文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月26日)現在において判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「安全の確保は社業の基盤である」との認識のもとに、よいサービスと商品を社会に適正な利潤を得て安定的に供給するとともに、すべてのコストについて不断の削減につとめ、効率的な経営を行うことを基本方針としております。
なお、その実行にあたっては社会的要請へ適応し、環境に配慮した行動をとることとしております。
(核となる事業)
企業集団の人的・物的資源を生かしながら、当社グループは引き続き次の3つの事業を核として推進します。
・全世界にわたる水域で原油、石油製品、石油化学製品、液化天然ガス、液化石油ガス、発電用石炭、肥料、木材チップなどの基礎原料の輸送を行う外航海運業
・国内、近海を中心とした水域で液化天然ガス、液化石油ガス、石油化学ガスなどの基礎原料の輸送を行う内航・近海海運業
・東京都心を中心に、賃貸オフィスビルの所有、運営、管理及びメンテナンス並びにフォトスタジオの運営を行う不動産業
(2)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
当社グループは、当社創立125周年である2024年に向けたグループ企業の一層の成長を目指し、3ヵ年の中期経営計画 「Be Unique and Innovative. ‐創立125周年(2024年)に向けて‐」(計画期間:2017年4月~2020年3月) を策定しました。
今回の中期経営計画は「バランス経営の推進と先進性への挑戦」への取組みを主眼として、高品質なサービス“IINO QUALITY”を提供し、独自のビジネスモデル“IINO MODEL”により持続的に成長する企業、そして新しい分野へ挑戦し続ける独立系グローバル企業としての地位確立を目標としています。
「Be Unique and Innovative. ‐創立125周年(2024年)に向けて‐」において、当社グループは、お客様に支持されるサービスの質的向上を図り、更なる差別化を追求します。また、引き続き海運業・不動産業において安定収益の盤石化を進めつつ、次世代ビジネスへの挑戦も図ってまいります。
海運業では、多様化する顧客ニーズに対応するため、世界展開の加速及び一体的な提案営業により競争力を強化します。同時に安定収益の盤石化も進め、その一環として、資源エネルギー船事業への取り組みを継続します。2019年3月には、アストモスエネルギー株式会社向け新造大型LPGキャリアが竣工しました。本船は竣工後、アストモスエネルギー株式会社の船団に加わり、日本国内向けのみならず、欧州やアジアにおける三国間貿易を含む幅広いLPG輸送に従事する予定です。当社グループは今後も安定輸送・安全運航を念頭にLPG輸送・資源エネルギー輸送に積極的に取り組んでまいります。
また不動産業では、ターゲットエリア内への資産集約の一環として新橋田村町地区市街地再開発事業を推進し、安定収益の磐石化に取り組みます。本事業では、地下解体が完了、新築建物の基礎工事に着手しており、概ね計画通りに建築工事が進捗しています。
これに加え、次世代ビジネスへ挑戦することで確実な成長を目指します。次世代ビジネスの一環として次世代燃料船実用化に向けた取組みを重点強化策のひとつと位置づけておりますが、三井物産㈱と共同で現代尾浦造船(韓国)にて49,000DWT型新造メタノール船1隻を建造し、WATERFRONT SHIPPING COMPANY LIMITED 社との長期定期用船契約に投入することを2017年12月に決定しています。本船は従来の重油のみならず、メタノールを推進燃料とすることを可能にした当社初の2元燃料主機関を搭載します。燃料としてのメタノールは、硫黄酸化物(SOx)及び窒素酸化物(NOx)排出の大幅な削減が可能であり、安全且つ環境負荷の少ないクリーンなエネルギーです。本事業では、本船建造に向け、具体的な仕様検討等を進めております。当社グループではこれからも環境への負荷を低減する技術の導入に積極的に取り組んでまいります。
当社グループはこれからも経営理念である「安全の確保が社業の基盤」という基本に立ち返り、安全対策を強化するとともに、競争力の強化と経営効率の向上を図り、海運業と不動産業を両輪とした経営をより一層進化させてまいります。
(3)当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
1. 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業理念、当社の企業価値の様々な源泉及び当社を支える各利害関係者との信頼関係を十分に理解した上で、当社の中長期的な企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し又は向上させることを真摯に目指す者でなければならないと考えております。
当社は、敵対的な企業買収であっても、当社の中長期的な企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を向上させるものであれば、これを一概に否定するものではありませんが、このような敵対的な企業買収の中には、専ら自身の短期的な利得のみを目的として行われるものや、株主の皆様に対して当該企業買収の提案に関する情報や熟慮の機会が十分に確保されず、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがあるものなど当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なう企業買収もあり得ます。
したがいまして、上記のような当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なう大規模買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
2. 基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
