(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調が続き、堅調な雇用・所得環境を受けて個人消費も改善しております。自動車業界においては、これまで減少傾向にあった国内での販売台数については、期前半は対前年で減少したものの、期後半には新型車の発売により持ち直し、通年では新車販売台数は5,205,451台(前年同期比105.9%)、中古車販売台数は6,838,795台(前年同期比101.5%)となりました。一方で、国際情勢や為替水準の変化により不透明な状況で推移したことによって、輸出中古車は1,325,101台(前年同期比96.6%)と引き続き減少傾向となりました(出展:日本自動車工業会統計データ・日本自動車販売協会連合会統計データ・全国軽自動車協会連合会統計データ)。有効求人倍率は上昇し労働需給が逼迫した状態は継続しており、物流業界においては、燃料価格が緩やかに上昇したことに加え、ドライバー不足が更に深刻化するなど経営環境は厳しい状態で推移しました。
このような環境下において当社グループは、各セグメントにおいて市場環境の変化に対応した戦略的な営業活動を推進するとともに、3つの事業のグループシナジーを強化することで、より付加価値の高いサービスの創出に努めてまいりました。また、法令順守の取り組みや収益管理体制の強化に向けた活動を引き続き推進いたしました。
当期における当社グループの業績は、売上収益は791億34百万円(前年同期比101.7%)、営業利益は56億30百万円(前年同期比104.4%)となりました。また税引前利益は55億68百万円(前年同期比101.4%)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は34億55百万円(前年同期比100.0%)となりました。
|
〔自動車の国内流通に関連する台数〕 |
単位:台 |
|||
|
国内販売 |
2015年7月~2016年6月 |
2016年7月~2017年6月 |
前年比 |
|
|
新車 |
|
|
|
|
|
国内メーカー |
*1 |
4,630,867 |
4,904,841 |
105.9% |
|
(うち日産自動車) |
*1 |
(542,043) |
(598,512) |
(110.4%) |
|
海外メーカー |
*2 |
286,358 |
300,610 |
105.0% |
|
新車計 |
|
4,917,225 |
5,205,451 |
105.9% |
|
中古車 |
|
|
|
|
|
登録車 |
*3 |
3,737,186 |
3,822,525 |
102.3% |
|
軽自動車 |
*4 |
3,002,000 |
3,016,270 |
100.5% |
|
中古車計 |
|
6,739,186 |
6,838,795 |
101.5% |
|
永久抹消登録車 |
*3 |
210,762 |
208,683 |
99.0% |
|
輸出 |
2015年7月~2016年6月 |
2016年7月~2017年6月 |
前年比 |
|
|
国内メーカー新車 |
*1 |
4,589,303 |
4,674,106 |
101.8% |
|
中古乗用車 |
*5 |
1,372,293 |
1,325,101 |
96.6% |
*1 日本自動車工業会統計より算出 *2 日本自動車輸入組合統計より算出 *3 日本自動車販売協会連合会統計より算出
*4 全国軽自動車協会連合会統計より算出 *5 日本自動車販売協会連合会統計の輸出抹消登録台数より試算
|
〔燃料小売価格〕 |
単位:円/L |
|||
|
全国平均 |
|
2015年7月~2016年6月 |
2016年7月~2017年6月 |
前年比 |
|
軽油 |
*6 |
107.0 |
107.4 |
100.4% |
|
レギュラーガソリン |
*6 |
125.8 |
128.2 |
101.9% |
*6 資源エネルギー庁統計より算出 (当社が輸送に使用する燃料は主に軽油)
事業別セグメントの成績
《自動車関連事業》
主要取引先である日産自動車の国内新車販売台数は、第1四半期においては前年同期を下回ったものの、第2四半期以降は新型車の好調な販売によって持ち直した結果、当連結会計年度における国内新車輸送は前年同期比で増収となりました。日産以外の新車・中古車輸送については、取引拡大に向けた顧客開拓活動の推進、カーセレクションへの出品確保や共有在庫サービスの展開等により増収となりました。他方、中古車輸出事業については、体制の再構築を進めつつ戦略の見直しを図った結果、減収となりました。また、コスト管理の徹底にも引き続き取り組み、業績の確保に努めてまいりました。これらの結果、売上収益は586億87百万円(前年同期比98.3%)、セグメント利益は59億38百万円(前年同期比101.2%)となりました。
