第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)中期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標

当社グループは、2017年4月に中期経営計画「『飛躍への再生』0102010_001.png Value for our Next Century」を策定し、「ポートフォリオ戦略転換」、「経営管理の高度化と機能別戦略の強化」、「ESGの取組み」を3つの重要課題に掲げ、グループ一丸となって取り組んでいます。計画初年度である2017年度では、3期ぶりに営業、経常及び当期の全段階での黒字化を達成しました。2018年度は当社持分法適用会社であるOCEAN NETWORK EXPRESS社(以下、「ONE社」という。)を含むコンテナ船事業で収益が大幅に悪化したため、計画最終年度である2019年度及びその先の収益力強化を見据え抜本的な構造改革を断行した結果、赤字を計上しました。当社創立100周年の2019年度も、これらの重要課題に次項「(2)会社の対処すべき課題」に記載の基本方針に従って、引き続き徹底的に取り組みます。

<中期経営計画での主な目標>

 

2018年度実績(ご参考)

2017年以降3年間の黒字化継続

親会社株主に帰属する

当期純損失

(注) △1,112億円

安定事業のROA6%と規模の拡大

ROA

安定収益

5.7%

270億円

自己資本比率20%半ば

自己資本比率

11%

 

(注) コンテナ船事業関連を主とした営業損失に加え、構造改革費用等の計上により損失を計上

 

 

(2)会社の対処すべき課題

①  ポートフォリオ戦略転換

事業ポートフォリオ戦略転換では、本体4事業への経営資源の集中と最適なポートフォリオによる収益力の向上を図ります。事業別の取組み重点項目は以下のとおりです。

◆  ドライバルク事業

安定収益型船隊の拡充と、中小型船などの市況影響型基幹船隊の適正化

◆  自動車船事業

航路別収益管理の徹底による航路網の合理化と、運賃修復による抜本的な収益力の改善

◆  エネルギー資源輸送事業

市況影響型事業の整理と、事業リスク・リターン評価を踏まえた事業拡充による「選択と集中」の徹底

◆  物流事業

ケイラインロジスティックスを中心としたグローバルネットワークを含む関係会社網の再構築と、外部知見も導入した地域密着型事業の拡充促進

 

2018年度においては、事業ポートフォリオ戦略転換の一環として、当社の国内港湾運送事業子会社3社による共同持株社を設立したうえで、当該株式の一部を株式会社上組に譲渡することを発表、2019年4月1日に譲渡を完了しました。また、成長に向けた次代の中核事業育成に向け、国内初となる船舶向けLNG燃料供給の事業化を決定しました。

 

②  経営管理の高度化と機能別戦略の強化

ポートフォリオ戦略転換を支える体制整備として、事業リスク・リターン管理による定量評価の本格運用を開始しました。当社独自の事業評価指標である「"K" VaCS」(株主資本コストを意識した経済的付加価値を示す収益指標)及び「"K" RIC」(資本コストを意識した企業価値向上を図る効率性指標)を活用し、事業ポートフォリオ内での課題、問題のより明確な捕捉と、自己資本、経営資源の観点から持続的成長に向けた「選択と集中」戦略の明確化に繋がっており、より投下資本、事業リスク・リターンレベルを意識した事業経営を進めています。

(注1)  「K” VaCS」 = “K” LINE Value after Cost of Shareholders’equity

          株主資本コストを意識した当社独自の経済的付加価値を示す収益指標

(注2)  「K” RIC」 = “K” LINE Return on Invested Capital

          資本コストを意識した企業価値向上を図る当社独自の効率性指標

 

③  ESGの取組み

上記のようなグループ価値を高める戦略実施に際して最も重要となるガバナンス体制の整備に関して、当社はユニット統括制の導入による業務執行責任体制のより一層の強化や取締役会の実効性評価を進めることなどに取り組んできました。安全面では重大海難事故をゼロにする取組みを継続、環境面では、2016年から3年連続でCDP気候変動Aリストに選定されています。また、WWFジャパンによる「企業の温暖化対策ランキング」第8弾の中で、「運輸業」のカテゴリーにおいて、陸運・空運を含む日本企業31社中第1位に選定されるなど、当社の積極的な活動が評価されています。

当社グループは、環境・安全・ガバナンス体制整備に引き続き尽力してまいります。

 

◆環境対策とCSR

当社グループは重大海難事故ゼロの維持を命題として、『統合船舶運航・性能管理システム“K-IMS”』の開発・導入やエネルギーマネジメントシステムの構築等により、世界トップクラスの安全運航の維持に取り組んでいます。