当社は、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を向上させるための取組みとして、下記①の中期経営計画等による企業価値向上のための取組み及び下記②のコーポレート・ガバナンスの充実のための取組みを実施しております。
① 中期経営計画等による企業価値向上のための取組み
ア. 当社の事業の概要
当社は、海運業と不動産業を事業の柱とし、企業としての最大の経営課題である中長期的な企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益の最大化を図る観点から、海運市況、金利及び為替等の変動要素が多く収益の変動率が大きい海運業と、変動要素が相対的に少なく収益が安定している国内を基盤とする不動産業とを適切に組み合わせることにより、新興国を中心とした世界の経済成長を取り込む事業と国内の安定的な事業の双方をバランスよく行うことを経営の基本方針としております。
当社の海運業は、オイルタンカー、ガスキャリア及びケミカルタンカーを中心とした液体貨物輸送業並びにドライバルクキャリアによるばら積み貨物輸送業から構成されております。当社は、液体貨物輸送業においては、中東諸国、アジア各国の顧客との間で長年に亘る信頼関係を築いており、また、ばら積み貨物輸送業においては、国内電力各社、製紙会社等との中長期の契約関係に基づき専用船を主体とした安定輸送に従事しており、いずれも取引先企業から高い評価を得ております。さらに、海運業において当社が輸送する主要貨物は、日本をはじめ世界各国に必要不可欠な物資であり、当社はこれを安全且つ安定的に輸送することにより顧客の信頼を獲得しており、それを当社の事業の基盤とするとともに、国内外の地域社会との共存共栄を図ることに貢献しているものと自負しております。
一方、不動産業においては、東京都心部の中でも立地条件が良く高い稼働率が期待できる地区におけるオフィスビル賃貸事業を核として展開しており、多目的ホールの運営やフォトスタジオの運営等の不動産周辺事業の発展にも力を注いでおります。2011年10月に開業した飯野ビルディング(東京都千代田区内幸町)は、日比谷公園を望む良好な立地に加え、高い耐震性や高度なセキュリティー機能を備えております。さらに、世界最高水準の環境性能を有し、自然環境にも配慮した快適なビジネス環境を提供するオフィスビルとなっており、国内外の多くの機関から高い評価を得ております。また、飯野ビルディングのシンボルであるイイノホールは、カンファレンスセンターとともに、落語会、演奏会及び映画試写会といった催しや講演会・式典等の様々な用途にご利用頂いており、当社の文化的事業の拠点として、確固たる地位を築いております。当社は不動産業において、ゆとりある安全な空間を提供することにより、顧客である各企業の信頼を得ており、海運業と同様に、それを当社の事業の基盤とするとともに、当社が提供するゆとりある安全な空間において顧客である各企業が安心して事業を展開することを通じて、間接的に地域社会を含む社会全体に貢献しているものと考えております。
このような当社に対する高い評価と信頼は、当社が特定の企業系列に属さずに独立的・中立的企業として100年以上もの間に亘り、事業を営んできたことにより培われたものであり、それは当社の企業価値の基盤となっております。
当社が営む海運業及び不動産業において、安全の確保は、当社に対する評価と信頼の基礎となる事業の発展基盤であり、当社の企業価値の基礎であるとともに、国内外の地域社会を含む社会全体への貢献の基盤となっておりますが、両事業において安全を確保するためには、中長期的な視点からの安定的な経営が不可欠となります。変動要素が多く収益の変動率が大きい海運業と、変動要素が相対的に少なく収益が安定している不動産業とを適切に組み合わせることは、当社全体の経営の安定に資するものと考えております。
また、当社は海運業と不動産業とを適切に組み合わせるという経営の基本方針を達成するために、双方の事業にバランスよく投資を行っております。特に、中長期的な視点からのヒトへの投資と教育が必要不可欠であると考えており、両事業間の人事交流を含め、双方の事業に対して経営資源の適切な配分を行っております。とりわけ、市況等の変動が収益に及ぼす影響の大きい海運業については、当社の企業体力にあった設備投資を志向するとともに、市況変動への耐性を強化するため、自社による保有船と他社からの調達船のバランスを考慮して投資を行い、また、調達船の傭船期間についても、短期・中期・長期と分けることにより、船腹調達の多様化を図っております。
以上のとおり、当社は、常に、中長期的な視点から安定的な経営を行うことを経営判断の基礎に置きつつ、海運業と不動産業とを適切に組み合わせることによって、当社グループ全体の中長期的な業績の向上を目指しております。
下記イ.の中期経営計画もこれらの方針に基づいて策定されておりますが、その方針は、当社の中長期的な企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益の最大化に資するものと考えております。
イ. 中期経営計画
当社グループは、2017年4月20日に、当社創立125周年である2024年に向けたグループ企業の一層の成長を目指し、3ヵ年の中期経営計画「Be Unique and Innovative. ‐創立125周年(2024年)に向けて‐」(計画期間:2017年4月~2020年3月)を策定しました。
本計画は、基本的には「攻めの展開へ」をテーマとした前中期経営計画「STEP FORWARD 2020」の方針を踏襲しつつ「バランス経営の推進と先進性への挑戦」への取組みを主眼として、高品質なサービス“IINO QUALITY”を提供し、独自のビジネスモデル“IINO MODEL”により持続的に成長する企業、そして新しい分野へ挑戦し続ける独立系グローバル企業としての地位確立を目標としています。
「Be Unique and Innovative. ‐創立125周年(2024年)に向けて‐」において、当社グループは、「3つの重点強化策」として、「更なる差別化の追求」、「安定収益の磐石化」及び「次世代ビジネスへの挑戦」に取組みます。具体的には、まず、お客様に支持されるサービスの質的向上を図り、更なる差別化を追求します。また、海運業では、多様化する顧客ニーズに対応するため、世界展開の加速及び一体的な提案営業により競争力を強化します。不動産業では、ターゲットエリア内への資産集約の一環として新橋田村町地区市街地再開発事業を推進し、安定収益の磐石化に取組みます。これに加え、次世代ビジネスへ挑戦することで確実な成長を目指し、海運業と不動産業を両輪とした経営をより一層進化させてまいります。