《ヒューマンリソース事業》
景気の回復基調に伴い企業の人材需要が増加傾向にありますが、大都市部の人件費高騰と人材難は深刻化しております。また、少子高齢化の進展による高年齢者就業機会の確保が必要な一方、若年層の応募者は逼迫するなど、企業の人材活用ニーズと就業者の就業ニーズはさらに多様化・高度化してきております。顧客企業の派遣・請負料金に対する姿勢が厳しい状況の下、当社グループは戦略的な営業活動及び営業体制の強化により、人件費の高い大都市部からの地域戦略シフトや専門的分野への事業開拓活動などを推進してまいりました。これらの結果、売上収益は150億円(前年同期比113.5%)となり、セグメント利益は6億61百万円(前年同期比115.4%)となりました。
《一般貨物事業》
既存顧客からの着実な受注獲得に加え、新規顧客からの受注を推進するとともに、業務効率化など収益性向上に向けた施策が効果をあげております。子会社である苅田港海陸運送株式会社では主力の石炭荷役を中心に業績は堅調に推移しており、株式会社九倉では新規業務獲得や業務効率改善を推進してまいりました。これらの結果、売上収益は54億46百万円(前年同期比111.2%)となり、セグメント利益は8億95百万円(前年同期比127.7%)となりました。
なお、上記セグメント別損益に含まれていない全社費用(当社の管理部門に係る費用)等は「第5経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおり「調整額」の項目として計上しており、18億64百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1億76百万円増加し、81億1百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、33億91百万円(前連結会計年度は50億50百万円の収入)となりました。
収入の主な内訳は、当期利益34億55百万円、減価償却費及び償却費11億18百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額26億22百万円、営業債権の増加額9億78百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、5億91百万円(前連結会計年度は5億12百万円の支出)となりました。
収入の主な内訳は、有形固定資産の売却による収入76百万円であり、支出の主な内訳は、有形固定資産取得による支出5億46百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、26億23百万円(前連結会計年度は24億69百万円の支出)となりました。
支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出12億44百万円、配当金の支払額8億69百万円、ファイナンス・リース債務の支払5億95百万円であります。
(3)並行開示情報
差異に関する事項
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、次のとおりです。
前連結会計年度(自 2015年7月1日 至 2016年6月30日)
(表示組替)
日本基準では、金融収益・費用を除く営業外損益と特別損益項目は営業損益に含まれませんが、IFRSでは、これらの項目も営業損益に含まれております。
(退職給付に係る費用)
日本基準では、発生した数理計算上の差異を一定の期間で償却しておりましたが、IFRSでは、発生した数理計算上の差異はその他の包括利益として認識することが要求されます。また、退職給付債務の数理計算上の仮定が相違するため、退職給付費用を追加認識しております。
この結果、IFRSでは日本基準に比べて、売上原価が167百万円、販売費及び一般管理費が98百万円それぞれ増加し、その他の包括利益が184百万円減少しております。
(のれんの償却停止)
当社グループは、のれんを一定期間にわたり償却しておりました。IFRSでは、のれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この影響により、当連結会計年度において、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が347百万円減少しております。
当連結会計年度(自 2016年7月1日 至 2017年6月30日)
(表示組替)
日本基準では、金融収益・費用を除く営業外損益と特別損益項目は営業損益に含まれませんが、IFRSでは、これらの項目も営業損益に含まれております。
