文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループは、「全方位の物流機能を有する3PL企業集団」として、その卓越した提案力、専門性、課題解決力をもとに、サプライチェーンの一翼を担うことでお客様の効率的な企業活動をサポートしております。
また、物流という生活の重要な社会インフラに携わる当社グループは、その社会的責任の重要性を認識し、安全、環境、人的資本に関わるサステナビリティ経営に真摯に取り組むことで、持続的な社会の実現と企業価値向上の両立を目指してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、中長期的な視点から事業の持続的成長、収益力及び資本効率の向上を図る方針であります。また、重要な事業戦略、投資戦略の一環として、物流施設の自社開発と流動化サイクルを計画的に循環させることで、3PL及び4PL事業の安定的成長を図る独自のビジネスモデルを推進しております。積極投資により収益力を高めるとともに財務の健全性も堅持し、売上高営業利益率5.5%、自己資本比率30%の達成を中期的な目標として掲げ、これを判断指標と位置づけております。
構造的な人手不足や技術革新、脱炭素社会の到来など、物流業界はかつてないほどの変革期を迎えております。ドライバーなどの労働力不足が深刻化する一方、LT(ロジスティクス・テクノロジー)、IT(情報技術)、AI(人工知能)を活用した先端技術の実装が進んでいます。また、EC通販市場の急拡大により商流が変わりゆく中、物流企業もそれに呼応する形で大きな変革を求められています。
当社グループは、このような経営環境のパラダイムシフトを好機として捉え、自らも変化し続けることで激化する企業間競争に勝ち残ってまいります。“ロジスティクス×IT”で成長するメガベンチャーとして、強みとする柔軟性とスピードを最大限発揮しつつコーポレートガバナンスの充実にも取り組み、物流の未来を創造する集団であり続けます。このために、次の基本方針を掲げます。
3PL及び4PL事業では、グループ各社の特長を生かした独自の事業展開に加え、物流施設や輸配送網、顧客基盤など当社グループ共通のプラットフォームを活用することにより、お客様に対する最適な物流ソリューションの提供とスケールメリットの実現を目指します。EC物流、国際物流の事業領域でも同様に、グループ横断で築き上げた共通基盤に立脚したビジネスモデルで、成長市場を取り込んでまいります。
3PL及び4PL事業拡大とサービス品質向上のため物流施設を自社開発する一方、財務安全性の維持に向け既存施設の流動化を計画的に推し進めます。
必要に応じM&Aも利用しながら、ラストワンマイルも含めた国内の輸配送網を整備するとともに、グローバルベースでの一気通貫体制を構築してまいります。
物流施設への最先端技術の実装など物流DX(デジタルトランスフォーメーション)化を加速することで、業界トップクラスの省力省人化を実現し競争優位性を確保します。
社会インフラを担う当社グループにとっての重要課題(マテリアリティ)である「安全、環境、人材」を重視した経営に取り組み、社会課題の解決に積極的に貢献します。グループの人材力及び組織力を最大限に引き出し、中長期的な企業価値の向上につなげてまいります。
米中摩擦にともなう世界経済の分断、米国新政権の高関税政策に加え、長期化するロシアのウクライナ侵攻や中東地域の緊張などの地政学リスクを背景として、グローバルな供給網の再編機運が高まっています。国内においても、人件費の上昇とエネルギーコストの高止まり、さらには日銀による金利引き上げなどにより、物流企業を取り巻く環境の不確実性が増しています。
このような中、当社グループは、前期に策定した3カ年経営計画「SBS Next Stage 2025」にもとづき、社会インフラを担う企業として一歩先の成長ステージに向けた取り組みに邁進しています。引き続きベンチャー精神を維持しつつ、“ロジスティクス×IT”をテコに業界トップシェアの地位を確たるものとし、あらゆる顧客の物流ニーズに応えながら社会と共生し信頼される企業を目指してまいります。
3カ年経営計画では、中核に位置づける3PL及び4PL事業の推進に加え、市場拡大が続くEC事業への注力、高い成長が期待できる海外での事業拡大を成長戦略の3本柱として掲げました。持続的成長を実現するため3つの事業領域に経営資源を集中配分するとともに、それらを支える事業基盤の強靭化にも取り組み、3PL及び4PL、EC事業をけん引する物流人材や海外展開に備えたグローバル人材の育成、物流施設開発や将来のイノベーションを見据えたLTの実装を進めています。同時に、物流事業のベースを支えるドライバーをはじめ人的資本の充実を重要な経営課題と捉え、そのための人事制度の整備、優秀な人材の採用とリスキリングを促進させるほか、社員一人ひとりが働きがい・誇り・生きがいを持てる環境作りに努めてまいります。
