフ場の売却を実施いたしました。
これらに加えて、純資産の棄損を最小限にとどめるため、当連結会計年度の配当につきましては誠に遺憾ながら無配といたしました。結果として、当連結会計年度末の手元現預金は288億16百万円と過年度と同水準を維持しましたが、大幅な減収により、自己資本の残高は2,997億42百万円、自己資本比率は17.6%、借入金及びリース債務を含むネット有利子負債の残高は9,083億40百万円、ネット有利子負債/EBITDA倍率は482.4倍と、当社グループの財務体質は大幅に悪化いたしました。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、新中期経営計画におきましては、「アセットライト」や「損益分岐点の引き下げ」などをテーマに「経営改革」を断行いたしますが、その中では、資本効率や最適資本構成について「中長期的に目指す水準」を設定し、その改善に向けて進捗状況を管理してまいります。
新中期経営計画では、「ニューノーマルに合わせたサービス変革」や「損益分岐点の引き下げ」などの「経営改革」断行により営業キャッシュ・フローを改善させてまいります。また、投資キャッシュ・フローにつきましては、新宿線連続立体交差事業や軽井沢プリンスホテル ウエスト改装、所沢駅西口開発計画などの将来の成長に資する案件について資本コスト3.71%を意識し事業別ハードルレート運用により厳選のうえ実行することや「アセットライト」をテーマに資産・事業の売却や流動化を実行することなどにより改善させてまいります。以上によりフリーキャッシュ・フローを拡大することで得られた資金については、当面はコロナ禍で悪化した財務体質の改善が最優先であるとの考えのもと、社債(SDGs債)やサステナビリティ・リンク・ローンなどにより調達手段・手法の多様化をはかりつつ、まずは有利子負債の圧縮に活用してまいります。それと同時に、株主のみなさまへの還元も重視し、利益配分に努めてまいります。
また、一部借入金、貸出コミットメントラインに係る財務制限条項抵触リスクに対しては、金融機関と適時適切な情報共有をはかりながら必要に応じて協議を進めてまいります。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループ全体の事業基盤に一層影響を及ぼす可能性のある新型コロナウイルス感染症に関する影響等の現在の状況は以下のとおりです。
・新型コロナウイルス感染症に関する影響等
感染状況の一進一退が続く中、当社グループの各事業においては、消毒や換気の徹底、終電車の繰り上げ、一部列車の運休、営業時間・営業形態の変更等、感染予防・感染拡大の防止に努め、事業活動をおこなっております。今後もさらなる新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、国内外の各種経済情勢への影響が長期化した場合や、国内外からの観光客の減少が継続した場合、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等における一部施設の休業やお客さまの出控えの継続、及びソーシャルディスタンスを意識した営業形態を余儀なくされ、お客さまが減少する場合、ならびにアフターコロナの社会において、リモートワークの普及による通勤の減少や、オンライン上での交流の活発化による外出の減少等の価値変容が生じた場合に、営業収益の減少や対策費用が発生し、当社グループの業績及び財務状況に一層影響を与える可能性があります。
当社グループの従業員については、グループ各社の情報通信インフラの状況に応じたリモートワークを活用した在宅勤務の実施、オフィス在社人員の削減や、業務上の必要により出勤する場合における、通勤電車の混雑時間帯を明確に避けた出退勤(時差出退勤)の徹底、一定の場合におけるPCR検査等の実施の義務化、罹患又は濃厚接触者の発生に備えた「新型コロナウイルス対応基準」の設定等、万全の注意を払っておりますが、従業員への感染が拡大した際、通常営業に支障が出ることが懸念されます。この場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、減収にともなう営業キャッシュ・フローの低下が見込まれるものの、不要不急のコスト、設備投資を繰り延べ、収益構造を改善し、キャッシュ・フローのコントロールに努めるとともに、借入やコミットメントラインの拡大などにより、足もとの必要運転資金を確保したほか、当社グループの財務基盤強化を目的とし、「当社株式の希薄化を伴わないグループとしての資本性資金の調達」として、当社連結子会社における優先株式の発行を実施いたしました。さらに、アセットライトな事業運営をすべく、経営改革を実行し、資産・事業の売却・流動化を検討しております。しかし、新型コロナウイルス感染症の長期化により資金需要がさらに拡大した場合、当社グループの業績及び財務状況に一層影響を与える可能性があります。
