第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、本項文中の将来に関する事項は、令和5年5月末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 (1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、当社を中核とした16社で構成されており、バス事業、建設業、清掃・警備業、不動産事業、観光・旅行事業など地域社会に密着した様々な事業を展開しております。

これらグループ各社が連帯・協調しながら、バス事業にあっては「安全輸送と旅客サービスの提供」、その他の事業においても「安全・安心な商品・サービスの提供」を通じて地域社会と共に歩み貢献する企業集団として、連携し発展を図ることを、グループ経営の基本方針としております。

 

 (2) 目標とする経営指標

当社グループは、持続的な成長、発展のためには、収益基盤を一層強化し、着実に企業価値を向上させることが必要であると考えております。そのために、中長期的な総資産の効率的運用、収益性の向上(売上高営業利益率の向上)を目指しております。

 

 (3) 中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題

当社グループを取り巻く経営環境は、100年に1度の災害とも言われるコロナ禍の影響が継続する中、行動制限の緩和や外国人観光客の入国制限の緩和などにより、社会・経済活動の正常化が進みました。一方では、原材料価格の上昇やウクライナ情勢の長期化により、依然として不透明な状況が続いております。

 

当社グループは、コロナ感染が拡大すると同時に、経営危機対策本部を設け、都度発生する個別事案の対応を行ってまいりました。会社創立以来、経験したことの無い事態の中で、不要不急の支出を抑え、費用の削減を図るとともに、国等の支援制度を活用するなどの対応策に取り組んでまいりました。しかしながら、3年におよぶコロナ禍により、当社グループが被った経済的な損失は甚大なものとなり、令和2年度及び3年度の2年間は未だかつてない大きな赤字決算となりました。

 

当社は、コロナ禍後の人々の行動変容も含め、社会・経済状況が大きく変化し、厳しくまた難しい経営環境が続く中、経営環境の変化等による影響に対し、持続可能な経営体質を構築することが必要であると判断し、グループの経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)の一層の活用と、進化するデジタル技術の活用を図ることによって、思い切った経営改革を推し進めてまいります。その実現のために、前例に捉われることなく柔軟に施策を実行し、利益を確保できる事業体質に再構築するとともに、企業価値の向上および創造に取り組み、地域社会や株主をはじめステークホルダーの皆様方に、株式を公開している企業としての責任を果たしてまいります。

 

経営の最重要方針として、輸送の安全をはじめ、当社グループの全ての事業において、常に安全・安心な商品・サービスを提供し「地域社会との絆」を深めながら、「安全・安心な社会の実現」に向け、弛まぬ努力を重ね、事業の発展、躍進を遂げてまいります。

また、持続可能な社会の実現に向けて、環境問題は切り離せない問題であることから、当社はゼロカーボン推進等環境問題への取り組みを進めてまいります。

 

 事業別の対処すべき課題は次のとおりであります。

 

旅客自動車運送事業においては、人口減少、少子高齢化の下、総体的な利用者の減少、担い手不足、そして、燃料費をはじめとする費用の増加により、大変困難な経営環境にあります。それがコロナ禍により更に深刻さが増し、人々の行動変容も進み、バス利用が減少しております。コロナ禍前に戻る状況にはないことは無論のこと、一層、バス利用が減少する傾向にある難しい状況を踏まえ、事業の均衡化をはかり、需要の変化に応じて、きめ細かく事業計画やサービスの提供について、見直しを進めてまいります。その中でも、生活路線については、国の方針に近時変化が見られ、この動きに注視してまいります。経営の最大の課題である人手不足と地域の足の確保の問題について、これまで担ってきた事業者の役割を鑑み、関係する各自治体と更なる連携を取りながら、的確に対処してまいります。

何より、経営の根幹である輸送の安全の確保のため、最重点事項として安全方針に掲げる“人命尊重・安全最優先”を徹底するとともに、法令を遵守し、引き続き社員一丸となり安全・安心なバス輸送サービスを提供してまいります。

 

建設業においては、受注競争の激化、建設資材の高騰、人手不足が引き続き見込まれる厳しい経営環境におかれています。施工の安全と品質の確保を経営の最優先とし、営業力・技術力の強化を図ることで、顧客の信頼を高め、もって優良案件の受注獲得を目指します。また、DX・ICT技術を活用し、効率化・生産性の向上を図ってまいります。

