第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは『品質』、すなわち「安全で良質な輸送・サービス」をお客様に提供すると共に、「お客様の期待以上のサービスを創造することにより、豊かな社会の発展に貢献する。」という企業理念を掲げており、様々なお客様のニーズに対応したあらゆるサービスの質の向上を活動の基本としております。

また、物流業界における確固たるポジションを築くため、既存ビジネスの拡大とともに新規事業や新サービスを創出し、M&Aもひとつの選択肢として、新しい事業領域への展開を推し進めてまいります。持続的な成長・発展を通し、企業価値を増大させ、社会、お客様、株主の皆様から継続的に信頼を得られる企業グループになることを目指してまいります。

(2) 目標とする経営指標

グループ1,000億円の売上収益と5%以上の営業利益率の達成を中長期的な目標とし、さまざまな施策を展開し、目標達成に向け邁進してまいります。

(3) 当社グループが置かれている環境について

当社グループの主たる事業であります自動車関連事業は、消費税や自動車取得及び保有時などの関係諸税の税制に影響を受けやすい自動車販売市場の動向に連動しております。国内の新車市場は90年代の700万台をピークに、それ以降は停滞が続き、近年の新車販売台数は500万台前後を推移しております。人口減少などによる運転免許保有者の減少や自動車の所有形態が変化してくるなど、長期的に見れば市場は減少傾向にあります。

また、物流業界においては中長期的な原油価格の高騰リスクやSOx規制強化に伴う海上運賃上昇リスクに加え、コンプライアンスへの対応、日本国内における労働力不足、特に乗務員の不足への対応、さらには働き方改革関連法への対応など引き続き厳しい事業環境が続くものと考えております。

このような中で、当社グループは以下のような課題に取組み、力強い成長戦略を実現するための活動を展開いたします。

(4) 対処すべき課題

① 輸送改革の推進

自動車生産工場や中古車オークション会場の所在する地域は、多くの商品車を輸送するための戦力を配置する重要な拠点となり、販売店までの新車輸送やオークション開催日前後の搬入搬出によって商品車が集中します。しかしながら、販売店からの復荷の有無によって積載率が変動したり、オークション開催日とそれ以外では繁閑差があるため、輸送情報の事前入手と計画的な配車により不経済な回送や運休が生じないように努めてまいります。

事業基盤の再構築の一環として地域ブロック化を完了させ、既存の輸送戦力を最大活用できる最適な配置を進めるとともに、新規輸送協力会社の開拓などにより輸送戦力の拡充を図ってまいります。また顧客エリアの開拓や料金体系の包括的な見直しを進め、収益向上につなげてまいります。

 

② 働き方改革の推進

少子高齢化の加速により、若年層の人口そのものが減少していることに加えて、若年層の運転免許保有率が減少しつつあり、また自動車整備士の資格取得を目指す若年層も減少しております。その結果として、乗務員や整備士が減少し、労働力が不足することで業務量や労働時間の超過が慢性化し、従業員の健康への被害や業務効率の悪化を招くことを避けなければなりません。

乗務員や整備士の採用を進め、法令順守に努めるとともに、総労働時間の短縮を推進するため、仕事の簡素化及び自動化、システム化によって負荷軽減に努めてまいります。業務プロセスをシンプルにすることや、アウトソースの併用によって、業務量の削減を図り、労働環境や諸条件の改善を進めてまいります。これにより、業界ダントツの魅力ある会社、働きがいのある職場をつくり上げることで、乗務員や整備士の採用と定着を促進します。

③ 自動車周辺事業の拡大

車両輸送事業に依存しない事業ポートフォリオを構築するため、名義変更や登録代行、車両保管、整備、板金、塗装、オークション、中古車輸出などの既存周辺事業の再構築を進め、新規需要の発掘による新規事業や新サービスを創出してまいります。また、M&Aや業種を問わないアライアンスの推進による新しい事業領域への展開によって、当社グループの成長を推し進め、事業基盤をさらに強固なものとしてまいります。

