第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 (1) 当社グループの経営の基本方針

当社グループは、「安全」と「安心」を大切にして物流事業を通じて社会に貢献することを経営の基本方針とし、以下の経営理念(3つの使命)に基づき活動しております。

①商品・サービスの使命

顧客・荷主の満足する物流サービスを提供し、信頼の向上に努めます。

②社会的使命

良き企業市民として社会のルールを守り、地域に貢献、環境保全に取り組みます。

③経済的使命

社会、株主、社員の繁栄を図るため、常に経営基盤の強化・安定を図ってまいります。

 

 (2) 目標とする経営指標

 

2026年3月期

売上高

420億円

経常利益

25億円

1株当たり配当金

36円00銭

ROE

8%以上

配当性向

30%以上

従業員数

1,600名

 

 

 (3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2020年7月に長期ビジョン「ヒガシ21グループVISION2030」及び「中期経営計画2023」を策定し、2030年までに目指す姿「お客様に最高のサービスをお届けするために変革し続ける企業」の実現に向け、売上高500億円、従業員数1,850名という定量目標を設定するとともに、新たなコーポレートスローガン「Evolution for Customers-全進で未来へ"シンカ"-」を制定致しました。

中期経営計画2023の最終年度である2023年3月期の売上高は目標の300億円を大幅に上回る348億円となり、過去最高の売上と利益を達成し、従業員数も目標の1,100名を大幅に上回る1,394名となるなど、長期ビジョンの達成に向け着実に成果を上げることができました。

2023年5月に策定した「中期経営計画2026」は、前中期経営計画で獲得した物流設計能力や人材などを成長の糧として、更に飛躍する3年と位置付け、「物流の安定供給への貢献」「責任ある企業経営の実践」に向け、「サービス・効率性の向上/EC需要の取り込み/IT事業強化等を通じた事業成長」と「持続可能な発展に資するESG経営の更なる取組み」を軸に各施策に取組んでまいります。

また、こうした環境変化と事業領域の拡大を進めている現状を踏まえ、当社グループの社会的な存在意義と価値を改めて整理し、グループパーパス「安心をずっと、驚きをもっと。人と技術とITで、新たな価値を創造し、豊かな明日へつなぎます。」を制定し、一人ひとりがグループパーパスを意識し、各領域で取組みを進めてまいります。

 

 (4) 会社の対処すべき課題

今後の経済動向につきましては、先進各国での金融引締め政策の長期化にる景況感の悪化や、ロシアによるウクライナへの軍事進攻の長期化によるエネルギーや安全保障に関するリスクの高まりなど、引き続き不透明な状況が続くものと予測されます。

物流業界におきましては、働き方改革関連法に伴う2024年問題、労働力人口の減少、IoT、AIをはじめとした先端技術の活用、気候変動への対応や人権の尊重などサステナビリティを巡る多くの課題に直面しております。

このような経営環境と物流という社会インフラの責任ある担い手として、当社グルーブは長期ビジョンを達成するために、「中期経営計画2026」では、気候変動に関する取組み、人的資本価値向上への取組み、安全に関する取組み、コーポートガバナンス強化の取組みなどESG経営と更なる事業成長を目指し、ゆるぎない経営基盤を構築してまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)ガバナンス

当社グループと社会のさらなる持続的発展を目指し、これまで担当部署毎で対応していたサステナビリティ経営の検討と推進を一元的に集約する機能として、社長を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」を設置いたしました。(2023年3月17日取締役会決議、4月1日設置)

また「サステナビリティ推進委員会」の設置に合わせ、経営戦略・企画機能を担う企画部内に同委員会の事務局として「未来創造室」を設置し、「サステナビリティ推進委員会」での審議を経て決定されたサステナビリティ施策を当社グループ全体に展開します。

「サステナビリティ推進委員会」での審議内容については取締役会に報告し、検討と確認を行います。

 

(2)戦略

当社グループは長期経営ビジョン「ヒガシ21グループVISON2030」において、「持続可能な企業活動(環境、社会、コーポレートガバナンス)の推進」を掲げております。

「中期経営計画2023(2021年3月期~2023年3月期)」においては、事業成長への対応・労働力不足への対応に伴う人材採用、競争力の源泉であるサービス品質の向上に向けた人材育成を主要取組みの1つとして掲げ、また「持続的成長と企業価値向上のためのESG経営」としてESGの主要KPI(指標及び目標欄に記載)を設定し取組みを進めてまいりました。

また、2021年12月には中長期的な企業価値向上の観点や、より複雑化する社会課題への対応に向けて、サステナビリティに関してより多面的、且つ深度ある取組みを進めるべく、グループにおける取組みの共通指針として「サステナビリティ基本方針」を制定し、各領域の取組みを進めております。

 

「サステナビリティ基本方針」

1.

