当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、経営の基本方針を「CSRの追求」において事業活動を進めておりますが、中でも「株主満足度の向上」は優先事項と受けとめ、その実現のため、高い成長力、高い収益力を備えた活力ある企業造りを目指しています。
特に営業拠点の展開が成長の鍵を握るものと考え、人口移動の多い地域である関東地区を中心に、人口密度が高く将来の市場性が見込める地区にも拠点を設置し引越需要の確保を目指しております。
引越サービスの向上、技術開発提供による他社との差別化により高品質のサービスを行いお客様の満足を得られるようにいたします。
このために、当社が認証取得しているISO9001を中心に、全従業員参加による改善活動を行い関連法規・法令遵守及び引越技術の向上を図ります。
また、ディスクロージャー体制の推進に努め、個人株主向けIR活動の強化を図り、一人でも多くの投資家から当社グループの理解を得られるよう、ひいては「地域社会から信頼される企業」となるよう努力いたします。
(2)経営戦略等
引越業は車両と運転手さえ確保できれば、比較的簡単に参入できます。そのため、常に同業他社との価格競争が絶えませんが、当社は受付から引越作業まであらゆるシーンで品質の向上を図ってまいりました。
現在、全都道府県に拠点展開をすることでネットワーク網を充実させ、法人企業及びインターネットからの受付を拡充し、販売チャネルの多極化を図るとともに、引越に付随する業務(家電販売、ハウスクリーニング、カタログによる通信販売、リサイクル品の取扱等)についても関連子会社とのシナジー効果により更なるサービスの拡充を図っております。また、車載の運行管理システムを用い、各運転手の運転技術を数値化することにより安全輸送の確立を図っております。
今後もこのような取り組みを継続して実行することにより、品質の向上に努め、売上、作業件数共に他社の追随を許さないオンリーワン企業を目指します。
(3)目標とする経営指標
当社グループは資本効率を高め収益性の高い事業展開を目指すという観点から、経営指標としては自己資本利益率(ROE)8%を超える水準を維持することを目標としております。
(4)経営環境
引越業界におきましては、新設住宅着工戸数と移動者数は横ばいで推移しており厳しい状況が続いております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの主たる事業である引越業界においては、トラック運転手の労働時間の規制が強化される、いわゆる「2024年問題」に伴って発生する人手不足について、継続的な課題として捉えております。これに対し当社では、採用力の強化と継続的な待遇改善、生産性の向上を図ることで、多くの需要にお応えしてまいります。
これらの具体的な取り組みについては、後述の「価値の訴求」をキーワードとした五つの指針を基に進めてまいります。また、各種費用の高騰やESG経営についても、重要な課題として捉えております。
(a)共創の経営
引き続きパートナー企業との提携を通じて、今後も作業件数の獲得のみならず、サカイ品質の維持に努め、更なるサービスの拡充に取り組んでまいります。また、2024年12月には、九州全域を中心に引越サービスを提供する同業他社と、創業以来初めて資本業務提携を行いました。今後もこのような事例を増やして行きたいと考えております。
(b)人材活用
人材の成長が企業価値の向上に直結し、サービスレベルの維持・拡大には従業員の働きがいの向上が重要であると考えております。エンゲージメントサーベイの結果は徐々に改善されておりますが、引き続き改善に向けた取り組みを行ってまいります。また、多様性の確保や、今後の人材獲得競争の激化を見据え、外国人人材の採用も開始いたしました。今後も人材確保の新たな手段として、継続的に取り組みを進めてまいります。
(c)生産性向上
生産性向上に向け、事務職の適正な人材配置やリスキリングを推進しております。また、かねてより取り組んでまいりました見積の自動化やリモート見積の推進といった生産性向上施策においては、順調に拡大しております。今後は、現状と同水準の事務人員体制のもとで、より多くの需要にお応えできる仕組みづくりを目指してまいります。
(d)シェア拡大
当社の戦略において、市場規模の大きい関東エリアでのシェア拡大が最も重要であると考えております。関東での人材活躍戦略を推進し、さらなるシェア拡大を図ってまいります。また、前期より見据えていたBtoBおよびBtoG領域への参入も、力強く進めております。特殊技術のノウハウ蓄積や技術力の向上などを通じて、継続的な案件獲得に向けて積極的に取り組んでまいります。
(e)グループ戦略
新生活応援グループとして、「暮らしの中にもっと“SAKAI”を!」をキャッチフレーズに、引越を基軸とした顧客接点の維持を図ってまいります。特に、シナジーが活かされる電気工事、リユース、クリーンサービスを三本柱として推進してまいります。また、M&Aについても積極的に検討を進めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
1.サステナビリティ全般
当社は創業以来「まごころこめておつきあい」をモットーに地域社会への貢献を第一に考えてまいりました。
この考えに基づき、「新生活応援グループ」として、当社が考える企業の社会的責任、「よりよいサービスを提供し、社会に貢献する」を実践するため、近年、重要視されているサステナビリティ課題の取り組みを強化し持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
このような状況のもと、当社はサステナビリティを巡る諸課題に対する取組の推進機能強化と情報開示を目的として「サステナビリティ委員会」を設置しました。
当社グループの主たる事業である引越事業においては、輸送に貨物自動車を多く使用するため、その貨物自動車が排出するCO2が地球環境に影響を与えるものと認識しております。そのためCO2排出量の削減等の取り組みを通じて、持続可能な社会の実現に貢献することが必要と考えております。また当社を含めた物流業界では、トラック運転手の労働時間の規制が強化される2024年問題により、ドライバー不足や作業員不足が発生しております。当社は自社でドライバーを育成する体制を構築し、管理者の育成支援や働く環境の整備に取り組んでおります。
