文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは『品質』、すなわち「安全で良質な輸送・サービス」をお客様に提供するとともに、「お客様の期待以上のサービスを創造することにより、豊かな社会の発展に貢献する。」という企業理念を掲げており、様々なお客様のニーズに対応したあらゆるサービスの質の向上を活動の基本としております。
また、物流業界における確固たるポジションを築くため、既存ビジネスの拡大とともに新規事業や新サービスを創出し、M&Aもひとつの選択肢として、新しい事業領域への展開を推し進めてまいります。持続的な成長・発展を通し、企業価値を増大させ、社会、お客様、株主の皆様から継続的に信頼を得られる企業グループになることを目指してまいります。
(2) 目標とする経営指標
グループ1,000億円以上の売上収益と5%以上の営業利益率の達成を中長期的な目標とし、さまざまな施策を展開し、目標達成に向け邁進してまいります。
(3) 当社グループが置かれている経営環境について
①市場環境
当社グループの主たる事業であります国内自動車関連事業は、消費税や自動車取得及び保有時などの関係諸税の税制に影響を受けやすい国内自動車販売市場の動向に連動しております。国内の新車市場は90年代の700万台をピークに、それ以降は停滞が続き、近年の新車販売台数は500万台前後を推移しておりますが、半導体不足など供給制約がある場合は400万台レベルまで落ち込みます。人口減少などによる運転免許保有者の減少や自動車の所有形態が変化してくるなど、中長期的に見れば市場は減少傾向にあります。
また、物流業界においては中長期的な原油価格の高騰リスクやSOx規制強化に伴う海上運賃上昇に加え、コンプライアンスへの対応、日本国内における労働力不足、特に乗務員の不足への対応、さらには働き方改革関連法に起因する「物流2024年問題」への対応など、引き続き厳しい事業環境が続くものと考えております。
②当社グループの構造と主要なサービスの内容
当社グループは、当社及び子会社19社と共同支配企業4社で構成され、国内自動車関連事業、ヒューマンリソース事業、一般貨物事業、海外関連事業を主たる業務としております。
国内自動車関連事業は、主に新車及び中古車の輸送、バイクの輸送、納車前整備や一般車検整備、リースアップ車や新車販売会社の下取り車の入札会運営、中古車オークション会場での検査業務を主とする構内作業及びそれらに付随する事業を行っております。ヒューマンリソース事業は、車両の運行管理事業やドライバーを中心とした人材派遣事業を行っております。一般貨物事業は、港湾荷役や運輸・倉庫事業に加え、一般消費財等の3PL事業を行っております。海外関連事業は、主として中古車の輸出、海外の自動車製造工場に対して国内の自動車部品を集荷・梱包した上で輸出するCKD事業(Complete Knock Downに関連する輸送事業)、中国における新車の輸送を行っております。
グループの統一的な基本方針のもと、取締役会をはじめ各機関、各社が、相互に事業を組み合わせて、主として自動車のライフサイクルを支える総合物流事業としてのグループシナジー創出と効率化を推し進めております。
③競合他社との優位性
当社グループは、それぞれのセグメントで競合企業が存在いたします。国内自動車関連事業の主たる事業である車両輸送事業においては、多数の車両輸送会社が存在いたしますが、長距離の輸送は対応できないことが多く、当社グループが持つ輸送の全国ネットワークが強みを発揮いたします。また、車両輸送では自動車という特殊な荷物を取り扱っており、その輸送機材に供給の制約があるなど、参入障壁は比較的高いものとなっております。ヒューマンリソース事業においては、一般的な派遣事業の割合は少なく、車両の運行代行やドライバー派遣が主となっており、当社グループとのシナジーがより発揮しやすい構造となっております。また、一般貨物事業においては、参入障壁の高い港湾事業や地域性を活かせる3PL事業を主に事業展開を行っております。海外関連事業においては、中国における車両輸送事業は日本基準の高い輸送品質を強みにしており、中古車輸出事業は地域を集中させ、高い顧客満足度を獲得しております。また、CKD事業は親会社であるタンチョングループとの協業を行うなど独自性を有していることを特長としております。
④新型コロナウイルス感染症の影響
新型コロナウイルス感染症拡大の影響や、それに伴う工場等ロックダウンによる自動車部品流通停滞により、車両輸送受託台数の減少、派遣事業での雇い止め等、当社グループの売上収益にも影響が及んでおります。また、景気先行きが不透明であることに起因し、将来的にも当社グループの業績に影響をあたえることが想定されます。当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響等が、2023年6月期においても一定期間にわたり継続するものと想定しておりますが、その影響は限定的であると見ております。
車両輸送事業においては、自動車メーカーの減産等にともない、売上収益に一定の影響は与えると考えられますが、一方で新車販売における受注は好調に推移している模様であり、部品供給等が正常化するのに伴い、販売台数の戻りも大きく、売上収益を増大させると見込んでおります。ヒューマンリソース事業においては、雇い止めなどの影響は一定程度出る可能性はあるものの、派遣事業や空港関連事業においては急速に持ち直しており、傾向は継続するものと見ております。一般貨物事業においては、参入障壁の高い事業に関しては、新型コロナウイルス感染症の直接的な影響は受けづらくなっております。海外関連事業においては、マレーシアや中国におけるロックダウンの影響から回復基調にありますが、中国におけるゼロコロナ政策の影響を受ける可能性があります。
(4) 対処すべき課題
当社グループは次の課題に取り組み、力強い成長戦略を実現してまいります。
①輸送改革の推進
事業基盤再構築の一環として行った車両輸送会社の地域ブロック化により、グループが保有する地域毎の輸送能力を見極め、既存の輸送戦力を最大活用できる最適な配置を進めるとともに、輸送デジタル化による計画的な配車の実現等により輸送効率を向上させてまいります。また、顧客や地域の特性に応じた営業体制・輸送体制の構築に加えて、コスト管理の徹底を図るとともに、請求・支払料金体系の包括的な見直しを進め、収益向上につなげてまいります。
自動車生産工場や中古車オークション会場の所在する地域は、多くの商品車を纏めて輸送するための戦力を配置する重要な拠点が存在しており、サービスセンターやディーラーまでの新車輸送や中古車オークション開催日前後の搬入搬出によって商品車輸送が集中します。サービスセンターや販売店からの復荷の有無によって輸送効率に差が生じ、また中古車オークション開催日とそれ以外の日で繁閑差がありますが、不経済な回送や運休が生じないように配車のデジタル化を含め輸送体制の最適化を進めることで、物流の2024年問題への対応を進めてまいります。
