文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
①経営理念
当社グループは、物流を通じて社会の発展に貢献し、今とは異なるものになるために挑戦し続け、ステークホルダーから信頼される企業を目指すことを経営理念としております。
②経営方針
1.挑戦 多様化する時代の中で新分野へ挑戦し、社会のニーズに応え続けます
2.信頼 安心・安全を第一とした物流サービスを提供し、お客様・社会・社員から信頼され続ける企業を目指し
ます
3.環境 クリーンエネルギーの普及に貢献し、持続可能な社会の実現に寄与します
と掲げております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、業績の継続的拡大により企業価値を高め、適正な利益の確保と効率性の高い経営を目指し、持続的に発展していくことが重要であると考え、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として以下を重要な経営指標としております。
自己資本利益率(ROE) 8.0%
(3) 経営環境及び対処すべき課題及び経営戦略について
今後の見通しといたしましては、米国の通商政策の動向や、国内における労働力不足や物価上昇などが継続し、経営環境の先行きが見通せない状況が続くと予想されます。
当社グループは、このような状況下、引き続き経営基盤の安定化に向けた取り組みに力を注ぐとともに、時代に即した物流事業の拡大を目指し、積極的な投資を行い、人材育成に努め未来を創出し、物流事業における競争力の強化、拡大を目指してまいります。
また、安全輸送の面でも、日々の安全運行がステークホルダーからの信頼に繋がっている事を認識し、安全輸送体制の構築や乗務員の教育を重視する経営を行ってまいります。
SDGsにつきましては、貨物自動車運送事業としての責任が大きい事を認識しており、カーボンニュートラルに向け当社グループが実現可能な行動を検討し実行してまいりたいと存じます。
不動産賃貸事業につきましては、引き続き安定的な収益基盤として位置付けており、保有資産が最大限の収益に繋がるよう、管理運営に努めてまいります。
これからも変化の激しい時代が続くと思われますが、創業100周年に向け、飛躍、成長してまいります。
当社グループは、積極的な環境負荷軽減による脱炭素社会・循環型社会への貢献について、運送等環境負荷が大きい業務を行っている物流事業者の取り組みは欠かせないと認識しており、CO2排出量削減など環境負荷の軽減に関する具体的な取り組みを推進しております。サステナビリティへの取り組み方針については「当社のSDGsへの賛同および取り組みのお知らせ」にて開示しております通り、ESGおよびSDGsの観点から、具体的に取り組むべき目標について設定しております。
具体的な取り組みといたしましては、当社拠点となる物流センター等に太陽光パネルを設置(全国5箇所)や、次世代バイオディーゼルの常設給油ポイントの設置などをすでに実施し、CO2削減に貢献しております。
(1)経営環境
社会課題の顕在化やステークホルダーの価値観、ライフスタイルの変容に伴い、ESG(環境・社会・ガバナンス)を重視した経営や経済価値と社会価値の双方を創出するサステナビリティ経営がより一層求められています。当社グループも、脱炭素社会・循環型社会の実現に向けて、物流事業者の責任として取り組むべきであると考えています。
(2)サステナビリティに関する考え方
当社グループにとってのサステナビリティとは、物流事業を通して人々の生活と環境を支え、社会課題の解決に寄与することであり、当社グループの持続的な成長が、社会の持続的な発展やクリーンな社会インフラ構築に貢献できるものと考えております。その実現に向けて、輸送品目の選択や物流施設面での環境への配慮等を講じ、新エネルギー普及促進やCO2排出量削減などの取り組みを通じてサステナビリティを重視した経営を行っております。
(3)具体的な取り組み
国内外のサステナビリティ開示で広く利用されている「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の4つの構成要素(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標及び目標)に基づき、取り組みを開示いたします。
当社グループでは、サステナビリティに関する活動を全社的な視点から統括し、推進するための取り組みを行うサステナビリティ委員会を設置し、取締役会がサステナビリティを巡る課題に主体的に取り組む体制としています。
社会・環境問題に関する対応方針や諸施策の立案、各種施策の進捗・実績管理、気候変動関連のリスクマネジメントと情報開示などについて検討・協議した結果を取締役会に報告及び提案を行っております。
取締役会は、報告・提案された内容について審議・監督を行っております。
<気候変動>
当社グループは、脱化石燃料を後押しするべく、2022年10月及び2024年4月に産業用ガス輸送を行っている各社を子会社化しました。
その後は順調に輸送品目のシフトが進んでおり、提出会社の既存輸送に関しても主軸である飲料輸送集中型から産業用ガス輸送への分散が進んでおります。
CO2排出量の算定につきましては、前連結会計年度からグループでの計測を開始しております。
排出量の推移につきましては、2024年4月にテーエス運輸株式会社をグループ化しており、組織の規模が大きく変動しているため、スコープ1排出量を貨物売上高で除した指標を算出いたしました。
組織規模の変化に左右されない指標を捉える事で、CO2排出量の状態をより厳密に分析できると考えております。
CO2排出量 (単位:tCO2e)
スコープ1排出量を貨物売上高で除した指標
<人材育成及び社内環境整備>
当社グループは、ヒトを活かしヒトを育てる方針を打ち出しており、各個人の多様性を尊重し、自律的なキャリア形成や資格取得を求め、人材育成・人材投資に取り組んでおります。
国内の人手不足問題に対しても、未経験である業界外や若年層からも入社して頂けるよう、職場環境のさらなる改善や育成に注力してまいります。
