第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 本資料に記載されている当社グループの業績予想、目標、計画、予想その他の将来情報については、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき作成した当該時点における当社の判断又は考えに過ぎず、実際の当社グループの業績、財政状態その他の結果は、国内外の政治、経済、金融情勢の変動や、意図する施策の状況その他の本資料の作成時点で不確実な要素等により、本資料の内容又は本資料から推測される内容と大きく異なる場合があります。

 当社グループは、2006年に制定したグループの経営理念及び経営方針である「グループビジョン」と、グループのコンプライアンスに関する基本原則を定めた「西武グループ企業倫理規範」のもと、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業、不動産事業のほか、スポーツ事業など幅広い事業活動を通じて、その社会的責任を果たし、新たな行動と感動を創造することにより、お客さまに信頼され、選ばれる企業グループを目指しております。

 「グループビジョン」は、グループの役割・使命及び基本姿勢を示した「グループ理念」、この理念を実現するための行動指針「グループ宣言」及びこれらをお客さまへのメッセージとして集約した「スローガン」から構成され、内容は以下のとおりであります。

 

<グループビジョン>

 

☆グループ理念

 私たち西武グループは地域・社会の発展、環境の保全に貢献し、安全で快適なサービスを提供します。また、お客さまの新たなる感動の創造に誇りと責任を持って挑戦します。

 

☆グループ宣言

 私たちは、「お客さまの行動と感動を創りだす」サービスのプロフェッショナルをめざします。

①誠実であること

・常に、「安全」を基本にすべての事業・サービスを推進します。

・常に、オープンで、フェアな心を持って行動します。

・常に、お客さまの声、地域の声を大切にします。

②共に歩むこと

・常に、自然環境、地球環境への配慮を忘れません。

・常に、地域社会の一員として行動します。

・常に、グループ内外と積極的に連携を図ります。

③挑戦すること

・常に、グローバルな視点を持って行動します。

・常に、時代を先取りする新しいサービスを提案します。

・常に、お客さまの生活に新しい感動を提供します。

 

☆スローガン

 でかける人を、ほほえむ人へ。

 

 

 企業価値の極大化に向け、「西武グループ長期戦略」に基づき、当社グループが保有する経営資源の有効活用をおこないながら、様々な事業・サービスを組み合わせて提供できる領域・付加価値を拡大し、あらゆる場面でお客さまの生活を応援していく企業グループとなることで、今後とも持続的かつ健全な成長を目指してまいります。

 

 このような中、当社グループは、2021年5月13日に「「アフターコロナの社会における目指す姿」を見据え、コロナショックを乗り越え、飛躍への道筋をつける。」をテーマに、「経営改革」「デジタル経営」「サステナビリティ」の3点を骨子とし、「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」(以下、「中期経営計画」)を策定いたしました。

 

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 中期経営計画では、事業環境の前提として、2022年度には新型コロナウイルス感染症の流行が収束に向かい、2023年度にはインバウンドや国内景気が回復していくと想定しております。そのような中で、当社グループは、コロナ禍で進んだ価値変容、行動変容はアフターコロナの社会に定着するとの想定から、それに対応しビジネスモデルを変革いたします。また、今回のコロナショックのような危機は今後も繰り返し起こるものと想定し、いかなる事業環境下においても、企業価値、株主価値の極大化を果たしていけるように企業体質を強化してまいります。

 これを踏まえ、中期経営計画は、当社グループの「アフターコロナの社会における目指す姿」を「最良、最強の生活応援企業グループ」とし、その実現に向けて取り組んでいく3ヵ年として策定し、2ヵ年目に入っています。

 当社グループは、これまでもこれからも「でかける人を、ほほえむ人へ。」を変わらぬスローガンとして掲げ、お客さま、地域社会とともに成長していく企業として、お客さまの行動と感動を創造し、豊かで持続可能な社会を実現してまいります。お客さま、地域社会、地球環境にとって「最良」であり、それを支えるために揺るがぬ安全・安心を守り抜き「最強」であることを目指し、BHAG(Big Hairy Audacious Goals)をキーワードにイノベーションに挑戦し続けます。

 

<中期経営計画の取り組み>

 ここからは、「経営改革」「デジタル経営」「サステナビリティ」の3点を骨子とした取り組みについて、その進捗と翌連結会計年度以降の取り組みをご説明いたします。

 

Topic1:経営改革

 コロナ禍で浮き彫りになった経営課題にまっすぐ挑み、以下のとおり、「アセットライトな事業運営」「損益分岐点の引き下げ」「ニューノーマルに合わせたサービス変革」という3つのテーマに対し、聖域なく「経営改革」を断行いたします。

 

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テーマ① アセットライトな事業運営

 繰り返し起こると想定される危機に対してより強固な体質を構築すべく、アセットの「保有」と「運営」の一体構造から、「アセットライト」をテーマにビジネスモデルを変革すべく、下記の方針に基づき、すべての資産・事業の内容について保有メリットや開発の余地、また、売却・流動化によるキャッシュ創出規模などを総合的に勘案し、峻別を進めてまいりました。

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 「売却・流動化」については、2021年7月1日には西武建材株式会社の株式譲渡、2021年12月に新横浜スクエアビルなどオフィスビルの流動化を実施いたしました。さらに、一歩踏み込んだ事業ポートフォリオの見直しとして、西武建設株式会社の株式95%を、2022年3月31日に株式会社ミライト・ホールディングスへ譲渡いたしました。また、ホテル・レジャー事業については、流動化について協議を進め、2022年2月10日には、GIC Private Limited(以下「GIC」といいます。)の関係会社であるReco Pine Private Limitedとの間で、株式会社プリンスホテル(現株式会社西武リアルティソリューションズ)が保有するホテル・レジャー事業の一部資産31物件について、収益の極大化を企図するとともに、当社グループのアセットライト化の推進とホテル・レジャー事業の一層の発展、さらには当社グループ全体の企業価値の極大化につなげ、当社グループとGICとの長期的なパートナーシップを構築することを目的として、法的拘束力を有する基本協定書を締結いたしました。流動化実施後(2022年度予定)においては、ホテルオペレーター会社「株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド(2021年12月13日設立)」が対象物件の運営業務を受託することとしており、GICとの長期的かつ強固なパートナーシップに基づき、GICが国内外において有するホテル経営の知見及び資金力を活用した安定的な成長投資により、また、GICが有する国内外の豊富なネットワークの活用により、ホテル・レジャー事業に係る資産の本源的な価値の極大化、及び業界No.1のホテルチェーンの構築を実現し、当社グループの「企業価値向上の原動力」であるホテル・レジャー事業の中長期的な成長をはかってまいります。

 また、継続保有する資産については、価値極大化をはかるため、株式会社プリンスホテルが保有するホテル・レジャー事業の資産も集約し総合不動産会社としてグループの保有資産の価値極大化をはかる「株式会社西武リアルティソリューションズ(2022年4月1日株式会社プリンスホテルから商号変更)」へのグループ内組織再編を決定し、2022年4月1日から新体制での運営に移行いたしました。

テーマ② 損益分岐点の引き下げ

 当連結会計年度の取り組みとして、都市交通・沿線事業におけるダイヤ改正・路線の見直しやホテル・レジャー事業における要員コントロールなどにより、恒常的な固定費低減に取り組んでまいりました。

 翌連結会計年度においては、テーマアセットライトな事業運営に向けた取り組みの進捗により、西武建設の株式譲渡による効果の発現を見込むほか、引き続きホテル・レジャー事業の一部資産の流動化等各事業において恒久的な固定費削減に努めてまいります。

 加えて、翌連結会計年度における取り組みとして、グループ各社のバックオフィス業務の共通化についても、下記のとおり、2023年度のシェアード会社の設立を目指し、具体的に設計、準備を進めてまいります。

 

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テーマ③ ニューノーマルに合わせたサービス変革

 「プリンスグランドリゾート軽井沢」を国内を代表する「ワーケーションリゾート」としての地位確立を目指すエリアと位置づけ、東日本旅客鉄道株式会社などと連携し、施設やサービス、商品の充足をおこないました。さらに、アウトドア事業領域の拡大に向け株式会社R.projectと提携いたしました(2021年10月1日「株式会社ステップアウト」設立)。

 引き続き、新たな時代において、西武グループのサービスをご利用いただくお客さまを広げ、満足いただくことで、多様なサービスを繰り返しご利用いただく「西武グループのファン」を増やしてまいります。

 

Topic2:デジタル経営

 攻めと守り双方の視点からデジタル経営を実現すべく、グループ会員組織「SEIBU PRINCE CLUB」を中心にグループ内外のデータをつなぎ利活用できる「グループマーケティング基盤」を構築してまいりました。その利活用により、前述のニューノーマルに合わせたサービス変革、さらには「西武グループのファン」獲得につなげてまいります。

 また、管理系基幹システムのグループ共通システム化などを進め、業務改革、働き方改革を実現し、固定費削減につなげます。

Topic3:サステナビリティ

 安全、環境、社会、会社文化の4領域12項目のアジェンダにおいて持続可能な社会実現のため「サステナビリティアクション」に取り組んでまいりました。中でも、環境への取り組みは、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言への賛同や、2020年度に設立した西武アグリ株式会社などにより西武グループ初となるソーラーシェアリングを開始するなど、気候変動が進む中でリスク・ビジネス機会双方の影響を適切に認識し、積極的に対応していく「グリーン経営」の実現に努めてまいりました。

 

<都市交通・沿線事業の経営改革>

 都市交通・沿線事業においても西武鉄道株式会社の定期収入はリモートワークの定着などにより需要減少が継続しており、人々の行動変容・価値変容が進むことによって、「移動」頻度も大きく見直されることとなり、定期収入がコロナ禍前の状態まで完全に回復する可能性が低くなっております。こうしたことから、上記の取り組みに加え、翌連結会計年度については、都市交通・沿線事業の損益構造をさらに見直すべく、下記のとおり、「組織・運営体制の見直し」「売上高向上」「固定費の低減」を柱に、「都市交通・沿線事業の経営改革」を推進いたします。

 

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 これらの施策実行により、都市交通・沿線事業の中核である西武鉄道株式会社が、新たな時代に対応し、シームレスな移動・暮らしや、スマートな事業運営を実現してまいります。

 

