第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

 また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません

 

2【経営上の重要な契約等】

 当社は、平成28年10月31日開催の取締役会における決議に基づき、川崎汽船株式会社及び日本郵船株式会社と関係当局の許認可等を前提として、新たに定期コンテナ船事業(海外ターミナル事業含む)統合を目的とした合弁会社を設立し、定期コンテナ船事業を統合すること、(以下「本統合」)について事業統合契約及び株主間契約を締結致しました。概要は以下の通りであります。

 

(1)本統合の概要

 定期コンテナ船事業は成長産業であるものの、ここ数年は貨物需要の成長が鈍化する一方で、新造船竣工による船腹供給が増加し、需給バランスが大幅に悪化しました。その結果、市況の低迷が続き、収益の安定的確保が困難な状況となっております。これを受けて、昨年来、業界内では買収、合併など、運航規模拡大により競争力を高める動きが顕在化し、業界の構造自体が大きく変わろうとしています。この様な事業環境下、当社は定期コンテナ船事業を安定的かつ持続的に運営するために、同事業の統合を行うことを決定致しました。

 

(2)合弁会社の概要(予定)

   ①出資比率             当社             31%

                             川崎汽船         31%

                             日本郵船         38%

   ②出資額               約3,000億円(船舶、ターミナル株式の現物出資等を含む)

   ③事業内容             定期コンテナ船事業(海外ターミナル含む)

   ④船隊規模             約140万TEU(*)

                             注)平成28年10月時点での3社船隊規模合計(発注残を除く)

                             (*TEU : Twenty-foot Equivalent Unit、20フィートコンテナ換算)

 

  (3)本統合の日程

   ①契約締結日           平成28年10月31日

   ②合弁会社設立日       平成29年7月1日(予定)

   ③サービス開始日       平成30年4月1日(予定)

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)業績の状況

 当第3四半期連結累計期間(平成28年4月1日から12月31日までの9ヶ月)における世界経済は、米国で堅調な景気拡大が続き、中国をはじめとする一部新興国においても景気減速の一服感が見られた一方で、欧州の回復が緩慢なペースに留まる等、まだら模様の状況となりました。米国経済は、堅調な雇用・所得環境を背景に改善が続く個人消費に支えられ、拡大基調を維持しました。欧州経済は、底堅い個人消費に支えられながらも、緩やかな回復に留まりました。中国では、個人消費が堅調に推移する中、減速傾向にあった固定資産投資にも底打ちの兆しが見えてくる等、景気減速に一服感が見られました。わが国では、輸出や個人消費等の伸び悩みにより景気回復の足踏み状態が続きました。

 

 海運市況のうち、ドライバルク船市況は、西豪州の主要荷主が集中して船腹手当を行った影響や中国の石炭輸入量増加等を背景に底を打ち、秋口以降は堅調なブラジルからの鉄鉱石出荷や北米産穀物の収穫期入り等に支えられ、一部船型において乱高下する局面はあったものの、概ね回復基調を維持しました。原油船市況は、夏場の原油不需要期による荷動き減少に加え、新造船の竣工やナイジェリアからの原油出荷停止等を背景に9月下旬頃まで下落傾向が続いていましたが、秋口以降は、ナイジェリアからの原油出荷の再開や冬場の需要期入り等を追い風に、大幅に改善しました。コンテナ船については、北米、欧州、南米の各航路において需給環境の改善を背景にスポット運賃市況の回復は見られましたが、前期の市況低迷の影響を受ける形で北米航路を中心とした年間契約運賃が期初に大幅に下落したこと等により、厳しい状況が続きました。

 

 当第3四半期連結累計期間の対ドル平均為替レートは、前年同期比\15.22/US$円高の\106.38/US$となりました。また、当第3四半期連結累計期間の船舶燃料油価格平均は、前年同期比US$31/MT下落しUS$265/MTとなりました。

 

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間(9ヶ月)の業績につきましては、売上高1兆814億円、営業損益△20億円、経常損益138億円、親会社株主に帰属する四半期純損益190億円となりました。

 

 当第3四半期連結累計期間の連結業績及び対前年同期比較は以下のとおりです。

 

