第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループは、「我々は、地球的視野に立ちビジネスロジスティクスを介し『共有できる歓び』『共感し得る価値』『共生したる環境』を先進創造し、お客様・株主様・従業員と共に社会の繁栄に貢献する」ことを基本理念としております。この理念を信奉し、健全な事業活動を通して、お客様、株主様、地域の皆様に対し、企業責任を果たし、国家・地域社会の発展に寄与してまいります。

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する対応が転換期を迎え、平時の日本へ動き始めたものの、エネルギー価格の高騰、インフレ率の上昇、円安の持続など、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。

物流業界におきましては、慢性的な人手不足、燃料価格の高騰に加え2024年4月からの時間外労働の上限規制適用により、経営環境はより一層厳しくなることが見込まれます。

コロナ禍や半導体不足などによる物流事業の停滞から、2023年3月期に最終年度を迎えた中期経営計画「Challenge12」は、ほぼ1年遅れの進捗結果となりました。また、足元では、米中デカップリングやロシア・ウクライナ紛争などによる混乱が、経済活動に多くの影響を与えており、日本を取り巻く経済環境はますます不透明なものとなっています。

こうした中、当社は主要取引先の今後の事業計画に応じて、着実に設備投資を実施してきました。グループで6つの新規営業所、新規倉庫22か所を立ち上げるなど、アフターコロナの市況回復に対する備えを行ってきたことで、当社業績は需要の回復に応じて、ゆるやかながらも確実な積み上げが図れております。

将来に向けては、全国レベルで、あらゆる物流サービスをワンストップ体制で提供できるという当社の強みを生かし、サービス軸、グループ企業軸、地域軸のクロスセルを最大限活用し、更なる成長を目指して参ります。

ESGの取組につきましては、人的資本経営やドライバー不足の問題、CO2削減等の多くの課題に対し、女性活躍の促進、モーダルシフトや環境配慮車の導入、自家消費用の太陽光パネルの設置、省人化に向けたシステム化・ロボット化の促進など、課題克服に向けたチャレンジを続けてまいります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1) ガバナンス

 当社グループは、持続可能な社会の実現を最優先課題ととらえ、気候変動により生じる地球環境問題をはじめとした様々な社会問題に対し、ガバナンス体制を構築するとともに、取締役会による監督を行っております。

 

① 気候変動への取組

 当社グループは、組織的対応を強化するため、ESG活動を取締役が直接監督し、迅速な方針策定や指示を行う体制を整え、実効性の高い活動を推進するだけでなく、幅広いステークホルダーとの協働、積極的な情報開示と透明性の向上に努めています。

 

② 取締役会による監督体制

 社外取締役を委員長とするサステナビリティ委員会を取締役会の諮問機関として設置し、定期的に気候関連問題を含めたサステナビリティに係る事項について報告するとともに、重要度の高いテーマについて取締役が出席する会議において多面的な議論を行い、取締役会から指示を受け、迅速な方針策定及びより実効性の高い活動を長期的な企業価値向上に向けて取り組んでおります。

 また、実行部隊であるESG推進室は、各部署及びグループ企業と連携し、ESGに関わる全社グループ戦略の立案を担い、気候変動対策を含むサステナビリティ戦略を検討・起案し、サステナビリティ委員会に提言し、また、企業活動を通じて実践すべきテーマや重要課題を特定し、気候変動対策や人権対応などの改善に向けた具体的な取組を推進しております。

 