<今後に向けて>

 ホテル事業資産のアセットライト化、西武建設株式会社の株式譲渡により今後の成長に向けた財務基盤の拡充が実現することとなります。

 今後のホテル・レジャー事業及び不動産事業の成長戦略は、①株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドによる国内外のホテル拠点の拡大、②株式会社西武リアルティソリューションズが中心となり、2024年度以降本格化する都心エリアの大規模再開発をシームレスに実現することに加えて、軽井沢・箱根・富良野などの知名度の高いリゾートについても、サステナビリティを意識した上で、再開発に注力してまいります。これに上記都市交通・沿線事業の経営改革を加えて、アフターコロナの社会における持続的成長を実現してまいります。

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<重視する経営指標>

 「アフターコロナの社会における目指す姿」に向けて、「アセットライト」を意識し、下記4つの資本効率や最適資本構成を示す経営指標について「中長期的に目指す水準」を設定いたしました。

   ・ROE                10%以上

   ・ROA                3.5%以上

   ・自己資本比率             25~30%

   ・ネット有利子負債/EBITDA倍率  6倍台

 

 今後、これらの経営指標を重視し、経営改革などコロナショックを乗り越えていく進捗を管理してまいります。

 

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 当社グループは、今後も企業価値・株主価値の極大化に向けて企業運営をおこなってまいります。

2【事業等のリスク】

(当社のリスクマネジメント体制及び運用状況)

 当社グループは、事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、リスクの発生頻度や経営への影響を低減していくため、当社の経営戦略部を当社及び西武グループ全体のリスクマネジメント統括部署とし、同部担当の業務執行担当役員を、グループ全体のリスクマネジメントの実施及び運用の責任と権限を有するリスクマネジメント総括責任者とするとともに、当社において、当該リスクマネジメント総括責任者を議長とし、当社の各部長・室長を構成員とするリスクマネジメント会議を開催しております。

 また、グループ内子会社のうち、主要7社各社に、当該各社及びそれぞれの会社がガバナンスの観点から監督すべき系列の会社(以下「ガバナンス系列の会社」という。)におけるリスクマネジメントに関する社内体制を統括する部署としてリスクマネジメント統括部署を設置しています。さらに、当該主要7社各社のリスクマネジメント統括部署を担当する業務執行役員を、当該各社及びそれぞれの会社に属するガバナンス系列の会社におけるリスクマネジメントの実施及び運用の責任を有するリスクマネジメント責任者としています。

 各社リスクマネジメント統括部署は、リスクマネジメントの状況を取りまとめ、各社のリスクマネジメント総括責任者又はリスクマネジメント責任者に報告します。かかる報告を受けたリスクマネジメント責任者は、当該報告を取りまとめ、各社の取締役会及び内部監査部門、ならびに当社のリスクマネジメント総括責任者に報告しております。さらに、リスクマネジメント総括責任者は、これらの報告を取りまとめ当社の取締役会及び監査・内部統制部に報告しております。

 

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(当社グループの事業に関する主なリスク及び各リスクの発生可能性・影響度の評価)

 当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には次のようなものがあり、各リスクの発生可能性・影響度の評価は、下記のとおりであります。当社グループは、これらのリスクを十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をいたします。

 

 

発生可能性

・重要な訴訟

・法的規制とコンプライアンス

・食中毒や食品管理

・経済情勢

・収益構造

・自然災害・事故・感染症

・少子高齢化及びそれにともなう人材確保

・有利子負債

・為替変動

・与信管理

・競争激化

・中期経営計画

・気候変動

・風評

・保有資産の価値

・情報システム・情報管理

・技術革新

・観光客減少

・退職給付費用・退職給付

 債務

・協力企業・取引先

 

・燃料費・電気料金・

 原材料価格の高騰

 

(各リスクの内容及び対応状況)

 下記事項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は原則として当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経済情勢に関するリスク

 当社グループは、日本国内を主たるマーケットとして事業を展開しており、各種経済情勢の影響を受けております。当社グループでは、経済情勢・市況を常時把握し、大幅な情勢の変化の際には、迅速なグループ方針の決定と正確なグループ展開に努めるとともに、効率的な事業運営体制を構築することとしています。しかしながら、それでもなお、消費の低迷や雇用状況の悪化、企業活動の停滞、需要の減少、民間工事及び公共工事の減少、不動産市況の低迷、海外経済の下振れ、地政学的リスク等が当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(2) 法的規制とコンプライアンスに関するリスク

 当社グループでは、「西武グループ企業倫理規範」や「西武グループ人権方針」を定め、事業活動を通じてその社会的責任を果たすとともに、株主の皆さま及びお客さまをはじめとするすべてのステークホルダーからの信頼を獲得し、企業価値・株主価値を極大化させることに努めております。

 また、当社グループの各事業においては、それぞれ法的規制を受けております。各法的規制を遵守するために、当社グループは、経済法制遵守体制を徹底し、また、法令改正や各種規制に関する情報収集及び社内教育の実施をおこなうように努めております。

 

 都市交通・沿線事業等においては鉄道事業法、道路運送法等の法的規制を受けております。鉄道業では、鉄道事業法の定めにより、経営しようとする路線及び鉄道事業の種別毎に国土交通大臣の許可を受けなければならず(鉄道事業法第3条)、また、上限運賃の設定及び変更につき、国土交通大臣の認可を受けなければなりません(同第16条)。現在、鉄道業における当社グループの運賃は上限運賃に設定されているため、運賃の引上げには国土交通大臣の認可が必要となります。そのため、営業コストが増加した場合等であっても、その影響を適切な時期や程度において運賃に転嫁できない可能性があります。

 なお、当社グループが現在受けている上記鉄道業の許可及び認可については、期間の定めはありません。また、これら鉄道業の許可又は認可について、鉄道事業法、同法に基づく命令もしくはこれらに基づく処分又は許可・認可に付した条件への違反等に該当した場合には、国土交通大臣は事業の停止を命じ又は許可を取り消すことができるとされております(同第30条)。有価証券報告書提出日現在におきまして、当社が知りうる限りこれらの違反等に該当する事実は存在せず、鉄道業の継続に支障を来す要因は発生しておりません。しかしながら、これらの違反等に該当し国土交通大臣から事業の停止を命じられ、又は許可が取り消された場合には、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。バス業やタクシーにおいても、道路運送法の定めにより、一般旅客自動車運送事業の許可(道路運送法第4条)等を受けなければなりません。

 また、安全、バリアフリー化、省エネルギー、環境等に関する規制の強化に対応するための投資が必要となる可能性があります。

 ホテル・レジャー事業では、旅館業法や食品衛生法等の法的規制を受けております。具体的にはホテル業における旅館業法による事業経営の許可(旅館業法第3条)等があります。

 不動産事業では、宅地建物取引業法、都市計画法、建築基準法、建設業法、土壌汚染対策法等の法的規制を受けております。例えば、当社グループの保有するいずれかの不動産でアスベストを含む有害・有毒物質が発見された場合、その不動産の価値が下落する可能性があり、また、有害物質の対策をおこない、関連する環境責任を果たすために多大な費用の計上が必要となる可能性があります。さらに、これらの法制が変更された場合には、新たな義務の発生、費用負担の増加、保有不動産に関する権利の制限等により、保有不動産の価値低下や事業範囲の制限、大幅な開発計画の見直し等が生じる可能性があります。

 これら現在の規制に重要な変更がおこなわれた場合や新たな規制が設けられた場合には、規制を遵守するために必要な費用が増加する可能性があり、また、規制に対応できなかった場合は、当社グループの活動が制限される等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 また、新たな会計基準や税制の導入・変更により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(3) 自然災害・事故・感染症等に関するリスク

 本項目については、地震、台風、大雨など自然災害が昨今全国的に顕著な影響を及ぼしていることや、新型コロナウイルス感染症の脅威が続いていること、また、当社グループの事業特性上、影響を受ける範囲が広いと考えていることから、前述(2)のとおり、発生可能性「高」・影響度「大」のリスク項目と認識しております。リスク内容の詳細や対応状況は下記のとおりです。

 当社グループの事業においては、「安全・安心」を最重要課題と認識し、運輸安全マネジメント体制をはじめとする都市交通・沿線事業における安全性向上の取り組みやホテル・レジャー事業における食の安全確保の施策の推進、施設の安全対策の実施等安全管理には万全の注意を払っております。しかしながら、大規模な事故、地震等の自然災害、テロ行為等が発生した場合、その対策費用の発生及びビジネスモデルの転換等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 また、台風や冷夏、酷暑、降雪の状況等の天候不順の場合にはホテル・レジャー事業においてお客さまの減少等が見込まれるほか、新型コロナウイルス感染症等治療方法が確立されていない感染症が流行した場合、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等において休業や出控え等が懸念され、営業収益の減少や対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 なお、新型コロナウイルス感染症に関する影響については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (6) 経営成績に重要な影響を与える要因について」に記載しております。

 

(4) 少子高齢化及びそれにともなう人材確保に関するリスク

 本項目については、本国において少子高齢化が確実に進行していることや、当社グループの事業特性上、影響を受ける範囲が広いと考えていることから、前述(2)のとおり、発生可能性「高」・影響度「大」のリスク項目と認識しております。リスク内容の詳細や対応状況は下記のとおりです。

 当社グループでは、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等お客さまの生活に密着した事業を展開しております。具体的には、当社グループは、都市交通・沿線事業における定住人口増加策やインバウンド(訪日外国人)等へのパラダイムシフト施策を展開しております。しかしながら、少子高齢化による就業・就学人口の減少や現在又は将来における人口の減少により鉄道業やバス業等における輸送人員の減少、レジャー施設の利用人員の減少等が懸念されます。特に鉄道業においては西武鉄道沿線地域に経営資源が集中しており、同地域の人口の減少等による影響が懸念されます。また、当社グループは、鉄道業の営業収益の相当部分を通勤・通学で利用されるお客さまから得ており、東京の昼間人口の減少は当社グループの都市交通・沿線事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業では特に多くの労働力を必要としております。当社グループでは、採用手法の多様化、若手社員の離職回避策等をおこなっているものの、今後、若年層の人材確保がさらに困難になることが懸念されます。これらの場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(5) 観光客の減少に関するリスク

 当社グループはホテル・レジャー事業を中心に、海外からの観光客の増減を含む日本の観光市場の動向により大きな影響を受けます。日本の観光市場は、日本の経済状況、為替相場の状況、諸外国における対日感情、自然災害、事故、疫病等の影響を受ける可能性があります。

 また、当社グループでは、海外においては主として米国ハワイ州においてホテル・レジャー事業を運営しております。これらは、上記の要因による影響を受けるほか、米国景気をはじめとして国際情勢に変動が生じた場合には、ハワイ州への渡航者数が減少することにより、営業収益が減少する可能性があります。

