第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第2四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

 また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

 記載すべき事項はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の分析

 当第2四半期連結累計期間の世界経済は、米国を中心とした先進国で景気拡大の動きが見られる一方で、中国等の新興国経済の減速が鮮明となり先行き不透明感が高まりました。米国では、ドル高により輸出競争力が低迷したものの、雇用・所得環境の改善や個人消費が追い風となり景気拡大が継続しました。欧州では、輸出の持ち直しに加え、堅調な個人消費等が下支えとなり緩やかに回復しました。中国では、投資の鈍化が顕著となり内需・外需共に弱含み景気の減速が鮮明となりました。

 

 わが国経済は、中国経済の減速が輸出・生産の下押し圧力となったものの、設備投資の増加や雇用・所得環境の改善で個人消費が底堅く推移する等、景気は緩やかな回復基調が続きました。

 

 当社グループの海運業においては、ケミカルタンカー市況が好調なことに加え、円安が追い風となった一方、ドライバルクキャリアでは船腹の供給圧力が依然根強く市況は低迷しました。このような事業環境の下、既存契約の有利更改への取り組みをはじめとして、効率配船及び運航採算の向上を図りました。不動産業においては、飯野ビルディングをはじめとする各ビルが順調に稼働しました。

 

 以上の結果、売上高は493億28百万円(前年同期比2.9%減)、営業利益は39億93百万円(前年同期比9.1%減)、経常利益は36億4百万円(前年同期比2.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は31億84百万円(前年同期比15.7%減)となりました。

 

各セグメント別の状況は次の通りです。

 

①外航海運業

 当第2四半期連結累計期間の内航・近海海運市況は以下の通りです。

 オイルタンカーにおいては、原油安による中国の輸入増等により市況は安定的に推移してきましたが、夏場の不需要期に製油所の定期修繕時期が重なったこと等から一時的に大幅に下落し、その後冬場の需要期に向けて原油の輸送需要が再度強まったことで急反発する等、流動性の高いものとなりました。

 ケミカルタンカーにおいては、プロダクトタンカーの市況が夏場も堅調に推移しケミカルタンカー市場への流入が少なかったことや、石油化学製品の輸送需要も大きな落ち込みがなかったことから、運賃市況は総じて安定して推移しました。プロダクトタンカーにおいては、中国やアフリカのガソリン需要の増加が夏場の市況を押し上げてきましたが、その後需要が減少し市況も軟化に転じました。

 大型ガスキャリアのうち、LPGキャリアはインド・中国等を中心とする堅調な需要の伸びや、米国からのLPG輸出増加等から、引続き市況は高水準にて推移しました。一方、LNGキャリアは新造船の竣工に対する新規輸送需要の伸びが限定的で、スポット市況は低水準に留まりました。

 ドライバルクキャリアにおいては、老齢船のスクラップは順調に進んだものの、中国経済の減速や高い新造船の供給圧力が続き、市況は依然として歴史的安値での推移が続きました。

 

 なお、当第2四半期連結累計期間における当社グループの平均為替レートは121.76円/US$(前年同期は102.52円/US$)、平均燃料油価格はUS$342/MT(前年同期はUS$607/MT)となりました。

 

 このような事業環境の下、当社グループの外航海運業の概況は以下の通りとなりました。

 オイルタンカ-においては、支配船腹を中長期契約に継続投入し、安定収益を確保しました。

 ケミカルタンカーにおいては、基幹航路である中東配船では既存契約による輸送数量を順調に確保し、アジア及び欧州からインド・パキスタン向けにおいても配船計画に見合う輸送数量を取り込むことが出来ました。また、南米向け配船も継続して実施し、中東配船の船腹との入替えを行いながら全体的に安定稼働を維持することができました。当社と米国オペレーターとの合弁事業会社では大西洋域内を中心に、数量輸送契約に加えてスポット貨物も効率的に集荷し高稼働を維持することができました。プロダクトタンカーにおいては、支配船腹を中長期契約に継続投入し、安定収益を確保しました。

 大型ガスキャリアにおいては、LPGキャリア及びLNGキャリア共に既存の中長期契約へ継続投入することで安定収益を確保しました。

 ドライバルクキャリアにおいては、石炭専用船や木材チップ専用船での中長期契約に加え、数量輸送契約により採算の改善を図りました。また、市況低迷を受け、支配船腹規模を縮小する等の対策を行いました。

 

