第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりである。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、人を育て、人々の生活を支援する公共性の高い事業に取り組んでいる企業グループとして、物流・商事事業を核に、未来を動かすサービス・商品の新潮流の創造にたゆみなく挑戦し、真に豊かなグローバル社会の実現に貢献することをミッションとした「未来潮流を創る企業グループ」を目指しています。

 そして、この想いを「Moving Global 物流を超える、世界を動かす、ビジネスを変える」のスローガンとして掲げています。

 その上で、グループ全従業員が共有すべき価値観を「誠実」「情熱」「責任」「敬意」「多様性」と定め、事業を通じて株主、お客様、従業員をはじめ社会やすべての人々に貢献し、信頼される企業となることを基本方針としています。

 

(2)目標とする経営指標

  当社は、2025年度におきまして、下表の指標を経営目標として定めております。

 

 

2024年実績

2025年目標

営業収益

8,545億円

9,100億円

営業利益

349億円

400億円

営業利益率

4.1%

4.4%

 

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社は、事業の深化と創出を通じて、人と社会に新しい価値を届け、持続的な成長を実現するために、2022年度から5年間の中期経営計画を開始しております。

 

センコーグループ中期経営計画(2022年度~2026年度)の概要

 

1.コーポレート・スローガン

『Moving Global』

・物流を超える

-従来の物流企業の枠組みを超える「高品質」な商品・サービスを提供する

・世界を動かす

-「社会との共生」を大切にしながら、「グローバル」な企業活動を展開する

・ビジネスを変える

-従業員の成長志向を育み、お客様に新たな価値を提案する

 

 

2.中期経営計画の重点課題

(1)既存事業の拡大と深化

 ・既存事業領域の拡大

・グローバル化の更なる展開

(2)成長事業の創出と育成

・ライフサポート事業、ビジネスサポート事業の更なる成長

・新たな事業への挑戦(モノづくりなど)

(3)ESG+H(健康)経営への取り組み

  ・事業を通じ、持続可能な社会の実現

・カーボンニュートラルの実現に向けた環境維持活動推進

・心身ともに健康で楽しく働ける環境づくり

(4)グループ経営の高度化

・グループ全体の戦略立案・遂行機能の強化

・HDの機能の強化・充実によるグループ経営の高度化

(5)働きがいと個人の成長の実現

  ・会社と従業員が、共感してともに高めあう関係の実現

・自分らしく、わくわく働ける職場の実現

 

 

(4)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財政上の課題

 今後の経済環境は、地政学的リスクやエネルギー価格の変動、国際貿易摩擦の影響により、高い不確実性が懸念されます。国内景気は一部に足踏みが残るものの緩やかな回復が見込まれますが、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響や、通商政策の影響などが、我が国の景気を下押しするリスクとなります。

 また、物流業界における2024年問題をはじめとした少子高齢化などの諸問題の本格化による人手不足や、国内市場の縮小などの影響に対しては引き続き対応が求められます。

 

 このような環境の中、当社グループは中期経営5ヵ年計画の達成に向けあらゆる施策を実行し、企業価値の最大化に引き続き取り組んで参ります。

 また、創出した価値の還元を通じて、SDGsの達成や社会課題解決などの世界的潮流に貢献すると共に、AIやロボットなどの最先端技術を活用したDXの推進にも取り組んで参ります。

 当社は、ビジネス環境の変化をチャンスととらえ、新たな分野、新たな手法へ挑戦し、持続的な成長を目指すと共に、従業員がその能力や個性を発揮して活躍できる公正な機会やリソースを提供することで、従業員満足度を向上させ、多様な人材、専門的技能を持つ人材の確保と育成に取り組みます。

 

 当社グループは、人を育て、人々の生活を支援する公共性の高い事業に取り組んでいる企業グループとして、「既存事業の拡大と深化」、「成長事業の創出と育成」、「ESG+H(健康)経営への取り組み」、「グループ経営の高度化」、「働きがいと個人の成長の実現」などに取り組んでまいります。

 

 「既存事業の拡大と深化」につきましては、物流事業において、チェーンストア・通販・食品等の成長領域での事業拡充、物流センターの運営業務・冷凍冷蔵物流の更なる拡大、海外の新規拠点拡大によるグローバルネットワークの確立、船舶管理・既存荷主の深化等での海運グループのシナジー追求、商事事業において新商材・海外事業・M&A等による事業拡大、物流の抜本的見直しによる物流費の抑制、事業運営体制の整備、以上7つを進めてまいります。

 

 「成長事業の創出と育成」につきましては、ライフサポート事業において、収益性の向上とグループ会社間の連携強化、ビジネスサポート事業において、不動産・人材派遣等のビジネスサポート各事業の拡大、プロダクト事業において経営基盤強化・物流改善の推進によるものづくり事業の育成・強化、以上3つを進めてまいります。

 

 「ESG+H(健康)経営への取り組み」につきましては、2050年カーボンニュートラルに向けたCO2削減の取り組み推進、ダイバーシティ&インクルージョン教育の推進、コンプライアンス遵守と危機管理の徹底、スポーツ・文化イベントを通じた健康増進、以上4つを進めてまいります。

 

 「グループ経営の高度化」につきましては、資本コストや株価を意識した経営の推進、動画配信やSNSなどのデジタル技術を活用した認知度の向上、ITセキュリティと従業員のDX・IT教育の強化、省力化・省人化に向けた先端技術の研究・企画・開発、各事業グループとの連携によるグループシナジー効果の創出、取引先企業との連携強化、以上6つを進めてまいります。

 

  「働きがいと個人の成長の実現」につきましては、表彰制度を通じた従業員が挑戦する風土の醸成、グループ間の情報交換・人材交流によるグループ活性化、各種研修やセンコーユニバーシティによる人材育成、従業員持株会の拡大、以上4つを進めてまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取り組み】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みの状況は、次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

<サステナビリティ全般>

(1)サステナビリティの基本方針と重要課題(マテリアリティ)

 当社グループは、『「持続可能な環境・社会の実現」に貢献し、「グループの持続的な成長」を図るため、当社グループのもつ多様な事業を通じて、人と社会を「つなぐ」、新しい価値を届けることを目指します。』という「サステナブル方針」を掲げ、さまざまな課題解決につながる価値を提供しております。

 本方針に基づき、2022年に当社グループの持続的な成長に著しい影響を及ぼし得る重要課題(マテリアリティ)をSASBスタンダードを参考にして特定しました。当社グループの事業セグメントは、SASBの77セクターのうち28セクターに該当していることを確認し、28セクターに求められるマテリアリティの中から、売上比率や事業への影響を勘案して対応すべき課題を抽出しました。その上で、グループ経営における重要施策との精査の結果、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)・健康(H)に関して重要課題(マテリアリティ)を特定しております。当社グループは、後記のとおり、「ガバナンス」と「リスク管理」の枠組みを通じて、下記マテリアリティを要素として含む「気候変動」「人的資本」及び「人権の尊重」を、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えるサステナビリティ項目としております。

 

●当社グループの重要課題(マテリアリティ)

環境(E)

社会(S)

ガバナンス(G)

健康(H)

・気候変動対策

・循環経済

・ダイバーシティ及び

インクルージョン

・安全確保

・責任ある調達体制

・リスクマネジメント

・コンプライアンス

・情報開示

・感染症対策

・従業員の心身の健康管理

 

(2)ガバナンス

①サステナビリティ推進体制

 当社グループは、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し、管理するためのガバナンスの過程、統制及び手続を定めております。

 サステナブル推進会議(年2回開催)は、サステナビリティ全般に関する最高責任を負う当社の代表取締役社長を議長とし、当社の社外取締役及び社外監査役をはじめとする取締役及び監査役を含む当社役員等で構成されており、傘下の各委員会等からのサステナビリティに関する取り組み進捗の報告を受けて協議し、フィードバックしております。また、サステナブル推進会議は、サステナビリティの取り組みに関する協議内容及び活動実績等について、取締役会へ報告します。

 取締役会は、サステナブル推進会議から協議内容や活動実績等について報告を受け、監督・指示を行います。また、サステナブル推進会議からの上記報告以外でもサステナビリティに関する重要事項について、審議・決議しております。

 

<2024年度当社取締役会でのサステナビリティに関する主な議論>

年月

内容

2024年5月

・2024年度サステナビリティ課題の取り組み

・GHG(温室効果ガス)排出削減目標の設定と情報開示

2024年9月

・2024年度第1回サステナブル推進会議主要事項

・第1四半期GHG排出実績

・人権啓発活動の取り組み

2024年12月

・第2四半期GHG排出実績

・「センコーグループ取引先サステナビリティガイドライン」制定

2025年1月

・「企業倫理ヘルプライン規程」改定

2025年2月

・2024年度第2回サステナブル推進会議主要事項

・第3四半期GHG排出実績

 