④ 車両輸送以外の業務の拡大

ヒューマンリソース事業においては、さまざまな送迎に関わる企業のアウトソース需要を獲得し、戦略的な営業活動及び営業体制の強化により、積極的に地方都市への展開を行なっております。従来の「ドライバー」を軸とした人材の確保、教育、社会への供給、サービスの提供に加えて、中長期的には、空港、福祉、介護、国際人材といった分野への事業展開を取り組んでまいります。

一般貨物事業においては、港湾荷役事業、運輸事業、倉庫事業などがあり、お客様の要望を的確に捉えて事業の拡大を進めております。グループ内での協業を推進し、グループ内のインフラやリソースの最大活用を進めてまいります。

⑤ 海外事業の拡大

当社グループが自動車関連事業で長年培ってきたサービス技術、ノウハウを海外の成長市場で展開しております。中国では、2004年の創業以来、順調に事業を拡大し収益を上げておりますが、一部の自動車メーカーに売上高の大半を依存しており、三年毎に行われる入札により業績が左右されることに留意する必要があります。

アセアン諸国では、タンチョンインターナショナルリミテッドと相互に協力し事業展開を進めております。

海外事業におけるビジネスパートナーとの連携強化を図るとともに新規顧客の開拓によって事業規模を拡大してまいります。

2【事業等のリスク】

当社グループの事業等に係るリスク要因になる可能性のある重要事項は以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものでありますが、以下の記載は当社グループの事業等及び当社株式への投資に係るリスクを全て網羅するものではありません。

①主要顧客への売上依存度について

当社グループの主要顧客は、日産自動車株式会社であり、同社向けの売上実績は下表のとおりとなっています。日産自動車株式会社への売上依存度は、継続的に高い率となっているため、同社との取引状況に何らかの変更があった場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

2018年6月期

2019年6月期

 相手先

金額
(百万円)

総売上に
占める割合

金額
(百万円)

総売上に
占める割合

日産自動車株式会社

14,123

17.4%

13,775

15.3%

日産自動車グループ(注)

19,853

24.4%

19,495

21.6%

(注)日産自動車グループの販売実績は、日産自動車株式会社、株式会社オーテックジャパン、及び全国の日産自動車販売会社への売上実績を合計したものであります。

日産自動車株式会社とは、車両輸送作業や新車点検整備作業等の個別の業務ごとに締結された「車両運送委託契約書」や「請負基本契約書」等に加え、「戦略的パートナーシップについての覚書」を締結しております。具体的には、日産自動車株式会社が提示した評価項目毎の目標を達成することを条件に、当社に対して同社は車両物流に関わる業務を契約期間中継続して委託することを定めております。

現在締結している覚書は、2020年3月末まで継続されることが基本合意されております。2003年に締結以来2019年3月末まで、日産自動車株式会社が提示した目標を達成しており、今後も業務品質の維持向上につとめることによって契約の更新を続けてまいる所存です。

しかし、諸事情により日産自動車株式会社との取引が継続できなくなった場合は、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

②売上収益の下期偏重について

車両輸送関連事業につきましては、自動車流通に直接影響する国内の販売台数が新車、中古車ともに3月に増加する傾向にあり、またマイカー輸送につきましても、3月下旬から4月上旬の引越しシーズンに需要が増加する傾向にあります。今後も、同様の理由により売上収益の偏重が発生すると考えられることから、当社グループの業績を判断する際には留意が必要となります。

③特有の法的規制に係るもの

a. 貨物自動車運送事業法等の規制について

当社グループの主要な事業活動である車両輸送サービスの前提は、一般貨物運送事業者としての貨物自動車運送事業法第3条に基づく一般貨物自動車運送事業認可(関東運輸局長(関自貨2)第1992号ほか)と、貨物運送利用事業者としての貨物利用運送事業法第20条に基づく第二種貨物利用運送事業許可(総合政策局複合貨物流通課長(国総貨複第6号の4-25))であり、当社グループの有している許認可の有効期限は無期限であります。

