第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

本項文中における将来に関する事項は、令和4年5月末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 (1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、当社を中核とした16社で構成されており、バス事業、建設業、清掃・警備業、不動産事業、観光・旅行事業など地域社会に密着した様々な事業を展開しております。

これらグループ各社が連帯・協調しながら、バス事業にあっては「安全輸送と旅客サービスの提供」、その他の事業においても「安全・安心な商品・サービスの提供」を通じて地域社会と共に歩み貢献する企業集団として、連携し発展を図ることを、グループ経営の基本方針としております。

 

 (2) 目標とする経営指標

当社グループは、持続的な成長、発展のためには、収益基盤を一層強化し、着実に企業価値を向上させることが必要であると考えております。そのために、中長期的な総資産の効率的運用、収益性の向上(売上高営業利益率の向上)を目指しております。

 

 (3) 中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題

当社グループを取り巻く経営環境は、100年に1度とも言われる新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響が続き、その収束の時期が見通せないこと、また、原材料価格の上昇やウクライナ情勢の緊迫化により、先行きが極めて不透明な状況が続いております。

当社グループは、国や自治体による感染拡大防止策としての緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の実施に伴う外出自粛要請、施設の休業及び営業時間短縮の要請などにより、人流が抑制されたことで、減少したバス需要に合わせた運休や運行便数の減便、観光施設等の休業や営業時間短縮などを余儀なくされ、前事業年度に引き続き大幅な減収となりました。このことから、不要不急の支出を抑え、費用の削減を図るとともに、国の支援制度を活用するなどの対応策を実施してまいりました。

 

コロナ禍の収束期を見通せない中、以前と同じ社会・経済状況に戻ることはないと考えており、人との接触を避けて、テレワーク等で働き方が変化する社会状況に加え、今後、国内・外の人の動きがどう変わるか、不透明で見通すことができない難しい状況です。一方、人口減少、少子高齢化が進む中、「雇用の維持・確保」「事業の在り方」等、引き続き経営諸課題の解決を求められています。

 

コロナ禍を受けて社会・経済状況が変化する中、当社グループは、経営体制のスリム化・効率化等で固定費の削減等の経営改革を推し進めるとともに、デジタル社会の進化に合わせICT技術を経営に取り込み、更なる効率化を進めてまいります。また、地域社会の要請に応えるべく、常に安全・安心な商品・サービスを提供し、変化する社会の需要に応じた事業展開を進めるとともに、新たな企業価値の創造に積極果敢に、かつ、スピード感を持って挑戦してまいります。

 

また、今後も、環境問題への取り組みは企業の責務と考えますとともに、「地域社会との絆」を深めながら、お客さまや株主、お取引先の皆さま等へ感謝し、社会から信頼され、持続する企業集団を目指します。

経営方針として、輸送の安全をはじめ、当社グループの全ての事業において「安全・安心な社会の実現」に向け、弛まぬ努力を重ね、事業の発展、躍進を遂げてまいります。

 

 事業別の対処すべき課題は次のとおりであります。

 

旅客自動車運送事業においては、人口減少、少子高齢化、車社会の進化等々で地方のバス利用の減少が進む厳しい経営環境にある中で、コロナ禍によって、人々の行動変容が進み、更にバス利用が減少しております。コロナ禍前に戻る状況にはないことは無論のこと、一層、バス利用が減少する傾向にある難しい状況を踏まえ、この需要の変化に応じて、きめ細かく事業計画を見直してまいります。その中でも、生活路線の維持・確保については、国の方針にも変化が見られ、これに注視しながらも、従前からの経営の最大の課題である人手不足問題をこれまで担ってきた事業者の役割として、各自治体と更なる連携を図ってまいります。

引き続き法令を遵守し安全最優先に努め、社員一丸となり安全・安心なバス輸送サービスを提供してまいります。

 

建設業においては、受注競争の激化、建設資材の高騰、技能労働者の不足が引き続き見込まれる厳しく、また難しい経営環境におかれており、施工の安全を経営の最優先とし、営業力・技術力の強化、施工品質の向上を図ることで、顧客の信頼確保と優良案件の受注獲得を目指すとともに、建設現場の映像をリモートでつなぎ施工状況の確認を行うなどのICT技術を活用した施工により、効率化・生産性の向上を図ってまいります。

 