物流企業としての社会的責任を果たすため、交通事故の防止や作業の安全確保などの安全対策はもちろんのこと、エコドライブの推進や車両・施設に起因する環境負荷の軽減などの地球環境の保全策にも積極的に取り組みます。さらに内部統制、コンプライアンス、リスク管理の徹底によりコーポレートガバナンス体制を強化することを通じ、グループ全体でサステナビリティ経営を実践し持続可能な社会への貢献と企業価値向上の両立を図ってまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
SBSグループでは、企業を取り巻く環境が大きく変化し、社会課題の解決による持続可能な社会の実現と、持続的な企業価値の向上の両立を図ることの重要性が一層増していることを踏まえ、重要課題(マテリアリティ)を再定義するとともに、従業員が大切にするべき価値と目標を示すことを目的として「サステナビリティ方針」を制定いたしました。また、中期経営計画「SBS Next Stage 2025」において、サステナビリティ経営を支えるガバナンスの強化と重要課題(マテリアリティ)への対応強化を掲げ、経営戦略とサステナビリティの統合を図りました。今後も企業価値の向上と持続可能な社会の発展を目指し、サステナビリティ経営を推進していきます。

(1) サステナビリティ基本方針
SBSグループでは、以下のサステナビリティ方針を2023年1月に定めました。サステナビリティ経営を推進するにあたり、従業員が大切にするべき価値と目標を示すとともに、ステークホルダーに向けた方針の適切な開示を行うことを目的としたものです。物流を生業にする企業らしく、“つながり”を方針のテーマとしています。「人・社会・地球」の3つの“つながり”というテーマは、重要課題とも共通です。SBSグループが賛同する国連グローバル・コンパクトとも通底する内容としています。
[基本理念]
SBSグループは人を尊重し、社会的責任を貫くという経営理念の精神に基づき、社会インフラである物流を通じて、人々の暮らしの安定と持続可能な社会の実現に貢献するため、以下の方針のもと、グループ全従業員が国際社会の一員である自覚を持ち、積極的にサステナブルな取り組みを推進します。
[基本方針]
●SBSグループは、人とつながり、人の想いを大切にします。
・私たちは、あらゆる企業活動において人権および多様な価値観を保護・尊重します。
・私たちは、多様な人財が互いを認め合い協働できる風土と、安全で健康に働くことができる環境を提供します。
・私たちは、適時・適切な教育を実施し、価値創造をもって社会に貢献できる人財を育成します。
●SBSグループは、社会とつながり、社会の期待に応えます。
・私たちは、法令・国際ルールを遵守し、公正・誠実に業務を遂行するとともに、徹底した腐敗防止に取り組みます。
・私たちは、社会のルールを尊重し、地域社会と相互に信頼しあい、事業活動を通じて社会に貢献します。
・私たちは、適切な情報開示と責任ある対話を実施し、全てのステークホルダーの要請や期待に誠実に応えるよう努力します。
●SBSグループは、地球とつながり、地球の未来に配慮します。
・私たちは、環境経営の徹底を重要課題とし、あらゆる事業活動で環境負荷の低減を進め、地球の環境保全に最善を尽くします。
・私たちは、気候変動のリスクを常に意識し、脱炭素社会の実現に向けた温室効果ガス排出削減の取り組みを推進します。
(2) 重要課題(マテリアリティ)
サステナビリティ経営における重要課題(マテリアリティ)は、「自社のビジネスモデルの持続可能性にとっての重要性」を意味します。これを示す(重要課題を特定し、取り組みをすすめ、開示する)ことは、ステークホルダーにとって企業の中・長期的な持続可能性を見極めるうえで非常に有用な情報となります。企業としての価値観(経営理念)とビジネスモデルに基づき、企業活動を行う上で、影響(リスクと機会の観点から)のある課題を整理しました。なお、重要課題についてはステークホルダーの重要度評価(投資家の評価・評価機関の指標など)、また、当社グループにおける重要度評価(事業戦略上の注力事項・実際の取り組みなど)に照らし合わせながら再評価を行うとともに、重点事項を確認していくものとします。
■安全
社会インフラを支える物流事業の発展を実現するためには、事故ゼロを目指した安全への取り組みは最重要事項です。
■環境
社会と共生し、社会から信頼される企業であり続けるためには、グローバルな課題である環境問題への対応は必要不可欠な重要事項です。
■人財
安全・環境への取り組みを含む企業活動を担うのは人財です。競争力を強化するうえで人財の育成は重要事項です。
<主要KPIの目標と実績>
当社グループの主要KPIの目標と実績については、
https://www.sbs-group.co.jp/sbshlds/csr/report/
SBSグループは、サステナビリティ方針に則った経営体制の整備・強化を行い、グループ全体でサステナビリティ経営を実践して持続可能な社会の実現と持続的な企業価値の向上の両立を図るため、2023年1月にサステナビリティ推進委員会を設置しました。本委員会は、取締役会の諮問機関と位置付け、SBSグループ全体のサステナビリティ戦略・活動方針の立案と、KPI指標およびグループ内活動の連携状況のモニタリングを行います。本委員会は、当社の代表取締役を議長とし、当社の取締役、執行役員およびグループ各社の代表取締役により構成されます。同委員会の下部組織には、リスク管理会議、コンプライアンス会議、環境経営推進会議、運輸安全推進会議、CSIRT会議の5つの会議体が設置されており、これらの会議体では、同委員会の活動方針のもとで、それぞれの領域での施策が立案、実施されています。リスク管理会議、コンプライアンス会議、環境経営推進会議はサステナビリティ推進部が、運輸安全推進会議は物流品質管理部が、CSIRT会議はIT企画部が事務局を担当し、グループ各社との実務連携を行っています。SBSグループは、これらの体制のもと、気候変動問題を含むESG課題についての対応を企画・決定・実施しております。