(退職給付に係る費用)
日本基準では、発生した数理計算上の差異を一定の期間で償却しておりましたが、IFRSでは、発生した数理計算上の差異はその他の包括利益として認識することが要求されます。また、退職給付債務の数理計算上の仮定が相違するため、退職給付費用を追加認識しております。
この結果、IFRSでは日本基準に比べて、売上原価が147百万円、販売費及び一般管理費が270百万円それぞれ減少し、その他の包括利益が143百万円増加しております。
(のれんの償却停止)
当社グループは、のれんを一定期間にわたり償却しておりました。IFRSでは、のれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この影響により、当連結会計年度において、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が367百万円減少しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループの取り扱う主要な商品は車両輸送を中心としたサービスであるため、生産及び受注の状況は記載を省略しております。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2016年7月1日 至 2017年6月30日) |
前年同期比(%) |
|
自動車関連事業(百万円) |
58,687 |
98.3 |
|
ヒューマンリソース事業(百万円) |
15,000 |
113.5 |
|
一般貨物事業(百万円) |
5,446 |
111.2 |
|
合計(百万円) |
79,134 |
101.7 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2015年7月1日 至 2016年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2016年7月1日 至 2017年6月30日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
日産自動車株式会社 |
13,170 |
16.9 |
13,721 |
17.3 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは『品質』、すなわち「安全で良質な輸送・サービス」をお客様に提供すると共に、「お客様の期待以上のサービスを創造することにより、豊かな社会の発展に貢献する。」という企業理念を掲げており、様々なお客様のニーズに対応したあらゆるサービスの質の向上を活動の基本としております。
また、物流業界における確固たるポジションを築くため、既存ビジネスの拡大とともに新規事業や新サービスを創出し、M&Aもひとつの選択肢とし、新しい領域への展開を推し進めてまいります。持続的な成長・発展を通し、企業価値を増大させ、社会、お客様、株主の皆様から継続的に信頼を得られる企業グループになることを目指してまいります。
(2) 目標とする経営指標
グループ1,000億円の売上収益と5%以上の営業利益率の達成を中長期的な目標とし、さまざまな施策を展開し、目標達成に向け邁進してまいります。
(3) 当社グループが置かれている環境について
当社グループの主たる事業であります自動車関連事業は、消費税や自動車取得および保有時などの関係諸税の税制に影響を受けやすい自動車販売市場の動向に連動します。国内の新車市場は90年代の700万台をピークに、それ以降は停滞が続き、近年の新車販売台数は500万台前後を推移しております。人口減少などによる運転免許保有者の減少や自動車の所有形態が変化してくるなど、長期的に見れば市場は減少傾向にあります。
また、物流業界においては中長期的な原油価格の高騰リスクや排ガス規制など環境対策の強化、車両制限令の運用強化、国内での労働力、特にドライバーの不足への対応など、引き続き厳しい事業環境が続くものと考えております。
このような中で、当社グループは以下のような課題に取組み、力強い成長戦略を実現するための活動を展開いたします。
(4) 主要な取組み
① 輸送改革の推進
自動車生産工場や中古車オークション会場の所在する地域は、多くの商品車を輸送するための戦力を配置する重要な拠点となり、販売店までの新車輸送やオークション開催日前後の搬入搬出によって商品車が集中します。しかしながら、販売店からの復荷やオークション開催日以外には繁閑差があり、不経済な回送や運休が生じないようにしなければなりません。
事業基盤の再構築の一環として地域ブロック化を進めており、これによりグループが保有する輸送能力を見極め、既存の輸送戦力を最大活用できる最適な配置を進めるとともに、新規戦力の発掘など輸送力の拡充を図ります。また顧客エリアの開拓や料金体系の包括的な見直しを進め、収益向上につなげてまいります。