また、これらの重点強化策を支える「5つの基盤整備項目」として、「ノウハウ再構築・浸透・伝承による競争力強化」、「人的資源開発強化と最適活用」、「情報ネットワークの戦略的拡充」、「キャッシュ・フロー経営と財務基盤強化」及び「リスク管理の徹底」に取り組んでまいります。
中期経営計画「Be Unique and Innovative. ‐創立125周年(2024年)に向けて‐」の詳細については当社ホームページをご参照下さい。
https://www.iino.co.jp/kaiun/ir/plan.html
なお、当期における本計画の進捗状況につきましては、本有価証券報告書の「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題」をご参照下さい。
② コーポレート・ガバナンスの充実のための取組み
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方及びコーポレート・ガバナンスに関する施策の実施状況につきましては、本有価証券報告書の「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照下さい。
3. 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社は、2019年4月26日開催の当社取締役会において、当社の株券等の大規模買付行為に関する概ね下記の内容の対応方針(以下「本方針」といいます。)を導入することを決定し、本方針の導入については同年6月26日開催の当社第128期定時株主総会において出席株主の皆様の議決権の過半数のご賛同を得て承認可決頂いております。なお、本方針の有効期間は、2022年に開催予定の当社第131期定時株主総会の終結時までです。また、2019年3月31日現在の当社の大株主の状況につきましては、本有価証券報告書の「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (6) 大株主の状況」をご参照下さい。
本方針の内容の詳細については、当社ホームページをご参照下さい。
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS00371/8bc0c5f4/45b5/4944/84e2/023a024120ce/140120190426412204.pdf
記
① 本方針の対象となる行為
本方針は、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社の株券等の買付行為、結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となるような当社の株券等の買付行為、又は、結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社の他の株主との合意その他の行為(いずれも事前に当社取締役会が同意したものを除きます。このような買付行為を以下「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行い又は行おうとする者を以下「大規模買付者」といいます。)を対象としております。
② 大規模買付ルールの設定
大規模買付者に従って頂く大規模買付ルールの概要は以下のとおりです。
ア. 大規模買付意向表明書の当社への事前提出
まず、大規模買付者には、大規模買付行為に先立ち、当社代表取締役社長に対して、本方針に定められた手続(以下「大規模買付ルール」といいます。)に従って大規模買付行為を行う旨の誓約等を記載した書面(以下「大規模買付意向表明書」といいます。)を提出して頂きます。
イ. 大規模買付情報の提供
当社は、大規模買付意向表明書を提出して頂いた日から10営業日(初日不算入)以内に、大規模買付者に対して、提供して頂くべき情報が記載された書面(以下「提供情報リスト」といいます。)を発送いたしますので、大規模買付者には、提供情報リストに従って十分な情報を当社代表取締役社長に提供して頂きます。
提供情報リストに従い大規模買付者から提供して頂いた情報では、当該大規模買付行為の内容及び態様等に照らして、株主の皆様のご判断及び当社取締役会の評価・検討等のために不十分であると当社取締役会が外部専門家等の助言を得た上で当社取締役会から独立した組織である特別委員会に諮問し、その勧告を最大限尊重した上で合理的に判断する場合には、当社取締役会が別途請求する追加の情報を大規模買付者から提供して頂きます。
また、当社は、大規模買付者から提供された情報が、大規模買付行為に対する株主の皆様のご判断及び当社取締役会の評価・検討等のために必要且つ十分な情報(以下「大規模買付情報」といいます。)として十分であり、大規模買付情報の提供が完了したと当社取締役会が特別委員会に諮問し、その勧告を最大限尊重した上で合理的に判断するときには、速やかに、大規模買付者に対して、その旨の通知(以下「情報提供完了通知」といいます。)を行うとともに、その旨を開示いたします。
ウ. 取締役会評価期間の設定等
当社は、情報提供完了通知を行った後、必要に応じて外部専門家等の助言を得た上で、大規模買付行為の評価の難易度等に応じて、最長60日間又は90日間を、当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成及び代替案立案のための期間(以下「取締役会評価期間」といいます。)として設定します。
当社取締役会は、取締役会評価期間中に、大規模買付行為に関する当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめ、大規模買付者に通知するとともに、速やかに株主の皆様に開示いたします。
なお、当社取締役会が取締役会評価期間内に当社取締役会としての意見をとりまとめることができないことにつきやむを得ない事情がある場合には、当社取締役会は、必要に応じて外部専門家等の助言を得た上で、特別委員会に対して、その是非について諮問し、その勧告を最大限尊重した上で、合理的に必要と認められる範囲内で取締役会評価期間を最長30日間延長することができるものとします(なお、当該延長は一度に限るものとします。)。
