第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社並びに持分法適用子会社)が判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間における我が国経済は、経済活動の持ち直しの動きがみられたものの、世界的な情勢不安、円安の進行等に伴う原材料価格上昇、物価高騰の影響など、個人消費は持ち直しに足踏みがみられるなど、緩やかな回復となりました。

このような状況のもと、当中間連結会計期間の経営成績は、不動産再生事業における反動減に対して、タクシー・バス事業で移動需要の順調な回復と不動産分譲事業におけるプロジェクト用地の売却を主要因として、売上高は45,733百万円(前年同中間期比3.9%増)となったものの、タクシー事業において需要の増加に対応するため乗務員採用強化や乗務員教育などの人的投資を進めたこと等により営業利益は668百万円(同44.9%減)、経常利益は1,062百万円(同36.9%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は534百万円(同33.2%減)となりました。

なお、当社グループの不動産分譲事業では、顧客のニーズに合わせて下半期に竣工する物件の割合が高いため、下半期の売上高は上半期の売上高と比べ、高くなる傾向にあります。

また、当中間連結会計期間より、従来の「金融事業」を「不動産金融事業」に名称変更しております。この報告セグメントの名称変更がセグメント情報に与える影響はありません。

 

セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

①タクシー事業

タクシー業界においては、都市部や観光地における訪日外国人(インバウンド)等の急増や、高齢者を中心に乗務員の離職増によるタクシーの局地的な供給不足が生じ、政府主導での日本版ライドシェアの導入エリアが順次拡大しています。

当社グループにおいては、引き続き「ママサポートタクシー」(78地域、累計登録者数528千人、利用回数はのべ1,239千回、うち陣痛時利用41千回)、「子どもサポートタクシー」、「No.1タクシーネットワーク」(提携及び商流サービス利用を含め813社)など、サービス展開を全国の営業所にて推進しております。路線バス廃止や交通不便地区での移動困難者の外出を支援する「乗合タクシー」(70市町村301路線)、「救援事業・便利屋タクシー」、「お墓参りサポートタクシー」、低濃度オゾン発生装置の全車搭載など、他社との差別化を図っております。また、脱炭素社会への取り組み「全国タクシーEV化プロジェクト」において、全国で持続可能な環境配慮型タクシー事業の実現を推進しております。乗務員募集・採用では国土交通省「女性ドライバー応援企業」、「働きやすい職場認証制度」のPRと「女性会議」、「マスターズの会」の開催、事業所内保育所や近隣保育施設との業務提携、若年者の採用優遇制度「夢チャレ」、タクシー運転体験会の実施、インターネット、ホームページ、テレビCM等の活用により女性乗務員や若年層の採用を進めることで、若返り及び定着を図っております。(括弧内の数値はいずれも2024年9月30日現在)

売上高は利用者の需要回復と運賃改定の進展により25,462百万円(前年同中間期比1.6%増)となりましたが、需要の増加に対応するため乗務員採用強化や乗務員教育などの人的投資を進めたこと、GX投資を進めたこと、燃料価格の高騰、車両のEV化等により、セグメント損失は1,000百万円(前年同中間期はセグメント損失45百万円)となりました。

②バス事業

バス業界においては、全国各地での大型イベントの開催、訪日外国人及び国内観光客の団体旅行も含め、バス利用は回復傾向となっております。

当社グループの沖縄県内の路線バス部門では、交通系ICカード「OKICA」の運用、5市町村9路線でのコミュニティバスの運行、各種実証実験や需要に応じた新規路線の運行、沖縄県産品の販路拡大、地域活性化を目的とした貨客混載、「沖縄スマートシフトプロジェクト」ではMaaSアプリ「my route」内でバス1日乗車券やデジタルチケットを販売、一部路線ではクレジットカード系のタッチ決済を導入、「那覇バスターミナル」ではデジタル多言語案内板等による利用者の利便性向上に努めております。なお、脱炭素社会への取り組みとしてEV路線バス3台を那覇市内線で運行、運転手不足対策として沖縄県豊見城市ほか4社で自動運転包括連携協定を締結しております。

一方で、沖縄県内の貸切バス部門においては、バスガイド等で構成する音楽ユニット「うたばす」による営業活動に取り組むとともに、動画配信サイトでは沖縄のバス旅行の魅力を配信、繁忙期の運転手・バスガイド不足には、グループ会社や協力会社からの出向受け入れにより対応しております。また、渋滞対策・公共交通利用促進として「沖縄県わったーバス利用促進乗車体験」実証事業への協力、子供向け仕事体験イベントへの出展、「ミニフェスタ」「マスターズの会」ではバスの運転体験会も開催、国土交通省「働きやすい職場認証制度」認証取得のPRなど、乗務員等の採用にも注力しております。

バス事業全体では、16年ぶりの運賃改定、沖縄県を中心に団体旅行やインバウンド需要の回復、大型イベントの再開など輸送人員が増加したこともあり、売上高は3,363百万円(前年同中間期比12.7%増)となり、セグメント利益は56百万円(前年同中間期はセグメント損失336百万円)と改善しました。