これらの法律では、事業経営者に対する許可、事業許可の基準、禁止行為、運送約款の作成と認可、過労運転防止を中心とする輸送の安全、事業用自動車の運行と安全確保のための運行管理者選任と資格試験、監督官庁の事業改善命令、さらに名義利用の禁止・事業譲渡及び譲受け並びに事業休止廃止などの許認可等について細目にわたり規定されており、貨物自動車運送事業法第33条及び貨物利用運送事業法第33条には、許認可の取消事由が定められています。現時点において、当社グループはこれらの許認可の取消の事由に該当する事実はないと認識しています。

当社グループの主要な事業活動の継続には前述のとおり一般貨物自動車運送事業認可及び第二種貨物利用運送事業許可が必要ですが、今後、法令違反等によりこれらの許認可が剥奪された場合には、主たる事業の一部あるいは全部を行うことができず、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

また、今後、貨物自動車運送事業法や貨物利用運送事業法の内容変更等が行われた場合には、新たなコストが発生し、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

b. 排気ガスの抑制に関する諸規制について

当社グループの営む事業のうち自動車関連事業及び一般貨物事業につきまして、2002年10月1日から「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」(自動車Nox・PM法)が施行され、また、2003年10月1日から東京都の「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」をはじめとするディーゼル車の走行規制条例が、首都圏で施行されたのを皮切りに、全国へ拡大されております。当社グループといたしましては、各種規制に対して、新車代替又は排ガス対策装置を装着することを進めておりますが、今後、規制の内容の強化等が行われた場合には、更なるコストが発生し、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

c. 道路交通法の規制について

当社グループの輸送業務については、道路交通法を遵守し、人命を尊重し交通安全に最善を尽くしております。しかし、重大な交通事故を起こしてしまった場合には、当社グループの信頼が失われ、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

d. 道路法の車両制限令の規制について

当社グループの車両運搬用のセミトレーラにつきましては、道路法の車両制限令により全長の制限及び積載車両の長さや高さ、過積載等の制限が定められております。車両運搬用セミトレーラは、本来商品車(輸送依頼を受けた車両)を6~7台積載できることを前提に製造されておりますが、最近は商品車のサイズが大型化したことに伴い、積載時にセミトレーラのサイズに収まらず、はみ出してしまう可能性があります。

当社グループでは、各物流拠点での配車時において、制限値を超えないように小型車を混載させ、積載時に調整を行っております。しかし、小型車の混載が困難な新車輸送に関しましては、積載台数を減らさざるをえない場合もあります。今後も、適正な輸送料金への改定の交渉に取り組みますが、規制の内容の変更等が行われ、輸送効率の低下に伴うコスト増分を輸送料金に反映できない場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

e. 労働基準法等の規制について

乗務員の時間外勤務や連続運転については、「労働基準法」、「自動車運転者の労働時間等の改善の基準」等に基づいた労務管理が必要となります。昨今の労働行政の動きをみると、長時間労働に対する監督官庁による指導・監督の強化、施行が決定している労働安全衛生法改正による従業員のメンタルヘルスチェックの義務化など従業員へのよりきめ細やかな労務管理と安全配慮を企業側に求めるものとなっています。現在、法令等に抵触する事実はないものと認識しておりますが、今後の規制強化や法適応の動向によっては、コストの増加が懸念され、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

f. 派遣法等の改正について

「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下、労働者派遣法)」は2012年の改正に続き、改正時の附帯決議等により2015年にも一部改正されました。改正においては、雇用安定措置の義務化、個人単位及び事業所単位の期間制限等が織り込まれています。派遣先企業では、アウトソーシングや直接雇用への切り替えなどの動きも見られ、派遣業界の競争は更に厳しさを増すものと考えられます。これまでも労働・雇用環境の変化に応じて労働者派遣法は改正されており、今後の改正などにより事業環境が変化した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