②働き方改革の推進
働き方改革を推進して、業界ダントツの魅力ある会社、働きがいのある職場をつくり上げることで、乗務員や整備士の定着、従業員満足度の向上を促進してまいります。
法令順守に努めるとともに、総労働時間の短縮を推進するため、業務の簡素化及び自動化、システムやデジタル化によって負荷軽減に努めてまいります。業務プロセスをシンプルにすることや、輸送機材の荷扱いや中古車オークション会場における自動車探しなどを分業やアウトソースすることによって、業務量の削減と平準化を図り、労働環境や諸条件の改善を進めることで、物流の2024年問題への対応を進めてまいります。
さらに、新型コロナウイルスなどの感染症拡大や災害発生に備え、テレワークや裁量労働制の導入を推進してまいります。
③国内自動車周辺事業の拡大
車両輸送に依存しない事業ポートフォリオを構築するため、名義変更や登録代行、納車前整備点検、自動車一時預かり、入札会などの自動車周辺事業を構築して、新規事業や新サービスを創出してまいります。また、M&Aや事業譲受によってバイク輸送やレンタル建機の回送に参入するなど新しい領域への事業展開を進め、事業基盤をより強固なものとしてまいります。
④ヒューマンリソース事業・一般貨物事業の拡大
ヒューマンリソース事業におきましては、戦略的な営業活動及び営業体制の強化により、少子高齢化や需要の多様化などによる、さまざまな企業のアウトソース需要を獲得し、また地方都市への展開などを行っております。
また、社用車を一企業内でシェアリングするオンデマンドモビリティ分野におきましても、ドライバーの需要が高まっており、新規に契約を開始しております。さらに従来の「ドライバー」を軸とした人材・サービスの提供に加えて、空港への人材・サービスの提供を開始しており、今後は更に新たな分野への人材・サービスの提供を検討してまいります。
一般貨物事業におきましては、港湾荷役事業と運輸・倉庫事業ともに既存顧客の要望に的確に応えるとともに、新規顧客の獲得に努めることで事業の拡大を進めております。運輸・倉庫事業では、顧客の物流センター・倉庫の3PL事業に注力しております。港湾荷役事業におきましては、グリーン化・カーボンニュートラルの流れの中で、バイオマス発電所向けの燃料荷役を開始し、軌道に乗ってきております。また、グループ内における協業を推進することで、インフラやリソースの最大活用して、シナジー創出を進めてまいります。
⑤海外関連事業の拡大
国内自動車関連事業で長年培ってきた当社グループのサービス技術、ノウハウを海外の成長市場で展開しております。中国におきましては、2004年に陸友物流(北京)有限公司を設立して進出以来、順調に事業を拡大し収益を上げており、2021年7月1日に出資持分を追加取得し、連結子会社化いたしました。ASEAN諸国におきましては、親会社であるタンチョンインターナショナルリミテッドと協業して、車両輸送・整備・自動車部品梱包、輸送(CKD事業)などの事業拡大に努めております。
⑥ その他
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、車両輸送受託台数の減少等、当社グループの売上収益にも影響が及んでおります。また、景気先行きが不透明であることに起因し、将来的にも当社グループの業績に影響をあたえます。
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響が、2023年6月期においても一定期間にわたり継続するものと想定しておりますが、その影響は限定的であると見ております。
当社グループの事業等に係るリスク要因になる可能性のある重要事項は以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものでありますが、以下の記載は当社グループの事業等及び当社株式への投資に係るリスクを全て網羅するものではありません。
①主要顧客への売上依存度について(リスク顕在化の可能性:小、経営成績等の状況に与える影響:大)
当社グループの主要顧客は、日産自動車株式会社であり、同社向けの売上実績は下表のとおりとなっています。日産自動車株式会社への売上依存度は、継続的に高い率となっているため、同社との取引状況に何らかの変更があった場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
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2021年6月期 |
2022年6月期 |
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相手先 |
金額 |
総売上に |
金額 |
総売上に |
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日産自動車株式会社 |
13,054 |
14.2% |
10,478 |
9.8% |
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日産自動車グループ(注) |
18,076 |
19.6% |
17,768 |
16.6% |
(注)日産自動車グループの販売実績は、日産自動車株式会社、株式会社オーテックジャパン、及び全国の日産自動車販売会社への売上実績を合計したものであります。また、当連結会計年度におきましては、前記に加えて、陸友物流(北京)有限公司を連結子会社化したことに伴い、中国の東風汽車有限公司及び中国のその他日産自動車関係会社等への売上実績を合計したものであります。
日産自動車株式会社とは、車両輸送作業や新車点検整備作業等の個別の業務ごとに締結された「車両運送委託契約書」や「請負基本契約書」等の契約を締結していることに加えて、日産自動車株式会社より「Nomination Letter」に署名をいただいており、2023年3月末まで継続されることが基本合意されております。これまで日産自動車株式会社が提示した目標を達成しており、今後も業務品質の維持向上に努めることによって契約の更新を続けてまいる所存です。
しかし、諸事情により日産自動車株式会社との取引が継続できなくなった場合は、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
当事業リスクに対する対応策としては、輸送システムの連携などを推進することで、日産自動車株式会社との関係強化に努めてまいります。
②特有の法的規制に係るもの
a. 貨物自動車運送事業法等の規制について(リスク顕在化の可能性:小、経営成績等の状況に与える影響:大)
当社グループの主要な事業活動である車両輸送サービスの前提は、一般貨物運送事業者としての貨物自動車運送事業法第3条に基づく一般貨物自動車運送事業認可(関東運輸局長(関自貨2)第1992号ほか)と、貨物運送利用事業者としての貨物利用運送事業法第20条に基づく第二種貨物利用運送事業許可(総合政策局複合貨物流通課長(国総貨複第6号の4-25))であり、当社グループの有している許認可の有効期限は無期限であります。