具体的な取り組みといたしましては、水素等の産業用ガス輸送に必要なライセンスである高圧ガス移動監視者につきまして、次世代エネルギー輸送へのシフトチェンジも見据え、現状よりも手厚い資格取得環境を整え、資格保有者数の増加を図ってまいります。
また、2024年5月14日に発表しております通り、福利厚生制度の拡充並びに雇用環境整備の一環として、従業員向けインセンティブ・プラン(RS信託)を導入しております。
今年度は顧客からの高い評価を得た従業員4名について、特別インセンティブの付与を実行しております。
③リスク管理
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第6次評価報告書によると、継続的な温室効果ガス排出の影響は、極端な暑熱の増加や海面上昇、また、洪水・火災・干ばつなどの原因にもなりうるとされており、地球規模の気候変動に大きな影響を及ぼしているとされています。サステナビリティ委員会では引き続き信頼できる情報収集に努めると共に、施策等の方針や提言を取締役会へ報告することとしています。
<CO2排出量の削減目標>
スコープ2(電力使用)における具体的な目標値として、CO2前年比1%削減を掲げておりました。社内での節電活動を継続したものの、全国に6つの拠点を持つテーエス運輸株式会社をグループ化したことが影響し、グループ全体での削減目標には届きませんでした。
しかし、2050年CO2排出を実質ゼロとするカーボンニュートラルには一企業の意識、一従業員の意識が重要であると考え、引き続き2025年度の目標値を、スコープ2におけるCO2前年比1%削減といたします。
スコープ1につきましては車両(トラック)の脱炭素化の技術開発進捗を鑑みながら、今後具体的な目標値を設定してまいります。
<人的資本目標>
高圧ガス移動監視者資格の保有者数につきまして、2023年度末83名、2024年度末135名となっており、今後も資格取得説明会を開催する等、資格保有者数の増加を目指しグループ全体の知識や技術の向上を図ってまいります。
また、当社は男女平等や女性活躍の場推進の方針を掲げており、2024年度中に女性取締役2名を選任いたしました。
これにより当社取締役のうち、女性の占める割合は22.2%となりました。
男性の育児休業等の取得率に関しましては、前年度0%でしたが、2024年度中に1名の取得者が居り、配偶者が出産した労働者も1名でしたので、取得率は100%となりました。
引き続き育児休業の取得し易い風土の醸成、工夫、意識改革に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
特定の取引先(荷主)に係る集中度につきましては、売上高の20%を超える取引先が1社あります。各社との取引関係は良好かつ安定的に推移しておりますが、当業界における環境の変化、または予期せぬ事象等により契約解消となった場合には、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
このリスク管理として、各事業所の特定荷主に特化してきた事業体制を複合化物流システムに切り替えると共に、産業用ガス輸送をはじめとした新たな分野への進出を図り、取引先との集中度の緩和に努めてまいります。
当社グループは、既存の事業基盤にシナジー効果が期待できる事業へのM&A(企業の合併・買収)や資本提携を行う可能性があります。実施に際しては事前の投資分析・精査等十分な検討を行いますが、買収提携後において予め想定しなかった結果が生じ、事業計画が当初計画どおり進捗せずに当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
地震、風水害などの自然災害が発生した場合、当社グループが保有している賃貸商業設備、物流施設、営業所等の損壊被害に加え、電力、道路などの社会インフラ機能の低下により、当社グループの事業運営に直接的または間接的に影響を及ぼす可能性があります。災害対策については、防災マニュアル等の整備に努めておりますが、被害を完全に回避できるものではなく、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが輸送している商品には、天候によって出荷量が左右されるものがあります。特に異常気象や天候不順による冷夏または暖冬等が発生した場合は、各輸送部門において、輸送数量の減少につながるため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、貨物自動車運送事業を主体とすることから、事業遂行にあたり燃料の使用が不可欠であります。
現在、安定的かつ適正価格で供給を受けておりますが、世界の石油情勢の変動により大幅に燃料費が高騰した場合は、輸送コストが上昇し、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、大型トレーラー及び特殊車両等により種々の製品の輸送業務を行っており、安全と輸送品質の向上に努め、徹底した運行管理を実施しております。しかしながら、重大な事故が発生した場合、取引先の信頼及び社会的信用が低下するとともに、営業停止等の行政処分を受ける可能性があります。これらの事象は、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの貨物自動車運送事業は、各種の法的規制(貨物自動車運送事業法、貨物利用運送事業法等)を受けております。今後、規制内容の変更・強化が生じた場合にはコストの増加等により、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
賃貸施設である自社ビル等自社賃貸施設及び借上転貸施設は、現在、問題なく稼働しておりますが、既存テナントの解約や契約更新がなされない場合、あるいは賃料の減額要請等があった場合、賃料収入が減少し、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは全ての賃貸施設の稼働を維持し、継続的な収益の確保に努めてまいります。
当社グループが継続的に成長を続けていくためには、優秀な人材を安定的に確保し、教育・育成する必要があると認識しております。
