第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、「地域共栄 未来創成」の企業理念のもと、2017年度に公表した以下のビジョン及び行動指針に則り、輸送サービスを中心として地域の発展とともに企業価値を向上させていくことを基本方針としておりました。これに加え、このコロナ禍において、将来の不確実性が高まる中、当社を原点から見つめ直し、当社グループの果たすべき役割、社会的な存在意義をパーパスとして定義し、2030年のあるべき姿を示した「グループ構想2030」を策定したうえで、2022年度から2024年度を対象とする中期経営計画を策定しております。

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(2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 コロナ禍にあったこの2年間で多くの人がWeb会議、オンライン授業、在宅ワークなど移動を伴わずとも、容易に、リアルタイムにコミュニケーションが取れるビデオチャットツールが浸透し、インターネット通販や動画配信サービスの利用拡大など、ライフスタイルは大きく変化しました。

 その様なコロナ禍により急激に進展した不可逆的な変化や少子高齢化など構造的課題を踏まえ、当社では上記の通り、2030年の姿を示した「グループ構想2030」及び、そのグループ構想2030への最初の3年間である2022年度から2024年度を対象とする中期経営計画を策定いたしました。

 この計画を今後、強力に推進してまいります。

 

1.当社のパーパス及びグループ構想2030

 将来の不確実性が高まる中、当社グループの果たすべき役割、社会的な存在意義をパーパスとして定義し、2030年のあるべき姿を示した「グループ構想2030」を策定いたしました。

○パーパス

移動をベースに地域を活性化させるとともに、地域の人々の生活を支援し、地域と共に従業員・家族の幸せを向上する。

○グループ構想2030(2030年のあるべき姿)

地域に不可欠、なくてはならない「まちづくり・地域づくり企業」へ進化する

~地域の移動を支え、暮らしを豊かにするとともに、地域の魅力を発掘・創出・発信し、地域価値を高める~

2.中期経営計画(2022年度~2024年度)

 グループ構想2030に向け、当中期経営計画期間中にコロナ禍前と同水準の利益規模への回復を目指すとともに、「まちづくり・地域づくり」企業への転換を図るために基本方針及び重点戦略を策定いたしました。

○基本方針 『利益水準の回復と事業構造改革』

○重点戦略 ・神戸エリアでの路線拡充、観光周遊バスの充実をはじめとする事業拡大

・中山間地での地域に適した交通体系への転換と地域密着サービスの提供によるサステナブルな事業モデル確立

・不動産業の拡大

・ノンコア、かつ不採算事業はグループ内再編による効率化・収益力強化、または売却・撤退

・未来への成長投資の実行(人材・環境・デジタル分野)

3.主要なセグメントの戦略

 2.の基本方針及び重点戦略に基づき立案した、主要な事業セグメントの戦略は以下の通りです。

①自動車運送事業

 既存路線バス収入はコロナ禍前の85%程度に止まることを前提に、安全投資は継続しながらも路線再編、増収施策、コスト削減等により、利益はコロナ禍前の水準に回復させ、安全性と収益性を両立した事業モデルを構築する。

・重点戦略エリア(神戸・大阪・淡路島)における事業拡大

→神戸市内観光周遊バス『シティーループ』と連節バス『ポートループ』による市内回遊性の向上

→兵庫県内の住宅地から大阪方面への路線拡充

・路線バス、タクシー、契約輸送、デマンドバスなど、地域に適した持続可能な交通体系への転換

 →次世代モビリティやMaaSなど新たな移動サービスへの積極的参画

・旅客サービスの向上

 →地域と連携したセット券、企画乗車券、サブスクリプション型サービスの展開

・安全・安心なサービスの提供(運輸安全マネジメントの継続的な実践)