 

<2024年度サステナブル推進会議での主な議論>

 ・気候変動への対応

 ・ダイバーシティ及びインクルージョン

 ・社会貢献活動

 ・コンプライアンス課題、内部通報制度

 ・リスクマネジメント、事業継続計画(BCP)

 ・人権デューデリジェンス

 

②サステナビリティの個別課題検討組織

 サステナビリティの個別課題については、上記のとおり、取締役会による監督・指示の下、サステナブル推進会議傘下に「環境推進」「社会価値向上」「コンプライアンス」「リスク管理」の4委員会を設置し、各委員会を中心に個々の活動を推進しております。

 また、サステナブル推進会議の担当部門である「サステナブル推進部」は、主要なグループ会社及び各事業本部の担当役員である「サステナブル推進責任者」並びに各グループ会社の経営企画部門などの部門長である「サステナブル推進担当者」と実務的な取り組みを推進しております。

 

●サステナビリティ推進体制図

0102010_001.png

 

(3)リスク管理

当社グループの重要課題(マテリアリティ)及びそのテーマについて、上記の4委員会を中心に各戦略を踏まえてリスク及び機会の見直しを都度実施しており、各委員会の扱う主なリスクと対応は次のとおりです。

 

環境推進委員会は、気候変動対策と循環経済を軸とする環境保全に関する課題を扱い、環境目標の管理、将来の財務影響を含むリスクと機会の抽出、対応や推進策の検討を行い、その取り組みをサステナブル推進会議に報告します。

 

社会価値向上委員会は、責任ある調達体制を含む人権課題や、ダイバーシティ及びインクルージョンと人的資本に関するリスクを集約し、識別したリスク並びにリスクに対する予防策及び善後策等をサステナブル推進会議に報告します。

 

コンプライアンス委員会は、労働安全衛生、ハラスメント、内部通報等のコンプライアンスリスクを集約し、識別したリスク並びにリスクに対する予防策及び善後策等の取り組みをサステナブル推進会議に報告します。

 

リスク管理委員会は、当社グループが直面する、あるいは将来発生する可能性のあるリスク及び機会を識別し、識別したリスクに対して組織的かつ適切な予防策及び善後策を講じております。

さらに、リスク管理委員会は、気候変動対策として、自然災害リスク分科会を設置し、事業継続計画(BCP)等の点検・見直しを実施して当社グループのレジリエンスを高めております。また、同委員会は、識別したリスク並びにリスクに対する予防策及び善後策等をサステナブル推進会議に報告します。

 

サステナブル推進会議は、上記各委員会から受けたサステナビリティ関連のリスク及び機会の報告を踏まえて重要事項を協議し、協議内容や活動実績等について取締役会に報告します。取締役会は、サステナブル推進会議からリスク管理に関する報告を受け、監督を行います。

 

(4)戦略

上記「(2)ガバナンス」と「(3)リスク管理」の枠組み等を通じて識別され、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えるサステナビリティ項目は「気候変動」「人的資本」及び「人権の尊重」であります。「気候変動」「人的資本」及び「人権の尊重」の具体的な「戦略」は「<気候変動>(3)戦略」、「<人的資本>(3)戦略」及び「<人権の尊重>(3)戦略」に記載しております。

 

(5)指標及び目標

 「気候変動」、「人的資本」及び「人権の尊重」の具体的な「指標及び目標」は「<気候変動>(4)指標及び目標」、「<人的資本>(4)指標及び目標」及び「<人権の尊重>(4)指標及び目標」に記載しております。

 

<気候変動>

(1)ガバナンス

当社グループは、「気候変動対策」を重要課題(マテリアリティ)の一つとして定め、中期経営計画の重点課題の一つとして位置づけ、取り組んでおります。気候変動に関する方針や重要事項は取締役会で、審議決定を行っております。なお、GHG排出削減に向けた中期的な取り組み、年度計画や進捗については、サステナブル担当役員の下、「各事業部門のサステナブル推進担当者」とサステナブル推進部でシナリオを検討し、「環境推進委員会」(年2回開催)において審議・検討を行っております。また、このほか、気候変動を含むサステナビリティ全般に関するガバナンスについては、「<サステナビリティ全般>(2)ガバナンス」に記載しております。

 

(2)リスク管理

当社グループは気候変動に関するリスク及び機会を、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の一つとして位置づけ、管理を行っております。

第三者検証を伴うGHG排出実績の把握を年1回行うとともに、目標に対する進捗状況、GHG排出削減への取り組み等を確認し、環境推進委員会で共有し、サステナブル推進会議で報告を行っております。さらに、半期や四半期、M&A検討時にも、関連する事項の把握を行っております。

環境推進委員会による環境目標の管理等を含むサステナビリティ全般に関するリスク管理については、「<サステナビリティ全般>(3)リスク管理」に記載しております。

 

(3)戦略

●基本的な考え方

当社グループでは、気候変動への対応は環境保全における重要な課題であり、サステナブル経営の推進において対処すべき重要課題(マテリアリティ)の一つと捉えております。

このため当社グループは、気候変動対策に真摯に取り組み、2020年10月には「国連グローバル・コンパクト」に賛同し、環境問題への対応等に関わる原則の実現を支持しております。

2022年9月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同し、リスク及び機会を洗い出し、影響を評価し、対応策を立案していくことが不可欠であると認識し、2022年度よりTCFDの提言に沿ったシナリオ分析を行っております。

加えて、当社グループが主体的に取り組むべきScope1+2について、2050年にカーボンニュートラルを目指すこととそのための基本方針、2022年度を基準年度とする中期目標を2024年5月開催の取締役会で決議し、気候変動対策に真摯に取り組んでおります。

 

 

 目標達成に向けた基本方針は次のとおりです。

 

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●シナリオ分析

 基盤事業である「物流事業」については、2022年度にシナリオ分析を深化させ、リスク・機会のうち当社グループが重要と考える項目について、2030年、2050年の時間軸、1.5℃シナリオと4℃シナリオの気温軸で財務影響度を評価し、投融資にかかる戦略への反映を検討しました。加えて、2050年にカーボンニュートラルを目指すことに伴い、2023年度にリスクや炭素税の影響を見直しました。

 

 

(物流事業)

区分

想定される
リスク・機会

当社グループへの
影響

事業インパクト ※1

対応策

2030年

2050年

1.5℃

4℃

1.5℃

4℃

移行リスク

政策・法規制
(カーボンプライシング)

・急激な燃料価格変動

・環境車両導入による
 電気料金発生

・運送燃料コスト変動

中(+)
※2

・環境優良車両(EV・HV・LNG・環

 境対応DSL等)、ダブル連結トラ

 ックの導入推進

・モーダルシフトの促進

・環境優良船舶(FCV、LNG・アンモ

 ニア燃料船等)の導入検討

・GXリーグ参画企業としての取り組

 み

・炭素税など規制の導入

・コスト負担が増加

 

 

技術
(再エネ・省エネ技術の遅延)

・GHG削減目標達成が困

 難に

・再エネ・省エネ・炭素ク

 レジットの調達コスト増

 加

・グループのエネルギー使用量管理

 と省エネ施策

・再エネ電力の確保

市場
(顧客の増減)

・顧客がより低炭素な

 物流サービスを選択

・低炭素物流サービスに対

 応しなければシェア低迷

・Scope3を含むGHG排出量の開示

・GHG排出量に関する「見える化」

 推進

・環境優良車両・船舶の活用、クリ

 ーン燃料導入、モーダルシフト、

 物流拠点集約等による脱炭素に向

 けた選択肢の提供

物理リスク

急性
(異常気象)

・道路・鉄道・海上・航

 空輸送の運行停止

・物流事業継続に係わるコ

 スト増加
 (保険対象外の設備被害

 等)

・BCPの整備・訓練の実施

・備蓄品の保有

・拠点間の連携支援

・拠点の分散化

・代替輸送ルートの提供

慢性
(海面上昇)

・物流拠点の水害・塩害

 対策、拠点配置の見直

 しが必要に

・物流拠点のリスク調査

 費・移転等のコスト発生

慢性
(気温上昇)

・熱中症リスク

・従業員の離職増加

・従業員の健康被害増加

・保険料や採用等のコスト

 増加

・安全な労働環境の整備

・自動化・無人化の推進

・従業員の健康安全衛生意識醸成、

 健康促進の取り組み強化

機会

技術
(再エネ・省エネ技術の普及)

・再生可能エネルギーへ

 の切り替え等、再エ

 ネ・省エネ技術の利用

 拡大

・低コスト・GHG低排出エ

 ネルギーの安定供給

・自家発電再エネ電力の販

 売による収益発生

・太陽光発電設備敷設と大容量蓄電

 池設置による自家消費強化
・LED照明化・空調の省エネ化を推

 進
・太陽光発電・風力発電等への切り

 替え

技術
(次世代技術の進展)

