第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や日銀による金融緩和を背景に、企業収益や雇用情勢は改善が続いております。一方、個人消費につきましては、消費税率引上げや、円安による物価上昇懸念なども影響し、回復のペースは緩やかであり、景気の先行きは不透明な状況となっています。

 自動車業界においては、国内メーカーの国内新車の販売台数は前年同期比で92.3%(日本自動車工業会統計データ)となり、消費税増税による消費マインドの冷え込みの影響が続き低調な実績となっております。車種別には軽自動車が今年4月からの軽自動車税の引き上げ前に、前年並みの高い水準を維持したものの、増税後は大きな落ち込みを見せました。また、主力の登録車は振るわず、消費税増税前の駆け込み需要による高い水準にあった前年の反動で新規受注が伸び悩んだ結果、減少幅が大きくなりました。海外への輸出につきましては、円高是正が更に進み輸出には良い状況になったものの、最大市場である北米向けの輸出が期前半で減少した影響が大きく、新車輸出台数は前年同期比で98.1%と減少いたしました。また、中古車市場も新車同様に消費マインドの低下により減少傾向となりました。内訳では、国内中古車登録台数は前年同期比で96.2%と低調な結果となりました。一方で、輸出中古車台数は前年同期比で104.5%と増加傾向を持続しました。

 

 このような環境下で当社グループの主力セグメントである自動車関連事業においては、主要取引先である日産自動車の新車販売台数が減少したことにより日産関連の輸送売上は減少しましたが、新たな輸送需要の獲得に成功したことや中古車輸出事業などにより、自動車関連全体の売上高は前年同期比で増加いたしました。ヒューマンリソース事業は、積極的な営業活動及び営業体制の強化により顧客開拓活動を強力に推進し、派遣事業の新規拡大を積極的に展開しました結果、売上高は前年同期比で増加いたしました。また、一般貨物事業においても、売上高は前年同期比で増加いたしました。

[自動車の国内流通に関連する台数]

単位:台

 

国内販売

平成25年7月~平成26年6月

平成26年7月~平成27年6月

前年比

新車

 

 

 

 

国内メーカー

*1

5,669,674

5,233,716

92.3%

(うち日産自動車)

*1

(718,433)

(610,060)

(84.9%)

海外メーカー

*2

291,258

290,870

99.9%

中古車

 

 

 

 

登録車

*3

3,868,631

3,701,837

95.7%

軽自動車

*4

3,149,363

3,052,618

96.9%

中古車計

 

7,017,994

6,754,455

96.2%

永久抹消登録車

*3

300,431

248,372

82.7%

 

輸出

平成25年7月~平成26年6月

平成26年7月~平成27年6月

前年比

国内メーカー新車

*1

4,560,150

4,475,390

98.1%

中古乗用車

*5

1,394,361

1,457,422

104.5%

*1 日本自動車工業会統計より算出  *2 日本自動車輸入組合統計より算出  *3 日本自動車販売協会連合会統計より算出

*4 全国軽自動車協会連合会統計より算出  *5 日本自動車販売協会連合会統計の輸出抹消登録台数より試算

[燃料小売価格]

単位:円/L

 

 

 

平成25年7月~平成26年6月

平成26年7月~平成27年6月

前年比

軽油

*6

140

131

93.6%

レギュラーガソリン

*6

161

152

94.4%

*6 資源エネルギー庁統計より算出 (当社が輸送に使用する燃料は主に軽油)

 

 

 以上の結果、当期における当社グループの業績は、売上高772億47百万円(前年同期比114.2%)、営業利益36億62百万円(前年同期比128.3%)の増収増益となりました。また、経常利益は37億72百万円(前年同期比128.4%)、当期純利益は18億78百万円(前年同期比124.4%)となりました。

 

 なお、当社グループの業績をより適切に開示、管理するために、当連結会計年度より一部連結子会社の決算日を3月31日(一部子会社は4月30日)から連結決算日である6月30日に変更しており、当連結会計年度には、当該子会社の平成26年4月1日から平成27年6月30日までの15ヶ月間(一部子会社は平成26年5月1日から平成27年6月30日までの14ヶ月間)の業績を反映しております。この決算日変更により、当連結会計年度の売上高は18億93百万円、営業利益は44百万円、経常利益は50百万円、当期純利益は32百万円増加しております。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