さらに、与信管理については、取引先に対する賃料の減額、支払いサイトの見直しなど柔軟に対応しながら、与信管理に関するリスクの対応策として取引先の財務状況の把握、債権残高の把握、与信チェックにより与信管理体制の強化に努めております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の長期化により、各種取引先の資金繰りの一斉悪化や、デフォルト等により、多額の代金の回収に支障を来した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
新型コロナウイルス感染拡大による当社グループの業績に与える影響に関しては、「(1) 業績」に記載のとおり、2020年4月7日に発出された緊急事態宣言や外出自粛にともない、施設の臨時休業などにより需要が激減するなど大きな影響を受けました。緊急事態宣言解除後、一進一退する感染状況や新たな生活様式の広がりによりお客さまの利用の回復ペースは鈍く、今年度のみならず来年度以降も厳しい状況が続く可能性があることから、2020年9月24日に、この厳しい環境に向き合い乗り越えていくための当社グループの経営の構えを公表し、「経営改革」を断行していくことを決定いたしました。今後についても、緊急事態宣言の再発出などもあり先行きの不透明感が増しておりますが、2021年5月13日に開示いたしました「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」では、「「アフターコロナの社会における目指す姿」を見据え、コロナショックを乗り越え、飛躍への道筋をつける。」をテーマとしております。当社グループが直面している厳しい事業環境に対峙し、「経営改革」「デジタル経営」「サステナビリティ」の3点を骨子とした取り組みを進めることで、「最良、最強の生活応援企業グループ」の実現に挑戦してまいります。
(7) 経営者の問題意識と今後の方針について
|
|
新型コロナウイルス感染症が猛威をふるい、経済活動に大きな影響が出ている中、当社グループにおきましても、出控えによる需要の減少などに直面し、非常に厳しい事業環境下にあります。当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は723億円と、当社設立以来最大の赤字決算となりました。 当連結会計年度におきましては、この難局を乗り越えることに注力し、安全・安心を最優先に事業運営をおこなうとともに、キャッシュ流出抑制のため、取締役報酬の減額や、従業員賞与の減額、不要不急のコスト・設備投資の削減などの緊急対応策に対しスピード感を持って取り組んでまいりました。また、財務基盤の強化を企図し、連結子会社による優先株式発行や杉田ゴルフ場の売却などもおこないました。一方で、純資産の棄損を最小限にとどめるため、誠に遺憾ながら、当連結会計年度の配当金は無配といたしました。 感染状況の一進一退や新たな生活様式の広がりを踏 |
まえ、このような厳しい事業環境が当面続く可能性があると考えたため、2020年9月24日にはコロナショックを乗り越えるため「経営改革」を断行していくことを決定のうえ、当社が中心となり、その具体的な検討を進めてまいりました。そして、2021年5月13日には、「「アフターコロナの社会における目指す姿」を見据え、コロナショックを乗り越え、飛躍への道筋をつける。」をテーマに、下記3点を骨子とした新中期経営計画を決定いたしました。
第一に、「経営改革」です。コロナ禍で浮き彫りになった経営課題へまっすぐ挑み、「アセットライトな事業運営」「損益分岐点の引き下げ」「ニューノーマルに合わせたサービス変革」の3点をテーマとし、聖域なく断行いたします。特に、繰り返し起こるものと想定される危機に対応し、いかなる状況下でも企業価値・株主価値の極大化を果たしていけるように、企業体質を強化すべく、下記2点をポイントに、これまでのビジネスモデルを大きく刷新することを決定いたしました。
1つ目は、「アセットライト」をテーマとしたビジネスモデルの変革です。
これまでの当社グループは、資産保有を前提としたビジネスモデルで成長を果たしてまいりましたが、今般のような危機に対しては、柔軟かつ機動的な対応が困難であることから、将来へ向けては、いかなる事業環境下においても持続的成長を果たせる企業体質へ進化すべく、資産・事業の売却・流動化を進めてまいります。その中では、単純に資産売却をするのではなく、例えばホテルについては、運営受託という形でオペレーターとして継続関与していくことを前提として考えています。