・共同物流サービス等、

 車両積載・運行効率を

 向上させる次世代物流

 技術の導入拡大

・モーダルシフト・ダブル

 連結トラック導入等によ

 る物流コスト抑制

・GHG排出量の削減


・最適輸送パターン・最適輸送ルー

 トの提供等、気候変動リスク対応

 物流サービスの提案
 

市場
(次世代エネルギー輸送)

・燃料電池トラックの普

 及に伴うタンクローリ

 ーによる液化水素輸送

 の需要の高まり

・船舶による液化アンモ

 ニア輸送の需要の高ま

 り

・液化水素輸送・液化アン

 モニア輸送に関する収益

 増加

・既存事業の拡大と次世代エネルギ

 ー(水素・アンモニア等)輸送体制

 の構築

市場
(循環経済)

・EV電池・太陽光パネ

 ル・廃プラのリユー

 ス・リサイクル市場拡

 大に伴う静脈物流需要

 増大

・リユース・リサイクル関

 連の物流サービスに関す

 る収益増加

・気候変動対策の需要を踏まえた既

 存・新規顧客のターゲティング

・静脈物流プラットフォームの構築

・回収元、リサイクラーとのエンゲ

 ージメント強化

評判
(ステークホルダーレピュテーション)

・気候変動リスク対応を

 正しく情報開示するこ

 とにより、投資家等か

 ら評価

・企業価値向上、好条件で

 の資金調達

・ステークホルダーへの情報開示の

 深化

・グリーンボンド等による資金調達

 

※1:・事業インパクトは、各シナリオにおける当社への財務影響度を営業利益に対する影響額で算定し、

大、中、小の三段階で評価。

「大」50億円超、「中」10~50億円、「小」10億円未満

「-」現時点では影響額が小さいと判断するため、算定は非実施。

・シナリオ分析においてはIEA「World Energy Outlook2024」(原油価格、炭素税価格)などを参照。

※2:・1.5℃シナリオでは燃料コストは減少と想定するため、リスクの項ではあるが財務影響はプラス。

 

 

 

(非物流事業)

区分

想定される
リスク・機会

当社グループへの影響

影響のある事業

対応策

商事

・貿易

ライフ

サポート

ビジネス

サポート

プロ

ダクト

移行

リスク

政策・法規制
(カーボンプライシング)

・規制強化による配送・調達

 コストの増加
・規制強化による対応コスト

 発生

・物流コスト増加

 

 

・自社物流グループへの物流網

 集約
・配送頻度の見直し

・エネルギー調達コス

 ト増加

・グループ施設での太陽光発電

・グループ内の再生可能エネル

 ギー自己託送の活用

・原材料調達コスト増

 加

 

・グループ内共同調達の推進

・バージンプラ使用製

 品・商品に対する課

 税コスト増加

 

 

 

・バージンプラ使用削減及び、

 再生プラスチック・プラスチ

 ック代替原料を使用した製

 品・商品の開発強化

技術
(環境配慮型製品・

商品・サービス開発)

・製品・商品・サービス開発

 コスト増加

・製品・商品・サービ

 ス開発コスト増加

・環境配慮型製品・商品・サー

 ビス開発体制の構築
・グループ内共同研究の推進

・サプライチェーン全体におけ

 る、GHG排出量・削減貢献量の

 見える化と信頼性の担保

・サプライチェーン全体でのGHG

 排出量削減を推進

市場
(環境配慮型製品・商品・サービスの需要増加)

・顧客がより環境に配慮した

 製品・商品・サービスを選

 択
・環境非配慮型製品・商品・

 サービスは市場から疎外

・環境配慮型製品・商

 品・サービスが提供

 できなければシェア

 低迷

物理

リスク

急性
(異常気象)

・拠点・工場・設備・在庫・

 不動産物件等の甚大な被害

・事業継続に係るコス

 ト増加

・BCPの整備・訓練の実施
・備蓄品の保有
・調達先・拠点の分散化

・グループ・拠点・工場間の連

 携

・安全な労働環境の整備

・従業員の健康安全衛生意識

 醸成、健康促進の取り組み

 強化

・サプライチェーンの途絶に

 伴う事業停止

・店舗・拠点・工場の

 運営停止による販売

 機会損失

・異常気象による、従業員・

 顧客の人的損害増加

・従業員の健康被害・

 離職の増加

慢性
(海面上昇)

・店舗・拠点・工場の水害・

 塩害対策、配置の見直しが

 必要
・持続可能な商品供給体制

 (情報・物流網)整備

・店舗・拠点・工場の

 リスク調査、移転等

 のコスト増加

 

慢性
(気温上昇)

・気温上昇による従業員の熱

 中症リスク増加
・熱帯地方の感染症増加によ

 る人的損害

・従業員の健康被害・

 離職の増加

機会

技術
(再エネ・省エネ技術の普及)

・Scope3を含めたGHG排出量

 の正確な把握への需要増加

・GHG排出量の正確な

 把握・可視化・排出

 量削減に関するサー

 ビスへの需要増加

 

 

 

・物流事業で蓄積したノウハウ

 を活用したサービスの開発・

 提供

・グリーンエネルギーの活用

・省エネ技術搭載設備の進展

・店舗・拠点・工場に

 グリーンエネルギ

 ー・最新の省エネ技

 術を搭載した設備を

 導入することによる

 コスト削減

・GHG排出量の削減・

 吸収ビジネス創出の

 可能性

・次世代エネルギー・次世代技

 術の研究と積極的な導入

市場
(循環経済、環境配慮型製品・商品・サービス)

・製品・商品・サービスを通

 じたGHG削減要望が増加

・顧客からの環境配慮

 型製品・商品・サー

 ビスの需要増加への

 対応による収益拡大

・非石化原料を使用し

 た(石化原料の使用

 を低減した)製品・

 商品の需要増加

・資源循環に資する環

 境配慮型製品・商

 品・サービスへの需

 要増加

 

 

・石化原料を削減及び、再生プ

 ラスチック・バイオマスプラ

 スチック・プラスチック代替

 原料を使用した製品・商品の

 開発強化と具現化

・サプライチェーン全体の中で

 GHG排出削減量が見込める製

 品・商品・サービス提供

・静脈物流網を活かしたグルー

 プ総力でのリサイクルモデル

 構築と低コスト・高品質な再

 生プラ製品・ 商品の市場提供

・回収元、リサイクラーとのエ

 ンゲージメント強化

市場
(激甚災害の増加)

・台風・豪雨の頻発により防

 災能力の高い施設への需要

 増加

・防災能力の高い施設

 の利用増加による収

 益拡大

 

 

 

・既存施設の災害対策・防災能

 力の強化

評判
(ステークホルダー
レピュテーション)

・環境配慮型製品・商品・サ

 ービス提供による評判向上
・労働衛生環境改善等による

 評判向上
・災害時の安定供給による取

 引先からの評判向上

・ブランド価値向上
・企業価値向上、好条

 件での資金調達

・ステークホルダーへの情報開

 示深化
・グリーンボンド等による資金

 調達

※環境配慮型製品・商品・サービス … サプライチェーン全体の中で環境負荷低減が見込める製品・商品・サービス

 

※シナリオ分析の結果

 (リスク及び機会)

 当社グループは、2050年カーボンニュートラルな社会の実現に貢献すべく、また、経営のレジリエンスを高めるために、気候変動により想定されるリスクを把握し、様々な取り組み推進によりリスク軽減に努めております。

 また、当社が長年培ってきたケミカル物流でのノウハウを活かしたアンモニアや水素など、今後、カーボンニュートラル実現のための貢献が期待されるエネルギーの輸送ビジネス、サプライチェーン全体の中でのGHG排出削減が見込める製品・商品・サービスの提供など、機会の獲得や最大化をする取り組みを継続的に進めていきます。

 

 シナリオ分析による2024年度の変更事項はありません。2023年度は中長期のGHG排出削減目標を再検討し、抽出した重要リスクの中で「炭素税導入」によるグループ全体への財務影響度評価について、1.5℃シナリオにおける2030年の炭素税価格を140USD/t-CO2として再試算しましたが、2030年に約50~60億円の影響額になると算定され、前年度の想定から変更はありませんでした。

 

(4)指標及び目標

 本中期経営計画期間中、当社グループは基盤事業である陸運事業におけるCO2排出原単位(※)の削減を指標とし、2020年度対比10%削減を2026年度までに達成することを目指し実行しております。多岐にわたり事業展開している当社グループ全体での目標を掲げることが重要と考え、上記の指標に加え、グループとしてGHG排出削減量に関する中長期目標を2024年5月開催の取締役会において決議し、達成に向けたロードマップを策定しました。2022年度を基準年度とし、2050年にカーボンニュートラル実現に向けた中期目標としてScope1+2の排出量を2030年度に35%削減、2035年度に55%削減することを目指します。