 これらのリスクへの対応策として、当社グループでは、単一市場に依存しないマーケティングや旅客誘致プロモーション活動の強化、国内施設・海外施設間の相互送客、リスクを機とした新たな商品開発、グループ共通の会員サービスやマーケティング活動の強化等に取り組んでおりますが、それでもなお、日本又はハワイにおける観光客の急激な減少は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(6) 「西武グループ中期経営計画」等に関するリスク

 当社グループは、「「アフターコロナの社会における目指す姿」を見据え、コロナショックを乗り越え、飛躍への道筋をつける。」をテーマとした、「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」を3ヵ年フィックス方式で策定しておりますが、当社グループがこの計画に基づく経営戦略及び経営目標又はその他の開発計画等を達成できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 例えば、かかる中期経営計画のトピックの一つとして、経営改革を断行しており、その一環として、2022年2月10日に、GIC Private Limitedの関係会社であるReco Pine Private Limitedとの間で、下記二点を主な内容とする、法的拘束力を有する基本協定書を締結いたしました。

・当社連結子会社である株式会社プリンスホテル(現株式会社西武リアルティソリューションズ)が保有するホテル・レジャー事業資産の全76物件のうち、ザ・プリンス パークタワー東京をはじめとした一部資産(以下「本ホテル・レジャー資産」という。)を、GICグループが出資する複数の会社へ譲渡すること

・当社連結子会社である株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドが本ホテル・レジャー資産の運営業務を、当社連結子会社である株式会社西武SCCATが本ホテル・レジャー資産のビルマネジメント業務をそれぞれ受託すること

 当社は、当該基本協定書に基づき、上記資産譲渡に係る売買契約の締結及び実行に向けて準備を進めておりますが、何らかの事象の発生により、資産譲渡が実行できない場合などには、当社グループの上記中期経営計画に基づく経営戦略及び経営目標又はその他の開発計画等の遂行に悪影響を与える可能性があり、かかる場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(7) 重要な訴訟に関するリスク

 当社グループは、契約締結時におけるリーガルチェックの徹底や、講習会の実施等による法務知識の向上、顧問弁護士と連携した適切な対応に努めているものの、通常の業務過程において、契約を巡る紛争、損害賠償、労働紛争、環境汚染等に関連して第三者から訴訟その他の法的手段を提起されたり、政府から調査を受けたりする可能性があります。法的手続対応の負担に加え、仮に当社グループに不利に判決、決定等が下された場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(8) 有利子負債に関するリスク

 当社グループは、鉄道業、ホテル業等継続して多額の設備投資を必要とする事業をおこなっており、有利子負債についてはその削減に努めておりますが、有利子負債から現預金を差し引いたネット有利子負債残高は当連結会計年度末現在8,436億28百万円となっております。

 資金調達にあたっては、長期かつ固定金利での借入を主とすることによる短期的な金利上昇リスクへの対応や調達条件の改善・維持、調達手法の多様化等の対応をはかっております。また、アセットライトな事業運営を実現すべく、資産・事業の売却及び流動化の実施ならびに設備投資の厳選等BSマネジメントの強化をはかっておりますが、今後の金利の上昇や金融市場の変化又は当社グループの財務状況等の悪化にともなう格付けの引下げ等によっては支払利息が増加したり、返済期限を迎える有利子負債の借換えに必要な資金を含む追加的な資金を望ましい条件で調達することが困難になる可能性があります。これらの事情により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、借入の返済に充てるため、充分な資金を設備投資等に使用することができなくなる可能性もあります。

 

(9) 保有資産の価値に関するリスク

 鉄道業やホテル業等の事業を展開する当社グループは、その事業の性質上、多くの不動産等の固定資産を保有しております。当社グループでは、事業別ハードルレートの運用による投資の厳選や、既存資産の稼働向上に向けた、資産・事業の売却及び流動化等による資産ポートフォリオの見直し(ノンコア資産の整理)等各種取り組みをおこなっているものの、当社グループが保有している不動産、有価証券等の資産には、価格変動リスクが存在するため、経済情勢又は景気の動向、保有資産のキャッシュ・フロー創出能力の低下等によって保有資産の価値が毀損し、減損損失の発生、又は売却により売却損が発生する等当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(10) 競争激化に関するリスク

 当社グループは、多くの事業で厳しい競争に直面しております。

 当社グループのホテル・レジャー事業におけるホテル業においては、新型コロナウイルス感染症の影響にともない、宴会や飲食需要が減少している一方、オンライン会議や食事宅配サービス等のステイホームに対応した企業の進出が相次ぐ中で、多様化する消費者のニーズに対応すべくサービスの差別化をおこなう必要があり、異業種との競争が激化しております。

 また、従来の外資系や宿泊特化型ホテルの進出、及び民泊等については、新型コロナウイルス感染症の影響によりマーケットが縮小しているため、業界として一層競争が激化いたします。

 また、当社グループの不動産事業は、不動産賃貸業における商業施設等の運営において、競合他社との価格、立地等での厳しい競争に直面しております。

 これらのリスクへの対応策として、当社グループでは、婚礼やMICE、野球といったイベント開催時に、お客さまへPCR検査の機会を提供するサービスや、多数保有する宴会場にて、グループ内外のコンテンツを活用した自主興行などをおこなうMICE2.0へ向けた取り組み、ワーケーションの推進のほか、日本最大級のネットワークを活かしたチェーンオペレーション、当社グループのブランドマネジメントによる競合他社との差別化や、必要に応じた事業提携・買収の活用検討、サステナビリティアクション推進、グループ各社の役割強化に向けたグループ内組織再編の実施に向けた意思決定、グループ共通の会員サービス強化等を実施し、競争力の維持及び強化に努めております。しかしながら、それでもなお、これらの競争に関し、優位性を確保できなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(11) 情報システム・情報管理に関するリスク

 当社グループでは、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業等様々な事業分野で、多くのⅠTシステムを使用しております。当社グループは、障害(攻撃)対応・復旧への訓練の実施、高可用なシステム導入を実現するプロジェクト管理、及び権限棚卸、協力企業の安全性確認等の対策をおこなっているものの、これらのシステムについて事故・災害、人為的ミス等によりその機能に重大な障害が発生した場合、当社グループの業務運営に影響を与え、営業収益の減少又は対策費用の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、他の鉄道事業者、鉄道関連サービス提供業者等他社のシステム障害による影響を受ける可能性があります。さらに、当社グループでは、ホテル・レジャー事業における宿泊者名簿や会員制サービス、都市交通・沿線事業における定期乗車券やIC乗車券の販売、不動産事業やグループポイントカード運営等における顧客データ等個人情報を含むデータベースを管理しております。当社グループでは、eラーニング、サイバー攻撃対応訓練等を活用したセキュリティ関連教育をおこない、個人情報の管理に十分留意しておりますが、万一、個人情報の流出等の問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や当社グループの信用の低下により当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(12) 燃料費・電気料金・原材料価格の高騰に関するリスク

 都市交通・沿線事業においては、原油価格の高騰によりバス業やタクシー等において燃料費が増加する場合があります。鉄道業においては、特に東京電力エナジーパートナー株式会社から供給される電力に依存しており、今後、基本料金の引き上げや再生可能エネルギーの普及にともなう促進賦課金の増加により、電気動力費が上昇する場合があります。

 これらのリスクへの対応策として、当社グループは、燃料費、電気動力費、原材料等の価格変動の常時把握、省エネ機器や車両の導入検討、グループメリットを活かした取引先との価格交渉をおこない、効率的な事業運営をはかってまいりますが、原油価格や電気料金、原材料の価格が高騰した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(13) 収益構造に関するリスク

 本項目については、当社グループの事業特性上、特に注視すべきリスクであることから、前述(2)のとおり、発生可能性「高」・影響度「大」のリスク項目と認識しております。リスク内容の詳細や対応状況は下記のとおりです。

 当社グループの事業のうち、特に都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業及び不動産事業においては、営業コストの相当部分が、人件費、減価償却費等の固定費で構成されているため、営業収益の比較的小幅な減少であっても、営業利益に大きな影響を及ぼすことになります。このようなリスクへの対応策として、当社グループでは、上記「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」に掲げる「経営改革」を聖域なく進めており、資産・事業の売却、流動化を進めるなどの事業ポートフォリオの見直しによるアセットライトな事業運営、固定費削減等による損益分岐点低下、事業別ハードルレートの定着、浸透による効率的な設備投資実現のほか、働き方改革によるコスト削減に努めているものの、このような収益構造が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、上記「経営改革」を進めているものの、特に、ホテル・レジャー事業については、営業収益の変動が比較的大きいことから、より大きな経済変動や感染症の新たなパンデミックが発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を受ける可能性があります。

 

(14) 風評に関するリスク

 当社グループの事業の多くは「西武」と「プリンス」等のブランドでサービスと製品をお客さまに直接提供しております。当社グループでは、ブランドマネジメントの実行、適切な情報管理、開示体制の整備、CS・ES向上施策をおこなっているものの、「事業等のリスク」に記載のいずれかのリスクが現実となった場合を含め、当社グループのブランドイメージが損なわれた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。さらに、これらのブランドと同一又は類似のブランドを使用する第三者も存在するため、これらのブランドイメージを損なうような第三者の行為・言動等が間接的に当社グループの評判を損なう可能性があります。

 

(15) 食中毒や食品管理に関するリスク

 当社グループにおいてはホテルやレストラン、店舗等において食事の提供や食品の販売をおこなっております。当社グループでは、食品安全管理体制の整備、食品安全監査、食品安全教育をおこない、品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、食中毒事故が発生した場合は営業停止の処分を受けるほか、当社グループの信用やブランドを毀損し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 そのほか、ノロウイルスによる食中毒や家畜の伝染病の発生等食品衛生や食の安全、安心に関する問題が発生した場合、営業収益の減少や在庫の廃棄ロス等の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(16) 与信管理に関するリスク

 当社グループでは、取引先の財務状況の把握、債権残高の把握、与信チェックにより与信管理体制の強化に努めておりますが、取引先の資金繰りの悪化等により代金の回収等に支障を来した場合等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(17) 協力企業・取引先に関するリスク

 当社グループは、協力企業への管理・監督、業務委託管理体制の整備や「西武グループ人権方針」の開示をおこない理解を求めることにより、協力企業・取引先が当社又はお客さまへ提供するサービスがコンプライアンスを遵守し、確実に高い基準を満たすように努めておりますが、協力企業・取引先がそうした基準を満たすことができなかった場合等は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(18) 退職給付費用・退職給付債務に関するリスク

 当社グループの従業員の退職給付費用及び債務は、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の数理計算で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と相違した場合又は前提条件が変更された場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(19) 為替変動に関するリスク