大規模買付者は、取締役会評価期間の経過後においてのみ、大規模買付行為を開始することができるものとします。
③ 大規模買付行為がなされた場合における対応方針
大規模買付者が大規模買付ルールに従わずに大規模買付行為を行い又は行おうとする場合には、当社取締役会は、特別委員会に諮問し、その勧告を最大限尊重した上で、必要且つ相当な対抗措置を発動することといたします。
これに対して、大規模買付者が大規模買付ルールに従って大規模買付行為を行い又は行おうとする場合には、原則として、当該大規模買付行為に対する対抗措置は発動しません。但し、当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なうものであると認められる場合には、当社取締役会は、特別委員会に諮問し、その勧告を最大限尊重した上で、必要且つ相当な対抗措置を発動することがあります。
当社取締役会が対抗措置を発動する場合には、社外監査役を含む当社監査役全員(但し、事故その他やむを得ない事由により当該取締役会に出席することができない監査役を除きます。)の賛成を得た上で決議することといたします。
なお、①特別委員会が株主意思確認総会を招集することを勧告した場合、又は、②当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なうものであると認められる場合には、対抗措置の発動に際して、その是非につき株主の皆様のご意思を確認するための株主総会(以下「株主意思確認総会」といいます。)を招集し、対抗措置を発動するか否かのご判断を株主の皆様に行って頂くことができるものとします。但し、当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なうものであることが明白である所定の場合に該当するときを除き、当社取締役会は、株主意思確認総会を招集することなく、対抗措置の発動の決議をすることができないものとします。株主意思確認総会を招集する場合には、当社取締役会は、特別委員会への諮問の手続を経ることなく、株主意思確認総会決議の内容に従って対抗措置の発動の決議をすることができます。
本方針における対抗措置としては、新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)の無償割当てその他法令及び当社の定款上認められる手段を想定しております。そして、本新株予約権については、当社の株券等の大量保有者等は非適格者として行使することができない旨の差別的行使条件を定めることを予定しております。また、当社は、上記非適格者以外の株主の皆様が所有する本新株予約権を取得し、これと引替えに本新株予約権1個につき当社の普通株式1株を交付することができる旨の差別的取得条項を定めることを予定しております。
④ 本方針の廃止及び変更
本方針の有効期間の満了前であっても、(ⅰ)当社株主総会において本方針の廃止若しくは変更が決議された場合又は(ⅱ)当社取締役会において本方針の廃止が決議された場合には、本方針はその時点で廃止又は変更されます。また、(ⅲ)2020年以降毎年の当社定時株主総会の終結直後に開催される当社取締役会において、本方針の継続が決議されなかった場合には、本方針はその時点で廃止されます。
4. 上記2.の取組みについての当社取締役会の判断
当社は、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を向上させるための取組みとして、上記2.の取組みを実施しております。これらの取組みの実施を通じて、当社の中長期的な企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を向上させ、それを当社の株式の価値に適正に反映させていくことにより、上記のような当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なう大規模買付行為は困難になるものと考えられ、これらの取組みは、上記1.の基本方針に資するものであると考えております。
したがいまして、上記2.の取組みは上記1.の基本方針に沿うものであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
5. 上記3.の取組みについての当社取締役会の判断
上記3.の取組みは、十分な情報の提供と十分な検討等の期間の確保の要請に応じない大規模買付者及び当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なう大規模買付行為を行い又は行おうとする大規模買付者に対して、対抗措置を発動できることとしています。したがいまして、上記3.の取組みは、これらの大規模買付者による大規模買付行為を防止するものであり、上記1.の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みであります。また、上記3.の取組みは、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し又は向上させることを目的として、大規模買付者に対して、当該大規模買付者が実施しようとする大規模買付行為に関する必要な情報の事前の提供及びその内容の評価・検討等に必要な期間の確保を求めるために導入されるものです。さらに、上記3.の取組みにおいては、株主意思の重視(株主総会決議による導入、株主意思確認総会の招集及びサンセット条項)、合理的且つ客観的な対抗措置発動要件の設定、特別委員会の設置等の当社取締役会の恣意的な判断を排し、上記3.の取組みの合理性・公正性を確保するための様々な制度及び手続が確保されているものであります。
したがいまして、上記3.の取組みは上記1.の基本方針に沿うものであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下の通りであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月26日)現在において判断したものであります。