 なお、M&Aなどによりバウンダリに変更が生じた場合には、Scope1,2については基準年度及びそれ以降の排出量についても適宜、遡及し開示いたします。具体的にはバウンダリに含めた後の期間の排出実績値に、売上高等の比率を乗じることで、バウンダリに含める前の期間の推定値を算定し、基準年度以降の数値に加算しております。

 また、企業活動の上流(調達関係)・下流(出荷以降)におけるGHG排出量(Scope3)については、当社グループの算定を詳細化するとともに、顧客のサプライチェーンにおける物流分野でのScope3の算定と効率的な物流施策の提言を進めてまいります。

(※)陸運事業のCO2排出原単位 :物流事業セグメントにおいて、「国内物流」「冷凍冷蔵物流」「その他物流」に属する事業会社のCO2排出総量を把握し、同事業会社の直営売上高合計で除した値

 

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 物流事業を基盤とする当社グループのGHG排出削減は、車両や船舶、燃料などの環境対応技術の商用化や普及動向に拠るところが大きいのが現状です。しかしながら、他社との連携や実証実験への参画や提言、当社グループのカーボンニュートラルに寄与する可能性のある技術を有する企業への出資など、当社グループの多様な資産を有効活用し、様々な挑戦と検証を行ってまいります。その上で当社グループにとって最適な技術を見極め、車両や船舶のエネルギー源を本格転換し、当社グループひいては物流業界の脱炭素化推進の実現に貢献することを目指します。また、再生可能エネルギー電力の調達や購入、省エネ設備や機器の導入や転換を引き続き推進します。

 目標や施策、かかる投資などについては、最新情報を収集の上、今後とも適切な検討や見直しを行っていきます。

 

 

 当社グループのGHG排出実績については次のとおりです。

当社グループは、当社ウェブサイトにて開示の排出実績値を対象として第三者検証(任意の限定的保証)を受けました。バウンダリや算出方法は以下の注釈に記載のとおりです。

 

●排出実績値(M&Aなどによるバウンダリ変更の影響を遡及修正前)

                                                                                  単位:t-CO2e

 

基準年度(2022年度)

2023年度

2024年度

対象企業数(Scope1,2)

※1

    119

    140

    150

Scope1

★  361,772

★  373,209

★  415,517

Scope2 ※2

★   86,005

★  105,672

★  112,941

(Scope1-2 計)

★  447,777

★  478,881

★  528,457

Scope3 ※3

  1,444,914

  1,642,243

★ 1,478,238

(Scope1-3 計)

  1,892,691

  2,121,124

★ 2,006,695

(注)・「★」マークを付した値は、第三者検証(任意の限定的保証)の対象となった排出実績値と同じであることを示します。なお、第三者検証(任意の限定的保証)に関する独立保証声明書につきましては、当社ウェブサイトにて公開しております。

   ・小数点以下の数字が影響し、各数値と合計値に差異が生じる場合があります。

※1 Scope1,2の集計範囲は当社及び国内外連結子会社です。

   なお、海外子会社のうち、中央化学㈱の中国事業ほか、一部対象外です。

※2 Scope2は、国内はマーケット基準、海外はロケーション基準で算出しております。

※3 Scope3の集計範囲は、当社及び国内連結子会社です。

 

 なお、Scope1,2についてM&Aによるバウンダリ変更の影響を遡及した排出実績は次のとおりです。

 

●排出実績値(Scope1,2について、M&Aなどによるバウンダリ変更の影響を遡及修正後)

 単位:t-CO2e

 

基準年度(2022年度)

2023年度

2024年度

Scope1

398,237

395,779

415,517

Scope2

116,103

109,497

112,941

(Scope1-2 計)

514,340

505,276

528,457

(注)・小数点以下の数字が影響し、各数値と合計値に差異が生じる場合があります。

   ・集計範囲は当社及び国内外連結子会社で、会社数は150社です。

    なお、海外子会社のうち、中央化学㈱の中国事業ほか、一部対象外です。

 

 また、本中期経営計画期間中の指標である陸運事業におけるCO2排出原単位(2026年度までに2020年度対比10%削減が目標)は次のとおりです。なお、バウンダリ変更前の数値から算出しております。

 

●排出原単位(陸運事業)

 単位:t-CO2/100万円

 

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

 

2026年度目標

陸運事業

1.01

1.05

0.97

0.95

0.92

 

0.91

(注)陸運事業のCO2排出原単位:物流事業セグメントにおいて、「国内物流」「冷凍冷蔵物流」「その他物流」に属する事業会社のCO2排出総量を把握し、同事業会社の直営売上高合計で除した値

 

 

 Scope1+2の排出量はグループの事業成長に伴い基準年度(2022年度)及び前年度を上回る結果となりました。Scope1についてはモーダルシフトやダブル連結トラックの導入等を進めましたが、海運事業強化による船舶数の増加などにより、基準年度(遡及加算後)対比で4.3%増となりました。Scope2は前年度の排出実績は上回りましたが、物流センターを活用した再生可能エネルギー発電拠点の拡大や、物流センターの屋根で発電した電力の環境価値を証書化した「トラッキング付FIT非化石証書」の活用により、基準年度(2022年度)対比で2.7%減となりました。

また、本中期経営計画期間中の指標である陸運事業におけるCO2排出原単位については、2024年度は上記の各種削減施策、価格改定などにより2020年度対比8.9%改善となりました。

なお、陸運事業以外の事業を含む国内グループ全体の排出原単位は、各種削減施策、事業構成の変化や価格改定を進めた結果、2024年度も改善しました。数値は当社ウェブサイトに記載しております。

 

当社グループは今後とも、Scope1では小型EVトラックの導入、長距離幹線輸送ではダブル連結トラックの導入加速化を含めたモーダルシフトの強化、Scope2では自社物流センター屋根を活用した太陽光を主軸とした再生可能エネルギーや「トラッキング付FIT非化石証書」の活用を推進します。

加えて、自社資産を有効活用し、グループ内での事業横断的な再生可能エネルギー有効活用の検討、顧客、出資先やサプライヤーと連携し次世代燃料やフィルム式太陽電池の実証実験への参画、大容量蓄電池の実装、共同輸配送の提案など、当社グループと物流業界のカーボンニュートラル実現に向けた新たな取り組みに挑んでまいります。

 

(参考情報)

 2024年度は、低炭素型ディーゼルトラックへの切り替えや小型EVトラックの導入、物流センターでの再生可能エネルギーの積極的な導入といった従来からの取り組みに加え、船舶の省エネ運航などGHG排出増を極力抑えるための活動を事業拡大と並行して推進し、現状趨勢(BAU)ケースと比較しグループ全体でScope1+2につき0.7万t-CO2e以上の排出削減を実現しました(自社にて算定)。

 

上記データについては、以下のウェブサイトをご覧ください。

https://www.senkogrouphd.co.jp/sustainability/esgdata/

 

当社の環境関連取り組みについては、当社ウェブサイトをご覧ください。

※サステナビリティ・環境

https://www.senkogrouphd.co.jp/sustainability/environment/

 

 

<人的資本>

●基本的な考え方

 当社グループでは、人材確保と育成への対応はサステナブル経営の推進において対処すべき重要な経営課題の一つと捉えております。

 

(人材育成及び社内環境整備方針)

 当社グループは、人を育て、人々の生活を支援する企業グループとして、未来を動かすサービス・商品の新潮流の創造にたゆみなく挑戦し、真に豊かなグローバル社会の実現に貢献することをミッションとしております。このミッションを実現し、人々の生活や産業への関わりを通じて、人と社会に新しい価値を届け続けるためには、当社グループで働く「人」、一人ひとりの働きがいと個人の成長の実現が重要と考えます。以上を踏まえ、当社グループの人的資本における基本的な考え方は、『従業員自らが、個性と能力を最大限に発揮できる人材の育成』を「人材育成方針」とし、『人権を尊重し、従業員が健康かつ安全に、自分らしく、いきいきと働ける職場づくりに取り組む』ことを「社内環境整備方針」とすることで、会社と従業員がともに高めあう関係の実現を目指します。

 

●育成したい人材像

 上記の基本的な考え方を踏まえ、当社グループに必要な人材は、次のとおりです。

 

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(1)ガバナンス

当社グループでは上記の「人材育成及び社内環境整備方針」に則り、一人ひとりの働きがいと個人の成長の実現のため、当社人事部が主催するグループ人事会議を通じて各グループ会社と連携を取りながら、人材採用や働きやすい環境づくりのための諸施策を推進しております。人材育成については、人材組織開発部が各グループ会社の人材育成プログラムとは別に、共通の教育体系を整備し、人材育成戦略を展開しております。