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(2) 戦略

 当社グループは、気候変動により生じるリスクと機会について特定し、リスクの軽減、機会の獲得に向けた対応策を検討してまいります。

区分

種類

想定される

リスク・機会

事業への影響

主な取組

移行

リスク

政策・

法規制

排ガス規制

環境対応車の導入によるコストの増加

適正料金の収受

技術

技術開発の遅延

自動車メーカーにおける大型トラックの低炭素車両の開発の遅延による導入の遅れ

自動車メーカーの開発状況の情報収集

市場

顧客ニーズ

の変化

CO2の排出削減の対応遅れによるシェアの減少

中長期の低炭素計画の策定、推進

評判

資金調達及び

株価への影響

CO2の排出削減への取組みが不十分と評価されることによる金融機関からの資金調達の困難及び投資家離れによる株価の下落

情報開示の充実

物理

リスク

急性

自然災害の発生

自然災害の発生による道路の寸断や倉庫の浸水等による物流サービスの停止

ハザードマップ等に基づいたBCP対策の推進

慢性

気温の上昇

平均気温の上昇による労働環境の悪化

労働環境の整備

機会

資源

効率化

輸送効率の改善及びCO2排出量削減

エネルギーコスト等の減少

ダブル連結トラックを活用した幹線輸送の推進

製品・

サービス

サービスの開発

CO2排出量削減となる輸送サービスの開発による新たな事業機会の創出

モーダルシフト、共同配送、輸送冶具の提案の推進

 

 当社グループでは、2023年4月1日から開始する3か年計画である『第13次中期経営計画』において、「事業活動を通じ、人々が幸せを実感する豊かな社会の実現と持続的な発展に貢献する」を経営方針に掲げ、地球環境問題をはじめとした様々な社会課題に対し、リスクの軽減、機会の獲得を行い、ESG経営による企業価値向上に向け積極的に取り組んでまいります。

 

 また、当社グループにおける多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は『次世代物流の構築』を軸として取り組みを進めております。

 2022年12月に社長直轄の「HR(Human Resource)統括部」を発足し、当社グループ全体の人的資本経営に取り組む体制を整えました。

 物流業界は2024年問題をひかえ、今まさに既存の物流から新たな物流への変革の時期にきており、この変革に遅れることなく対応することが必要であり、その中でも高度物流人材の投入は必須であります。

 こうした背景から、当社グループにおける多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針を以下のとおり定めております。

 

1.安全最優先

 物流は、生活の根源である衣食住すべてを支える欠くことのできない機能であり、サステナブルなサービスを安定的に提供することが我々の使命です。その社会的使命において、物流サービスの根幹となる『安全』に関する事項は最も重要なテーマであり、全グループ会社において最優先で取り組んでおります。

 

2.次世代物流の構築

 当社は、若い世代へ物流の重要性を伝えていく次世代物流の発展にも注力しております。2021年から一橋大学『物流経営論』寄付講座を開講し、講義や事業所見学を通じて物流業界の発展と今後の物流を担う次世代人材の育成に貢献しております。また、最新の物流を研究すべく外部物流研究機関への出向を行っております。

 

3.従業員の持続的成長への取組強化

 当社グループでは、誰もが仕事と個々のライフイベントを両立するための制度を利用でき、平等に教育・研修・評価を受け能力を伸ばしていく成長支援の施策・環境づくりに取り組んでおります。性別・国籍を問わず多様な人材を受け入れるとともに、様々な国の認証制度を取得推進し環境を整え、具体的に、かつ中長期的な視点で持続可能な人材構築体制を計画してまいります。

 当社では以下の5項目を重点課題として捉えており、それぞれに対する具体的取組は下記項目に記載のとおりであります。

① 次世代物流の構築

・高度物流人材とグローバル人材の積極的な採用

・新サービスの開発を行うための研究開発部門の新設

・物流業界の発展と今後の物流を担う次世代人材の育成に貢献することを目的とした一橋大学での寄付講座開講

・新技術開発への参画や導入を行うための研究機関や大学との連携

② 次世代人材育成と後継者計画

・経営者育成及び幹部養成を目的としたニッコン経営スクールの実施

・若手社員が海外グループ会社での実務研修を行う海外トレーニー制度の実施

・女性活躍推進に向けた採用活動、継続就業に繋がる働き方改革や多様なキャリアコースの整備

③ 多様な人材の雇用促進

・海外事業会社から国内事業会社へのトレーニー制度の実施

・外国人技能実習生の受け入れ推進

・障がい者の受け入れ推進

④ 優秀な人材確保に向けた環境整備

・ホワイトカラーエグゼンプション制度導入の推進

・働きやすい職場認証制度、健康経営優良法人認証制度、えるぼし認定、ホワイト物流推進等の国の認証制度の取得促進

⑤ 人的資本の拡充

・人材基盤の確立を行うため国内外のグループ会社において教育・育成体制の充実

・従業員エンゲージメントの向上を図るため、タレントマネジメントとスキルアッププランの見える化

 