これらの法律では、事業経営者に対する許可、事業許可の基準、禁止行為、運送約款の作成と認可、過労運転防止を中心とする輸送の安全、事業用自動車の運行と安全確保のための運行管理者選任と資格試験、監督官庁の事業改善命令、さらに名義利用の禁止・事業譲渡及び譲受け並びに事業休止廃止などの許認可等について細目にわたり規定されており、貨物自動車運送事業法第33条及び貨物利用運送事業法第33条には、許認可の取消事由が定められています。現時点において、当社グループはこれらの許認可の取消の事由に該当する事実はないと認識しています。
当社グループの主要な事業活動の継続には前述のとおり一般貨物自動車運送事業認可及び第二種貨物利用運送事業許可が必要ですが、今後、法令違反等によりこれらの許認可が剥奪された場合には、主たる事業の一部あるいは全部を行うことができず、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
また、今後、貨物自動車運送事業法や貨物利用運送事業法の内容変更等が行われた場合には、新たなコストが発生し、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
b. 排気ガスの抑制に関する諸規制について(リスク顕在化の可能性:中、経営成績等の状況に与える影響:小)
当社グループの営む事業のうち国内自動車関連事業及び一般貨物事業につきまして、2002年10月1日から「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」(自動車Nox・PM法)が施行され、また、2003年10月1日から東京都の「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」をはじめとするディーゼル車の走行規制条例が、首都圏で施行されたのを皮切りに、全国へ拡大されております。当社グループといたしましては、各種規制に対して、新車代替又は排ガス対策装置を装着することを進めておりますが、今後、規制の内容の強化等が行われた場合には、更なるコストが発生し、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
c. 道路交通法の規制について(リスク顕在化の可能性:小、経営成績等の状況に与える影響:中)
当社グループの輸送業務については、道路交通法を遵守し、人命を尊重し交通安全に最善を尽くしております。しかし、重大な交通事故等を起こしてしまった場合には、当社グループの信頼が失われ、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
d. 道路法の車両制限令の規制について(リスク顕在化の可能性:小、経営成績等の状況に与える影響:中)
当社グループの車両運搬用のセミトレーラにつきましては、道路法の車両制限令により全長の制限及び積載車両の長さや高さや重量等の制限が定められております。車両運搬用セミトレーラは、本来商品車(輸送依頼を受けた車両)を6~7台積載できることを前提に製造されておりますが、最近は商品車のサイズが大型化したことに伴い、積載時にセミトレーラのサイズに収まらず、はみ出してしまう可能性があります。また、自動車の電動化にともない重量が増しており、セミトレーラの重量制限を超過してしまう可能性があります。
当社グループでは、各物流拠点での配車時において、制限値を超えないように小型車を混載させ、積載時に調整を行っております。しかし、小型車の混載が困難な新車輸送に関しましては、積載台数を減らさざるをえない場合もあります。今後も、適正な輸送料金への改定の交渉に取り組みますが、規制の内容の変更等が行われ、輸送効率の低下に伴うコスト増分を輸送料金に反映できない場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
e. 労働基準法等の規制について(リスク顕在化の可能性:小、経営成績等の状況に与える影響:中)
乗務員の時間外勤務や連続運転については、「労働基準法」、「自動車運転者の労働時間等の改善の基準」等に基づいた労務管理が必要となります。昨今の労働行政の動きをみると、長時間労働に対する監督官庁による指導・監督の強化、施行が決定している労働安全衛生法改正による従業員のメンタルヘルスチェックの義務化など従業員へのよりきめ細やかな労務管理と安全配慮を企業側に求めるものとなっています。現在、法令等に抵触する事実はないものと認識しておりますが、今後の規制強化や法適応の動向によっては、コストの増加が懸念され、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。さらに、働き方改革関連法の施行にともない、残業時間の規制が強化されており、自動車運転の業務は2024年3月31日まで猶予期間が設けられているものの、それ以降の自動車輸送の繁忙期となる3月に従来どおりの売上収益を維持できなくなる可能性があります。
f. 派遣法等の改正について(リスク顕在化の可能性:小、経営成績等の状況に与える影響:小)
「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下、労働者派遣法)」は2012年の改正に続き、改正時の附帯決議等により2015年にも一部改正されました。改正においては、雇用安定措置の義務化、個人単位及び事業所単位の期間制限等が織り込まれています。派遣先企業では、アウトソーシングや直接雇用への切り替えなどの動きも見られ、派遣業界の競争は更に厳しさを増すものと考えられます。これまでも労働・雇用環境の変化に応じて労働者派遣法は改正されており、今後の改正などにより事業環境が変化した場合には、ヒューマンリソース事業において派遣事業を展開している当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
当法的規制に係る事業リスクの対応策につきましては、関係部署に対する、貨物自動車運送事業法や労働基準法などの法令順守指導・教育に努めると同時に、その他の法的規制につきましては、情報の早期収集と迅速な対応並びに情報開示に努めてまいります。また、監査部による特別監査などを通じてコンプライアンス遵守意識を高めてまいります。
③人材の確保について(リスク顕在化の可能性:中、経営成績等の状況に与える影響:小)
人材確保・育成を経営上の重要項目として取り組んでおりますが、少子高齢化の進行に伴う人材不足及び景気回復に伴う人件費の高騰などにより必要な人材の確保ができない場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。特に国内自動車関連事業における車両輸送事業やヒューマンリソース事業における送迎事業や派遣事業を担っている「自動車運転の職業」は有効求人倍率が高止まりしていることから、人件費高騰のリスクを抱えております。当事業リスクに対する対応策としては、数年前から乗務職の新卒を採用し始めるなど、乗務職確保と高齢化に歯止めをかける施策を行っております。