② 働き方改革の推進
若年層の運転免許保有率が減少し、自動車整備士の資格取得を目指す若年層も減少しており、年齢構成は高齢化が進んでいます。トラックドライバーや整備士が減少しつつあり、労働力が不足することで業務量や労働時間の超過が慢性化し、従業員の健康への大きな被害や業務効率の悪化を招くことを避けなければなりません。
法令順守に努めるとともに、総労働時間の短縮を推進するため、仕事の簡素化および自動化、システム化によって負荷軽減に努めてまいります。業務プロセスをシンプルにすることや、アウトソースの併用によって、業務量の削減を図り、労働環境や諸条件の改善を進めてまいります。これにより、業界ダントツの魅力ある会社、働きがいのある職場をつくり上げることで、乗務員や整備士の採用と定着を促進します。
③ 自動車周辺事業の拡大
現有の車両輸送戦力に依存せずに事業拡大を図っていくため、名義変更や登録代行、整備、板金、塗装、オークション、輸出などの既存周辺事業の再構築を進め、新規需要の発掘による新規事業や新サービスを創出してまいります。M&Aや事業譲渡による新しい領域への展開によって、当社グループの成長を推し進め、事業基盤をさらに強固なものとしてまいります。
④ 車両輸送以外の業務の拡大
ヒューマンリソース事業においては、戦略的な営業活動および営業体制の強化により、少子高齢化や需要の多様化などによる、さまざまな企業のアウトソース需要を獲得し、また、地方都市への展開などを行なっております。従来の「ドライバー」を軸とした人材の確保、教育、社会への供給、サービスの提供に加えて、中長期的には、福祉、介護、富裕層や訪日外国人向けサービスといった分野への人材の育成、供給に取り組んでまいります。
一般貨物事業においては、港湾荷役や製品配送、倉庫事業など優良顧客の需要を的確に獲得し事業の拡大を進めております。グループ内での協業を推進し、グループ内のインフラやリソースの最大活用を進めてまいります。
⑤ 海外事業の拡大
当社グループが自動車関連事業で長年培ってきたサービス技術、ノウハウを海外の成長市場で展開しております。中国では、2004年の創業以来、順調に事業を拡大し収益を上げておりますが、中国政府による貨物車両に対する新規定が施行され、本規制による影響に留意する必要があります。
ASEAN諸国では、タンチョンインターナショナルリミテッドと相互に協力し事業展開を進めております。
海外事業におけるビジネスパートナーとの連携強化を図るとともに新規顧客の開拓によって事業規模を拡大してまいります。
当社グループの事業等に係るリスク要因になる可能性のある重要事項は以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものでありますが、以下の記載は当社グループの事業等及び当社株式への投資に係るリスクを全て網羅するものではありません。
①主要顧客への売上依存度について
当社グループの主要顧客は、日産自動車株式会社であり、同社向けの売上実績は下表のとおりとなっています。日産自動車株式会社への売上依存度は、2017年6月期ではさらに上昇し高いものとなっているため、同社との取引状況に何らかの変更があった場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
|
|
2016年6月期 |
2017年6月期 |
||
|
相手先 |
金額 |
総売上に |
金額 |
総売上に |
|
日産自動車株式会社 |
13,170 |
16.9% |
13,721 |
17.3% |
|
日産自動車グループ(注) |
18,716 |
24.0% |
19,845 |
25.1% |
(注)日産自動車グループの販売実績は、日産自動車株式会社、株式会社オーテックジャパン、及び全国の日産自動車販売会社への売上実績を合計したものであります。
日産自動車株式会社とは、車両輸送作業や新車点検整備作業等の個別の業務ごとに締結された「車両運送委託契約書」や「請負基本契約書」等に加え、「戦略的パートナーシップ契約についての覚書」を締結しております。具体的には、日産自動車株式会社が提示した評価項目毎の目標を達成することを条件に、当社に対して同社は車両物流に関わる業務を契約期間中継続して委託することを定めております。
現在締結している覚書は、2020年3月末まで継続されることが基本合意されております。2003年に締結以来2017年3月末まで、日産自動車株式会社が提示した目標を達成しており、今後も業務品質の維持向上につとめることによって契約の更新を続けてまいる所存です。