物流業界にとってCO2削減等、気候変動への取組みが重要であること、引越は人材がいなければ成り立たない仕事であることを踏まえ、当社は「気候変動」及び「人的資本」の課題について優先的に取り組んでおります。
今後も、当社はサステナビリティ委員会において、課題をESGの側面から整理し、目標の策定を通じて当社グループ内のサステナビリティ推進および実行につなげるとともに、具体的な取組の情報開示に努めてまいります。
なお、気候変動に係わるリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響については、当社グループ全体としてきわめて重要な課題の一つとして認識しており、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures))の枠組みに基づいた情報開示に努めております。
(1)ガバナンス
当社はサステナビリティの視点から当社の長期的な発展を見据えた議論を実施するため、サステナビリティに関するガバナンスの強化を目指し、取締役会にサステナビリティに関する事項を報告・提言する機関として「サステナビリティ委員会」を設置し、当事業年度においては2回(2025年1月及び2025年3月)開催しました。
サステナビリティ委員会の委員長は代表取締役社長が務めております。サステナビリティ委員会では、気候変動を含むサステナビリティに関する課題が事業に与える影響について評価を行い、識別したリスク及び機会への対応方針や取組状況について審議し、重要な内容については取締役会へ必要に応じて報告または付議します。サステナビリティ委員会は、重要な課題に沿って設定した「気候変動分科会」及び「人的資本経営分科会」で構成されており、課題解決に向けた議論を行っています。
気候変動分科会は本社管理部門の総務部、管理部及び経理部が中心となって、事業活動における環境負荷の可視化、気候変動に関するシナリオ分析、リスク及び機会の分析を行っております。人的資本経営分科会は、人事部及びダイバーシティ推進室の実務担当者で構成されており、経営戦略実現のために解決すべき人材課題を識別し、優先付けを行いながら、人材施策に対する目標設定と進捗のモニタリングを実施する役割を果たしています。各分科会は課題や進捗状況の管理を行い、サステナビリティ委員会に上程する役割を担っております。取締役会はサステナビリティ委員会の報告、提言を受け必要な施策の実施及び監督を行っております。
<サステナビリティに関する会議体及び主な役割、構成課題>
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会議体 |
開催頻度 |
役割 |
構成 |
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サステナビリティ委員会 |
年2回 |
分科会にて検討、目標設定したものを審議し、重要な内容については取締役会に報告・付議 |
委員長を代表取締役社長とし、取締役、各部門長を委員とする |
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気候変動分科会 |
年5回 |
気候変動に関連する重要課題の協議と進捗管理 |
管理部、総務部、購買室、経営企画部、経理部 |
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人的資本経営分科会 |
年8回 |
人材施策に対する目標設定と進捗のモニタリング |
人事部、ダイバーシティ推進室、経営企画部、総務部 |
<2024年度の開催実績>
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会議体 |
開催月 |
主な課題 |
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サステナビリティ委員会 |
1月・3月 |
外部有識者によるサステナビリティの浸透 近時のサステナビリティに関する動向 分科会の取組状況の報告及び検討 |
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気候変動分科会 |
11月、12月、1月、2月 |
GHG排出量の現状把握と検討 |
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人的資本経営分科会 |
11月、12月、1月、2月、3月 |
エンゲージメントサーベイの結果及びアクションプランの検討 |
(2)リスク管理
各分科会にて想定される具体的なリスク・機会の特定を行い、影響度と発生可能性をもとにリスク・機会の重要性を評価した上で、重要性に応じて各リスク・機会の対応策を協議しサステナビリティ委員会に報告します。サステナビリティ委員会の重要性評価及び審議を経て、重要なリスク・機会については取締役会に報告、取締役会にて重要なリスク・機会を協議の上、リスク・機会を特定しています。
リスク管理の枠組みの中で、気候変動分科会は気候変動の影響に関して、事業に係るエネルギー使用量、CO2排出量などを取りまとめ、1.5℃シナリオ及び4℃シナリオの環境下での気候変動に係るリスク・機会の洗い出しを行います。
また、人的資本経営分科会では、人材戦略におけるKPIより人材育成、エンゲージメント、健康維持・増進等のリスク・機会の洗い出しを行っております。
なお、サステナビリティに関連するリスクについてもその他の事業上のリスクと同等に取り扱われております。
2.気候変動
① 戦略
事業活動に影響を与えるリスク・機会の定性評価および優先度が高いリスクの定量評価を実施し、気温上昇を1.5℃未満に抑えることを想定したシナリオと4℃上昇することを想定したシナリオを用いてリスクの軽減ないし機会の獲得にむけた対応策を検討しております。対象年度については、2030年度としております。
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シナリオ |
1.5℃上昇 |
4℃上昇 |
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世界観 |
1.5℃シナリオは、Net Zero Emissions by 2050 Scenario (NZE) (国際エネルギー機関(IEA))を参照し、2050年までに正味ゼロエミッションを達成するという世界を想定しています。気温上昇への対策として、法規制が強化されるとともに技術革新が進み、炭素税や設備投資等の費用増加が懸念されます。一方、収益の拡大と輸送効率化という機会獲得につながる側面があると考えております。 |
