第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものです。

 

(1)経営成績の状況

(億円未満四捨五入)

 

前第3四半期連結累計期間

(自 2019年4月1日

    至 2019年12月31日)

当第3四半期連結累計期間

(自 2020年4月1日

    至 2020年12月31日)

増減額 (増減率)

売上高(億円)

5,672

4,687

△985

(△17.4%)

営業損益(億円)

216

△32

△248

( - )

経常損益(億円)

245

429

184

(74.9%)

親会社株主に帰属する

四半期純損益(億円)

252

632

380

(150.8%)

 

為替レート(¥/US$)(9ヶ月平均)

¥109.05

¥106.14

△¥2.91

(△2.7%)

燃料油価格(US$/MT)(9ヶ月平均)

US$445

US$347

△US$99

(△22.1%)

 

当第3四半期連結累計期間(2020年4月1日から2020年12月31日まで)の売上高は4,687億21百万円(前年同期比984億67百万円の減少)、営業損失は31億93百万円(前年同期は216億27百万円の営業利益)、経常利益は429億9百万円(前年同期比183億70百万円の増加)、親会社株主に帰属する四半期純利益は632億48百万円(前年同期比380億25百万円の増加)となりました。

なお、当社の持分法適用会社であるOCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.(以下、「ONE社」という。)の業績好調などにより、持分法による投資利益として527億67百万円を計上いたしました。うち、同社からの持分法による投資利益計上額は累計期間519億46百万円、当第3四半期連結会計期間においては297億21百万円となります。

 

セグメントごとの業績概況は次のとおりです。

 

(億円未満四捨五入)

 

前第3四半期連結累計期間

(自 2019年4月1日

    至 2019年12月31日)

当第3四半期連結累計期間

(自 2020年4月1日

    至 2020年12月31日)

増減額 (増減率)

ドライバルク

売上高(億円)

1,819

1,355

△464

(△25.5%)

セグメント損益(億円)

40

△76

△116

( - )

エネルギー

資源

売上高(億円)

650

576

△74

(△11.4%)

セグメント損益(億円)

77

40

△37

(△48.3%)

製品物流

売上高(億円)

2,951

2,540

△411

(△13.9%)

セグメント損益(億円)

157

519

362

(231.3%)

その他

売上高(億円)

253

216

△36

(△14.5%)

セグメント損益(億円)

13

7

△7

(△51.2%)

調整額

セグメント損益(億円)

△41

△60

△19

( - )

合計

売上高(億円)

5,672

4,687

△985

(△17.4%)

セグメント損益(億円)

245

429

184

(74.9%)

 

①ドライバルクセグメント

 

[ドライバルク事業]

  大型船市況は、中国の旺盛な鉄鋼需要に他の主要生産国での粗鋼生産回復が加わり、船腹需要が高まったことで当第3四半期初めには高騰しましたが、その後ブラジルの鉄鉱石積地における悪天候やメンテナンスによる出荷量の減少が影響し、大きく下落しました。

  中・小型船市況は、アメリカ出し中国向けの穀物輸送が活況を呈したことに加え、インドや日本及び韓国向けの豪州炭需要が旺盛となったことも下支えし、期中を通じて強含みで推移しました。

  船腹需給バランスについては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(以下、「新型コロナウイルス感染症」という。)拡大で落ち込んでいた造船所の操業が回復し、新造船の高い竣工率が実現した一方、中・小型船で解撤が進まなかったため、需給ギャップの改善には至りませんでした。

 

  以上の結果、ドライバルクセグメント全体では、運航コストの削減、配船の効率化に努めたほか、老齢船処分を中心に船隊規模の適正化を積極的に実施しましたが、低迷した前期市況の影響も残り、前年同期比で減収となり、損失を計上しました。

 

②エネルギー資源セグメント

 

[油槽船事業・電力炭船事業]

  大型原油船、LPG船及び電力炭船は中長期の傭船契約のもとで順調に稼働し、安定的に収益に貢献しました。

 

[液化天然ガス輸送船事業・海洋資源開発事業]

  LNG船、ドリルシップ(海洋掘削船)及びFPSO(浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備)は中長期の傭船契約のもとで順調に稼働し、安定的に収益に貢献しました。

  オフショア支援船事業においては、油価下落の影響により市況が悪化しました。

 

  以上の結果、エネルギー資源セグメント全体では、前年同期比で減収減益となりました。

 

③製品物流セグメント

 

[自動車船事業]