当社グループの外航海運業と内航・近海海運業により構成される海運業及び不動産業の事業活動におきましては、船舶の就航水域・寄港地・入渠地、市場、契約先の属する国や地域、プロジェクト等の投資地域等全ての事業地域で、政治情勢、経済情勢、社会的な要因、自然災害や人災等により、当社グループの業績、株価及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的なリスクとしては以下のようなものがあります。
(1) 船舶・建物における重大な事故・事件等によるリスク
当社グループは「安全の確保が社業の基盤」を経営理念の第一に掲げ、事業に使用する船舶や建物での安全優先を経営上の使命としています。各事業部門に共通する安全対策については毎月一回開催される「安全環境委員会」にてレビューされ、さらに海運業においては国際的な基準に基づいた品質管理マネジメントシステムを導入し、また「船舶安全対策委員会」を定期的に開催して事故防止や安全対策の徹底に努め、緊急事態にも適応できる体制を構築しております。しかしながら、もし船舶や建物での不測の事故が起こり人命・財産に関わる重大な事故や事件が発生した場合、あるいは油濁等の環境汚染や所有不動産に土壌汚染が認められ搬出や浄化の必要が生じた場合には、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。
(2) 海運市況・不動産市況の変動によるリスク
当社グループは海運市況や不動産市況の一時的な変動に左右されないよう、中長期契約を主体として安定的な営業収益の確保に努めておりますが、海運業においては中長期契約の更改時期やスポット運航を余儀なくされる場合に、海上輸送量の増減や競争の激化、又は船腹需給のバランス等の影響により、運賃収入及び貸船料収入等が大きく変動する可能性があります。不動産業においては、当社グループは東京都心部のオフィスビルを中心に不動産資産を保有しており、不動産市況の動向、特に東京都心のオフィス市場の空室率が変動する等の場合、賃貸料収入等が大きく変動する可能性があります。以上の結果、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。また、前述の営業収益の安定策には市況変動によるリスクをある程度軽減する一方、市況が逆方向へ変動することから生じたかもしれない利益を逸失している可能性があります。
(3) 資産価格の変動に関するリスク
当社グループの保有する資産(船舶、土地、建物、投資有価証券等)について、経済状況、市況の変動等の要因で資産価格に変動があった場合、当該資産の売却等に伴う損益の実現や、減損損失の認識等により、当社グループの業績、株価及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 他社との競合によるリスク
当社グループは海運業及び不動産業において、国内外で多くの企業と競合関係にあります。他企業とのサービス・価格競争が激化した場合、当社グループの業績、株価及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(5) 燃料油価格の変動によるリスク
海運業においては、当社グループが購入する舶用燃料油の価格は原油の需給バランスや産油国・地域の情勢等により変動しますが、補油地域・時期の分散や減速航海の実施等による燃料油の消費量節減、荷主との燃料油価格変動調整条項の合意等の対策を講じ、業績に与える影響を軽減するよう努めております。しかしながら、燃料油価格の著しい変動等により、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。
(6) 船舶・不動産の稼働状況に関するリスク
当社グループが使用する船舶や建物等においては天災、人災による事故、粗悪油やその他の不測の事態により、想定外の不稼働が発生する可能性があります。その他、不動産業においてはオフィス賃貸借契約の未更新や中途解約その他の事由等により不稼働が発生する場合があります。その結果として、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。
(7) 船舶の売却や中途解約等におけるリスク
海運業においては、海運市況の動向や船舶の新技術開発・導入による既存船舶の陳腐化、安全・環境規制その他の諸規則の変更等による船舶の使用制限等により、当社グループが保有する船舶を売却する場合や、当社グループが用船する船舶の用船契約を中途解約する場合があります。その結果として、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。
(8) 為替の変動によるリスク
当社グループの事業のうち海運業においては外貨建費用に比べ外貨建収入が多く、為替レートの変動が損益に影響を与える状況にあります。また設備投資においては、外貨建の投資も多くあります。そのため、費用のドル化を進めるとともに、為替予約や通貨スワップ等のヘッジ取引により、為替レート変動の影響を軽減するよう努めております。しかしながら、為替レートが大きく変動した場合、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。なお、前述のヘッジ取引には為替レートの変動によるリスクをある程度軽減する一方、為替レートが逆方向へ変動することから生じたかもしれない利益を逸失している可能性があります。
(9) 金利変動によるリスク
当社グループは、船舶や不動産等の取得に要する設備投資及び事業活動に要する運転資金に内部資金を充当する他、外部からも資金を調達しております。この外部資金には変動金利で調達している部分があり、金利情勢を勘案の上、金利の固定化等により、金利変動による影響を軽減するよう努めておりますが、将来の金利変動によって資金調達コストが変動し、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。また、このような金利固定化等の取引には金利レートの変動によるリスクをある程度軽減する一方、金利レートが逆方向へ変動することから生じたかもしれない利益を逸失している可能性と固定化した期間中に条件の変更を余儀なくされた場合、解約料を負担することがあります。
(10) 規制の実施・改廃等によるリスク