中期経営計画には3カ年重点施策として「サステナビリティ経営基盤の強化」「人的資本に関わる取り組み」が盛り込まれており、さらにマテリアリティ(安全・環境・人財)に基づいた注力事項が設定されています。こうして、経営計画とサステナビリティ計画の統合を図ることにより、持続可能な社会の実現と企業価値向上の両立を目指した体制の構築を目指しております。
■中期経営計画(「SBS Next Stage 2025」)におけるサステナビリティ重点課題
持続可能な社会の実現と企業価値向上の両立を目指した体制の構築
●サステナビリティ経営を支えるガバナンスの強化
●安全、環境、人財の3分野における重要課題(マテリアリティ)の取り組み
・安全:重大事故ゼロを目標に安全・安心な物流サービスの提供
運輸安全マネジメントの推進
安全教育カリキュラムの着実な実施
・環境:環境に配慮した物流施設・輸配送体制の整備
次世代自動車の導入、燃費改善への取り組み
LT・ITを活用した効率化された物流施設の提供
温室効果ガス排出削減の取り組み
・人財:人財力・組織力を高め、グループ総合力を強化
SBSグループでは、「SBSグループリスク管理規程」を定め、経営活動の脅威となり得るすべてのリスク事象の管理を図るとともに、グループ全体でのリスク管理を継続的に行っていくために、グループ各社から選任された委員で構成される「SBSグループリスク管理会議」を設置しています。原則として年間2回開催する同会議では、リスクをグループ全体とグループ各社に分け、各々のリスク対策状況のモニタリングを実施し、リスク発生の未然防止と、緊急事態によって発生する被害の抑制に取り組んでいます。また、短期および中・長期的な経営成績、株価および財務状況に影響を及ぼす可能性があるリスク事象として、15のカテゴリーを設け、リスク毎に発生可能性・影響度・制御可能性・対応状況を管理しています。
(6) 気候変動への取り組み
気候変動問題への対応は、企業価値と持続可能な社会の構築との双方にとって重要な課題であるとの認識のもと、主要な経営リスクのひとつに掲げてまいりましたが、TCFD提言への賛同を2022年12月に表明するとともに、提言内容に基づき以下のとおり気候変動対応を推進しています。
① 気候関連課題のガバナンス構成
サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)ガバナンスに記載の「サステナビリティ推進委員会」を中心にリスク評価・戦略の決定を行っております。
② 気候変動にかかわるリスク評価と戦略
・リスク評価
サステナビリティ推進委員会では、当社グループにおける環境分野の実施状況を確認・評価しています。環境についてはCO₂排出量における削減状況、環境法違反件数等を対象とし、目標達成状況の確認・評価を行っています。また環境経営推進会議では、気候変動に関わるリスクと機会の評価、環境主要KPIや中長期目標の策定やモニタリング等の環境経営推進上の重要事項について審議、または変更、改善の必要性を評価し、委員長であるSBSホールディングス代表取締役がレビューを行い承認しております。
・戦略
気候変動リスクを、最重要リスクと位置付け、以下〈気候変動シナリオ分析〉記載のとおり気候変動シナリオの分析を行い、気候変動に関するリスクと機会による影響を把握しております。また、気候関連課題を含むサステナビリティ領域を担当する取締役については、気候変動課題を含んだサステナビリティ領域での業務経験を有し、SBSグループサステナビリティ推進委員会および取締役会において提案や説明が可能であることを条件としています。
③ シナリオ分析
気候変動に伴うリスクと機会は、自社の事業戦略に大きな影響を及ぼすとの認識により、サステナビリティ推進委員会を中心とする推進体制のもと、1.5℃シナリオおよび4℃シナリオを用いて以下のプロセスを通じて気候変動に伴うリスクと機会を特定および重要性評価を実施しました。
・1.5℃シナリオ
炭素税の導入を含む規制強化によるコスト増や、エネルギー源の価格上昇リスクが想定されます。当グループは、「シンシアチャレンジ2030」の達成に向け、次世代自動車の導入・再生可能エネルギー由来の電力調達・太陽光発電設備増設と再生可能エネルギーの自家利用率向上を重点課題として取り組みます。
・4℃シナリオ
自然災害が激甚化することで、物理的リスクがこれまで以上に高まることに備え、気象災害を含むBCP対策(各拠点のハザード情報管理、リスク情報の分析・検知など)を含む災害対策関連投資の促進の検討を行います。また、物流事業は、屋外や倉庫内での人力作業を伴うため、気温上昇に伴う生産性の低下や従業員の健康被害が懸念されます。職場環境の整備ならびにDX化による省人化・効率化を進めていきます。