④燃料価格の上昇について

軽油、ガソリン等の燃料価格が大きく上昇し、輸送コストの増加を企業努力により吸収するか、もしくは輸送料金(燃料サーチャージを含む)に反映ができない場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

⑤人材の確保について

人材確保・育成を経営上の重要項目として取り組んでおりますが、少子高齢化の進行に伴う人材不足及び景気回復に伴う人件費の高騰などにより必要な人材の確保ができない場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

⑥自然災害等の大規模災害による被害

地震、噴火、津波、台風等の自然災害や火災等の事故及び通信ネットワークを含む情報システムの停止等により、当社グループの事業活動が停止するような被害を受けた場合には、当社グループの業績に重要な悪影響を与える可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調が続き、堅調な雇用と所得環境を受けて個人消費も改善しておりますが、米中の通商問題を始めとする海外経済の不確実性により先行き不透明な状態にあります。

自動車業界におきましては、新車販売台数が前連結会計年度(以下、前年同期という)比で102.1%(日本自動車工業会統計データ)と完成検査問題が一巡したことに加えて、新型軽自動車の売れ行きが好調で増加いたしました。中古車登録台数も新車販売台数同様、前年同期比で増加いたしました。

 

当社グループは各事業セグメントで市場環境の変化に対応した戦略的かつ機動的な営業活動と事業運営を推進するとともに、国内自動車市場の縮小に備えて、次世代モビリティや訪日外国人増加や海外の経済成長を見据えた新規事業の開拓に努めております。また、グループシナジーの強化に向けた活動、輸送改革、コンプライアンス強化の取組み、働き方改革にも継続して取り組んでおりますが、物流業界おける労働需給逼迫を起因としたドライバー不足と賃金上昇・採用費用増加、燃料費高騰、車両制限令や路上荷扱い制限などコンプライアンス対応のコスト増要因により、経営環境は厳しい状況にあります。

その結果、当期における当社グループの業績は、売上収益902億28百万円(前年同期比110.9%)、営業利益33億5百万円(前年同期比80.3%)となりました。また税引前利益は32億94百万円(前年同期比80.5%)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は、16億58百万円(前年同期比77.9%)となりました。

 

〔自動車の国内流通に関連する台数〕

単位:台

国内

2017年7月~2018年6月

2018年7月~2019年6月

前年比

新車

 

 

 

 

国内メーカー

*1

4,877,208

4,986,398

102.2%

(うち日産自動車)

*1

(583,046)

(592,778)

(101.7%)

海外メーカー

*2

306,894

306.612

99.9%

新車販売台数合計

 

5,184,102

5,293,010

102.1%

中古車登録台数

 

 

 

 

登録車

*3

3,821,606

3,831,487

100.3%

軽自動車

*4

3,073,852

3,123,533

101.6%

中古車登録台数合計

 

6,895,458

6,955,020

100.9%

永久抹消登録台数

*3

220,759

227,682

103.1%

 

輸出

2017年7月~2018年6月

2018年7月~2019年6月

前年比

国内メーカー新車

*1

4,858,533

4,841,404

99.6%

中古車(登録車)

*5

1,367,195

1,462,583

107.0%

*1 日本自動車工業会統計より算出  *2 日本自動車輸入組合統計より算出  *3 日本自動車販売協会連合会統計より算出

*4 全国軽自動車協会連合会統計より算出  *5 日本自動車販売協会連合会統計の輸出抹消登録台数より試算

〔燃料小売価格〕

単位:円/L

全国平均

 

2017年7月~2018年6月

2018年7月~2019年6月

前年比

軽油

*6

118.7

129.9

109.4%

レギュラーガソリン

*6

140.2

150.0

107.0%

*6 資源エネルギー庁統計より算出 (当社が輸送に使用する燃料は主に軽油)