しかし、諸事情により日産自動車株式会社との取引が継続できなくなった場合は、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
②売上収益の下期偏重について
車両輸送関連事業につきましては、自動車流通に直接影響する国内の販売台数が新車、中古車ともに3月に増加する傾向にあり、またマイカー輸送につきましても、3月下旬から4月上旬の引越しシーズンに需要が増加する傾向にあります。今後も、同様の理由により売上収益の偏重が発生すると考えられることから、当社グループの業績を判断する際には留意が必要となります。
③特有の法的規制に係るもの
a. 貨物自動車運送事業法等の規制について
当社グループの主要な事業活動である車両輸送サービスの前提は、一般貨物運送事業者としての貨物自動車運送事業法第3条に基づく一般貨物自動車運送事業認可(関東運輸局長(関自貨2)第1992号ほか)と、貨物運送利用事業者としての貨物利用運送事業法第20条に基づく第二種貨物利用運送事業許可(総合政策局複合貨物流通課長(国総貨複第6号の4-25))であり、当社グループの有している許認可の有効期限は無期限であります。
これらの法律では、事業経営者に対する許可、事業許可の基準、禁止行為、運送約款の作成と認可、過労運転防止を中心とする輸送の安全、事業用自動車の運行と安全確保のための運行管理者選任と資格試験、監督官庁の事業改善命令、さらに名義利用の禁止・事業譲渡及び譲受け並びに事業休止廃止などの許認可等について細目にわたり規定されており、貨物自動車運送事業法第33条及び貨物利用運送事業法第33条には、許認可の取消事由が定められています。現時点において、当社グループはこれらの許認可の取消の事由に該当する事実はないと認識しています。
当社グループの主要な事業活動の継続には前述のとおり一般貨物自動車運送事業認可及び第二種貨物利用運送事業許可が必要ですが、今後、法令違反等によりこれらの許認可が剥奪された場合には、主たる事業の一部あるいは全部を行うことができず、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
また、今後、貨物自動車運送事業法や貨物利用運送事業法の内容変更等が行われた場合には、新たなコストが発生し、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
b. 排気ガスの抑制に関する諸規制について
当社グループの営む事業のうち自動車関連事業及び一般貨物事業につきまして、2002年10月1日から「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」(自動車Nox・PM法)が施行され、また、2003年10月1日から東京都の「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」をはじめとするディーゼル車の走行規制条例が、首都圏で施行されたのを皮切りに、全国へ拡大されております。当社グループといたしましては、各種規制に対して、新車代替又は排ガス対策装置を装着することを進めておりますが、今後、規制の内容の強化等が行われた場合には、更なるコストが発生し、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
c. 道路交通法の規制について
当社グループの輸送業務については、道路交通法を遵守し、人命を尊重し交通安全に最善を尽くしております。しかし、重大な交通事故を起こしてしまった場合には、当社グループの信頼が失われ、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
d. 道路法の車両制限令の規制について
当社グループの車両運搬用のセミトレーラにつきましては、道路法の車両制限令により全長の制限及び積載車両の長さや高さ、過積載等の制限が定められております。車両運搬用セミトレーラは、本来商品車(輸送依頼を受けた車両)を6~7台積載できることを前提に製造されておりますが、最近は商品車のサイズが大型化したことに伴い、積載時にセミトレーラのサイズに収まらず、はみ出してしまう可能性があります。
当社グループでは、各物流拠点での配車時において、制限値を超えないように小型車を混載させ、積載時に調整を行っております。しかし、小型車の混載が困難な新車輸送に関しましては、積載台数を減らさざるをえない場合もあります。今後も、適正な輸送料金への改定の交渉に取り組みますが、規制の内容の変更等が行われ、輸送効率の低下に伴うコスト増分を輸送料金に反映できない場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
e. 労働基準法等の規制について