また、当社グループは、本中期経営計画にて“ESG+H(健康)経営への取り組み”を掲げ、従業員の健康を増進することは、円滑な事業活動に欠かせないとの考えの下、健康推進部が主体となって健康経営を推進しております。

 このほか、人的資本を含むサステナビリティ全般に関するガバナンスについては、「<サステナビリティ全般>(2)ガバナンス」に記載しております。

 

(2)リスク管理

人的資本に関するリスク管理として、従業員の長時間労働や労働災害等のリスクについては、コンプライアンス委員会で把握し協議しております。また、女性活躍やダイバーシティに関する課題については、社会価値向上委員会において報告され、協議しております。

このほか、人的資本に関わるリスクの集約を含むサステナビリティ全般に関するリスク管理については、「<サステナビリティ全般>(3)リスク管理」に記載しております。

 

 

(3)戦略

①人材育成

・基本的な考え方

当社グループでは、人材育成のために、各従業員のキャリアのステージや個性に合わせた様々な種類の研修を実施しております。また、「人を育てる企業グループ」を実現するためには、日常業務から離れて集中できる「学びの空間」も必要です。物流現場の最前線で活躍するドライバーをはじめとする、すべての従業員が自ら「チェンジ&チャレンジ」を実現するために、目的に合わせた教育・訓練施設を設置しております。

以下は、各グループ会社での人材育成に加え、当社グループ共通でスキルアップに取り組んでいる主要な育成項目です。

 

主要な育成項目

内容

階層別人材育成

新入社員から実務責任者に成長するまでを、対面・Web・通信教育等のさまざまなチャネル提供により育成する「プロフェッショナル人材育成」や、事業運営をマネジメントする力と併せて、部下育成力を高めるための「マネジメント人材育成」、グループ会社の役員・部長クラスの育成を目的とした「経営人材育成」の各コースを設置し、階層別の人材育成に取り組んでおります。

社内大学

「センコーユニバーシティ」

2016年、物流事業のみならず、これからの事業展開をより確かなものにするため、「センコーユニバーシティ」を開学しました。

将来の経営人材、高度な知識・技術習得のための重点教育の場として、現在経営人材学科と高度プロフェッショナル人材学科の2コースを設置しております。経営人材学科では、新たな社会課題・顧客課題を見極め、事業ポートフォリオの再構築ができる人材づくりを、高度プロフェッショナル人材学科では、デジタル変革をリードできる人材づくりを目指しております。

物流人材の育成

当社グループが培ってきた物流技術・実務知識を伝承し、さらなる高度化を目指して、交通安全・物流教育訓練施設を中心に研修プログラムを実施しております。

優秀な物流人材の育成にあたり、知識、技能、態度を3つの柱とした「センコー流」の物流技術・実務知識をグループ内物流会社へ展開し、業務の均質化を図っております。特に国内屈指の規模を誇る研修施設(クレフィール湖東)では、交通コースを利用した様々なプロドライバー訓練を行い、また、同施設で育成したトレーナー(トラックドライバー・フォークリフトオペレーターの指導者)が講師となり、物流事業の業態にあわせた指導を全国各地で行っております。

 

 

②ダイバーシティ及びインクルージョン

・基本的な考え方

当社グループは、本中期経営計画の中で、女性管理職比率(本項目においては係長を含み、以下「サステナビリティに関する考え方及び取り組み」において同じ。なお「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出された「管理職に占める女性労働者の割合」は、「第1 企業の概況 5 従業員の状況」に記載のとおり。)を15%に引き上げることを目標としております。

また、性別や国籍に関わらず、従業員の個性や能力を最大限に発揮できる職場づくりを実現するため、以下の取り組みを推進しております。

 

主要な取り組み

内容

FEMALE MANAGER PROJECT

女性管理職比率向上を目的として、2022年度から本プロジェクトは発足しました。2024年度からは各グループ会社の管理職を含む女性従業員等と上司及び経営層が一体となって、動機付けやリーダーシップの醸成、「自分らしく活躍できる職場」づくりの実現に取り組んでおります。

アンコンシャスバイアス

研修

日常業務の中で自らの「アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)」に気づき、互いの多様性を認めて不適切な言動を未然に防ぎ、働きやすい職場づくりを目指します。

本研修では、管理職研修等にカリキュラムとして導入し、ジェンダー平等・女性活躍の基盤づくりに取り組んでおります。

キャリア採用・

外国人雇用の強化

多様な経験や見識のある人材の確保を一層強化することや、外国籍人材の雇用については受け入れを拡大しております。特に外国籍人材の人権の尊重については、技能実習生への定期巡回・面談の継続や、人権デューデリジェンスとの協働により「外国人雇用管理マニュアル」の改定などの取り組みを進めております。

 

③健康経営(感染症対策・従業員の心身の健康管理)

・基本的な考え方

当社グループでは、2017年「センコーグループ健康経営宣言」を公表し、『従業員一人ひとりが心と身体の健康を推進し、個性を活かしながらパフォーマンスを発揮できる状態をつくる』ことを基本方針としており、従業員の健康管理に優先的に取り組んでおります。

 

・主要な取り組み

主要な重点施策として、健康リテラシー向上を図るための生活習慣病予防セミナーや、部下のメンタルヘルス不調の早期発見・対応を図るラインケアセミナーの開催、健康保険組合とのタイアップ施策の実施、看護職・健康推進担当者の教育による体制強化等の取り組みを行っております。

 

④従業員エンゲージメント

・基本的な考え方

従業員自らが、個性と能力を最大限に発揮できる人材の育成のためには、会社と従業員、上司と部下の対話により相互を理解し共に高めあう関係の実現が欠かせないことから、以下の取り組みを行っております。

 

主要な取り組み

内容

従業員満足度調査

従業員の仕事のやりがいや満足度を測定するため、従業員満足度調査を毎年実施しております。実施後各職場の責任者へ結果を通知し、各職場でコミュニケーション等の問題点を共有化することで、従業員のモチベーションやエンゲージメント向上につなげております。

1on1ミーティング

2020年より「上司による部下成長のための対話の場」として2週間に1回の「1on1ミーティング」の導入を推奨し、グループ内展開を進めております。

 

 

⑤働きやすさへの取り組み

・基本的な考え方

当社グループでは、従業員一人ひとりが働きがいを感じる、差別のない環境を醸成することで、個々の成長と活躍を促し企業活力を向上させたいとの考えの下、すべての従業員が生涯“働きやすい”“働き続けられる”と感じることのできる職場環境づくりを推進しております。

 

・主要な取り組み

働きやすさへの取り組みとして、施設内託児所の設置を始めとする育児や介護目的の休暇制度、テレワーク、短時間勤務など、職場環境の改善に取り組んでおります。
 また、男性育児休業等の取得については、2026年度までに取得率を50%以上に引き上げることを目標としております。そのため、他社での取り組み事例の紹介等、グループ会社の経営層へ各種会議を通じた啓発活動や、各拠点でのポスター掲載ほか取得しやすくするための諸施策等の実施、各職場での理解促進及び意識向上に継続的に取り組んでおります。

 

(4)指標及び目標

当社グループの、人材の多様性の確保を含む「人材育成及び社内環境整備方針」に関する指標の内容並びに2026年度目標と2024年度実績は、以下のとおりです。

 

指標

2026年度目標

2024年度実績

 女性管理職比率 (注)1

15.0

15.0

 男性育児休業等取得率(注)2

50.0%(注)3

30.6(注)4

(注)1.女性管理職比率の「管理職」には、係長以上の者またはそれと同等の地位にある者を含めておりますが、その他の点については「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき個社毎に計算し、その平均値により算出しております(なお「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出された「管理職に占める女性労働者の割合」は、「第1 企業の概況 5 従業員の状況」に記載のとおり。)。また、集計範囲は、当社及び全連結子会社です。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等および育児目的休暇の取得割合を個社毎に計算し、その平均値により算出しております。

3.本取り組みは、国内法を基本としたものであり、2026年度目標は当社及び国内の全連結子会社を対象の範囲としております。

4.本取り組みは、国内法を基本としたものであり、国内法の規定による公表を要しない国内連結子会社においては集計体制を準備中のため、2024年度実績は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)または「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)に基づき、公表している会社のみの数値です。なお、主要な事業を営む国内連結子会社はいずれも対象としております。

 

<人権の尊重>

当社グループは、「人権の尊重」はサステナブル経営の推進において対処すべき重要な経営課題の一つと捉えております。事業活動で人権侵害がある場合、顧客、ビジネスパートナー、地域社会等の様々なステークホルダーの信頼を失い、企業価値の棄損に直結するリスクがあること、人権の尊重を推進することによる持続可能なバリューチェーンを構築し、顧客・新規投資の獲得や人材定着・採用力の強化、社会的信用の醸成等の機会があることから優先して取り組んでおります。