  新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、世界的な販売の低迷、各国工場での生産停止などにより、海上輸送需要が減少しました。停船やサービスの一時的な見直し、余剰船処分等によるコスト削減などの対応を実施したものの、前年同期比で減収となり、損失を計上しました。

 

[物流事業]

  国内物流事業は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により鋼材や製紙原料の需要は減退した状況が続いており、それに伴う荷動きや曳船作業が減少しています。陸送事業においても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により前年同期と比べて貨物の荷動きが減少しました。一方、倉庫事業については堅調に推移しました。

  国際物流事業は、当第3四半期に入り、荷動きが回復基調となっています。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による生活様式の変更に伴うeコマース関連貨物の荷動きが堅調に推移しました。

  以上の結果、物流事業全体では前年同期比で増収となりましたが、減益となりました。

 

[近海・内航事業]

  近海事業は、鋼材輸送では、上半期における鉄鋼メーカーの高炉休止の影響もあり、鉄鋼製品の出荷量が減少するなか、当社の輸送量も前年同期を下回りました。木材輸送では、輸入合板の輸送量は需要低迷により、前年同期を下回ったものの、環境対応エネルギーとして底堅い需要のあるバイオマス発電用燃料の輸送量は前年同期を上回りました。バルク輸送では、主要貨物であるロシア炭の輸送量は国内需要が減少したことにより前年同期を下回りました。

  内航事業は、定期船輸送で、製紙関連や自動車関連の主要貨物が減少するなか、食品貨物などの取込みを図りましたが、輸送量は前年同期を下回りました。フェリー事業は、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言発令の影響で、旅客及び車両輸送が前年同期を大幅に下回り、トラックの利用については建設用資材などの荷動きは低下したものの、冷凍食品や宅配貨物が増加したことにより、輸送量は前年同期から微減にとどまりました。不定期船輸送では、貨物輸送需要の減退により、石灰石・石炭の各専用船や一般貨物船ともに稼働は前年同期を下回りました。

  以上の結果、近海・内航事業全体では、前年同期比で減収減益となりました。

 

[港湾事業]

  国内ターミナルでは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響にもかかわらず北米航路は堅調に推移し、当第3四半期に入ってアジア航路でも回復傾向となったことで取扱量が増加しましたが、前年同期比では減収減益となりました。

  海外ターミナルでは、北米西岸の自営ターミナルであるITS社において、米国の巣ごもり需要によりアジア発北米向けの荷動きが夏場以降急増し、コンテナ取扱量は好調に推移しました。更に9月から新規ユーザーを誘致したことにより、増収増益となりました。

 

[コンテナ船事業]

  ONE社の業績は、旺盛な需要に対応した機動的なオペレーションによる効果と運賃市況が高水準で推移していることも寄与し、前年同期比で増益となりました。

 

以上の結果、製品物流セグメント全体では、前年同期比で減収となりましたが、増益となりました。

 

④その他

 

  その他には、船舶管理業、旅行代理店業及び不動産賃貸・管理業等が含まれており、前年同期比で減収減益となりました。

 

(2)財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末の資産の部は、投資有価証券の増加などにより前連結会計年度末に比べ268億70百万円増加し、9,229億51百万円となりました。

負債の部は、長期借入金の減少などにより前連結会計年度末に比べ342億30百万円減少し、6,616億16百万円となりました。

純資産の部は、利益剰余金の増加などにより前連結会計年度末に比べ611億0百万円増加し、2,613億35百万円となりました。

 

(3)経営方針・経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受けるなか、当社グループとして中長期的な事業環境の変容に備え、第1四半期において、取り組むべき課題及び基本的な方針を定めました。当第3四半期においても、引き続き取組みを進めています。

 

①  経営指標

前連結会計年度の有価証券報告書提出時点においては、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期に関して不確実性が高く、先行きの情勢を見極めることが困難な状況となっていることから、2020年度業績予想は未定とさせていただきました。

第1四半期において、2020年度を初年度として2020年代半ばへ、あるいは更にその先へ向けての当社の将来の方向性を示すため、2021年度までの経常損益、自己資本計画見込み及び中長期的な目標を策定しました。2020年度は、経常損失280億円、当期純損益は資産売却による売却益等により収支均衡を見込んでいましたが、第2四半期において、当社持分法適用会社であるONE社の業績が大幅な改善見込みとなったことを主因として、当社損益も改善する見込みとなり、2020年度は、経常損益は収支均衡、当期純損益は資産売却による売却益等により、親会社株主に帰属する当期純利益200億円の見込みに変更しました。