《自動車関連事業》

 当事業においては、主要取引先である日産自動車の国内新車販売台数は610,060台(前年同期比84.9%)と低調に推移し、日産以外の新車・輸入車、及び中古車の販売台数も前年同期を下回りました。低迷している市場に対処するため、新規顧客の獲得や中古車輸出事業を推し進めてまいりました。また、海外メーカーの新車整備・車両保管業務の受注などの取り組みを実施し、付加価値の高いサービス提供を進めると共に更なる売上拡大施策を実施いたしました。

 以上の結果、セグメント売上高は594億23百万円(前年同期比113.5%)となりました。

利益面につきましては、輸送手段・中継回数・経路の改善活動を継続実施するとともに、労務管理の更なる強化などを行い、セグメント利益は40億81百万円(前年同期比126.1%)となりました。なお、上記金額には、一部連結子会社の決算期変更の影響額、売上高8億88百万円、セグメント利益9百万円が含まれております。

《ヒューマンリソース事業》

 当事業においては、景気の回復基調に伴い企業の人材需要が増加傾向にありますが、企業の人材活用ニーズと就業者の就業ニーズはさらに多様化・高度化してきております。また、少子高齢化の進展による高年齢者就業機会の確保が必要な一方、若年層の応募者は逼迫するなど課題は多くかつ多岐にわたります。この様な状況下において、当社グループの送迎業務では九州・北海道地区での営業を強化し、人件費の高い大都市部からの地域戦略シフト、派遣業務では人材確保・ドライバーの育成などに注力してまいりました。

 以上の結果、セグメント売上高は123億27百万円(前年同期比113.4%)となり、セグメント利益は5億68百万円(前年同期比101.2%)となりました。

《一般貨物事業》

 当事業においては、既存顧客からの着実な受注獲得に加え新規顧客からの受注を推進するとともに、業務効率化など収益性向上に向けた施策が効果をあげております。子会社である苅田港海陸運送株式会社では主力の石炭荷役を中心に業績は堅調に推移しており、株式会社九倉では新規業務獲得や業務効率改善を推進してまいりました。

 以上の結果、セグメント売上高は61億74百万円(前年同期比124.9%)となり、セグメント利益は8億68百万円(前年同期比107.1%)となりました。なお、上記金額には、一部連結子会社の決算期変更の影響額、売上高10億4百万円、セグメント利益35百万円が含まれております。

 

なお、上記セグメント別損益に含まれていない全社費用(当社の管理部門に係る費用)及びのれんの償却額等は「第5経理の状況 セグメント情報等」に記載のとおり「調整額」の項目として計上しており、18億55百万円となります。

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前年同期比に比べ7億7百万円増加し、58億56百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、20億3百万円(前年同期比12.3%減)となりました。

収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益34億58百万円、減価償却費9億22百万円、のれん償却額3億47百万円、その他流動負債の増加額2億16百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額14億49百万円、売上債権の増加額7億75百万円、たな卸資産の増加額4億69百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、10億16百万円(前年同期比111.7%増)となりました。

収入の主な内訳は、貸付金の回収による収入3億16百万円であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出6億25百万円、投資有価証券の取得による支出3億92百万円、貸付けによる支出3億23百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、3億83百万円(前年同期比73.4%減)となりました。

支出の主な内訳は、長期借入金による収入17億40百万円、長期借入金の返済による支出15億79百万円、リース債務の返済による支出3億55百万円、配当金の支払額3億77百万円であります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

なお、当社グループの取り扱う主要な商品は車両輸送を中心としたサービスであるため、生産及び受注の状況は記載を省略しております。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成26年7月1日

至 平成27年6月30日)

前年同期比(%)

自動車関連事業(百万円)

59,365

113.5

ヒューマンリソース事業(百万円)

11,822

113.0

一般貨物事業(百万円)

6,058

124.8

合計(百万円)

77,247

114.2

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成25年7月1日

至 平成26年6月30日)