清掃業・警備業においては、競争の激化や人手不足が引き続き見込まれる中、人材の確保・育成を図りながら、新規物件を獲得するための積極的な営業活動に努めてまいります。また、仕事の基本となる清掃費用の削減のため、安価で環境に優しいアルカリ電解水を用いるなどの取組みをしてまいります。

 

不動産事業においては、グループ内で連携・強化を図り、新規賃貸契約の獲得や遊休不動産の有効活用につなげてまいります。

 

観光関連事業においては、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によりインバウンド需要が消失しました。ワクチン接種や医療体制の整備も進み、人流の抑制も一部緩和されつつあります。他方、国のコロナ禍に対する方針も様々変化が見られ、現時点では人流、又、観光関連消費需要がいつどのように回復するか見通せないことから、国内客や道内客、地元の利用者を中心とした集客に努めてまいります。

ニセコアンヌプリ国際スキー場は、ニセコ全山4スキー場において協働し、国内のスキー客や観光客をニセコに誘致するためのプロモーション活動はもとより、状況を見ながら海外での活動も積極的に行ってまいります。

小樽天狗山ロープウェイは、山頂の自然の中で密を避けながら楽しめるジップラインや熱気球といったアクティビティなどの新規事業により、夏期シーズンの観光客や地元客の更なる集客に努めてまいります。

ニセコ温泉郷「いこいの湯宿いろは」は、個人客を対象としたインターネットからの情報発信を強化してまいります。

砂川ハイウェイオアシス館は、地元客に利用してもらえる店舗運営や通販事業の更なる強化を図ってまいります。

 

その他の事業においては、介護福祉事業は、長年培ってきた“中央バスグループの安全・安心ブランド” を守りながら、利用者へ質の高いサービスを提供してまいります。

自動車教習所は、全車種教習に加え、北海道労働局認定の技能講習や、国土交通省認定の適性診断と運行管理者の指導講習が全て1箇所で受けられる優位性を活かし、他校との差別化を推し進め、競争力を高めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 (1) 新型コロナウイルス感染症拡大による影響

当社グループは、国や自治体による感染拡大防止策としての緊急事態宣言の発出や外出自粛要請、施設の休業及び営業時間短縮の要請などにより、減少したバス需要に合わせた運休や運行便数の減便、観光施設等の休業や営業時間短縮などを余儀なくされ、大幅な減収となり業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

当社グループの重大な経営危機である新型コロナウイルス感染症拡大の影響に対処するため、当社の取締役常務執行役員以上の役員をメンバーとする緊急経営危機対策本部を令和2年3月に立ち上げ、グループ全体の対処方針と行動計画を定めて、この難局の克服にあたっております。事業計画については、運休や運行便数の見直しを細やかに行い運行効率を高めるとともに、コロナ禍の収束を見据えた経営管理体制の見直し方針のもとで、設備投資の抑制や全般的な費用の削減に取り組んでおり、令和4年3月期においては、施設の廃止を含めた運用の見直しなどを行っております。

感染防止対策としては、新型コロナウイルス対策マニュアルを策定し、社員及びその家族の健康状態を確認するとともに「三つの密」の回避や「人と人との距離の確保」「マスクの着用」「手洗いなどの手指衛生」をはじめとした基本的な感染対策を継続しております。

さらに旅客自動車運送事業においては、全バス車両のウイルス抗菌加工、バス車内の換気、バス運転席及びバスターミナル窓口におけるビニールカーテンの設置などの感染防止対策を実施しております。

観光事業をはじめその他の事業においても、業界のガイドラインを参考に、お客様が互いに距離を取れるような施設内の導線の変更、待合スペースのこまめな換気、テーブル間隔を取る対応や飛沫感染防止のためのスクリーンの設置など、それぞれの環境に応じた感染防止対策を実施しております。

なお、キャッシュ・フローに与える影響については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ニ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報」に記載のとおりであります。

 

 (2) 重大事故等の発生

① 旅客自動車運送事業においては、安全輸送が経営の根幹かつ社会的使命であります。しかしながら、道路を運行している特性上、重大事故の可能性は常にあります。万一、不測の重大事故等が発生した場合は社会的信用の失墜を招くとともに、車両の使用停止、事業計画の一定期間停止等の処分対象となり、業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