 事業別セグメントの成績

《自動車関連事業》

主幹事業である車両輸送は日本国内における新車と中古車輸送の取引拡大に向けて、新車ディーラーや大手中古車販売店の中古車販売寡占化に呼応した営業活動を進めたことで増収となりました。また中古車輸出は営業戦略の見直しを図り体制の再構築を進めた成果が出たことにより大幅に増収となり、自動車関連事業全体で増収となりました。

車両輸送体制における地域ブロック化の完了を機に協力会社を含めた輸送体制の再編を加速させ、全国物流網の最適運営を目指すと共に、コスト管理の徹底に引き続き取り組んでおります。他方、車両制限令遵守による積載率の低下、総労働時間削減に向けた働き方改革の取り組み推進、効率的な物流体制構築のための拠点移設に伴う費用の増加に加えて、ドライバー不足に対応するための労務費と採用費用の上昇、燃料費の高騰、機材の増車と老朽化対応による車両費の増加という環境の下、第2四半期までは費用が先行して出ておりましたが、2019年1月より輸送料金改定を実施した結果、第2四半期までの減益分を補い、自動車関連事業全体で増益となりました。

これらの結果、自動車関連事業全体の売上収益は657億66百万円(前年同期比110.5%)、セグメント利益は48億94百万円(前年同期比105.1%)となりました。

《ヒューマンリソース事業》

景気の回復に伴い労働需給が逼迫している中で、大都市部における採用難と人件費高騰は深刻化していることから、当社グループは大都市部からの地域シフトと地域毎の営業体制強化を推進し、商品ポートフォリオを戦略的かつ継続的に見直してまいりました。既存事業である送迎請負とドライバー派遣が堅調に推移したことに加え、新規参入した空港ビジネスが売上増加に寄与したことから増収になりましたが、第2四半期に求人広告費が一時的に増加したことから減益となりました。

これらの結果、ヒューマンリソース事業全体の売上収益は185億27百万円(前年同期比112.4%)、セグメント利益は3億13百万円(前年同期比59.2%)となりました。

《一般貨物事業》

運輸・倉庫事業は、既存顧客の取引拡大と3PLにおける新規顧客の獲得に加えて、西日本地区の災害に伴い陸上輸送へシフトされた貨物を取り込んだことにより増収となりました。港湾荷役事業は、自動車荷役と石炭荷役の減少によって減収となったものの、CKD事業が立ち上がり、売上増加に寄与したことから、一般貨物事業全体では増収となりました。

港湾荷役事業が減収になったことに加えて、新規参入したCKD事業における初期費用と事業立ち上げに関わる損失が発生した結果、一般貨物事業全体では大幅に減益となりました。

これらの結果、一般貨物事業全体の売上収益は59億35百万円(前年同期比110.5%)、セグメント利益は1億50百万円(前年同期比17.1%)となりました。

 

なお、上記セグメント別損益に含まれていない全社費用(当社の管理部門に係る費用)等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載の通り「調整額」の項目として計上しており、20億53百万円となります。

 

② 財政状態

当連結会計年度末における資産合計は前連結会計年度末に比べ12億64百万円(3.3%)増加し、395億54百万円となりました。

当連結会計年度末における負債合計は前連結会計年度末に比べ3億10百万円(1.9%)増加し、164億81百万円となりました。

当連結会計年度末における資本合計は前連結会計年度末に比べ9億53百万円(4.3%)増加し、230億72百万円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ18億7百万円減少し、34億65百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、10億33百万円(前連結会計年度は30億15百万円の収入)となりました。

主な資金増加要因は、非資金支出である減価償却費及び償却費17億8百万円、当期利益16億63百万円であり、主な資金減少要因は、営業債権の増加額19億92百万円、法人所得税の支払額19億32百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、24億2百万円(前連結会計年度は28億90百万円の支出)となりました。

支出の主な内訳は、有形固定資産取得による支出21億95百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、4億38百万円(前連結会計年度は29億53百万円の支出)となりました。