 

清掃業・警備業においては、競争の激化や人手不足が引き続き見込まれる中、人材の確保・育成を図りながら、ICT化の促進により業務の効率化を進め、新規物件を獲得するための積極的な営業活動に努めてまいります。

 

不動産事業においては、グループ内で連携・強化を図り、新規賃貸契約の獲得や遊休不動産の有効活用につなげてまいります。

 

観光関連事業においては、ニセコアンヌプリ国際スキー場、小樽天狗山ロープウェイ・スキー場、ニセコ温泉郷「いこいの湯宿いろは」、砂川ハイウェイオアシス館、ワイン&カフェレストラン「小樽バイン」及び旅行業において、インバウンドが回復しつつあり、観光需要が高まってきていることから、国内客や道内客、地元の利用者の集客に加え、インバウンドの集客に努めてまいります。

 

その他の事業においては、介護福祉事業は、新たな介護施設を建設し事業を拡大してまいります。自動車教習所は、全車種教習に加え、北海道労働局認定の技能講習や、国土交通省認定の適性診断と運行管理者の指導講習が全て1箇所で受けられる優位性を活かし、他校との差別化を推し進め、競争力を高めてまいります。

 

各事業において、長年培ってきた“中央バスグループの安全・安心ブランド”を守りながら、利用者へ質の高いサービスを引き続き提供してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 持続可能な社会の実現に向けて、環境問題は切り離せない問題であることから、当社は、環境保護への取組を進めております。

 人的資本についても、人材育成や、雇用確保に努めるほか、労働環境の整備や働き方改革を進めております。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 また、連結グループにおける記載が困難であるため、連結グループにおいて主要な事業を営む提出会社単体の記載としております。

 

(1) 環境保護への取組について

① ガバナンス

当社では社長を委員長とし、取締役、執行役員、部長及び労働組合幹部で構成する環境委員会を設置し、年間活動計画に基づき、バス燃料、電気、ガス、水道などのエネルギー使用量の把握、削減の取組のほか、社員への啓蒙活動を行っております。

 

② 戦略

当社は、地域の一員として信頼される事業活動を行ううえで、環境保護活動に取り組むことが企業の社会的義務と考えております。環境保護活動を推進するため社員の環境保護活動への参加意識を高め、企業理念や環境関連法令を踏まえ、積極的な取組を行い、地球環境にやさしい乗り物として、バスの魅力向上に努めます。

 

③ リスク管理

(地球温暖化・大気汚染対策)

環境保全に対する公共交通機関の責任は非常に大きく、地球温暖化防止に関しては、省エネ運転を強力に推進、大気汚染防止に関しては点検整備の更なる徹底などを骨格とした大気汚染物質削減の対策を実践します。

 

(土壌・水質汚染対策)

有害物質による土壌汚染が発生した場合、その汚染された土壌を直接摂取したり、汚染された土壌から有害物質が溶け出した地下水を飲用すること等により人の健康に影響を及ぼすおそれがあります。給油施設での油漏洩防止、地下タンク及び油水分離槽の定期点検の実施等による土壌・水質汚染防止対策を実践します。

 

(廃棄物の排出抑制)

廃棄物の発生抑制や製品・部品としての再利用、循環資源の利用を促進します。これにより、天然資源の消費量や廃棄物発生量を減少させ、廃棄物に起因する温室効果ガスの排出削減に取り組みます。

 

(資源の有効利用)

限りある地球上の資源を有効活用するため、製品の購入に際しては、その必要性を十分に考慮し、品質や価格だけでなく環境負荷ができるだけ小さい製品を、環境負荷の低減に努める事業者から優先して購入します。

 

(騒音対策と施設周辺の環境整備)

騒音対策は地域環境の保全にとって大きな課題であり、省エネ運転によるバス運行時の騒音の抑制や整備工場等から発生する騒音の低減の工夫に取り組みます。また、職場内外の整理、緑化等環境整備に取り組みます。

 

④ 指標及び目標

 

基準年度

(平成31年3月期)

令和4年3月期

増減率

温室効果ガスの排出の量

(t-CO2)