しかしながら、人材確保・育成が不十分のため、適切な人員配置等に支障が生じた場合には、当社グループの業績や今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
売上債権、貸付債権等の貸倒損失に備えるため、適正に貸倒引当金を計上しておりますが、取引先の信用悪化等により貸倒損失が発生することや、貸倒引当金の追加引当によって業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは不良債権の発生抑止のため、取引先毎に与信管理及び信用調査を実施し、リスク管理に努めております。
当社グループでは、業務運営の効率化や他社との差別化を図るため積極的にIT化を推進しており、主力事業の貨物自動車運送事業においては、コンピュータによる管理・運営の依存度がますます高まってきております。
今後、業務上使用するコンピュータシステムや回線に重大な不具合、災害等による障害が発生した場合、その障害の規模によっては業務に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、個人情報保護法により定められた個人情報の漏洩防止のため、「個人情報保護管理規程」及び「電子計算処理データ保護管理規程」を定め個人情報保護の周知徹底を図っております。しかしながら、情報化社会における個人情報を取り巻く環境は多様化しており、予期せぬ事態により個人情報が漏洩した場合には、当社グループの社会的信用の低下や対応のために発生する費用などにより業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 固定資産の減損処理について
当社グループは、事業用の様々な有形・無形の固定資産を計上しており、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。事業環境の大幅な変動が生じた場合や土地等の固定資産価格が下落した場合には減損損失が発生し、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)におけるわが国経済は、円安によるインバウンド需要の増進も見られますが、一方で米国の通商政策や、国際紛争が長期化する中、足元では物価の上昇や労働力不足が継続するなど、経営環境は不透明な状況となっております。
当社グループの主力事業である貨物自動車運送業界におきましては、物価高における人件費や燃料費などのコスト全般が上昇するなか、運賃の上昇が原価上昇分に追いついておらず、厳しい経営環境が継続しております。
このような状況のもと当社グループにおきましては、新たに参入した産業用ガス輸送の高度なスキルを要する人材育成に向けた投資を積極的に行っておりますが、既存輸送においては一部荷主との運賃協議が想定通りには進まず、営業利益で対前年を下回りました。
トラック輸送におきましては、将来にわたる持続可能な収益基盤改革に向け、特殊貨物輸送などの参入障壁の高い物流へシフトを加速させるべく、積極的な投資を推し進めるとともに、競合他社との差別化を図ることで収益的な成長を図ってまいります。
また、3PL型物流におきましても、情報化社会のツールを有効活用した、新たな営業展開を強化し、事業拡大を図るとともに安定的な収益の確保に努めてまいります。
当社グループは引き続きESGを意識した経営、3PL型物流サービスの拡大、M&Aによる業容の拡大を推進し、企業価値向上に努めてまいります。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は10,370,887千円(前年同期比0.6%増)、営業利益186,773千円(前年同期比40.8%減)、経常利益250,085千円(前年同期比37.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益105,654千円(前年同期比33.9%増)となりました。
セグメント別の業績につきましては、次のとおりであります。
(貨物自動車運送事業)
飲料輸送およびその他の一般貨物輸送につきましては、2024年問題の労働力不足を背景に各荷主による物流合理化対策が予想以上に進みオーダー量が減少したことに加え、各輸送協力会社においては収益性を優先する流れの中で輸送車両の確保にも苦戦いたしました。
特殊貨物輸送につきましては、子会社である株式会社東北三光と魚津運輸株式会社の業績は安定的に推移しており、また当期から当社グループに加わりましたテーエス運輸株式会社は収益改革が進むとともに産業用ガス輸送の拡大に大きく寄与いたしました。
3PLにつきましては、年間を通してほぼ満床状態で稼働しており、安定的に推移しております。
トランスポートサービス(配車サービス)につきましては、北陸コカ・コーラ社との連携強化による業務拡大が寄与し増収となりましたが、他の荷主のオーダーは減少したことで、収益に影響を及ぼしました。
以上から、当事業の売上高は、関連業務の荷役・保管作業収入を含め、9,472,187千円(前年同期比0.8%増)となり、セグメント利益は170,872千円(前年同期比32.3%減)となりました。
(不動産賃貸事業)
自社施設のうち東部ビルでは当期中に空室が埋まり、満床稼働となりました。他の不動産施設においても安定稼働をしており良好に推移しております。
この結果、当事業の売上高は642,498千円(前年同期比1.2%減)となり、セグメント利益は401,848千円(前年同期比3.0%減)となりました。
(その他事業)