 

(3)リスク管理

 当社グループは、サステナビリティ委員会を設置し、将来の気候変動リスクへの対応に取り組んでおり、重要なリスクについては、取締役会に報告し、グループ企業全体に周知し対応する体制としております。

 

① 気候関連のリスクを特定・評価するプロセス

 サステナビリティ委員会は、実行部隊であるESG推進室に対し、気候関連リスク及び機会を特定、評価を指示し報告を受けます。ESG推進室は、主要子会社8社と構成するESGワーキンググループにてディスカッションを重ね、社会課題のリストアップを行い、当社グループの事業活動との関連及びステークホルダーからの期待の把握、優先順位づけを実施することで、気候関連リスク及び機会を特定、評価の実施を行います。

 

② 気候関連のリスクを管理するプロセス

 ESG推進室は、気候変動リスクを含めたESGに関わる全社グループ戦略の立案を担い、当社グループの気候変動に係るリスクへの対応を推進するとともに、取組状況をサステナビリティ委員会に報告します。サステナビリティ委員会は、原則として四半期に1回を目途に定期的に開催するほか、必要に応じて臨時に開催することとしており、取締役会への報告及び提案を行うとともに各部門への指導を行っています。

 

 

(4)指標及び目標

 当社グループは、カーボンニュートラルの達成を目指し、温室効果ガス(Scope1・Scope2)排出量に関する削減目標を設定しました。使用エネルギー量の削減を行うとともに、今後はクリーンエネルギーへの切替えなどによる対応を進めていくことで目標達成に向けて取り組んでいきます。

 

 《CO2排出量(Scope1+2)》

 

2023年3月期

2026年3月期

 

2030年度

2050年度

CO2排出量削減目標

▲3%

 

▲30%

▲100%

CO2排出量(t)

160,000

155,200

 

112,000

0

 

 また、人的資本に関する指標及び目標は以下のとおりです。

 

 《女性従業員比率》

 

2023年3月期

2026年3月期

従業員全体に占める女性の割合

24%

30%

 

 

3【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)燃料費の変動について

当社グループにおいて使用する輸送用車両の燃料費は、原油価格や為替相場の変動により影響を受けております。当社グループはこれらのコスト増が生じた場合、顧客企業との協議により適正な料金の収受を図ってまいりますが、急激な燃料価格の上昇や適正な料金の収受ができないような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2)法的規制等について

当社グループの営む事業について、運送事業の一部(貨物自動車運送事業、貨物利用運送事業)につきましては、「自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(自動車NOx・PM法)」や「生活環境確保条例」等の規制を受けております。

これらの法規制等への対応については、車両の代替及び排出ガス低減装置の取付けを効果的、効率的に行うことによりコストへの影響を最小限にとどめております。しかしながら、今後規制の内容の変更等が生じた場合、更なるコストの発生が考えられます。

(3)重大事故の発生可能性について

当社グループにおきましては、順法精神に則り社会的責任を最優先に営業活動を行っておりますが、万一重大な交通事故等が発生してしまった場合、社会及び顧客の信用が低下するとともに、事業所の営業停止、事業許可の取り消し等の行政処分を受ける可能性があります。

(4)固定資産の減損について

当社グループにおきましては、倉庫事業、梱包事業及びテスト事業を中心に多額の固定資産を所有しておりますが、経営環境の変化や収益性の低下などにより投資額の回収が見込めなくなった場合には減損損失の計上が必要となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(5)自然災害等について

当社グループが事業を展開する地域において、地震や風水害等により輸送経路が遮断された場合や事業所設備が毀損した場合、停電の発生によりシステム停止等の事態が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6)顧客企業の動向について

当社グループにおきましては、連結売上高のうち自動車業界向けが50%超を占めており、主要な顧客企業における生産調整や物流需要等の減少が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当社グループは当連結会計年度において、岩手県北上市、宮城県岩沼市、神奈川県厚木市、群馬県邑楽町、滋賀県日野町、三重県鈴鹿市及び福岡県志免町に倉庫を新増設し、また岩手県金ヶ崎町、宮城県仙台市、栃木県芳賀町、神奈川県厚木市及び福岡県志免町に事業用地を取得するなど、積極的な設備投資や営業活動を行ってきました。