支出の主な内訳は、ファイナンス・リース債務の支払5億63百万円、配当金の支払額3億48百万円、長期借入金の返済による支出2億26百万円であります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

なお、当社グループの取り扱う主要な商品は車両輸送を中心としたサービスであるため、生産及び受注の状況は記載を省略しております。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年7月1日

至 2019年6月30日)

前年同期比(%)

自動車関連事業(百万円)

65,766

110.5

ヒューマンリソース事業(百万円)

18,527

112.4

一般貨物事業(百万円)

5,935

110.5

合計(百万円)

90,228

110.9

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2017年7月1日

至 2018年6月30日)

当連結会計年度

(自 2018年7月1日

至 2019年6月30日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

日産自動車株式会社

14,123

17.4

13,775

15.3

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べ4億29百万円(2.4%)増加し、181億77百万円となりました。

これは主に、現金及び現金同等物が18億7百万円減少したものの、営業債権及びその他の債権が21億21百万円増加したことによります。

非流動資産は、前連結会計年度末に比べ8億34百万円(4.1%)増加し、213億77百万円となりました。

これは主に、その他の金融資産が3億14百万円減少したものの、有形固定資産が11億4百万円増加したことによります。

これらの結果資産合計は、前連結会計年度末に比べ12億64百万円(3.3%)増加し、395億54百万円となりました。

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べ8億73百万円(7.5%)増加し、125億61百万円となりました。

これは主に、未払法人所得税等が3億94百万円減少したものの、借入金が5億81百万円増加したことや、営業債務及びその他の債務が5億40百万円増加したことによります。

非流動負債は、前連結会計年度末に比べ5億62百万円(12.5%)減少し、39億20百万円となりました。

これは主に、その他の金融負債が3億29百万円減少したことや、退職給付に係る負債が1億13百万円減少したことによります。

これらの結果負債合計は、前連結会計年度末に比べ3億10百万円(1.9%)増加し、164億81百万円となりました。

(資本)

資本は、前連結会計年度末に比べ9億53百万円(4.3%)増加し、230億72百万円となりました。

これは主に、利益剰余金が当期利益の計上などにより10億71百万円増加したことによります。

2)経営成績

(売上収益)

  売上収益は前連結会計年度に比べて88億52百万円増加し、902億28百万円となりました。

(売上原価、売上総利益)

  売上原価は前連結会計年度に比べて91億4百万円増加し780億99百万円となりました。この結果、売上総利益は前連結会計年度に比べて2億52百万円減少し121億29百万円となりました。

(販売費及び一般管理費、その他の収益、その他の費用、営業利益)

  販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べて7億12百万円増加し93億2百万円、その他の収益は前連結会計年度に比べて1億69百万円増加し6億6百万円、その他の費用は前連結会計年度に比べて15百万円増加し、1億27百万円となりました。この結果、営業利益は前連結会計年度に比べて8億11百万円減少し33億5百万円となりました。

(金融収益、金融費用、持分法による投資損益、税引前利益)

  金融収益は前連結会計年度に比べて30百万円減少し13百万円、金融費用は前連結会計年度に比べて16百万円減少し57百万円、持分法による投資損益は前連結会計年度に比べて25百万円増加し32百万円となりました。この結果、税引前利益は前連結会計年度に比べて8億円減少し32億94百万円となりました。

(法人所得税費用、親会社の所有者に帰属する当期利益)

  法人所得税費用は前連結会計年度に比べて3億51百万円減少し16億30百万円となりました。非支配持分は前連結会計年度に比べて22百万円増加し5百万円となりました。これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べて4億71百万円減少し16億58百万円となりました。

 