また、当社グループは事業活動が地球環境に負荷を与えることを自覚し、それを最小限にするべく、環境憲章にその決意を掲げ、これに基づく環境マネジメントシステムにより、具体的な環境保全活動並びに数値目標を定め、その達成状況を基に改善を図っていくなど、環境保全のためのさまざまな取組みを行っています。例えば、省エネ型荷役機器導入や燃料節減によるCO2排出量削減、運航船のバラスト水管理のための処理装置の搭載、低硫黄燃料使用によるSOx排出量削減、NOx排出低減のための排ガス再循環装置搭載などの環境保全対策を実施しています。これらの取組みが評価され、2018年にはCDP2018気候変動及びサプライヤー気候変動で3年連続でAリストに選定され、また『サプライヤー・エンゲージメント・リーダー・ボード』にも選定されました。また、事業以外でも会社遊休地を利用した里山保全活動など環境保護活動を積極的に実施しています。

2015年3月には、様々な環境問題に取り組むべく環境指針『“K”LINE 環境ビジョン2050』を策定し、持続可能な社会と美しい海を次の世代へと伝えるため、「CO2排出量の半減」、「新エネルギーへの転換」、「生態系保護」、「大気汚染防止」の4つを重要な取り組むべきテーマとして定めました。

2017年6月には、当社グループ全体で環境マネジメントを推進するための体制「DRIVE GREEN NETWORK(DGN)」を構築し、運用を開始しました。これは当社グループ全体で日常業務の中に環境の課題を見出し、取り組むことで、グループ全体として持続可能な社会の実現を目指しています。DGNは3段階で当社グループ全体への導入を目指しており、2019年はphase 3と位置づけ、コンテナ船事業の統合により展開が遅れていた、海外関係会社の加入を推進します。

重要課題を解決するモデルとして、「LNG燃料船の導入」を創立100周年(2019年)におけるマイルストーンに掲げています。LNG燃料船の検討を進めつつ、2018年7月には、弊社も出資する合弁会社セントラルLNGシッピング株式会社は、LNG燃料を船舶に供給するための船舶の造船契約を川崎重工業株式会社と締結しました。本船は2020年秋頃に竣工し、国内で稼働する初めてのLNG燃料供給船となる予定です。

2019年のもう1つのマイルストーンとして掲げた「当社運航船の輸送単位あたりのCO2排出量を2011年比で10%削減」という目標は、2015年実績で達成し、新たなマイルストーンとして「2030年までにCO2排出量25%削減(2011年比)」という目標を設定しました。2017年2月、この新目標が「パリ協定」の「2℃目標」を達成するために科学的に根拠ある水準であることが認められ、国際的イニシアチブ「Science Based Target Initiative(SBTイニシアチブ)」の認証を取得しました。

「CO2排出量削減」への取組みとして、国内外主要連結グループ会社の燃料消費や電気使用量などの環境負荷データを、環境データ集計システムを通じて収集・集計を行っています。2018年において当社及び連結子会社の事業に伴う温室効果ガスの排出量は、スコープ1(化石燃料の使用に伴う直接的な排出)12,536,134トン、スコープ2(供給を受けた電力等による間接的な排出)23,135トン、スコープ3(スコープ1・2を除くその他の間接的排出)1,424,198トンという結果となりました。今後も、グループ全体の環境負荷を把握すると同時に、グループ各社での自主的な取組みを促し、必要に応じて追加施策を実施すべく、環境パフォーマンスの見える化に取り組んでまいります。さらに、年間の実績データは、第三者機関によるデータ精査と保証を受けた上で、社外へ開示しステークホルダーからの評価を次の施策に活かしながら、継続的な改善を図ってまいります。

そのほかにCSRとして、ステークホルダーエンゲージメントの強化及び本船見学会やボランティア活動などによるコミュニティー参画推進を行い社会面でも貢献すべく取り組んでまいります。

 

◆  コーポレートガバナンスの強化

グループ価値を高める戦略実施に際して最も重要となるガバナンス体制の整備に関して、当社はユニット統括制の導入による業務執行責任体制のより一層の明確化・強化や重要方針の決定に向けた取締役会モニタリング体制の強化等を実行してきました。リスクマネジメントでは、危機管理委員会とその下部組織(コンプライアンス委員会・安全運航推進委員会・経営リスク委員会・災害対策委員会)がグループのリスク管理にあたり、重要な投資については、投資委員会がその審議にあたる体制としています。

 

(3)コンプライアンスの徹底

当社は、公正取引委員会による立入検査を受けて以降、外部専門家の協力を得て、各種コンプライアンス強化策を策定・実施していますが、これらの強化策を今後もより一層推進することにより、再発の防止に努めてまいります。