■シナリオ分析(想定されるリスク・機会)
■シナリオ分析(想定されるリスク・機会に対する施策)
■主な財務への影響(2030年時点の仮説に基づく想定)
※気候関連リスクを特定・評価する際の「重大な財務上または戦略上の影響」の定義
気候関連リスク・機会を特定・評価する際に事業に対する財務または戦略面での重大な影響については、SBSグループサステナビリティ推進委員会において、資金、人的資源、財務諸表の規模、各事業部門における事業計画などの側面から代表取締役を議長とするサステナビリティ推進委員会のメンバーで、売上に一定の影響を及ぼすなどの財務的な観点を含め総合的に審議し、重大な財務影響となりうるリスクおよび機会を決定した上で、最終的に取締役会で承認を得ております。なお、事業に対する重大な財務上または戦略上の影響の大きさは、売上やコスト等における一定規模の財務への影響と発生確率をもとに定義しております。
世界的にカーボンニュートラルに向けた潮流が加速する中、2015年にパリ協定が採択され、2020年には日本が2030年の削減目標(46% ※業種別目標含む)および2050年にカーボンニュートラルを宣言するなど、企業における排出削減の取り組みが重要視されています。当社グループは総合物流事業を展開し、多くの貨物自動車を使用しています。脱炭素に向けた取り組みは、物流という社会インフラを担う企業グループとしての責務であると認識しています。また、2050年のカーボンニュートラルを見据え、2030年をターゲットにしたScope1・2の抜本的なGHG削減を目指し、以下の2点に注力した、SBSグループ脱炭素プランにより、目標達成を目指します。
■SBSグループ脱炭素プラン
車両:排出されるGHG(温室効果ガス)の削減 ※メーカーの開発動向による
(EVを始めとする次世代自動車の導入、その他技術の導入、エコドライブ)
施設:再生可能エネルギー由来の電源利用の推進 ※第6次エネルギー基本計画におけるエネルギーミックス
状況による
(グリーン電力の調達・太陽光発電による再生可能エネルギー創出増強と自家利用率向上・省エネ照明導入などの対策推進)
■削減目標
※3:日本の業種別削減目標である「運輸部門:▲35%」に基づく
<環境取り組み詳細および環境実績データ>
当社グループの環境取り組み詳細および環境実績データについては、
https://www.sbs-group.co.jp/sbshlds/csr/report/
<参照シナリオ>
● 1.5℃シナリオ:SSP1-1.9、RCP2.6
● 4℃シナリオ:SSP5-8.5、RCP8.5
● その他参考:IEA「Net Zero Emissions by 2050 Scenario」
(7) 人財戦略への取り組み
[SBSグループの人財戦略]
SBSグループでは、“企業の永遠の繁栄は、人を大事にすることにある”という理念に基づき、“人財”こそが企業の価値創造の最重要源泉と位置付けております。この考えのもと、人権尊重を基本に『多様性への理解』、『ハラスメント行為根絶への取り組み』、『働き方改革』を一体的に推進し、“人財”の育成と価値創造力の最大化を図ってまいります。
[人的資本経営に関わる取り組み]
SBSグループでは、中期3カ年計画(next stage 2025)において、グループ内人財力、組織力の強化による企業価値・競争力の向上を目指し、人的資本経営に関わる基本戦略を定めました。当基本戦略に基づき、これからの人的資本投資およびその開示に向けた基盤整備を進めてまいります。

※当社は金融庁および経済産業省がオブザーバーとして参加する「人的資本経営コンソーシアム」に入会(2022年12月15日)し、同会参加企業との情報共有や意見交換を通じて人的資本経営への理解を深め、SBSグループの次世代を担う人財への投資を一層加速し、持続的な成長と企業価値の向上に努めております。
<人的資本経営に関わる基本戦略>
① 従業員の能力向上とキャリア開発の支援
SBSグループは、人財育成基本方針に則り、グループ各社で働くすべての従業員を対象に各種教育研修を実施しています。研修は階層別研修、自己啓発研修、次世代育成研修等で構成・体系化され、社員の能力向上とキャリア開発を支援しています。
人財育成基本方針
・経営戦略ならびに人財戦略の一環として実施し、グループの成長・発展に貢献できる人財を育成します。
・多種多様な教育研修により”人財”を育成して、人的資本の蓄積を図ります。
・生涯教育を通じて社員の自己実現目標の達成を支援します。
具体的な取り組み
・事業戦略に沿った動的人財ポートフォリオ策定と、適切な人財の確保
・SBSグループ共済会の更なるグループ会社への展開
・各種研修の実施(階層別、自己啓発研修、次世代育成研修等)
・次世代リーダー育成プログラムの実施
② 従業員のワークライフバランス向上
SBSグループでは、ダイバーシティ・働き方改革の推進を軸に、“誰もが安心して働ける、能力を発揮できる”職場づくりに取り組んでいます。その一環として、産後休暇中の配偶者がいる男性従業員に対して、2024年7月から育児支援休暇(特別休暇)を制定し、男性育児休業取得を促しました。今後もそれぞれの事情に応じた多様で柔軟な働き方を提供できるよう、ワークライフバランスの推進を図ります。