当連結会計年度

(自 平成26年7月1日

至 平成27年6月30日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

日産自動車株式会社

16,654

24.6

14,673

19.0

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

(1)当社グループの置かれている環境について

 当社グループの主たる事業であります国内の車両輸送は、国内自動車販売市場に連動するため自動車販売台数が減少傾向にある現状は、非常に厳しい事業環境下にあります。更に、中長期的な原油価格の高騰リスクや排ガス規制など環境対策の強化、国内での労働力、特にドライバーの不足への対応など、引き続き厳しい事業環境が続くものと考えております。このようななかで、当社グループは以下のような課題に取組み、力強い成長戦略を実現するための活動を展開いたします。

(2)課題と対処方針

① ASEAN事業の推進

   当社はタン・チョン・インターナショナル・リミテッドと相互に協力しASEAN諸国での事業展開を進めておりますが、その関係をより緊密なものにするために資本業務提携契約を平成26年5月15日に締結致しました。今後、「自動車バリューチェーンの構築」「ヒューマンリソース事業での提携」「トラック架装事業での提携」の3つのプロジェクトをタン・チョン・インターナショナル・リミテッドグループと共に検討を推進し、ASEAN事業を当社の大きな柱に育てるよう取り組みを加速いたします。

② 輸送形態の変化への対応

   自動車販売へネットオークションや家電量販店、大手流通業者などの参入があり、流通マージンを抑えた販売形態への変化が一部に始まり、中古車では個人間売買(C2Cビジネス)が活発になってくるなど、自動車輸送は複雑な流通形態へ変化していく傾向にあります。当社は、これまでの幹線輸送や地域内輸送に加え、「点から点への輸送」に迅速に対応できる輸送体制の構築に取組んでまいります。

③ コストの更なる削減

   排ガス規制の強化、中長期的な原油価格の上昇傾向といった事業環境の変化に対応していく為に、あらゆる分野でのコスト削減に取組んでいきます。従来、手作業で行っていた業務のシステム化、関係会社間で重複していた業務の見直しなどを推進し、業務の清流化を図っていくとともに、組織体制見直しなどによる収益管理体制も強化してまいります。

④ ヒューマンリソース事業の発展

   従来の「ドライバー」を軸とした人材の確保、教育、社会への供給、サービスの提供に加えて、中長期的には、少子高齢化社会の中での医療、介護、保育といった分野への人材の育成、供給に取組んでいくことを検討いたします。

 

4【事業等のリスク】

当社グループの事業等に係るリスク要因になる可能性のある重要事項は以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものでありますが、以下の記載は当社の事業等及び当社株式への投資に係るリスクを全て網羅するものではありません。

①主要顧客への売上依存度について

当社グループの主要顧客は、日産自動車株式会社であり、同社向けの売上実績は下表のとおりとなっています。日産自動車株式会社への売上依存度は、平成27年6月期では低下したものの、依然として高いものとなっているため、同社との取引状況に何らかの変更があった場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

平成25年6月期

平成26年6月期

平成27年6月期

 相手先

金額
(百万円)

総売上に
占める割合

金額
(百万円)

総売上に
占める割合

金額
(百万円)

総売上に
占める割合

日産自動車株式会社

14,751

24.6%

16,654

24.6%

14,673

19.0%

日産自動車グループ(注)

20,105

33.5%

22,587

33.4%

20,075

26.0%

(注)日産自動車グループの販売実績は、日産自動車株式会社、株式会社オーテックジャパン、及び全国の日産自動車販売会社への売上実績を合計したものであります。

日産自動車株式会社とは、車両輸送作業や新車点検整備作業等の個別の業務ごとに締結された「車両運送委託契約書」や「請負基本契約書」等に加え、「戦略的パートナーシップ契約についての覚書」を締結しております。具体的には、日産自動車株式会社が提示した評価項目毎の目標を達成することを条件に、当社に対して同社は車両物流に関わる業務を契約期間中継続して委託することを定めております。

現在締結している覚書は、平成29年3月末まで継続されることが基本合意されております。 平成15年に締結以来平成27年3月末まで、日産自動車株式会社が提示した目標を達成しており、今後も業務品質の維持向上につとめることによって契約の更新を続けてまいる所存です。

しかし、諸事情により日産自動車株式会社との取引が継続できなくなった場合は、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