59,554

46,797

△21.4%

(注)1 北海道地球温暖化防止対策条例に基づき算定した数値であります。

2 情報の集約に時間を要することから、令和4年3月期の数値を記載しております。

 

(2) 人的資本への取組について

① 戦略

当社は、OJTやOFF-JTによる人材育成や、採用活動の強化等による雇用確保に努めるほか、働き方改革として職場環境の整備や長時間労働の是正等を進めております。また、女性活躍推進検討委員会を設置し、女性が個性と能力を十分に発揮して活躍できる組織・職場の実現とそれを応援する風土を醸成し、女性が働きやすい職場環境づくりの推進に取り組んでおります。

 

採用については、バス乗務員は自社養成制度や再入社制度(キャリアリターン制度)、整備員は地域限定社員の採用や未経験者の採用など、入社しやすい環境づくりを行っております。

 

仕事と育児・介護等の両立支援については、「仕事と育児・介護の両立支援ハンドブック」の配付、出産の前後や育児における休暇・職場復帰制度、育児休業中の社員との面談、時短勤務制度、在宅、テレワーク制度など、働きやすい環境づくりの整備を行っております。

 

社員の健康維持・増進への取組については、健康診断システムの導入や、メンタルヘルス相談窓口の設置などを行っております。

 

② 指標及び目標

具体的な計画と、その実績及び進捗状況等は下記のとおりであります。

(a) 女性活躍推進法に基づく行動計画

(計画期間 令和3年4月1日~令和8年3月31日)

計画

実績、進捗状況等

乗務員の女性応募者数を現状から20%増加させる。

 令和3年3月期は5名の応募がありましたが、コロナ禍で採用を中断していた影響もあり、令和5年3月期は令和3年3月期比40%減の3名に留まりました。

 今後も女性休憩室の環境整備などを進め、働きやすい環境をPRしながら女性からの応募が増加するよう取り組んで参ります。

整備員の女性応募数を1名以上とする。

 現時点で女性からの応募はありませんが、引き続き採用に向け取り組んで参ります。

女性総合職事務員が配置されていなかった部門に、新たに女性総合職事務員を配置する。

 女性総合職事務員が配置されたことがない部門に順次配置しております。

在宅、テレワークの利用者を1名以上とする。

 育児との両立を目的とした在宅・テレワークは多くの社員が利用しております。

 

 

 

(b) 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画

(計画期間 令和4年4月1日~令和9年3月31日)

計画

実績、進捗状況等

女性の育休取得率を75%以上、男性の育児休業取得者を1名以上にするとともに、配偶者出産時の休暇取得奨励を継続する。

 令和5年3月期では女性の育休取得率は100%、男性の育児休業取得者は4名となっております。

 

社員が利用できる仕事と育児の両立支援制度についての周知を行う事により、制度の有効活用を図る。

 制度の有効活用を図るべく「相談窓口の設置」や妊娠等の申し出をした社員への育児休業の制度内容及び取得意向の確認を実施し、仕事と育児の両立支援に取り組んでおります。

地域の子供たちの健全育成を図るとともに、公共交通機関に対する理解を深めてもらうため、職場体験見学を受け入れる。

 地域社会の一員として社会貢献活動に取り組んでおり、主に小学生を対象にした乗車マナー教室や職場体験学習を各地域で実施しております。

地域の学生に就労体験ができる機会を提供するため、インターンシップの受け入れを継続して実施する。

 コロナ禍により就労体験は中止しておりましたが、Webを使った就労体験の機会を設け、学生との意見交換等を行いました。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 (1) 新型コロナウイルス感染症による影響

令和5年5月8日から新型コロナウイルスについては、感染症法上5類の疾病へと変更となり、法律に基づく様々な制限が撤廃されました。しかし、ウイルスが無くなったわけではなく、今後も感染することが十分に考えられます。

当社グループは、主要事業である旅客自動車運送事業を始めとし、労働集約型の事業が多く、社内で感染が拡大すると、事業の維持に支障が生じ、業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

旅客自動車運送事業においては、感染防止対策として、実車乗務中のマスクの着用、バス運転席のビニールカーテンの設置、バス車内の換気、全バス車両のウイルス抗菌加工を引き続き実施しております。

 