健全で開かれた企業経営の実現

 

 

・当社はコーポレート・ガバナンスの内容を充実させることを経営の重要課題の一つとして位置付け、公共性が高い物流を担う事業者として透明性の高いガバナンス体制を構築し、健全で開かれた企業経営の実現と持続的な企業価値向上に努めます。

2.

働きがいのある職場環境作り

 

 

・当社はすべての従業員が個人の能力を最大限発揮し、多様な人材が活躍するために、新しい働き方やより良い職場環境の整備に取り組みます。また、人材育成に取り組み、一人ひとりの成長を支援します。

3.

人権の尊重

 

 

・当社はあらゆる企業活動及びバリューチェーンにおいて人権を尊重します。また、人権侵害の回避に努めます。

4.

地球環境に配慮した企業活動の実践

 

 

・当社は「ヒガシトゥエンティワン環境方針」に基づき、事業活動から生ずる大気汚染等の環境負荷軽減に取り組み、また環境保全活動を推進し、社会から一層信頼される企業を目指します。

5.

法令・コンプライアンスの遵守

 

 

・当社は経営基本方針『「安全」と「安心」を大切にして物流事業を通じ社会に奉仕する私達ヒガシ21』に則り、法令遵守はもとより、よき社会人、よき企業人としてコンプライアンスを尊重し、誠実かつ適切な企業活動に取り組みます。

6.

社会への貢献

 

 

・当社は物流事業を通じ社会に奉仕する事業者として、そして公共性が高い物流を担う事業者として、社会貢献活動に積極的に取り組みます。

 

 

 新中期経営計画である「中期経営計画2026(2024年3月期~2026年3月期)」では、サステナビリティ経営を主要取組みとして掲げ、事業環境の変化を踏まえサステナビリティに関する各種施策に取組みます。

 

 

○気候変動

 温室効果ガス排出によるリスクを踏まえ「社有車の低公害車導入推進」「グリーン電力導入等、使用施設の低エネルギー化」に取組んでおります。

 また温室効果ガス測定を開始しており、新中計期間中に当社グループの排出量の開示、必要施策の検討と削減取組みを進めてまいります。加えて気候変動に関するリスク・戦略については、新中計期間中にTCFDの枠組みによる開示を予定しており、取組みの精緻化を進めてまいります。

 

○人的資本・多様性

 労働人口減少に伴い人材不足が懸念されるなか、上記記載の「中期経営計画2023」「サステナビリティ基本方針における”2.働きがいのある職場環境作り”」に基づく取組み、「女性活躍推進法、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画」並びに下記に記載の「人材育成方針、社内環境整備方針」に基づき人的資本・多様性への取組みを進め、採用戦略・労働環境整備等を通じた人材確保、既存人材のスキルアップによる生産性向上に取組みます。なおエンゲージメント調査を2023年度から開始予定としており、同調査を活用して現段階での取組みの効果測定、必要施策の検討を行ってまいります。

 

また、当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、当社グループのパーパス(存在意義)「安心をずっと、驚きをもっと。人と技術とITで、新たな価値を創造し、豊かな明日につなぎます。」に共感する人材、並びに、VISION2030で目指す姿「お客様に最高のサービスをお届けするために変革し続ける企業」の実現に向け貢献できる人材を育成してまいります。

 

①人材育成の考え方

ヒガシ21グループ従業員のあるべき人材像である「新たな価値を創造できる人材」の育成を目指します。また、以下を人材育成の3つの柱とし様々な取組みを進めます。

 

○「変化を楽しむ企業文化の醸成」

変革し続けることで驚きをもっと楽しみながら、これまでの常識にとらわれない新たな価値を生み出し続ける土台となる企業文化の醸成に取組みます。

 

○「価値創造をリードするマネジメント人材の育成」

新たな価値創造を牽引する存在として、次世代を担う若手従業員を中心にマネジメント人材の育成を強化してまいります。

 