当社グループが使用する船舶の建造・登録・運航は、各種の国際条約による法的規制や、近年の環境保護や安全重視の高まりに起因する特定顧客及び船級協会等の規則や規制等の影響を受けます。その他の事業分野を含め、今後の事業活動の展開にあたって法的規制、特定顧客及び船級協会等の規則や規制等が新たに実施又は改廃された場合、それらに対応するためのコストが増大したり、当事業からの撤退や、遵守できなかった場合の事業活動の制限等により、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。
(11) 世界各地域の政治情勢、経済情勢、社会的な要因等によるリスク
当社グループの事業活動は、日本を含むアジア、中東、欧米、その他の地域に及んでおり、各地域における政治情勢、経済情勢、社会的な要因等により影響を受ける可能性があり、具体的には以下のようなリスクがあります。これらリスクに対しては当社グループ内外からの情報収集活動等を通じ、その予防と回避に努めておりますが、これらの事象が発生した場合には、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。
(ア) 政治的又はインフレ等の経済的要因
(イ) 事業・投資許可、税制、会計基準、為替管理、安全、環境、通商制限、私的独占の禁止等に関する公的規制とその改廃、商慣習、実務慣行、解釈
(ウ) 他社との合弁事業・提携事業の動向
(エ) 事故、火災、戦争、暴動、テロ、海賊、伝染性疾患の流行、ストライキその他の要因による社会的混乱
(12) 世界各地域の自然災害及び二次災害並びにそれらに付随する風評被害によるリスク
当社グループの事業活動は、日本を含むアジア、中東、欧米、その他の地域に及んでおり、各地域における自然災害及びその二次災害により影響を受ける可能性があります。また特に、当社グループ本社所在地かつ保有する不動産資産が集中している首都圏や東日本において自然災害及びその二次災害が生じた場合は、当社の事業活動全般に大きな影響を及ぼすことが考えられます。また、自然災害及び二次災害に付随する風評被害が当社の事業活動全般に影響を及ぼす可能性もあります。当社グループでは、自然災害及びその二次災害発生時にも、可能な限りの事業継続を図るため、これらの事態を想定したBCP(事業継続計画)を策定しておりますが、これらの事象が発生した場合には、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。
(13) 取引先の倒産等に関するリスク
当社グループは、取引先と締結した用船契約・不動産賃貸借契約に基づき営業収益を確保しております。取引先の与信状態は契約締結時及び履行途中に調査しておりますが、輸送契約先、貸船契約先、借船契約先、テナント契約先等の取引先が抱えるリスクにより倒産等の不測の事態があった場合、当社グループにおいて不良債権の発生や、契約の中途解約、借船元の船舶差し押え・競売等が発生することが予想され、これら損失の額によっては、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。
(14) 投資計画の進捗に関するリスク
当社グループは、海運業においては船隊整備、不動産業においてはビル建設等に関する投資を計画しておりますが、今後の海運市況や不動産市況、金融情勢、造船会社や建設会社の動向等によって、これらが計画通りに進捗しない場合、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。
(15) 情報・会計システムに関するリスク
地震等の自然災害、外部からの予期せぬ不正アクセスやコンピューターウィルス侵入等、また新システムの導入・新規機能の追加時に情報・会計システムに障害が発生した場合、業務が遅延・停止する可能性があります。顧客への情報提供及び業務処理が滞ることとなった場合、当社グループの業績、株価及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(16) 中期経営計画に基づく経営目標が達成できないリスク
当社グループは2017年4月に3ヵ年の中期経営計画「Be Unique and Innovative. ‐創立125周年(2024年)に向けて‐」を策定し、達成に向けて取り組んでおります。しかし本中期経営計画は、様々な外的要因により影響を受ける可能性があり、当初の目標を達成できない可能性があります。
上記は当社グループが事業を継続する上で、予想される主なリスクを具体的に例示したものであり、これらに限定されるものではありません。
業績等の概要
(1) 業績
当連結会計年度(以下、「当期」という)の世界経済は、堅調な米国経済に支えられ、全体として緩やかに回復しましたが、通商問題や各国経済の減速等により、回復に足踏みの兆しが見られました。米国では、一時的に企業業績の低迷や個人消費の減速が見られましたが、労働需要の堅調さ等に支えられ、景気は着実な回復を継続しました。欧州では、英国のEU離脱問題を巡る先行き不透明感が残存し、景気の減速傾向がより強まりました。中国では、米国との貿易摩擦の影響等により、輸出が減少に転じており、景気の減速基調が続きました。
わが国経済は、個人消費の持ち直しに支えられ緩やかな回復基調を維持しましたが、海外経済の弱含みにより力強さに欠ける状態が継続しました。
当社グループの海運業を取り巻く市況は、ドライバルクキャリアでは期中上昇局面を見せることもありましたが、冬場にかけて下落し、また当社主力のケミカルタンカーでは期中船腹の供給過剰により低迷を続ける等、全体として不透明感が残りました。このような状況の下、当社グループでは、既存契約の有利更改への取り組みをはじめとして、効率配船及び運航採算の向上を図った他、売船市場の動向を見極め老齢船の処分を行い、固定資産売却益(特別利益)を計上しました。また不動産業における都心のオフィスビル賃貸市況は、企業の人員拡大等への対応に伴うオフィス拡張、統合移転需要により既存ビルを含めた全体の空室率は低下し、賃料水準は上昇傾向で推移しました。このような状況の下、当社グループでは、飯野ビルディングをはじめとする既存ビルが順調に稼働し、安定した収益を確保しました。また、当社が参画している新橋田村町地区市街地再開発事業では、地下解体が完了、新築建物の基礎工事に着手しており、概ね計画通りに建築工事が進捗しました。