 →運行管理、健康管理の充実

 →運転士の指導教育の強化

②不動産業

 安定収益としての物件取得と総合不動産業としての事業の飛躍を図る

・収益物件購入及び開発事業のための投資枠…100億円

③旅行貸切業

 旅行の回復・反動需要の確実な取り込みに加え、地域の観光資源を開発、発掘し、多様化する観光ニーズに対応する。

・健康・長寿・自然をテーマとしたツーリズム、体験型、着地型ツアーなど新しい旅のかたちへの取組強化

・団体旅行から個人旅行への変化に対応した商品、サービスの展開

・インバウンド回復期を見据えた商品開発と販売チャネルの拡大

4.ESGの取り組み

 まちづくり・地域づくり企業として、事業を通じて社会との共通価値を創り、人と環境にやさしい社会の実現に向け、取り組んでまいります。

○E(Environment:環境)

・ハイブリッドバスの積極導入、カーボンゼロ車両(EV、FCV車両)の導入推進

・マイカー通勤企業に対して公共交通のシフト促進

・再生可能エネルギー設備の導入、使用電力の脱炭素化

○S(Social:社会)

・地域コンテンツの発掘、ECサイト「LocalPrime(ローカルプライム)」での販売

・PPP事業の推進、公共施設の価値向上に寄与

・フレイル予防への取組推進

・健康経営の推進(健康経営優良法人2022取得)

○G(Governance:企業統治)

・独立社外取締役比率1/3以上(ダイバーシティの視点を含めて選定)

・指名・報酬委員会の機能強化(委員の過半数が独立社外役員、委員長も独立社外役員)

・コンプライアンス委員会の活動強化

5.投資計画

 

投資額

主な投資内容・目的

不動産投資

100億円

収益物件取得・開発

成長投資

100億円

CVC投資、システム投資、M&A、整備工場更新

安全・維持更新

40億円

車両更新等

合計

240億円

 

 

 

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

新たに策定した2022年度から2024年度までを計画期間とする中期経営計画においては、最終年度である2024年度の連結数値目標を以下の通り定めております。

 

2024年度数値目標(計画策定時)

連結売上高

48,000百万円

連結営業利益

2,400百万円

連結経常利益

2,500百万円

親会社株主に帰属する当期純利益

1,700百万円

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)自動車運送業に係る補助金

自動車運送業においては、不採算路線であっても補助金制度を活用しながら社会的要請の高い路線運行を守っております。将来、補助金制度の廃止や一部削減が行われた場合、路線廃止等による事業規模の縮小、それによる地域社会の信用低下及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)原油相場の動向

バスの動力源として、原油に大きく依存しており、その価格の動向は業績に影響を及ぼします。今後、EVバスへの移行がなされたとしても、電力価格は原油相場に依拠するところが多く、変わらず業績へ影響を及ぼすと考えます。購入単価が1円変動した場合、営業利益に与える影響は年間約20百万円と試算しております。

 

(3)自動車運送事業に係る重大事故

自動車運送事業の特性上、重大事故の可能性は常にあります。死亡・重大事故が発生すれば、賠償費用はもとより、行政処分により新たな事業計画が抑制される可能性があり、また社会的信用の失墜により、当社グループの運送事業以外の事業へも影響を及ぼす可能性があり、規模によっては経営基盤を揺るがす可能性もあります。

運輸安全マネジメント制度の導入により、「輸送の安全の確保」が義務付けとなっておりますが、当社グループとしましても「安全は全てに優先する」という基本理念の下、①3悪(飲酒運転・無免許運転・無車検運行)の撲滅、②死亡事故・重大事故ゼロ、③横断歩道上の事故ゼロ、④自転車との事故ゼロ、⑤交通事故件数の減少の5項目を目標に掲げ、トップから現場まで一丸となった安全管理体制(安全風土、安全文化)の構築に努めております。また、車両欠陥事故を絶対に起こさないよう、グループ内整備で法令に基づく点検・整備を徹底しており、加えて自社独自の追加整備など整備管理に細心の注意を払っております。

 