 以上の結果、外航海運業の売上高は385億74百万円(前年同期比4.1%減)、営業利益は18億70百万円(前年同期比2.8%減)となりました。

 

②内航・近海海運業

 当第2四半期連結累計期間の内航・近海海運市況は以下の通りです。

 内航ガス輸送においてはLPG・石油化学ガスの底堅い国内需要を背景に荷動きは夏場にかけても堅調に推移しました。

 近海ガス輸送においては、中国経済の成長鈍化に加え、同国向け主要貨物であるプロピレンの中国国内生産が増加したこともあり、荷動きが減少傾向となりました。

 

 このような事業環境の下、当社グループの内航・近海海運業の概況は以下の通りとなりました。

 内航ガス輸送は、LPGにおいて当社主力荷主の販売が好調となり、船腹の稼働は順調に推移しました。また石油化学ガスでも専航船契約を中心に安定した収益を確保しました。

 近海ガス輸送は、支配船腹の大半は中長期契約に継続投入されていますが、自主運航となった小型船1隻は市況悪化の影響を避けきれず収益は低下しました。

 

 以上の結果、内航・近海海運業の売上高は48億21百万円(前年同期比0.8%増)、営業利益は2億2百万円(前年同期比44.7%減)となりました。

 

③不動産業

 当第2四半期連結累計期間の不動産市況は以下の通りです。

 都心のオフィスビル賃貸市況は、春先の大型物件稼働後は目立った新規供給のない中、各企業における業容・人員拡大を背景としたオフィスの拡張・統合需要により既存ビルを含めた全体の空室率は低下し、賃料水準は緩やかな上昇傾向を見せました。

 貸ホール・貸会議室においては、多くの競合施設がある中、厳しい顧客獲得競争が続きました。

 不動産関連事業のフォトスタジオにおいては、広告需要に堅調さが見られましたが、雑誌販売の低迷から、出版業界の利用需要は低迷し、使用料の単価も低調に推移しました。

 

 このような事業環境の下、当社グループの不動産業の概況は以下の通りとなりました。

 賃貸ビルにおいては、所有する一部のビルにおいて空室があったものの、継続して良質なテナントサービスの提供に注力し、概ね順調に稼働しました。

 当社グループのイイノホール&カンファレンスセンターにおいては、セミナー、講演会、映画試写会、その他催事の積極的な誘致により、稼働を維持することができました。

 スタジオ関連事業を行うイイノ・メディアプロにおいては、スタジオ、レタッチ、プロデュース、ロケーションの各部門で新規顧客獲得がある等、稼働は堅調に推移しました。

 

 以上の結果、不動産業の売上高は59億74百万円(前年同期比1.7%増)、営業利益は19億21百万円(前年同期比8.8%減)となりました。

 

 

(2)財政状態の分析

①資産、負債及び純資産の状況

 当第2四半期連結会計期間末の総資産残高は前連結会計年度末に比べ29億34百万円減少し、2,257億59百万円となりました。これは主に現金及び預金の減少によるものです。

 負債残高は前連結会計年度末に比べ44億10百万円減少し、1,583億76百万円となりました。これは主に借入金の減少によるものです。

 純資産残高は前連結会計年度末に比べ14億76百万円増加し、673億84百万円となりました。これは主に利益剰余金の増加によるものです。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当第2四半期連結累計期間の「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、74億32百万円のプラス(前年同期は87億12百万円のプラス)となりました。これは主に税金等調整前四半期純利益32億48百万円と減価償却費43億48百万円によるものです。

 「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、32億77百万円のマイナス(前年同期は28億5百万円のマイナス)となりました。これは主に船舶及び不動産への設備投資を中心とした固定資産の取得による支出76億97百万円が、船舶を中心とした固定資産の売却による収入34億63百万円を上回ったことによるものです。

 「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、53億36百万円のマイナス(前年同期は72億16百万円のマイナス)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出141億15百万円が、長期借入れによる収入83億35百万円を上回ったことによるものです。

 以上の結果、「現金及び現金同等物の四半期末残高」は、107億87百万円(前年同期は156億92百万円)となりました。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第2四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

(4)当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

 

1. 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要

 

