第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、「地域共栄 未来創成」の企業理念のもと、2017年度に公表した以下のビジョン及び行動指針に則り、輸送サービスを中心として地域の発展とともに企業価値を向上させていくことを基本方針としております。

 企業理念

 地域共栄 未来創成

 ビジョン

 積み重ねてきたことと

 私たちの成長のすべてを、

 地域・社会に活かす。

 未来につなげる。

 行動指針

 誠実に、果敢に、おもしろく

 

(2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社の喫緊の課題は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策による様々な制限の中で、当社過去最大の損失を計上した2021年3月期からV字回復を果たすことです。

このコロナ禍を受け、昨年度に引き続き、当社グループは不採算部門の整理や徹底的な費用の見直しを実施するとともに、不急な設備投資を抑制しながらも、従業員の雇用を確保し、事業の繁閑に応じて出向や異動などグループ会社間の柔軟な人事を行い、人的資源の効率的な運用による収支改善策を継続してまいります。

一方、コロナ禍前以上に当社が飛躍するための投資や社会課題の解決に向けた様々な取り組みは実施してまいります。

自動車運送業では、乗合バス部門において、2021年6月に神戸市ポートアイランドに新たな営業所を開設し、4月より運行を開始している連節バス「PortLoop」の増強を図り、三宮中心部~ウォーターフロント間の回遊性を高めるほか、県内各地から三宮までのアクセスを強化してまいります。

人口減少が比較的大きな地域においては、中量輸送を担うバスとコミュニティバスやその他の交通手段との組み合わせにより地域の皆様の足を確保してまいります。また、自動運転バスや超小型モビリティなど様々な移動手段の実証実験を国、自治体等と共同で取り組んでまいります。加えて、移動を通じて高齢者等の健康的な暮らしを支えるためにフレイル(虚弱)予防への取り組みも開始しました。

今後も安定した利益が見込める不動産業は、さらに注力すべきと考え新たな収益物件の取得に努めるとともに、自社用地の開発やリノベーション物件の取得・販売、管理物件数の拡大などに努めます。

レジャーサービス業や旅行貸切業について、新型コロナワクチン接種による集団免疫獲得後の需要回復までは、雌伏の期間と考え、コスト削減と将来に向けた人的投資に努めてまいります。またレジャーサービス業では、飲食部門においては店舗のスクラップアンドビルドを基本に、各店舗の改善策をスピーディーに行います。旅行貸切業では、固定費率の大きい貸切バス部門において、減車や乗務員のグループ内外への出向など固定費の削減を継続するとともに、学生輸送や自治体のワクチン接種用バスなどの受注を推進してまいります。旅行部門においては、地域コンテンツの発掘とツアー造成など、地元自治体との連携を図った取り組みを増やしてまいります。

 

(3経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は中期経営計画期間を2019年度より2021年度の3年間と定め、連結数値目標を定めておりましたが、前連結会計年度末からのコロナ禍により、最終年度数値目標を下表のとおりといたします。

 

2021年度数値目標(計画策定時)

2021年度数値目標(今回)

連結売上高

48,000百万円

41,100百万円

連結営業利益

3,000百万円

700百万円

連結経常利益

3,100百万円

1,020百万円

親会社株主に帰属する当期純利益

2,000百万円

500百万円

売上高経常利益率

6.5%

2.5%

ROA(総資産経常利益率)

4.8%

1.8%

中期経営計画では以下の3点を基本方針とし、自動車運送、不動産をコア事業、旅行貸切を成長事業と位置付け、それらに重点を置いた事業展開を進めてまいります。

・事業の選択と集中、コア事業・成長事業を中心とした経営資源の再分配

・事業の再定義、事業間の横連携、業務改善による生産性の向上

・既存事業におけるエリア拡大促進

最終年度の2021度は対処すべき課題のとおり、短期的な視点による業績のV字回復と長期的な視点による事業の育成の両立を図ってまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)自動車運送業に係る補助金