3)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

2015年度から2017年度にかけて三ヶ年計画を立案して、三つの成長戦略(車両輸送事業に伴う周辺事業の拡大、人材事業・一般貨物事業の拡大、アセアン事業の推進)と二つの事業基盤の再構築(輸送体制の地域ブロック化の推進、グループシナジーの創出)を掲げて推進してまいりました。三つの成長戦略に関しては、2016年12月に高栄運輸株式会社(現 株式会社ゼロ・プラスBHS)を買収してバイク輸送事業への本格参入、2017年6月に株式会社Aリリーフを商号変更して、空港ビジネスにおける人材派遣事業への新規参入、苅田港海陸運送株式会社にてバイオマス発電の燃料荷役事業への参入決定、日本とタイにおけるCKD物流事業への新規参入など、種蒔きとその成果が現れてまいりました。

 二つの事業基盤の再構築に関しては、2015年10月に株式会社ゼロ・プラス九州を商号変更・再編したことを皮切りに輸送体制の地域ブロック化を推進して、2016年7月には株式会社ゼロ・プラス関東を商号変更・再編いたしました。また、2017年4月に株式会社ゼロ・プラス西日本を設立し、10月に株式会社ゼロ・プラス中部を商号変更・再編しました。同時に協力会社6社の事業譲受を行い、11月には株式会社HIZロジスティクスを子会社化して、12月に株式会社ゼロ・プラス東日本と商号変更・再編したことで地域ブロック化が完了いたしました。結果としてゼロ、輸送子会社7社、協力会社6社の合計14社を全国5つのブロックへ再編いたしました。グループシナジーの創出については、類似事業の集約、グループ内インフラの共有化、グループ内における株式会社ジャパン・リリーフの利用促進、グループ一丸となった新規事業の開拓を進めてまいりました。

 また、2018年度から2020年度にかけて新たな三ヶ年計画を立案して、自動車業界の変化、ASEANの経済成長と訪日外国人の増加、少子高齢化に伴う労働力不足に対応すべく、異業種の自動車業界参入や次世代モビリティを見据えた新規事業の開拓、株式会社ジャパン・リリーフにおける人材事業の拡大、タンチョングループと協業した海外事業の拡大に努めると同時に、物流拠点や輸送戦力の最適化をはじめとする地域ブロック化の効果最大化、グループシナジー創出と効率化の推進をしてまいります。

 さらに、積年の課題となっている乗務員の不足と高齢化、輸送機材の老朽化、繁閑差解消への取り組みも進め、働き方改革として総労働時間の管理や労働諸条件の改善を図ってまいります。

 2018年度には、株式会社メルカリやKeePer技研株式会社との業務提携を実施して、異業種とのアライアンスを推進しており、また三菱自動車工業株式会社の完成車輸送を全面的に受託することが決定するなど事業領域の拡大を進めております。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

1)資金需要

 当社グループは、今後予想される様々な経営環境の変化に対応し、持続的な成長に伴うリスクに見合った資本水準と負債・資本構成の維持を基本方針としております。

 当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、当社グループの輸送事業に関わる車両費、外注費、販売費及び一般管理費等があります。また、当社グループの設備投資需要としましては、営業用車両投資と不動産投資に加え、情報処理用の無形資産投資等があります。

2)資金の流動性

 当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っております。資金の主な源泉は、営業活動によるキャッシュ・フローから得ており、今後も重要な資金源となると見込んでおります。また、当社グループの資金効率向上のため、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しており、グループ内の資金の偏在を解消し有効活用する仕組みを構築しております。

 

d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは客観的な指標等について、グループ1,000億円の売上収益と5%以上の営業利益率の達成を中長期的な目標としており、2020年6月期には連結売上収益950億円、営業利益40億円、営業利益率4.2%の達成を目指しております。当連結会計年度における連結売上収益は902億28百万円であり、営業利益33億5百万円、営業利益率3.7%となりました。引き続き、これらの指標の達成に向けて取り組んでまいります。

 

e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度のセグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については「(1) 経営成績等の状況の概要 ①業績」に記載のとおりであります。

 

(3)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報

 IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、次のとおりです。

 

前連結会計年度(自 2017年7月1日 至 2018年6月30日)

 

(表示組替)