 当社は、同業種あるいは異業種他社との提携や企業買収が、当社の中長期的な企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益の向上の実現に向けた有力な手段の一つとなり得ると認識しておりますが、そのような他社との提携や企業買収は、当事者同士が納得、合意した上で友好裡に進められてこそ、当社の中長期的な企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益の最大化の実現を図ることができるものであると考えております。また、大規模買付行為(下記3.①において定義されます。以下同じです。)を受け入れるかどうかは、当社の経営を誰に委ねるべきかという問題に関連しますので、最終的には株主の皆様のご判断によるべきものであると考えます。

 しかしながら、昨今、わが国においても敵対的な企業買収の動きが活発化してきております。当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を向上させる買収提案が経営者の保身目的で妨げられてはならないことは当然のことであり、また、当社取締役会の同意を得ない買収提案が必ずしも当社の企業価値を損ない株主の皆様の共同の利益を害するものであるとは限らないものの、このような敵対的な企業買収の中には、株主の皆様に対して当該企業買収に関する十分な情報が提供されず株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがあるものや、株主の皆様が当該企業買収の条件・方法等について検討し、また、当社取締役会が代替案の提示等を行うための十分な時間を確保することができないもの、その他真摯に合理的な経営を行う意思が認められないもの等の当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なう企業買収もあり得るものです。

 当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業理念、当社の企業価値の様々な源泉及び当社を支える各利害関係者との信頼関係を十分に理解した上で、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を中長期的に確保し又は向上させることを真摯に目指す者でなければならないと考えております。したがいまして、上記のような企業買収に該当する行為等の当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なう大規模買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。

 

2. 基本方針の実現に資する特別な取組みの概要

 

 当社は、多数の投資家の皆様に中長期的に継続して当社に投資して頂くため、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を向上させるための取組みとして、下記①の中期経営計画等による企業価値向上への取組み及び下記②のコーポレート・ガバナンス(企業統治)に関する基本的な考え方に基づくコーポレート・ガバナンス(企業統治)の充実のための取組みを実施しております。

 

① 中期経営計画等による企業価値向上への取組み

 

ア. 当社の事業の概要

 

 当社は、海運業と不動産業を事業の柱とし、企業としての最大の経営課題である中長期的な企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益の最大化を図る観点から、海運市況、金利及び為替等の変動要素が多く収益の変動率が大きい海運業と、変動要素が相対的に少なく収益が安定している国内を基盤とする不動産業とを適切に組み合わせることにより、新興国を中心とした世界の経済成長を取り込む事業と国内の安定的な事業の双方をバランスよく行うことを経営の基本方針としております。

 当社の海運業は、オイルタンカー、ガスキャリア及びケミカルタンカーを中心とした液体貨物輸送業並びにドライバルクキャリアによるばら積み貨物輸送業から構成されております。当社は、液体貨物輸送業においては、中東諸国、アジア各国の顧客との間で長年に亘る信頼関係を築いており、また、ばら積み貨物輸送業においては、国内電力各社、製紙会社との中長期の契約関係に基づき専用船を主体とした安定輸送に従事しており、いずれも取引先企業から高い評価を得ております。さらに、海運業において当社が輸送する主要貨物は、日本をはじめ世界各国に必要不可欠な物資であり、当社はこれを安全且つ安定的に輸送することにより顧客の信頼を獲得しており、それを当社の事業の基盤とするとともに、国内外の地域社会との共存共栄を図ることに貢献しているものと自負しております。

 一方、不動産業においては、東京都心部の中でも立地条件が良く高い稼働率が期待できる地区においてオフィスビル賃貸事業を核として展開しており、多目的ホールの運営やフォトスタジオの運営等の不動産周辺事業の発展にも力を注いでいます。平成23年10月に開業を迎えた飯野ビルディング(東京都千代田区内幸町)は、日比谷公園を望む良好な立地に加え、高い耐震性や高度なセキュリティー機能を備えています。さらに、世界最高水準の環境性能を有し、自然環境にも配慮した快適なビジネス環境を提供するオフィスビルとなっており、国内外の多くの機関から高い評価を得ております。また、旧飯野ビルディングのシンボルとして長年顧客の皆様にご利用頂いておりましたイイノホールは、新たに併設されたカンファレンスセンターとともに装いも新たに生まれ変わり、落語会、演奏会、映画試写会といった催しや講演会・式典等の様々な用途にご利用頂いており、当社の文化的事業の拠点として、その伝統を受け継いでおります。当社は不動産業において、ゆとりある安全な空間を提供することにより、顧客である各企業の信頼を得ており、海運業と同様に、それを当社の事業の基盤とするとともに、当社が提供するゆとりある安全な空間において顧客である各企業が安心して事業を展開することを通じて、間接的に地域社会を含む社会全体に貢献しているものと考えております。