 当社グループは、在外子会社に対する資金モニタリングにより、事業収支の推移及び設備投資予定等を随時確認することや、為替や国内外の金利動向を踏まえた在外子会社による効率的な資金調達方法の検討を進めているものの、為替の変動により営業利益が減少し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 また、当社は、連結財務諸表を円表示で作成しているため、外貨表示で作成されている在外子会社の財務諸表の日本円表示への換算に際して、為替相場の状況により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(20) 気候変動に関するリスク

 当社グループは、年々影響が大きくなる気候変動について、移行リスク・物理的リスク両面から影響を受ける可能性があります。

 移行リスクについては、気候変動抑制に向けた各国の温室効果ガス排出規制の強化や炭素税の賦課などにより、電気料金や温室効果ガスを排出する化石燃料費が上昇する可能性や、低炭素社会への移行に対応できないことによるレピュテーションリスクなどにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、物理的リスクについては、豪雨・土砂災害など異常気象の激甚化による運休・休業の影響や建物の改修コスト増加の可能性に加え、夏期の気温上昇による出控えやホテル・レジャー事業における降雪量の減少によるスキー客の減少等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

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(期間欄 短期:1~3年 中期:4~10年 長期:10年以上)

(影響度欄 矢印3本:影響度大 矢印2本:影響度中 矢印1本:影響度小。下向きの矢印:リスク、上向きの矢印:機会)

 

 これらの気候変動リスクについては、具体的には、当社グループでは、2030年度までにCO2排出量原単位(営業収益当たりCO2排出量)を2018年度比で25%削減することを目標に、省エネルギー車両・設備の導入や、太陽光発電等の自然エネルギー、次世代バイオディーゼル燃料等の再生可能エネルギーの活用、ソーラーシェアリング事業の実施など地球温暖化防止策を進めるとともに、激甚災害に備えた訓練の実施、避難計画の策定等をおこない、危機管理体制を整えるなど災害対策を実施することで、気候変動による影響低減のためのビジネスモデルの転換等の検討に努めております。

 また、当社は「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言」に2021年度より賛同を表明し、その取り組みについて議論する「TCFDコンソーシアム」にも参加しております。気候変動の事業へのリスクと機会の検証については、「2℃未満」「4℃」の複数シナリオについて検証を実施するなど、提言に沿った分析、開示をおこなっております。さらに、上記温室効果ガス排出量削減を含む、サステナビリティアクションを今後も持続的・積極的かつ体系的に進めるため、当社の経営戦略部を統括部署とし、事業部門と協働してグループ横断的に取り組むとともに、当社社長執行役員を委員長・議長とする「西武グループサステナビリティ委員会」を設置し、国際要請の確認や、当社グループにおける温室効果ガス排出量削減状況の確認及び削減に向けた取り組みの検討をおこなうほか、情報開示事項の共有等を実施して気候変動リスクの未然防止に努める体制を整備しております。

 

 しかしながら、脱炭素社会への想定外かつ急速な移行に対応できなかった場合、当社グループの信用・ブランドの毀損にともなう売上の減少や、対策費用、設備更新の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(21) 技術革新に関するリスク

 当社グループの多くの事業分野で、新技術の進化及びその進化がもたらすビジネス変革のスピードは加速度的に増しております。

 当社グループでは、DX(デジタル・トランスフォーメーション)戦略の浸透活動や、DX戦略について専門的かつ具体的な助言を求めるため、エグゼクティブアドバイザーの招聘、新しい顧客体験(UX/CX)の提供を企図した新規施策の実施、DXデジタル人材の確保・育成、グループ顧客情報の統合とグループマーケティング基盤構築、新技術活用による業務効率化、5G等新技術に関するパートナーとの協業等を推進しているものの、先進技術の利活用に関する理解不足及び導入の遅れは、競合他社と比べてのサービス品質の低下による顧客離れを招く恐れがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響により、依然として厳しい状況にあります。先行きについては、感染拡大の防止策を講じ、ワクチン接種を促進する中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待されておりますが、国内外の感染症の動向やウクライナ情勢の影響等については十分注視してまいります。

 このような状況の中、当連結会計年度においては、「「アフターコロナの社会における目指す姿」を見据え、コロナショックを乗り越え、飛躍への道筋をつける。」をテーマに、2023年度を最終年度とする3ヵ年の「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」を策定し、「経営改革」「デジタル経営」「サステナビリティ」の3点を骨子とした取り組みを進めてまいりました。

 「経営改革」については「アセットライトな事業運営」「損益分岐点の引き下げ」「ニューノーマルに合わせたサービス変革」に取り組んでまいりました。中でも「アセットライトな事業運営」に対しては、繰り返し起こると想定される危機に対してより強固な体質を構築すべく、ポートフォリオ見直し、ビジネスモデル変革に取り組んでまいりました。2021年7月1日には西武建材株式会社の株式譲渡、2021年12月に新横浜スクエアビルなどオフィスビルの流動化を実施いたしました。

 また、グループの保有資産の価値極大化及びホテル・レジャー事業と不動産事業の競争力向上のため、ホテルなどについて、資産保有とオペレーションを切り離し、ホテルオペレーター会社となる「株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド(2021年12月13日設立)」と、株式会社プリンスホテルが保有するホテル・レジャー事業の資産も集約し総合不動産会社としてグループの保有資産の価値極大化をはかる「株式会社西武リアルティソリューションズ(2022年4月1日株式会社プリンスホテルから商号変更)」へのグループ内組織再編を実施いたしました。合わせて、ホテル・レジャー事業の一部資産の流動化について協議を進め、2022年2月10日には、GIC Private Limited(以下「GIC」といいます。)の関係会社であるReco Pine Private Limitedとの間で、株式会社プリンスホテル(現株式会社西武リアルティソリューションズ)が保有するホテル・レジャー事業の一部資産31物件について、収益の極大化を企図するとともに、当社グループのアセットライト化の推進とホテル・レジャー事業の一層の発展、さらには当社グループ全体の企業価値の極大化につなげ、当社グループとGICとの長期的なパートナーシップを構築することを目的として、法的拘束力を有する基本協定書を締結いたしました。流動化実施後(2022年度予定)においては株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドが対象物件の運営業務を受託することとしており、GICとの長期的かつ強固なパートナーシップに基づき、GICが国内外において有するホテル経営の知見及び資金力を活用した安定的な成長投資により、また、GICが有する国内外の豊富なネットワークの活用により、ホテル・レジャー事業に係る資産の本源的な価値の極大化及び業界No.1のホテルチェーンの構築を実現し、当社グループの「企業価値向上の原動力」であるホテル・レジャー事業の中長期的な成長をはかってまいります。

 さらに、一歩踏み込んだ事業ポートフォリオの見直しとして、西武建設株式会社について、2022年3月31日に株式会社ミライト・ホールディングスへ株式の95%を譲渡いたしました。

 

 「ニューノーマルに合わせたサービス変革」に対しては、「プリンスグランドリゾート軽井沢」を国内を代表する「ワーケーションリゾート」としての地位確立を目指すエリアと位置づけ、東日本旅客鉄道株式会社などと連携し、施設やサービス、商品の充足をおこないました。さらに、アウトドア事業領域の拡大に向け株式会社R.projectと提携いたしました(2021年10月1日「株式会社ステップアウト」設立)。

 

 「デジタル経営」については、「グループマーケティング基盤」の構築や会計システムの更改などの取り組みを進めてまいりました。

 「サステナビリティ」については、引き続き安全、環境、社会、会社文化の4領域12項目のアジェンダにおいて持続可能な社会実現のため「サステナビリティアクション」に取り組んでまいりました。中でも、環境への取り組みは、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言への賛同や、2020年度に設立した西武アグリ株式会社などにより西武グループ初となるソーラーシェアリングを開始するなど、気候変動が進む中でリスク・ビジネス機会双方の影響を適切に認識し、積極的に対応していく「グリーン経営」の実現に努めてまいりました。

 

 当連結会計年度における経営成績の概況は、新型コロナウイルス感染症流行やそれにともなう緊急事態宣言の度重なる発出、出控えの深刻化などにより引き続き厳しい事業環境下にありましたが、休業した施設数の減少や秋口からの外出需要の持ち直しに加え、コロナ禍におけるお客さまのニーズに合わせたサービス提供も寄与し、営業収益は、3,968億56百万円と前期に比べ597億95百万円の増加(前期比17.7%増)となりました。休業期間中の一部施設における固定費の特別損失への振替計上額が減少したものの、増収に加え、役員報酬や従業員賞与の減額、さらには、車両運用の見直しやバス路線の再編、業務の内製化などの固定費削減につながる取り組みも寄与し、営業損失は、132億16百万円と前期に比べ383億70百万円の改善(前期は、営業損失515億87百万円)となり、償却前営業利益は、424億15百万円と前期に比べ405億32百万円の増加(前期は、償却前営業利益18億82百万円)となりました。

 経常損失は、174億40百万円と前期に比べ413億45百万円の改善(前期は、経常損失587億85百万円)となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は、西武建設株式会社の株式譲渡にともなう売却益の計上などにより106億23百万円と前期に比べ829億24百万円の改善(前期は、親会社株主に帰属する当期純損失723億1百万円)となりました。

 なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度の営業収益は98億18百万円減少しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 会計方針の変更」をご参照ください。

 

 各セグメントにおける業績は以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

 

営業収益

 

 

営業利益

 

償却前営業利益

セグメントの名称

当連結

会計年度

前期比

増減

前期比

増減率 (%)

当連結

会計年度

前期比

増減

前期比

増減率 (%)

当連結

会計年度

前期比

増減

前期比

増減率 (%)

 都市交通・沿線事業

131,331

8,734

7.1

△5,748

4,068

16,754

4,362

35.2

 ホテル・レジャー事業

133,180

49,130

58.5

△28,050

25,362

△11,128

27,016

 不動産事業

59,186

3,790

6.8

19,854

4,431

28.7

31,733

4,290

15.6

 建設事業

79,742

△16,391

△17.1

3,903

△155

△3.8

4,195

△357

△7.9

 その他

32,761

6,000

22.4

△3,256

4,306

837

4,337

 合計

436,203

51,264

13.3

△13,298

38,013

42,392

39,649

 調整額

△39,347

8,530

82

357

22

883

 連結数値

396,856

59,795

17.7

△13,216

38,370

42,415

40,532

(注)1 調整額については、主に連結会社間取引消去等であります。

2 償却前営業利益は、営業利益に減価償却費及びのれん償却額を加えて算定しております。

 

①都市交通・沿線事業

 都市交通・沿線事業の内訳は鉄道業、バス業、沿線生活サービス業、スポーツ業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