②売上高の下期偏重について

車両輸送関連事業につきましては、自動車流通に直接影響する国内の販売台数が新車、中古車ともに3月に増加する傾向にあり、またマイカー輸送につきましても、3月下旬から4月上旬の引越しシーズンに需要が増加する傾向にあります。今後も、同様の理由により売上高の偏重が発生すると考えられることから、当社グループの業績を判断する際には留意が必要となります。

 

売上高(百万円)

 

 上期

 下期

通期

平成26年6月期

31,981

35,648

67,630

(47.3%)

(52.7%)

(100.0%)

平成27年6月期

35,158

42,088

77,247

(45.5%)

(54.5%)

(100.0%)

③特有の法的規制に係るもの

a. 貨物自動車運送事業法等の規制について

当社グループの主要な事業活動である車両輸送サービスの前提は、一般貨物運送事業者としての貨物自動車運送事業法第3条に基づく一般貨物自動車運送事業認可(関東運輸局長(関自貨2)第1992号ほか)と、貨物運送利用事業者としての貨物利用運送事業法第20条に基づく第二種貨物利用運送事業許可(総合政策局複合貨物流通課長(国総貨複第6号の4-25))であり、当社グループの有している許認可の有効期限は無期限であります。

これらの法律では、事業経営者に対する許可、事業許可の基準、禁止行為、運送約款の作成と認可、過労運転防止を中心とする輸送の安全、事業用自動車の運行と安全確保のための運行管理者選任と資格試験、監督官庁の事業改善命令、さらに名義利用の禁止・事業譲渡及び譲受け並びに事業休止廃止などの許認可等について細目にわたり規定されており、貨物自動車運送事業法第33条及び貨物利用運送事業法第33条には、許認可の取消事由が定められています。現時点において、当社グループはこれらの許認可の取消の事由に該当する事実はないと認識しています。

当社グループの主要な事業活動の継続には前述のとおり一般貨物自動車運送事業認可及び第二種貨物利用運送事業許可が必要ですが、今後、法令違反等によりこれらの許認可が剥奪された場合には、主たる事業の一部あるいは全部を行うことができず、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

また、今後、貨物自動車運送事業法や貨物利用運送事業法の内容変更等が行われた場合には、新たなコストが発生し、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

b. 排気ガスの抑制に関する諸規制について

当社グループの営む事業のうち自動車関連事業及び一般貨物事業につきまして、平成14年10月1日から「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」(自動車Nox・PM法)が施行され、また、平成15年10月1日から東京都の「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」をはじめとするディーゼル車の走行規制条例が、首都圏で施行されたのを皮切りに、全国へ拡大されております。当社グループといたしましては、各種規制に対して、新車代替又は排ガス対策装置を装着することを進めておりますが、今後、規制の内容の強化等が行われた場合には、更なるコストが発生し、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

c. 道路交通法の規制について

当社グループの輸送業務については、道路交通法を遵守し、人命を尊重し交通安全に最善を尽くしております。しかし、重大な交通事故を起こしてしまった場合には、当社グループの信頼が失われ、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

d. 道路法の車両制限令の規制について

当社グループの車両運搬用のセミトレーラにつきましては、道路法の車両制限令により全長の制限及び積載車両の長さや高さ、過積載等の制限が定められております。車両運搬用セミトレーラは、本来商品車(輸送依頼を受けた車両)を6~7台積載できることを前提に製造されておりますが、最近は商品車のサイズが大型化したことに伴い、積載時にセミトレーラのサイズに収まらず、はみ出してしまう可能性があります。

当社グループでは、各物流拠点での配車時において、制限値を超えないように小型車を混載させ、積載時に調整を行っております。しかし、小型車の混載が困難な新車輸送に関しましては、積載台数を減らさざるをえない場合もあります。今後も、適正な輸送料金への改定の交渉に取り組みますが、規制の内容の変更等が行われ、輸送効率の低下に伴うコスト増分を輸送料金に反映できない場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

e. 労働基準法等の規制について

乗務員の時間外勤務や連続運転については、「労働基準法」、「自動車運転者の労働時間等の改善の基準」等に基づいた労務管理が必要となります。昨今の労働行政の動きをみると、長時間労働に対する監督官庁による指導・監督の強化、施行が決定している労働安全衛生法改正による従業員のメンタルヘルスチェックの義務化など従業員へのよりきめ細やか労務管理と安全配慮を企業側に求めるものとなっています。現在、法令等に抵触する事実はないものと認識しておりますが、今後の規制強化や法適応の動向によっては、コストの増加が懸念され、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