イ 安全輸送に関する安全方針の策定

 運輸安全マネジメント制度に基づき、当社では安全方針を定め、「人命尊重・安全最優先」の理念のもと、安全管理体制の構築、輸送の安全性の向上に取り組んでおります。

 毎年「輸送の安全に関する目標」を策定し、計画、実行、評価、改善のPDCAサイクルを活用しながら、目標達成に向け更なる安全意識の向上に努めております。

ロ 安全教育

 お客様に安全・安心なバスを提供できるよう運転技能や接遇サービスの向上を目的とした安全教育を実施しております。当社グループの中央バス自動車学校での研修も活用し、新規採用時から隔年で勤続年数別に継続して実施、長年にわたり乗務員の安全運転やサービスの習熟度向上を図っております。

ハ 安全運行を支える整備

 バス運行の拠点となる営業所では、日々の運行管理を徹底し、輸送の安全性の向上に努めております。また、運輸局指定整備工場(民間車検場)が3ヶ所あり当社グループの車両に関わる整備を手がけております。さらに各営業所にも認証工場が併設され、所属車両の点検整備に万全の体制を整えております。

ニ 事故防止・安全対策

 (a) 交差点右左折時における歩行者等への安全確認を確実に実施し事故を防止するため、横断歩道手前等での一旦停止(または最徐行)に取り組んでおります。バス後部にステッカーを掲出し、取り組みをお知らせしております。

 (b) バス走行中の車内移動による転倒事故防止を目的として、バス車内床面に注意喚起ステッカーを貼付、また、平成28年より導入を進めている液晶運賃表示器OBCビジョンでも映像表示し、お客様が視認しやすい呼びかけを行っております。

ホ 乗務員コンテスト

 平成28年から、乗務員の士気向上と、輸送の安全確保、顧客満足度(CS)の向上を目的とした乗務員コンテストを開催、運転操作・接遇・車両点検の実施状況を確認し、今後の改善につなげております。

 平成30年からはグループバス会社も参加し、選抜された乗務員が集い、日頃培った技能を披露し、安全・安心の意識を高める良い機会となっております。

 

② 建設業においては、施行の安全を経営の最優先としておりますが、予期しない重大事故や労働災害が発生した場合には、社会的信用の失墜を招くとともに、工事の遅延や、指名停止の処分などにより、業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

安全パトロールや安全教育の実施により施行の安全を徹底するとともに、適切な工事保険の付保により、リスクの低減に努めてまいります。

 

 (3) 労働力不足

 当社グループは、主要事業である旅客自動車運送事業をはじめとし労働集約型の事業が多く、社員採用において困難な状況が続き、労働力が不足することは需要に応じた供給が困難となり、今後の事業展開に支障をきたし、業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

当社においては、不採算路線を中心とした合理化、自社養成制度の導入、準社員制度の廃止、定年延長などを実施したほか、女性活躍を含めた働き方改革を推進しております。

グループ各社においても同様に、定年延長を実施したほか、女性活躍を含めた働き方改革を推進しております。

 

 (4) 旅客自動車運送事業における補助金

 路線単位の収支状況等に基づき、国や地方自治体から補助金を受けておりますが、国及び地方自治体の財政状況等の変化により補助制度が改廃される可能性があります。乗合運送事業は公共性が高く社会的責務も大きいことから、補助金削減により直ちに路線から撤退することは容易ではなく、このような場合、業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

 関係する地域や自治体との協議を進め、不採算路線対策を引き続き行うとともに、今後とも民間企業として、地域公共交通であるバス事業が担う役割を果たしてまいります。

 

 (5) 燃料の価格の変動

 車両燃料につきましては、今後の海外情勢等により燃料油価格が変動した場合、その価格の動向は業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

 環境を念頭においた燃料節約運動を推進するとともに、他の費用を節減すること等で対応してまいります。

 

 (6) 利用者の減少

 少子高齢化や札幌圏を除く道内での過疎化等により、バス利用者の減少が続いております。今後も輸送需要の減少傾向は続くと予想され、業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

 需要に応じた供給体制を構築してまいります。

 

 (7) 火災、地震等の自然災害

 当社グループは、多数の営業拠点を保有して事業展開しておりますが、火災のほか大規模地震やその他の自然災害等の発生時には、当社グループの各事業において被害が生じ、業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