4℃シナリオは、SSP5-8.5(Intergovernmental Panel on Climate Change(IPCC))を参照し、化石燃料依存型の下で気候政策をしない世界を想定しています。4℃シナリオにおける気温上昇という変化は、燃料調達コストの増加や熱中症リスクをはじめとする慢性的な気温上昇による労働効率の低下が懸念されます。一方、海面上昇による被害想定地域からの移転の可能性による収益機会を認識しております。 |
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気候関連リスクと機会 |
財務影響度 |
対応方針 |
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移 行 リ ス ク |
カーボンプライシングメカニズムによる費用の増加 |
中 |
エコカーの導入、輸送効率化 |
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燃料調達コストの増加 |
低 |
エコカーの導入、輸送効率化 |
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|
脱炭素に向けた設備投資によるコストの増加 |
中 |
環境配慮型トラックの情報収集と実証実験を行い、導入の可否を検討 |
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物 理 リ ス ク |
集中豪雨、洪水など天災の増加 |
大 |
BCPの整備と従業員の安否確認システムを活用することにより、事業への影響を最小限に抑える。 |
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猛暑日の増加 |
低 |
熱中症対策として機能性の高い制服の採用や、有効なツールの導入 |
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機 会 |
輸送効率化 |
中 |
エコカーの導入、配車計画の最適化 |
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省エネ及び再生エネルギーの促進 |
中 |
太陽光発電などの再生エネルギーの利用やLED電気への切り替え |
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|
消費者の嗜好の移り変わり |
中 |
リユース事業の拡大によるエコに関心のある顧客を引き付ける取組の実施 |
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※定量的な観点に基づく財務影響度を算定し、大、中、低の三段階で評価しています。
財務影響度については、当社の営業利益の10%以上を「大」、営業利益の5%以上を「中」、営業利益の5%未満を「低」としております。
② 指標及び目標
当社は、気候変動の指標としてGHG排出量(温室効果ガス排出量)の算定を行っております。2024年度におけるScope1(自社での直接排出)、Scope2(他社から供給されたエネルギーの間接排出)、Scope3(Scope1 、Scope2以外の間接排出)の実績は下記のとおりです。
GHG排出量実績
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Scope |
カテゴリ |
2023年度(t-CO2) |
2024年度(t-CO2) |
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Scope1 |
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Scope2 |
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Scope3 |
1.購入した製品・サービス |
109,498 |
110,363 |
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2.資本財 |
7,130 |
4,245 |
|
|
3.Scope1、2に含まれない燃料及びエネルギー活動 |
7,281 |
7,518 |
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|
4.輸送、配送(上流) |
37,258 |
34,282 |
|
|
5.事業から出る廃棄物 |
- |
6,113 |
|
|
6.出張 |
- |
2,554 |
|
|
7.雇用者の通勤 |
- |
4,105 |
|
|
8.リース資産(上流) |
- |
8,551 |
|
|
9.輸送、配送(下流) |
- |
- |
|
|
10.販売した製品の加工 |
- |
- |
|
|
11.販売した製品の使用 |
- |
136,189 |
|
|
12.販売した製品の廃棄 |
- |
189 |
|
|
13.リース資産(下流) |
- |
1,582 |
|
|
14.フランチャイズ |
- |
- |
|
|
15.投資 |
- |
94 |
※重要性が認められる株式会社サカイ引越センター(単体)に絞って算定していますが、今後集計対象の範囲を拡大する予定です。
※上記のGHG排出量はGHGプロトコルに則り算定しております。なお、Scope3はサプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン(環境省)を参照して算定しております。
※Scope3カテゴリ9.輸送、配送(下流)はScope1及びScope2として算定しており、本項目には含めておりません。
※Scope3カテゴリ10.販売した製品の加工及び14.フランチャイズは当社単体では非該当のため算定しておりません。
※2023年度は特に重要性の高いカテゴリ1からカテゴリ4に限定して算定しております。
GHG排出量の削減目標
|
項目 |
対象 |
2024年度実績 |
2030年目標 |
|
GHG排出量(t-CO2) |