f. 派遣法等の改正について

「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下、労働者派遣法)」は平成24年の改正に続き、改正時の附帯決議等により平成27年にも一部改正されました。今回の改正においては、雇用安定措置の義務化、個人単位及び事業所単位の期間制限等が織り込まれています。派遣先企業では、アウトソーシングや直接雇用への切り替えなどの動きも見られ、派遣業界の競争は更に厳しさを増すものと考えられます。これまでも労働・雇用環境の変化に応じて労働者派遣法は改正されており、今後の改正などにより事業環境が変化した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

④燃料価格の上昇について

軽油、ガソリン等の燃料価格が大きく上昇し、輸送コストの増加を企業努力により吸収するか、もしくは輸送料金(燃料サーチャージを含む)に反映ができない場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

⑤人材の確保について

人材確保・育成を経営上の重要項目として取り組んでおりますが、少子高齢化の進行に伴う人材不足及び景気回復に伴う人件費の高騰などにより必要な人材の確保ができない場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

⑥自然災害等の大規模災害による被害

地震、噴火、津波、台風等の自然災害や火災等の事故及び通信ネットワークを含む情報システムの停止等により、当社グループの事業活動が停止するような被害を受けた場合には、当社グループの業績に重要な悪影響を与える可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

(1)日産自動車との車両輸送取引等基本確認書

 マネジメント・バイアウト(MBO)直前の平成13年4月に、日産自動車と当社間で締結していた各種の契約書に基づく車両輸送等関連業務の取引をMBO後も継続する旨、両者間で確認書を締結いたしました。取引継続対象の主要契約書は次のとおりであります。

契約書名

契約日

業務

内容

車両運送委託契約書

昭和55年4月1日

新車輸送

日産自動車が販売会社に対し車両を売渡した後の完成車輸送業務

請負基本契約書

昭和54年10月1日

輸出車輸送

生産工場から輸出港までの完成車(輸出車)輸送業務

車両移動作業請負契約書

昭和45年10月1日

移動

日産自動車在庫車の指定先への移動等業務

請負基本契約書

昭和46年10月1日

構内作業

工場構内及び自動車保管場所における車両保管、設備管理、車両品質保持、在庫管理等の包括的業務

新車納車整備業務委託
契約書

平成10年5月1日

新車納車整備

新車点検整備作業、洗車・磨き作業、オプション部品取付け作業、その他関連する業務

車両輸送委託契約書

平成10年5月1日

新車納車整備完了車輸送

新車納車整備完了車の納整センターから販売会社までの車両輸送業務

 

(2)日産自動車との戦略的パートナーシップ契約についての覚書

 平成15年2月に、日産自動車との間で下記の内容の戦略的パートナーシップ契約についての覚書を締結しております。

契約期間

内容

自平成15年4月1日
至平成29年3月31日

日産自動車はゼロを国内完成車物流の戦略的パートナーと位置づけることとしています。戦略的パートナーの定義は次のとおりです。

「日産自動車のサプライチェーンを構成する業務の中でゼロは完成車両の国内物流に関する特定の範囲を継続的に受託し、自らが持つ専門的なノウハウを提供し、日産自動車と協力して物流効率化に取り組むことにより、サプライチェーン全体の物流品質、納期、陸送物流コスト、安全・CSの最適化に寄与する。」

覚書では日産自動車が提示した評価項目毎の目標を達成することを条件に、当社に対して同社は車両物流に関わる業務を契約期間中継続して委託することを定めております。

 

6【研究開発活動】

 特記すべきものはありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループの財政状態及び経営成績の分析を以下のとおり記載しております。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成27年9月29日)現在において当社が判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としています。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理

的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えています。

 

a.貸倒引当金

当社グループは債権等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。将来、顧客の財務状況が悪化し、支払能力が低下した場合、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。

b.固定資産の減損

当社グループが有する固定資産のうち「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされるものについては、損益報告や経営計画などの企業内部の情報、経営環境や資産の市場価格などの企業外部の要因に関する情報に基づき、資産又は資産グループ別に減損の兆候の有無を確認し、兆候があるものについてはその帳簿価額の回収が懸念されているかなど、減損損失の認識の判定を行っています。