 

 

2021年3月期

2022年3月期

増減額

 

営業収益

122,597

131,331

8,734

 

 鉄道業

77,330

83,429

6,098

 

 バス業

18,081

20,320

2,238

 

 沿線生活サービス業

21,516

21,360

△155

 

 スポーツ業

2,556

2,932

375

 

 その他

3,112

3,288

176

 

 鉄道業やバス業では、新型コロナウイルスに関連する感染予防を徹底するとともに、混雑状況の開示充足などピーク時間帯における需要分散施策に加え、車両運用の見直しや需要に合わせたバスの減便、運休などの固定費削減策をおこないました。加えて、西武鉄道株式会社では、生活様式の変化を踏まえ、ご利用状況に応じたダイヤ改正に向けて準備を進め、2022年3月12日に実施いたしました。

 沿線生活サービス業では、2021年5月19日に心あたたまる幸福感に包まれる新しい「西武園ゆうえんち」をグランドオープンし、近場のレジャー需要喚起に取り組みました。

 都市交通・沿線事業の営業収益は、一進一退する感染状況や緊急事態宣言の度重なる発出、出控えの深刻化に加え、新型コロナウイルス感染拡大前と比較し、リモートワークの広がりなどによる定期券利用の減少などもありましたが、上記取り組みや秋口からの外出需要の持ち直しなどにより、1,313億31百万円と、前期に比べ87億34百万円の増加(同7.1%増)となりました。なお、鉄道業の旅客輸送人員は前期比7.6%増(うち定期2.9%増、定期外16.0%増)、旅客運輸収入は、前期比8.9%増(うち定期0.3%増、定期外17.2%増)となりました。営業損失は、西武園ゆうえんち開業にともなう一時的なコスト増があったものの、増収により57億48百万円と前期に比べ40億68百万円の改善(前期は、営業損失98億17百万円)となり、償却前営業利益は、167億54百万円と前期に比べ43億62百万円の増加(同35.2%増)となりました。

 なお、「収益認識会計基準」等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度における都市交通・沿線事業の営業収益は32億39百万円減少しております。

 都市交通・沿線事業の主要な会社である西武鉄道株式会社の鉄道業の運輸成績は以下のとおりであります。

 

(西武鉄道株式会社の鉄道業の運輸成績)

種別

単位

2021年3月期

2022年3月期

 営業日数

365

365

 営業キロ

キロ

176.6

176.6

 客車走行キロ

千キロ

176,087

175,102

 輸送人員

 定期

千人

303,513

312,309

 定期外

千人

168,709

195,756

千人

472,222

508,066

 旅客運輸収入

 定期

百万円

34,755

34,861

 定期外

百万円

36,107

42,308

百万円

70,863

77,169

 運輸雑収

百万円

3,641

3,594

 収入合計

百万円

74,504

80,764

 一日平均収入

百万円

194

211

 乗車効率

27.0

29.3

(注)1 乗車効率は 延人キロ/(客車走行キロ×平均定員)×100 により、算出しております。

2 千キロ未満、千人未満及び百万円未満を切り捨てて表示しております。

3 運輸雑収は鉄道業以外の収入を含んでおります。

 

②ホテル・レジャー事業

 ホテル・レジャー事業の内訳はホテル業(シティ)、ホテル業(リゾート)、海外ホテル業、スポーツ業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

 

 

2021年3月期

2022年3月期

増減額

 

営業収益

84,050

133,180

49,130

 

 ホテル業(シティ)

32,119

50,738

18,618

 

 ホテル業(リゾート)

16,647

25,593

8,946

 

 海外ホテル業

9,587

23,368

13,780

 

 スポーツ業

12,760

16,918

4,157

 

 その他

12,934

16,562

3,627

(注)1  ホテル業(シティ)には主に大都市圏の中心商業地域やターミナル及びその周辺地域に立地するホテルを含んでおります。ホテル業(リゾート)には主に観光地や避暑地に立地するホテルを含んでおります。

    2  以降の項目において、ホテル業(シティ)に属するホテルを「シティ」、ホテル業(リゾート)に属するホテルを「リゾート」と称する場合があります。

    3  会員制ホテル事業プリンス バケーション クラブはリゾートに含んでおります

 

 ホテル業では、株式会社アルムと提携したPCR検査付き宿泊、宴会プランや、新型コロナウイルスワクチン接種済みの方を対象としたプランの販売など、お客さまにこれまで以上に安全・安心を追求したサービスを提供してまいりました。また、軽井沢エリアにおけるワーケーション滞在拠点として、2021年4月27日に軽井沢プリンスホテル ウエストをリニューアルオープンいたしました。さらには、コロナ禍で落ち込む観光需要の回復に向けて、日本航空株式会社との協業を開始するなど、お客さまの価値変容・行動変容に合わせたサービス変革を進めました。

 そのほか、次世代型ホテルブランド「プリンス スマート イン」2施設でリース方式による運営を開始いたしました。

 全体を通じては、営業内容の機動的な変更や業務の内製化により効率的なオペレーションを追求するなど、固定費削減策を実行いたしました。

 ホテル・レジャー事業の営業収益は、一進一退する感染状況や緊急事態宣言の度重なる発出、出控えの深刻化などもあり、引き続き厳しい事業環境となりましたが、休業した施設数の減少や秋口からの外出需要の持ち直し、上記取り組みに加え、東京オリンピック・パラリンピックの開催による利用、海外ホテル業におけるハワイの利用回復などにより、1,331億80百万円と、前期に比べ491億30百万円の増加(同58.5%増)となりました。なお、ホテル業のRevPAR(注)については、4,910円と前期に比べ1,882円増となりました。営業損失は、休業期間中の一部施設における固定費の特別損失への振替計上額が減少したものの、増収により、280億50百万円と前期に比べ253億62百万円の改善(前期は、営業損失534億13百万円)となり、償却前営業損失は、111億28百万円と前期に比べ270億16百万円の改善(前期は、償却前営業損失381億45百万円)となりました。

 なお、「収益認識会計基準」等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度におけるホテル・レジャー事業の営業収益は17億88百万円減少しております。

 

 (注)RevPARとは、Revenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を客室総数で除したものであります。

 

 ホテル・レジャー事業のホテル業(シティ)、ホテル業(リゾート)及び海外ホテル業の定量的な指標は以下のとおりであります。

 

(ホテル業の施設概要)

 

施設数

(か所)

客室数

(室)

宴会場数

(室)

宴会場面積

(㎡)

 シティ

15

10,618

210

51,047

  高輪・品川エリア

4

5,138

103

20,322

 リゾート

31

6,739

83

21,824

  軽井沢エリア

3

687

11

3,670

(注)1  面積1,000㎡以上の宴会場は20室であります。

2  シティの代表例として高輪・品川エリア、リゾートの代表例として軽井沢エリアを記載しております。

3 高輪・品川エリアに含まれるホテルはザ・プリンス さくらタワー東京、グランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪、品川プリンスホテルであります。

4 軽井沢エリアに含まれるホテルはザ・プリンス 軽井沢、ザ・プリンス ヴィラ軽井沢、軽井沢プリンスホテルであります。

5 リゾートの施設数、客室数に会員制ホテル事業「プリンス バケーション クラブ」の3施設71部屋を含んでおります。

 

(海外ホテル業の施設概要)

 

施設数
(か所)

 

客室数
(室)

 

うち直営・リース

うち直営・リース

 海外ホテル業

33

6

5,570

1,610

  ハワイエリア

3

3

1,064

1,064

  The Prince Akatoki

1

1

82

82

(注)1 海外ホテル業の代表例としてハワイエリア、ラグジュアリーブランドであるThe Prince Akatokiを記載しております。

   2 ハワイエリアに含まれるホテルとはプリンス ワイキキ、マウナ ケア ビーチ ホテル、ウェスティン ハプナ ビーチ リゾートの3ホテルを指します。

 

(ホテル業の営業指標)

 

2021年3月期

2022年3月期

RevPAR(円)

 シティ

2,540

4,091

  高輪・品川エリア

1,622

3,341

 リゾート

4,021

6,666

  軽井沢エリア

10,674

15,440

宿泊部門全体

3,029

4,910

 

平均販売室料(円)

 シティ

15,267

14,305

  高輪・品川エリア

14,031

14,521

 リゾート

18,980

19,093

  軽井沢エリア

33,095

31,820

宿泊部門全体

16,699

16,043

 

客室稼働率(%)

 シティ

16.6

28.6

  高輪・品川エリア

11.6

23.0

 リゾート

21.2

34.9

  軽井沢エリア

32.3

48.5

宿泊部門全体

18.1

30.6

 

(注)1  シティの代表例として高輪・品川エリア、リゾートの代表例として軽井沢エリアを記載しております。

2  高輪・品川エリアに含まれるホテルはザ・プリンス さくらタワー東京、グランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪、品川プリンスホテルであります。

3  軽井沢エリアに含まれるホテルはザ・プリンス 軽井沢、ザ・プリンス ヴィラ軽井沢、軽井沢プリンスホテルであります。

4  RevPARとは、Revenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を客室総数で除したものであります。

5  ホテル業の営業指標については、工事等により営業休止中の施設・客室を含んでおりません。

  また、新型コロナウイルス感染症流行による臨時休業中の施設・客室を含んでおります。

6 会員制ホテル事業「プリンス バケーション クラブ」はリゾートに含んでおります。

 

(海外ホテル業の営業指標)

・ハワイエリアの営業指標

 

2021年3月期

2022年3月期

 RevPAR (円)

9,184

29,466

 RevPAR (米ドル)

86.64

272.83

 平均販売室料 (円)

36,368

40,210

 平均販売室料 (米ドル)

343.10

372.32

 客室稼働率 (%)

25.3

73.3

 

 

   ・The Prince Akatoki Londonの営業指標

 

2021年3月期

2022年3月期

 RevPAR (円)

6,143

9,697

 RevPAR (ポンド)

45.51

66.54

 平均販売室料 (円)

29,772

42,763

 平均販売室料 (ポンド)

220.57

293.43

 客室稼働率 (%)

20.6

22.7

     (注)1  海外ホテル業の代表例としてハワイエリア、ラグジュアリーブランドであるThe Prince Akatokiのうち、直営のThe Prince Akatoki Londonを記載しております。

2  ハワイエリアに含まれるホテルとはプリンス ワイキキ、マウナ ケア ビーチ ホテル、ウェスティン ハプナ ビーチ リゾートの3ホテルを指します。

3  RevPARとはRevenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を、客室総数で除したものであります。

 

(ホテル業における宿泊客の内訳)