自動車運送業においては、不採算路線であっても補助金制度を活用しながら社会的要請の高い路線運行を守っております。将来、補助金制度の廃止や一部削減が行われた場合、路線廃止等による事業規模の縮小、それによる地域社会の信用低下及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)原油相場の動向

バスの動力源として、原油に大きく依存しており、その価格の動向は業績に影響を及ぼします。今後、EVバスへの移行がなされたとしても、電力価格は原油相場に依拠するところが多く、変わらず業績へ影響を及ぼすと考えます。購入単価が1円変動した場合、営業利益に与える影響は年間約20百万円と試算しております。

当社グループでは軽油調達における価格変動リスクをヘッジするため、「原油スワップ取引」の導入について検討しておりますが、リスクの完全な回避・低減を保証するものではありません。

 

(3)自動車運送業に係る重大事故

自動車運送業の特性上、重大事故の可能性は常にあります。死亡・重大事故が発生すれば、賠償費用はもとより、行政処分により新たな事業計画が抑制される可能性があり、また社会的信用の失墜により、当社グループの運送事業以外の事業へも影響を及ぼす可能性があり、規模によっては経営基盤を揺るがす可能性もあります。

運輸安全マネジメント制度の導入により、「輸送の安全の確保」が義務付けとなっておりますが、当社グループとしましても「安全は全てに優先する」という基本理念の下、①3悪(飲酒運転・無免許運転・無車検運行)の撲滅、②死亡事故・重大事故ゼロ、③横断歩道上の事故ゼロ、④自転車との事故ゼロ、⑤交通事故件数の減少の5項目を目標に掲げ、トップから現場まで一丸となった安全管理体制(安全風土、安全文化)の構築に努めております。また、車両欠陥事故を絶対に起こさないよう、グループ内整備で法令に基づく点検・整備を徹底しており、加えて自社独自の追加整備など整備管理に細心の注意を払っております。

 

(4)労働力の確保

当社グループが求める人材・労働力の確保、育成が計画通りに進捗しない場合は、事業計画の停滞が発生し、ひいては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、採用特設サイト及びPR動画の作成・配信等による採用活動に加え、社内の人材育成に努めております。

 

(5)主要取引

不動産業における主要賃貸物件や、自動車運送業における特定契約輸送等、特定の取引先との取引の消滅により業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、レジャーサービス業等においては一部フランチャイズ契約によっておりますので、提供される商品やサービスに重大な欠陥等が生じた場合や、本部の経営方針の転換や業績が悪化した場合には、当社グループの経営成績及び事業戦略等に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、不動産業や自動車運送業においては、特定の取引先と友好な関係を築きつつ、事業拡大を進め取引先を増やし、リスクを分散させることに努めてまいります。また、レジャーサービス業においては、提供される商品やサービス等についてはフランチャイザーと十分に協議を進めながら重大な欠陥が生じないよう注意を払っております。

 

(6)伝染病等

この度の新型コロナウイルス感染症の拡大では、緊急事態宣言が発出され、休校や休業など外出自粛要請がなされました。この様な対処法が確立していない、もしくは感染力が強い伝染病が流行した場合、人の移動が収益へと繋がる自動車運送業、旅行貸切業、レジャーサービス業等においては収益性の低下を招き、業績及び資金繰りに悪影響を及ぼす可能性があります。

当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症による影響額は、連結単純合算ベースで売上高で10,000百万円のマイナス影響、営業損益では4,000百万円のマイナス影響があったと推定しております。当社グループでは、このような事態においても公共交通事業者としての責務を果たすため、利用者の動向を見極めながら柔軟なダイヤ編成を行うとともに、固定費のさらなる削減、不採算事業の整理等の効率化に努めております。併せて、事態が収束に向かった際には新たな事業展開をするための準備も整えてまいります。また、感染リスクが高いとされる3密を避けるため、時差出勤・テレワーク等柔軟で効果的な働き方を実施しております。

翌連結会計年度におきましても、ワクチンの効果、集団免疫等により徐々に収束すると想定しておりますが、テレワークやオンライン会議等の働き方の新しいスタイルによって、当社グループの主要事業であります自動車運送業におきましては、収束後においてもコロナ禍前の9割程度の戻りと想定しております。