 (2) 重大事故等の発生

① 旅客自動車運送事業においては、安全輸送が経営の根幹かつ社会的使命であります。しかしながら、道路を運行している特性上、重大事故の可能性は常にあります。万一、不測の重大事故等が発生した場合は社会的信用の失墜を招くとともに、車両の使用停止、事業計画の一定期間停止等の処分対象となり、業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

イ 安全輸送に関する安全方針の策定

 運輸安全マネジメント制度に基づき、当社では安全方針を定め、「人命尊重・安全最優先」の理念のもと、安全管理体制の構築、輸送の安全性の向上に取り組んでおります。

 毎年「輸送の安全に関する目標」を策定し、計画、実行、評価、改善のPDCAサイクルを活用しながら、目標達成に向け更なる安全意識の向上に努めております。

ロ 安全教育

 お客様に安全・安心なバスを提供できるよう運転技能や接遇サービスの向上を目的とした安全教育を実施しております。当社グループの中央バス自動車学校での研修も活用し、新規採用時から隔年で勤続年数別に継続して実施、長年にわたり乗務員の安全運転やサービスの習熟度向上を図っております。

ハ 安全運行を支える整備

 バス運行の拠点となる営業所では、日々の運行管理を徹底し、輸送の安全性の向上に努めております。また、運輸局指定整備工場(民間車検場)が3ヶ所あり当社グループの車両に関わる整備を手がけております。さらに各営業所にも認証工場が併設され、所属車両の点検整備に万全の体制を整えております。

ニ 事故防止・安全対策

 (a) 交差点右左折時における歩行者等への安全確認を確実に実施し事故を防止するため、横断歩道手前等での一旦停止(または最徐行)に取り組んでおります。バス後部にステッカーを掲出し、取り組みをお知らせしております。

 (b) バス走行中の車内移動による転倒事故防止を目的として、バス車内床面に注意喚起ステッカーを貼付、また、平成28年より導入を進めている液晶運賃表示器OBCビジョンでも映像表示し、お客様が視認しやすい呼びかけを行っております。

ホ 乗務員コンテスト

 平成28年から、乗務員の士気向上と、輸送の安全確保、顧客満足度(CS)の向上を目的とした乗務員コンテストを開催、運転操作・接遇・車両点検の実施状況を確認し、今後の改善につなげております。

 平成30年からはグループバス会社も参加し、選抜された乗務員が集い、日頃培った技能を披露し、安全・安心の意識を高める良い機会となっております。

 

② 建設業においては、施行の安全を経営の最優先としておりますが、予期しない重大事故や労働災害が発生した場合には、社会的信用の失墜を招くとともに、工事の遅延や、指名停止の処分などにより、業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

安全パトロールや安全教育の実施により施行の安全を徹底するとともに、適切な工事保険の付保により、リスクの低減に努めてまいります。

 

 (3) 労働力不足

 当社グループは、主要事業である旅客自動車運送事業をはじめとし労働集約型の事業が多く、社員採用において困難な状況が続き、労働力が不足することは需要に応じた供給が困難となり、今後の事業展開に支障をきたし、業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

当社においては、不採算路線を中心とした合理化、自社養成制度の導入、準社員制度の廃止、定年延長などを実施したほか、女性活躍を含めた働き方改革を推進しております。

グループ各社においても同様に、定年延長を実施したほか、女性活躍を含めた働き方改革を推進しております。

 

 (4) 旅客自動車運送事業における補助金

 路線単位の収支状況等に基づき、国や地方自治体から補助金を受けておりますが、国及び地方自治体の財政状況等の変化により補助制度が改廃される可能性があります。乗合運送事業は公共性が高く社会的責務も大きいことから、補助金削減により直ちに路線から撤退することは容易ではなく、このような場合、業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

 関係する地域や自治体との協議を進め、不採算路線対策を引き続き行うとともに、今後とも民間企業として、地域公共交通であるバス事業が担う役割を果たしてまいります。

 

 (5) 燃料の価格の変動

 車両燃料につきましては、今後の海外情勢等により燃料油価格が変動した場合、その価格の動向は業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

 環境を念頭においた燃料節約運動を推進するとともに、他の費用を節減すること等で対応してまいります。

 