2つ目は、グループ内資産の保有と運営の完全な分離による、「オペレーター」と「アセットホルダー」それぞれの競争力向上です。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、株式会社プリンスホテルと株式会社西武プロパティーズのグループ内組織再編は、まさにこのポイントを実現するために決断した内容です。このグループ内組織再編実行にともない、新たな株式会社プリンスホテルは「ホテルオペレーター」専業となり、アセットライトに事業を展開し、業界No.1クオリティのホテルチェーンを構築すること、新たな株式会社西武プロパティーズは「アセットホルダー」として、株式会社プリンスホテルが保有していた資産を受け入れ、それらを含めたグループ全体の不動産価値最大化をはかるべく、不動産事業会社として、業容を拡大し、総合不動産会社へ飛躍することを、それぞれ目指します。
上記2つのポイントを中心に、「アフターコロナの社会における目指す姿」に向けて、聖域なくスピード感を持って取り組んでまいります。
第二に「デジタル経営」です。デジタル技術の発達やコロナショックにより、お客さまのニーズの多様化や価値変容・行動変容が急速に進む中で、あらゆる業種においてデジタルプラットフォーマーによる異業種競争に拍車がかかっております。当社グループにおきましても、この変化を機会ととらえ、デジタル活用により、豊富なアセットを最大限活用したリアルビジネスに付加価値を加え、「西武グループのファン」を拡大してまいります。
第三に「サステナビリティ」です。当社グループは「安全」「環境」「社会」「会社文化」の4領域12項目のアジェンダにおいて、持続可能な社会実現のため「サステナビリティアクション」に取り組んでおります。新中期経営計画においては、特に「環境」についてより踏み込んだ「グリーン経営」を実践してまいります。また、TCFD提言に賛同する旨を決定いたしました。気候変動リスク・ビジネス機会双方の影響を適切に認識しつつ、西武グループ環境負荷低減目標に向けて積極的な取り組みを進めるとともに、その取り組み状況を積極的に開示してまいります。
以上の3点に全力で取り組むことで長期的な成長への足がかりとし、持続的な企業価値・株主価値の向上、さらには、経済的価値と社会的価値の両立を目指してまいります。
なお、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおり、新中期経営計画3ヵ年において収益回復をはかること等を前提に、翌連結会計年度の期末配当予想を「5円」とし、まずは復配することを計画しております。当連結会計年度の年間「無配」という決断にご理解いただいた株主の皆さまには感謝申し上げますとともに、一刻も早く株主の皆さまのご支援に応えてまいりたいと思います。
当社グループは、これまでもリーマンショックや東日本大震災などの難局に力強く対処し、乗り越えてまいりました。この度のコロナショックも、これまでに培ったグループの団結力、挑戦心により、必ずや打ち勝ってまいります。
(A種優先株式に関する投資契約)
当社は、財務キャッシュ・フロー関連の取り組みとして検討していた「当社株式の希薄化を伴わないグループとしての資本性資金の調達」として、2020年11月12日開催の取締役会において、当社の連結子会社である西武鉄道株式会社及び株式会社プリンスホテルが、株式会社みずほ銀行及び株式会社日本政策投資銀行に対して第三者割当の方法により総額800億円の優先株式(以下「本優先株式」といいます。)を発行することを承認し、各発行会社及び割当先との間で本優先株式の引受に関する投資契約書(以下「本契約」といいます。)を締結することを決議いたしました。当社は同日付で本契約を締結し、本優先株式は2020年11月26日に払込みが完了しております。本優先株式及び本契約の概要等は、以下のとおりです。
西武鉄道株式会社
|
(1)種類株式名称 |
A種優先株式 |
|
(2)発行新株式数 |
700株 |
|
(3)発行価額 |
1株につき1億円 |
|
(4)調達資金の額 |
700億円 |
|
(5)資本組入額 |
350億円(1株につき5,000万円) |
|
(6)払込期日 |
2020年11月26日 |
|
(7)募集又は割当方法 (割当先) |
株式会社みずほ銀行(350株)及び株式会社日本政策投資銀行(350株)に対する第三者割当方式 |
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(8)A種優先株式及び 本契約の内容 |