 

(7)自然災害、異常気象

台風や地震等の自然災害が発生した場合、保有資産の毀損や道路環境の変化による迂回運行など自動車運送業等の費用が増大し、業績に影響を及ぼします。また、冷夏暖冬、長雨、大雪などでは、旅行貸切業、レジャーサービス業、業務受託業等の収益性の低下を招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、災害対応マニュアルを策定しており、有事の際には車両等資産の保全・バス運行復旧に向けた行動計画等マニュアルに則り、いち早い復旧に努め被害を最小限に抑える努力をしてまいります。

 

(8)法令順守・不正行為

当社グループが展開する主要な事業は、道路運送法に基づく一般乗合旅客自動車運送事業及び一般貸切旅客自動車運送事業で国土交通大臣の許可を得て営業を行っております。また、その他の各事業も様々な法令・規則等による規制を受けており、これらの規制に違反した場合、または規制に重大な変更があった場合、当社グループの事業活動が制限されるほか、法令・規制等を遵守する費用が発生する等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、ガバナンス強化、各種法令及び社会的規範を順守するため、コンプライアンス委員会を設置しグループ全社の不正防止と法令順守、企業倫理の醸成に努めております。コンプライアンス委員会では年3回の内部監査を実施し、コンプライアンス活動の調査・ヒアリングを行っております。また、社内及び社外に「内部公益通報者保護規定」に基づく通報相談窓口を設置し、法令違反等の未然防止とコンプライアンス体制の充実を図っております。

 

 

(9)保有資産の減損

保有資産においては「たな卸資産の評価に関する会計基準」、「固定資産の減損に係る会計基準」等を適用しており、資産の回収可能額が帳簿価額を下回った場合等、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、収益性の低下等により投資額の回収が見込めないことにより減損処理が必要となる場合には、減損損失を計上するとともに、追加損失の計上が無いように収支改善策に取り組んでおります。

 

(10)退職給付債務

従業員の退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産、退職給付信託の期待運用収益率に基づいて予測計算されております。運用実績や金利変動、想定外の従業員の変動により実際の結果が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用に影響を与えます。今後の資産運用環境や金利動向次第では、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)個人情報の漏洩

自動車運送業、レジャーサービス業及び旅行貸切業等では、大量の顧客情報を保有しておりますが、個人情報の流出等が発生した場合、顧客離れや企業イメージの失墜、更には多額の損害賠償請求による財務的リスクを負うなど、その後の事業展開、経営成績に多大な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、内部からの情報漏洩に対しUSBメモリ等の記憶媒体システムの使用を制限し、さらにパソコン上の操作履歴も記録する等対策をとっております。また、外部からの不正アクセスに対してはファイヤーウォール等の防御対策をとっております。

 

(12)食品の安全性

当社グループは、お客様に安全・安心な食品を提供するため、衛生管理や品質管理を徹底し、トレーサビリティの強化にも注力しております。しかしながら、そうした取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合、関連商品の消費の縮小や安全性確保のための費用により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に翻弄された一年となりました。新型コロナワクチンの普及が思うように進まず、業種によっては過去に経験したことのない未曽有の状況で推移いたしました。今後ワクチンの普及により、概ね経済活動が正常化することが期待されますが、依然、先行きは不透明な状況にあります。

この一年を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、先ず訪日外国人旅行者が大幅に減少し、緊急事態宣言が発出されてからは社会経済活動の抑制、雇用情勢の悪化、3密回避などの新しい生活様式やテレワーク、オンライン授業の浸透などにより人の流れが大幅に減少しました。2020年7月には、政府による旅行需要の回復や飲食業への消費の喚起を目的としたGoToキャンペーンが開始され国内消費に回復の兆しが一旦は見えました。しかしながら、感染再拡大により2020年12月以降GoToキャンペーンが一時停止され、緊急事態宣言の再発出もあり、「移動」を中心としたサービスを展開する当社グループには、厳しい状況が続いております。