具体的な取り組み
・在宅勤務制度、フレックスタイム制度の体制整備
・グループ標準(骨格)となる福利厚生制度の展開
・男性育児休暇取得率の向上(育児支援休暇の制定)
・年次有給休暇取得率の向上
年次有給休暇取得率の目標と実績
③ ライフイベントと仕事の両立を柔軟に行うための環境整備
SBSグループでは、「SBSグループダイバーシティ方針」を定め、ダイバーシティ&インクルージョンを重要な経営戦略に位置付け、3つのアクションプランによって誰もがいきいきとして能力が発揮できる環境づくりを推進しています。
3つのアクションプラン
・従業員の多様な個性を尊重します。
・従業員が個性をより輝かせることが出来るように支援します。
・従業員の多様性を活かす組織風土の醸成に努めます。
具体的な取り組み
・女性活躍推進活動の強化
・女性が活躍しやすい環境づくり
・認証制度の取得

女性活躍推進企業認定 子育てサポート企業認定 働きやすい職場認証制度
「えるぼし」 「くるみん」 (自動車運送事業者)
SBSホールディングス SBSホールディングス SBSリコーロジスティクス
SBSゼンツウ
多様性啓発推進研修参加者数の目標と実績
④ 生産的な雇用と働きがいのある人間らしい仕事(ディーセント・ワーク)の実現
SBSグループでは、「SBSグループ人権方針」においてビジネスにおける人権尊重への取り組みについて定めるとともに、『SBSグループ「人権尊重ならびにハラスメント行為根絶」宣言』を定め、従業員へ、人権尊重とハラスメント防止の理解と遵守の徹底を図っています。
具体的な取り組み
・従業員エンゲージメントの向上(2024年7月実施。スコア平均値46.9)
・障がい者法定雇用率の向上
⑤ グループ全体最適に向けた人事受託業務の再編・構築とサービスレベルの向上
具体的な取り組み
・業務品質、生産性の向上に向けた仕組みの構築と業務品質の向上
・EC野田瀬戸物流センター人事業務の安定運用
当社グループは、短期及び中・長期的な経営成績、株価及び財務状況に影響を及ぼす可能性のあるリスクを、主に外的要因に起因するもの、内的要因によるもの、その両方の側面を持つものの15の事象に区分し、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力を行っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの事業は、国内外の経済、景気動向及び顧客企業の輸送需要の動向に影響を受けます。特に、国内景気の大幅な落ち込みによる消費の低迷や極端な円高、海外景気の深刻な落ち込みによる輸出入量の減少や輸配送料金の値下げ圧力などが発生した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、事業の多様化の推進、取引先企業の拡大などによりリスクの分散を図るとともに、事業ポートフォリオの充実と最適化を推進しております。
当社グループの主力事業である物流事業には、軽油・ガソリンなどの燃料が不可欠です。世界的な原油価格の高騰や為替変動による燃料価格の想定を超えた値上がりは、コストの増加要因となります。燃料価格の想定を超えた値上がりコスト増加相当分を料金に転嫁できない場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、世界的な市場の動向を注視するとともに燃料価格の変動を予測した予算の策定及びエコドライブの推進や段階的な次世代自動車の導入などにより、燃料効率の高い物流サービスへの転換を推進しております。
当社グループの重要な成長戦略として、M&Aや3PL事業推進のための物流施設の開発を行うにあたり、必要な資金は主に金融機関からの借り入れで調達しておりますが、金融環境の悪化は戦略投資への資金調達が困難となり、調達金利の上昇が起こる可能性があります。また、一部借入金には、財務制限条項が付されておりますが、これに抵触することで当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、物流施設の流動化や営業キャッシュ・フローなどによる有利子負債の返済促進と金利の固定化などの対策を講じております。
④ M&Aのリスク
当社グループは、既存事業の規模拡大や新規事業分野へ進出するに際し、事業戦略の一環としてM&Aや資本参加、資本提携などを行っておりますが、予測できない事態により買収や提携後の事業計画の進捗が当初の予定より大幅に遅れた場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、M&Aや資本参加、資本提携などにおいては事前デューディリジェンスを徹底し、被買収企業の経営層との丁寧な調整を行います。
当社グループの不動産事業は、開発事業と賃貸事業で構成されております。開発事業における物流施設の新規開発にあたっては、販売用、賃貸用に関わらず顧客の確保を前提としており、入居者あるいは販売先を決定したのちに、顧客のニーズに合わせた仕様あるいは賃料や賃貸期間などを決定し、着工しております。そのため、受注時期や規模、仕様、完成時期、販売時期によって売上及び利益が一定の時期に偏る場合や遅延が生じる場合があります。