(4)労働力の確保

当社グループが求める人材・労働力の確保、育成が計画通りに進捗しない場合は、事業計画の停滞が発生し、ひいては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、乗務員確保のための柔軟な働き方の提案や運転体験会の実施のほか、採用特設サイト及びPR動画の作成・配信等による採用活動をしております。また、大学等教育機関との連携や、階層別研修等により社内の人材育成に努めております。

 

(5)主要取引

不動産業における主要賃貸物件や、自動車運送業における特定契約輸送等、特定の取引先との取引の消滅により業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、レジャーサービス業等においては一部フランチャイズ契約によっておりますので、提供される商品やサービスに重大な欠陥等が生じた場合や、本部の経営方針の転換や業績が悪化した場合には、当社グループの経営成績及び事業戦略等に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、不動産業や自動車運送業においては、特定の取引先と友好な関係を築きつつ、事業拡大を進め取引先を増やし、リスクを分散させることに努めてまいります。また、レジャーサービス業においては、提供される商品やサービス等についてはフランチャイザーと十分に協議を進めながら重大な欠陥が生じないよう注意を払っております。

 

(6)伝染病等

新型コロナウイルス感染症の拡大では、緊急事態宣言が発出され、休校や休業など外出自粛要請がなされました。この様な対処法が確立していない、もしくは感染力が強い伝染病が流行した場合、人の移動が収益へと繋がる自動車運送業、旅行貸切業、レジャーサービス業等においては収益性の低下を招き、業績及び資金繰りに悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、このような事態においても公共交通事業者としての責務を果たすため、利用者の動向を見極めながら柔軟なダイヤ編成を行うとともに、固定費のさらなる削減、不採算事業の整理等の効率化に努めております。

 

(7)自然災害、異常気象

台風や地震等の自然災害が発生した場合、保有資産の毀損や道路環境の変化による迂回運行など自動車運送業等の費用が増大し、業績に影響を及ぼします。また、冷夏暖冬、長雨、大雪などでは、旅行貸切業、レジャーサービス業、業務受託業等の収益性の低下を招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、事業継続計画や災害対応マニュアルを策定し、有事の際には車両等資産の保全・バス運行復旧に向けた行動計画等マニュアルに則り、いち早い復旧に努め被害を最小限に抑える努力をしてまいります。

 

(8)法令順守・不正行為

当社グループが展開する主要な事業は、道路運送法に基づく一般乗合旅客自動車運送事業及び一般貸切旅客自動車運送事業で国土交通大臣の許可を得て営業を行っております。また、その他の各事業も様々な法令・規則等による規制を受けており、これらの規制に違反した場合、または規制に重大な変更があった場合、当社グループの事業活動が制限されるほか、法令・規制等を遵守する費用が発生する等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、ガバナンス強化、各種法令及び社会的規範を順守するため、コンプライアンス委員会を設置しグループ全社の不正防止と法令順守、企業倫理の醸成に努めております。コンプライアンス委員会では年3回の内部監査を実施し、コンプライアンス活動の調査・ヒアリングを行っております。また、社内及び社外に「内部公益通報に関する規定」に基づく通報相談窓口を設置し、法令違反等の未然防止とコンプライアンス体制の充実を図っております。

 

 

(9)保有資産の減損

保有資産においては「棚卸資産の評価に関する会計基準」、「固定資産の減損に係る会計基準」等を適用しており、資産の回収可能額が帳簿価額を下回った場合等、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、収益性の低下等により投資額の回収が見込めないことにより減損処理が必要となる場合には、減損損失を計上するとともに、追加損失の計上が無いように収支改善策に取り組んでおります。

 

(10)退職給付債務

従業員の退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産、退職給付信託の期待運用収益率に基づいて予測計算されております。運用実績や金利変動、想定外の従業員の変動により実際の結果が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用に影響を与えます。今後の資産運用環境や金利動向次第では、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)個人情報の漏洩