(単位:名、%)

 

2021年3月期

比率

2022年3月期

比率

 宿泊客

1,510,082

100.0

2,260,654

100.0

   邦人客

1,506,310

99.8

2,236,758

98.9

   外国人客

3,772

0.2

23,896

1.1

 

③不動産事業

 不動産事業の内訳は不動産賃貸業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

 

 

2021年3月期

2022年3月期

増減額

 

営業収益

55,395

59,186

3,790

 

 不動産賃貸業

46,527

46,943

415

 

 その他

8,867

12,242

3,374

 

 不動産賃貸業では、軽井沢エリアにおける「ワーケーションリゾート」の取り組みの一環として野村不動産株式会社や東日本旅客鉄道株式会社と連携し、軽井沢・プリンスショッピングプラザ内にワーケーション施設「Karuizawa Prince The Workation Core」を開業しました。

 また、PM、BM業務の内製化など、固定費削減策に取り組みました。

 不動産事業の営業収益は、一進一退する感染状況や緊急事態宣言の度重なる発出、出控えの深刻化などもありましたが、休業した施設数の減少や秋口からの外出需要の持ち直しに加え、2020年9月に開業した所沢駅東口駅ビル計画「グランエミオ所沢」第Ⅱ期の収益寄与、分譲地販売件数の増加のほか、東京ガーデンテラス紀尾井町のテナント一部退去にともなう解約金計上などもあり591億86百万円と、前期に比べ37億90百万円の増加(同6.8%増)となり、営業利益は、198億54百万円と前期に比べ44億31百万円の増加(同28.7%増)となり、償却前営業利益は、317億33百万円と前期に比べ42億90百万円の増加(同15.6%増)となりました。

 なお、「収益認識会計基準」等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度における不動産事業の営業収益は30億8百万円減少しております。

 

 不動産事業の定量的な指標は以下のとおりであります。

 

(建物賃貸物件の営業状況)

 

期末貸付面積 (千㎡)

期末空室率 (%)

 

2021年3月期

2022年3月期

2021年3月期

2022年3月期

 商業施設

246

245

2.7

2.0

 オフィス・住宅

205

195

3.5

8.0

(注)土地の賃貸は含んでおりません。

 

④建設事業

 建設事業の内訳は建設業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

 

 

2021年3月期

2022年3月期

増減額

 

営業収益

96,134

79,742

△16,391

 

 建設業

68,644

61,380

△7,264

 

 その他

27,489

18,362

△9,127

(注)建設業には西武建設株式会社による兼業事業売上高を含んでおります。西武建設株式会社は、保有不動産の一部を賃貸しており、当該売上高を建設業の営業収益に計上しております。

 

 建設業では、公共工事や民間住宅工事、リノベーション工事の施工を進めたほか、厳正な受注管理や原価管理の徹底に加え部門構成の刷新を進めるなどにより、利益率の改善に努めてまいりました。

 建設事業の営業収益は、西武建材株式会社の株式譲渡やグループ内工事の減少などにより、797億42百万円と前期に比べ163億91百万円の減少(同17.1%減)となりました。営業利益は、39億3百万円と前期に比べ1億55百万円の減少(同3.8%減)となり、償却前営業利益は、41億95百万円と前期に比べ3億57百万円の減少(同7.9%減)となりました。

 なお、「収益認識会計基準」等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度における建設事業の営業収益は13億6百万円減少しております。

 

 建設事業の定量的な指標は以下のとおりであります。

 

(建設業の受注高の状況)

(単位:百万円)

 

2021年3月期

2022年3月期

 期首繰越高

77,871

68,454

 期中受注高

58,890

51,407

 期末繰越高

68,454

58,033

 

⑤その他

 スポーツ事業においては、2021年3月にリニューアルオープンしたベルーナドームでその機能を最大限活用したサービスや演出を提供し、横浜アリーナでは安全安心を徹底したイベント開催などにより、楽しんでいただけるスポーツ・エンターテインメント体験の提供に努めてまいりました。伊豆箱根事業においてはタクシー事業の再編にともなう業務の効率化をはかったほか、2022年2月1日には十国峠レストハウスならびに十国峠ケーブルカーの事業を富士急行株式会社に譲渡し、近江事業においては、鉄道事業の公有民営方式による上下分離移行に向けた準備などを進めてまいりました。

 営業収益は、一進一退する感染状況や緊急事態宣言の度重なる発出、イベントの開催制限などもあり、引き続き厳しい事業環境となりましたが、埼玉西武ライオンズの試合数増加や上記取り組み、また、ベルーナドームにおける広告協賛の積極的な獲得や横浜アリーナにおけるイベント開催の増加により、327億61百万円と前期に比べ60億円の増加(同22.4%増)となり、営業損失は、32億56百万円と前期に比べ43億6百万円の改善(前期は、営業損失75億62百万円)となり、償却前営業利益は、8億37百万円と前期に比べ43億37百万円の増加(前期は、償却前営業損失34億99百万円)となりました。

 なお、「収益認識会計基準」等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度における営業収益は14億32百万円減少しております。

 

 また、都市交通・沿線事業及びホテル・レジャー事業におけるスポーツ業、ならびにその他に含まれるスポーツ事業の営業収益の合計は、356億34百万円であり、前期に比べ89億75百万円の増加(同33.7%増)となりました。

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

 当社グループは役務提供を中心とした事業展開をおこなっており、生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため生産、受注及び販売の実績については、「(1)業績」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。

 

(3) 財政状態、経営成績の分析

 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載されているとおりであります。

 

② 財政状態の分析

1 資産

 流動資産は、1,357億13百万円と前連結会計年度末に比べ116億27百万円増加いたしました。その主たる要因は、西武建設株式会社の株式譲渡代金が入金されたことなどによる現金及び預金の増加(586億71百万円)であります。

 固定資産は、1兆5,677億29百万円と前連結会計年度末に比べ66億81百万円減少いたしました。その主たる要因は、繰延税金資産の減少(76億62百万円)であります。

 以上の結果、総資産は1兆7,034億42百万円と前連結会計年度末に比べ49億45百万円増加いたしました。

 

2 負債

 流動負債は、4,511億86百万円と前連結会計年度末に比べ723億3百万円増加いたしました。その主たる要因は、短期借入金の増加(586億25百万円)であります。

 固定負債は、8,650億38百万円と前連結会計年度末に比べ688億87百万円減少いたしました。その主たる要因は、長期借入金の減少(711億37百万円)であります。

 以上の結果、負債合計は1兆3,162億25百万円と前連結会計年度末に比べ34億15百万円増加いたしました。

 

3 純資産

 純資産は、3,872億17百万円と前連結会計年度末に比べ15億29百万円増加いたしました。その主たる要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上(106億23百万円)であります。

 なお、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.6ポイント上昇し18.3%となっております。

 

③ 経営成績の分析

1 営業収益及び営業利益

 営業収益は、新型コロナウイルス感染症の影響により、引き続き厳しい事業環境下にあったものの、3,968億56百万円(前期比17.7%増)となり、増収などにより、営業損失は132億16百万円(前期は、営業損失515億87百万円)となりました。

 なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度の営業収益は98億18百万円減少しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 会計方針の変更」に記載のとおりであります。

 また、各セグメントにおける業績につきましては、「(1) 業績」をご覧ください。

 

2 営業外損益及び経常利益

 営業外収益は、感染拡大防止協力金受入額の増加(18億17百万円)などにより、66億53百万円(前期比21.6%増)となり、営業外費用は、前期に計上した株式交付費(14億8百万円)がなくなったことなどにより、108億77百万円(前期比14.1%減)となりました。

 以上の結果、経常損失は174億40百万円(前期は、経常損失587億85百万円)となりました。

3 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益

 特別利益は、子会社株式売却益(373億56百万円)の計上などにより、622億69百万円(前期比86.2%増)となりました。

 特別損失は、減損損失の減少(174億43百万円)、臨時休業等による損失の減少(128億44百万円)などにより、158億56百万円(前期比66.0%減)となりました。

 以上の結果、税金等調整前当期純利益は289億73百万円(前期は、税金等調整前当期純損失719億70百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は106億23百万円(前期は、親会社株主に帰属する当期純損失723億1百万円)となりました。

 

(4) キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ586億71百万円増加し、当連結会計年度末には872億10百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益289億73百万円に、減価償却費や法人税等の支払額などを調整した結果、585億63百万円の資金収入(前連結会計年度は、242億64百万円の資金支出)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、連結子会社である西武建設株式会社ほかの株式譲渡などにより、186億47百万円の資金収入(前連結会計年度は、475億37百万円の資金支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、当社連結子会社の優先株式償還などにより、190億70百万円の資金支出(前連結会計年度は、723億94百万円の資金収入)となりました。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性について

 「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおり、「西武グループ長期戦略」における財務戦略では、ステークホルダーへの還元と、成長に資する投資の実施を最適なバランスでおこなっていくことを方針として定めております。また、当社グループの資金調達は、金融機関からの借入や社債の発行など、市場環境や金利動向などを総合的に勘案しながら決定しており、鉄道業・ホテル業を中心とした日々の収入金により必要な流動性資金を確保するとともに、キャッシュマネジメントシステム(CMS)などによりグループ内余剰資金の有効活用に努めております。

 当連結会計年度は、「(1) 業績」に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症流行やそれにともなう緊急事態宣言の度重なる発出、出控えの深刻化などにより引き続き厳しい事業環境下にありましたが、休業した施設数の減少や秋口からの外出需要の持ち直しに加え、コロナ禍におけるお客さまのニーズに合わせたサービス提供も寄与し、営業キャッシュ・フローが改善したことに加え、不要不急のコストや設備投資を抑制するとともに、施設・事業の休業や営業形態の見直しによる水道光熱費・動力費削減や雇用調整助成金の活用を視野に入れた休業の実施など、キャッシュ流出抑制に努めてまいりました。

 

 さらには、「経営改革」を進め、財務基盤の強化を企図し、新横浜スクエアビルなどオフィスビルの流動化を実施したほか、西武建材株式会社の株式譲渡や、一歩踏み込んだ事業ポートフォリオの見直しとして、西武建設株式会社の株式を譲渡いたしました。結果として、当連結会計年度末の手元現預金は874億87百万円となり、自己資本の残高は3,111億41百万円、自己資本比率は18.3%、借入金及びリース債務を含むネット有利子負債の残高は8,436億28百万円、ネット有利子負債/EBITDA倍率は19.9倍となりました。

 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、引き続き「アセットライト」や「損益分岐点の引き下げ」などをテーマに「経営改革」を断行いたしますが、その中では、資本効率や最適資本構成について「中長期的に目指す水準」を設定し、その改善に向けて進捗状況を管理してまいります。