以上の結果、売上高は848億43百万円(前期比4.3%増)、営業利益は47億82百万円(前期比15.4%減)、経常利益は47億1百万円(前期比1.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は46億85百万円(前期比10.4%増)となりました。
各セグメント別の状況は次の通りです。
①外航海運業
当期の外航海運市況は以下の通りです。
オイルタンカー市況は、アジアの旺盛な原油需要に加え老齢船の解撤が進んだこと等もあり秋頃から高騰しました。冬場以降も中東をはじめ米国や西アフリカ積みの荷動きが活発化したことから、堅調な推移を見せましたが、当期末にかけては不需要期に差しかかることから軟化傾向に転じました。
ケミカルタンカー市況は、低迷の一因となるプロダクトタンカーのケミカルタンカー市場への流入圧力が冬場以降弱まったことで、緩やかな回復基調を見せる局面もありましたが、期中を通じ総じて低迷しました。
大型ガスキャリアのうち、LPGキャリア市況は、当期初は新造船の流入による船腹供給過剰が続き低調に推移しましたが、インド・中国・東南アジア等の堅調な需要を背景とした米国からアジア向け輸送の拡大により当期中は概ね堅調に推移しました。LNGキャリア市況は、新規LNGプロジェクトの立ち上がりから輸送需要が増加したことで堅調に推移しましたが、冬期需要の一服感と新造船の流入により再び軟化しました。
ドライバルクキャリア市況は、北半球の春季をピークに初夏にかけ一時軟調に推移しましたが、穀物をはじめとする荷動きの復調により、夏場終盤には底を打ち上昇に転じました。秋口以降、太平洋では中国向け石炭輸送等にブレーキが掛かり、大西洋では穀物輸送需要減が生じ、更にブラジルでの鉱山ダム事故の影響もあって、冬場には前年同期を大きく下回る水準まで下落する局面を迎えましたが、旧正月明けを契機とし、当期末にかけては太平洋・大西洋共に回復基調を見せました。
なお、当期における平均為替レートは¥110.67/US$(前期は¥111.19/US$)、平均燃料油価格はUS$430/MT(前期はUS$337/MT)となりました。
このような事業環境の下、当社グループの外航海運業の概況は以下の通りとなりました。
オイルタンカーにおいては、支配船腹を中長期契約に継続投入することで安定収益を確保しました。
ケミカルタンカーにおいては、当社の基幹航路である中東域から欧州向け及びアジア向けの数量輸送契約に加え、北アフリカからの燐酸液やインド西岸出しアジア向けのケミカル貨物を積極的に取り込む等、稼働の維持に努めました。また、当社最大船型となるケミカルタンカーを新たに投入し採算改善に努めました。当社と米国オペレーターとの合弁事業会社では、数量輸送契約やスポット貨物の集荷により稼働を維持しました。しかしながら、市況低迷により、全体として運航採算は前期に比べ悪化しました。プロダクトタンカーにおいては、市況低迷の影響を抑えるべく、当期中に運航船1隻を処分しました。
大型ガスキャリアにおいては、LPGキャリア及びLNGキャリア共に既存の中長期契約へ継続投入することで安定収益を確保しました。
ドライバルクキャリアにおいては、石炭専用船とチップ専用船については順調に稼働しました。ポストパナマックス船については、市況上昇のタイミングを捉えた配船や数量輸送契約に投入した他、新規の専航船契約を締結する等、安定収益の確保に努めた結果、運航採算は大幅に改善しました。ハンディ船については、秋口以降市況が軟調に推移する中、数量輸送契約への投入を中心に効率的な配船と運航に努めた結果、運航採算は大幅に改善しました。また、契約の終了に伴い、当期中に小型ハンディ船1隻を返船し船隊の効率化を図りました。
以上の結果、外航海運業の売上高は648億73百万円(前期比4.9%増)、営業利益は5億83百万円(前期比66.0%減)となりました。
②内航・近海海運業
当期の内航・近海海運市況は以下の通りです。
内航ガス輸送の市況は、LPG需要は、例年通りの季節的要因による不需要期の発生に加え、秋口以降も暖冬傾向であったことにより、出荷は低調に推移しました。石油化学ガスも出荷プラントのトラブルや北海道胆振東部地震による停止の影響を受け、同じく出荷は低調に推移しましたが、船員不足による稼働隻数の減少も影響し、船腹の稼働は堅調に推移しました。
近海ガス輸送の市況は、主要貨物であるプロピレン、塩化ビニルモノマーの国内生産量は安定していましたが、東南アジアのプラント稼働が一時的に不安定になったことや能力増強計画の遅延により海上輸送量は軟調に推移しました。
このような事業環境の下、当社グループの内航・近海海運業の概況は以下の通りとなりました。
内航ガス輸送は、安全運航の高い評価を得たことや荷主に船員雇用対策費用の負担を求めた結果、契約の有利更
改に至り、採算を維持することができました。
近海ガス輸送は、東南アジアの荷動きは軟調でしたが、当期初の市況上昇に伴い有利更改した定期用船契約を基に安定した収益を維持しました。
以上の結果、内航・近海海運業の売上高は94億27百万円(前期比4.6%増)、営業利益は9億26百万円(前期比32.3%増)となりました。
③不動産業
当期の不動産市況は以下の通りです。
都心のオフィスビル賃貸市況は、企業の人員拡大等への対応に伴うオフィス拡張、統合移転需要により、新築及び築年数の経過していない大規模ビルを中心に新規の入居スペースの減少が進み、既存ビルを含めた全体の空室率は低下し、賃料水準は上昇傾向で推移しました。
貸ホール・貸会議室においては、多数の競合施設がある中、厳しい顧客獲得競争が続きました。
不動産関連事業のフォトスタジオ事業においては、広告需要が引き続き堅調に推移しました。
このような事業環境の下、当社グループの不動産業の概況は以下の通りとなりました。
賃貸ビルにおいては、所有する各ビルにおいて良質なテナントサービスの提供に注力し、順調な稼働を維持しました。また、新橋田村町地区市街地再開発事業では、地下解体が完了、新築建物の基礎工事に着手しており、概ね計画通りに建築工事が進捗しました。
当社グループのイイノホール&カンファレンスセンターにおいては、セミナー、講演会、映画試写会といった催事の積極的な誘致に加え、映像設備の更新を行った結果、高稼働を維持しました。