 

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものです。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループは、国際的な事業展開を行っており、政治的・社会的な要因や自然現象により予期せぬ事象が発生した場合には、関連の地域や市場において事業に悪影響を及ぼす可能性があります。主たる事業である海上輸送の分野においては、荷動き・海運市況は、世界各国の景気動向、商品市況、船腹の需給バランス、競合関係など、様々な要因の影響を受け、その変化は当社グループの営業活動、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。特に、わが国及び主要な貿易国(地域)である北米、欧州、中国等の税制、経済政策の変更、あるいは自国保護貿易政策などの発動は、国際間の輸送量の減少や運賃市況の下落を招き、当社グループの財政状態・経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

 このほかに当社グループの事業活動において、悪影響を及ぼす可能性があると考えられる主なリスクには、次のようなものがあります。

 

① 為替レートの変動

当社グループの事業売上においては米ドル建て収入の比率が大きく、為替レートにより円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。当社グループは、費用のドル化や為替予約などにより、為替レートの変動による悪影響を最小限に止める努力をしていますが、米ドルに対する円高は当社グループの財政状態・経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

② 燃料油価格の変動

燃料費は当社グループの船舶運航コストの中で大きなウェイトを占めています。燃料油価格は、原油の需給バランス、OPECや産油国の動向、産油国の政情や産油能力の変動など当社グループが関与できない要因により影響され、その予想は極めて困難といえます。また、環境規制の拡大・強化に伴い、環境負荷の低い良質な燃料の使用が求められ、結果として価格が割高な燃料を調達せざるを得ない可能性があります。当社グループは、不安定な価格変動の影響を回避するため一部先物取引による価格固定化を行っていますが、著しく、かつ持続的な燃料油価格の高騰は当社グループの事業コストを押し上げ、財政状態・経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

③ 金利の変動

当社グループは、継続的に船舶の建造等の設備投資を行っています。当社グループは可能な限り自己資金を投入しているほか、オフバランス化による有利子負債の削減を図っていますが、金融機関からの借入に依存する割合も少なくありません。また、事業運営に係わる運転資金調達を行っています。

資金調達に際しては、一定の規模を固定金利で借り入れ、また船舶・設備投資資金の借入の一部を対象とした金利固定化スワップを実施していますが、将来の金利動向によっては資金調達コストの上昇による影響を受け、当社グループの財政状態・経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

④ 公的規制

海運事業は、一般的に船舶の運航、登録、建造、環境保全に係わる様々な国際条約、各国・地域の事業許可や租税に係る法・規制による影響を受けます。今後、新たな法・規制が制定され、当社グループの事業展開を制限し、事業コストを増加させ、結果として当社グループの財政状態・経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループの運航船舶は、現行の法・規制に従い管理・運航され、かつ適正な船舶保険が付保されていますが、関連法・規制の変更が行われる可能性はあり、また新たな法・規制への対応に費用が発生する可能性があります。

当社グループは、自動車、車両系建設機械等の貨物の輸送に関するカルテルの可能性に関連して、海外の競争法当局による調査の対象になっております。また、北米において当社グループを含む複数の事業者に対し本件に関する集団訴訟が提起されています。

 

⑤ 重大な事故・環境破壊・紛争等

当社グループは、安全運航の徹底、環境保全を最優先課題として、当社グループの安全運航水準と危機管理体制の維持強化を図っています。

環境保全については、当社グループの事業活動が地球環境に負荷を与えることを自覚し、それを最小限にするべく、環境憲章を掲げています。環境憲章に沿って、環境への取組みを確実に推進するために、社長を委員長とする社会・環境委員会を設置して、推進体制の審議・策定をしています。また、2015年3月には“K” LINE 環境ビジョン2050 『青い海を明日へつなぐ』を策定し、全社一丸となっての長期取組み方針を定めました。

安全運航については、社長を委員長とする安全運航推進委員会を定期的に開催し、安全運航に関わるすべての案件について、あらゆる視点に基づいた検討と取組みを行っています。更に緊急時の事故対応をまとめた「事故対応マニュアル」を策定し、定期的な事故対応演習により継続的改善を図っています。しかしながら、不測の事故、とりわけ油濁その他環境汚染に繋がる重大事故等が発生し、環境汚染を引き起こした場合、当社グループの財政状態・経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海賊被害、政情不安・武力紛争地域での運航、船舶へのテロ行為リスクの増大は、当社グループの船舶に重大な損害を与え、また船員の生命を危険にさらすなど、当社グループ船舶の安全運航、航海計画管理、海上輸送事業全般に悪影響を与える可能性があります。

 