○「安心と価値創造を支える現場力の向上」

安心をずっと提供し続けるために、安全・品質の基本知識から専門性の高い業務知識まで、知識・技能を備えた人材が現場で高付加価値を生み出すことのできる現場力の向上に取組みます。

 

②人材採用の考え方

ヒガシ21グループの急速な事業成長・拡大に伴い、それを支えうる人材の確保は当社の重要課題の一つとなります。将来の事業活動の担い手として期待される若手人材の採用に加え、即戦力として活躍できる人材の中途採用を推進するなかで、持続的な企業の発展を実現していきます。

また、採用専任部門に採用ノウハウを蓄積し、外部募集広告、人材紹介会社の活用等様々な手段で、質・量ともに企業成長のスピード感に見合ったグループ全体の人材の確保を目指します。

 

③社内環境整備の考え方

ヒガシ21グループでは、社内環境の整備は、従業員が安心して活躍するための基盤であるという考えのもと、一人ひとりの人格・個性・多様性を尊重し、それぞれがやりがいと誇りをもって働ける、安心・安全な職場環境づくりに取組みます。とりわけ、人材確保、既存従業員の定着推進のため、中長期的な視点から労働条件・労働環境の整備に取組みます。

 

 

(3)リスク管理

当社では社長を委員長とする「コンプライアンス・リスク管理委員会」を設置しており、法令・コンプライアンス遵守体制の整備、並びにサステナビリティに関する事項を含むリスク・問題点の把握と解決に取組んでおります。

「コンプライアンス・リスク管理委員会」での審議内容については取締役会に報告し、検討と確認を行います。

 

(4)指標及び目標

①連結会社の状況

○「中期経営計画2023(2021年3月期~2023年3月期)」における指標、目標及び実績

 

・ESG指標

指 標

目 標

実 績(2023年3月期)

環境(E)

保有車両の10%以上を低公害車とする

(2023年3月期)

・低公害車比率9.2%

・使用施設の低エネルギー化への取組みとして、多久ロジネットセンターでグリーン電力使用により実質CO2排出ゼロを実現(対2021年度比▲111トン)

社会(S)

ワークライフバランスに関する公的認証である、働きやすい職場認証を取得する

2022年2月 当社及び子会社のユートランスシステム株式会社、株式会社イシカワコーポレーション、株式会社トランスポート21、株式会社ワールドコーポレーションで一つ星認証取得

ガバナンス(G)

重大な法令違反件数を0件とする

0件

 

(注)重大な法令違反件数は、2021年3月期~2023年3月期の毎年の目標であります。

 

・在籍・採用指標

指 標

目 標

実 績(2023年3月期)

従業員在籍数

1,100名 (2023年3月期)

1,394名

新卒採用数

60名

54名

 

(注)新卒採用数は、2021年3月期~2023年3月期の累計数であります。

 

○「輸送の安全」における指標、目標及び実績(2023年3月期)

指 標

目 標

実 績

グループ全体の車両事故率評価

AAA(トリプルA:事故率 2%以内)※

AA(ダブルA:事故率 5%以内)※

重大事故

(自動車事故報告規則第2条に規定する事故)

0件

0件

飲酒運転・過積載違反

0件

0件

 

※車両事故率評価 AAA とは、年間事故件数を全ての所有車両数(事業用・自家用・フォークリフト)で割りパーセント表示したものが 2%以内となる最高の評価。

(参考)AA⇒5%以内、A⇒8%以内、B⇒15%以内

 

 

②提出会社の状況

○「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画」における指標、目標及び実績

(計画期間:2021年4月1日~2026年3月31日)

指 標

目 標

実 績(2023年3月期)

目標1

・管理職(担当課長以上)に占める女性の割合

10%以上 (2026年3月期)

4.5%

・係長級(課長代理)に占める女性の割合

毎年20%以上

20%

目標2

・男性の育児休業取得率

毎年50%以上

63.6%

・男性の育児休業平均取得日数

毎年10日以上

7.9日

 

 

○「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画」における指標、目標及び実績

(計画期間:2020年7月1日~2025年3月31日)

指 標

目 標

実 績(2023年3月期)

目標1

出産、子育てに関する制度を更に整備し社内への周知を徹底する

(男性の育児休業取得率)