当第3四半期においても、ONE社の業績が更に改善し、コンテナ船事業において旺盛な貨物需要が引き続き手堅く推移することが見込まれ、当社損益も改善する見込みとなり、2020年度は、経常利益500億円、親会社株主に帰属する当期純利益650億円の見込みに変更しました。

なお、第1四半期において掲げた中長期目標である、2020年代半ばに経常利益250億円、自己資本1,500億円を超える水準及び、2030年に経常利益300億円、自己資本2,500億円を目指すという目標につきましては、継続して取り組んでまいりますが、当初の想定を上回る速度での収支改善に伴い、翌連結会計年度以降の中長期目標の見直しも視野に検討いたします。

 

②  市況影響の受けにくい事業ポートフォリオの構築

更なる投資の厳選を進めるとともに、安定収益型事業の維持・拡大と市況型事業の競争力を強化するために、需要に応じた船隊規模の適正化を進め、収益規模の拡大を進めます。更に、戦略的成長分野への投資を推進し、環境エネルギー事業の拡充、環境関連、AI・デジタルなど強みを生かす分野への投資を拡充させてまいります。

 

③  当社強みの徹底的強化による競争力強化

新型コロナウイルス感染症拡大により、持続可能な社会の基本となる環境への意識がより高まり、その重要性が更に増すものと考えています。当社グループでは、海上輸送の基本となる環境と安全にこれまで以上に注力し、ハード及びソフト両面での技術を更に磨き、安全運航に直結する新たな技術を研究・導入することで輸送品質を一層向上させてまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は93百万円です。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

(6)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

ドライバルクセグメントでは、市況は上半期には世界各国における新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動停滞の影響を大きく受けましたが、その後各国の景気刺激策により海上輸送需要は回復し、下半期も堅調な輸送需要が期待されます。しかしながら新型コロナウイルス感染症が世界経済の回復に影響を及ぼすリスクや船員交替といった運航面での制約が引き続き残る可能性が見込まれます。ドライバルクセグメントでは、適切な船隊整備やエクスポージャー抑制を通して市況耐久性を高めると同時に、強みである高い輸送品質を生かした営業活動を積極的に行い、中長期契約の上積みによる安定収益拡充に努めます。

エネルギー資源セグメントでは、大型原油船、LPG船、電力炭船及びLNG船において、中長期の期間傭船契約のもとで安定収益の確保に努めます。オフショア支援船事業においては、引き続きコスト削減等により収支の改善に努めます。ドリルシップについては、2022年の現行傭船契約満了後の市況予想を踏まえ、損益悪化の可能性があります。

製品物流セグメントでは、自動車船事業においては、海上輸送需要は下半期に向け回復傾向はあるものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、通期では大幅な減少を見込んでいます。第4四半期以降は、荷量回復に合わせた最適な船隊整備の継続と配船合理化により収益改善に取り組みます。物流事業においては、国内物流事業では、新型コロナウイルス感染症拡大の懸念はあるものの、一般貨物の荷動きへの影響は限定的であること、現在回復基調にあるコンテナ取扱量は当面継続するとの見通しです。一方、鋼材や製紙原料の年度内の需要回復は難しいと予想しています。国際物流事業では、eコマース関連貨物は、引き続き堅調に推移することを見込んでいます。更に、現状の海上輸送におけるコンテナ不足に伴い、一部の国で短期的な貨物保管需要が伸び、倉庫事業での需要が旺盛になるものと予想しています。港湾事業では当社国内ターミナルのコンテナ取扱量は当第3四半期以降も堅調な北米航路に加え、アジア航路が回復基調であることから、全体として堅調に推移し収益は安定するものと予想しています。ITS社については、2020年12月に、Macquarie Infrastructure and Real Assetsが運営するインフラ投資ファンドであるMIP V BidCo, LLCへの譲渡が完了しました。コンテナ船事業においては、第4四半期以降も新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりコンテナ船事業を取りまく環境は依然として不透明であり、ONE社では市況動向に注視し、着実な事業運営を行っていきます。

以上のとおり、当期の業績につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、厳しい事業環境が見込まれ、また総じて予断を許さない状況が続くものと思われます。当社グループでは当期の業績へのダメージコントロールを最優先として、貨物減少に応じた船隊縮減、配船合理化、停船・係船による運航費削減、十分な手元流動性の確保及び自己資本対策としての資産売却等の施策を着実に進めてまいります。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。