④自然災害等の大規模災害による被害(リスク顕在化の可能性:小、経営成績等の状況に与える影響:大)
地震、噴火、津波、台風等の自然災害や火災等の事故及び通信ネットワークを含む情報システムの停止等により、当社グループの事業活動が停止するような被害を受けた場合には、当社グループの業績に重要な悪影響を与える可能性があります。当事業リスクに対する対応策としては、車両輸送における物流拠点(CSセンター)においては、日本全国32箇所に亘って展開しているため、どこか特定のエリアや拠点が壊滅的な打撃を受けたとしても、近隣の拠点でバックアップができる体制を構築しております。
⑤保有資産の価格下落に関するリスク(リスク顕在化の可能性:中、経営成績等の状況に与える影響:中)
当社グループが保有している営業債権及びその他の債権(15,877百万円)、棚卸資産(2,603百万円)、有形固定資産(21,199百万円)、のれん及び無形資産(2,981百万円)について、収益性の低下などによって、評価損の計上や減損処理を行うこととなった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当事業リスクに対する対応策としては、営業債権については、顧客ごとの与信管理の徹底と情報管理の迅速性を重視すること、棚卸資産に関しては、見込み発注の縮小化と在庫管理を徹底すること、有形固定資産及びのれん・無形資産に関しては、投資前より事業収益性の見極め精度を向上させ、投資後は損益管理を徹底し、収益性低下が認められた場合は、早急にリカバリープランを導入することでリスクの顕在を縮小化してまいります。
当連結会計年度においては、海外関連事業におけるCKD事業に関して、関連する固定資産について投資回収が見込まれない可能性、固定資産に関する減損の兆候について慎重な検討を行っております。また、新たに子会社化した株式会社ゼロ・プラスIKEDAののれんに関しても減損テストを行っております。
⑥新型コロナウイルス感染症に関するリスク
新型コロナウイルス感染症の拡大に起因する当社グループへの影響は広範囲に及ぶことが想定され、上述の「①主要顧客への売上依存度について」、「⑤保有資産の価格下落に関するリスク」の事業リスクを誘発する可能性があります。当事業リスクは、当連結会計年度末日現在において既に顕在化しており、その影響度につきましては今後の環境動向に注視して見極めていく方針ですが、現時点では新型コロナウイルス感染症の影響が、2023年6月期においても一定期間にわたり継続するものと想定しております。上記の各事業リスクについては、前述のとおり対応を行っていく予定ですが、それと同時にWeb会議の実施等による業務における密の解消や在宅勤務の実施など、感染症拡大防止に向けた各種取り組みを実施しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、多くの分野で持ち直し方向にあるものの、新型コロナウイルス感染症の再拡大や半導体などの供給制約に伴う一部減産の影響を受け、自動車分野などで持ち直しの動きが一服しております。
国内の自動車市場におきまして、新車販売台数合計は前連結会計年度(以下、前年同期という)比で83.8%(日本自動車工業会統計データ)と大幅に減少いたしました。半導体の不足と東南アジアや中国における新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴う、自動車部品の供給不足による減産の影響を大きく受けております。中古車登録台数も新車販売の低迷に伴い下取り車が減少したことに加えて、中古車相場上昇に伴って買い控えが起きていることから、前年同期比で92.2%と減少いたしました。
売上収益は、海外関連事業におきまして、2021年7月1日に陸友物流(北京)有限公司を連結子会社化したことに加えて、マレーシア向けの中古車輸出事業が好調に推移したことから増収となりましたが、営業利益は、自動車流通の低迷に伴って車両輸送受託台数が減少したこと、燃料単価が高騰していること、雇用調整助成金が前連結会計年度に比べて減少したことから減益となりました。
これらの結果、当社グループの業績は、売上収益1,070億45百万円(前年同期比116.1%)、営業利益39億12百万円(前年同期比73.4%)となりました。また、税引前利益は39億47百万円(前年同期比73.4%)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は25億35百万円(前年同期比69.9%)となりました。
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〔自動車の国内流通に関連する台数〕 |
単位:台 |
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国内販売 |
2020年7月~2021年6月 |
2021年7月~2022年6月 |
前年比 |
|
|
新車販売台数 |
|
|
|
|
|
国内メーカー |
*1 |
4,577,218 |
3,830,263 |
83.7% |
|
(うち日産自動車) |
*1 |
(483,552) |
(428,312) |
(88.6%) |
|
海外メーカー |
*2 |
278,207 |
239,669 |
86.1% |
|
新車販売台数合計 |
|
4,855,425 |
4,069,932 |
83.8% |
|
中古車登録台数 |
|
|
|
|
|
登録車 |
*3 |
3,909,258 |
3,591,917 |
91.9% |
|
軽自動車 |
*4 |
3,094,802 |
2,863,195 |
92.5% |
|
中古車登録台数合計 |
|
7,004,060 |
6,455,112 |
92.2% |
|
永久抹消登録台数 |
*3 |
207,818 |
180,972 |
87.1% |
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輸出 |
2020年7月~2021年6月 |
2021年7月~2022年6月 |
前年比 |
|
|
国内メーカー新車 |
*1 |
4,140,514 |
3,529,909 |
85.3% |
|
中古車乗用車 |
*5 |
1,177,126 |
1,276,107 |
108.4% |
*1 日本自動車工業会統計より算出 *2 日本自動車輸入組合統計より算出 *3 日本自動車販売協会連合会統計より算出
*4 全国軽自動車協会連合会統計より算出 *5 日本自動車販売協会連合会統計の輸出抹消登録台数より試算