 

(1)ガバナンス

当社グループは、「国連グローバル・コンパクト」に賛同しており、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」や日本政府の「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」等に則り、人権尊重経営を推進しております。

 

 

・人権方針

人権に対する考え方をより明確にしたうえで取り組みを推進すべく、外部専門家の助言を受け、当社取締役会の承認を得て2023年3月に「センコーグループ人権方針」を策定し、開示しております。当社グループは本方針に従い、ビジネスパートナーを含むさまざまな関係者と協働して、事業活動に関連するすべてのステークホルダーの人権尊重、責任ある調達体制の実現に取り組んでおります。

 

・人権尊重の推進体制

人権尊重の推進体制は、社会価値向上委員会の傘下で、外部専門家と各事業本部及びグループ会社の経営層をメンバーとして課題ごとに分科会を組成し、人権の負の影響の停止、防止、軽減に取り組み、社会価値向上委員会を通じサステナブル推進会議へ報告しております。

また、人権の尊重を含むサステナビリティ全般に関するガバナンスについては、「<サステナビリティ全般>(2)ガバナンス」に記載しております。

 

(2)リスク管理

「センコーグループ人権方針」に則った人権デューデリジェンスを、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」のフレームワークに沿って取り組んでおります。具体的には、当社グループの事業活動を通じた人権に対する負の影響を特定・評価するため、2023年度に外部専門家とともに各事業部および主要グループ会社経営幹部とワークショップを開催し、センコーグループ労働組合連合会とのエンゲージメント(対話)を行い、事業別に人権課題の特定を行いました。その上で、人権課題別の分科会において、対応策の検討を行い、進捗状況を社会価値向上委員会に共有し、サステナブル推進会議に報告します。

「センコーグループ人権方針」、特定した人権課題のマッピングについては、当社ウェブサイトをご覧ください。特定した課題は、発生する業務領域ごとに人権に対する負の影響を深刻度と発生可能性の2軸で評価して、マッピングしました。その上で深刻度又は発生可能性の高い各課題に優先的に対応しております。当該マッピングについては、定期的に見直し、再評価することを予定しております。

 

    https://www.senkogrouphd.co.jp/sustainability/governance/human-rights/

 

(3)戦略

人権課題別の分科会を通じ、特定された人権課題のうち優先して取り組むべきものについて、負の影響の停止、防止、軽減の対応策の実施及び進捗管理を行っております。2024年度において特に優先すべきと判断した人権課題及び取り組みは次のとおりです。

 

人権課題

取り組み内容

グループ通報制度と

救済へのアクセス

従業員が安心して働ける環境として、通報・相談窓口は従来から内部通報制度として運用しております。通報利用対象者の範囲ほか、国際人権の観点からの見直しや、グループ会社の増加に伴い周知を改めて行うことを最優先として取り組んでおります。

責任ある調達体制

当社グループは、人権方針においてバリューチェーン上のパートナーやその他の関係者を通じて人権への負の影響を及ぼす場合も適用範囲として定めており、重要な課題として認識しております。

2025年1月に「センコーグループ取引先サステナビリティガイドライン」を制定し当社グループの取引先やパートナーとの持続可能な協働体制の構築を進めております。

外国人労働者の労働権

当社グループで働く外国人労働者について、言語や文化が異なることで社会的に脆弱な立場に置かれやすいことから、特に注意が行き届くことが必要です。

そのため、現場での意思疎通に加え、外部専門家が同席する対話の実施、人権の観点も取り入れた「外国人労働者雇用管理マニュアル」への見直しに取り組んでまいります。

 

上記とは別に、役員を含むグループ従業員一人ひとりの人権についての理解促進に取り組んでおります。

 

 

(4)指標及び目標

(3)戦略に記載のとおり、特定された人権課題のうち優先して取り組むべきものについて、年度ごとに定めております。2024年度における当社グループの人権の重点課題への取り組みに関する主な実績は、次のとおりです。

 

 

2024年度実績

グループ通報制度と

救済へのアクセス

・匿名での通報や安心して通報できる窓口へ改善するなど、内部通報制度を利用しやすいグループ通報制度として再整備(「センコーグループハラスメントホットライン」及び「センコーグループ企業倫理ヘルプライン」)

責任ある調達体制

・商事・貿易事業におけるサプライチェーン上の高リスク品目の抽出

・「センコーグループ取引先サステナビリティガイドライン」の制定、公表

外国人労働者の労働権

・外国人労働者との対話(2社5名)を実施、「外国人労働者雇用管理マニュアル」の見直しに着手

人権意識の啓発

・人権啓発ポスターの全拠点掲載、人権への理解を深めるための「人権尊重デジタルブック」(7ヵ国語)の配信

・役員を含むグループ従業員全員を対象とした、外部専門家による人権研修及びフォローアップの開始

 

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)が判断したものです。

 

1.財務・経理リスク

  ①為替変動のリスク

  円と外国為替相場の変動により、外貨建資産・負債の円換算価値が変動した場合、及び当社グループにおいて海外製品の仕入を外貨建、もしくは円貨建で行っており、外貨建で仕入れを行っている製品の原価は為替レートに連動しているため大きく変動した場合、及び海外グループ会社の経営成績の邦貨換算結果の際に影響を及ぼす可能性があります。

 

②退職給付債務

当社グループの一部の会社の従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。これらの前提条件と実際の結果が異なることにより生じた差異は、数理計算上の差異として認識し、将来にわたり均等に償却することから、退職給付債務及び費用に影響を及ぼします。また、当社は退職給付信託を設定しており、上場株式の株価が下落した場合、年金資産の時価が減少し、未認識数理計算上の差異及び将来の償却費用が増加する等、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③資金調達コストの増加

当社グループは、金融機関からの借入や社債の発行等によって資金調達を行っており、市場金利の急激な変動や金融市場の混乱、格付機関による信用格付の大幅な引き下げ等の事態が生じた場合には、資金調達コストが増加し、経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

対策として、適切な水準の格付けを維持することで資金調達コストを低減するとともに、資金調達手段の多様化と期日の適切な分散、金利の固定化を通じ、金利変動リスクの低減に努めています。

 

④資産の処分損失および減損損失

当社グループは国内外に数多くの物流拠点を有しております。設備投資あるいは長期にわたる賃貸借契約にあたっては投資効果の算定、キャッシュ・フローの回収見込み等、長期的な観点から十分に検討したうえで実施しておりますが今後の経済動向、顧客企業の動向等により、当初計画よりも早期に処分、返還等を行い、一時的な損失が発生する、または減損損失が発生する等、経営成績及び財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤M&A、資本提携

当社グループは既存事業の規模拡大や新たな事業分野に進出する際、事業戦略の一環としてM&Aや資本提携等を行っております。しかしながら、買収後の市場環境の著しい変化、法的規制、予期せぬ費用増加等の影響により、当初期待された効果を出せない可能性があります。また、偶発債務の発生や未確認債務の判明等、事前の調査で把握できなかった問題が生じた場合等において、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

2.コンプライアンスリスク

①役職員による法令および社内規定遵守違反

 当社グループが展開する各事業は、それぞれの事業分野において法的規制を受けております。当社グループは、サステナビリティ経営に基づき、コンプライアンスを最重要課題として認識し、取り組みを行っておりますが、各種法令や社内規定に違反した場合、風評被害を含むレピュテーションリスクなどによる売上収益の減少等、経営成績に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、「センコーグループ企業行動規準」により、法令・社会規範および社内規定等の遵守を周知するとともに、グループ会社役員・階層別研修を通じてコンプライアンス意識の向上を図っております。

 また、当社グループでは内部通報制度について、通報者資格の拡大や、通報者保護の拡大他、国際人権の観点から見直しを行い、「企業倫理ヘルプライン」として整備いたしました。各種法令を誠実に遵守し自らの職務を遂行することを全ての役職員に求めるとともに、不適切事案の早期収拾およびコンプライアンス委員会を通じた施策の実施に取り組んでおります。

 

 

3.労務上のリスク

①人権に関するリスク

当社グループは、「センコーグループ人権方針」を定め、事業活動のあらゆる場面で、差別行為や強制労働・児童労働等の非人道的な行為、様々なハラスメント行為を禁止し、人権を尊重した活動を求めています。想定されるリスクとして、当社グループの事業活動の各プロセスで、お客様、ビジネスパートナー、地域社会等の様々なステークホルダーに負の影響を及ぼす場合や、サプライチェーン上の人権課題に適切に対応できない場合に、当社グループのブランドイメージの低下、顧客との取引停止など事業継続に支障をきたす可能性があります。対応策については、〔サステナビリティに関する考え方及び取り組み〕に記載しています。

 