この判定により減損損失を認識すべきと判断した場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を行っています。事業計画や経営・市場環境の変化により、割引前将来キャッシュ・フローの金額あるいは、回収可能価額に変動があった場合には、減損損失の金額の増加または新たな減損損失の認識の可能性があります。

c.有価証券の減損

当社グループは、市場価格等のある有価証券については、期末日における時価が取得価額に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、20~50%程度下落した場合、金額の重要性、時価の回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行うこととしております。また、市場価格等のない有価証券については、期末日における実質価額が取得価額に比べ50%以上下落した場合に、原則として減損処理を行い、下落率が50%未満の場合、著しく下落したときには該当しないものとし、減損処理は行わないこととしております。将来、株式市況の悪化、または投資先の業績不振等により評価損の金額の増加または新たな評価損の認識が必要になる可能性があります。

d.退職給付に係る負債

当社グループの従業員の退職給付債務及び退職給付費用は、主として連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込みに基づいて、退職給付に係る負債を計上しております。これらの前提条件には、退職給付債務については、割引率、将来の給与水準、退職率、死亡率などの見積りが含まれ、また、年金資産については、過去の実績等を基礎として見積った長期期待運用収益率等が含まれております。これらの計算の基礎と実績値が異なる場合、または計算の基礎が変更された場合には、将来の退職給付費用及び退職給付債務等が変動する可能性があります。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や日銀による金融緩和を背景に、企業収益や雇用情勢は改善が続いております。一方、個人消費につきましては、消費税率引上げや、円安による物価上昇懸念なども影響し、回復のペースは緩やかであり、景気の先行きは不透明な状況となっております。

自動車業界においては、消費税増税による消費マインドの冷え込みの影響が続き、国内メーカーの国内新車販売台数は前期比92.3%の5,233,716台(日本自動車工業会統計データ)と低調な実績となりました。

また、中古車市場も新車同様に消費マインドの低下により減少傾向となり、中古登録車販売台数は前期比で95.7%(日本自動車販売協会連合会統計より算出)と低調な結果となりました。一方で、中古乗用車の海外への輸出は前期比で104.5%(日本自動車販売協会連合会統計)と好調な結果となりました。

このような環境下で当社グループの主力セグメントである自動車関連事業におきましては、主要な取引先である日産自動車の新車販売台数が減少したことにより日産関連の輸送売上は減少しましたが、新たな輸送需要の獲得に成功したことや中古車輸出事業の売上が増加したことなどにより、前期比で売上が増加いたしました。

ヒューマンリソース事業におきましては、積極的な営業活動及び営業体制の強化により顧客開拓活動を強力に推進し、派遣事業の新規拡大を積極的に展開した結果、売上高は前期比で増加いたしました。

また、一般貨物事業におきましても、売上高は前期比で増加いたしました。

以上の結果、当期における当社グループの業績は、売上高772億47百万円(前期比114.2%)、営業利益36億62百万円(前期比128.3%)の増収増益となりました。また、経常利益は37億72百万円(前期比128.4%)、当期純利益は18億78百万円(前期比124.4%)となりました。

なお、当社グループの業績をより適切に管理するために、当連結会計年度より一部連結子会社の決算日を3月31日(一部子会社は4月30日)から連結決算日である6月30日に変更いたしました。これに伴い、当連結会計年度には当該子会社の平成26年4月1日から平成27年6月30日までの15ヶ月間(一部子会社は平成26年5月1日から平成27年6月30日までの14ヶ月間)の業績を反映しております。

これらの連結子会社の決算期変更による影響額は、売上高18億93百万円、営業利益44百万円、経常利益50百万円、当期純利益32百万円であります。

 

(3)当連結会計年度末の財政状況の分析

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べ25億37百万円(17.7%)増加し、168億90百万円となりました。

これは主に、受取手形及び売掛金が9億55百万円、現金及び預金が8億15百万円増加したことによります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ5億円(2.8%)増加し、182億55百万円となりました。

これは主に、のれんの2億52百万円減少や、固定資産の減価償却があったものの、投資有価証券が4億78百万円、有形固定資産のリース資産が4億66百万円、建物及び構築物が2億5百万円増加したことによります。