この結果、当連結会計年度における売上高は、業務量の回復などにより2,120億71百万円(前期比7.0%増)となりました。営業利益は増収効果等により、195億80百万円(前期比0.3%増)となりました。経常利益は、221億8百万円(前期比2.4%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、159億13百万円(前期比7.9%増)となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

運送事業

貨物取扱量の回復などにより、売上高は967億44百万円(前期比7.1%増)となりました。営業利益は、燃料価格の高騰はありましたが増収効果もあり、50億62百万円(前期比12.5%増)となりました。

 

倉庫事業

国内外で継続的に行ってきた倉庫の新増設の効果等により保管貨物量が増加し、売上高は377億29百万円(前期比9.0%増)となりました。営業利益は、増収効果などにより84億22百万円(前期比4.6%増)となりました。

 

梱包事業

業務量の回復などにより、売上高は495億91百万円(前期比11.8%増)となりました。営業利益は、増収効果などにより30億8百万円(前期比27.8%増)となりました。

 

テスト事業

テスト業務の中止や遅れの発生により、売上高は209億42百万円(前期比4.2%減)となりました。営業利益は、人件費や外注費の増加などにより22億23百万円(前期比40.5%減)となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は394億60百万円となり、前連結会計年度末に比べ103億2百万円増加しました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は325億47百万円となり、前連結会計年度に比べ35億62百万円増加しました。これは主に増加要因として売上債権の増減額によるキャッシュ・フローが26億57百万円、税金等調整前当期純利益が11億39百万円、減価償却費が10億69百万円それぞれ増加、リース資産解約益が32億85百万円、法人税等の支払額が10億57百万円それぞれ減少し、減少要因として固定資産除却損が32億61百万円、仕入債務の増減額によるキャッシュ・フローが22億31百万円それぞれ減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は225億48百万円となり、前連結会計年度に比べ90億18百万円減少しました。これは主に有形固定資産の取得による支出が100億8百万円減少したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果減少した資金は2億8百万円となり、前連結会計年度に比べ9億67百万円減少しました。これは主に減少要因として社債の発行による収入が100億円減少、自己株式の取得による支出が24億27百万円、配当金の支払額が9億9百万円それぞれ増加し、主に増加要因として長期借入れによる収入が100億円増加、長期借入金の返済による支出が20億20百万円減少したことによるものであります。

 

③販売の実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

前年同期比(%)

運送事業

96,744

45.6

7.1

倉庫事業

37,729

17.8

9.0

梱包事業

49,591

23.4

11.8

テスト事業

20,942

9.9

△4.2

その他事業

7,063

3.3

1.0

合計

212,071

100.0

7.0

(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

本田技研工業㈱

29,159

14.7

30,736

14.5

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。

a.財政状態

(資産の部)

当連結会計年度末における流動資産は830億26百万円となり、前連結会計年度末に比べ83億71百万円増加しました。これは主に現金及び預金が99億94百万円増加した一方、受取手形及び売掛金が17億2百万円減少したことによるものであります。固定資産は2,777億21百万円となり、前連結会計年度末に比べ129億1百万円増加しました。これは主に岩手県北上市、宮城県岩沼市、群馬県邑楽町、神奈川県厚木市、滋賀県日野町、三重県鈴鹿市及び福岡県志免町に倉庫等を取得、岩手県金ヶ崎町、宮城県仙台市、栃木県芳賀町、神奈川県厚木市及び福岡県志免町に事業用地を取得したことなどにより有形固定資産が103億43百万円増加したことによるものであります。

この結果、総資産は3,607億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ212億73百万円増加しました。

 

(負債の部)

当連結会計年度末における流動負債は583億58百万円となり、前連結会計年度末に比べ139億91百万円増加しました。これは主に長期借入金からの振替により短期借入金が113億28百万円、未払法人税等が8億21百万円増加したことによるものであります。固定負債は729億90百万円となり、前連結会計年度末に比べ30億82百万円減少しました。これは主に100億円の新規借入を行いましたが、短期借入金への振替により長期借入金が31億51百万円減少したことによるものであります。