 このような当社に対する高い評価と信頼は、当社が特定の企業系列に属さずに独立的・中立的企業として100年以上もの間に亘り、事業を営んできたことにより培われたものであり、それは当社の企業価値の基盤となっております。

 当社が営む海運業及び不動産業において、安全の確保は、事業の発展基盤であり、当社の企業価値の基礎であるとともに、国内外の地域社会を含む社会全体への貢献の基盤となっていますが、両事業において安全を確保するためには、中長期的な視点からの安定的な経営が不可欠となります。変動要素が多く収益の変動率が大きい海運業と、変動要素が相対的に少なく収益が安定している不動産業とを適切に組み合わせることは、当社全体の経営の安定に資するものと考えています。

 また、当社は海運業と不動産業とを適切に組み合わせるという経営の基本方針を達成するために、双方の事業にバランスよく投資を行っております。特に、中長期的な視点からのヒトへの投資と教育が必要不可欠であると考えており、両事業間の人事交流を含め、双方の事業に対して経営資源の適切な配分を行っております。とりわけ、市況等の変動が収益に及ぼす影響の大きい海運業については、当社の企業体力にあった設備投資を志向するとともに、市況変動への耐性を強化するため、自社による保有船と他社からの調達船のバランスを考慮して投資を行い、また、調達船の用船期間についても、短期・中期・長期と分けることにより、船腹調達の多様化を図っております。

 以上のとおり、当社は、常に、中長期的な視点から安定的な経営を行うことを経営判断の基盤に置きつつ、海運業と不動産業とを適切に組み合わせることによって、当社グループ全体の中長期的な業績の向上を目指しております。

 現在、海運業を取り巻く事業環境は厳しいものの、安定収益基盤の強化につながる専用船事業の拡充等により可能な限り事業リスクを制御しながら当社の中核的な事業としてこれを継続していくことは、中長期的には今後伸長が予想される新興国を中心とした世界の経済成長を取り込むことにつながり、これにより収益の拡大基盤を構築することが期待できます。また、収益の変動率が大きい海運業と相対的に収益が安定している国内の不動産業とを適切に組み合わせることは、両事業の発展の基盤である安全の確保のために不可欠である当社全体の経営の安定に資すると考えております。よって、海運業と不動産業を当社の事業の柱とし、双方をバランスよく行うことは、当社の企業価値の向上に資するものと考えておりますので、双方の事業について、引き続き事業基盤の整備を進めてまいります。さらに、大きな収益は見込めないものの当社グループのブランドイメージの向上や社会全体に貢献する文化的事業についても取り組んでまいります。下記イ.の中期経営計画もこれらの方針に基づいて策定されておりますが、その方針は、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益の最大化に資するものと考えております。

 

イ. 中期経営計画

 

 当社グループは、平成26年4月24日に、前中期経営計画「IEG14(Iino’s Evolutionary Growth Plan to 2014)」の計画期間の満了に伴い、新たに3ヵ年の中期経営計画「STEP FORWARD 2020」(平成26年4月~平成29年3月)(以下「本計画」といいます。)を策定いたしました。本計画においては、営業の展開をこれまでの守りから攻めへと転換し、2020年に向けて株主の皆様に信頼されるグローバル企業へと成長をすること、そして企業価値の持続的向上のために収益力をより一層強化していくことを目標としております。当社グループはこれらの目標を達成するため、以下の「3つの重点強化策」と、それらを支える「5つの基盤整備項目」の構築に取り組みます。

「3つの重点強化策」

1.差別化による競争力強化

2.国際ネットワークの強化

3.安定収益基盤の更なる強化

「5つの基盤整備項目」

1.情報共有の緊密化と有効活用

2.リスク管理の強化徹底

3.人事制度改革と組織運営強化

4.グループITインテグレーション

5.安全の徹底と環境負荷低減への取組み

 当社グループは、本計画の遂行により、海運業と不動産業を両輪とした経営の一層の深度化に努めてまいります。

 

② コーポレート・ガバナンス(企業統治)に関する基本的な考え方

 

ア. コーポレート・ガバナンス(企業統治)に関する基本的な考え方

 