Scope1 |
43,574 |
10%削減(2020年度比) |
※当社グループの事業活動を通じて排出されるGHG排出削減を推進するためにScope1を対象に定量的な目標を設定しています。また、Scope2及びScope3については、サプライチェーン全体を通じてGHG排出削減に向けた体制の整備に努めてまいります。
※いずれの数値も当社グループのうち気候変動がもたらす財務的影響及び環境・社会への影響が重要と考えられる株式会社サカイ引越センター(単体)を集計対象とした数値であり、今後集計対象範囲を拡大する予定です。
3.人的資本、多様性に関する取組み
①ありたい組織像・人物像
当社は“まごころこめておつきあい”をモットーに、「世界一の新生活応援グループ」というビジョンを実現するため、「すべての引越に携わる」ことを目指しています。
当社は人材を価値創造、競争優位の源泉と位置づけております。
目指す人物像として、未来を作るマネジメント層は「企業価値を最大限高める努力をし、新生活応援グループとしてのグループ戦略を実行できる」人物とし、そのマネジメント層を支え、仕組みをつくるリーダー層は「経営・事業戦略を実現するために必要な人材を育て、自らも学び、成長意欲のある」人物としております。
そして第一線でサービスを提供する生産を担うプレイヤー層は「常に専門性を追求し、プロフェッショナルとしてお客様に感動を与えられる」人物としております。
ありたい組織像として、私たちはまず既存の引越事業を基盤としながら、引越に関連する周辺事業をグループ全体でシナジーを発揮しつつ成長させていく戦略を描いています。
② 戦略、指標及び目標
a.育成
当社では、各階層に応じたキャリア支援の一環として、従業員が継続的に学び成長できる研修・教育体制の構築に取り組んでおります。
社内研修では、創業者の理念や価値観の継承、ならびに支店経営に必要な経営戦略、人材マネジメントや車両管理、設備の管理の習得を目的としたプログラムを実施しています。一方で、社外研修においては、外部人材との交流を通じた視野の拡大や専門的知識の獲得を目的とし、社内外の両面から多角的な人材育成を推進しております。
また、育成計画と連動し、おおむね3年に一度を目安とした配置転換を実施することで、異分野・異地域での経験を積ませ、従業員の視野拡大と柔軟な対応力の向上を図っています。さらに、Eラーニングシステムの導入により、従業員が必要なタイミングで自律的に学べる環境も整備しております。
マネジメント層では、上級経営者研修・次期ブロック長研修等を通じ、よりレベルと質の高いマネジメント研修を行っております。外部のビジネス研修も取り入れ、未来の経営者を育成して参ります。
リーダー層では、部門責任者や管理者など階層ごとの研修を実施しております。支社・各部門の実務知識やオペレーションのみならず、自らも成長しながら後継者育成を実行するための教育プログラム研修を行っております。
プレイヤー層では初期研修としてまごころ現業学校、まごころ営業学校、まごころ中途営業学校があり、お客様にサービスを提供する営業職や引越スタッフとして独り立ちをするための研修があります。独り立ちしてからも、継続的なスキルアップ、またキャリアアップを見据えた研修も実施しております。日常業務の悩みや課題の相談役としてチューター制度を取り入れ、社員の問題解決のサポートをしております。
今後も、多様な研修プログラムを継続的に拡充し、すべての従業員がそれぞれのキャリアに応じた学びを通じて、持続的に成長できる体制を強化してまいります。
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2024年3月期 実績 |
2025年3月期 実績 |
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60名 |
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2024年度参加者より、執行役員2名、本部長代行2名の昇格あり
※プログラム内容一部抜粋
マネジメントリーダー育成塾、グロービス・マネジメントスクール、Schoo(E-Learning)
※人的資本に関する指標及び目標は、グループの主たる事業会社である株式会社サカイ引越センター単体を対象としています。
b.多様な人材確保
事業の持続的成長と企業価値の向上を実現するためには、多様な人材の確保・活用が不可欠であると考えております。特に、事業の専門性が高度化・多様化する中で、専門的な知識・経験を有する人材の採用と育成が重要な経営課題の一つとなっております。専門人材については外国人雇用においてIT人材など高度人材の採用を進めています。 また外国人雇用を進めて行くために人材の発掘だけでなく、従業員への「外国人と共に働く」ことに対する意識改革を行います。
さらに、労働人口の減少が進む中、優秀な人材を安定的に確保するためには、多様な価値観やライフスタイルを尊重した柔軟な雇用環境の整備が求められています。その一環として、当社では性別、年齢、だけでなく国籍等にとらわれない公平な採用を推進しております。
具体的には、女性店長候補研修や社外研修への参加を通じて女性管理職の登用を積極的に進めるとともに、すべての従業員が能力を最大限に発揮できる職場環境の整備に努めております。女性管理職の登用を推進するため、将来的に課長職以上の役職に就く可能性のあるリーダー層の女性人材の育成に注力しております。
また当社は、障がい者雇用において、法定雇用率の遵守はもとより、企業理念である「社会的責任を果たし、社員の幸せを追求する」という考えのもと、障がいのある方々が働きがいを感じられる職場環境の整備に努めております。単に雇用数の確保にとどまらず、個々の能力や適性に応じた職務の創出を通じて、就業機会の充実を図ることを重要な経営課題の一つとして認識しております。
当社の主要事業である引越業務は、体力を要する作業が中心ではあるものの、障がいの程度や特性に応じて、引越スタッフとしての勤務が可能なケースもございます。また、引越業務以外にも、社内には倉庫内での備品管理や清掃業務など、多岐にわたる業務が存在しており、それぞれの障がい特性に応じた適切な業務配置が可能です。
今後も、障がいのある方々がその能力を最大限に発揮できるよう、職務内容の柔軟な調整や働きがいのある環境の整備に注力してまいります。
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2024年3月期 実績 |