 各事業別に大規模地震等に対応する事業継続計画を作成、検証し、必要な見直しを実施しております。

 また、グループ各社及び当社の各営業所等では大規模災害の発生による被害の影響を最小限にとどめるとともに、業務の早期復旧を図ることを目的とする防災マニュアルを作成、検証し、必要な見直しを実施しております。なお、防災設備の整備・点検には万全を期しております。

 

 (8) 法的規制

 当社グループは、道路運送法、道路交通法、エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)、建設業法、公衆浴場法、食品衛生法等様々な法令や規則等の適用を受けており、事業活動を行っております。これらの法令や規則に違反した場合、またはこれらの法令や規則の変更等があった場合、当社グループの事業活動が制限されるほか、法令・規制等を遵守する費用が発生するなど、業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

 法令遵守を徹底してまいります。法令遵守に関する対応策は下記の「(9) 法令の非遵守・不正行為」に記載のとおりであります。

 

 (9) 法令の非遵守・不正行為

 当社グループの役員及び社員等の故意、過失による法令違反は、当社グループの信用が失墜し、経営危機に陥るおそれがあるため、業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

 社長を委員長とし、取締役、執行役員、部長、及びグループ会社社長で構成する企業倫理並びに危機管理委員会を設置し、年間活動計画に基づき、企業倫理と危機管理に係る社内体制・社内規程等の整備及び運用状況の確認、社員への教育・啓発活動等を実施しております。

 社員教育については、グループ統一社是「グループ五訓」のもと、各社員が「中央バスグループ企業倫理規範」を遵守し、高い倫理観を持って誠実に実行することとしており、また、日常の実践すべき事項として「社員心得 基本10ヶ条」を定め、あらゆる機会を通じて浸透させ徹底を図ることで、社員の更なる意識向上を目指しております。

 また、取締役会の直属の部署である内部監査室が、内部監査計画に基づき、各部署及びグループ会社における法令・定款・社内規程の遵守状況及び輸送の安全確保を含む危機管理体制を監査し、その結果を取締役会、企業倫理並びに危機管理委員会などに報告しております。

 

 (10) 個人情報の漏洩

 当社グループは、グループ各社において、個人情報を保有し管理しておりますが、サイバー攻撃、コンピューターウイルス感染、人的ミス等によって個人情報が漏洩する問題が発生した場合、信用失墜や損害賠償請求などにより、業績に大きな影響を与える可能性があります。

 

(リスクに対する対応策)

 当社グループは、保有する情報資産を個人情報保護法などの法令及び当社グループで制定する「情報セキュリティ基本規程」に基づき適切に管理、保護しております。また、情報セキュリティ教育を通じて、情報セキュリティの重要性を周知しております。

 なお、サイバー攻撃やコンピューターウイルス感染に対応するため、サイバーセキュリティ対策を講じております。

 

 (11) 建設業の業績変動

 建設業は、国及び地方自治体の公共工事予算の減少や、景気低迷による民間設備投資の減少によって、熾烈な受注競争が繰り広げられ、業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

 施工の安全を経営の最優先とし、営業力・技術力の強化・施工品質の向上を図ることで、顧客の信頼確保と優良案件の受注を目指すとともに、建設現場の映像をリモートで繋ぎ施工状況の確認を行うなどのICT技術を活用した施工により、生産性の更なる向上を図ってまいります。

 

 (12) 観光事業における天候不順等

 観光事業は、冬期営業期間のスキー場における雪不足や悪天候、夏期営業期間においても悪天候等により来客数が減少すると、業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

 施設の魅力を高める施策を実施するとともに、天候に左右されない商品の拡充を図ってまいります。

 

 (13) 不動産事業におけるテナント退去及び賃料引き下げ

 不動産事業は、景気動向、企業業績、需給動向の影響を受けやすい傾向があります。景気低迷等によるテナントの退去や賃料等契約条件の引き下げの動きが生じ、業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

 契約に際しては、リスクを勘案した敷金を受領するとともに、原則、賃貸料を前受で受領しております。

 なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、賃料の支払いが困難な事情のあるテナントに対して支払い猶予に応じているほか、テナントの退去も発生しておりますが、業績に与える影響は、有価証券報告書提出日現在で軽微なものと考えております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

イ 財政状態

資産合計は33,778百万円(前連結会計年度比12.6%減)となりました。これは、現金及び預金が2,228百万円、有形固定資産の合計が1,772百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。