⑥ 競争環境等

当社グループは、国際的な海運市場の中で事業展開を行っており、有力な国内外の海運企業グループとの競合関係の中では、他企業との各事業分野への経営資源の配分の度合い及びコスト・技術面等の競争力の差によって、当社グループの業界での地位や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

競争環境の厳しいコンテナ船事業においては、他の海運企業とのアライアンスに参加することでサービスの競争力の維持・向上を図っていますが、一方で、アライアンスメンバーの一方的離脱など当社グループが関与し得ない事象は、当社グループの営業活動、財政状態、経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

⑦ 自然災害の発生

自然災害発生時の事業継続は、社会の機能の一端を担い社会に責任を負う当社グループの責務であるとともに、当社グループの存在意義に係わる重大な事項です。首都圏直下型大地震が発生した場合には、多くの建物、交通、ライフラインに甚大な影響が及ぶことが想定され、また強毒性新型インフルエンザが発生し世界的大流行(パンデミック)となった場合には、多くの人々の健康に重大な影響が及ぶことが懸念されます。また、これらの自然災害またはその二次災害に伴う風評被害が広がることが懸念されます。当社グループではこの2つの災害を想定した事業継続計画を策定し、自然災害の発生時には、この計画を適用または応用することで可能な限りの事業継続を目指していますが、当社グループ事業全般に対し少なからず悪影響を与える可能性があります。

 

⑧ 取引先の契約不履行

当社グループは、サービスを提供あるいは享受する取引先の選定においては、その信頼性を可能な限り調査していますが、将来において取引先の財政状態の悪化などにより、契約条項の一部または全部が履行不可能となる可能性があります。その結果、当社グループの財政状態・経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

⑨ 投資計画の未達成

当社グループは、船隊整備のために必要な投資を計画していますが、今後の海運市況や公的規制等の動向によって計画が想定どおりに進捗しない場合、造船契約を新造船の納入前に解約するなどにより、当社グループの財政状態・経営成績に悪影響を与える可能性があります。また、これらの新造船の納入時点において貨物輸送への需要が想定を下回る場合、当社グループの財政状態・経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

⑩ 船舶の売却等による損失

当社グループは、市況に応じた柔軟な船隊整備に努めていますが、実際の船腹需給バランスの悪化、船舶の技術革新による陳腐化や傭船市況の動向に伴い、保有する船舶を売却し、また傭船する船舶の傭船契約を中途解約する場合があります。この結果、当社グループの財政状態・経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

⑪ 固定資産の減損損失

当社グループが保有する船舶等の固定資産について、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなる可能性があります。その結果、減損損失を認識するに至った場合には、当社グループの財政状態・経営成績に悪影響を与える可能性があります。また、当社グループは有価証券の評価基準及び評価方法として、投資有価証券のうちの時価のあるものについては期末日の市場価格等に基づく時価法を採用しています。その結果、株式市況の変動による時価の下落が当社グループの財政状態・経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

⑫ 繰延税金資産の取崩し

当社グループは、将来の課税所得の見積りに基づいて、繰延税金資産の回収可能性を評価しています。収益力の低下により充分な課税所得が将来確保されないとの判断に至った場合、繰延税金資産を取り崩して税金費用を計上することとなり、当社グループの財政状態・経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

⑬ 傭船契約損失引当金

当社グループは、当社又は連結子会社が借船したコンテナ船を傭船者に定期貸船しています。貸船料は傭船市況の変動に一定の影響を受けるため、貸船料が借船料を下回るリスクがあります。当社グループは、貸船料が借船料を下回る契約から生じる可能性のある将来の損失に充てるため、入手可能な情報に基づき、合理的に見積もることができるものについて会計上の引当を行っていますが(「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 ハ 重要な引当金の計上基準参照)、当社グループの傭船契約への対応方針や傭船市況の動向によっては追加の引当金の計上が必要となり、当社グループの財政状態・経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月21日)現在において当社グループが判断したものです。また、ここに記載するものが当社グループのすべてのリスクではありません。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

世界経済は、米中貿易摩擦の激化、英国のEU離脱の可能性等に懸念があったものの、全体としては安定的に推移しました。米国経済は、財政支出の拡大・減税効果による個人消費・設備投資の拡大もあり、緩やかに回復しました。欧州経済は、雇用・所得環境の改善により個人消費が底堅く推移しましたが、輸出・設備投資の減速もあり拡大傾向に鈍化が見られる結果となりました。

海運市況は、油槽船市況で一定の回復を見せたものの、ドライバルク市況は、今年初めに発生したブラジルの鉱山事故の影響により荷動きが一時的に落ち込み、前年度並みとなりました。