 当社グループでは、コーポレート・ガバナンス(企業統治)を「企業を構成する様々な主体(ステークホルダー)間の利害を調整し、効率的な企業活動を実現する為の枠組み」と考えております。そのため、取締役会をはじめとする各経営組織における意思決定及び業務の執行については、法の定める趣旨に加えて、株主、従業員及びその他のステークホルダーとの関係に配慮し、常に最良の経営成果をあげられるよう不断の努力を重ねております。

 

0102010_001.png

イ. コーポレート・ガバナンス(企業統治)に関する施策の実施状況

 

<企業統治の体制>

 当社は、取締役会及び監査役会により、業務執行の監督及び監査を行っております。重要事項の決定及び取締役の業務執行の監督を行うために原則として毎月1回定例取締役会を開催し、また、常勤監査役と社外監査役である非常勤監査役で構成される定例監査役会を毎月1回開催するとともに、代表取締役社長直属の内部監査室、監査役及び会計監査人が相互に連携して監査に当たる監査体制をとっております。

 

 当社においては、取締役の職務の執行が効果的に行われるために、代表取締役及び業務を執行する取締役により構成される経営執行協議会を原則として毎週開催し、取締役会に付議又は報告される事項の審議、取締役の業務執行に関する重要事項の審議及び経営に関する意見交換・情報交換を行っております。

 

<内部統制システム、リスク管理体制及び子会社の業務の適正を確保するための体制の整備の状況>

 

 当社グループにおきましては業務の適正を確保すべく次のとおり内部統制システム、リスク管理体制及び子会社の業務の適正を確保するための体制を構築しております。

1)当社グループにおいては、グループ全体のリスクに関する横断的な管理とその方針について審議・提案・助言を行うための機関として「リスク管理委員会」を設置し、その下部機関としてグループ各社社長も構成メンバーとする「安全環境委員会」、「品質・システム委員会」及び「コンプライアンス委員会」の三委員会を設置しております。「リスク管理委員会」は、三委員会に対する指示を行い、三委員会から付議・報告を受ける等して、事業に係る戦略リスク・重要投資案件のリスク等を含めて、グループ全体のリスク管理活動を統括しております。

2)当社グループの業務執行の過程で発生する可能性のある、船舶・建物における重大な事故・トラブル等によるリスクにつきましては、「安全環境委員会規程」に基づき設置された「安全環境委員会」により、当社グループの安全及び環境に関する政策立案とその推進を行うとともに、予防的措置も含めた対策の徹底・強化を図っております。

3)システム及び事務に関するリスクにつきましては、「品質・システム委員会規程」に基づき設置された「品質・システム委員会」により、当社グループのシステム及び事務に関する政策立案及びその推進を行うとともに、システムダウン等に係る予防的措置も含めた対策の徹底・強化を図っております。

4)当社グループの取締役・使用人の職務の執行に係るコンプライアンスに関しましては「行動憲章」及び「コンプライアンス規程」をコンプライアンス体制の基礎とし、「コンプライアンス委員会規程」に基づき設置された「コンプライアンス委員会」(委員長:チーフコンプライアンスオフィサーである当社総務・企画部管掌業務執行取締役)により、コンプライアンスに関する政策立案とその推進を図っております。また、「コンプライアンス規程」に基づき、チーフコンプライアンスオフィサーは監査役及び内部監査室と連携してコンプライアンスに関する業務を指揮し、役職員は法令違反等に関する報告義務及び内部警報連絡義務を負っております。

5)不測の事故、特に油濁等の環境汚染や、人命・財産に係る重大な事故・トラブル・大規模災害が発生した場合等の緊急時においては、「危機管理基本規程」に基づき代表取締役社長を本部長とする緊急対策本部を設置し、危機管理に当たります。また、当社グループは事業地域において大規模地震が発生した場合を想定した事業継続計画(BCP)を策定し、各事業の速やかな復旧と継続を図ることができる体制を整備しております。

6)当社においては、取締役・使用人の職務の執行に係る情報の保存及び管理につきましては、「文書保存規程」、「文書管理基本方針書」、「文書管理実施規程書」及び「情報セキュリティー基本規程」等の社内諸規程に基づき、管理責任者を定めて適切に保存し管理する体制をとっております。

7)グループ各社の取締役等の職務の執行に係る事項については、当社の「職務権限規程」に基づき、重要事項が当社の取締役会及び経営執行協議会に付議・報告されております。また、グループ各社の業務を担当する当社の業務執行取締役及び使用人は、必要に応じてグループ各社の取締役を兼務しており、グループ各社の取締役会への出席を通じて、代表取締役及び業務執行取締役より、職務の執行に係る事項の報告を受けております。