自動車運送業、レジャーサービス業及び旅行貸切業等では、大量の顧客情報を保有しておりますが、個人情報の流出等が発生した場合、顧客離れや企業イメージの失墜、更には多額の損害賠償請求による財務的リスクを負うなど、その後の事業展開、経営成績に多大な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、内部からの情報漏洩に対しUSBメモリ等の記憶媒体システムの使用を制限し、さらにパソコン上の操作履歴も記録する等対策をとっております。また、外部からの不正アクセスに対してはファイヤーウォール等の防御対策をとっております。

 

(12)食品の安全性

当社グループは、お客様に安全・安心な食品を提供するため、衛生管理や品質管理を徹底し、トレーサビリティの強化にも注力しております。しかしながら、そうした取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合、関連商品の消費の縮小や安全性確保のための費用により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度のわが国経済は、一昨年来続く新型コロナウイルス感染症の影響が色濃く、上半期は緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用が断続的にあり経済活動が制限されました。10月頃より、ワクチン接種の拡大や感染者数の減少に伴い、消費は回復傾向となりましたが、1月頃よりオミクロン株による感染再拡大がみられ、再び経済活動が抑制されるなど、年度を通じて厳しい状況が続きました。さらに原油価格の高騰や海外情勢不安など先行きは予断を許さない状況となっております。

当社グループを取りまく環境におきましても、政府の感染防止施策により、移動や団体での活動、飲食などが制限され、移動を中心に対面でのサービスを多く展開する当社グループの各事業は大きな影響を受けました。

このような状況下でも、当社は企業理念である「地域共栄・未来創成」の下、事業を行う地域において継続的な便益を提供することが使命と考えており、設備投資の抑制や固定費等の見直しによるコスト削減と経営資源の効率的な活用により収支改善に努めた一方、収益性が見込める事業分野への投資と地域の課題解決に繋がる取組を実施しました。特に、当社が注力している神戸市中心部では、路線バスの新営業所が竣工し、連節バス「ポートループ」を増車するなど、輸送力の強化を図りました。さらに、2022年4月からは神戸市内観光周遊バス「シティーループ」及び、山手線の運行を開始いたしております。今後、ますます周辺エリアとの回遊性を高め、地域住民や観光客の利便性向上に努めてまいります。

また、地域社会や環境などの課題を解決するために、MaaSやグリーンスローモビリティの実証実験を播磨科学公園都市、丹波篠山市や姫路市内で行い、さらに、自治体や地元事業者と連携して、人・モノの輸送、観光客誘致、特産品の販売・PRにも取組んでおります。

 

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,801百万円増加し、58,944百万円となりました。増減の主なものは、現金及び預金の増加5,047百万円、有形固定資産の減少2,393百万円、受取手形及び売掛金の減少784百万円等であります。

負債は、前連結会計年度末に比べ126百万円減少し、15,944百万円となりました。増減の主なものは、借入金の減少626百万円、リース債務の減少320百万円、その他固定負債の減少320百万円、繰延税金負債の増加690百万円、未払法人税等の増加370百万円等であります。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加1,948百万円、その他有価証券評価差額金の減少7百万円、為替換算調整勘定の減少3百万円、退職給付に係る調整累計額の減少2百万円等により前連結会計年度末に比べ1,927百万円増加の42,999百万円となり、自己資本比率は72.9%となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の売上高は前年同期比3,145百万円(8.8%)増の38,814百万円、営業利益は300百万円(前年度は営業損失2,266百万円)、経常利益は1,079百万円(前年度は経常損失1,314百万円)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は2,137百万円(前年度は親会社株主に帰属する当期純損失2,167百万円)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用したことにより、売上高は906百万円増加し、売上原価は907百万円増加し、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ0百万円減少しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。

 

 

 

 

セグメントの経営成績は次の通りであります。売上高、営業利益はセグメント間の内部売上高又は振替高控除前の金額であります。

なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。

 

(自動車運送)