このような状況において、当社グループはコスト削減とコロナ禍での収益確保策、コロナ収束後を見込んだ中長期的施策に取り組んでまいりました。

まずコスト削減策では、全従業員の雇用を維持しながら、従業員の休業やグループ内外への異動(出向)、役員報酬・管理職賞与の減額、設備投資の抑制、需要に応じたダイヤ編成、旅行貸切事業体制の効率化、貸切バスの減車、タクシー部門の一部譲渡、一部飲食店舗の閉店などを敢行し、一層の効率化に努めました。

コロナ禍において、また収束後の収益確保策としては、神戸市内線や三田~大阪線の増強、企業従業員輸送の確保、更には神戸市内輸送拡大のための新車庫開設などに取り組みました。

一方、厳しい状況下ながらも、技術革新による事業構造の変化に対応すべく、二度にわたる自動運転実験や超小型モビリティとの連携によるMaaSなどにも取り組んでいます。

また地域社会の課題解決やCO2削減などの環境問題にも対処し、兵庫県宍粟市での宅配荷物の輸送に続き、三田市において路線バスで地元産の野菜を中心市街地の直売所まで運ぶ「貨客混載」事業を開始しました。

また2021年4月以降も姫路市において西日本初の燃料電池バス(水素バス)の運行や神戸市三宮・元町周辺の今後のベイエリア移動需要を見込んだ連節バス「PortLoop」の運行を開始いたしました。

 

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ855百万円増加し、57,142百万円となりました。増減の主なものは、有形固定資産の増加1,993百万円、受取手形及び売掛金の増加338百万円、退職給付に係る資産の増加336百万円、未収還付法人税等の増加201百万円、未収還付消費税等の増加130百万円、現金及び預金の減少1,428百万円、投資有価証券の売却等による減少482百万円、繰延税金資産の減少214百万円等であります。

負債は、前連結会計年度末に比べ2,945百万円増加し、16,071百万円となりました。増減の主なものは、コロナ禍での手元資金拡充のための借入金の増加3,802百万円、未払法人税等の減少527百万円、未払消費税等の減少186百万円等であります。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上等による利益剰余金の減少2,272百万円、退職給付に係る調整累計額の増加187百万円等により前連結会計年度末に比べ2,089百万円減少の41,071百万円となり、自己資本比率は71.8%となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の売上高は前年同期比9,407百万円(△20.9%)減の35,669百万円、営業損失は2,266百万円(前年同期は営業利益2,043百万円)、経常損失は1,314百万円(前年同期は経常利益2,224百万円)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損失は2,167百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益993百万円)となりました。それに伴い、売上高経常利益率は前年同期比8.6ポイント減の△3.7%、ROA(総資産経常利益率)は前年同期比6.2ポイント減の△2.3%となりました。

 

 

 

セグメントの経営成績は次の通りであります。売上高、営業利益はセグメント間の内部売上高又は振替高控除前の金額であります。

なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。

 

(自動車運送)

乗合バス部門におきましては、地域の交通インフラとしての使命を果たすべく新型コロナウイルス感染症対策を講じた上で需給バランスを考慮しながら運行いたしました。旅客の状況については、買い物・レジャー客が大きく落ち込むとともに、沿線大学のオンライン授業、企業のテレワークの普及、さらには雇用の悪化などにより、コロナ禍以前には増加傾向にあった旅客数が一転し大幅に減少いたしました。高速乗合バス部門におきましては、出入国が制限されたことにより、関西空港リムジンバスの運休が続いたほか、他の路線についても減便を余儀なくされ、便当たり旅客数も減少いたしました。一方、感染予防対策を講じる企業ニーズに対応して従業員輸送を確保・増便いたしました。タクシー部門におきましては2020年5月に舞子神姫タクシー株式会社を事業譲渡しました。また、需要減少により一稼働当たりの収入、稼働率が減少しました。郵便輸送部門については、新たな定期便の獲得や新規荷主との取引を開始し、増収となりました。以上の結果、売上高は前年同期比4,751百万円(△22.9%)減の16,034百万円、新規採用の抑制や軽油単価・使用量の減少、車両代替の延期など経費削減を図ったものの、営業損益は前年同期比2,685百万円悪化し、2,514百万円の営業損失(前年同期は営業利益170百万円)となりました。