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〔燃料小売価格〕 |
単位:円/L |
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全国平均 |
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2020年7月~2021年6月 |
2021年7月~2022年6月 |
前年比 |
|
軽油 |
*6 |
121.0 |
146.7 |
121.2% |
|
レギュラーガソリン |
*6 |
140.6 |
166.9 |
118.7% |
*6 資源エネルギー庁統計より算出 (当社が輸送に使用する燃料は主に軽油)
報告セグメント別の成績
当連結会計年度より、持分法適用共同支配企業であった陸友物流(北京)有限公司の一部出資持分を追加取得し連結子会社化したことに伴い、報告セグメント「海外関連事業」を追加しております。また、自動車関連事業を国内自動車関連事業に変更しております。
なお、以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
《国内自動車関連事業》
主幹事業である車両輸送事業は、半導体不足による新車販売台数及び中古車登録台数の減少に伴い、車両輸送受託台数が減少したことから減収になりました。また、整備事業も新車販売台数の減少に伴い納車前整備点検の受託台数が減少したことから減収になり、国内自動車関連事業全体でも減収となりました。
セグメント利益は、車両輸送事業と整備事業の減収に伴い減益になったことに加えて、原油価格の高騰と円安に伴って燃料単価及び海上輸送の燃料サーチャージが上昇したことから、減益となりました。
これらの結果、国内自動車関連事業全体の売上収益は514億82百万円(前年同期比93.6%)、セグメント利益は42億2百万円(前年同期比72.5%)となりました。
車両輸送事業におきましては、「デジタル化」「グリーン化」「ニューノーマル」への対応を進めてまいります。デジタル化におきましては、輸送デジタル化推進室を立ち上げ、計画的な配車を実現するシステムの構築を推進しております。
グリーン化におきましては、自動車の電動化に伴って自動車の重量が増していることに対応すべく、最大積載量を増やした輸送機材の開発を完了させ、順次導入を行ってまいります。また、急激にEV化が加速している中で、先手を打って物流拠点のインフラ整備やEV関連の周辺事業構築を進めてまいります。
ニューノーマルへの対応におきましては、2024年に働き方改革関連法の自動車運転業務に対する適用が控えていること、所謂「物流の2024年問題」への対応に向けて、時間外労働の削減に努めておりますが、同時に輸送力を維持できるよう、乗務員の新規採用、輸送機材の効率的な運用、荷扱い分業体制の推進など様々な施策を実施してまいります。
《ヒューマンリソース事業》
送迎事業は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から引き続き回復基調にあることから増収となり、人材サービス事業及び空港関連人材事業は、新型コロナウイルス感染症拡大による派遣先における雇い止めの影響を受けた前年よりも回復したことから、増収になりました。セグメント利益は、雇用調整助成金が前連結会計年度と比べて僅少になったことから、減益となりました。
これらの結果、ヒューマンリソース事業全体の売上収益は193億30百万円(前年同期比107.7%)、セグメント利益は6億66百万円(前年同期比80.0%)となりました。
《一般貨物事業》
港湾荷役事業は、バイオマス発電所向けの燃料荷役が本格的に立ち上がったことから増収、運輸・倉庫事業も、新規顧客の獲得によって増収となり、一般貨物事業全体では増収となりました。
セグメント利益につきまして、港湾荷役事業は、バイオマス発電向けの燃料荷役の本格稼働が寄与して増益となり、運輸・倉庫事業は、料金改定及び不採算事業からの撤退に加えて、新規顧客獲得が奏功して増益となり、一般貨物事業全体でもセグメント利益が増益となりました。
これらの結果、一般貨物事業全体の売上収益は64億23百万円(前年同期比111.3%)、セグメント利益は10億60百万円(前年同期比139.9%)となりました。
《海外関連事業》
中古車輸出事業は、主要輸出先であるマレーシアにおきまして、ロックダウンが解除されたことや自動車の売上税減免措置が継続されたことに伴い需要が急増したことに加えて、顧客満足度の向上活動が市場占有率の上昇に繋がり、大幅な増収になりました。CKD事業は、顧客であるタイの自動車製造工場の稼働再開に伴って増収となりました。また、中国における車両輸送事業におきましては、前連結会計年度は持分法適用会社であった陸友物流(北京)有限公司を子会社化したことに伴い、同社の売上収益が純増となりました。
セグメント利益につきまして、中国における車両輸送事業は半導体不足や上海のロックダウンの影響を強く受けたことから損失を計上しておりますが、中古車輸出事業とCKD事業は増収に伴い増益となった結果、海外関連事業全体では増益となりました。
これらの結果、海外関連事業全体の売上収益は298億9百万円(前年同期比221.4%)、セグメント利益は1億84百万円(前年同期比2,644.4%)となりました。
なお、上記セグメント別損益に含まれていない全社費用(当社の管理部門に係る費用)等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおり「調整額」の項目として計上しており、22億円となります。
② 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は前連結会計年度末に比べ39億60百万円(7.8%)増加し、548億95百万円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は前連結会計年度末に比べ16億44百万円(7.3%)増加し、242億81百万円となりました。
当連結会計年度末における資本合計は前連結会計年度末に比べ23億15百万円(8.2%)増加し、306億14百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ7億23百万円減少し、51億80百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、39億54百万円(前連結会計年度は85億94百万円の収入)となりました。
主な資金増加要因は、当期利益25億21百万円、非資金支出である減価償却費及び償却費46億82百万円であり、主な資金減少要因は、営業債権の増加額18億81百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、32億66百万円(前連結会計年度は31億4百万円の支出)となりました。