2025年3月期 目標 |
2025年3月期 実績 |
目標 |
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2.7% |
3.0% |
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|
|
6.7% |
7.0% |
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※社内規定(職務の内容が従業員(部下)を管理する業務である者)による女性比率としています。
※人的資本に関する指標及び目標は、グループの主たる事業会社である株式会社サカイ引越センター単体を対象としています。
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2024年3月実績 |
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2026年3月目標 |
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3.4% |
※障害者雇用促進法に基づき下記の算定式で算出しています。
障がい者雇用率=(障がい者の雇用人数(換算後)÷全従業員数(常用雇用数))×100
道路貨物運送業は2025年3月迄は除外率20%、2025年4月以降は除外率10%です。
※人的資本に関する指標及び目標は、グループの主たる事業会社である株式会社サカイ引越センター単体を対象としています。
c.従業員の働きがい、意欲を向上させる職場環境づくり
当社では、お客様に対し安定的かつ質の高いサービスを継続的に提供していくためには、従業員の意欲向上および定着率の改善が重要な経営課題であると認識しております。とりわけ、従業員満足度の向上は、持続的な企業成長において不可欠な要素と位置付けております。
このような認識のもと、2024年度に実施したエンゲージメントサーベイの結果を分析したところ、「組織風土」および「制度待遇」に関して、従業員との間に一定の認識ギャップが存在することが判明いたしました。これを受け、当社では従業員エンゲージメントの向上を目的とした社内環境の整備に注力しております。
具体的には、「組織風土」における改善策として、階層間におけるコミュニケーションの強化を図るべく、上司と部下による1on1面談を定期的に実施し、対話の機会を増やす取り組みを進めております。また、「制度待遇」に関しましては、従来より検討を進めていた基本給の引き上げを含む給与制度の改定や、業績・成果に基づく評価制度の見直しを継続的に実施しております。加えて、定着率の向上に向けたさらなる施策についても、今後継続的に検討・実施してまいります。
今後も、エンゲージメントサーベイの結果を基に課題の可視化と改善を図り、従業員満足度の向上を通じて、企業としての競争力強化に努めてまいります。
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項目 |
2025年3月期(実績) |
2026年3月期(翌期目標) |
2027年3月期(目標) |
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エンゲージメントスコア |
BB |
BBB |
A |
※リンクアンドモチベーションによるエンゲージメントサーベイを、年2回、匿名方式によりインターネット上で実施・集計しています。
※最上位AAA~最下位DDの11段階で評価されCCCランクが平均値となります。
※人的資本に関する指標及び目標は、グループの主たる事業会社である株式会社サカイ引越センター単体を対象としています。
d.従業員安全と健康
当社は、お客様との接点を担う従業員の健康を、質の高いサービスを提供し、顧客感動を創出するための価値創造の源泉と位置づけております。また、すべての従業員が心身ともに健康かつ安全に業務に従事できる環境の整備は、従業員の意欲向上および生産性の向上に資する重要な要素であると認識しております。
当社は、安全性の向上を経営の最重要課題の一つと位置づけており、とりわけ20代ドライバーにおける車両事故惹起率を重要な指標と捉え、その改善に向けた取り組みを推進しております。
具体的には、全車両へのドライブレコーダーの配備および映像の定期的な確認、安全運転に関する教育の実施を通じて、運転行動の可視化と安全意識の向上を図っております。特に運転経験の浅い20代の若年層における事故惹起率の低減は、安全輸送体制のさらなる強化において喫緊の課題と認識しており、重点的な施策を講じております。
その一環として、従来より実施しているドライバー登用までの教育制度に加え、ドライバーとしての業務開始後1年以内に4回の添乗指導を実施する体制を整備し、若年層ドライバーへの個別指導を強化しております。
今後も、安全設備への継続的な投資として、ASV(先進安全自動車)に該当する安全支援システムを搭載した車両の導入を進めるとともに、全従業員を対象とした継続的な安全運転教育を実施し、安全意識の向上に努めてまいります。
さらに、従業員の健康保持・増進が企業の持続的成長に資する重要な要素であると認識しております。この一環として実施した従業員の健康習慣に関するアンケート調査において、「1回30分以上の運動を週2日以上、1年以上継続して実施している」と回答した従業員の割合が6割に満たないことが判明いたしました。
この結果を踏まえ、当社では従業員の健康意識向上および生活習慣の改善を目的とし、ウォーキングキャンペーンや社内スポーツイベント等の各種施策を実施しております。今後もこうした取組みを継続・強化することで、従業員の健康増進を図るとともに、企業価値の持続的向上を目指してまいります。
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2023年度(実績) |
2024年度(実績) |
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20代 |
14.1件 |
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※車両事故惹起率:アルバイトを含むドライバー職・営業職100人に対する事故惹起件数の割合
※車両事故:当社に過失のある人身事故・物損事故