負債合計は8,395百万円(前連結会計年度比23.5%減)となりました。これは、流動負債のその他が2,242百万円減少したこと等によるものであります。

純資産合計は25,382百万円(前連結会計年度比8.3%減)となりました。これは、利益剰余金が2,235百万円減少したこと等によるものであります。

ロ 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、緊急事態宣言の発令やまん延防止等重点措置の適用が繰り返されたことで、社会・経済活動や人の移動が制限され個人消費が落ち込むなど、極めて厳しい状況で推移しました。また、原材料価格の上昇やウクライナ情勢の緊迫化により、先行きは不透明な状況が続いております。道内の経済においては、個人消費に一部持ち直しの動きが見られたものの、観光需要は極めて低い水準にあり、厳しい状況が続いております。

このような経営環境の中、当連結会計年度の業績は、前連結会計年度同様、コロナ禍による甚大な影響を受けており、旅客自動車運送事業及び観光事業においては、コロナ禍前の水準を大幅に下回る状況となりました。

当連結会計年度の業績は、売上高は27,817百万円(前連結会計年度比2.8%減)、営業損失は2,193百万円(前連結会計年度は4,129百万円の営業損失)、経常損失は1,365百万円(前連結会計年度は3,178百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は2,030百万円(前連結会計年度は2,248百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

 

(旅客自動車運送事業)

乗合運送事業は、緊急事態宣言の発令やまん延防止等重点措置の適用が繰り返され、外出自粛が要請された結果、バス需要が大きく減少しております。さらに、冬期間においては記録的な大雪による影響も受けました。そのような中、事業計画については、運休や運行便数の見直しを細やかに行い運行効率を高めるとともに、コロナ禍の収束を見据えた経営管理体制の見直し方針のもとで、設備投資の抑制や全般的な費用の削減に取り組んでおり、当連結会計年度においては、施設の廃止を含めた運用の見直しなどを行いました。また、サービス面については、非接触型サービスである遠隔接客システムを主要ターミナルに導入するとともに、全バス車両にウイルス抗菌加工を実施しました。

貸切運送事業は、需要が大きく減少している中、東京オリンピック・パラリンピックの関係者輸送や、コロナ禍における仕事として、新型コロナウイルスワクチン集団接種会場への送迎バスを受注しました。

 

この結果、かつてない大幅な減収を余儀なくされた前連結会計年度と比べると、輸送人員が増加したことなどにより、売上高は15,302百万円(前連結会計年度比11.2%増)となりましたが、依然としてコロナ禍前を大幅に下回る水準にあり、2,306百万円の営業損失(前連結会計年度は4,229百万円の営業損失)となりました。

 

(建設業)

建設業は、道内の公共投資が底堅く推移し、民間設備投資が緩やかに持ち直す中、受注高は増加しましたが、完成工事高は減少しました。

 

この結果、売上高は7,990百万円(前連結会計年度比24.2%減)、営業利益は225百万円(同35.4%減)となりました。

 

(清掃業・警備業)

清掃業・警備業は、新規物件を受注したことなどにより増収となりました。

 

この結果、売上高は3,119百万円(前連結会計年度比3.2%増)、外注費の増加などにより営業利益は123百万円(同1.6%減)となりました。

 

 

(不動産事業)

不動産事業は、テナントの退去により減収となりました。

 

この結果、売上高は768百万円(前連結会計年度比2.1%減)、営業利益は362百万円(同6.3%減)となりました。

 

(観光事業)

観光事業は、緊急事態宣言の発令やまん延防止等重点措置の適用が繰り返され、外出自粛が要請された結果、施設の休業や営業時間の短縮を余儀なくされました。

ニセコアンヌプリ国際スキー場は、12月からのスキーシーズンにおいて営業時間の短縮を行いましたが、前連結会計年度に比べ、スキー客は増加しました。

小樽天狗山スキー場は、ロープウェイの運休や営業時間の短縮を行いましたが、イベントの開催などもあり、前連結会計年度に比べ、利用客は増加しました。

ニセコ温泉郷「いこいの湯宿いろは」は、一時休館を余儀なくされましたが、どうみん割事業への参加や学校行事の再開などにより、前連結会計年度に比べ、利用者は増加しました。