 この結果、負債合計は1,313億49百万円となり、前連結会計年度末に比べ109億9百万円増加しました。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末における純資産は2,293億99百万円となり、前連結会計年度末に比べ103億63百万円増加しました。これは主に利益剰余金が45億33百万円、為替換算調整勘定が16億83百万円増加、自己株式が30億12百万円減少したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は63.4%(前連結会計年度末は64.4%)となりました。

 

b.経営成績

(売上高)

当連結会計年度における売上高は2,120億71百万円(前期比7.0%増)となりました。貨物取扱量の回復に加え、継続的に行ってきた倉庫等の新増築に伴う貨物取扱量の増加が寄与しました。セグメント別の売上高につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

(営業利益)

当連結会計年度における営業利益は195億80百万円(前期比0.3%増)となりました。燃料価格を始めとしたコスト増加や業務効率の低下要因があり、前期比微増にとどまりました。セグメント別の営業利益につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

(経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は28億53百万円(前期比19.3%増)となりました。これは主に倉庫契約見直しに伴う受取補償金が2億19百万円発生し、持分法による投資利益が1億79百万円増加した一方、為替差益が1億98百万円減少したことによるものであります。

この結果、経常利益は221億8百万円(前期比2.4%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における特別利益は9億57百万円となり、前連結会計年度に比べ24億63百万円減少しました。これは主に前連結会計年度において発生したリース資産解約益が32億85百万円減少した一方、収用補償金が8億42百万円発生したことによるものであります。特別損失は2億89百万円となり、前連結会計年度に比べ30億78百万円減少しました。これは主に前連結会計年度のリース資産買取りに伴い発生した固定資産除却損32億72百万円が減少したことによるものです。

この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は159億13百万円(前期比7.9%増)となりました。

 

c.キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

d.資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの事業活動における資金需要としては、事業を行うための費用や一般管理費などの営業費用としての運転資金と主に倉庫、作業所及び事業用車両等の固定資産購入のための設備資金があります。

当社グループでは、運転資金につきましては内部資金のほか必要に応じてコマーシャルペーパーや金融機関からの借入金で賄い、設備資金につきましては内部資金のほか必要に応じて固定金利の普通社債及び金融機関からの借入金で賄うことを基本としております。当連結会計年度末における普通社債の残高は500億円、借入金の残高は232億10百万円であります。

 

e.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2020年4月1日から3か年の中期経営計画「第12次中期経営計画(Challenge12)」をスタートさせ、最終年度である2023年3月期の目標として売上高2,300億円、営業利益230億円、営業利益率10.0%、自己資本当期純利益率(ROE)8.0%を掲げておりました。

その最終年度である当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症影響の長期化やサプライチェーンの混乱、燃料価格の高騰などの影響を受け、売上高は2,120億71百万円、営業利益は195億80百万円、営業利益率は9.2%、自己資本当期純利益率(ROE)は7.1%となり、いずれも中期経営計画最終年度の目標は達成できませんでした。

また当社グループは、2023年4月1日から3か年の中期経営計画「第13次中期経営計画(Challenge13)」をスタートさせ、最終年度である2026年3月期の目標として売上高2,800億円、営業利益280億円、営業利益率10.0%、自己資本当期純利益率(ROE)8.0%を掲げております。

 

 

②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果とは異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

a.減損会計における将来キャッシュ・フロー

「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

b.退職給付債務の算定

当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、期待運用収益率等の様々な計算基礎があります。

当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。

退職給付債務及び退職給付費用の算定において、主要な仮定の変化が当連結会計年度末の退職給付債務及び退職給付費用に与える感応度は以下のとおりであります。マイナス(△)は退職給付債務の減少を、プラスは退職給付債務の増加を表しております。感応度分析は分析の対象となる数理計算上の仮定以外のすべての数理計算上の仮定が一定であることを前提としております。

当連結会計年度末(2023年3月31日)

 

数理計算上の仮定の変化

退職給付債務に与える影響(百万円)

割引率

0.5%の上昇

△927

0.5%の低下

989

 

数理計算上の仮定の変化

退職給付費用に与える影響(百万円)

期待運用収益率

0.5%の上昇

△54

0.5%の低下

54

なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)(8)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

6【研究開発活動】

該当事項はありません。