毎年50%以上

63.6%

目標2

所定外労働時間の削減を推進する

(全社月平均残業時間)

20時間以内 (2025年3月期)

19.7時間

目標3

年次有給休暇の取得を促進する

(全社有給取得率)

63%以上 (2025年3月期)

63.2%

 

 

 

③今後の取組みについて

「中期経営計画2026」でもサステナビリティ経営を重要テーマに掲げ、推進体制を整備しESG各取組を進めてまいります。気候変動については温室効果ガスの測定・開示、TCFD枠組みによる開示・取組方針策定、人的資本・多様性ではエンゲージメント調査を開始・活用し、指標・目標を検討し開示してまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 法的規制・環境規制について

当社グループは、貨物自動車による運送並びに倉庫保管を主要な事業として行っておりますが、係る事業を行うにあたっては法的規制(貨物自動車運送事業法、倉庫業法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、各種環境規制等)を受けており、事業を開始するにあたっては上記法律に基づいた申請を行い、国土交通大臣の許可を得る又は登録を行う必要があるほか、産業廃棄物収集運搬事業については、収集運搬を行う区域を管轄する各都道府県知事の許可、環境対策などについても適合車両の使用が義務付けられております。

当社グループは、これらの法的規制を遵守し、環境規制に対応するため、法令違反等の防止マニュアルを確実に実行し、内部管理体制の整備に取り組むことで安全推進体制を一段と強化することで従業員及び協力会社の「安全意識」の向上を図っております。本書提出日現在において事業運営上の支障をきたす状況は生じておりません。しかしながら、法令又は条例の改正により、対応のための更なるコストが発生する場合、または将来何らかの事由により処分を受けた場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 特定の得意先への依存度について

日本生命保険相互会社に対する売上高総額の割合は10.4%であります。売上高については、市場価格を勘案して一般的な取引条件で決定しており、今後も同様の方針であります。また、2023年3月期末における同社からの借入金残高は4億59百万円で、借入金残高の総額37億45百万円に占める割合は、12.3%であります。借入に対する利率は、市場金利を勘案して合理的に決定しており、返済条件についても通常の金融機関と同様に決定しております。そのため、何らかの理由により契約関係の見直しが行われた場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、同社は当社株式7.92%を保有する大株主であり、また、有価証券報告書提出日現在において、当社取締役及び執行役(社外取締役を除く)6名の内、同社からの転籍者は3名であります。加えて、出向者としては、東京ロジネット事業部長、及び企画部次長の計2名が在籍しております。

 

(3) 外注比率について

当社グループでは、運送事業部門において、顧客からの要望に応じた全国規模の物流に対応するとともに、景気動向等による需要の変動に効率的に対応するため、多くの外注(協力会社)を活用しており、運送事業原価に占める外注比率は、当連結会計年度末現在で79.7%となっております。

外注業者の選定は慎重に行い、親密で良好な関係を構築しておりますが、需要が集中した場合には必要な業者の確保や外注単価の上昇等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 燃料費の上昇について

当社グループが営んでいる運送事業においては、エコドライブの推進及び経費削減に努めております。原油価格の高騰により軽油価格が大幅に上昇した場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5) 固定資産の評価について

当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。当該会計基準では、グルーピングされた固定資産について回収可能価額を測定し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その差額を減損損失として認識することとされており、今後、当社グループの事業収益の著しい低下や事業環境の変化などにより資産価値が低下した場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 事故による影響について

当社グループは、トラックを利用した運送事業を営んでおりますが、「安全」と「安心」を基本方針として、デジタルタコグラフ及びドライブレコーダーの搭載、運輸安全マネジメントへの取組み等により事故撲滅に努めており、各種の保険にも加入しております。

しかしながら、万一、重大事故が発生した場合には、顧客からの信用低下や行政処分による営業活動の停滞等を招く可能性があり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 災害等の発生によるリスク

当社グループは、大規模な地震や台風等による自然災害の発生・感染症の拡大(パンデミック)等により倉庫や車両、情報システム、電力、交通網等が被害を受けた場合、物流業務の停滞等事業に支障が生じる可能性があります。

また、顧客企業が事業を展開する地域において大規模な災害が発生した場合には、要請に応じて緊急車両の手配または物資の輸送により救援活動を行いますが、その被災状況によっては顧客企業の事業活動が困難となり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 人材の確保及び育成について