当社グループでは、顧客の確保を前提とした物流施設の開発を行っております。
当社グループの主力である物流事業では、貨物自動車運送業や倉庫業、通関業などの物流に関する各種事業法、不動産事業では建築基準法や金融商品取引法、人材事業では労働者派遣法などの様々な法規制を受けております。それらが、社会情勢の変化に応じて改正や強化、解釈の変更などが行われた場合は、新たな費用負担の発生や事業展開の変更を求められる可能性があります。これらの対応に新たな費用負担が発生した場合は、コストの増加要因となります。
当社グループでは、法令遵守を旨としており、業界団体をとおして情報を収集するほか、法令や制度の変更を予め想定した対策を講じております。
⑦ 自然災害等の発生によるリスク
当社グループは、トラックによる輸送や物流センターの運営を主体に事業を展開しており、大規模な自然災害などが発生した場合は、大きな影響を受けます。当社グループは首都圏に多くの物流施設を有しており、大規模な自然災害が発生した場合は、荷主企業や当社施設の被災、交通網の遮断・混乱、電気・水道などのライフラインの停止などにより、事業の継続が困難となる可能性があります。
当社グループでは、「事業継続計画(BCP)」において災害状況の想定及び対応策を定め、定期的な訓練の実施や主要な建物の耐震性の確保、事業拠点の可能な範囲での分散化を進めております。
当社グループや荷主企業で感染症による発症者が確認された場合は、オペレーションの制限や停止を余儀なくされるなど、当社グループの事業活動に様々な影響を与えます。また、従業員等を感染症から守る感染防止対策費用は、コストの増加要因となります。
当社グループでは、事業所及びトラックなどの事業用車両の衛生管理を徹底するほか、従業員等には国の指針に従った感染防止・拡大抑制対策の徹底を図っております。
当社グループは、トラックなどの事業用車両が公道を利用し、顧客の商品または製品の輸配送を行っておりますが、万が一、人命を失うような重大な事故を起こした場合は、被害者からの訴訟や顧客からの信頼喪失や社会的信用の毀損、営業停止または事業用車両の運行停止などの行政処分を受ける可能性があります。
当社グループでは、当社と当社グループが協働して設置する「SBSグループ運輸安全推進会議」にて教育・啓発、事故防止、安全運転管理の3つを重点施策としてグループ全体で運輸安全マネジメントを推進しております。
当社グループは、顧客の商品・製品の管理、倉庫管理、通関処理などの業務システムから会計システム、人事給与システムなどの社内システムに至るまでコンピュータやネットワークを使用しております。万が一、コンピュータの故障やウイルスへの感染、外部からのハッキング、大規模な自然災害などによりシステムがダウンした場合は、オペレーションの停止や制限を余儀なくされ、業務処理の遅延や混乱を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、SOC(Security Operation Center)サービスによるネットワークの監視や確認、AIを用いたウイルスの監視、次世代ファイヤーウォールによりセキュリティ強化を図っております。また、当社と当社グループ会社が協働して設置する「SBSグループ情報セキュリティ推進会議」にてグループ全体でセキュリティ対策と教育・啓発を推進しております。
当社グループは、個人情報を含む多くの顧客情報を扱っており、潜在的に個人情報や顧客情報の流出、データの喪失リスクがあります。万が一、顧客情報の流出やデータの喪失などの事態を招いた場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、社内規程で顧客情報の適正な管理を定めるとともに、「SBSグループ情報セキュリティ推進会議」のもとで、グループ全体で顧客情報の適正管理のための対策を推進しております。
当社グループは、様々な法令や幅広いルール、社会的規範のもとで事業を展開しており、関連規制への抵触や取締役や従業員等による不正行為が発生した場合は、当社グループの信用毀損や取引の停止などにより多額の損害賠償請求などを招き、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、「SBSグループコンプライアンス規程」を定め、当社グループを構成する取締役や従業員等がコンプライアンスに則した行動を取るための体制や仕組みの構築を推進するとともに、「SBSグループ行動基準」を定め誠実で公正・透明な企業風土を醸成するよう努めております。
⑬ 国際展開によるリスク
当社グループは、持続的に成長するために海外での事業展開に取り組んでおりますが、進出国または進出地域の政治体制や法規制の変化、景気の後退による経済状況の変化、感染症にともなう疾病の発生などにより社会的混乱が生じた場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、進出国または地域に関する情報を常に収集し、分析を行っております。