一般乗合バス部門におきましては、神戸、大阪エリアの路線を増強した一方で、コロナ禍での需給バランスを考慮しながら細やかなダイヤ改正を実施し、輸送の効率化を図りました。ICカード利用者数は、ワクチン接種の普及による段階的な行動制限緩和などにより、厳しい行動制限を強いられた前年度に比べて、約109%と増加したものの、コロナ禍前に比べると依然80%前後で推移しております。高速バス部門は、淡路島内への近距離生活路線の旅客数は回復しましたが、長距離路線は低調に推移しました。以上の結果、売上高は前年同期比1,109百万円(7.0%)増の17,066百万円、営業損失は858百万円(前年度は営業損失2,512百万円)まで圧縮いたしました。

 

 

(車両物販・整備)

車両物販部門におきましては、自動車メーカーの生産遅延により自動車販売台数は減少したものの、車両使用年数が伸長したことにより、整備部品の販売が増加しました。また、インターネット販売が好調であったことやタイヤ値上げ前の駆け込み需要もあり、増収となりました。整備部門におきましては、新規顧客確保に注力した結果、当社グループ外の車検、臨時修理、鈑金塗装などが増加いたしました。以上の結果、売上高は前年同期比199百万円(2.5%)増の8,226百万円、営業利益は前年同期比6百万円(1.6%)増の428百万円となりました。

 

(業務受託)

車両管理部門におきましては、安全管理費用を反映した契約金額の増額改定や自治体等との新規契約があり増収となりました。経営受託部門では、大きく落ち込んだ前年度に比べ、宿泊施設、レジャー施設などの利用者が増え、増収となりました。以上の結果、売上高は前年同期比90百万円(3.0%)増の3,171百万円、営業利益は人件費や安全に関する費用が増加し、前年同期比35百万円(△17.4%)減の166百万円となりました。

 

(不動産)

賃貸部門におきましては、一昨年購入した賃貸マンション収入が通年寄与しましたが、商業施設のテナントに一部解約が発生したこと等により減収となりました。建設部門におきましては、比較的規模の大きな新築工事などの受注により増収となりました。住宅部門におきましては、リノベーション住宅の販売や、土地の販売区画数の増加、注文住宅の受注単価が上昇したことにより増収となりました。建物管理部門におきましては、既存契約のホテルの稼働が増加したことに伴い客室清掃業務が増えたほか、複数の新規案件を受注したことにより増収となりました。以上の結果、売上高は前年同期比367百万円(7.0%)増の5,630百万円、営業利益は前年同期比77百万円(5.2%)増の1,558百万円となりました。

 

(レジャーサービス)

飲食部門におきましては、前年度の2店舗に続き、当連結会計年度には4店舗の不採算店舗を閉店したことにより減収となりました。SA部門におきましては、高速道路の通行量が回復傾向となったことに伴い利用者が増加し、増収となりました。ツタヤFC部門におきましては、前年度の巣ごもり需要、人気コミック発売の反動減により減収となりました。以上の結果、売上高は前年同期比169百万円(△4.3%)減の3,748百万円、営業損失は254百万円(前年度は営業損失323百万円)となりました。

 

 

 

(旅行貸切)

旅行部門の募集型企画旅行は、上半期は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置適用期間にツアー催行中止が相次ぎました。下半期は兵庫県民割適用のバスツアーや雪に恵まれたスキーツアーが好調でしたが、冬の主要な企画であるかにツアーが、かにの価格高騰により苦戦を強いられました。手配旅行では一般団体からの受注は低迷しましたが、自治体からの受託案件を獲得することができました。貸切バス部門では、ワクチン接種会場への送迎バスや東京オリンピック・パラリンピック関係の運行を行い、増収となりました。以上の結果、売上高は前年同期比1,419百万円(104.0%)増の2,784百万円、営業損失は660百万円(前年度は営業損失1,445百万円)となりました。

 

(その他)