当社グループは、企業規模の拡大により、優秀な人材の確保とその育成が急務となっております。当社グループは、従業員の採用を積極的に行うことにより、優秀な人材の確保に努めるとともに、社内研修制度の充実を図り、次世代人材の育成に注力しております。しかしながら、人材の確保及び育成が不十分である場合や、人材確保のためのコストが増加した場合には、当社グループの財政状態及び業績、並びに今後の事業展開のスピードに影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) M&A、事業提携について

当社グループは、事業拡大及び企業価値向上のためにM&Aや資本業務提携等が有効であると考えております。これらの実施にあたっては、事前に対象企業の財務内容や契約内容等について詳細なデューデリジェンスを実施し、事業のシナジーの創出と買収価格の妥当性について十分に検討した上で実行しております。しかしながら、デューデリジェンス実施時に見込んだ成果や当社グループ化によるシナジーが計画通りに進捗せず、のれんや持分法で会計処理されている投資の減損損失等、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(10) 金利変動の影響

当社グループは、事業に使用される倉庫及び物流センターの設備資金について、その必要資金の一部を金融機関からの借入金で賄っております。2023年3月期末における借入金残高は、37億45百万円であり、負債及び純資産合計に対する借入金残高の割合は17.6%となっております。借入金は、主に固定金利での借入を行っておりますが、変動金利で調達している資金については金利変動の影響を受けることになります。また、今後の金利動向により当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 情報漏洩等によるリスク

当社グループは、物流業務、赴任引越などの受託に際して、顧客企業の情報もしくは多数の個人情報を取り扱っております。法令遵守マニュアルを定め個人情報の保護・管理体制の整備に努め、プライバシーマークの認定取得など情報の管理には細心の注意を払っておりますが、情報の外部漏洩やデータ喪失などの事態が発生した場合には、当社グループの社会的信用の低下や顧客企業からの損害賠償責任を負うことにより、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 訴訟等に関するリスク

当社グループの事業運営において、トラブルや問題が生じた場合、当社グループの瑕疵に関わらずこれらに起因する損害賠償を請求される、あるいは訴訟を提起される可能性があります。これらの訴訟の内容及び結果によっては、当社グループの社会的信用に影響を及ぼすほか、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  (経営成績等の状況の概要)

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

(1) 経営成績の状況

当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染者数の増加が見られたものの、行動制限緩和などの政策の効果もあり、景気は一部緩やかに持ち直しの動きが見られました。

一方で、物価高騰や供給面での制約などにより、景気の先行きは予断を許さない状況が続いております。

物流業界においては、企業活動の持ち直しやネット通販市場の引続きの拡大傾向が見られるなど、物流需要は堅調に推移しているものの、ウクライナ情勢の長期化、不安定な為替動向や欧米経済の減速、エネルギー価格・商品価格の高騰など、今後の経営環境への影響は不透明な状況にあります。

このような中、当社グループは、物流という社会インフラの責任ある担い手として、全従業員が一丸となって業務に取り組んでまいりました。

当期は「中期経営計画2023」の最終年度となり、主に2021年10月より開始したインフラ会社向け資材調達3PL事業の通年化等による売上の増加、当期首より新たに連結開始した山神運輸工業株式会社の付加価値の高いエンジニアリング事業の増加、オフィスサービス事業の進展、2022年10月より新たに株式会社旅人の損益計算書を連結開始したこと等により、大幅増収増益となりました。

当連結会計年度の業績は、売上高348億7百万円前年同期比24.5%増)、営業利益19億8百万円同29.3%増)、経常利益20億26百万円同21.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億68百万円同13.2%増)となっております。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

①運送事業

当事業につきましては、売上高は210億21百万円(前年同期比22.0%増)となり、セグメント利益は23億37百万円(同30.0%増)となりました。これは主に、山神運輸工業株式会社を新規連結、事務所移転作業が増加したことによるものです。

 

②倉庫事業

当事業につきましては、売上高は79億86百万円(前年同期比7.9%増)となり、セグメント利益は9億55百万円(同14.6%減)となりました。これは主に、三郷ロジスティクスセンターを2022年4月より開設したことにより売上が増加したものの、来期に向けた新規倉庫の開設や移設による費用の増加により、減益となりました。

 