一方、ONE社の営業開始直後のサービス混乱による積み高の落ち込み、同社への貸船に係る損失引当金などにより、経常損益が悪化しました。また、翌期以降の抜本的な収益力の改善を目的として、コンテナ船の一部と市況影響を受ける中小型ドライバルク船の一部の不経済船の傭船解約を実施し、特別損失を計上しました。

これらの結果、当期の連結売上高は8,367億31百万円(前期比3,252億93百万円の減少)、営業損失は247億36百万円(前期は72億19百万円の営業利益)、経常損失は489億33百万円(前期は19億62百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,111億88百万円(前期は103億84百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、前連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいています。

 

中期経営計画の主な内容は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)中期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標」をご参照ください。

中期経営計画では、2017年度以降3年間の黒字化継続を目標に掲げていますが、未達成となりました。現中期経営計画最終年度である翌期は、収益性の改善、構造改革後に毀損した自己資本の拡充、市況影響型事業の縮減、安定収益型事業の比率見直しを推し進めてまいります。

 

業績等の概要

(1)業績

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(2018年3月期)

当連結会計年度

(2019年3月期)

増減額 (増減率)

売上高

1,162,025

836,731

△325,293

(△28.0%)

営業利益又は営業損失(△)

7,219

△24,736

△31,956

(-)

経常利益又は経常損失(△)

1,962

△48,933

△50,896

(-)

親会社株主に帰属する当期純利益又は

親会社株主に帰属する当期純損失(△)

10,384

△111,188

△121,572

(-)

 

当連結会計年度(2018年4月1日から2019年3月31日まで)における世界経済は、一部地域に拠る地政学上の緊張の高まりや、経済面では米中貿易摩擦の激化や中国経済の減速の鮮明化、依然として残る英国によるEU離脱影響への懸念など、マイナス要因がありながらも全体としては底堅く推移しました。

米国経済は、好調な個人消費や設備投資の増加を背景に堅調に推移しました。鉄鋼・アルミニウム製品への輸入制限に加え、激化する米中貿易摩擦影響など懸念材料がありながらも、翌期も好調な個人消費の下支えにより堅調に推移するものと見られます。

欧州経済は、下半期に掛けて減速傾向が鮮明になりました。年明け以降、輸出の持ち直しにより低調ではあるものの成長を維持しましたが、引き続き英国によるEU離脱の影響、欧米間での通商交渉の動向を注視する必要があります。

中国経済は、貿易摩擦を背景とした輸出減により景気の減速基調が鮮明となりましたが、激化する貿易摩擦の動向を注視する必要があります。

新興国では、資源価格の上昇を背景とした資源国経済の回復、インド経済の持ち直し、ASEAN諸国の内需回復などにより、総じて好調に展開しました(インド利上げの影響で緩やかに低下)。

国内経済は、生産・輸出を中心に国内経済は総じて緩やかな回復を継続しました。2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでは堅調に推移すると見込まれます。

 

一方で海運業を取りまく事業環境は、ドライバルクセグメントにおいては、大型船市況は中国の鉄鉱石需要に支えられ堅調に推移していましたが、下期に発生した豪州での貨物列車事故やブラジルでのダム決壊事故などの影響を受け市況は急落し、中・小型船市況も大きく軟化する局面もあり、市況全体は前年度と同水準に留まりました。エネルギー資源セグメントにおいては、エネルギー資源輸送事業では中長期の期間傭船契約のもとで順調に推移しましたが、海洋資源開発事業においては、オフショア支援船事業での傭船市況は依然として軟調に推移しました。製品物流セグメントにおいては、自動車船事業では輸送台数は前年度比で増加したものの、燃料費の上昇や運航効率の悪化などによる影響を受けました。コンテナ船事業においては、ONE社積高の想定比下振れに加えて、当社に残るコンテナ船事業でも一過性の残置費用が想定比で増加したことなどにより、大幅に悪化しました。翌年度については、今年度に実施した構造改革効果により大幅な業績改善を見込みます。

なお、為替レートと燃料油価格が経常利益に与えた影響は以下のとおりです。

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

影響額

為替レート

¥111/US$

¥111/US$

¥△0/US$

△3.9億円

燃料油価格

US$349/MT

US$450/MT

US$101/MT

△2.8億円

 

 

   <為替の推移(¥/US$)>             <消費燃料油価格の推移(US$/MT)>

0102010_002.png0102010_003.png

(注)為替・消費燃料油価格(平均補油価格)とも、当社社内値です。

 

また、当連結会計年度の事業セグメントごとの業績は、次のとおりです。

                                          (単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(自 2017年4月1日

  至 2018年3月31日)