 

第3四半期連結累計期間

(自 平成27年4月1日

 至 平成27年12月31日)

当第3四半期連結累計期間

(自 平成28年4月1日

 至 平成28年12月31日)

増減額/増減率

売上高       (億円)

13,171

10,814

△2,356 / △17.9%

営業損益      (億円)

95

△20

△116 /    - %

経常損益      (億円)

387

138

△249 / △64.4%

親会社株主に帰属する
四半期純損益    (億円)

132

190

57 /   43.1%

為替レート  (9ヶ月平均)

\121.60/US$

\106.38/US$

△\15.22/US$

船舶燃料油価格(9ヶ月平均)※

US$296/MT

US$265/MT

△US$31/MT

※平均補油価格

また、セグメントごとの売上高、セグメント損益(経常損益)及び概況は次のとおりです。

上段が売上高(億円)、下段がセグメント損益(経常損益)(億円)

セグメントの名称

前第3四半期連結累計期間

(自 平成27年4月1日

 至 平成27年12月31日)

当第3四半期連結累計期間

(自 平成28年4月1日

 至 平成28年12月31日)

増減額/増減率

不定期専用船事業

6,434

5,312

△1,122 / △17.4%

449

258

△191 / △42.5%

コンテナ船事業

5,624

4,476

△1,148 / △20.4%

△184

△261

△77 /    %

フェリー・内航RORO船事業

337

320

△16△4.8%

38

38

0 /    2.2%

関連事業

969

890

△78△8.1%

72

91

19 /   26.2%

その他

103

96

△6△6.6%

33

18

△15 / △46.9%

(注)売上高にはセグメント間の内部売上高又は振替高が含まれております。

 

①不定期専用船事業
<ドライバルク船>

 ケープサイズ市況は、4月以降、西豪州の主要荷主が集中して船腹手当を行ったことを契機に底を打ち、年初来の記録的低水準を脱しました。その後は上値が重い状態が続いたものの、秋口以降、ブラジル主要港からの堅調な鉄鉱石出荷や資源価格の上昇に伴う市場センチメントの好転を背景に、再び上昇に転じ、期を通しての平均市況は、前年同期並みの8千ドル台後半/日となりました。パナマックス船型以下の中小型船市況は、中国における石炭輸入量の増加等を背景に緩やかな回復基調を辿ったものの、10月頃までは上値の重い展開が続きました。11月に入り、北米産穀物の収穫期入りや堅調な石炭荷動きを追い風に、市況は大幅に上昇しましたが、クリスマス休暇の影響等により年末にかけて一時下落する局面もありました。このような市況環境下、ドライバルク船部門ではケープサイズバルカーのスポット運航船の縮小、並びに中小型バルカーに関するビジネスモデルの抜本的な見直しを根幹とする構造改革を進めました。この結果、同部門は前年同期比で増益となりました。

 

<油送船・LNG船・海洋事業>

 原油船市況は、中国の積極的な原油輸入により堅調に推移していましたが、夏場に入り、原油不需要期による荷動き減少や、内乱に伴うナイジェリアからの原油出荷停止等を背景に船腹需給が悪化し、9月下旬頃まで下落傾向を辿りました。その後、内乱収束に伴うナイジェリアからの原油出荷の再開や冬場の需要期入りといった追い風が吹く中、欧米の傭船者によるクリスマス休暇前の駆け込み需要にも支えられ、船腹需給が引き締まった結果、秋口以降の市況は大幅に改善しました。石油製品船市況は、一部大型船において年末にかけての駆け込み需要や黒油輸送への転換等を背景に反転する局面もありましたが、植物油等の荷動き低迷や新造船の竣工が続く中、東西の裁定取引の低迷や、世界的な石油製品在庫の余剰を背景とした製油所マージンの悪化等が重荷となり、期を通しては弱含みで推移しました。LPG船は、新造船竣工による供給圧力の増加に加え、LPG価格の地域差縮小を背景とした東西裁定取引の抑制や米国出しアジア向け長距離トレードの減少等により、船腹需給バランスの緩和状態が継続し、市況は下落しました。このような市況環境下において油送船部門は、長期契約の安定的な履行に加え、プール運航による運航効率の改善やコスト削減にも継続して努めた結果、前年同期比で減益となったものの、当第3四半期連結累計期間において黒字を計上しました。