支出の主な内訳は、有形固定資産及び投資不動産取得による支出25億95百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、16億8百万円(前連結会計年度は43億64百万円の支出)となりました。
収入の主な内訳は、短期借入金の増加23億円であります。支出の主な内訳は、リース負債の返済による支出30億31百万円であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
なお、当社グループの取り扱う主要な商品は車両輸送を中心としたサービスであるため、生産及び受注の状況は記載を省略しております。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
前年同期比(%) |
|
国内自動車関連事業(百万円) |
51,482 |
93.6 |
|
ヒューマンリソース事業(百万円) |
19,330 |
107.7 |
|
一般貨物事業(百万円) |
6,423 |
111.3 |
|
海外関連事業(百万円) |
29,809 |
221.4 |
|
合計(百万円) |
107,045 |
116.1 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年7月1日 至 2021年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
日産自動車株式会社 |
13,054 |
14.2 |
10,478 |
9.8 |
3.当連結会計年度より、報告セグメントの変更等を行っております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記の「5.セグメント情報」をご参照下さい。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。なお、詳細につきましては、「② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 f.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ45億44百万円(22.7%)増加し、246億5百万円となりました。
これは主に、営業債権及びその他債権が29億62百万円増加したこと、また棚卸資産が16億76百万円増加したことなどによります。
非流動資産は、前連結会計年度末に比べ5億84百万円(1.9%)減少し、302億90百万円となりました。
これは主に、のれん及び無形資産が6億60百万円増加したものの、有形固定資産が6億96百万円減少したこと、持分法で会計処理されている投資が2億91百万円減少したことなどによります。
これらの結果資産合計は、前連結会計年度末に比べ39億60百万円(7.8%)増加し、548億95百万円となりました。(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ38億12百万円(25.7%)増加し、186億31百万円となりました。
これは主に、短期借入金が24億31百万円増加したこと、営業債務及びその他債務が21億50百万円増加したことなどによります。
非流動負債は、前連結会計年度末に比べ21億68百万円(27.7%)減少し、56億49百万円となりました。
これは主に、リース負債が21億13百万円減少したことなどによります。
これらの結果負債合計は、前連結会計年度末に比べ16億44百万円(7.3%)増加し、242億81百万円となりました。
(資本)
資本は、前連結会計年度末に比べ23億15百万円(8.2%)増加し、306億14百万円となりました。
これは主に、利益剰余金が親会社の所有者に帰属する当期利益の計上などにより16億31百万円増加したことによります。
2)経営成績
(売上収益)
売上収益は前連結会計年度に比べて148億73百万円増加し、1,070億45百万円となりました。国内自動車関連事業において、車両輸送事業は、半導体不足等による新車販売台数及び下取り車不足等による中古車登録台数の減少に伴い、車両輸送受託台数が減少し減収となりました。自動車周辺事業は主に新車販売の減少に伴い、日産自動車株式会社向けの納車前整備点検の受託が減少し、工場内受託業務が減少したことなどから減収となりました。国内自動車関連事業全体で35億11百万円の減収となりました。
ヒューマンリソース事業において、送迎事業は新型コロナウイルス感染症拡大の影響から引き続き回復基調にあることから増収となり、人材サービス事業及び空港関連人材事業も、新型コロナウイルス感染症拡大による派遣先の雇い止めの影響を受けた前年よりも回復し増収になりました。ヒューマンリソース事業全体で13億83百万円の増収となりました。
一般貨物事業において、港湾荷役事業は、バイオマス発電用燃料の荷役が本格的に立ち上がったことから増収となり、運輸・倉庫事業も、新規顧客の獲得により増収となりました。一般貨物事業全体で6億54百万円の増収となりました。
海外関連事業につきましては、中古車輸出事業は、主要輸出先であるマレーシアにおきまして、ロックダウンが解除されたことや自動車の売上税減免措置が継続されたことに伴い需要が急増したことに加えて、顧客満足度の向上活動が市場占有率の上昇につながり、大幅な増収になりました。CKD事業は、顧客であるタイの自動車製造工場の稼働再開に伴って増収になりました。また、中国における車両輸送事業におきましては、前連結会計年度は持分法適用会社であった陸友物流(北京)有限公司を子会社化したことに伴い、同社の売上収益が純増となりました。海外関連事業全体で163億47百万円の増収となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、国内自動車関連事業においては、車両輸送受注台数と中古車輸送台数が想定以上に減少したことや、燃料単価が前年比で大幅に増加したことにより、原価率が上昇いたしました。一般貨物事業においては、バイオマス発電事用燃料荷役が原価率低下に貢献したものの、売上増加の主要因である海外関連事業における中古車輸出事業の原価率が高いことなどから、全体として売上原価比率は85.5%から87.7%へ上昇いたしました。これらの結果、売上総利益は前連結会計年度に比べて2億75百万円減少し131億27百万円となりました。
(販売費及び一般管理費、その他の収益、その他の費用、営業利益)
販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べて6億5百万円増加し93億54百万円、その他の収益は前連結会計年度に比べて7億26百万円減少し2億58百万円、その他の費用は前連結会計年度に比べて1億87百万円減少し、1億19百万円となりました。これらの結果、営業利益は前連結会計年度に比べて14億19百万円減少し39億12百万円となりました。