スタジオ関連事業を行うイイノ・メディアプロにおいては、主力のスタジオ部門の稼働が堅調に推移すると共に、プロダクション、レタッチの各部門も安定した収益を確保しました。
以上の結果、不動産業の売上高は106億69百万円(前期比1.2%増)、営業利益は32億73百万円(前期比1.1%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当期の「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、145億49百万円のプラス(前期は121億17百万円のプラス)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益52億57百万円と減価償却費89億18百万円によるものです。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は212億2百万円のマイナス(前期は153億99百万円のマイナス)となりました。これは主に船舶及び不動産への設備投資を中心とした固定資産の取得による支出237億76百万円が、船舶を中心とした固定資産の売却による収入43億94百万円を上回ったことによるものです。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は58億26百万円のプラス(前期は33億50百万円のプラス)となりました。これは主にセール・アンド・リースバック取引に係る収入44億98百万円によるものです。
以上の結果、「現金及び現金同等物の当期末残高」は98億26百万円(前期末は105億36百万円)となりました。
生産、受注及び販売の業績
この項目は「業績等の概要(1)業績」の記載に含めて記載しております。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月26日)現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、期末日における資産・負債の報告金額及び報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。当社グループ経営陣は、債権の貸倒、棚卸資産、投資、法人税等、財務活動、退職金、偶発事象や訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収益・費用の報告金額についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 経営成績の分析
① 損益の分析
当期における売上高は、前期比4.3%増の848億43百万円となりました。なお、各セグメントの売上高の概要は、「第2 事業の状況 業績等の概要(1)業績」に記載の通りであります。
営業利益は前期比15.4%減の47億82百万円となりました。これは主にケミカルタンカー市況の低迷等によるものです。なお、各セグメントの営業利益の概要は、「業績等の概要(1)業績」に記載の通りであります。
経常利益は、前期比1.5%増の47億1百万円となりました。これは営業利益段階では減益であったものの、主に受取配当金の増加や為替差益の計上といった営業外収益の増加によるものです。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比10.4%増の46億85百万円となりました。これは主に老齢船の処分に伴い計上した固定資産売却益によるものです。
② 財政状態の分析
当期末の総資産残高は前期末に比べ121億98百万円増加し、2,224億35百万円となりました。これは主に船舶の竣工による増加や設備投資の進捗に伴う建設仮勘定の増加によるものです。
負債残高は前期末に比べ83億60百万円増加し、1,493億59百万円となりました。これは主に運転資金及び設備資金の借入並びにリース債務の増加によるものです。
純資産残高は前期末に比べ38億40百万円増加し、730億77百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益計上に伴う利益剰余金の増加によるものです。
以上の結果、当期末の連結自己資本比率は32.8%(前期末は32.9%)となりました。
(3) 流動性及び資金の源泉
① 資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは当社グループの外航海運業と内航・近海海運業により構成される海運業に関わる運航費、船費、借船料と不動産業に関わる管理費、営繕費等の不動産業費用、各事業についての一般管理費等があります。また、設備資金需要としては船舶投資と不動産投資に加え、情報処理の為の無形固定資産投資等があります。
② 財務政策
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っており、運転資金及び設備資金につきましては、国内、海外子会社のものを含め当社において一元管理しております。
当社グループの主要な事業資産である船舶の調達に当たっては、船主からの中長期用船や裸用船のバランスも考慮に入れ、当社グループ全体の有利子負債の削減を図っております。円建て、米ドル建ての借入金を含む当期末の有利子負債残高(リース債務を除く)は1,179億70百万円となりました。
また、資金調達コストの低減に努める一方、過度に金利変動リスクに晒されないよう、設備資金の借入の大部分について金利スワップなどの手段を活用しております。
当社グループは国内2社の格付機関から格付を取得しており、本報告書提出時点において、日本格付研究所:
「BBB+」、格付投資情報センター:「BBB」となっております。また、金融機関には充分な借入枠を有しており、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転、設備資金の調達は今後も可能であると考えております。また、国内金融機関において複数年を含む合計180億円並びにUS$6千万のコミットメントラインを設定しており、流動性の補完にも対応が可能となっております。
③ キャッシュ・フロー
「業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」をご覧下さい。
記載すべき事項はありません。
記載すべき事項はありません。