③不動産分譲事業

不動産分譲事業では、一部の物件で、実際のモデルルームを360°見ることができるVRモデルルームの設置、オンラインシステムを利用した商談、不動産売買契約時の電子化等も準備し、お客様のニーズに合った営業活動を行っております。

このような状況の下、マンション販売におきましては、滋賀において「近江八幡」(97戸)、千葉において「鎌ヶ谷」(70戸)、愛知において4社共同事業である「MMキャンバス南大高」(192戸)の3棟359戸を新規販売するとともに、北九州において「小倉砂津」(73戸)、「小倉片野」(39戸)の2棟112戸の新規竣工を含め完成在庫の販売及び引渡しにより、売上高は8,017百万円(前年同中間期比1.4%減)となりました。

戸建住宅におきましては、「暮らしを潤す高品質な土地付住宅」をテーマにした第一ホーム㈱の「ユニエクセラン」シリーズを、北九州において「吉祥寺町」(4区画)、「竹末」(2区画)、福岡において「小郡福童」(5区画)、「春日ヒルズ」(6区画)、「舞の里」(2区画)、「ふくつテラス」(19区画)を新規販売するとともに、完成在庫の販売に取り組んだ結果、売上高は1,021百万円(前年同中間期比32.1%増)となりました。

以上により、不動産分譲事業全体の売上高は、マンションプロジェクト用地の売却等その他2,345百万円を加えた結果11,385百万円(前年同中間期比22.4%増)、セグメント利益は702百万円(同142.0%増)となりました。

④不動産賃貸事業

不動産賃貸業界においては、企業のリモートワーク定着に伴うオフィスの縮小に対し、出社回帰の動きがあるものの、原材料価格・人件費等の高騰に伴う飲食店の減少が懸念されています。

当社グループでは、九州沖縄・中国・四国・近畿・北陸・関東・東北・北海道の16道府県で、飲食ビルを中心に商業施設・オフィスビル・マンション・倉庫・駐車場等2,067戸の賃貸及び管理を行っております。飲食ビルテナントへの取組みとして、九州地区で当社グループタクシーとテナント内で利用が出来る「共通クーポン券」の販売を引き続き実施し、飲食ビルの利用客増加、既存テナントの囲い込み及び新規入居の推進を図っています。今後も継続して営業支援に取り組むとともに、タクシー事業の拠点となる主要地域においてシナジー効果と営業エリアの拡大、パーキング事業との連携強化を進めることで、収益力の高い賃貸物件の購入を積極的に行い、賃料収入の向上に努めてまいります。

売上高につきましては、飲食ビル等の入居率は維持しているものの、大型商業施設(津イオン)の解体等の影響により2,421百万円(前年同中間期比6.6%減)、セグメント利益は1,185百万円(同7.6%減)となりました。

⑤不動産再生事業

当社グループにおける不動産再生事業は、集まる不動産情報を吟味し、付加価値を高めマーケットにマッチした再生物件として販売しており、不動産市況や経済動向を見極めながら、積極的に展開しております。

売上高につきましては、前年同中間期に長崎県西彼杵郡時津町での分譲マンション引渡しの反動減に対し、小口物件の売却に留まった結果292百万円(前年同中間期比80.9%減)、セグメント利益は43百万円(同80.5%減)となりました。

⑥不動産金融事業

当社グループにおける不動産金融事業は不動産担保融資に特化しており、先行きの不透明感はあるものの、目先の堅調な不動産市場動向に支えられ、良質資産の積み上げに努めておりますが、前連結会計年度以降の大口回収や貸出審査の厳格化等により、不動産担保ローンの融資残高は11,337百万円(前連結会計年度末比741百万円減)となりました。

売上高につきましては、前連結会計年度に開設した大阪支店の不動産担保ローンの新規貸付が寄与し、期中平均融資残高が増加した結果534百万円(前年同中間期比12.0%増)、セグメント利益は378百万円(同28.2%増)となりました。

⑦その他事業

その他事業は、自動車の点検・整備、LPGの販売、パーキング事業、マンション管理、船舶事業、介護事業のほか多岐にわたる事業を展開しております。

既存事業の充実に注力した結果、売上高は2,273百万円(前年同中間期比9.9%増)となりましたが、セグメント損失は642百万円(前年同中間期はセグメント損失422百万円)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,559百万円減少し、13,213百万円となっております。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は2,794百万円(前年同中間期は4,054百万円の使用)となりました。これは主に、減価償却費1,656百万円、営業債権の減少による資金の増加1,020百万円及び税金等調整前中間純利益853百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は2,446百万円(前年同中間期は3,692百万円の使用)となりました。これは主に、事業用資産の車両、土地・建物の取得を中心とした有形・無形固定資産の取得による支出1,746百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は1,907百万円(前年同中間期は5,301百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入10,185百万円及び短期借入金の増加2,616百万円に対し、長期借入金の返済による支出13,925百万円があったものによります。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

(5)研究開発活動

該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。