乗務員の時間外勤務や連続運転については、「労働基準法」、「自動車運転者の労働時間等の改善の基準」等に基づいた労務管理が必要となります。昨今の労働行政の動きをみると、長時間労働に対する監督官庁による指導・監督の強化、施行が決定している労働安全衛生法改正による従業員のメンタルヘルスチェックの義務化など従業員へのよりきめ細やか労務管理と安全配慮を企業側に求めるものとなっています。現在、法令等に抵触する事実はないものと認識しておりますが、今後の規制強化や法適応の動向によっては、コストの増加が懸念され、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
f. 派遣法等の改正について
「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下、労働者派遣法)」は2012年の改正に続き、改正時の附帯決議等により2015年にも一部改正されました。改正においては、雇用安定措置の義務化、個人単位及び事業所単位の期間制限等が織り込まれています。派遣先企業では、アウトソーシングや直接雇用への切り替えなどの動きも見られ、派遣業界の競争は更に厳しさを増すものと考えられます。これまでも労働・雇用環境の変化に応じて労働者派遣法は改正されており、今後の改正などにより事業環境が変化した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
④燃料価格の上昇について
軽油、ガソリン等の燃料価格が大きく上昇し、輸送コストの増加を企業努力により吸収するか、もしくは輸送料金(燃料サーチャージを含む)に反映ができない場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
⑤人材の確保について
人材確保・育成を経営上の重要項目として取り組んでおりますが、少子高齢化の進行に伴う人材不足及び景気回復に伴う人件費の高騰などにより必要な人材の確保ができない場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
⑥自然災害等の大規模災害による被害
地震、噴火、津波、台風等の自然災害や火災等の事故及び通信ネットワークを含む情報システムの停止等により、当社グループの事業活動が停止するような被害を受けた場合には、当社グループの業績に重要な悪影響を与える可能性があります。
(1)日産自動車との車両輸送取引等基本確認書
マネジメント・バイアウト(MBO)直前の2001年4月に、日産自動車と当社間で締結していた各種の契約書に基づく車両輸送等関連業務の取引をMBO後も継続する旨、両者間で確認書を締結いたしました。取引継続対象の主要契約書は次のとおりであります。
|
契約書名 |
契約日 |
業務 |
内容 |
|
車両運送委託契約書 |
1980年4月1日 |
新車輸送 |
日産自動車が販売会社に対し車両を売渡した後の完成車輸送業務 |
|
請負基本契約書 |
1979年10月1日 |
輸出車輸送 |
生産工場から輸出港までの完成車(輸出車)輸送業務 |
|
車両移動作業請負契約書 |
1970年10月1日 |
移動 |
日産自動車在庫車の指定先への移動等業務 |
|
請負基本契約書 |
1971年10月1日 |
構内作業 |
工場構内及び自動車保管場所における車両保管、設備管理、車両品質保持、在庫管理等の包括的業務 |
|
新車納車整備業務委託 |
1998年5月1日 |
新車納車整備 |
新車点検整備作業、洗車・磨き作業、オプション部品取付け作業、その他関連する業務 |
|
車両輸送委託契約書 |
1998年5月1日 |
新車納車整備完了車輸送 |
新車納車整備完了車の納整センターから販売会社までの車両輸送業務 |
(2)日産自動車との戦略的パートナーシップについての覚書
2003年2月に、日産自動車との間で下記の内容の「戦略的パートナーシップについての覚書」を締結しております。
|
内容 |
|
日産自動車はゼロを国内完成車物流の戦略的パートナーと位置づけることとしています。戦略的パートナーの定義は次のとおりです。 「日産自動車のサプライチェーンを構成する業務の中でゼロは完成車両の国内物流に関する特定の範囲を継続的に受託し、自らが持つ専門的なノウハウを提供し、日産自動車と協力して物流効率化に取り組むことにより、サプライチェーン全体の物流品質、納期、陸送物流コスト、安全・CSの最適化に寄与する。」 覚書では日産自動車が提示した評価項目毎の目標を達成することを条件に、当社に対して同社は車両物流に関わる業務を契約期間中継続して委託することを定めております。 |
特記すべきものはありません。
当社グループの財政状態及び経営成績の分析を以下のとおり記載しております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上収益