③商品販売事業

当事業につきましては、売上高は40億9百万円(前年同期比84.8%増)となり、セグメント利益は1億90百万円(同198.8%増)となりました。これは主に、2021年10月より資材販売業務を開始したことによるものです。

 

④ウエルフェア事業

当事業につきましては、売上高は9億77百万円(前年同期比4.1%増)となり、セグメント利益は1億41百万円(同2.0%増)となりました。これは主に、福祉用具の貸出しにより売上が増加したことによるものです。

 

⑤その他

当事業につきましては、主なものは労働者派遣事業や駐車場事業となりますが、売上高は8億13百万円(前年同期比294.0%増)となり、セグメント利益は1億11百万円(同1,028.0%増)となりました。これは主に、2022年10月より株式会社旅人を新規連結、インフラ会社向けの物流コンサルティング業務を受託したことによるものです。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、34億87百万円となり、前連結会計年度末に比べ44百万円増加いたしました。その内訳は、営業活動により得られた資金が6億65百万円(前年同期比55.2%減)、投資活動により使用した資金が13億35百万円(同33.3%増)、財務活動により得られた資金が7億14百万円(前年同期は1億7百万円の支出)となりました。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、6億65百万円(前年同期は14億84百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益20億12百万円、減価償却費5億83百万円、法人税等の支払額7億42百万円、売上債権の増加による減少額8億60百万円と、棚卸資産の増加による減少額2億6百万円、仕入債務の増加による増加額1億49百万円によるものです。

なお、前連結会計年度末に比べ、8億19百万円減少しましたが、これは業容拡大に伴う売上債権の増加、大型3PLセンター開設に伴う立替金の発生等によるもので、売上債権及び立替金は、短期的に回収が予定されており、営業活動によるキャッシュ・フローは健全な状況にあります。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、13億35百万円(前年同期は10億1百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出3億36百万円、差入保証金の差入による支出5億86百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出3億21百万円によるものです。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により得られた資金は、7億14百万円(前年同期は1億7百万円の支出)となりました。これは長期借入による収入10億円、長期借入金の返済による支出4億64百万円、短期借入金の増加額6億円、配当金の支払による支出3億38百万円によるものです。

 

(3) 生産、受注及び販売の実績

当社グループの主たる事業内容である物流事業(運送事業、倉庫事業)については、受注生産形態はとっておりません。

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

運送事業

21,021,030

22.0

倉庫事業

7,986,736

7.9

商品販売事業

4,009,160

84.8

ウエルフェア事業

977,137

4.1

その他

813,641

294.0

合計

34,807,706

24.5

 

 

なお、主な相手先の販売実績につきましては次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

日本生命保険相互会社

3,185,934

11.4

3,618,657

10.4

 

 

 

 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたりまして、判断及び仮定を使用することが必要となる金額については、過去の実績や状況に応じ判断、仮定、情報の適切性及び金額の妥当性に留意した上で会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。

なお、連結財務諸表作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 ①財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ30億86百万円増加し、212億26百万円となりました。資産の主要科目の増減は、営業未収入金及び契約資産が8億85百万円増加、商品が2億1百万円増加、のれんが株式会社旅人を子会社化したことにより3億49百万円増加、投資有価証券が1億60百万円増加、差入保証金が7億57百万円増加となりました。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ20億78百万円増加し、103億55百万円となりました。負債の主要科目の増減は、営業未払金が1億57百万円増加、短期借入金が6億円増加、未払金が3億99百万円増加、長期借入金が6億29百万円増加となりました。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産につきましては、利益剰余金の増加等により前連結会計年度末に比べ10億7百万円増加し、108億70百万円となり、自己資本比率は51.2%となりました。

 

 ②経営成績の分析

 

前連結会計年度

当連結会計年度

 

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

売上高

(千円)

27,953,344

34,807,706

経常利益

(千円)

1,670,913

2,026,916

親会社株主に帰属する当期純利益

(千円)

1,120,671

1,268,522

 

 

(売上高)

当連結会計年度は、2021年10月より開始した資材3PL事業の通年化や、当期首より山神運輸工業株式会社の連結を開始したこと、オフィスサービス事業の進展、2022年10月より株式会社旅人を連結開始したこと等により、売上高は348億7百万円前年同期比24.5%増)となりました。

 

(経常利益)