 (6) 利用者の減少

 少子高齢化や札幌圏を除く道内での過疎化等により、バス利用者の減少が続いております。今後も輸送需要の減少傾向は続くと予想され、業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

 需要に応じた供給体制を構築してまいります。

 

 (7) 火災、地震等の自然災害

 当社グループは、多数の営業拠点を保有して事業展開しておりますが、火災のほか大規模地震やその他の自然災害等の発生時には、当社グループの各事業において被害が生じ、業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

 各事業別に大規模地震等に対応する事業継続計画を作成、検証し、必要な見直しを実施しております。

 また、グループ各社及び当社の各営業所等では大規模災害の発生による被害の影響を最小限にとどめるとともに、業務の早期復旧を図ることを目的とする防災マニュアルを作成、検証し、必要な見直しを実施しております。なお、防災設備の整備・点検には万全を期しております。

 

 (8) 法的規制

 当社グループは、道路運送法、道路交通法、エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)、建設業法、公衆浴場法、食品衛生法等様々な法令や規則等の適用を受けており、事業活動を行っております。これらの法令や規則に違反した場合、またはこれらの法令や規則の変更等があった場合、当社グループの事業活動が制限されるほか、法令・規制等を遵守する費用が発生するなど、業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

 法令遵守を徹底してまいります。法令遵守に関する対応策は下記の「(9) 法令の非遵守・不正行為」に記載のとおりであります。

 

 (9) 法令の非遵守・不正行為

 当社グループの役員及び社員等の故意、過失による法令違反は、当社グループの信用が失墜し、経営危機に陥るおそれがあるため、業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

 社長を委員長とし、取締役、執行役員、部長、及びグループ会社社長で構成する企業倫理並びに危機管理委員会を設置し、年間活動計画に基づき、企業倫理と危機管理に係る社内体制・社内規程等の整備及び運用状況の確認、社員への教育・啓発活動等を実施しております。

 社員教育については、グループ統一社是「グループ五訓」のもと、各社員が「中央バスグループ企業倫理規範」を遵守し、高い倫理観を持って誠実に実行することとしており、また、日常の実践すべき事項として「社員心得 基本10ヶ条」を定め、あらゆる機会を通じて浸透させ徹底を図ることで、社員の更なる意識向上を目指しております。

 また、取締役会の直属の部署である内部監査室が、内部監査計画に基づき、各部署及びグループ会社における法令・定款・社内規程の遵守状況及び輸送の安全確保を含む危機管理体制を監査し、その結果を取締役会、企業倫理並びに危機管理委員会などに報告しております。

 

 (10) 個人情報の漏洩

 当社グループは、グループ各社において、個人情報を保有し管理しておりますが、サイバー攻撃、コンピューターウイルス感染、人的ミス等によって個人情報が漏洩する問題が発生した場合、信用失墜や損害賠償請求などにより、業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

 当社グループは、保有する情報資産を個人情報保護法などの法令及び当社グループで制定する「情報セキュリティ基本規程」に基づき適切に管理、保護しております。また、情報セキュリティ教育を通じて、情報セキュリティの重要性を周知しております。

 なお、サイバー攻撃やコンピューターウイルス感染に対応するため、サイバーセキュリティ対策を講じております。

 

 (11) 建設業の業績変動

 建設業は、国及び地方自治体の公共工事予算の減少や、景気低迷による民間設備投資の減少によって、熾烈な受注競争が繰り広げられ、業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

 施工の安全と品質の確保を経営の最優先とし、営業力・技術力の強化を図ることで、顧客の信頼を高め、もって優良案件の受注獲得を目指します。また、DX・ICT技術を活用し、効率化・生産性の向上を図ってまいります。

 

 (12) 観光関連事業における天候不順等

 観光関連事業は、冬期営業期間のスキー場における雪不足や悪天候、夏期営業期間においても悪天候等により来客数が減少すると、業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

 施設の魅力を高める施策を実施するとともに、天候に左右されない商品の拡充を図ってまいります。

 

 (13) 不動産事業におけるテナント退去及び賃料引き下げ

 不動産事業は、景気動向、企業業績、需給動向の影響を受けやすい傾向があります。景気低迷等によるテナントの退去や賃料等契約条件の引き下げの動きが生じ、業績に大きな影響を与える可能性があります。