②労務管理リスク

当社グループは、労務管理に関する法令を遵守するとともに、長時間労働の削減や労務管理・安全に関する教育等、職場環境整備に継続的に取り組んでおりますが、労務管理が不徹底である場合、当社グループの従業員の健康や経営成績に影響を与える可能性があります。

 

4.情報セキュリティリスク

①情報システムおよび情報セキュリティ

当社グループは、IT技術を活用し、物流事業における顧客の貨物情報の管理、倉庫機能、また、物流事業以外の各種サービスもシステム管理をしております。これらのシステムが、自然災害の他、重大なシステムの不具合、コンピュータウイルスやハッカー行為等により停止を余儀なくされた場合、当社グループの経営成績は影響を受ける可能性があります。

 

②顧客情報の管理

当社グループは、物流事業や他事業サービスの提供に際し、顧客等の情報を取り扱っており、社内教育を通じて情報管理に努めておりますが、サイバー攻撃や不正アクセス等により情報の外部漏洩やデータ喪失等の事態が生じた場合、社会的信用の低下や損害賠償請求等により、当社グループの経営成績は影響を受ける可能性があります。

 

5.オペレーション上のリスク

①法規制

 当社グループは、物流事業、商事・貿易事業、ライフサポート事業、ビジネスサポート事業、プロダクト事業を行い、多様なサービスを提供しており、これらの事業は、各種業法による規制を含む様々な法令の遵守が必要となります。

 今後、法規制の強化や、新たな法規制の適用等がなされた場合には、かかる法規制への対応に追加費用を要したり、当社グループの事業運営方法の変更を余儀なくされたりすること等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②重大な事故の発生

重大な車両又は貨物事故が発生した場合、顧客の信頼及び社会的信用が低下する他、車両の使用停止、営業停止等の行政処分等により、当社グループの経営成績は影響を受ける可能性があります。

 

③原油価格の高騰

原油価格の高騰による軽油価格の上昇は運送コストの増加となり、貨物自動車運送事業を主体とする当社グループの経営成績は、今後の価格動向により影響を受ける可能性があります。

 

④人材確保に関わるリスク

 当社グループは労働集約型事業の比重が高く、少子高齢化や労働人口の減少により、労働需給が逼迫し、当社の各事業会社と、そのパートナー企業が必要な人材を確保することができない場合や、人材獲得競争の激化によりコストが大幅に増加した場合、当社グループの経営成績等に影響を与えるリスクがあります。

 当社グループは、魅力あるコングロマリット企業として、グループ全体の人事戦略を整備し、様々な事業体の業種で働けることの優位性を活かした採用強化、事業に資する人材育成と教育体系の高度化、企業の枠を超えた各事業の連携と人材交流を活性化し、各社の魅力ある取り組みを共有しながら人材定着を促進するとともに、事業の拡大に必要な人員確保を行ってまいります。

 加えて、グループ全体でDE&I推進に取り組むことで、一人ひとりが自分らしく活躍できる企業風土を醸成し、国籍や性別、年齢を超えて、多様で柔軟な働き方が実現できる企業体として、従業員とその家族、および関係者の未来を支えてまいります。

 

6.自然災害、感染症など事業継続リスク

①災害、停電等の発生

豪雨・豪雪・台風・地震等の災害や停電等が発生した場合、輸送経路の遮断、電力供給の停止による事業停止および各拠点の設備復旧に伴う費用発生、及び顧客の被災による取引量の減少が中・長期に渡り生じることで、当社グループの経営成績は影響を受ける可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、当社グループは気候変動対策として自然災害リスク分科会を設置し、事業継続計画(BCP)等の点検・見直しを実施してグループの災害レジリエンスを高めております。

 

②気候変動に関するリスク

 気候変動の影響と考えられる豪雨や台風による洪水などの異常気象等による物理リスク(急性)については、上記の「災害、停電等の発生」に記載のとおり、災害等の発生により当社グループの施設等に被害が生じた場合、経営成績へ影響を及ぼす可能性があります。加えて、物理リスク(慢性)や急激な燃料価格の上昇や炭素税などの政策や法規制の導入によるコスト上昇等の移行リスクにより、当社グループの経営成績は影響を受ける可能性があります。

 気候変動に関する主要なリスクと機会についてはTCFDのフレームワークに基づいてまとめており、その内容については、〔サステナビリティに関する考え方及び取り組み〕内の<サステナビリティ全般>に記載しております。

 

③感染症拡大

感染症拡大が発生した場合、営業所の業務停止、行政による休業要請の影響により、当社グループの経営成績は影響を受ける可能性があります。

 当社グループは、未知の感染症拡大の対策として、感染症リスク分科会を設置し、過去の新型コロナウィルス感染症拡大時のグループ内対応ノウハウを活かした感染症BCPの整備を実施して、グループの感染症リスクレジリエンスを高めております。

 

7.海外リスク

①海外での事業展開

当社グループは、将来にわたって成長を続けていくために海外での事業展開に取り組んでおりますが、進出地域の経済状況の変化や景気の後退、為替レートの変動、政治又は法規制の変化、自然災害の発生、テロ・戦争・疫病の発生などの要因による社会的混乱が生じた場合や、サプライチェーンに寸断・停滞などの影響がある場合は、コストの上昇、特に主事業の物流において運賃市況の急激な変化や代替ルートでの運用等により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

また、進出国での商慣習の相違、ローカルルールにより外資企業の事業活動に制約を受けた場合にも、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性がございます。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)が判断したものです。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当期における経済環境は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加などを背景に、緩やかな回復基調が続きましたが、ウクライナや中東情勢などの地政学リスクの長期化、中国経済の減速、物価上昇による節約志向の高まりなど、先行き不透明な状況が続きました。

 このような中、当社グループは中期経営5ヵ年計画の3年目として、業績のさらなる伸長に努めてまいりました。

 

 当期の主な取り組みは以下のとおりです。

 

 物流事業においては、4月に大容量蓄電池を設置した「都城物流センター」(宮崎県都城市)、7月に常温・低温複合型センターの「イオン福岡XD」(福岡市東区)、8月に大阪・京都両市の中心部へのアクセスに優れた「高槻PDセンター」(大阪府高槻市)、9月に冷凍冷蔵倉庫を運営する「湘南支店」増築(神奈川県伊勢原市)、10月に危険物倉庫を併設した多機能倉庫の「小牧北第2PDセンター」(愛知県小牧市)、2月に京阪神地区の配送に優位な「東大阪第2PDセンター」(大阪府東大阪市)、3月に九州エリアでの物流網強化に向けた「鳥栖物流センター」(佐賀県鳥栖市)をそれぞれ開設、稼働させました。

 また、2月にトラック中継輸送専用の大型施設として「TSUNAGU STATION 浜松」(浜松市浜名区)を本格稼働させ、隣接地に「浜松物流センター」も併設しました。

 さらに、5月に全国ネットの輸配送網と量販・小売物流の強化を図るため「株式会社オプラス」をグループに迎えました。

 

 商事・貿易事業においては、業務用の内装事業を拡大するため、7月に商業施設のディスプレイの設計・施工やマネキン・店舗什器の製造・販売などを営む「株式会社七彩(ななさい)」をグループに迎えました。

 

 ライフサポート事業においては、8月に会員制総合卸売を営む寺内株式会社大阪本店ビル「ファンビタウン2ビル」(大阪市中央区)の建て替え工事が完成、グランドオープンし、売り場面積の拡大と品揃えの強化を図りました。

 また、7月に健康分野の提供サービス拡大を図るため、介護事業を営む「株式会社アルファケア」をグループに迎えました。

 

 ビジネスサポート事業においては、5月に拡大するBPOニーズへの対応を強化するため、システム運用やデータ管理などの受託を営む「株式会社日東テクノブレーン」をグループに迎えました。

 

 環境負荷低減の取り組みについては、日本物流団体連合会から6月に株式会社ランテックが「第25回物流環境大賞 特別賞」を、12月にセンコー株式会社が「第1回モーダルシフト優良事業者大賞 優良事業者賞」を受賞しました。また、国土交通省から12月にセンコー株式会社が「令和6年度(第23回)グリーン物流パートナーシップ会議 物流パートナーシップ優良事業者 強靱・持続可能表彰」を受賞しました。

 

 今後も当社グループは、人々の生活を支援する企業グループとして、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

 当期の連結業績は、以下のとおりです。

(百万円)

 

前期

当期

増減額

増減率

営業収益

778,370

854,550

76,179

9.8%

営業利益

29,906

34,946

5,039

16.9%

経常利益

30,503

33,767

3,264

10.7%

親会社株主に帰属する

当期純利益

15,944

18,610

2,666

16.7%

 継続的な物価・人件費などのコスト上昇など、不安定な事業環境が継続しておりますが、拡販ならびに料金・価格改定などにグループ全体で取り組むと共に、M&Aの収益寄与があったことなどにより、営業収益、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに前期を上回る結果となりました。