 

 

(車両物販・整備)

車両整備部門では、車検入庫台数は前年を若干上回ったものの、緊急事態宣言や営業自粛等により商用車等の稼働が低下したため、臨時修理が減少し、部品販売部門も補修や鈑金関連部品などの取扱いが減少しました。自動車販売については各種キャンペーンを実施した結果、新車販売台数が増加しました。なお、前連結会計年度末をもって、ギフト店を閉店しております。以上の結果、売上高は前年同期比428百万円(△5.1%)減の8,027百万円、営業利益は前年同期比86百万円(△17.0%)減の421百万円となりました。

 

(業務受託)

自動車管理部門では、学校など顧客の休業による稼働減や減額改定はありましたが、自治体等からの新規受注や増額改定があり増収となりました。経営受託部門では、新たに姫路市市民センター6か所の受託を開始いたしましたが、コロナ禍による施設の休館や各種催しの中止が相次ぎました。加えて、宿泊・レジャー施設では飲食・会合などが減少しました。以上の結果、売上高は前年同期比4百万円(△0.2%)減の3,003百万円、営業利益は休業手当の支給等により前年同期比42百万円(△17.2%)減の203百万円となりました。

 

(不動産)

賃貸部門では、商業施設についてはコロナ禍による賃料の値下げ要請や本社ビル1階改装工事に伴う解約などがありました。オフィスビルについても減額や解約がありましたが、2020年3月および2020年8月に取得した賃貸マンション2物件の収入が寄与しました。住宅部門の販売戸数では、建売住宅は増加しましたが、対面営業ができなかったことが影響し注文住宅は減少しました。建設部門では、公共事業やこども園舎新築工事の受注がありました。建物管理・清掃部門では、請け負っているホテル等の稼働が低迷しましたが、姫路城の清掃を獲得し、また、消毒作業などの新たな受注がありました。以上の結果、売上高は前年同期比102百万円(2.0%)増の5,263百万円、営業利益は前年同期比5百万円(0.4%)増の1,480百万円となりました。

 

(レジャーサービス)

ツタヤFC部門は、巣ごもり需要に加え、コミックのヒット作もあり書籍売上が好調に推移しました。飲食部門では、不採算店舗2店舗を閉店したほか、休業や時短営業により、既存店収入が大きく減少しました。サービスエリア部門についても高速道路通行量の大幅な減少の影響を受けました。以上の結果、売上高は前年同期比1,651百万円(△29.7%)減の3,917百万円、営業損益は前年同期比368百万円悪化し、323百万円の営業損失(前年同期は営業利益45百万円)となりました。

 

 

(旅行貸切)

旅行部門では、GoToトラベルキャンペーン期間中は国内バスツアー等で一時的に需要が大きく回復いたしましたが、訪日外国人向けバスツアーが皆無となったほか、消費者のマインドが旅行に向かず、学校や老人会等団体旅行の中止や延期などバスを使った団体旅行を得意とする当社にとっては厳しい状況が続きました。貸切バス部門においても一般団体旅行がほぼ消滅し、学生の修学旅行や野外活動の規模縮小など需要が低迷しました。以上の結果、売上高は前年同期比2,758百万円(△66.9%)減の1,364百万円、営業損益は前年同期比1,068百万円悪化し、1,445百万円の営業損失となりました。

 

(その他)