⑭ 人材の確保と育成のリスク
当社グループでは、人材の重要性を認識し、採用活動や人材育成に注力しておりますが、必要な人材を確保できない場合や多くの人材が社外へ流出した場合、人材の育成が計画どおりに進捗しない場合などは、当社グループの事業展開や業績及び成長戦略に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、新卒または中途採用に拘らず積極的に採用を行うとともに、人材育成の基本方針にもとづいて、グループ各社の従業員を対象とした様々な人材育成教育を実行し、能力の向上とキャリア開発を支援しております。
⑮ 気候変動によるリスク
当社グループは、気候温暖化にともなう海水面の上昇などにより、港湾部の事業拠点が浸水被害を受ける可能性や異常気象による豪雨や豪雪、台風被害などによる交通網の遮断・混乱、電気・水道などのライフラインの供給停止、熱中症による従業員の健康危害などの影響を受ける可能性があります。また、国際合意にもとづく二酸化炭素の排出規制強化や企業が排出する温暖化ガスに対する「炭素価格」の導入は、コストの増加要因となります。
当社グループでは、エコドライブの推進や段階的な次世代自動車の導入、省エネルギー設備を導入するなどの低炭素化を前提とした計画的な事業戦略及び環境戦略を策定し、気候変動リスクに長期的な視野で取り組んでおります。
当連結会計年度(2024年1月1日~2024年12月31日)は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増大等により国内消費に回復傾向がみられた一方で、資源・原材料価格の高騰や生活必需品の価格上昇、また、人手不足の影響の深刻化等により、景気の先行き不透明感が依然継続する形となりました。
物流業界においても、半導体不況や物価高騰に起因した買い控え等による物流量の減少、その一方で、「物流の2024年問題」に象徴される輸送能力不足とコスト上昇が顕在化するなど、苦戦を強いられる状況が続いております。そうしたなか、当社グループは、主力の物流事業における3PL、4PLビジネスの獲得に加えて、ワンストップのECプラットフォームサービス「EC物流お任せくん」の本格展開を開始し、関東、関西の両地域においてEC物流対応の大規模な物流センターを開設するなど、幅広いお客様のEC物流のニーズにお応えできる体制を整えてまいりました。これら新規拠点の積極的な開発によって、グループの運営床面積は当連結会計年度において、初めて100万坪を突破いたしました。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
a. 経営成績
当連結会計年度の業績については、売上高は前年同期より162億33百万円増(+3.8%)の4,481億45百万円、営業利益は同20億14百万円減(△10.2%)の177億4百万円、経常利益は同12億84百万円減(△6.5%)の184億63百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同4億37百万円減(△4.3%)の96億19百万円となりました。
セグメント別の経営成績は以下のとおりです。
(物流事業)
主力の物流事業では、既存顧客との取引拡大に加え、高い物流機能を求める新規顧客の獲得や、EC物流の需要取り込み、また、ラストワンマイルにおける置き配サービスの本格導入等、サービスラインナップの拡大にも注力しました。当連結会計年度の物流事業の売上高は、新規拠点の立上げ効果等により、前年同期より116億48百万円増(+2.9%)の4,203億33百万円となりましたが、営業利益は新規立上げコストの上昇等によって、同22億80百万円減(△19.8%)の92億20百万円となりました。
(不動産事業)
不動産事業は、開発事業と賃貸事業で構成されております。開発事業では、グループ内での3PL、4PL事業を推進するために、顧客の物流ニーズに合った大型倉庫を土地の取得から建設まで一貫して行います。賃貸事業では、グループで保有する倉庫、オフィスビル、レジデンス等から賃貸収益を得ています。当社は、将来の投資に向け物流不動産を流動化し資金を回収しており、流動化に伴い計上する収益は不動産事業に含めております。
当連結会計年度における不動産流動化に関しては、新杉田物流センター(横浜市)の信託受益権の譲渡ならびに深川倉庫(東京都江東区)の譲渡を実施しました。その結果、不動産事業の売上高は前年同期より40億36百万円増(+29.0%)の179億36百万円、営業利益は同1億50百万円増(+1.9%)の81億13百万円となりました。
(その他事業)
その他事業の主なものは、人材派遣事業、マーケティング事業、太陽光発電事業及び環境事業です。当連結会計年度におけるその他事業の売上高は前年同期より5億47百万円増(+5.9%)の98億75百万円、営業利益は同30百万円増(+8.5%)の3億90百万円となりました。
b.財政状態
資産、負債及び純資産の主な増減要因は以下のとおりです。
(資産)