 

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

  至 2019年3月31日)

増減額 (増減率)

ドライバルク

売上高

248,878

273,826

24,948

(10.0%)

セグメント損益

△132

4,441

4,574

( - )

エネルギー

資源

売上高

75,413

88,701

13,287

(17.6%)

セグメント損益

440

2,491

2,050

(465.7%)

製品物流

売上高

798,619

441,028

△357,590

(△44.8%)

セグメント損益

5,777

△49,196

△54,974

( - )

その他

売上高

39,113

33,175

△5,937

(△15.2%)

セグメント損益

3,017

1,124

△1,892

(△62.7%)

 

① ドライバルクセグメント

 

[ドライバルク事業]

大型船市況は、中国の鉄鉱石需要に支えられ、ブラジル出し鉄鉱石の荷動きが堅調に推移したことにより、上期に主要5航路平均レートが日額2万米ドル台に浮上する場面も見られましたが、下期に入り豪州で発生した貨物列車脱線事故や、ブラジルで発生したダム決壊事故など、市場心理を冷やす事象が重なったことで急激に失速し、低調に推移しました。

中・小型船市況は、大型船市況の下落や中国の冬季石炭輸入制限の影響を受けて一時大きく軟化する場面も見られましたが、南米出し穀物やインド向け石炭の荷動きが活況を呈し、総じて回復基調で推移しました。

このような状況下、ドライバルク事業全体では、運航コストの削減、配船の効率化に努めました。

 

以上の結果、ドライバルクセグメント全体では前期比で増収となり黒字に転換しました。

 

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② エネルギー資源セグメント

 

[エネルギー資源輸送事業(液化天然ガス輸送船事業・油槽船事業・電力炭船事業)]

LNG船、大型原油船、LPG船、電力炭船ともに、中長期の期間傭船契約のもとで順調に稼働し、エネルギー資源輸送事業全体では、前期比で増収増益となりました。

 

[海洋資源開発事業(エネルギー関連開発事業・オフショア支援船事業)]

ドリルシップ(海洋掘削船)及びFPSO(浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備)は順調に稼働し、長期安定収益の確保に貢献しましたが、オフショア支援船事業においては、船腹の需給バランスの改善が進まず、軟調な市況が継続しました。このため、海洋資源開発事業全体では、前期比で増収となりましたが、損失を計上しました。

 

以上の結果、エネルギー資源セグメント全体では、前期比で増収増益となりました。0102010_005.png

 

③ 製品物流セグメント

 

[自動車船事業]

当社グループの輸送台数は、国内における自然災害による一時的な出荷減少、南米など一部地域での販売減少、欧州域内の新排ガス・燃費規制導入による販売減少などの影響があったものの、欧米向けの漸増傾向が継続したことや新規契約貨の出荷好調により、前期比で増加しました。

一方で、燃料費上昇、運航効率の悪化等により、自動車船事業全体では前期比で減収となり、損失を計上しました。

 

[物流事業]

国内物流においては、第2四半期に発生した自然災害等により一時的に稼働率が低下しましたが、曳船、海陸一貫輸送、倉庫事業を中心に堅調に推移したことで、増収増益となりました。

国際物流では、航空貨物輸送において半導体関連の荷動きが好調であったこと、eコマース関連貨物の需要が拡大したこと等が収益に貢献しました。

一方で、コンテナ船事業統合後の物流事業強化に伴うコスト増加があったため、物流事業全体では、前期比で増収となりましたが、減益となりました。

 

 

[近海・内航事業]

近海事業においては、石灰石やバイオマス燃料を中心に輸送量は堅調に推移し、市況も改善しました。内航事業においては、新造大型船投入による積載スペース拡大効果や自然災害時における代替輸送需要もあり航海数が増加しました。これらにより、近海・内航事業全体では前期比で増収となりましたが、内航船における修繕費や新造船の償却費の増加等により減益となりました。

 

[コンテナ船事業]

当社持分法適用会社であるONE社の業績は、上期では営業開始直後に発生したサービスの混乱による積高・消席率の落ち込みの影響を大きく受けました。

第3四半期以降、混乱はほぼ収束し、また、運賃市況は堅調な荷動きが継続したことから特に北米往航運賃が底堅く推移しました。第4四半期では中国の旧正月による荷量の落ち込みが見られましたが、ONE社では需要に合わせた柔軟な減便の実施を行うなど、引き続き収益性改善に向けた取組みを行いました。

 

以上の結果、製品物流セグメント全体では、前期比で減収となり、損失を計上しました。

 