広告部門におきましては、主力の交通広告において旅客の減少によりバス車内広告の販売は苦戦しましたが、ラッピング広告や自治体のプロポーザル案件の受注等により増収となりました。介護部門におきましては、デイサービス、ショートステイで感染予防のため、営業を自粛した期間がありましたが、サービス付き高齢者住宅が高稼働率であったことや訪問介護利用者の増加により増収となりました。以上の結果、売上高は前年同期比133百万円(9.8%)増の1,497百万円、営業損失は28百万円(前年度は営業損失56百万円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて5,152百万円増加し、10,968百万円となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益3,445百万円、有形固定資産売却益2,755百万円、減価償却費2,119百万円、売上債権の減少784百万円、減損損失379百万円等により3,949百万円の収入(前年度は815百万円の支出)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入4,445百万円、有形固定資産の取得による支出1,665百万円、投資有価証券の取得による支出105百万円等により2,632百万円の収入(前年度は4,022百万円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出626百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出283百万円等により1,429百万円の支出(前年度は3,409百万円の収入)となりました。

 

なお、当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フロー(営業活動におけるキャッシュ・フローと投資活動におけるキャッシュ・フローを合算したもの)は6,581百万円のプラスとなりました。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

当社グループはサービス業を主体とし、その生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であるため、生産実績・受注状況に代えて各セグメントの大半を占める提出会社及び特定の子会社の状況をb.その他の実績として記載するとともに、「(1)経営成績等の状況の概要」における各セグメント業績に関連付けて示しております。

 

 

a.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

自動車運送

16,896

107.0

車両物販・整備

6,448

104.3

業務受託

3,151

103.0

不動産

4,320

108.0

レジャーサービス

3,748

95.7

旅行貸切

2,755

203.8

 報告セグメント計

37,320

108.8

その他

1,494

109.8

合計

38,814

108.8

(注)1.セグメント間の取引については消去しております。

2.総販売実績の100分の10以上の相手は、前連結会計年度、当連結会計年度ともありません。

 

 

b.その他の実績

①自動車運送

会社名

事業内容等

単位

当連結会計年度

前年同期比(%)

神姫バス㈱

一般乗合旅客・車両数(注)

738

98.0

   同   ・輸送人員(注)

千人

41,092

105.8

(注)1.一般旅客・車両数のうちリース車両は1両(前年同期は1両)であります。

2.一般乗合旅客・車両数及び輸送人員のうちには、特定旅客に対するものが62両(前年同期比100.0%)、1,586千人(前年同期比103.0%)含まれております。

 

②車両物販・整備

会社名

事業内容等

単位

当連結会計年度

前年同期比(%)

神姫産業㈱

自動車部品・タイヤ仕入高

百万円

4,828

106.2

神姫商工㈱

自動車整備・車検台数

5,630

103.0

自動車販売・販売台数

247

77.7

 

③業務受託

会社名

事業内容等

単位

当連結会計年度

前年同期比(%)

神姫トラストホープ㈱

運行管理・延受託車両数

4,258

98.6

 

 

④不動産

会社名

事業内容等

単位

当連結会計年度

前年同期比(%)

神姫バス㈱

賃貸料

百万円

2,430

99.3

神姫バス不動産㈱

土地分譲・区画数

区画

24

114.3

建物販売・戸数

29

93.5

建設事業・完成工事高

百万円

1,269

119.2

 

 

 

⑤レジャーサービス

会社名

事業内容等

単位

当連結会計年度

前年同期比(%)

神姫バス㈱

ツタヤFC業・有効会員数

144,999

88.3

神姫フードサービス㈱

飲食業・仕入高

(売店の物販を含む)

百万円

994

101.4

 

 

⑥旅行貸切

会社名

事業内容等

単位

当連結会計年度

前年同期比(%)

神姫観光㈱

一般貸切旅客・車両数(注)