介護部門は、利用者の感染予防により、デイサービスの稼働が低下しました。サービス付き高齢者向け住宅は高稼働を維持しました。広告部門は、解約やイベント自粛によるスポット受注の減少などがありましたが、提案型営業を強化し、自治体案件などを獲得できました。ファミリーマートFC部門は、山陽姫路駅前店において外出自粛やリモートワークの影響により来店客数が減少しました。化粧品部門は、営業自粛や顧客の感染予防意識があり、サロンへの来店客数が減少しました。農業部門は、当社が取り扱う兵庫県内各地の新鮮野菜の直売店舗「バスの八百屋」を3店舗開業するとともに、県内数十か所のスーパー内に販売コーナーを設置しました。また、農作物の生産事業は終了いたしました。以上の結果、売上高は前年同期比96百万円(△6.6%)減の1,364百万円、営業損益は前年同期比52百万円悪化し、56百万円の営業損失となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,428百万円減少し、5,815百万円となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失1,797百万円、減価償却費2,649百万円、未払金の減少401百万円、減損損失468百万円、法人税等の支払額1,047百万円等により815百万円の支出(前年同期は4,059百万円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出4,885百万円、関係会社株式の売却による収入500百万円等により4,022百万円の支出(前年同期は2,473百万円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入4,230百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出287百万円、長期借入金の返済による支出427百万円等により3,409百万円の収入(前年同期は555百万円の支出)となりました。

 

なお、当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フロー(営業活動におけるキャッシュ・フローと投資活動におけるキャッシュ・フローを合算したもの)は4,837百万円のマイナスとなりました。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

当社グループはサービス業を主体とし、その生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であるため、生産実績・受注状況に代えて各セグメントの大半を占める提出会社及び特定の子会社の状況をb.その他の実績として記載するとともに、「(1)経営成績等の状況の概要」における各セグメント業績に関連付けて示しております。

 

 

a.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

自動車運送

15,871

77.1

車両物販・整備

6,184

99.4

業務受託

2,983

99.8

不動産

3,999

92.9

レジャーサービス

3,917

70.4

旅行貸切

1,352

34.1

 報告セグメント計

34,308

78.7

その他

1,361

93.6

合計

35,669

79.1

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。また、セグメント間の取引については消去しております。

2.総販売実績の100分の10以上の相手は、前連結会計年度、当連結会計年度ともありません。

 

 

b.その他の実績

①自動車運送

会社名

事業内容等

単位

当連結会計年度

前年同期比(%)

神姫バス㈱

一般乗合旅客・車両数(注)

753

98.9

   同   ・輸送人員(注)

千人

38,824

75.1

(注)1.一般旅客・車両数のうちリース車両は1両(前年同期は0両)であります。

2.一般乗合旅客・車両数及び輸送人員のうちには、特定旅客に対するものが62両(前年同期比112.7%)、1,540千人(前年同期比106.7%)含まれております。

 

②車両物販・整備

会社名

事業内容等

単位

当連結会計年度

前年同期比(%)

神姫産業㈱

自動車部品・タイヤ仕入高

百万円

4,548

99.0

神姫商工㈱

自動車整備・車検台数

5,465

100.8

自動車販売・販売台数

318

97.8

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③業務受託

会社名

事業内容等

単位

当連結会計年度

前年同期比(%)

㈱ホープ

運行管理・延受託車両数

4,320

99.7

 

 

④不動産

会社名

事業内容等

単位

当連結会計年度

前年同期比(%)

神姫バス㈱

賃貸料

百万円

2,447

100.2

神姫バス不動産㈱

土地分譲・区画数

区画

21

77.8

建物販売・戸数

31

91.2

建設事業・完成工事高

百万円

1,065

138.4

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

⑤レジャーサービス

会社名

事業内容等

単位

当連結会計年度

前年同期比(%)

神姫バス㈱

ツタヤFC業・有効会員数

164,136

91.9

神姫フードサービス㈱

飲食業・仕入高

(売店の物販を含む)

百万円

980

56.7

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

⑥旅行貸切

会社名

事業内容等

単位

当連結会計年度

前年同期比(%)

神姫観光㈱

一般貸切旅客・車両数(注)