当連結会計年度の経常利益は、大型3PLセンターを開設に伴う設備投資や、成長事業への人材投資等が発生しているものの、業容拡大、経費削減への取組や業務効率化を推進したこと等により、20億26百万円同21.3%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産除却損の計上による影響等により、12億68百万円同13.2%増)となりました。

 

 ③キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績業及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

  資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、運送事業における人件費や燃油費、設備投資においては車輛運搬具や情報設備等の購入、倉庫施設の改修及び設備面における作業効率改善、既存設備等のメンテナンスと入替のための費用があります。これらの資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入による資金調達にて対応する方針であり、主に短期的な運転資金は銀行等金融機関からの短期借入により調達し、設備投資等に要する資金は銀行等金融機関からの長期借入により調達する方針です。

また、当社は運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行と当座貸越契約を締結しております。2023年3月31日現在の短期借入金の残高は16億30百万円、長期借入金(1年以内に返済予定のものを含む。)の残高は21億15百万円であります。

株主還元につきましては、安定配当かつ利益還元を重視しつつ、長期的かつ安定的な事業展開に必要な内部留保の充実を図りながら、これを総合的に勘案して決定することとしており、連結配当性向は30%を目標水準としております。

上記の基本に基づき、当期の配当金につきましては、1株につき30円としております。

 

(3) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

物流業界においては、ウクライナ情勢の長期化、不安定な為替動向や欧米経済の減速、エネルギー価格・商品価格の高騰など、今後も不透明な経営環境が続くものと予想されます。

このような認識のもと、当社グループは、新たに中期経営計画2026(2023年5月12日公表)を掲げ、新中期経営計画では、前中期経営計画で獲得した「成長の礎」を糧に飛躍する3年と位置付けております。

初年度となる2024年3月期につきましては、大手e-コマース社向け新規3PL業務を受託したことに伴い、2023年4月に千葉県流山市に14,870坪の「流山ロジスティクスセンター」、兵庫県西宮市に5,519坪の「鳴尾浜ロジスティクスセンター」に加え、大阪府茨木市に5,392坪の「北大阪ロジスティクスセンター」を開設しました。

また、前期の下半期期首より連結を開始した株式会社旅人の連結期間が通年化する結果、売上高に関しましては、360億円(前年同期比3.4%増)を見込んでおります。

利益に関しましては、上記大型3PLセンター開設に伴う初期投資費用や、成長事業への人材投資などが予定されていますが、業容拡大による収益源の増加や、既存事業において利益率の改善が進み、グループ全体の収益性が向上したことなどにより、営業利益は20億円(前年同期比4.8%増)、経常利益は21億円(同3.6%増)、当期純利益は13億20百万円(同4.1%増)を見込んでおります。

 

(4) 経営戦略の現状と見通し

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 会社の対処すべき課題」に記載しております。

 

 

(5) 経営者の問題意識と今後の方針について

物流業界は、規制緩和が進み業者間の競争が厳しさを増しており、また働き方改革関連法に伴う2024年問題、特にドライバーなど労働力人口の減少への対応が急務であります。さらには、制度や法改正による企業倫理や安全・環境問題への対応など、企業として果たすべき責任が大きくなっております。

当社グループは、「安全」と「安心」を大切にして物流事業を通じ社会に奉仕するすることをスローガンに、①商品・サービスの使命、②社会的使命、③経済的使命の3つの使命を経営理念として株主価値の向上を図り、社会に貢献できる会社を目指しております。 

なお、コンプライアンス全体を統括する組織として社長を委員長とする「コンプライアンス・リスク管理委員会」を設置するとともに、「法令遵守マニュアル」を制定し、コンプライアンス体制の整備及び問題点の把握に努め、内部管理体制の一層の充実を図ることで法令遵守及び交通安全対策などに積極的に対応する方針であります。

また、サステナビリティ全体を統括する組織として社長を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」を設置し気候変動問題や人権の尊重などの取組みを着実に推進してまいります。

さらに、財務報告の信頼性を確保するため、「財務報告に係る内部統制の整備・運用及び評価の取扱い」を定めており、関係規程、役員及び従業員の意識向上、内部監査制度の充実等を図り、財務報告に係る内部統制の有効かつ適 切な運用・管理に努めております。 

 

5 【経営上の重要な契約等】

     該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

  特記すべき事項はありません。