 中期経営計画の2ヵ年目となる翌連結会計年度においても、投資キャッシュ・フローにつきましては、新宿線連続立体交差事業や所沢駅西口開発計画などの将来の成長に資する案件について資本コスト3.71%を意識し事業別ハードルレート運用により厳選のうえ実行することや「ホテルアセットライト」を実行することなどにより改善させてまいります。以上によりフリーキャッシュ・フローを拡大することで得られた資金については、当面はコロナ禍で悪化した財務体質の改善が最優先であるとの考えのもと、まずは有利子負債の圧縮に活用してまいります。それと同時に、株主のみなさまへの還元も重視し、利益配分に努めてまいります。なお、当事業年度の配当金につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおり、1株当たりの普通配当を5円としております。

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループ全体の事業基盤に一層影響を及ぼす可能性のある新型コロナウイルス感染症に関する影響等の現在の状況は以下のとおりです。

 

・新型コロナウイルス感染症に関する影響等

①事業運営について

 感染状況の一進一退が続く中、当社グループの各事業においては、消毒や換気の徹底、営業時間・営業形態の変更、宿泊・婚礼・宴会におけるPCR検査付きプランの販売等、感染予防・感染拡大の防止に努めながら、事業活動をおこなっております。新型コロナウイルスワクチンの接種が進んではいるものの、下記の場合に営業収益の減少や対策費用が発生し、当社グループの業績及び財務状況に一層影響を与える可能性があります。

・国内外の各種経済情勢への影響が長期化した場合

・お客さまの出控えや国内外からの観光客の減少が継続した場合

・アフターコロナの社会において、リモートワークの普及による通勤の減少や、オンライン上で

 の交流の活発化による外出の減少等の価値変容又は行動変容が想定を超えて広がった場合

 

②従業員について

 当社グループの従業員については、グループ各社の情報通信インフラの状況に応じたリモートワークを活用した在宅勤務の実施、オフィス在社人員の削減や、業務上の必要により出勤する場合における通勤電車の混雑時間帯を明確に避けた出退勤(時差出退勤)の徹底、希望者への新型コロナウイルスワクチンの職域接種の実施、一定の場合におけるPCR検査等の実施の義務化、罹患又は濃厚接触者の発生に備えた「新型コロナウイルス対応基準」の設定等、万全の注意を払っておりますが、従業員への感染が拡大した際、通常営業に支障が出ることが懸念されます。この場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

③財務について

 新型コロナウイルス感染症の流行の長期化により、減収にともなう営業キャッシュ・フローの低下が見込まれるものの、不要不急のコストの削減・繰り延べ、収益構造の改善、キャッシュ・フローのコントロールに努めるとともに、借入や前連結会計年度のコミットメントラインの拡大などにより、足もとの必要運転資金を確保したほか、当社グループの財務基盤強化を目的とし、「当社株式の希薄化を伴わないグループとしての資本性資金の調達」として、当社連結子会社における優先株式の発行を前連結会計年度に実施いたしました。さらに、アセットライトな事業運営をすべく、経営改革を実行し、資産・事業の売却・流動化をはかっております。2022年3月31日付で当社連結子会社である西武鉄道株式会社が保有する西武建設株式会社株式の95%を株式会社ミライト・ホールディングスへ譲渡したほか、2022年2月10日には、GIC Private Limitedの関係会社であるReco Pine Private Limitedとの間で、下記二点を主な内容とする、法的拘束力を有する基本協定書を締結いたしました。

・当社連結子会社である株式会社プリンスホテル(現株式会社西武リアルティソリューションズ)が保有する、ホテル・レジャー事業資産の全76物件のうち、ザ・プリンス パークタワー東京をはじめとした一部資産(以下「本ホテル・レジャー資産」という。)をGICグループが出資する複数の会社へ譲渡すること

・当社連結子会社である株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドが本ホテル・レジャー資産の運営業務を、当社連結子会社である株式会社西武SCCATが本ホテル・レジャー資産のビルマネジメント業務をそれぞれ受託すること

 しかし、新型コロナウイルス感染症の流行の長期化により資金需要がさらに拡大した場合、当社グループの業績及び財務状況に一層影響を与える可能性があります。

 

④与信管理について

 与信管理については、取引先に対する賃料の減額など柔軟に対応しながら、与信管理に関するリスクの対応策として取引先の財務状況の把握、債権残高の把握、与信チェックにより与信管理体制の強化に努めております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の流行の長期化により、各種取引先の資金繰りの一斉悪化や、デフォルト等により、多額の債権の回収に支障を来した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

⑤業績に与える影響

 当連結会計年度においては、「(1) 業績」に記載のとおり、休業した施設数の減少や秋口からの外出需要の持ち直しに加え、コロナ禍におけるお客さまのニーズに合わせたサービス提供も寄与し、前期比では増収となったものの、新型コロナウイルス感染症流行やそれにともなう緊急事態宣言の度重なる発出、出控えの深刻化などにより厳しい事業環境が継続したことにより、前期に引き続き営業損失を計上いたしました。

 2023年3月期の通期連結業績予想は、新型コロナウイルス感染症流行が収束に向かい、国内景気は段階的に回復していくことを想定し、算定しております。詳細は、2022年5月12日に開示しております、2022年3月期決算補足説明資料「2022年3月期 決算実績概況および「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」の進捗」に記載のとおりです。

 

(7) 経営者の問題意識と今後の方針について

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 西武グループは2014年4月23日の東証一部への株式上場後、2016年の東京ガーデンテラス紀尾井町開業、2017年のステイウェル社の子会社化、2019年の新型特急車両「Laview」の運行開始など、様々な施策を展開し、収益基盤を拡大しながら着実に成長を遂げてまいりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症が猛威をふるい、当社グループにおきましても、出控えによる需要の減少などに直面いたしました。この難局を乗り越えるべく、当連結会計年度には、「「アフターコロナの社会における目指す姿」を見据え、コロナショックを乗り越え、飛躍への道筋をつける。」をテーマに、2023年度を最終年度とする3ヵ年の「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」を策定いたしました。

 当社グループの「アフターコロナの社会における目指す姿」、それは「最良・最強の生活応援企業グループ」の実現であります。

 「最良」とは、お客さま一人ひとりの価値観に寄り添い、良質なほほえみあふれる日常を創造すること、地域社会の発展、環境の保全への貢献を果たすことを指し、「最強」とは、全ての事業運営の基礎である揺るぎない安全・安心、グループの団結力・総合力、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の「経営改革」の断行による強い収支構造、財務基盤の実現を指します。

 

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 有価証券報告書提出日現在、コロナ禍で生じた価値変容・行動変容の定着に加え、ウクライナ問題のような地政学リスク、技術革新の加速、日本国内の少子高齢化の加速、SDGs(持続可能な開発目標)・2050年カーボンニュートラル(脱炭素社会)への意識が高まるなど、社会経済環境や事業環境は急速に変化しております。

 これらに対応すべく、「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」では「経営改革」「デジタル経営」「サステナビリティ」の3点を骨子とした取り組みを進めております。

 当連結会計年度はその初年度として「経営改革」を推進いたしました。詳細は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりですが、中でも新型コロナウイルス感染症による影響が大きかった「ホテル・レジャー事業」の改革に注力しました。

 一つ目は、株式会社プリンスホテルと株式会社西武プロパティーズの組織再編です。再編によりホテルオペレーター会社となった「株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド」はアセットライトなチェーンマネジメントにより当連結会計年度末時点で国内外86か所のホテル拠点を、10年間で250か所への拡大を目指します。また、総合不動産会社を目指す「株式会社西武リアルティソリューションズ」は、あらゆる手法を駆使して、グループ保有資産の価値極大化を追求します。その一環で、高輪・品川エリア、芝公園エリア、新宿エリアといった都心の再開発のみならず「軽井沢・箱根・富良野」などの知名度の高いリゾートについても、サステナビリティを意識したうえで、再開発に注力してまいります。

 二つ目は、「ホテルアセットライト」です。2022年2月10日にシンガポールの政府系ファンドであるGIC Private Limitedをパートナーとして選定し、その子会社であるReco Pine Private Limitedとの間で、対象31物件の収益最大化及び当社グループのアセットライト化の推進とホテル・レジャー事業の一層の発展、さらには西武グループ全体の企業価値の極大化につなげ、当社グループとGIC Private Limitedとの長期的なパートナーシップを構築することを目的として、基本協定書を締結いたしました。有価証券報告書提出日現在、クロージングに向けて協議を重ねております。

 その他、西武グループのDXやスポーツ事業等の戦略を強化すべく、当社に「DX・マーケティング戦略部」及び「スポーツ・アーツ&カルチャー事業戦略部」を新設いたしました。今後の成長に欠かせない西武グループのDX戦略を当社が中心となり、強力に推し進めてまいります。また、サステナビリティへの対応として、気候変動リスク・ビジネス機会双方の影響を適切に認識しつつ、西武グループ環境負荷低減目標に向けて積極的な取り組みを進めるとともに、その取り組み状況を積極的に開示してまいります。

 

 そして、中期経営計画2ヵ年目となる翌連結会計年度は「都市交通・沿線事業」の経営改革を推進いたします。西武鉄道株式会社の定期収入はリモートワークの浸透などにより、需要減少が継続しております。今後、コロナ禍で生じた人々の価値変容・行動変容が定着することにより、定期収入の完全回復の可能性は低いものと考えており、損益構造を見直します。詳細については有価証券報告書提出日現在検討中でありますが、コンセプトとしては都市交通・沿線事業が収益力の強化やグループシナジーを発揮できる最善の体制を構築することと考えております。加えて、他社連携も重要な要素と考えており、鉄道事業については、東日本旅客鉄道株式会社との包括連携強化により、沿線の活性化をはかります。

 また、車両計画においては、新造車両に限らず、環境負荷の少ない「サステナ車両(注)の導入」を進めてまいります。その導入効果として、①メンテナンス効率化②使用電力の削減③車両リサイクルによる環境負荷軽減を想定しています。

(注)サステナ車両とは、当社独自の呼称であり、無塗装車両、VVVFインバーター制御車両等の他社からの譲受車両を指します。

 また、翌連結会計年度においては、「経営改革」の一環として、「管理支援業務の集約・標準化」をはかり、人的リソースの再配分をおこなってまいりますが、設立するシェアード・サービス会社においても新しい働き方ができる環境を構築し、ダイバーシティを実現します。