砂川ハイウェイオアシス館は、営業時間の短縮を行いました。

ワイン&カフェレストラン「小樽バイン」は、臨時休業や営業時間の短縮を行いました。

旅行業は、主催旅行をほとんど実施することができませんでした。

 

この結果、観光事業全体として前連結会計年度同様、コロナ禍前を大幅に下回る水準にあり、売上高は945百万円(前連結会計年度比0.3%減)、656百万円の営業損失(前連結会計年度は764百万円の営業損失)となりました。

 

(その他の事業)

介護福祉事業は、介護サービスの取扱いが増加しました。自動車教習所は、前連結会計年度に臨時休業を実施した反動もあり、入校生が増加しました。

 

この結果、売上高は2,255百万円(前連結会計年度比4.8%増)、営業利益は59百万円(前連結会計年度は11百万円の営業損失)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末から3,777百万円減少し、6,167百万円(前連結会計年度比38.0%減)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

税金等調整前当期純損失1,898百万円に減価償却費等を加減した結果、使用した資金は2,370百万円(前年同期は330百万円の資金の獲得)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 有価証券の取得による支出2,200百万円、有価証券の償還による収入800百万円等により、使用した資金は1,332百万円(前年同期は82百万円の資金の獲得)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

配当金の支払額が72百万円あったこと等により、使用した資金は74百万円(前連結会計年度比49.3%減)となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、旅客自動車運送事業等の役務の提供を主体とする事業を行っているため、生産、受注の実績については記載を省略し、販売の実績については「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ 財政状態

財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

ロ 経営成績

経営成績の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

ハ 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

ニ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フロー)

キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(資金需要)

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、旅客自動車運送事業におけるバスの運行に係る人件費・バス燃料費のほか、建設業等における材料仕入、製造費、各事業についての販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、輸送の安全の確保、輸送サービスの向上及び事業拡大のための設備投資等によるものであります。

 

(資金の流動性)

運転資金につきましては、自己資金を基本としており、一時的な資金調達につきましては、銀行借入(当座貸越契約)によっております。

 

(新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた資金繰り等)

当社グループの現金及び現金同等物の期末残高は6,167百万円であり、当面の資金繰りに問題はないと考えております。

また、当社グループの当座貸越契約における極度額は12,870百万円であり、十分な資金調達枠を確保しております。なお、借入実行残高はありません。

 

ホ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、持続的な成長、発展のためには、収益基盤を一層強化し、着実に企業価値を向上させることが必要であると考えております。そのために、中長期的な総資産の効率的運用、収益性の向上(売上高営業利益率の向上)を目指しております。

 

ヘ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

セグメントごとの経営成績の状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

旅客自動車運送事業のセグメント資産は、有形固定資産の減価償却等により、13,160百万円(前連結会計年度比10.8%減)となりました。

建設業のセグメント資産は、流動資産のその他の減少等により、4,227百万円(前連結会計年度比9.2%減)となりました。

清掃業・警備業のセグメント資産は、投資その他の資産の減少等により、1,391百万円(前連結会計年度比4.0%減)となりました。

不動産事業のセグメント資産は、有形固定資産の減価償却等により、4,955百万円(前連結会計年度比1.0%減)となりました。

観光事業のセグメント資産は、有形固定資産の減価償却等により、2,390百万円(前連結会計年度比13.0%減)となりました。

その他の事業のセグメント資産は、現金及び預金の減少等により、1,023百万円(前連結会計年度比10.3%減)となりました。

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。この連結財務諸表作成に際し、経営者は決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える様々な要因・仮定に対し、過去の実績等を勘案し合理的に判断して見積りを行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目は以下の通りであります。

 

(旅客自動車運送事業に関する固定資産の減損)

「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。

 

(繰延税金資産の回収可能性)

 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。

 

(完成工事高及び完成工事原価の計上)

 完成工事高については、履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識しており、工事収益総額、工事原価総額及び連結会計年度末における履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積もった上で、完成工事高及び完成工事原価を計上しております。

 履行義務の充足に係る進捗率の見積りについては原価比例法(発生原価に基づくインプット法)によっており、工事原価総額の見積りについては契約ごとの実行予算を使用しております。実行予算の策定については、慎重に検討しておりますが、工事の作業内容及び工数の見積り等、不確実な見積りや仮定が含まれるため、その見積りや仮定に変更が生じた場合、業績に影響を与える可能性があります。

 

なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。