売上収益は前連結会計年度に比べて13億4百万円増加し、791億34百万円となりました。
② 売上原価、売上総利益
売上原価は前連結会計年度に比べて6億22百万円増加し657億31百万円となりました。この結果、売上総利益は前連結会計年度に比べて6億82百万円増加し134億3百万円となりました。
③ 販売費及び一般管理費、その他の収益、その他の費用、営業利益
販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べて5億70百万円増加し81億17百万円、その他の収益は前連結会計年度に比べて1億99百万円増加し4億79百万円、その他の費用は前連結会計年度に比べて72百万円増加し、1億34百万円となりました。この結果、営業利益は前連結会計年度に比べて2億39百万円増加し56億30百万円となりました。
④ 金融収益、金融費用、持分法による投資損益、税引前利益
金融収益は前連結会計年度に比べて36百万円減少し48百万円、金融費用は前連結会計年度に比べて11百万円減少し91百万円、持分法による投資損益は前連結会計年度に比べて1億37百万円減少し△18百万円となりました。この結果、税引前利益は前連結会計年度に比べて76百万円増加し55億68百万円となりました。
⑤ 法人所得税費用、親会社の所有者に帰属する当期利益
法人所得税費用は前連結会計年度に比べて76百万円増加し21億13百万円となりました。これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べて0百万円減少し34億55百万円となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「4.事業等のリスク」をご参照下さい。
(4) 経営戦略の現状と見通し
海外景気の動向には一部の懸念はあるものの、国内景気につきましては、政府の経済対策などにより緩やかな回復が持続することが期待されております。しかしながら自動車業界におきましては人口減少などによる運転免許保有者の減少、耐久性の向上による長期保有やシェアリングサービスの普及による車両売買の減少など内需の縮小懸念は払拭されず、また、物流業界におきましてもドライバー不足の深刻化や中長期的な燃料価格の上昇懸念、安全性確保や環境対策の強化など厳しい経営環境が続くことが予測されます。
このような環境のなか、当社グループでは、全国にある拠点の地域特性を意識した営業活動を進め、新規需要の発掘による新規事業や新サービスを創出してまいります。また、事業基盤の再構築の一環として地域ブロック化を進めており、グループ内全ての会社が保有する輸送能力を見極め、輸送効率向上と収益管理体制の強化を進め、グループ内のインフラやリソースを最大限に活用したグループシナジーの効果を高めてまいります。一方で、労働環境・諸条件の改善といった「働き方改革」の推進にも取り組んでまいります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①資産
流動資産は、前連結会計年度末に比べ13億98百万円(7.6%)増加し、197億45百万円となりました。
これは主に、営業債権及びその他の債権が11億59百万円増加したことによります。
非流動資産は、前連結会計年度末に比べ7億56百万円(4.3%)増加し、182億62百万円となりました。
これは主に、有形固定資産が6億16百万円増加したことや、その他の金融資産が4億43百万円増加したことによります。
これらの結果資産合計は、前連結会計年度末に比べ21億54百万円(6.0%)増加し、380億7百万円となりました。
②負債
流動負債は、前連結会計年度末に比べ60百万円(0.5%)減少し、121億18百万円となりました。
これは主に、その他の流動負債が2億99百万円増加したものの、借入金が3億83百万円減少したことによります。
非流動負債は、前連結会計年度末に比べ7億16百万円(12.1%)減少し、52億15百万円となりました。
これは主に、借入金が4億9百万円減少したことや、退職給付に係る負債が3億98百万円減少したことによります。
これらの結果負債合計は、前連結会計年度末に比べ7億76百万円(4.3%)減少し、173億34百万円となりました。
③資本
資本は、前連結会計年度末に比べ29億31百万円(16.5%)増加し、206億72百万円となりました。
これは主に、利益剰余金が親会社の所有者に帰属する当期利益の計上などにより27億62百万円増加したことによります。
④キャッシュ・フローの状況
当社グループの資金状況は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のと
おりであります。