④ その他

その他には、船舶管理業、旅行代理店業、不動産賃貸・管理業等が含まれており、当期の業績は前期比で減収減益となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,380億40百万円となり、前連結会計年度末より200億32百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失や仕入債務の減少等により、当連結会計年度は68億8百万円のマイナス(前連結会計年度は11億67百万円のプラス)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、船舶の取得による支出等により、当連結会計年度は354億93百万円のマイナス(前連結会計年度は228億13百万円のマイナス)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、非支配株主からの払込みによる収入等により、当連結会計年度は192億90百万円のプラス(前連結会計年度は222億39百万円のプラス)となりました。

 

生産、受注及び販売の状況

 

 当社グループは、海運業を中核とする海運事業グループであり、ドライバルク事業、エネルギー資源事業製品物流事業を行っています。この他、船舶管理業、旅行代理店業及び不動産賃貸・管理業等を展開しています。従って、生産、受注を行っておらず、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。

セグメント別売上高(外部顧客に対する売上高)

 セグメント別売上高(外部顧客に対する売上高)の実績は、下記のとおりです。

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2017年4月1日

   至 2018年3月31日)

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

   至 2019年3月31日)

金額(百万円)

比率(%)

金額(百万円)

比率(%)

ドライバルク

248,878

21.4

273,826

32.7

エネルギー資源

75,413

6.5

88,701

10.6

製品物流

798,619

68.7

441,028

52.7

その他

39,113

3.4

33,175

4.0

合計

1,162,025

100.0

836,731

100.0

 

当社(川崎汽船㈱)の営業収益実績(参考)

 提出会社のセグメント別営業収益の実績は、下記のとおりです。

区分

前事業年度

(自 2017年4月1日

   至 2018年3月31日)

当事業年度

(自 2018年4月1日

   至 2019年3月31日)

金額(百万円)

比率(%)

金額(百万円)

比率(%)

(ドライバルク)

230,720

25.1

254,989

43.5

(エネルギー資源)

63,575

6.9

71,047

12.1

(製品物流)

625,854

68.0

260,037

44.3

海運業収益

920,149

100.0

586,073

99.9

(その他)

386

0.0

334

0.1

その他事業収益

386

0.0

334

0.1

合計

920,536

100.0

586,408

100.0

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 

(1)当連結会計年度の経営成績の分析

① 売上高

売上高は前年度に比べ28.0%減収8,367億31百万円となりました。報告セグメント別では、ドライバルクセグメントは、大型船市況が上期には堅調に推移し、前年度に比べ、10.0%増収の2,738億26百万円となりました。

エネルギー資源セグメントは、エネルギー資源輸送事業(液化天然ガス輸送船事業・油槽船事業・電力炭船事業)では、中長期の期間傭船契約のもとで順調に稼働し、海洋資源開発事業(エネルギー関連開発事業・オフショア支援船事業)では、オフショア支援船事業で軟調な市況が継続したものの、エネルギー関連開発事業は順調に稼働しました。これらの結果、前年度に比べ17.6%増収の887億1百万円となりました。

製品物流セグメントは、自動車船事業では、輸送台数は増加したものの、運航効率の悪化等がありました。物流事業では、国内における物流需要は堅調に推移し、国際物流では荷動きが好調でした。近海・内航事業では、近海事業において輸送量は堅調に推移し、内航事業においては、新造大型船の投入による積載スペース拡大効果がありました。一方で、コンテナ船事業でのONE社への事業移管に伴い、前年度に比べ44.8%減収の4,410億28百万円となりました。

その他セグメントは、15.2%減収となりました。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しています。

② 売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は、コンテナ船事業でのONE社への事業移管による運航経費の減少などにより、前年度の1兆832億99百万円から2,828億2百万円減少し、8,004億97百万円(前年度比26.1%減)となりました。営業収入に対する売上原価の比率は2.4ポイント増加して95.7%となりました。販売費及び一般管理費は105億35百万円減少し、609億71百万円(前年度比14.7%減)となりました。

③ 営業利益

売上総利益の減少により、前年度の72億19百万円の営業利益に対し247億36百万円の営業損失となりました。

④ 営業外収益(費用)

受取利息・配当金から支払利息を差し引いた純額は、支払利息の増加により、48億77百万円の損失(前年度は31億67百万円)となり損失が拡大しました。また9億49百万円の為替差益(前年度は15億41百万円の為替差損)、188億75百万円の持分法による投資損失(前年度は46億1百万円)を計上しました。これらが主要因となり、営業外損益は241億97百万円の損失(前年度は52億56百万円)となりました。