営業利益率は5.0%の目標に対して3.7%となりました。原価低減活動を進め、営業利益率向上に努めてまいりましたが、売上商品構成の変化や燃料単価の上昇、雇用調整助成金の減少などから、目標を下回る利益率となりました。
(金融収益、金融費用、持分法による投資損益、税引前利益)
金融収益は前連結会計年度に比べて31百万円増加し70百万円、金融費用は前連結会計年度に比べて0百万円増加し39百万円、持分法による投資損益は前連結会計年度に比べて38百万円減少し3百万円となりました。この結果、税引前利益は前連結会計年度に比べて14億26百万円減少し39億47百万円となりました。
(法人所得税費用、親会社の所有者に帰属する当期利益)
法人所得税費用は前連結会計年度に比べて3億33百万円減少し14億25百万円となりました。非支配持分は前連結会計年度に比べて2百万円減少し△14百万円となりました。これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べて10億90百万円減少し25億35百万円となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
2015年度から2017年度にかけて三ヶ年計画を立案して、三つの成長戦略(車両輸送事業に伴う周辺事業の拡大、人材事業・一般貨物事業の拡大、アセアン事業の推進)と二つの事業基盤の再構築(輸送体制の地域ブロック化の推進、グループシナジーの創出)を掲げて推進してまいりました。三つの成長戦略に関しては、2016年12月に高栄運輸株式会社(現 株式会社ゼロ・プラスBHS)を買収してバイク輸送事業への本格参入、2017年6月に株式会社Aリリーフを商号変更して、空港ビジネスにおける人材派遣事業への新規参入、苅田港海陸運送株式会社にてバイオマス発電の燃料荷役事業への参入決定、日本とタイにおけるCKD事業への新規参入など、種蒔きとその成果が現れてまいりました。
二つの事業基盤の再構築に関しては、まず車両輸送事業において、2015年10月に株式会社ゼロ・プラス九州を商号変更・再編したことを皮切りに輸送体制の地域ブロック化を推進して、2016年7月には株式会社ゼロ・プラス関東を商号変更・再編いたしました。また、2017年4月に株式会社ゼロ・プラス西日本を設立し、10月に株式会社ゼロ・プラス中部を商号変更・再編しました。同時に協力会社6社の事業譲受を行い、11月には株式会社HIZロジスティクスを子会社化して、12月に株式会社ゼロ・プラス東日本と商号変更・再編したことで地域ブロック化が完了いたしました。結果としてゼロ、輸送子会社7社、協力会社6社の合計14社を全国5つのブロックへ再編いたしました。グループシナジーの創出については、類似事業の集約、グループ内インフラの共有化、グループ内における株式会社ジャパン・リリーフの人材リソース利用促進、グループ一丸となった新規事業の開拓を進めてまいりました。
また、2018年度から2020年度にかけての三ヶ年計画では、自動車業界の変化、アセアンの経済成長、少子高齢化に伴う労働力不足に対応すべく、異業種の自動車業界参入や次世代モビリティを見据えた新規事業の開拓、株式会社ジャパン・リリーフにおける人材事業の拡大、タンチョングループと協業した海外事業の拡大に努めると同時に、物流拠点や輸送戦力の最適化をはじめとする地域ブロック化の効果最大化、グループシナジー創出と効率化の推進をしてまいりました。
さらに、車両輸送事業において、積年の課題となっている乗務員の不足と高齢化、輸送機材の老朽化、繁閑差解消への取り組みも進め、働き方改革として総労働時間の管理や労働諸条件の改善を図っております。
2018年度には、株式会社メルカリやKeePer技研株式会社との業務提携を実施して、異業種とのアライアンスを推進しており、また三菱自動車工業株式会社の完成車輸送を全面的に受託することが決定するなど事業領域の拡大を進めております。
2021年度から2023年度にかけての新たな三ヶ年計画においては、企業理念の基本に立ち返り「あらゆる品質(経営品質・人的品質・業務品質・輸送品質など)の向上」を実現することで、「成長し続ける会社」「お客様の期待を裏切らない会社」「安心して働ける会社」を目指してまいります。また、目標とする経営指標である売上収益1,000億円以上についても、三ヶ年で達成するよう掲げており、2022年6月期には既に達成をしております。
c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1)財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、今後予想される様々な経営環境の変化に対応し、持続的な成長に伴うリスクに見合った資本水準と負債・資本構成の維持を基本方針としております。安定した財務体質のもと、企業価値の向上のための成長投資と利益還元を両立してまいります。
当社グループの掲げている新たな三ヶ年計画においては、企業理念の基本に立ち返り「あらゆる品質(経営品質・人的品質・業務品質・輸送品質など)の向上」を実現するための投資などに、当社グループの成長、企業価値の向上に必要な資金及び経常の運転資金を効率的に確保しております。さらに、グループ会社との間ではCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、グループ各社における余剰資金の有効活用に努めております。
2)財務基盤の安定
当社グループの持続的な成長を支え、景気変動の影響にも耐えうるには「財務基盤の安定維持」が前提となります。当社グループのキャッシュ創出力は堅調に推移し、財務基盤は安定しております。今後も、D/Eレシオを0.5倍程度に抑制し、自己資本比率を50%程度に保つことで、当社グループの財務安定性を確保してまいります。
3)安定的な利益還元
当社グループは株主の皆様に対する「安定的な利益還元」を経営方針の一つとし、基本的1株当たり当期利益が80円超の場合の配当性向を25%と設定しております。
4)資金調達
当社グループは現在、自己資金及び金融機関の借入れ等により資金調達することとしています。運転資金について借入れによる資金調達を行う場合、CMSでのグループ内調達を優先的に考え、不足する場合などには、一年以内の短期借入金で各連結会社が外部金融機関より調達することとしております。
生産設備などの長期資金も、CMSでのグループ内調達を先ず考慮し、必要に応じて外部金融機関より長期借入金で調達しております。当社グループは、健全な財務状況、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力、金融機関との当座貸越契約などにより必要資金の確保と緊急時の流動性を確保してまいります。
新型コロナウイルス感染症の影響は、2023年6月期においても一部影響を受けるシナリオを想定しております。当社グループは資金計画に基づき、投資時期の適切性を慎重に考慮するとともに、取引金融機関との当座貸越契約などにより十分な資金を確保することで、新型コロナウイルス感染症等の影響を受ける期間においても適切に事業を遂行し、計画を実現できるものと考えております。