 

   当期のセグメント別の状況は、以下のとおりです。

 

  (物流事業)

(百万円)

 

前期

当期

増減額

増減率

営業収益

495,626

550,510

54,883

11.1%

セグメント利益

26,664

32,364

5,699

21.4%

 拡販ならびに料金改定に取り組むと共に、M&Aの収益寄与があったことなどにより、営業収益は5,505億10百万円と対前期比548億83百万円の増収、セグメント利益は323億64百万円と対前期比56億99百万円の増益となりました。

 

  (商事・貿易事業)

(百万円)

 

前期

当期

増減額

増減率

営業収益

171,386

177,984

6,598

3.8%

セグメント利益

2,359

2,905

546

23.2%

 仕入価格の上昇影響などがありましたが、拡販ならびに価格改定に取り組むと共に、M&Aの収益寄与があったことなどにより、営業収益は1,779億84百万円と対前期比65億98百万円の増収、セグメント利益は29億5百万円と対前期比5億46百万円の増益となりました。

 

  (ライフサポート事業)

(百万円)

 

前期

当期

増減額

増減率

営業収益

50,237

63,013

12,776

25.4%

セグメント利益

1,178

1,161

△17

△1.5%

 M&Aの収益寄与ならびに、新規出店効果などによる利用者数・来店者数の増加影響などにより、営業収益は630億13百万円と対前期比127億76百万円の増収となったものの、人手不足の労働市場の中、採用コストを含めた人件費コスト増加などにより、セグメント利益は11億61百万円と対前期比17百万円の減益となりました。

 

  (ビジネスサポート事業)

(百万円)

 

前期

当期

増減額

増減率

営業収益

13,637

15,504

1,866

13.7%

セグメント利益

1,932

2,843

910

47.1%

 拡販ならびにホテル事業の回復などに努めたことやM&Aの収益寄与があったことなどにより、営業収益は155億4百万円と対前期比18億66百万円の増収、セグメント利益は28億43百万円と対前期比9億10百万円の増益となりました。

 

  (プロダクト事業)

(百万円)

 

前期

当期

増減額

増減率

営業収益

47,101

47,109

7

0.0%

セグメント利益

364

307

△57

△15.8%

 物価上昇による節約志向の高まりなどによる販売数量の減少や、原料仕入価格の上昇影響などがありましたが、価格改定を進め利益の確保を図るとともに、拡販などに努めたことなどにより、セグメント利益は3億7百万円と対前期比57百万円の減益にとどめました。

 

 (資産の状況)

 当期末における総資産は、7,187億39百万円となり、前期末に比べ326億3百万円増加いたしました。

 流動資産は、2,292億27百万円となり、前期末に比べ106億39百万円減少いたしました。これは、商品及び製品が26億52百万円、その他流動資産が13億31百万円増加したものの、現金及び預金が113億31百万円、受取手形、営業未収入金及び契約資産が30億51百万円減少したことなどによるものです。

 固定資産は、4,894億10百万円となり、前期末に比べ431億40百万円増加いたしました。これは、無形固定資産が11億6百万円減少したものの、有形固定資産が316億76百万円、投資その他の資産が125億70百万円増加したことなどによるものです。

 

 (負債の状況)

 当期末における負債合計は、4,755億23百万円となり、前期末に比べ60億52百万円減少いたしました。

 流動負債は、1,846億80百万円となり、前期末に比べ315億3百万円減少いたしました。これは、1年内償還予定の社債が100億円、未払法人税等が11億71百万円増加したものの、支払手形及び営業未払金が16億78百万円、電子記録債務が48億11百万円、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債が220億26百万円、短期借入金が111億70百万円、その他流動負債が35億14百万円減少したことなどによるものです。

 固定負債は、2,908億42百万円となり、前期末に比べ254億50百万円増加いたしました。これは、社債が100億円、長期借入金が127億62百万円、その他固定負債が10億49百万円増加したことなどによるものです。

 

 (純資産の状況)

 当期末における純資産は、2,432億16百万円となり、前期末に比べ386億55百万円増加いたしました。これは、転換社債型新株予約権付社債の株式への転換などにより資本金が110億3百万円、資本剰余金が98億17百万円増加したことに加え、利益剰余金が107億34百万円、自己株式が24億26百万円、為替換算調整勘定が23億39百万円、退職給付に係る調整累計額が18億82百万円増加したことなどによるものです。自己資本比率は前期末から4.1ポイント上昇し、30.2%となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当期末における現金及び現金同等物は、前期末に比べ、119億77百万円減少し、673億6百万円となりました。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、447億22百万円の収入となりました。これは、税金等調整前当期純利益が331億62百万円、減価償却費が301億35百万円、売上債権及び契約資産の減少による資金の増加が57億50百万円あったものの、未払債務の減少による資金の減少が92億86百万円、法人税等の支払額として129億13百万円支出したことなどによるものです。

 投資活動によるキャッシュ・フローは580億24百万円の支出となりました。これは、有形固定資産の売却による収入が124億86百万円あったものの、有形固定資産の取得に528億68百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得に71億50百万円支出したことなどによるものです。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、4億54百万円の収入となりました。これは、短期借入金の純減額が118億67百万円、長期借入金の返済に150億4百万円、ファイナンス・リース債務の返済に104億1百万円、配当金の支払額に65億49百万円支出したものの、長期借入れによる収入が281億58百万円、社債の発行による収入が198億97百万円あったことなどによるものです。

 

③キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2021年

3月期

2022年

3月期

2023年

3月期

2024年

3月期

2025年

3月期

自己資本比率(%)

30.9

30.5

27.6

26.1

30.2

時価ベースの

自己資本比率(%)

35.6

27.8

24.2

25.0

35.8

キャッシュ・フロー

対有利子負債比率

5.2

5.8

4.8

5.4

6.2

インタレスト・

カバレッジ・レシオ

27.7

25.5

28.6

22.7

14.2

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。

※営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりです。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

 1)財政状態

 当連結会計年度の財政状態につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。

 

 2)経営成績

 当連結会計年度の経営成績につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。

 

 3)キャッシュ・フローの状況

 当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローを重視し、当連結会計年度においても447億22百万円の資金を得ることができました。なお、詳細につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 セグメントごとの経営成績は、以下のとおりであります。

 

 物流事業におきましては、拡販ならびに料金改定に取り組むと共に、M&Aの収益寄与があったことなどにより、営業収益は5,505億10百万円と対前期比548億83百万円の増収、セグメント利益は323億64百万円と対前期比56億99百万円の増益となりました。

 セグメント資産は4,151億59百万円と対前期比291億62百万円増加しました。

 

 商事・貿易事業におきましては、仕入価格の上昇影響などがありましたが、拡販ならびに価格改定に取り組むと共に、M&Aの収益寄与があったことなどにより、営業収益は1,779億84百万円と対前期比65億98百万円の増収、セグメント利益は29億5百万円と対前期比5億46百万円の増益となりました。

 セグメント資産は763億45百万円と対前期比54億56百万円増加しました。

 

 ライフサポート事業におきましては、M&Aの収益寄与ならびに、新規出店効果などによる利用者数・来店者数の増加影響などにより、営業収益は630億13百万円と対前期比127億76百万円の増収となったものの、人手不足の労働市場の中、採用コストを含めた人件費コスト増加などにより、セグメント利益は11億61百万円と対前期比17百万円の減益となりました。

 セグメント資産は404億29百万円と対前期比11億62百万円増加しました。

 

 ビジネスサポート事業におきましては、拡販ならびにホテル事業の回復などに努めたことやM&Aの収益寄与があったことなどにより、営業収益は155億4百万円と対前期比18億66百万円の増収、セグメント利益は28億43百万円と対前期比9億10百万円の増益となりました。

 セグメント資産は921億29百万円と対前期比108億10百万円増加しました。

 

 プロダクト事業におきましては、物価上昇による節約志向の高まりなどによる販売数量の減少や、原料仕入価格の上昇影響などがありましたが、価格改定を進め利益の確保を図るとともに、拡販などに努めたことなどにより、セグメント利益は3億7百万円と対前期比57百万円の減益にとどめました。

 セグメント資産は379億65百万円と対前期比10億30百万円減少しました。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、下払運賃ほか、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社・関係会社株式の取得等によるものです。
 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入による資金調達を基本としており、設備投資資金や長期運転資金は、社債及び金融機関からの長期借入による資金調達を基本としております。また、運転資金の効率的な調達を行うため、複数の金融機関との間で当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。

 

5【重要な契約等】

 重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

6【研究開発活動】

 当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発活動費は、567百万円であります。

 主にプロダクト事業、商事・貿易事業における新製品開発によるものであります。