・西武鉄道株式会社の普通株式を有する株主等に先立ち、A種優先配当金を 支払います。 ・割当先に対する残余財産の分配は、西武鉄道株式会社の普通株式を有する 株主等に先立ち支払います。 ・割当先は、西武鉄道株式会社の株主総会において議決権を行使できませ ん。 ・西武鉄道株式会社は、2021年11月26日以降、いつでも、払込金額に未払累 積配当金及び経過優先配当金相当額を加算した額(本(8)において、 以下「本償還価額」といいます。)の金銭を支払うことにより、A種優先 株式の全部又は一部を取得することができます。また、西武鉄道株式会社 は、本契約上、2025年11月26日までに、かかる金銭を対価とする取得条項 によりA種優先株式を償還する最大限の努力義務を負います。 ・割当先の西武鉄道株式会社に対する取得請求権は一切ありませんが、本契 約上、(i)2025年11月27日が到来した場合、又は(ii)以下に定める事由が発 生し、割当先が請求した場合には、当社は割当先からA種優先株式等の全 部を本償還価額で買い取る義務を負います。 ①西武鉄道株式会社が2事業年度連続してA種優先株式に係る優先配当金 の全部又は一部を支払わなかった場合 ②西武鉄道株式会社の分配可能額が、A種優先株式に係る金銭を対価とす る取得条項の発動を可能とするために必要となる額を下回った場合 ③上記の他、本契約に定める場合 ・当社及び西武鉄道株式会社の普通株式を対価とする取得条項はありませ ん。 ・割当先は、当社及び西武鉄道株式会社の承諾がない限り、当社以外の者 に対してA種優先株式を譲渡できません。 ・当社は、本契約上、当社が西武鉄道株式会社に対して直接有する議決権比 率を100%に維持する義務を負います。 |
株式会社プリンスホテル
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(1)種類株式名称 |
A種優先株式 |
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(2)発行新株式数 |
100株 |
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(3)発行価額 |
1株につき1億円 |
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(4)調達資金の額 |
100億円 |
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(5)資本組入額 |
50億円(1株につき5,000万円) |
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(6)払込期日 |
2020年11月26日 |
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(7)募集又は割当方法 (割当先) |
株式会社みずほ銀行(50株)及び株式会社日本政策投資銀行(50株)に対する第三者割当方式 |
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(8)A種優先株式及び 本契約の内容 |
・株式会社プリンスホテルの普通株式を有する株主等に先立ち、A種優先配 当金を支払います。 ・割当先に対する残余財産の分配は、株式会社プリンスホテルの普通株式を 有する株主等に先立ち支払います。 ・割当先は、株式会社プリンスホテルの株主総会において議決権を行使でき ません。 ・株式会社プリンスホテルは、2021年11月26日以降、いつでも、払込金額に 未払累積配当金及び経過優先配当金相当額を加算した額(本(8)にお いて、以下「本償還価額」といいます。)の金銭を支払うことにより、A 種優先株式の全部又は一部を取得することができます。また、株式会社プ リンスホテルは、本契約上、2027年11月26日までに、かかる金銭を対価と する取得条項によりA種優先株式を償還する最大限の努力義務を負いま す。 ・割当先の株式会社プリンスホテルに対する取得請求権は一切ありません が、本契約上、(i)2027年11月29日が到来した場合、又は(ii)以下に定める 事由が発生し、割当先が請求した場合には、当社は割当先からA種優先株 式等の全部を本償還価額で買い取る義務を負います。 ①株式会社プリンスホテルが、2023年度以降2事業年度連続してA種優先 株式に係る優先配当金の全部又は一部を支払わなかった場合 ②株式会社プリンスホテルの分配可能額が、A種優先株式に係る金銭を対 価とする取得条項の発動を可能とするために必要となる額を下回った場 合 ③上記の他、本契約に定める場合 ・当社及び株式会社プリンスホテルの普通株式を対価とする取得条項はあ りません。 ・割当先は、当社及び株式会社プリンスホテルの承諾がない限り、当社以 外の者に対してA種優先株式を譲渡できません。 ・当社は、本契約上、当社が株式会社プリンスホテルに対して直接有する議 決権比率を100%に維持する義務を負います。 |
該当事項はありません。