5)資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、当社グループの輸送事業に関わる車両費、外注費、販売費及び一般管理費等があります。また、当社グループの設備投資需要としましては、営業用車両投資と不動産投資に加え、販売、業務管理用の無形資産投資等があります。
6)財務状況
当連結会計年度の財政状態は以下のとおりであります。
|
|
財務戦略の基本方針 |
経営指標 |
2021年6月期 実績 |
2022年6月期 実績 |
|
|
(a)財務基盤の安定維持 |
D/Eレシオ |
0.38倍 |
0.35倍 |
||
|
自己資本比率 |
55.5% |
54.8% |
|||
|
(b)収益を伴う成長 |
ROE |
13.6% |
8.7% |
||
|
(c)安定的な利益還元 |
配当性向 |
25.0% |
25.0% |
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは客観的な指標等について、グループ1,000億円以上の売上収益と5%以上の営業利益率の達成を中長期的な目標としており、2023年6月期には連結売上収益1,090億円、営業利益42億円、営業利益率3.9%を業績予想としております。当連結会計年度における連結売上収益は1,070億45百万円であり、営業利益39億12百万円、営業利益率3.7%となりました。引き続き、これらの指標の達成に向けて取り組んでまいります。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のセグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については「(1) 経営成績等の状況の概要 ①業績」に記載のとおりであります。
f.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
1)有形固定資産、無形資産、使用権資産
当社グループでは、有形固定資産、無形資産及び使用権資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損テストを実施しております。この判定は、事業用資産についてはグルーピングした各事業単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて行っております。経営者は将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
新型コロナウイルス感染症拡大による影響は、当社グループの事業活動にも大きな影響を及ぼしています。当社グループは新型コロナウイルス感染症の影響を将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りに反映するに当たり、感染症の影響が2023年6月末までの一定期間は影響するシナリオを想定しております。現在の状況及び入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、不確実性の極めて高い環境下にあり、新型コロナウイルス感染症の広がりや収束時期等の見積りには不確実性を伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
2)貸倒引当金の計上
当社グループの貸倒引当金は、債権の貸倒による損失に備えるため、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、全期間の予想信用損失と等しい金額で貸倒引当金を認識しております。重大な金融要素を含んでいない営業債権については、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無にかかわらず、常に全期間の予想信用損失と等しい金額で貸倒引当金を認識しております。
個別に回収不能見込額を見積るにあたっては、債権を有する相手先の過去の回収実績や支払能力等を総合的に判断しております。
回収不能見込額の見積りには経営者が管理不能な不確実性が含まれており、予測不能な前提条件の変化等により債権の評価が変動する可能性があり、この場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において貸倒引当金が増減する可能性があります。
(1)日産自動車株式会社との車両輸送取引等基本確認書
マネジメント・バイアウト(MBO)直前の2001年4月に、日産自動車株式会社と当社間で締結していた各種の契約書に基づく車両輸送等関連業務の取引をMBO後も継続する旨、両者間で確認書を締結いたしました。取引継続対象の主要契約書は以下のとおりであります。
|
契約書名 |
契約日 |
業務 |
内容 |
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車両運送委託契約書 |
1980年4月1日 |
新車輸送 |
日産自動車株式会社が販売会社に対し車両を売渡した後の完成車輸送業務 |
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請負基本契約書 |
1979年10月1日 |
輸出車輸送 |
生産工場から輸出港までの完成車(輸出車)輸送業務 |
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車両移動作業請負契約書 |
1970年10月1日 |
移動 |
日産自動車株式会社在庫車の指定先への移動等業務 |
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請負基本契約書 |
1971年10月1日 |
構内作業 |
工場構内及び自動車保管場所における車両保管、設備管理、車両品質保持、在庫管理等の包括的業務 |
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新車納車整備業務委託 |
1998年5月1日 |
新車納車整備 |
新車点検整備作業、洗車・磨き作業、オプション部品取付け作業、その他関連する業務 |
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車両輸送委託契約書 |
1998年5月1日 |
新車納車整備完了車輸送 |
新車納車整備完了車の納整センターから販売会社までの車両輸送業務 |
(2)日産自動車株式会社との覚書
2003年2月から2020年3月まで、日産自動車株式会社との間で「戦略的パートナーシップについての覚書」を締結しておりましたが、2020年4月より内容を受け継ぐ形で「Nomination Letter」へ変更となりました。
特記すべきものはありません。