(リスクに対する対応策)

 契約に際しては、リスクを勘案した敷金を受領するとともに、原則、賃貸料を前受で受領しております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

イ 財政状態

資産合計は35,539百万円(前連結会計年度比5.2%増)となりました。これは、現金及び預金が1,035百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が1,096百万円それぞれ増加したこと、有形固定資産の合計が586百万円減少したこと等によるものであります。

負債合計は9,454百万円(前連結会計年度比12.6%増)となりました。これは、支払手形及び買掛金が718百万円増加したこと等によるものであります。

純資産合計は26,084百万円(前連結会計年度比2.8%増)となりました。これは、利益剰余金が513百万円増加したこと等によるものであります。

ロ 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和や、外国人観光客の入国制限の緩和などにより、社会・経済活動の正常化が進み、個人消費を中心に持ち直しの動きがみられました。道内の経済においては、観光需要や個人消費に持ち直しの動きが見られました。

一方では、原材料価格の上昇やウクライナ情勢の長期化などにより、依然として不透明な状況が続いております。

このような経営環境の中、当連結会計年度の業績は、コロナ禍の影響を引き続き受けましたが、前連結会計年度に比べ、輸送需要や観光需要が回復したことなどにより、3期ぶりの黒字となりました。

当連結会計年度の業績は、売上高は33,442百万円(前連結会計年度比20.2%増)、営業利益は488百万円(前連結会計年度は2,193百万円の営業損失)、経常利益は785百万円(前連結会計年度は1,365百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は586百万円(前連結会計年度は2,030百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度から、従来「観光事業」としていた報告セグメントの名称を「観光関連事業」に変更しております。この変更によるセグメント情報に与える影響はありません。

 

(旅客自動車運送事業)

乗合運送事業は、行動制限や外国人観光客の入国制限が緩和される中で、輸送需要が回復しつつあります。そのような中、人手不足の状況に加えてコロナ感染による人員不足が重なり、一部路線において減便を余儀なくされましたが、新千歳空港の国際線再開に合わせ、新千歳空港連絡バスの運行便数をコロナ禍前と同じ水準まで戻すとともに、各種回数乗車券の割引率の引下げ・廃止などで、収益の確保に努めました。

また、コロナ禍を契機とした社会の大きな変化を見据え、経営管理体制の見直しを全面的に推進しており、その一環として全般的な費用の削減に取り組んでおりますが、当連結会計年度においては施設の廃止を含めた運用の見直しなどを行いました。

貸切運送事業は、修学旅行の受注が好調に推移しました。

 

この結果、旅客自動車運送事業全体として、コロナ禍前を大幅に下回る収益水準でありますが、多額のコロナ禍による特別な路線補助金が含まれており、売上高は18,320百万円(前連結会計年度比19.7%増)、営業利益は68百万円(前連結会計年度は2,306百万円の営業損失)となりました。

 

(建設業)

建設業は、道内の公共投資が底堅く推移し、民間設備投資に持ち直しの動きがみられる中、完成工事高が増加しました。

 

この結果、売上高は10,373百万円(前連結会計年度比29.8%増)、建設資材の高騰などにより営業利益は171百万円(同24.0%減)となりました。

 

(清掃業・警備業)

清掃業・警備業は、新規物件を受注したことなどにより増収となりました。

 

この結果、売上高は3,286百万円(前連結会計年度比5.3%増)、外注費の増加などにより営業利益は117百万円(同4.8%減)となりました。

 

 

(不動産事業)

不動産事業は、前連結会計年度並みの売上高を確保しました。

 

この結果、売上高は775百万円(前連結会計年度比0.9%増)、修繕費の増加などにより営業利益は297百万円(同17.9%減)となりました。

 

(観光関連事業)

観光関連事業は、行動制限や外国人観光客の入国制限が緩和される中で、全国旅行支援などの施策もあり、観光需要が回復しつつあります。

ニセコアンヌプリ国際スキー場は、外国人利用客の回復などにより、前連結会計年度に比べ、利用客が大きく増加しました。

小樽天狗山スキー場は、夏期営業期間において、新規のアクティビティとして、空中に張られたワイヤーロープを滑り降りる「ジップライン」や熱気球の体験乗車を開始したことや、冬期営業期間においては、外国人観光客の回復やイベントの開催、また、小樽天狗山のメディア露出の効果もあり、前連結会計年度に比べ、利用客が増加しました。