※人的資本に関する指標及び目標は、グループの主たる事業会社である株式会社サカイ引越センター単体を対象としています。
1回30分以上の運動を週2日以上、1年以上実施している(業務中も含む)
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2023年度 |
2024年度 |
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回答者数 |
5,557 |
7,222 |
- |
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はい |
2,916 |
4,112 |
- |
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いいえ |
2,641 |
3,110 |
- |
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比率 |
52.5% |
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※算出の対象とした健診の対象期間
2023年度 回答期間:2023年6月 集計期間:2022年7月~2023年6月
2024年度 回答期間:2024年6月 集計期間:2023年7月~2024年6月
※人的資本に関する指標及び目標は、グループの主たる事業会社である株式会社サカイ引越センター単体を対象としています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業界に対する法的規制
当社グループの主たる事業である引越事業においては、「貨物自動車運送事業法」、「貨物利用運送事業法」及び「自動車NOx・PM法」等による法的規制を受けております。
そのため、社員教育の徹底、コンプライアンス体制の整備など管理体制の構築等を重要課題とし、法令遵守の体制を整備しておりますが、法令の改正や新たな法的規制、環境問題への関心の高まりによる環境規制等により、営業活動に制限が加わった場合、売上高の減少や規制対応費用が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2)引越需要の変動
引越需要は季節により大幅な変動が見られますが、一方、月末や週末に集中するという傾向があります。この需要の偏在は、当社グループにとって人員や車両の配置を狂わせ、車両の稼働にも悪影響を及ぼすこととなっております。この需要の偏在を平準化させ仕事量を継続的、安定的に確保するため、当社グループでは従来から積極的に広告宣伝活動を行い、また法人営業活動の強化を行うことにより、閑散期及び閑散日の需要の喚起、顧客の発掘を行っております。
しかし、この引越需要の変動は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3)労働力の確保と支社の開設
労働集約産業である引越運送業務は多数の労働力を必要としておりますが、少子高齢化の社会的傾向から今後、若年層の人材確保が更に困難になる恐れがあります。
当社グループといたしましては、省力機械の導入や作業形態の見直し等、限られた労働力の有効活用を図っておりますが、絶対数の不足から有能な労働力が確保できない場合は、支社の開設に支障が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4)家族構成の変化と引越荷物の小口化
引越業界においては、核家族化の進行とライフスタイルの変化により引越荷物が小口化する傾向があります。
引越単価は、サービス内容、運送距離、価格競争等により左右されますが、引越荷物の小口化が引越単価の下落に結びつき、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5)顧客情報の保護
当社グループは、個人情報取扱事業者として、業務遂行上様々なタイミングで顧客情報に接しております。当社グループが取り扱う個人情報には、新たな生活をスタートさせる新居の情報等も含まれている為、細心の注意を払い情報管理を行っております。
しかし、管理やシステムの不備等により顧客情報の漏洩等を惹起した場合は、その損害に対する賠償の責任を負うのみに留まらず、顧客からの信用の失墜につながり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(6)引越事業への依存度
当社グループは、売上高に占める引越事業の割合が8割以上を占めているため、引越事業の業績が当社グループの業績に大きな影響を与えます。
そのため、予期せぬ事象により当社グループが競争力を喪失した場合や、同業者間の価格競争により想定を超える単価の下落等があった場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(7)災害等の発生
当社グループは、全国各地に支社展開を行っていることから、自然災害、火災等の発生により当社グループの事業拠点が被災した場合、災害等の規模によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(8)人材流出による事業ノウハウの社外流出
当社グループは、他社との差別化を図るため、人材育成に注力し様々なノウハウを蓄積してまいりましたが、これらのノウハウは法的な保護が難しい為、人材流出とともに外部へ流出した場合、当社グループの優位性が薄れることにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(9)サイバー攻撃やコンピュータウイルス等の脅威
当社グループの業務においてITへの依存度が高まるにつれ、サイバー攻撃やコンピュータウイルス等の脅威も同様に高まってきております。
その対策には万全を期しておりますが、今後想定を超えるサイバー攻撃やコンピュータウイルスに感染した場合、一部コンピュータシステムの停止等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(10)減損会計
当社グループにおいては減損会計の対象となる固定資産は金額的重要性が高く、今後の地価の変動や、各支社毎の業績推移如何では多額の減損処理が必要となる可能性があります。
(11)労働災害と重大事故について
引越事業は、車両の運転に加え、作業現場の条件により様々な作業が発生します。