自動車整備事業については外注量が減少し、この結果、当事業の売上高は、271,125千円(前年同期比9.5%減)となり、セグメント利益は92,834千円(前年同期比12.9%減)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末と比べて119,010千円減の4,468,595千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は、737,704千円(前期は957,039千円の収入)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益310,609千円、減価償却費629,907千円、主な減少要因は、法人税等の支払額230,660千円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果支出した資金は588,906千円(前期は476,647千円の支出)となりました。主な増加要因は、投資有価証券の売却による収入233,890千円、主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出249,723千円、保険積立金の積立による支出134,772千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出486,164千円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果支出した資金は、267,808千円(前期は313,866千円の収入)となりました。主な増加要因は、長期借入による収入37,000千円、主な減少要因は自己株式の取得による支出69,119千円、長期借入金の返済による支出38,178千円、配当金の支払額114,820千円などであります。
③ 営業実績
(注) 貨物自動車運送事業のうち、運送委託の実績は次のとおりであります。
(注) 1.委託比率は売上高(貨物自動車運送事業)に対する運送委託費の割合であります。
2.主要な運送委託先は、中越テック株式会社、株式会社ネクストエンタープライズ、サントリーロジスティクス株式会社等であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
これらの見積りについては過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴い、実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能性まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
1) 財政状態
資産、負債及び純資産の状況
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、24,676,538千円となり、前連結会計年度末と比較し、175,831千円増加しました。これは主に、現金及び預金が119,010千円、車両運搬具が222,021千円減少した一方で、のれんが277,770千円、投資有価証券が116,090千円増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債総額は、4,372,422千円となり、前連結会計年度と比較して、137,483千円増加しました。これは主に、支払手形が86,121千円、営業未払金が82,640千円減少した一方で、退職給付に係る負債が212,086千円、繰延税金負債が60,219千円増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は20,304,115千円となり、前連結会計年度と比較して、38,348千円増加しました。これは主に、自己株式の取得による減少69,119千円、その他有価証券評価差額金の増加105,469千円などであります。
この結果、自己資本比率は81.9%となりました。
2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、10,370,887千円(前年同期比0.6%増)となりました。
これは、貨物自動車運送事業における売上高が9,472,187千円、不動産賃貸事業の売上高が642,498千円、その他事業の売上高が271,125千円であったことによるものです。
貨物自動車運送事業における飲料輸送については、各荷主の物流合理化によりオーダー量が減少するなどし、売上は若干の減少となりました。セメント輸送については、大型工事の終了による減少の要因はあったものの、子会社である東北三光の稼働は順調に推移いたしました。
産業用ガス輸送については、当期からテーエス運輸株式会社がグループに加わった事により売上は大きく増加いたしました。
不動産賃貸事業においては、ほぼ満床状態が続いており、安定した売上を確保しております。
その他事業においては、自家整備工場の外注の取込量が減少いたしましたので売上が減少しております。
② 営業利益
営業利益は、186,773千円(前年同期比40.8%減)となりました。これは、物流コストの上昇やM&A関連費用によるものであります。
③ 営業外損益
営業外収益は、受取配当金69,469千円により、84,415千円(前年同期比23.0%減)なりました。
営業外費用は、支払利息14,459千円が発生し、21,103千円(前年同期比9.6%減)となりました。
④ 経常利益
経常利益は、250,085千円(前年同期比37.8%減)となりました。
⑤ 特別損益
特別利益は、投資有価証券売却益175,840千円により、215,733千円(前年同期比55.4%増)となりました。
特別損失は、減損損失152,977千円により、155,209千円(前年同期比39.7%減)となりました。
⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、105,654千円(前年同期比33.9%増)となりました。
セグメント別の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
1) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概況 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
2) 財務政策
当社グループは、健全で安定した財務体質の形成に努め、営業活動によるキャッシュ・フローから得られた資金を投資に向け積極的な事業拡大を図ってまいります。
資金の流動性につきましては、運転資金及び設備資金を自己資金及び銀行等の金融機関からの借入を基本とし、安全かつ安定的な資金運用が可能と認識しております。
経営課題と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。