86

69.4

   同   ・延実働車両数

9,045

37.6

神姫観光㈱及び神姫バス㈱

旅行業・ツアー集客数

85,172

31.2

(注)一般貸切旅客・車両数のうちリース車両は27両(前年同期比135%)であります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、新型コロナウイルス感染症の影響により、1978年3月期からの連結財務諸表作成義務化以降初の当期純損失となりました。売上高は、「人の移動」が収益源となります自動車運送業・旅行貸切業・レジャーサービス業におきまして特に影響を受け、それ以外の全ての事業においても前連結会計年度を下回ったことにより35,669百万円(前年同期比20.9%減)となりました。営業損益は、売上高の減少に伴う原価や販管費の減少はあったものの、減収の影響が大きく2,266百万円の営業損失(前年同期は営業利益2,043百万円)を計上し、経常損益は雇用調整助成金や時短要請協力金等新型コロナウイルス感染症関連助成金収入の計上もありましたが、1,314百万円の経常損失(前年同期は経常利益2,224百万円)となりました。また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、想定していた収入が見込まれなくなったこと等による減損損失468百万円の計上もあり、親会社株主に帰属する当期純損失は2,167百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益993百万円)となりました。それに伴い売上高経常利益率は前年同期比8.6ポイント減の△3.7%、ROA(総資産経常利益率)は前年同期比6.2ポイント減の△2.3%となりました。

セグメントごとの分析につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通りであります。

 

中期経営計画3ヵ年の2年目である2020年度の達成・進捗状況は以下の通りであります。

(単位:百万円)

 

2021年3月期

計画

2021年3月期

実績

2021年3月期

計画比

2022年3月期

策定時目標数値

 連結売上高

46,930

35,669

△11,261

(△24.0%)

48,000

 連結営業利益

2,867

△2,266

△5,133

(-)

3,000

 連結経常利益

3,037

△1,314

△4,351

(-)

3,100

 親会社株主に帰属する

当期純利益

2,033

△2,167

△4,200

(-)

2,000

 売上高経常利益率

6.5%

△3.7%

△10.2ポイント

6.5%

 ROA

(総資産経常利益率)

5.0%

△2.3%

△7.3ポイント

4.8%

 

 

前連結会計年度から始まりました中期経営計画においては、自動車運送業・不動産業をコア事業、旅行貸切業を成長事業と位置付け、それらに重点を置いた事業展開を進めていくこと、またそれに加え、訪日外国人旅行者の取り込みをはじめとする観光事業における関西~首都圏での事業拡大、自動運転等の次世代モビリティへの取り組みによる新たな移動サービスへの挑戦を掲げておりました。

中期経営計画2年目の当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症のマイナス影響は非常に大きく、当社グループ連結業績は計画から大きく乖離することとなりました。売上高は、計画比24%減、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は一転して赤字に転落しました。それに伴い、売上高経常利益率は計画比10.2ポイントの減少、ROA(総資産経常利益率)は計画比7.3ポイントの減少となりました。

今回のコロナ禍により、中期経営計画最終年度であります翌連結会計年度の目標数値を大幅に下方修正しております。(「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」参照)

当面は不急の支出を抑制し、新型コロナウイルス感染症の業績に及ぼす影響を最小限にとどめるよう努めてまいります。コロナ禍収束後においては、働き方や暮らし方、ビジネス慣行の変化が予想されますが、各事業においてその変化に対応しながら、今中期経営計画の基本方針を踏まえ、2022年度から始まります次期3ヵ年に向けた新たな中期経営計画の策定にも取り組んでまいります。

 

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況としましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は5,815百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,428百万円減少しました。これはコロナ禍の影響を大きく受け、営業活動による資金が前連結会計年度末と比べ4,874百万円減少の815百万円の赤字となったこと、神戸新車庫用地取得と事務所・工場棟建設、収益物件の取得等投資活動の結果、使用した資金が前連結会計年度末に比べ1,549百万円増加の4,022百万円となったこと、これらの投資状況及びコロナ禍の影響長期化に備えた手元資金の積み増し等により、財務活動による資金調達は前連結会計年度末に比べ3,964百万円増加の3,409百万円となったことによります。上記のほか、各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

資本の財源及び資金の流動性の分析について、当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしています。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備資金や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入金を基本としております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は5,151百万円と前連結会計年度に比べ3,914百万円の大幅増となりました。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載の通りであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

研究開発活動は行っておりません。