90

104.7

   同   ・延実働車両数

12,825

141.8

神姫観光㈱及び神姫バス㈱

旅行業・ツアー集客数

49,198

57.8

(注)一般貸切旅客・車両数のうちリース車両は34両(前年同期比125.9%)であります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績について、売上高は、レジャーサービス業の飲食部門において不採算店舗4店舗の閉店等により減収となったものの、自動車運送業において段階的な移動制限緩和により利用者が増加したことや、大阪・神戸エリアの路線を増強したこと、旅行貸切業の貸切バス部門において、ワクチン接種会場への送迎バスや東京オリンピック・パラリンピック関係の受注を獲得したこと等により改善し、38,814百万円(前年同期比8.8%増)となりました。営業利益は燃料費等の高騰はありましたが、人件費や減価償却費などの低減に取り組んだことにより300百万円(前年度は営業損失2,266百万円)となりました。コロナ関連助成金等を加えた経常利益は1,079百万円(前年度は経常損失1,314百万円)となりました。さらに、老朽化した当社本社ビル・土地の売却による特別利益を計上したことで親会社株主に帰属する当期純利益は2,137百万円(前年度は親会社株主に帰属する当期純損失2,167百万円)となり、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益とも黒字転換することができました。また、売上高経常利益率は2.8%(前年同期比6.5ポイント増)、ROA(総資産経常利益率)は1.9%(前年同期比4.2ポイント増)となりました。

セグメントごとの分析につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通りであります。

 

中期経営計画3ヵ年の最終年度である2021年度の達成・進捗状況は以下の通りであります。

(単位:百万円)

 

2022年3月期

目標

2022年3月期

実績

2022年3月期

目標比

 連結売上高

48,000

38,814

△9,186

(△19.1%)

 連結営業利益

3,000

300

△2,700

(△90.0%)

 連結経常利益

3,100

1,079

△2,021

(△65.2%)

 親会社株主に帰属する

当期純利益

2,000

2,137

137

(+6.9%)

 売上高経常利益率

6.5%

2.8%

△3.7ポイント

 ROA

(総資産経常利益率)

4.8%

1.9%

△2.9ポイント

 

 

2019年度より始まりました中期経営計画においては、自動車運送業・不動産業をコア事業、旅行貸切業を成長事業と位置付け、それらに重点を置いた事業展開を進めていくこと、またそれに加え、訪日外国人旅行者の取り込みをはじめとする観光事業における関西~首都圏での事業拡大、自動運転等の次世代モビリティへの取り組みによる新たな移動サービスへの挑戦を掲げておりました。

最終年度となりました当連結会計年度の達成状況は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止施策による行動制限等の影響を受けたことにより、目標値に対し売上高は9,186百万円(△19.1%)減の38,814百万円、営業利益は2,700百万円(△90.0%)減の300百万円、経常利益は2,021百万円(△65.2%)減の1,079百万円となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は本社ビル売却による特別利益を計上したことにより137百万円(6.9%)増の2,137百万円となりました。それに伴い、売上高経常利益率は目標比3.7ポイントの減少、ROA(総資産経常利益率)は目標比2.9ポイントの減少となりました。

当社グループでは将来環境の不確実性が高まる中、当社グループの果たすべき役割、社会的な存在意義をパーパスとして定義したうえで、2030年のあるべき姿を描いた「グループ構想2030」及び、2022年度から2024年度を対象とする中期経営計画を策定いたしました。詳しくは「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境、優先的に対処すべき事実上及び財務上の課題 1.当社のパーパス及びグループ構想2030」及び「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境、優先的に対処すべき事実上及び財務上の課題 2.中期経営計画(2022年度~2024年度)」に記載しております。

 

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況としましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は10,968百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,152百万円増加しました。主な要因はコロナ禍による移動制限が前連結会計年度に比べ緩和されたことなどで、営業活動による資金が前連結会計年度末と比べ4,764百万円増加の3,949百万円となったこと、本社ビル・土地を売却したことにより投資活動による資金が前連結会計年度末に比べ6,654百万円増加の2,632百万円となったこと、前連結会計年度に借入を行ったことによる反動や、借入金の返済により財務活動による資金が前連結会計年度末に比べ4,838百万円減少の1,429百万円の赤字となったことによります。上記のほか、各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしています。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備資金や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入金を基本としております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は4,205百万円と前連結会計年度に比べ946百万円の減少となりました。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載の通りであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

研究開発活動は行っておりません。