ニセコ温泉郷「いこいの湯宿いろは」は、旅行支援事業への参加や修学旅行の受入れなどにより、前連結会計年度に比べ、利用客が増加しました。

砂川ハイウェイオアシス館は、前述の観光需要の回復施策の下で、団体客の受入れや集客イベントの開催などにより、前連結会計年度に比べ、利用客が増加しました。

ワイン&カフェレストラン「小樽バイン」は、メニューの見直しなどを行い、また、旅行業は、北海道遺産を巡るバスツアーなどを実施し、増収に努めました。

 

この結果、観光関連事業全体として、売上高は1,713百万円(前連結会計年度比81.2%増)、106百万円の営業損失(前連結会計年度は656百万円の営業損失)となりました。

 

(その他の事業)

物品販売業は、商品の取扱いが減少しました。自動車教習所は、入校生が減少しました。介護福祉事業は、コロナ禍の影響により入居者が減少しました。

 

この結果、売上高は2,219百万円(前連結会計年度比1.6%減)、34百万円の営業損失(前連結会計年度は59百万円の営業利益)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末から1,465百万円増加し、7,633百万円(前連結会計年度比23.8%増)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

税金等調整前当期純利益953百万円に減価償却費等を加減した結果、得られた資金は2,173百万円(前年同期は2,370百万円の資金の使用)となりました

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 有価証券の取得による支出2,500百万円、有形固定資産の取得による支出890百万円、有価証券の償還による収入2,900百万円があったこと等により、使用した資金は632百万円(前連結会計年度比52.5%減)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

配当金の支払額が72百万円あったこと等により、使用した資金は74百万円(前連結会計年度比0.3%増)となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、旅客自動車運送事業等の役務の提供を主体とする事業を行っているため、生産、受注の実績については記載を省略し、販売の実績については「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ 財政状態

財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

ロ 経営成績

経営成績の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

ハ 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

ニ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フロー)

キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(資金需要)

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、旅客自動車運送事業におけるバスの運行に係る人件費・バス燃料費のほか、建設業等における材料仕入、製造費、各事業についての販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、輸送の安全の確保、輸送サービスの向上及び事業拡大のための設備投資等によるものであります。

 

(資金の流動性)

運転資金につきましては、自己資金を基本としており、一時的な資金調達につきましては、銀行借入(当座貸越契約)によっております。

 

(資金繰り等)

当社グループの現金及び現金同等物の期末残高は7,633百万円であり、当面の資金繰りに問題はないと考えております。

また、当社グループの当座貸越契約における極度額は12,870百万円であり、十分な資金調達枠を確保しております。なお、借入実行残高はありません。

 

ホ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、持続的な成長、発展のためには、収益基盤を一層強化し、着実に企業価値を向上させることが必要であると考えております。そのために、中長期的な総資産の効率的運用、収益性の向上(売上高営業利益率の向上)を目指しております。

 

ヘ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

セグメントごとの経営成績の状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

旅客自動車運送事業のセグメント資産は、有形固定資産の減価償却等により、12,558百万円(前連結会計年度比4.6%減)となりました。

建設業のセグメント資産は、受取手形、売掛金及び契約資産の増加等により、5,158百万円(前連結会計年度比22.0%増)となりました。

清掃業・警備業のセグメント資産は、投資その他の資産の減少等により、1,368百万円(前連結会計年度比1.6%減)となりました。

不動産事業のセグメント資産は、有形固定資産の取得等により、5,098百万円(前連結会計年度比2.9%増)となりました。

観光関連事業のセグメント資産は、有形固定資産の取得等により、2,548百万円(前連結会計年度比6.6%増)となりました。

その他の事業のセグメント資産は、現金及び預金の減少等により、918百万円(前連結会計年度比10.2%減)となりました。

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。この連結財務諸表作成に際し、経営者は決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える様々な要因・仮定に対し、過去の実績等を勘案し合理的に判断して見積りを行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目は以下の通りであります。

(繰延税金資産の回収可能性)

 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。

 

(工事原価総額の見積り)

 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。

 

なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。