 組織再編を含めたこの先の体制は以下のとおりであります。組織再編のコンセプトを「各社の機能高度化(専門性強化)」とし、グループ再編に合わせて今後の人的資本の活用をはかる「グループ人事制度の見直し」を実施いたします。新型コロナウイルス感染症の影響下である中期経営計画期間内に、グループの体制を刷新し、アフターコロナにおいて企業価値・株主価値の最大化を果たす体制を構築したいと考えております。

 

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 当社グループはこれまでもリーマンショックや東日本大震災などの難局に力強く対処し、乗り越えてまいりました。この度のコロナショックも、これまでに培ったグループの団結力、挑戦心により、必ずや打ち勝つべく、「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」の2ヵ年目となる翌連結会計年度も「最良・最強の生活応援企業グループ」の実現に向け、経営改革に邁進してまいります。

4【経営上の重要な契約等】

(組織再編に関する契約等)

 当社は、2021年12月9日開催の取締役会において、2021年12月13日付にて、当社が100%出資する子会社「株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド」を設立すること、2022年4月1日を効力発生日として、会社分割(吸収分割の方式による、以下「本吸収分割」という。)により、当社の連結子会社である株式会社プリンスホテルの事業の一部を「株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド」に承継すること、及び株式会社プリンスホテルを存続会社、当社の連結子会社である株式会社西武プロパティーズを消滅会社とする吸収合併(以下「本吸収合併」という。)をおこなうこと、併せて2022年4月1日付で、株式会社プリンスホテルは、株式会社西武リアルティソリューションズへ商号変更(以下「本件商号変更」という。)すること(一連の組織再編を、以下「本組織再編」という。)を決議いたしました。

 さらに、当社は2021年12月9日付で、本組織再編の全体の流れを取り決める「組織再編に関する合意書」を、株式会社プリンスホテル及び株式会社西武プロパティーズとの間で締結いたしました。

 本吸収分割、本吸収合併及び本件商号変更は、いずれも2022年4月1日に効力を生じました。

 

(1) 本組織再編の目的

 現在、当社では2021年5月13日に開示した中期経営計画に基づき経営改革を進めております。繰り返し起こり得るとも想定される危機に対してより強固な体質を構築すべく、顕在化した経営課題を乗り越え、グループの保有資産の価値極大化及びホテル・レジャー事業と不動産事業の競争力向上のため、グループ内組織再編を実施いたしました。

 本組織再編により、ホテルオペレーター会社となる株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドは、ホテル・レジャー事業の中心として、アセットライト、つまり保有資産を圧縮し機動的に事業を展開することにより、グループ内外のオーナーからの期待を上回るリターンを創出する、業界No.1クオリティのホテルチェーンを構築することを目指します。総合不動産会社となる株式会社西武リアルティソリューションズは、不動産事業の中心として、競争力の高い総合不動産会社に飛躍し、グループ保有資産の価値を極大化することを目指します。

 都市交通・沿線事業の中心として、シームレスな移動・暮らしやスマートな事業運営の実現を目指す西武鉄道株式会社も加えた3社を中核に、アフターコロナの社会における目指す姿の実現に向け、引き続き「最良、最強の生活応援企業グループ」に向かって挑戦し続けます。

 

本吸収分割及び本吸収合併の概要等は、以下のとおりです。

 

(2) 本吸収分割の概要

①会社分割の方法

 株式会社プリンスホテルを吸収分割会社とし、株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドを吸収分割承継会社とする吸収分割

 

②日程

 吸収分割契約の締結  2021年12月21日

 吸収分割の効力発生日 2022年4月1日

 

③分割に際して発行する株式及び割当

 株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドは、本吸収分割に際して普通株式4,000,000株を発行し、その全てを株式会社プリンスホテルに割当てました。

 

④割当株式数の算定根拠

 当社は公平性・妥当性の観点から、第三者機関より本吸収分割に関する算定書を受領しており、当該算定書の分析結果等を総合的に勘案して上記のとおり割当株式数を算定いたしました。

 

⑤分割する事業の内容

 ホテル、ゴルフ場、スキー場及びレジャー施設に係る運営事業ならびに通信販売事業

 

⑥分割する事業の経営成績(2022年3月期)

 売上高 1,978百万円

(2022年3月期において、運営受託方式にて運営している2ホテルの売上高及び通信販売事業等の売上高のみを記載しております。本吸収分割後においては、上記売上高に加え、その他のホテル、ゴルフ場及びスキー場の運営等も受託し、当該受託にかかるフィーを売上として計上する予定です。)

 

⑦分割する資産・負債の状況(2022年3月31日現在)

資産

負債

項目

帳簿価額

項目

帳簿価額

流動資産

5,283百万円

流動負債

5,201百万円

固定資産

23,578百万円

固定負債

3,345百万円

合計

28,861百万円

合計

8,547百万円

 

⑧株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドの概要

商号

株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド

事業内容

ホテル事業、ゴルフ事業及びスキー事業の運営等

(ただし、本吸収分割前は事業をおこなっておりません。)

本店所在地

東京都豊島区南池袋一丁目16番15号

代表者の役職・氏名

代表取締役社長

小山 正彦

資本金

100百万円

決算期

3月31日

大株主及び持株比率

当社100%

 

(3) 本吸収合併の概要

①合併の方法

 株式会社プリンスホテルを存続会社とし、株式会社西武プロパティーズを消滅会社とする吸収合併

 

②日程

 吸収合併契約の締結  2021年12月22日

 吸収合併の効力発生日 2022年4月1日

 

③合併に際して発行する株式及び割当

 株式会社プリンスホテルは、本吸収合併に際して普通株式71,995,000株を発行し、効力発生日の前日における株式会社西武プロパティーズの株主である当社に対して、株式会社西武プロパティーズ株式1株当たり、株式会社プリンスホテル株式85株の割合で、株式会社プリンスホテルの株式を交付しました。

 

④合併比率の算定根拠

 当社は公平性・妥当性の観点から、第三者機関に本吸収合併が当社の保有する株式会社プリンスホテル及び株式会社西武プロパティーズの普通株式に与える影響の分析を依頼し、分析資料を受領しました。当該算定書の分析結果等を総合的に勘案して上記のとおり合併比率を算定いたしました。

 

⑤引継資産・負債の状況(2022年3月31日現在)

資産

負債

項目

帳簿価額

項目

帳簿価額

流動資産

5,860百万円

流動負債

145,221百万円

固定資産

187,608百万円

固定負債

24,353百万円

合計

193,469百万円

合計

169,574百万円

 

⑥吸収合併存続会社となる会社の概要

 株式会社プリンスホテルは本吸収合併の効力発生日をもって株式会社西武リアルティソリューションズに商号を変更いたしました。

商号

株式会社西武リアルティソリューションズ

事業内容

不動産の所有、売買、管理、賃貸借、仲介業務等、

ホテルの経営

本店所在地

東京都豊島区南池袋一丁目16番15号

代表者の役職・氏名

代表取締役社長

上野 彰久(注)

資本金

8,600百万円

決算期

3月31日

大株主及び持株比率

当社100%

(注)2022年6月22日付で、齊藤朝秀が代表取締役社長に就任いたしました。

 

(西武建設株式会社の株式譲渡契約)

 当社は、2022年1月27日開催の取締役会において、当社の連結子会社である西武鉄道株式会社が西武建設株式会社の発行済株式の95%を株式会社ミライト・ホールディングスに譲渡することについて決議をおこない、同日付で西武鉄道株式会社及び株式会社ミライト・ホールディングスとの間で株式譲渡契約書を締結し、これに従い、西武鉄道株式会社は、2022年3月31日に当該株式を株式会社ミライト・ホールディングスに譲渡いたしました。

 

(ホテル・レジャー事業の一部資産に関する基本協定)

 当社は、2022年2月10日開催の取締役会において、GIC Private Limited(以下「GIC」といいます。)の関係会社である Reco Pine Private Limited(以下「Reco」といいます。)との間で、当社連結子会社である株式会社プリンスホテル(現株式会社西武リアルティソリューションズ)が保有するホテル・レジャー事業資産の全76物件のうち、一部資産(後記(1)に記載の31物件をいい、以下「本ホテル・レジャー資産」といいます。)について、収益の極大化を企図するとともに、西武グループのアセットライト化の推進とホテル・レジャー事業の一層の発展、さらには西武グループ全体の企業価値の極大化につなげ、当社グループとGICとの長期的なパートナーシップを構築することを目的として、法的拘束力を有する基本協定書(以下「本基本協定書」といいます。)を締結することを決議し、同日付で当社とRecoは、本基本協定書を締結いたしました。

 今後、本基本協定書に基づき、株式会社プリンスホテル(現株式会社西武リアルティソリューションズ)は本ホテル・レジャー資産を、GICグループが出資する複数の会社へ譲渡するとともに、当社連結子会社である株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドが本ホテル・レジャー資産の運営業務を、当社連結子会社である株式会社西武SCCATが本ホテル・レジャー資産のビルマネジメント業務をそれぞれ受託することを主な内容とする取引(以下総称して「本件取引」といいます。)をおこなってまいります。

 

(1)譲渡資産の内容

資産の名称

ザ・プリンスパークタワー東京

苗場プリンスホテル

苗場スキー場

かぐらスキー場

札幌プリンスホテル

サンシャインシティプリンスホテル

グランドプリンスホテル広島

ザ・プリンス京都宝ヶ池

志賀高原プリンスホテル

志賀高原焼額山スキー場

竜王ゴルフコース

大原・御宿ゴルフコース

釧路プリンスホテル

万座プリンスホテル

万座高原ホテル

万座温泉スキー場

下田プリンスホテル

函館大沼プリンスホテル

北海道カントリークラブ

嬬恋プリンスホテル

嬬恋高原ゴルフ場

日南串間ゴルフコース

富良野ゴルフコース

岩手沼宮内カントリークラブ

女満別ゴルフコース

屈斜路プリンスホテル

 

 

資産の名称

上士幌ゴルフ場

六日町八海山スキー場

雫石プリンスホテル

雫石スキー場

雫石ゴルフ場

 なお、今後各種の権利関係等に係る協議を進める中で対象資産の変更が発生する可能性がございます。

 

(2)本基本協定書の締結相手の概要

名称

Reco Pine Private Limited

本店所在地

168 Robinson Road #37-01 Capital Tower Singapore

(068912)

代表者の役職・氏名

Director Tsun Ah Boon Sunny

事業内容

投資保有

資本金

非開示

設立年月日

2019年11月12日

 

(3)本件取引の日程

本基本協定書の締結

2022年2月10日

資産譲渡の実行日

2022年9月(予定)

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。