当連結会計年度における総資産は3,172億87百万円となり、前連結会計年度末に比べ159億69百万円増加しました。流動資産として主に、売掛金や棚卸資産等が、また、固定資産として主に、建物、土地、投資有価証券等が、それぞれ増加しました。
(負債)
負債は2,043億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ56億14百万円増加しました。買掛金や1年内返済長期借入金等の流動負債の増加額が、長期借入金等の固定負債の減少額を上回りました。
(純資産)
純資産は1,129億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ103億55百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金等、株主資本の増加によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という) の残高は、前連結会計年度末に比べ12億23百万円減少し、284億36百万円となりました。各キャッシュ・フローの主な内訳は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は158億7百万円となりました。前連結会計年度の141億13百万円の収入と比べて、税金等調整前当期純利益の減少等があったものの、減価償却費等の非資金項目や売上債権・仕入債務等の増減の結果、16億93百万円収入が増加しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は167億23百万円となりました。前連結会計年度の101億84百万円の支出と比べて、固定資産の取得支出の増加やM&Aの実施等により65億38百万円支出が増加しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は12億93百万円となりました。前連結会計年度の76億47百万円の支出と比べて、短期および長期借入れによる収入の増加と長期借入金の返済支出の減少等により、63億53百万円支出が減少しました。
当社グループは、物流事業を中核とするサービスの提供が主要な事業であるため、記載を省略しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
3 当連結会計年度における販売実績の著しい変動の要因は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績」に記載のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりです。連結財務諸表の作成においては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報にもとづき、会計上の見積りを行っていますが、見積りには不確実性が伴い、実際の結果とは異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載しております。
当社グループの主たる運転資金は、傭車費、外注費、人件費等の売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要といたしましては、車両の経常的な更新、子会社・関連会社株式の取得等によるもの及び物流施設の自社開発に伴う用地取得、建設工事代金、設備投資等があります。
資金の財源につきましては、当面の資金需要と設備投資計画に則り自己資金と金融機関からの借入金により調達しております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、284億36百万円となり、有利子負債残高は1,045億16百万円となっております。
当社グループは、グループ全体の資金を有効活用するため、キャッシュ・マネジメント・システムを採用しており、連結子会社の支払い代行業務を行う他、連結子会社の報告にもとづき、グループにおける重要な資金繰りの状況について把握しております。また、取引銀行において、借入金の与信枠の設定を受けており、必要な資金を速やかに確保する基盤を整えております。
⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について
当社グループは、中長期的な視点から事業の持続的成長、収益力及び資本効率の向上を図る方針であります。また、重要な事業戦略、投資戦略の一環として、物流施設の自社開発と流動化サイクルを計画的に循環させることで、3PL及び4PL事業の安定的成長を図る独自のビジネスモデルを推進しております。積極投資により収益力を高めるとともに財務の健全性も堅持し、売上高営業利益率5.5%、自己資本比率30%の達成を中期的な目標として掲げ、これを判断指標と位置づけております。当連結会計年度の売上高営業利益率は4.0%(前連結会計年度比△0.6ポイント)、自己資本比率27.8%(同+1.4ポイント)となっており、引き続き収益性の向上及び財務の健全性を意識した事業運営を行い、投資と回収の最適なバランスを実現してまいります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。