これらの結果総資産は、前連結会計年度末に比べ30億38百万円(9.5%)増加し、351億45百万円となりました。

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べ10億38百万円(10.3%)増加し、111億6百万円となりました。

これは主に、支払手形及び買掛金が2億66百万円減少したものの、短期借入金が2億70百万円、未払費用が2億51百万円、未払法人税等が1億56百万円、未払消費税等が2億8百万円増加したことによります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ3億20百万円(4.5%)増加し、74億33百万円となりました。

これは主に、リース債務が3億57百万円増加したことによります。

これらの結果負債は、前連結会計年度末に比べ13億59百万円(7.9%)増加し、185億40百万円となりました。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ16億79百万円(11.2%)増加し、166億5百万円となりました。

これは主に、利益剰余金が当期純利益の計上などにより14億46百万円増加したことによります。

 

(4)経営成績に重要な影響を与える要因

当社を含め業界全体に共通する要因としましては、自動車全体の需要が縮小してゆくなか業界内の市場競争激化に伴い価格競争となっている一方、燃料費高騰などのコストアップ要因を反映させた輸送料金へ改正する動きも出始めております。輸送料金の市場動向は売上高、利益共に影響を与える要因となります。また、原油価格の動向や環境問題を考慮した規制強化が今後どのように進むかにより、業界各社のコストが左右され、結果として利益に影響を与えます。

また、当社の車両輸送事業における主要荷主、特に売上依存度の高い日産自動車の国内販売動向は輸送ボリュームの増減につながり、経営成績に影響を与えます。

(5)経営戦略と今後の方針・見通しについて

当社は2001年、MBOによって日産自動車から独立して以来、社内の制度改革やルールの見直しを行い品質を高めつつ合理化を進め収益基盤を固めると共に事業の拡大を進め、持続的な成長・発展に努めてまいりました。しかしながら国内における自動車需要は縮小傾向にあり、車両輸送事業は中長期的にも厳しい環境にあります。

そこで当社といたしましては、既存ビジネスの拡充と新規事業の開発という2つの戦略を軸に経営を進め中長期的目標であるグループ売上高1,000億円の達成と同時に収益性を確保し営業利益率5%以上を目指します。

新規事業の開発においては、当社普通株式の公開買付により、平成26年6月19日付けにて、親会社となったタンチョンインターナショナルリミテッドと相互に協力し、ASEAN諸国での事業展開を進めております。「自動車バリューチェーンの構築」「ヒューマンリソース事業での提携」「トラック架装事業での提携」の3つのプロジェクトをタンチョンインターナショナルリミテッドグループと共に検討を推進し、ASEAN事業を当社の大きな柱に育てるよう取り組みを加速いたします。また、企業アライアンスやM&Aを引き続き推進し、物流ネットワークの総合サービスプロバイダーとして確固たる地位を持つ企業を目指します。

一方、既存のコアビジネスである自動車関連事業においては、全国の新車販売会社の地域内輸送及び輸送に付帯する周辺業務を一括して受託すると同時に、中古車輸送では納期の短縮と共に、顧客ニーズに合わせた付帯サービスを分かりやすくパッケージ化し、顧客の積極的な獲得を図ります。

これらの戦略により、リスク対応力の高い強固な収益基盤と安定的な事業拡大を持続できる体制を構築し、物流業界における地位を確立することで企業価値を高めてまいりたいと考えております。

(6)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ7億7百万円増加し、58億56百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、20億3百万円(前年同期比12.3%減)となりました。

収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益34億58百万円、減価償却費9億22百万円、のれん償却額3億47百万円、その他流動負債の増加額2億16百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額14億49百万円、売上債権の増加額7億75百万円、たな卸資産の増加額4億69百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、10億16百万円(前年同期比111.7%増)となりました。

収入の主な内訳は、貸付金の回収による収入3億16百万円であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出6億25百万円、投資有価証券の取得による支出3億92百万円、貸付けによる支出3億23百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、3億83百万円(前年同期比73.4%減)となりました。

支出の主な内訳は、長期借入金による収入17億40百万円、長期借入金の返済による支出15億79百万円、リース債務の返済による支出3億55百万円、配当金の支払額3億77百万円であります。