そのため、車両の運転技術のみならず、作業技術についても安全を最優先に教育指導を行っておりますが、万が一重大事故を惹起した場合は、その損害に対する賠償の責任を負うとともに、事業の停止等の処分を受ける可能性があります。また、顧客からの信用の失墜にもつながり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(12)重要な訴訟によるリスク
当社グループは適正なコンプライアンスとガバナンス体制の構築に努め事業活動を行っていますが、事業活動に関して様々な形で訴訟等の対象となる可能性があり、その結果によっては当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績等の概要
(1)経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、雇用・所得環境が改善する下で、個人消費や設備投資に持ち直しの動きがみられるなど、景気は緩やかな回復基調にある一方、物価上昇や貿易政策による経済の減速懸念など、先行きに不透明感を残す状況で推移しました。
引越業界におきましては、第3四半期まで新設住宅着工戸数や移動者数が横ばいで推移していたものの、第4四半期においては需要好転の気配が出てまいりました。
このような状況の下、当社グループは法人需要が堅調に推移したことと、増加する様々なコストに対応した価格転嫁に努め、引越単価は前年同期比3.9%増となりました。また2024年4月から適用が開始されたトラックドライバーの時間外労働の上限規制を遵守するため、労働時間をコントロールしたことにより作業件数は818,932件(前年同期比1.6%減)と減少を余儀なくされました。
また、当連結会計年度から株式会社サカイパンダロジを連結の範囲に含めた結果、売上高は121,023百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益12,925百万円(前年同期比1.4%増)、経常利益13,143百万円(前年同期比1.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,765百万円(前年同期比4.9%増)となりました。
セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。
引越事業が好調に推移した影響で、各子会社が行っている引越付随事業も業績を伸ばしております。一方、クリ
ーンサービス事業においては人件費等の上昇により利益が前年同期比を下回りました。
|
報告セグメント |
売上高(百万円) |
前期比(%) |
セグメント利益(百万円) |
前期比(%) |
|
引越事業 |
103,385 |
103.3 |
11,473 |
101.2 |
|
電気工事事業 |
4,641 |
100.9 |
658 |
99.3 |
|
クリーンサービス事業 |
5,470 |
103.9 |
466 |
94.1 |
|
リユース事業 |
6,833 |
110.0 |
92 |
428.2 |
|
その他 |
692 |
104.5 |
575 |
114.5 |
|
調整額 |
- |
- |
△123 |
- |
|
合 計 |
121,023 |
103.6 |
13,143 |
101.9 |
(注1)その他の区分は、報告セグメントに含まれないセグメントであり、不動産賃貸業等であります。
(注2)セグメント利益の調整額△123百万円はセグメント間取引消去等であります。
(注3)セグメント利益の合計は、連結財務諸表の経常利益と調整しております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1,526百万円減少し、26,205百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金は、9,727百万円の増加(前年同期の資金は9,581百万円の増加)となりました。
これは主として、税金等調整前当期純利益13,181百万円に対し、法人税等の支払額4,107百万円などの資金減少要因がありましたが、減価償却費1,816百万円などの資金増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動による資金は、7,904百万円の減少(前年同期の資金は6,881百万円の減少)となりました。
これは主として、定期預金の預入による支出3,367百万円、有形固定資産の取得による支出3,171百万円などがあったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動による資金は、3,621百万円の減少(前年同期の資金は1,279百万円の減少)となりました。
これは主として、配当金の支払額2,154百万円、長期借入金の返済による支出1,179百万円などがあったことによるものであります。
受注及び営業の実績
(1)受注実績
当社グループは、一般個人からの直接受注と法人からの受注による営業活動を行っております。
当連結会計年度における当社グループの受注実績を報告セグメント別に示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|||||||
|
受注件数 (件) |
前期比 (%) |
受注高 (百万円) |
前期比 (%) |
受注残件数 (件) |
前期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前期比 (%) |
|
|
引越事業 |
818,447 |
98.4 |
103,092 |
103.1 |
94,394 |
99.5 |
15,515 |
105.3 |
|
合計 |
818,447 |
98.4 |
103,092 |
103.1 |
94,394 |
99.5 |
15,515 |
105.3 |
(注)電気工事事業、リユース事業、クリーンサービス事業は提供するサービスの性格上、受注状況の記載になじまないため記載を省略しております。
(2)営業実績
当連結会計年度における当社グループの売上高及び引越作業件数の状況を報告セグメント別に示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|||
|
引越作業件数(件) |