日本基準では、金融収益・費用を除く営業外損益と特別損益項目は営業損益に含まれませんが、IFRSでは、これらの項目も営業損益に含まれております。

(退職給付に係る費用)

日本基準では、発生した数理計算上の差異を一定の期間で償却しておりましたが、IFRSでは、発生した数理計算上の差異はその他の包括利益として認識することが要求されます。また、退職給付債務の数理計算上の仮定が相違するため、退職給付費用を追加認識しております。

この結果、IFRSでは日本基準に比べて、売上原価が76百万円、販売費及び一般管理費が228百万円それぞれ増加し、その他の包括利益が187百万円減少しております。

(のれんの償却停止)

 当社グループは、のれんを一定期間にわたり償却しておりました。IFRSでは、のれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この影響により、当連結会計年度において、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が414百万円減少しております。

 

当連結会計年度(自 2018年7月1日 至 2019年6月30日)

 

(表示組替)

日本基準では、金融収益・費用を除く営業外損益と特別損益項目は営業損益に含まれませんが、IFRSでは、これらの項目も営業損益に含まれております。

(退職給付に係る費用)

日本基準では、発生した数理計算上の差異を一定の期間で償却しておりましたが、IFRSでは、発生した数理計算上の差異はその他の包括利益として認識することが要求されます。また、退職給付債務の数理計算上の仮定が相違するため、退職給付費用を追加認識しております。

この結果、IFRSでは日本基準に比べて、売上原価が3百万円減少、販売費及び一般管理費が51百万円増加し、その他の包括利益が224百万円減少しております。

(のれんの償却停止)

 当社グループは、のれんを一定期間にわたり償却しておりました。IFRSでは、のれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この影響により、当連結会計年度において、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が243百万円減少しております。

4【経営上の重要な契約等】

(1)日産自動車との車両輸送取引等基本確認書

マネジメント・バイアウト(MBO)直前の2001年4月に、日産自動車と当社間で締結していた各種の契約書に基づく車両輸送等関連業務の取引をMBO後も継続する旨、両者間で確認書を締結いたしました。取引継続対象の主要契約書は次のとおりであります。

契約書名

契約日

業務

内容

車両運送委託契約書

1980年4月1日

新車輸送

日産自動車が販売会社に対し車両を売渡した後の完成車輸送業務

請負基本契約書

1979年10月1日

輸出車輸送

生産工場から輸出港までの完成車(輸出車)輸送業務

車両移動作業請負契約書

1970年10月1日

移動

日産自動車在庫車の指定先への移動等業務

請負基本契約書

1971年10月1日

構内作業

工場構内及び自動車保管場所における車両保管、設備管理、車両品質保持、在庫管理等の包括的業務

新車納車整備業務委託
契約書

1998年5月1日

新車納車整備

新車点検整備作業、洗車・磨き作業、オプション部品取付け作業、その他関連する業務

車両輸送委託契約書

1998年5月1日

新車納車整備完了車輸送

新車納車整備完了車の納整センターから販売会社までの車両輸送業務

 

(2)日産自動車との戦略的パートナーシップについての覚書

2003年2月に、日産自動車との間で下記の内容の「戦略的パートナーシップについての覚書」を締結しております。

内容

日産自動車はゼロを国内完成車物流の戦略的パートナーと位置づけることとしています。戦略的パートナーの定義は次のとおりです。

「日産自動車のサプライチェーンを構成する業務の中でゼロは完成車両の国内物流に関する特定の範囲を継続的に受託し、自らが持つ専門的なノウハウを提供し、日産自動車と協力して物流効率化に取り組むことにより、サプライチェーン全体の物流品質、納期、陸送物流コスト、安全・CSの最適化に寄与する。」

覚書では日産自動車が提示した評価項目毎の目標を達成することを条件に、当社に対して同社は車両物流に関わる業務を契約期間中継続して委託することを定めております。

 

5【研究開発活動】

 特記すべきものはありません。