8)グループ各社の企業活動は、当社が策定したグループ中期経営計画に基づき行われており、その進捗状況は定期的に当社に報告されております。

 

 当社といたしましては、以上の施策を実施する体制が、企業を構成する様々な主体(ステークホルダー)間の利害を調整し、効率的な企業活動を実現するために最適なコーポレート・ガバナンス(企業統治)の形態と考えております。

 

<責任限定契約の内容の概要>

 当社は、社外取締役及び社外監査役との間で、会社法第427条第1項の規定に基づき、その職務を行うにつき善意で且つ重過失がないときは、賠償責任の限度額を法令の定める額とする旨の責任限定契約を締結しております。

3. 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要

 

 当社は、平成25年4月30日開催の当社取締役会において、同年6月26日開催の当社第122期定時株主総会において出席株主の皆様の議決権の過半数のご賛同を得て承認可決されることを条件として、当社の株券等の大規模買付行為に関する概ね下記の内容の対応方針(以下「本方針」といいます。)を導入することを決定し、また、本方針の導入については上記定時株主総会において出席株主の皆様の議決権の過半数のご賛同を得て承認可決頂いております。なお、本方針の有効期間は、平成28年に開催予定の当社第125期定時株主総会の終結時までです。また、平成27年9月30日現在の当社の大株主の状況につきましては、本四半期報告書の「第3 提出会社の状況 1 株式等の状況 (6) 大株主の状況」をご参照下さい。

 本方針の内容の詳細については、当社ホームページ(http://www.iino.co.jp/kaiun/docs/20130430-4.pdf)をご参照下さい。

 

 

① 本方針の対象となる行為

 

 本方針は、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社の株券等の買付行為、又は、結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となるような当社の株券等の買付行為(いずれも事前に当社取締役会が同意したものを除きます。このような買付行為を以下「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行い又は行おうとする者を以下「大規模買付者」といいます。)を対象としております。

 

② 大規模買付ルールの設定

 

 大規模買付者に従って頂く大規模買付ルールの概要は以下のとおりです。

 

ア. 大規模買付意向表明書の当社への事前提出

 

 まず、大規模買付者には、大規模買付行為に先立ち、当社代表取締役社長に対して、本方針に定められた手続(以下「大規模買付ルール」といいます。)に従って大規模買付行為を行う旨の誓約等を記載した大規模買付意向表明書を提出して頂きます。

 

イ. 大規模買付情報の提供

 

 当社は、大規模買付意向表明書を提出して頂いた日から10営業日(初日不算入)以内に、大規模買付者に対して、提供して頂くべき情報を記載した提供情報リストを発送いたしますので、大規模買付者には、かかる提供情報リストに従って十分な情報を当社代表取締役社長に提供して頂きます。

 

 上記の提供情報リストに従い大規模買付者から提供して頂いた情報では、当該大規模買付行為の内容及び態様等に照らして、株主の皆様のご判断及び当社取締役会の評価・検討等のために不十分であると当社取締役会が外部専門家等の助言を得た上で、合理的に判断する場合には、当社取締役会が別途請求する追加の情報を大規模買付者から提供して頂きます。

 

 また、当社は、大規模買付者から提供された情報が、大規模買付行為に対する株主の皆様のご判断及び当社取締役会の評価・検討等のために必要且つ十分な情報(以下「大規模買付情報」といいます。)として十分であり、大規模買付情報の提供が完了したと当社取締役会において合理的に判断されるときには、速やかに、その旨を大規模買付者に通知(以下「情報提供完了通知」といいます。)するとともに、その旨を開示いたします。

 

ウ. 取締役会評価期間の設定等

 

 当社は、情報提供完了通知を行った後、必要に応じて外部専門家等の助言を得た上で、大規模買付行為の評価の難易度等に応じて、最長60日間又は90日間を、当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成及び代替案立案のための期間(以下「取締役会評価期間」といいます。)として設定します。

 当社取締役会は、取締役会評価期間中に、大規模買付行為に関する当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめ、大規模買付者に通知するとともに、速やかに株主の皆様に開示いたします。

 なお、当社取締役会が取締役会評価期間内に当社取締役会としての意見をとりまとめることができないことにつきやむを得ない事情がある場合には、当社取締役会は、必要に応じて外部専門家等の助言を得た上で、当社取締役会から独立した組織である特別委員会に対して、その是非について諮問し、その勧告を最大限尊重した上で、合理的に必要と認められる範囲内で取締役会評価期間を最長30日間延長することができるものとします。