 LNG船部門は、既存長期契約からの安定収益を引き続き確保する中、新規プロジェクトの稼働開始もあり、前年同期比で増益となりました。また、海洋事業はFPSOの順調な稼働により前年同期比で増益となりました。

 

<自動車船>

 自動車船部門については、米国及び欧州向けの完成車輸送が堅調に推移しましたが、一方で資源価格下落等を背景に経済不振が続く資源国・新興国向けの輸送が低迷しました。この結果、トレードパターンの変化に対応した運航効率改善に取り組んだものの、前年同期比で損益が悪化し、損失を計上しました。

②コンテナ船事業

 北米航路のスポット運賃市況は、第1四半期に記録的な安値水準まで下落したものの、アジア出し荷動きが過去最高を記録した前年同期を上回るペースで堅調に推移する中、夏場の需要期等にも支えられた結果、第2四半期以降概ね上昇基調を維持しました。欧州航路のスポット運賃市況は、堅調なアジア出し荷動きに支えられ夏場まで上昇した後、一旦需要期後の調整局面に入ったものの、冬場に入ってから旺盛な需要を背景に再度上昇に転じました。南米航路においては、当社を含む各社のサービス合理化により需給環境が大きく改善して以来、スポット運賃市況は高水準で推移しました。アジア域内航路においては、荷動きが伸び悩み、スポット運賃市況は低迷しました。一方で年間契約運賃が、前期のスポット運賃市況低迷の影響を受け、北米航路を中心に多くの航路で期初に大幅な下落となったことが、期を通じて重荷となりました。このような事業環境下、コンテナ船部門は、構造改革による船舶コストの削減や、営業力強化による消席率の改善に加え、イールドマネジメント強化による空コンテナ回送費等の運航コストの削減に継続的に取り組みましたが、前年同期比で損失が拡大しました。

 

③フェリー・内航RORO船事業

 フェリー・内航RORO船については、トラックドライバー不足を背景にした貨物輸送需要が継続しており、荷動きは堅調に推移しました。旅客に関して熊本地震の影響を受けた航路もありましたが、燃料油価格の低下にも支えられ、フェリー・内航RORO船事業は前年同期と同水準の利益を確保しました

 

④関連事業

 客船事業は、にっぽん丸の好調な集客により前年同期比で増益となりました。不動産事業においても、首都圏を中心に堅調な賃貸オフィスマーケットに支えられ、当社グループの不動産事業の中核であるダイビル㈱の売上が増加したこと等により、前年同期比で増益となりました。その他曳船や商社等の業績も総じて堅調に推移し、関連事業セグメント全体では前年同期比で増益となりました

 

⑤その他

 主にコストセンターであるその他の事業には、船舶運航業、船舶管理業、貸船業、金融業、造船業などがありますが、前年同期比では減益となりました

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ878億円増加し、2,472億円となりました。当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

    (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって支出された資金は80億円(前年同期は861億円の収入)となりました。これは主に税金等調整前四半期純利益が352億円、仕入債務の増加額が137億円となった一方、関係会社株式売却益が184億円、引当金の減少額が195億円、為替差益が147億円となったことによるものであります。

 

    (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によって支出された資金は211億円(前年同期比138億円の支出減)となりました。これは主に船舶を中心とした有形及び無形固定資産の売却による収入が476億円、投資有価証券の売却及び償還による収入が250億円となった一方、有形及び無形固定資産の取得による支出が783億円、長期貸付による支出が116億円となったことによるものであります。

 

    (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によって得られた資金は1,224億円(前年同期は428億円の支出)となりました。これは主に短期借入金の純増額が549億円、長期借入れによる収入が2,003億円となった一方、長期借入金の返済による支出が911億円、社債の償還による支出が450億円となったことによるものであります。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。

(4)研究開発活動

  当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は142百万円となっております。

   なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発の状況に重要な変更はありません。