前期比(%) |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
|
引越事業 |
818,932 |
98.4 |
103,385 |
103.3 |
|
電気工事事業 |
- |
- |
4,641 |
100.9 |
|
クリーンサービス事業 |
- |
- |
5,470 |
103.9 |
|
リユース事業 |
- |
- |
6,833 |
110.0 |
|
報告セグメント計 |
818,932 |
98.4 |
120,331 |
103.6 |
|
その他 |
- |
- |
692 |
104.5 |
|
合計 |
818,932 |
98.4 |
121,023 |
103.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.報告セグメントのうち、電気工事事業及びクリーンサービス事業並びにリユース事業は引越作業件数はありません。また、その他は、不動産賃貸事業等のため引越作業件数はありません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって経営者は決算日における資産・負債の報告数値、偶発債務の開示、各連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りの不確実性があるため、これらの見積りと異なる結果となる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち特に重要なものは以下の通りです。
固定資産の減損
固定資産の減損損失の認識に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
(2)当連結会計年度の財政状態の分析
①流動資産
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末と比較し2,672百万円(6.4%)増加の44,663百万円となりました。
これは、主として受取手形、売掛金及び契約資産の増加(前連結会計年度末と比較し1,268百万円の増加)、現金及び預金の増加(前連結会計年度末と比較し475百万円の増加)によるものであります。
②固定資産
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末と比較し3,750百万円(4.8%)増加の82,571百万円となりました。
これは、主として土地の増加(前連結会計年度末と比較し2,113百万円の増加)によるものであります。
③流動負債
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末と比較し22百万円(0.1%)増加の27,222百万円となりました。
これは、主として買掛金の増加(前連結会計年度末と比較し687百万円の増加)によるものであります。
④固定負債
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末と比較し287百万円(6.7%)減少の4,012百万円となりました。
これは、主として固定負債その他に含まれる長期未払金の減少(前連結会計年度末と比較し360百万円の減少)によるものであります。
⑤純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較し6,688百万円(7.5%)増加の96,000百万円となりました。
これは、主として利益剰余金の増加(前連結会計年度末と比較し6,558百万円の増加)によるものであります。
(3)当連結会計年度の経営成績の分析
①売上高
売上高は前年同期比3.6%増の121,023百万円となりました。
これは引越作業件数は前年同期比1.6%減少の818,932件となりましたが、引越単価が前年同期比3.9%上昇したことによるものであります
②売上原価
労務費は29,598百万円(前年同期比0.2%増)となり、売上原価は74,537百万円(前年同期比3.6%増)となりました。
③販売費及び一般管理費
人件費は20,827百万円(前年同期比4.8%増)となり、販売費及び一般管理費は33,561百万円(前年同期比4.4%増)となりました。
④営業外損益
営業外収益については、受取利息及び配当金68百万円等を計上しております。
営業外費用については特に説明する事項はありません。
⑤特別損益
特別利益については、固定資産売却益40百万円を計上しております。
特別損失については特に説明する事項はありません。
この結果、営業利益は12,925百万円となり、経常利益は13,143百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益については、8,765百万円となりました。
なお、当社グループは、「第2[事業の状況] 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」において自己資本利益率(ROE)8%を超える水準を維持することを目標としております。
当連結会計年度においては9.5%と前期比0.3ポイントの下落となりました。また、当社単体においても9.0%と前期比0.2ポイントの下落となりました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2[事業の状況] 3事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、「経営成績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(6)資金調達の方針について
運転資金については、原則として、手許資金(利益等の内部留保資金)で賄っております。夏季賞与、冬季賞与及び決算納税資金については、季節資金として考えております。これらの資金は、状況に応じ短期借入金で調達を行っております。設備資金については、設備投資計画に基づき、案件ごとに手許資金で賄えるか、不足するかの検討を経理部にて行います。基本的にはフリーキャッシュ・フローの範囲内での投資実行を方針としておりますが、万一不足が生じる場合は、長期借入金や社債にて調達を行い、場合によっては増資等による資金調達を行う可能性もあります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。