 大規模買付者は、この取締役会評価期間の経過後においてのみ、大規模買付行為を開始することができるものとします。

 

③ 大規模買付行為がなされた場合における対応方針

 

 大規模買付者が大規模買付ルールに従わずに大規模買付行為を行い又は行おうとする場合には、当社取締役会は、特別委員会に諮問し、その勧告を最大限尊重した上で、必要且つ相当な対抗措置を発動することといたします。

 これに対して、大規模買付者が大規模買付ルールに従って大規模買付行為を行い又は行おうとする場合には、原則として、当該大規模買付行為に対する対抗措置は発動しません。但し、当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なうものであると認められる場合には、当社取締役会は、特別委員会に諮問し、その勧告を最大限尊重した上で、必要且つ相当な対抗措置を発動することがあります。

 当社取締役会が対抗措置を発動する場合には、社外監査役を含む当社監査役全員(但し、事故その他やむを得ない事由により当該取締役会に出席することができない監査役を除きます。)の賛成を得た上で決議することといたします。

 なお、所定の場合には、対抗措置の発動に際して、その是非につき株主の皆様のご意思を確認するための株主総会(以下「株主意思確認総会」といいます。)を招集し、対抗措置を発動するか否かのご判断を株主の皆様に行って頂くことができるものとします。株主意思確認総会を招集する場合には、当社取締役会は、特別委員会への諮問の手続を経ることなく、株主意思確認総会決議の内容に従って対抗措置の発動の決議をすることができます。

 

 本方針における対抗措置としては、新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)の無償割当てその他法令及び当社の定款上認められる手段を想定しております。そして、本新株予約権については、当社の株券等の大量保有者等は非適格者として行使することができない旨の差別的行使条件を定めることを予定しております。また、当社は、上記非適格者以外の株主の皆様が所有する本新株予約権を取得し、これと引替えに本新株予約権1個につき当社の普通株式1株を交付することができる旨の差別的取得条項を定めることを予定しております。

 

④ 本方針の廃止及び変更

 

 本方針の有効期間の満了前であっても、(ⅰ)当社株主総会において本方針の廃止若しくは変更が決議された場合又は(ⅱ)当社取締役会において本方針の廃止が決議された場合には、本方針はその時点で廃止又は変更されます。また、(ⅲ)平成26年以降毎年の当社定時株主総会の終結直後に開催される当社取締役会において、本方針の継続が決議されなかった場合には、本方針はその時点で廃止されます。

 

4. 上記2.の取組みについての当社取締役会の判断

 

 当社は、多数の投資家の皆様に中長期的に継続して当社に投資して頂くため、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を向上させるための取組みとして、上記2.の取組みを実施しております。これらの取組みの実施を通じて、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を向上させ、それを当社株式の価値に適正に反映させていくことにより、上記のような当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なう大規模買付行為は困難になるものと考えられ、これらの取組みは、上記1.の基本方針に資するものであると考えております。

 

 したがいまして、上記2.の取組みは上記1.の基本方針に沿うものであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

 

5. 上記3.の取組みについての当社取締役会の判断

 

 上記3.の取組みは、十分な情報の提供と十分な検討等の期間の確保の要請に応じない大規模買付者及び当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なう大規模買付行為を行い又は行おうとする大規模買付者に対して、対抗措置を発動できることとしています。したがいまして、上記3.の取組みは、これらの大規模買付者による大規模買付行為を防止するものであり、上記1.の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みであります。また、上記3.の取組みは、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し又は向上させることを目的として、大規模買付者に対して、当該大規模買付者が実施しようとする大規模買付行為に関する必要な情報の事前の提供及びその内容の評価・検討等に必要な期間の確保を求めるために導入されるものです。さらに、上記3.の取組みにおいては、株主意思の重視(株主総会決議による導入、株主意思確認総会の招集及びサンセット条項)、合理的且つ客観的な対抗措置発動要件の設定、特別委員会の設置等の当社取締役会の恣意的な判断を排し、上記3.の取組みの合理性・公正性を確保するための様々な制度及び手続が確保されているものであります。

 したがいまして、上記3.の取組みは上記1.の基本方針に沿うものであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

 

(5)研究開発活動

 記載すべき事項はありません。