⑤ 税金等調整前当期純利益

固定資産の売却などにより特別利益は100億95百万円となりました。また主に傭船解約や減損損失などにより特別損失は605億84百万円となりました。これらの結果、税金等調整前当期純損失は994億22百万円(前年度は171億88百万円の税金等調整前当期純利益)となりました。

⑥ 法人税等

法人税等は、主として提出会社における法人税等調整額の増加により、前年度の42億13百万円から51億46百万円増加93億59百万円となりました。

 

⑦ 非支配株主に帰属する当期純利益

非支配株主に帰属する当期純利益は、INTERNATIONAL TRANSPORTATION SERVICE, INC.などの非支配株主に帰属する当期純利益が減少し、前年度の25億90百万円に対し、24億5百万円となりました。

⑧ 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純損失は、前年度の103億84百万円の親会社株主に帰属する当期純利益に対し、1,111億88百万円の親会社株主に帰属する当期純損失となりました。1株当たり当期純利益は、前年度の111.13円の1株当たり当期純利益に対し、1,192.08円の1株当たり当期純損失となりました。

(2)資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フローの状況

「第2 事業の状況 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」をご参照ください。

② 資金需要

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループのドライバルク事業や自動車船事業の運営に関わる海運業費用です。この中には港費・貨物費・燃料費などの運航費、船員費・船舶修繕費などの船費及び借船料などが含まれます。このほか物流事業の運営に関わる労務費等の役務原価、各事業についての人件費・情報処理費用・その他物件費等の一般管理費があります。また、設備資金需要としては船舶投資や物流設備・ターミナル設備等への投資があります。当連結会計年度中に979億11百万円の設備投資を実施しました。

③ 財務政策

当社グループの事業維持・拡大を支える低コストで安定的な資金の確保を重視しています。長期の資金需要に対しては金融機関からの長期借入金を中心に、社債発行、新株発行により調達しています。短期的な運転資金を銀行借入、コマーシャル・ペーパー(CP)発行等により調達し、一時的な余資は安定性・流動性の高い金融資産で運用しています。また、キャッシュマネージメントシステム等を利用して、国内・海外グループ会社の余剰資金を有効活用しています。

流動性の確保としまして、CP発行枠600億円に加え、国内金融機関と800億円の複数年のコミットメントラインを設定し、緊急の資金需要に備えています。

当社は国内1社の格付機関から格付を取得しており、2019年6月21日0時現在の発行体格付は、日本格付研究所(JCR)「BBB-」となっています。また、短期債格付(CP格付)についてはJCR「J-2」を取得しています。

(3)財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前年度末比856億25百万円減少9,512億61百万円となりました。流動資産は、現金及び預金の減少等により、前年度末比1,018億55百万円減少2,888億71百万円となりました。

固定資産は前年度末比162億30百万円増加6,623億90百万円となりました。固定資産のうち有形固定資産は、主に建設仮勘定の減少等により、前年度末比343億21百万円減少4,486億32百万円となりました。投資その他の資産は、主に投資有価証券の増加等により、前年度末比499億20百万円増加2,093億81百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前年度末比237億64百万円減少7,700億28百万円となりました。未払金や短期借入金等が増加したものの、支払手形及び営業未払金の減少等により、流動負債は2,793億52百万円となり、固定負債は4,906億75百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前年度末比618億60百万円減少し、1,812億33百万円となりました。純資産のうち株主資本は、主に資本剰余金が591億24百万減少したこと及び利益剰余金が504億14百万円減少したことにより、911億52百万円となりました。その他の包括利益累計額は、繰延ヘッジ損益が47億68百万円減少したことを主な要因として、前年度末比38億98百万円減少124億23百万円となりました。

なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用し、財務状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っています。

 

4【経営上の重要な契約等】

(株式移転による共同持株会社の設立及び同社株式の一部譲渡)

 当社は、2019年4月1日に当社の国内港湾運送事業子会社3社の株式移転により、3社の完全親会社となる共同持株会社を新たに設立し、当該持株会社の全株式のうち49%を株式会社上組に譲渡しました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表(2 財務諸表等 (1) 財務諸表) 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりです。

 

(多額な資金の借入)

 当社は、2019年3月29日に締結しました、劣後特約付ローンによる資金調達を2019年4月5日に実行しました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表(2 財務諸表等 (1) 財務諸表) 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりです。

 

5【研究開発活動】

当社グループは、輸送技術の革新、安全輸送の徹底及び環境保全等に関する研究開発に取り組んでおり、他社と共同による船舶の省エネ化・環境対策に資する技術の高度化研究を通じ、省エネ・環境対策技術の保有を目指しています。

なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は83百万円であり、特定のセグメントに帰属しない全社費用として、報告セグメントには含まれていません。